「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」ファーストインプレッション

三台目の3Dプリンターとして「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」を買ったわけだが、なぜ当該製品を選んだのかについては別項「三台目の3Dプリンター「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」を何故選んだか」を参照いただくとして、ここでは第一印象程度になるが使用感などを記してみたい。


「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」は私にとって初めての組立キットである。正直組立に絶対なる自信などあるはずもなくトラブルも覚悟した上での選択だった。

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※組立調整が済んだ「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」


ただし組立といってもすべての部品を組んでいくといったことではなくフレーム、プラットフォームそしてコントローラーボックスといった大別して三つのブロックを組み上げて配線することになる。したがって3Dプリンターの理屈を理解している人には難しいことはないに違いない。
とはいえ一応日本語の組立マニュアルが同梱されているが、自身で意訳しながら読まなければならない部位もあり、もしこれが最初の3Dプリンターであったなら私は無事に組立ができたとは思えない。

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※表紙を含めて19ページの日本語マニュアル


購入はAmazonからだったが、その説明によれば30分程度で組立は終わると記されていた。無論それを鵜呑みにするわけではないが、部品の欠如とか初期不良も含めて何の問題もなく組立が完了するとは思っていなかった…。
まずは前記したフレームとプラットフォームを組立後、コントローラーボックスからの配線を各部のコネクターに接続する。
これまたマニュアルを何度も読みながら間違いないようにと確認しつつ接続する。そしてコントローラーの電源仕様が110V設定になっていることを確認して電源を入れマニュアルに従って調整と動作確認をすることに…。

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※配線はすべてコントローラボックスから出ているコードを指定のコネクタに差し込む(上)。電源を入れる前にコントローラボックスの設定が110Vになっているかを確認(下)


詳細なことを記すと煩雑になるから遠慮するが、私の場合一度で何の問題もなく付属のSDカードにあるサンプルデータのプリントが完了したのには自分で驚いた。無論水平出しは行ったが初めて経験することになった特殊強化ガラスだという加熱プラットフォームのまま、そして糊も使わずラフトも指定しないデータのプリントが難なくできた。

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※特殊強化ガラスの加熱プラットフォームのまま、糊も使わずラフトも指定しないサンプルデータのプリントが綺麗に出来たのには驚いた


ただしそれですべてが上々とはいかなかった。
一番の問題はフレームとプラットフォームの接続と組立が甘かったようでフレームが歪み、エクストルーダーを含むX軸のフレームがスムーズにZ軸を上下しないというトラブルが生じた。
取り急ぎ適当に繕うことで何度かプリントを試みたがテストプリントの時とは違いプラットフォームに第一層が定着せずX軸のフレームの動作も正確では無い。

ここで冷静になり全体を確認し見直すことにした。結果どうやらフレームがプラットフォームに正確に納まっていないように思えたので一旦外して水平と垂直を図りながら最初から組立し直した。
フレームとプラットフォームとの接続は付属のZ軸リミットスイッチを含むプレートとZ軸固定プレートでそれぞれ左右にねじで固定するが、長さが58cmほどもある頑丈なアルミ製のフレームだからしてこれがしっかり垂直に組み立てられていることがキモとなる。

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※プラットフオームとフレームは両サイド共にZ軸固定プレートでしっかりと確実に固定する必要あり


後はエクストルーダーを含み上下フレームを行き来する軸の左右が正確に水平であるかの調整もしっかりやらないとスムーズに上下しないしプラットフォームをいくら水平出ししても正確なプリントは望めない。
ともあれ再度見直した後はきちんと動作したしそのプリント結果は期待させるに十分な精度だった。

Amazonの製品ページには組立は30分程度でとあるが嘘ではない。ただし熟知した者という前提での話しに違いない。もし私が改めて当該製品を一から組立るのであれば確かに30分で可能だと思うが、最初の経験者は時間を惜しまず確実に組み立てることだ。それがトラブルを回避する一番の心得だと思う。

というわけできちんと調整ができた「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」はコストパフォーマンスが良いし実用十分な能力を持っていると考えるがなにせ構成がシンプルなだけに動作を続けるうちに多々トラブルにも遭遇するに違いない。
勿論トラブルは避けたいものだが、程度問題ではあるもののDIYを謳う3Dプリンターはやはりトラブルはつきものであり、そのトラブル自体をも楽しみながら問題解決していくなかで3Dプリンターという素晴らしい製品の神髄を知ることができるような気もしている。

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※「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」のエクストルーダー


事実私の「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」はいまノズルが詰まり、交換ユニットの到着を待っている。しかし幸いなことにメールによるサポートは実に丁寧で的確であるのが救いだ。
私にとって本製品は実用機であると共に最良の教材だと考え平常心を保っている(笑)。

さてまだまだ使い始めてから日が浅いので偉そうなことは言えないが、最後に本製品を使うにあたり留意点をいくつか記してみたい。

1)設置サイズがでかいので置き場所を確保するのが大変。特にコントローラーは配線上本体に向かって左に置く必要があるしそれ自体も結構大きい
2)配線後のケーブルを動作に支障ないように取りまとめる必要あり
3)ベッドの温度上昇が遅い
4)コントローラーの液晶表示は英語
5)動作音は59dB程度と意外に静か
6)水平出しは難しくはないがプラットフォーム下の蝶ネジ4本の操作はやりにくい

ともあれ本機「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」は最大造形サイズが 310 × 310 × 410mmという魅力的な製品でもある。
長い付き合いをしたいものだ。



三台目の3Dプリンター「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」を何故選んだか

三台目の3Dプリンターを手に入れた。今度のは未組立のDIYキットであり個人的にはかなりの冒険そしてリスキーな選択だった。そして2カ月間ほどの間それなりに調べた結果選んだのは「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」である。今回はその「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」の紹介と言うより選んだ理由についてお話ししたい。


私は実用としての3Dプリンターは「FLASHFORGE Inventor」を愛用している。FDM方式の3Dプリンターとして安定性、精度はもとより扱いやすさ等において優れた製品だと思っている。

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※取り急ぎ組立を完了したJ&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」


ではなぜいま「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」なのか…。
結論めくが私なりの理由をまず記しておきたい。

選択理由
① 造形サイズが310x310x410mmと大きなこと
② ダイレクトエクストルーダであること
③ 3Dプリンターの仕組みをよりよく知りたいと考えたこと
④ サポートの好印象

最初の理由は至極明解だ。毎々大それた造形をするわけではないが、時には板状のものであれ棒状のものであれ大きなサイズのプリントが必要な場合が出てくる。
「FLASHFORGE Inventor」のプリント最大サイズは230 ×150 ×160だが決して小さくはないもののその限界のためやむなく分割プリントをしたり諦めたりというケースも増えてきた。
その点造形サイズが310 x 310 x 410mmという「J&T 3Dプリンター DIYキット」は魅力的だった。
無論サイズは上を見たらきりが無いし大きなプリントはそれだけ時間も必要になるが、造形目的により「FLASHFORGE Inventor」と「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」を適宜使い分けたいと考えた。

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※開封したところ。各層の部材は発泡スチロールに保護され理想的な形で梱包されていた


2番目の理由だがこれは少々説明が必要かも知れない。
FDM方式の3Dプリンターのエクストルーダには大別してボーデンタイプとダイレクトドライブタイプがある。無論どちらも得手不得手がある。

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※付属品たち


最初に手に入れた「BIQU Magician」という安価な3Dプリンターはボーデンタイプだった。
フィラメントはまず送り出し機能を持つエクストルーダからPTFEチューブを通ってノズルがあるヘッドに送られるが「BIQU Magician」の場合このチューブの長さが使い勝手を阻害している。

チューブの長さは30cmほどあるがエクストルーダ側は容易に外すことは可能だ。
さて例えばフィラメント交換の場合を考えるとヘッドを熱して液晶画面でエクストルーダのギアを逆回しにし、フィラメントをいくばしかの長さだけ引き戻した後にヘッドから引き出すが、フィラメントはチューブを通ってエクストルーダのギアに挟まれているため供給元から引っ張り出すには送り機構のギアレバーを緩めてチューブ内の長さに至るフィラメントを慎重に引き出す必要がある。
したがってフィラメントの交換は手軽ではなくつい億劫になってしまうしプリントを中断しての交換は事実上無理だ。

それからボーデンタイプは前記したように送り出し機構とエクストルーダーに距離があるためフィラメントを送る際にスムーズにいかなかったり特に軟性フィラメントの場合は伸び縮みもあり得、正確なフィラメント送り出しができない場合もありうる。
ただしボーデンタイプの利点はノズル回りを軽量小型化が可能なため移動の高速化を図りやすいのも事実だ。

ちなみに「FLASHFORGE Inventor」はダイレクトドライブタイプの3Dプリンターだ。ファームウェアの出来も含めてフィラメント交換も実に容易だし確実だ。またフィラメントの引き込みや送りも正確であり、「BIQU Magician」で苦労していただけにダイレクトドライブタイプが気に入った。
今般「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」にたどり着いたのは当該製品がこの種のフレームタイプのDIYキットでは数少ないダイレクトドライブタイプだったからだ。

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※「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」はエクストルーダーに直接フィラメントを引き込むダイレクトドライブタイプ



3番目の理由だが、これまで手にした2製品は完成品だった。それらを自分なりに使い込んではいるが3Dプリンターに関する小難しいことはまだまだ知らないことが多いこともあって一度は自分で組み立ててみたいと思うようになった。
とはいえ自信があるわけではないのでなるべく簡単な製品をと考えたがトラブルはトラブルとしてその過程で知り得ることもあるはずだしもう一歩踏み込んだ3Dプリンターの神髄を知りたくて今回DIYキットを選んだ。
完全動作させるまでには苦労するかも知れないが其れを含めて楽しんでみたい。

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※組立はフレームとプラットフォームを組立て、そしてコントローラーボックスからの配線を行う


さて、4番目の理由は明快だ。「J&T 3Dプリンター DIYキット JT-28-004」購入にあたり不明な点があったのでメーカーに問い合わせてみたが、解答は迅速であっただけでなくこちらの意図がきちんと伝わり的を得た返事をいただいた。したがって万一組立や実利用でトラブルが生じた場合もサポートを期待できるに違いない。
最後に「J&T 3Dプリンター DIYキット」のスペックをご紹介してこの稿を終えるが無事に動作すれば別途ご報告する予定だ。

【仕様】
1)プリント仕様   
プリント方式:FDM
  最大造形サイズ: 310 x 310 x 410mm
  プリント積層ピッチ:0.05 - 0.3mm
  最大プリントスピード:120mm/s
  フィラメント材料直径:1.75mm
  ノズル直径:0.4mm
  使用可能フィラメント:PLA、ABS、HIPS、PC、Wood、PLA-CF炭素繊維、PLUS炭素繊維、PETG、Flexible PLA、T-PLA、HCPLAなど
2)温度
  押出温度:260℃
  プラットフォーム温度:100℃
3)ソフト仕様
  読込可能フォーマット:STL、G-Code、AMF、OBJ
  データ入力:USB、SDカード
  オペレーティングソフト:Repetier-Host、Cura
  対応システム:WINDOWS 7/macOS/LINUX
4)パワー:
  入力:110/220V,360W
  出力:24V 15A
5)サイズ&重量
  本体サイズ:520 × 500 × 620mm
  梱包サイズ:640 × 585 × 220mm
  本体重量:10Kg
  梱包重量:12Kg









顔写真を笑顔にする iOSアプリ「FaceApp」を検証

笑顔は何物にも代え難いものだ。生きていくだけで大変な時代だからか思えば人々から笑顔が少なくなったように思うのは私だけだろうか。と随分高尚な物言いからはじめたが、自身で造形した等身大女性モデルの笑顔を見たいと「FaceApp」という iOS アプリを使ってみたのでその感想を…。


なにしろ我が専属モデルは美しいが微笑んでも笑ってもくれない。しかしもともと写真撮影の小道具として考え造形を進めてきたものでもあり、時には笑顔の一端をフレームに入れたいと常々考えてきた。無論それはフォトレタッチに頼ることになる。
私が常用しているデジタルコスメチックソフト、例えば「PortraitPro」とか「FaceFilter3 Pro」といったツールにも表情を変える機能が備わっている。しかしそれらは化粧を施す、眉の上下、目を細める、唇の両端を上げるといった程度もので精々表情を柔らかくし微笑を加えるといった程度の機能に留まる。

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※「FaceApp」は気に入ったのでアプリ内課金を実行しPro版にした


先日ネットで顔写真を笑顔にできる「FaceApp」というアプリを知り早速確認してみた。これまで知らなかったのはそれが iOSアプリだったからだ。私はiOSでフォトレタッチはもとより具体的ななにかを創造したり加工したりは興味は無くどうしてもMacで作業したい派だから…。

ともかく出来が素晴らしいと聞きそれならひとつの手順として使ってみようとiPhoneにインストールしてみた。
「FaceApp」は写真の顔を笑顔に変換してくれるがそれだけのものではない。若くしたり反対に年寄りの顔にすることや男性化や女性化も可能だし、サングラスやメガネを加えたり髭面にすることもできる。しかしやはり秀悦なのは笑顔にする機能だ。

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※写真のライブラリから一枚を選んだりその場でリアルタイムに撮った写真も使える


これは2種類の機能に分類されている。「FaceApp」は「Fun」と「Style」に機能が大別されているが、「Fun」の「笑顔」は歯を見せた笑いで「Style」の「Tight smile」は歯を見せない笑顔になる。
早速専属モデルの写真で試してみたが「Fun」にしろ「Tight smile」もその自然さに驚いた。

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※左がオリジナル。中央が「Style」の「Tight smile」で右が「Fun」の「笑顔」


それは単に唇の形を変えるという単純なことだけではなく、口元はもとより目尻や頬の筋肉も自然な形にレタッチしてくれる。そして「Fun」は口元を閉じている写真でも歯を見せた笑顔を形成してくれる。
私の目的は笑顔だけだから後の機能には興味は無いがこれまでになかったほど自然な笑顔が気に入りアプリ内課金も支払った。

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※もう少し大きなサイズでご覧いただこう。これはオリジナル写真


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※「Style」の「Tight smile」による笑顔


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※「Fun」の「笑顔」による笑顔


しかしすべて満足かといえば贅沢なもので不満というか出来ることなら実現して欲しい機能がいくつかある。
まずは笑顔に変換した写真を保存するもその解像度は一律1280×1706ピクセルになってしまうことだ。
これはiOSのアプリとして使いやすい事を考慮していることや画像変換をネット経由の専用サーバーで行っている関係からの仕様だと思うが是非高解像の写真もサポートして欲しい。

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※このような写真でも顔部位をきちんと認識してくれる


そしてそもそもMac版が欲しい…。さらに笑顔も前記の2種に留まらず、またその程度・過程もスライドバーなどで可変でき調整が可能なら個人的には2万円程度でも買う(笑)。
というわけで次の有力候補が見つかるまで「FaceApp」は有効利用させてもらうつもりだが、もし別途こうしたアプリのMac版が存在しご存じの方がいらっしゃれば是非お教えいただきたい。

FaceApp: Neural Face Magic


フィラメントを繋ぐツール「EasyWelder kit」レポート

いま頭の中に常駐しているあれこれの中で3Dプリンターに関わることが大きい。まだまだ勉強しなければならないし知りたいことも多いしやってみたいことも多々ある。ともあれ当初は3Dプリンターそのものだけに目が向いていたが、よい結果を生むには相応の準備というか地味な努力もしなければならないことが分かってきた。


過日レポートしたフィラメント乾燥機「PrintDry」もそうした一例だ。
今回ご紹介する「EasyWelder kit」も私にとって今後より大切なツールになっていくのではないかという予感もあって購入したアイテムである。

「EasyWelder kit」とは何なのか。それはフィラメントを繋ぐツールなのだ…。
そもそもフィラメントを繋ぐ必要などあるのか?という疑問を持つ方が居るかも知れない。「使用中のフィラメントが折れた際の修理」という意味で捉えるとすれば間違いではないが正確ではない。

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※「EasyWelder kit」はヒーティングクランプ(上)とフィラメント保持プレート(下)で構成される


MDF方式の3Dプリンターにはフィラメントが必須だが、それは通常スプールと呼ばれる一昔前のフィルムロールみたいなものに巻かれている。その巻かれた一端を3Dプリンターがエクストルーダーに送り込みながら溶解しヘッドから抽出するわけだ。そのフイラメントの太さも数種あるものの一般的になったのは直径1.75mmのものだ。
材質にもよるがフィラメントは細いため、折り癖が付いたり時には完全に折れてしまうこともある。

それ以前にフィラメントの使用は無駄が多いという現実がある。どういうことかといえば、フィラメントにもPLAやABS等など様々な樹脂があるしカラーも多様だ。したがって特別な場合はともかく一種類同一カラーのフィラメントばかりを使い続けることはあまりない。
「今回はクリアなフィラメントを使おう」「今回はブラックで」といったように目的によって使うフィラメントは違ってくるのが一般的だ。

一方、市販されているフィラメントは通常1Kgとか600gといった単位で販売される。PLAの場合、大まかになるが1Kgだと長さは約330mほどになるようだ。これを一度のプリントで使い切るような造形はあまりないのではないだろうか。したがって何分の1を使い次は別のフィラメントを…というケースは多い。
結局この繰り返しとなれば後数メートル、10数メートルといった少量残ったフィラメントが増えてくる。
同種同色のフィラメントがこうして複数できあがる理屈だが、これらをつなぎ合わせることができればスプールに巻き直してまともな造形に使える理屈だ。

また意図的にカラーの違うフィラメントを繋いでカラフルな造形をということもありだ。
3Dプリンターによってはプリント途中でフィラメントが無くなった場合や意図的に一時停止させにて新たなフィラメント供給を待ってプリント再開できる機種もあるが、フィラメントを効率よく合理的にそしてユニークな使い方をと考えれば「EasyWelder kit」の出番は決して少なくないはずだ…と考えた次第。

ということで前置きが長くなったが「EasyWelder kit」の概要をご紹介しよう。
製品構成はEasyWelder本体であるヒーティングクランプ(USとEUプラグが選べるがUSプラグを選択)、フィラメント保持プレート、接着を防ぐパーチメントペーパー(硫酸紙)だ。

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※まずはヒーティングクランプのスイッチを入れ温度設定して加熱


使い方だが、まずヒーティングクランプを加熱する(100℃~200℃)。そして繋げる2本のフィラメント先端を綺麗にし相互の両端を鋭角にカットする。

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※つなぎ合わせるフィラメントの両端をこんな感じにカット


フィラメント保持プレートの両端にフィラメントをセットし切断面方向を合わせつつ2mmか3mm重ね合わせる。ちなみに写真では分かりやすいようにとフィラメント保持プレートに対して2本が平行に置いたが、実際には上下に重ねると具合が良い。なお扱えるフィラメント径は1.75、2.85そして3mmだ。

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※フィラメントを保持プレートの左右にセットしフィラメント先端を少し重ね合わせる


フィラメントの両端を合わせたらパーチメントペーパーを適度なサイズにカットしフィラメント接着部位を巻くようにする。これは加熱した「EasyWelder kit」とフィラメントが溶けて融合しないための剥離紙だ。

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※パーチメントペーパーで重ね合わせたフィラメントを巻く


最後に加熱してある「EasyWelder」クランプの溝にパーチメントペーパーのままのフィラメントを挟み込む。勿論このとき、フィラメント径に合わせた溝を使う。そして1.75mmのPLAフィラメントなら約7秒間ほど圧着する。

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※フィラメントを保持プレートとクランプの位置を合わせて圧着


クランプを外したら冷却をするため30秒間ほど待ち、その後パーチメントペーパーを剥がす。
基本的なミスがなければこれで両端は溶接されているので結果を確認後はバリを取る…。

EasyWelder kit_08

※冷えるまで待ってパーチメントペーパーを外す


とまあ手順はこんな感じだ。
ただし正直言うとこうして整然と文章にできるほど実際は簡単ではないのだ。いや確かに前記の要領で繋がることは間違いない。しかし実際問題 "使える" フィラメントをと考えるとなかなかに難しいあれこれが立ちはだかる。

まずフィラメントによって多少温度や圧着時間を変える必要があること。なぜなら時間を掛けすぎると圧着部位はかなり潰れてしまうし足りなければ繋がらない。

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※慎重過ぎるとこんな感じになりがち。後でバリを綺麗に取るのはなかなか大変


この辺の要領は実際自分で何度もテストを繰り返した上で感触を掴むしかない。
そしてなによりも理屈はともかく実際にフィラメント同士をフィラメント保持プレートにセットするのも使い勝手がよくないしいざ始めようとすると気づくことがある。

今回のようにテストは左右それぞれのフィラメントはせいぜい10cm程度の短いものでやったから良いものの、実際に数メートルとか十数メートルのフリーになったフィラメントを繋ごうとするとフィラメント保持プレートの周りに巻き癖がついたフィラメントが左右共に手元に集中し巻き込んでしまい圧着する邪魔になってしまう。

第一まずまず繋がったとしてもそのまま使うことはできない。熱で圧着した訳だから当然バリが目立つからそれを取り除く必要がある。無造作に使えば詰まりの原因ともなってしまうに違いない。特にPLAフィラメントは扱いにくくなかなか思ったように仕上がらないことも多い。
イメージとしてはもっと簡単容易に繋ぐことができると考えたのが甘かったのだろうが、個人的には気軽に使う気がしない。
慣れやコツといったあれこれを克服すればイメージも変わるのかも知れないが個人的には期待しただけに「何だかなあ」の製品であった。



フィラメントドライヤー「PrintDry」とドライフルーツメーカー(MA-670-RY)の違い検証

まあ、どうでもよい記事だと自覚はしているがこの暑さ、バカげた1篇もまた良しということでお付き合い願いたい。要は米国から取り寄せたフィラメントドライヤー「PrintDry」はドライフルーツメーカー(MA-670-RY)の改変版だということは知ってはいたが、手違いというかアホというか両方手に入れてしまったのでこんな企画を考えてみた…。


フィラメントドライヤー「PrintDry」は日本への出荷はしていない。それが60Hz専用仕様だからなのかあるいは別の理由があるのかは不明だが、だとすれば外観がほとんど同じなドライフルーツメーカー (MA-670-RY)を工夫すれば同じ効果を生むことが出来るのではないかとドライフルーツメーカーを注文した。ところが経緯は省くが諦めていた本物の「PrintDry」も届いてしまった…。

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※ドライフルーツメーカー (MA-670-RY)とその専用トレイ


ということでバカげた企画だが、こんな馬鹿をやる人も他にいないだろうしせっかくだから双方の違いをきちんと認識することはドライフルーツメーカー をフィラメントドライヤーに改変する際に役立つのではないかとこじつけて話しを進めたい。

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※「PrintDry」


まず本体の外観をご覧いただきたい。ベースユニットは商品名表記のあるなしは別にしてデザインはまったく同じだし温度設定のメモリ表記がドライフルーツメーカー(勿論国内仕様)が温度を摂氏のみで表示しているだけだ。したがってぱっと見の違いと言えばトレーの形状であり、ドライフルーツメーカーの方はスライスしたフルーツなど比較的細かなものを並べて置くためネット上のトレイが5枚セットになっている。

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※電源と温度設定ダイヤル部。PrintDry(上)とドライフルーツメーカー(下)


一方「PrintDry」はそのトレイ部分が最上部の蓋を別にして違う。フィラメントスプールを収納するだけの厚みがあり、それが上下2組セットになっている。
また「PrintDry」のトレイは中にフィラメントを入れたまま3Dプリンターに供給するためトレーの横に一箇所フィラメントを通す穴が空いている。
ではトレイを外したベースユニットに違いはあるのだろうか。

この製品はベースユニット内にあるヒーターを熱し、ファンで熱風をトレー内に送り続けるという仕組みだからしてその仕組み自体は変わらない。ただし目的の違いからベースユニットの熱風吹き出し口に違いがある。
まずはドライフルーツメーカーの方だが、こちらはトレイを全て取り外すとベースユニット中央に熱風吹き出し口があるだけだ。ここから出てくる指定温度の熱風が網状のトレイを上昇しつつトレイに置いた物品を乾燥させるというわけだ。

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※ドライフルーツメーカーの熱風吹き出し口


一方フィラメントの乾燥専用として考えられた「PrintDry」はどうなのかといえばさすがにそのままではなく一工夫され、特別なユニットが組み合わされている。
それが吹き出し口の上にセットされているフィラメント・フィーダーとセンタリングピースである。

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※PrintDryの熱風吹き出し口にはフィラメント・フィーダーが取り付けられている。なお写真のセンタリングピースは実際の使い方とは逆さまだ


「PrintDry」は前記したとおりフィラメントの乾燥だけでなく、乾燥しつつ(しなくても)フィラメントを3Dプリンターに供給できるのが売りのひとつである。単に乾燥だけならトレイの底板にでもフィラメントスプールを置くだけでよいはずだがそれではスムーズにフィラメントを送り出せない。

為に「PrintDry」は吹き出し口中央上にフィラメント・フィーダーと呼ぶユニットが取り付けられている。この基本は樹脂製ベースを介して取り付けられ、2枚の金属板の間にベアリングが置かれている。したがってフィラメント・フィーダー上にスプールを乗せ、かつスプルーが中央位置からずれないようセンタリングピースを被せ、そしてフィラメントの一端をトレー横の穴を通して3Dプリンターのエクストルーダーへセットできる。
無論フィラメント・フィーダーは自走式ではなくあくまでエクストルーダーのフィラメント送り機構(引き込み)により引っ張られたスプールを抵抗なく回転させフィラメントを送り出すためのものだ。

「PrintDry」には同じようなフィラメント・フィーダーとセンタリングピースがもう一組同梱されている。最初スペア部品と思ったが形状が違い熱風吹き出し口には取付が出来ない。
マニュアルを拾い読みして分かったが、これは上段のトレイで使うものなのだ。上段のトレイ底に敷く金属板中央穴に合うようにフィラメント・フィーダー底に突起がある。したがって金属板に取り付けて1段目と同様3Dプリンターにフィラメント供給しながら乾燥することもできるわけだ。勿論2段目のトレイ横にもフィラメントを通す穴が空いている。

こうして違いを確認していてふと思いついたことがある。
前回の記事にも記したが「PrintDry」は60Hz仕様だった。この機器を一般のドライヤーに例えるなら50Hz環境で使っても能力が若干違うものの実際の使用には問題がないと思われる。しかし肝心の温度設定に誤差が生じ乾燥に影響があるとすれば問題だ。

であるなら国内で問題なくスペック通り使えるドライフルーツメーカー (50Hz/60Hz仕様)にフィラメント・フィーダーとセンタリングピースを取付れば後はサイズも同じだから「PrintDry」のトレイをそのまま使えるのではないか…。
くどいようだがドライフルーツメーカーのままトレイだけ「PrintDry」のものを使えば乾燥だけは問題なく可能だがフィラメントの送り出しができないわけだ。
そう思いついて早速実行してみた。

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※PrintDryからフィラメント・フィーダーを外し、ドライフルーツメーカー吹き出し口の上蓋にネジ2本でフィラメント・フィーダーを取り付ける


結果、前記の要領で難なく「PrintDry」から取り外したフィラメント・フィーダーをドライフルーツメーカーの熱風吹き出し口に取り付けることができた。
無論「PrintDry」用2つのトレイもそのまま使えるわけで、これで安全に使える国内仕様の「PrintDry」が出来上がったことになる。

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※国内仕様のPrintDry完成


一応厳密にはドライフルーツメーカーの改造にあたるから保証外になってしまうに違いない。しかし新たに穴1つ空けてはいないし電気系統や配線の改造等も一切やっていない。ただただ熱風吹き出し口にフィラメント・フィーダーを取付ただ(既存のネジ穴およびネジをそのまま使用)けで後は純正「PrintDry」のトレイに置き換えただけである。したがって100%元の状態に戻すことも可能である。

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※最後にPrintDryのロゴを自作して貼り付けた

ただひとつ残念なのは “PrintDry” のロゴが本体にないことだが、これは些か寂しい。ということで透明シールにデジカメで撮ったロゴを同サイズにプリントして貼ってみたらまずまずの出来となった(笑)。



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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。ゆうMUG会員