専属モデル造形における手の考察と覚書

専属モデル造形第3弾は両腕の完成をもってひとまず終了となったが、その腕を含めて日々気がつく点などを改良し続けている。今回は腕の先となる手についての考察、覚書である。しかしボディもそうだが、手の造形物などありそうでなかなか見つからずこれまで不本意なものをいくつも買ったが、ここに来て使えるアイテムが手に入るという面白い現象も体験した。


可動式の両腕が必要だと自分なりに苦労して作ってきたが、手の造形を1から作るわけにはなかなかいかない。したがってハンドマネキンとでもいうのだろうか、指輪やブレスレットのディスプレイ用のようなものを探し出してきたがリアルさにおいてなかなか満足できるものはなかった。
それにそうしたものは例えば右手があったとしても同じ仕様で左手も販売されているといった例はほとんどなかった。しかしそれでは両手にならない。

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※腕の先にはPVC製の手をつけてある


そのうち、ベストだと思われるものを見つけた。やはり何らかのディスプレイ用なのだろうかシリコン製で指先に骨の役割をする金属が入っていて指が動かせる製品だ。造形も実際に人の手から型をとったと思われるリアルさがあり爪もある。
これを自作した両腕の先端に組み入れればかなり良い結果となるだろうと喜んで手に入れたが、なかなかそうは問屋が卸してくれなかった。

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※立ててあるのがシリコン製のリアルな両手。ただし重すぎる


ひとつには仕方がないことだとは言え値段が張ることだ。二つ目は出来は申し分がないものの片手の重さが470グラムほどもあり、これを自作した腕に取り付けると重すぎて関節が抜けたりするし、ポーズをと考えても思うようにいかないのだ。
とにかく軽量に作ることも使い勝手を良くするための方策だから残念ながらシリコン製の手は腕に付けることは断念した。
仕方なくネイルアートの練習用だという造形的には三流品を取り付け、アップを撮るときだけ前記シリコン製を使うと言った工夫をしてきた。

そしてその後もeBayやAmazonなどを中心により使い勝手が良くリアルな手をと探し続けてきたがここに来ていきなりというのも変だがPVC製の両手を見つけたのだった。

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※PVC製の両手を見つけた。これは軽くてよいしリアルさもまずまずだ


それはシリコン製のものより少し小ぶりで片手の重さが約110グラムと軽い。また腕に続くところは型抜きの穴が空いたままになっていてこれはジョイントもやりやすいし簡易的だが爪もある。難点があるとすれば色味がモデル本体と些か違うことだが、これは撮影時にどうにでもなるだろう。

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※PVC製のは空洞なので手の甲と掌との肉厚が薄く不自然なのが不満だった


ということで実際に自作の腕に取り付けてみた。バランスは大変良いしサイズ的にも申し分ない。しかしひとつ気に入らないところを発見…。
それは中が空洞のため成型が些か潰れて肉厚のない薄っぺらな手になってしまうことだった。それを回避するには中になにかを詰めればよいことは分かるが形を崩さずそして軽いものはと考えた結果ポリエステル100%の手芸用の綿を思いついた。
これなら軽くて軽い反発性もあり、量を加減することで適度にふっくら感も出せるし、作業中にも飛び散らない。

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※手の空洞部分にポリエステル100%の手芸用の綿を詰めることに


早速ポリエステル綿を適宜にちぎって詰め込んでみるとやっと女性の手というか思い通りの感じになってきた。
ひとつひとつはたわいもない工夫や思いつきだが、それにより少しでも造形モデルの完成度が上がるのは嬉しいし楽しいのである。

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※綿を詰めることでふっくら感が出た


余談ながら工夫といえば、衣裳変えにも生身の人間とは違って面倒というか厄介な場合も生じる。ブラウスやシャツにしてもサイズに合わせて手に入れるようにはしているが人間のように体に柔軟性がないので長袖の服は着せづらい。

そうした場合には腕を一旦肩から外して着せ、後から腕を袖に通して…ということをやる場合もあるし体にピッタリな場合はとても着せづらいことも多い。ではどうするか…。

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※両手の出来に満足


モデルの撮影は正面は勿論だがせいぜい横からといったものが多く、背中側から撮ることはあまりない。
だからというわけではないが、衣裳によっては買ったばかりの服を背中で真っ二つに切ってしまうこともやる。そうすれば着せるのが楽になるわけで、ピンなどで仮止めしておけば撮影には困らない。
こうしたいろいろと突飛なことを考えるのも物作りというか、専属モデル造形計画の面白いところなのだ。


アップルのロゴの使い方に見るアップルの変化

ここのところ、アップルのスペシャルイベント告知を見る度に思い起こすことがある。それは私がアップルジャパンのデベロッパー時代に口うるさいというより厳格な指導があったアップルロゴの使い方についてだ。アップルロゴの使用は許可を受けた者でないと使えないのは当然としてもその使い方は厳格に決められていた。


今回のスペシャルイベントのアップルロゴを眺めると今更ながらに「アップルは変わったなあ」ということを実感する。なぜかといえば一昔前はアップル自身もこのようなカラフルなアップルロゴは使わなかった…というより禁止だったからだ。
当時アップルロゴやロゴタイプのデザインやカラーリングは「Corporate Identity Guidelines」により明確に定められていた。その使用はオーソライズされた人々のみが定められた規定通りに使用することができ、ガイドラインに掲載されている使用基準のみが、アップルに認められているもので例外は一切認められなかった。

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※アップルがオーソライズされた企業に配布した「Corporate Identity Guidelines」。左右に見開き8ページ


「Corporate Identity Guidelines」にはアップルロゴの基本レイアウトはもとよりレターヘッドや名刺などに使用する際の配置について明確に決められていた。
そして一番厳しかったのはアップルロゴの色指定であり、それはアップルロゴだけでなく背景色にも決まりがあった。

使用できるカラーはお馴染みの6色フルカラーの他にBlack(スミ)、AppleRed(赤)、AppleGray(グレー)および白抜きだけが許されており、グレーもPMS#423、DIC652、CF8658、BL60と色味も詳細に指示されていた。
またフルカラーのロゴ使用の場合、背景色というか地色も白地、黒地、ダークグレー地、ライトグレー地と決められており、白抜きの場合も地色は黒地、ダークグレー(スミアミ60%)より濃いことが求められた。

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※ロゴマークの使用禁止例。「Corporate Identity Guidelines」より


さて、そのアップルロゴの具体的な使用もなかなか五月蠅い(笑)。
レジスターマークは指定位置に必ず入れなければならなし、ロゴマークに重なる書込は禁止、指定色以外の禁止、バックに写真を使用することを禁止、ロゴの周囲に文字パターンの配置は禁止、ロゴの周囲に規定の空きをとらないことの禁止、単色の場合、ベタ以外例えばグラデーションなどの禁止などと禁止禁止禁止が多かった。

そうしたあれこれが身に染みついている者から見るとアップルロゴのデザインが自由になり背景もその時々に相応しいものになっていることに驚く。無論これらはアップル自身のみに許されていることだろうが、当時はアップルも今のような自由度は持っていなかった。

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※2017年9月12日(米国時間)に開催するスペシャルイベントの告知に使われたアップルロゴ。「Corporate Identity Guidelines」からすれば言語道断な使用例だ(笑)


無論そうした自由度を批難するという意味ではない。むしろ9月12日(米国時間)のスペシャルイベントで使われているカラーリングのアップルロゴなどもいくつかのバリエーションとして製品類に使って欲しいとも思っている。近年のそれはほとんどが単色のロゴになっているからだ。
なにかシンプル、シンプルばかりで少々鼻についた感じもする。カラフルな製品があっても良いと思うと同時にこんなことにもアップルの変化を大きく感じている昨今である。



専属モデル造形計画第3弾、両腕を造るの巻

専属モデル造形計画第3弾として前回はトルソー型ボディにお気に入りヘッドマネキンの頭部だけ切り落として組み合わせるところまでやってみた。一応の成果としてバランス良く造成できたと思っているが、仕上げが残っている。それは両手の造形だが、一般的なマネキンとは違い可動式のものをと考えているので今回はその両腕製作のレポートだ。


この種のアーティクルの度に書いているが、そのほとんどがバストアップの撮影用モデルとして活用するためのものだから、両手が動かないことには演出の幅が狭まってしまう。

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※完成形両腕。あえて服を着せないで両手を使ったポーズを撮ってみた。腕が動かないとこうした演出ができない。なお腕は衣服の上から触っても皮膚に近い弾力がある


その種の既製品はないのかといえば、ないことはない(笑)。ひとつはラブドールやシリコン製のトルソーなどもあるものの価格的に高いだけでなく目的も違えばましてや「人形は顔が命」のCMではないが、私が拘っている一番のことは顔なのだ。したがって撮影用としてのモデルとして考えた場合にはラブドールにしろマネキンにしろ対象外なのだ。

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※今回造形する腕のラフ設計


また可搬の両腕が付いているマネキンとしてのトルソーも販売されているが、それはボディの材質が主旨に合わないし両腕も木製なのでこれまた対象外とした。
ということでなければ自分の気に入るように造れば良いと考え、これまで二度に渡ってトライしてきたが、今回はより完成度を高めたいと企画した。

しかし言い訳めくが予算はもとより個人的にできることとできないことがある。それこそ予算に制約が無ければ必要な部品を最適な材料でオーダーメイドもできるだろうが、そうはいかない。したがってAmazonとかモノタロウあたりで手に入る材料を使うことを目指してきた。
というわけで今回も造形計画第2弾と同様、腕の骨格、具体的に言えば上腕と前腕はパイプ型木材を使い、関節としてスマホ用の三脚などに使われる自在に折り曲げられるゴリラポットの足を使った。

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※腕の主な材料


その先端に今回別途手に入れたPVC製でリアルな両掌を取り付けることにしたが、まず今回注視したのは腕の長さだ。
前回はかなりいい加減に作り始めたが、今回は予想身長などから割り出した腕の長さを考慮に入れ、それを前記した材料で組立ることにした。ちなみに指先から上腕の付け根までの長さは約60cmとした。
さらに厳密な意味では関節の位置が違うが、前記した設計図にはなかった手首にも急遽関節を設けた。

ただし造形計画第2弾で造形した腕をそのまま使うとなれば決定的な欠点があった。それは形だけは腕だが骨のように細く、例えば長袖のシャツなどを着せて袖を通すと袖がクシャリと弛み腕のボリューム感が出ないことだった。ために今回は理想とまではいかないもののその骨格に肉付きを付けることを目標とした。

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※これは前作の一例。このままの腕では着せた袖が潰れて興ざめとなる


もうひとつ正確さを考えたことがある。それは上腕の先に関節として取り付けたクネクネの先端を樹脂製のトルソーボディの片下にはめ込むため、ボディ側に16mmほどの丸い穴を空けることだ。このとき、必要な長さに切断したゴリラポットの足先端の球体を押し込めば入るが、通常の使用では取れることはなく、かつ強く引けば外せるサイズを正確に空けたかった。なお片腕の重さは約320g程度だった。

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※ステップドリル・ビットセット。充電式ドライバーはすでに所持していたもの


着衣によっては両腕が付けたままだと着せたり脱がせたりが面倒な場合があるからだ。
ということでこのためにステップドリル・ビットセットというドリル刃を買って対処したが、さすがにそれ専用のツールだ。文句なくの綺麗で正確な穴を空けることができた。

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※ステップドリル・ビットを使って樹脂製のボディに16mmの穴を空けた。簡単に綺麗・正確な穴が空けられた


こうしてパイプ型の木材を指定サイズにカットし関節用のゴリラポット先端を押し込んで接着する。念のため接着を確実にするため一晩はそのままにした。
さて両腕への肉付けだが、いろいろと調べた結果 NBR(発泡ゴム)製の丸形クッションという材料を見つけた。これは厚みが1cmあり、これを木材に巻くことである程度のボリューム感が出せると考えたからだ。それにこれなら軽いし加工も容易に違いない。

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※第一段階の両腕


こうして両腕は形となり、まずはボディに取り付けてみたが腕の長さはもとよりかなり腕らしくなった。とはいえ誤解がないように言い訳を言わせていただくが、腕を必要とする撮影時には必ず長袖の着衣を使うことはお約束なのだ。それはそうなのだが見栄えはともかく白いシャツを着せてみるとボリューム感は問題ないもののクッションのグレーカラーが透けて見える場合があることがわかった。それでは興ざめだからとこれまたいろいろと考えたが、肌色の腕カバーを被せることで撮影時の違和感を軽減できた。

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※ゴム製クッションの上に肌色の腕カバーを被せた


すべてを計画の通りに組立て、あらためて長袖のシャツ類を着せてみると当然とは言え既製品の袖の長さも問題なく、そして繰り返すが着衣時の腕のボリューム感も良好だったので微調整はともかく、専属モデル造形計画第3弾はこれにて完結とする。

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※シャツの袖を通してみたがボリューム感は自然だった(シャツのサイズが小さかったが)


出来上がったELIZA(イライザ)3と名付けた専属モデルはリアル感を増し、ひょっとすると動き出すのではないかと思うほどの存在感が出ている。
そして腕が素のときのELIZAはまるでアンドロイドみたいで、そのどこか未完成の両腕も逆にSF感を増してくれるのだから面白い。
このELIZA嬢、これからもよい相棒となってくれるはずだ(笑)。


専属モデル造形計画第3弾始まる

当Macテクノロジー研究所の専属モデルの造形昨年の春からスタートし、試行錯誤の上でかなり強引な作りではあったがなんとか服とWigを着ければ撮影に使えるだろう「造形プロジェクト第2弾」を最後に一応の決着を迎えた。しかし考えてみるまでもなくあれこれと不満と反省も多く、機会があれば第3弾をスタートしたいと考えてきた。


なぜそんなに自作に拘るのか、市販のマネキンを手に入れればそれで済むのではないかと考える人もいるかも知れない。しかし大仰な物言いになるが、コマーシャルでもなんでもモデルを使おうとするとき "誰でも良い" ということなどあり得ない。その一番はやはり容姿だ。
マネキンに限ってもメーカーにより、型番によりその容姿は千差万別だが、これはと思う物は市販されていないかったり入手が可能だとしてもかなり高価なものだ。
そしてリアルな造形であることは勿論、演出上の効果をだすため、両腕もかなり自由に動かせるものが欲しかった。
そうしたあれこれを考えるといわゆる既製品では無理だったが、たまたま手にした首から上のヘッドマネキンの顔が気に入ったこともあり、これを使ってイージーオーダー的なオリジナルの造形をやってみようと考えたのが事の始まりだった。

ということで一年三ヶ月ほどのブランクがあったが、撮影モデル用マネキン造形第3弾に取りかかった。それは材料および最低限必要と思われる工具が揃ったこと、そしてひとつの決心というか決断したことがあったからだ。ともかく今回は電動ノコギリなども用意することになり、かなり大がかりとなった(笑)。

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※今回の造形計画を実行し調整のために仮に組立た例【クリックで拡大】


造形は最初からやり直すことにした。明確なビジョンもなく手を染めたモデル1号は途中で挫折。2号はいちおうの形はでき、実際にウェブサイトの表紙のための撮影をしたり、知人からの依頼で企画書の一端を飾ったりもしたが満足できるものではなかった。

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※専属モデル造形を背と前から。ちなみにスリーサイズだが、B=86.5 W=60.0 H=85.0cmだ


その第一は当時お気に入りのヘッドマネキンと組み合わせようとしてマネキンのボディとなるトルソーをeBayまで探しに探したが、適当なのはホワイトカラーの樹脂製しか見つからなかった。それでも何らかの服を着せるのだからそれで良いと考えて手に入れた。
しかしヘッドマネキンをそのままトルソーのボディに押し込もうとあれこれ画策した結果、トルソーを前後に切り離して胸から肩にかけてスペースを作り、何とか位置的に妥協できるところに固定した。

ために、トルソーとヘッドマネキンの隙間を粘土で埋めることになったが、それはそれで上手く行った。しかし現実にクライアントなどからの要求に合わせた服を着せようとすると女性物は胸と肩部分を解放したデザインが多く、襟付きのシャツならともかく接合部分が見えてしまってモデルの役割を果たせないことも出てきた。
さらにトルソーのボディはホワイトだったこともあり、これまた肩までオープンになっているドレスを着せることは諦めざるを得なかった…。

その問題が解決できなかった最大の原因はヘッドマネキンのヘッド、文字通り頭部分を切断する決心が付かなかったことにある。
ひとつには技術的なこと、すなわち硝子繊維樹脂(FRP)で出来ているというヘッドマネキンを上手く頭の部分だけ切断すること…に自信がなかったからだ。そして人形とはいえ首を切断するといったことへの抵抗感も否めなかった。

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※ヘッドマネキンの頭部位だけを切断(上)。電動鋸での切断面(下)


さて、それから早くも一年と三ヶ月が過ぎた。その間も適当な材料があれば手に入れておこうと定期的にネットを探していたが、ここにきて安価なスキンカラーの樹脂製トルソーやこれまた左右両手のアイテムが見つかった…。
共に一年三ヶ月前に探したときには見つからなかった代物である。ただしスキンカラーのトルソーであってもラッカー塗装処理されているような艶があるのはダメ。照明を当てると白く反射してしまうからだ。
これで機は熟したと考えたが最後の難関は前記したようにFRP製のヘッドマネキンの首を切断する勇気(笑)とその方法だったが、これも目処がついた。

やはり切断には鋸が必要だが、手作業ではいかんせん大変過ぎるからとハンディタイプの電動鋸を手に入れた。これに鉄切断用の刃を装着すればFRPも切れるという。
後はFRPの粉塵は吸うと害があるからと保護マスクとゴーグルを持出し、怪我を未然に防ぐために耐切創性手袋まで購入してことに挑んだ。

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※今回使った主な道具たち


要はこのトルソーを選んだのは価格だけではない。肌の色が些か暗い感じだったがそれは許せる範囲だと思ったしなによりも首が長く出来ていることが決め手だった。この形であれば切断した首(嫌な言い方だが)を乗せるだけで形になると考えたからだ。
例えばトルソーでも首が短いものもある。そうなるとヘッドマネキン側もある程度の長さまで首を残して切断しないと様にならない。しかしその場合にはトルソーとヘッドマネキンの合わせ目がどうしようもないことになるだろう。
事実太さも形状も差の大小はともかく違うはずだから、撮影位置によってはおのずと接合部は映り込んでしまう。

ただし、ヘッドマネキン側を顎の奥、首の喉元から頸椎の一番上あたりまでを切断できればトルソーと合わせても正面からでは不自然ではないし、実際には鬘を被せるわけでヘアスタイルにもよるものの両脇の合わせ目は隠すことが容易に違いない。
ということで基本的な材料と道具を揃えたとある日曜日、ベランダでお気に入りのヘッドマネキンを電動鋸で切断することにした。

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※ボディと組み合わせてみたが、正面からでは結合部分は判らない


電動鋸を事前に試してみるとその振動はなかなかのもので理想的には切断アイテムを万力などで押さえておかないと刃がブレることがわかった。しかしヘッドマネキンを壊さず傷つけずに固定できるような設備はなく、仕方がないのでクッションを床に置き、大切な顔部位を傷が付かないようにと大きなビニール袋で縛り付け、頭をクッションに押しつけるようにしてやってみた。
初めての経験なのでベストといったわけにはいかないが、まずまず予定通りのカーブで頭部を切断できたので、斬り口をヤスリで磨いた。そしてこの際だからと同じヘッドマネキンをもうひとつ続けて切断…。これで交換用のヘッドができた。

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※まだアイデア段階だが、こうしたエッジを作り、これに頭を被せることになる


次の問題としてトルソー側の首とヘッドマネキンから切り落とした頭部をどのようにしたらそれらしく固定できるかだが、これは写真に写らなければかなりアバウトでも良いと思ったし、完全に固定しなければ顔の向きもある程度変えられる理屈だから演出がしやすくなるに違いない。

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※頭は左右に動かすことができる


一通り仮組立をした上で簡単な衣裳を着せて鬘を被せてみたが、一体感もあるしこれまでにないよい出来だ。何よりも首の長さが思っていた通りになったので満足。そしてカメラテストもやってみた結果、後は可動型の両腕を作れば完成だ。
両腕も前回でより理想に近い物をと感触を得ているし軽量の左右両手が手に入ったので俄然やる気が出てきた。理想といえば、当モデルのスリーサイズだが、B=86.5 W=60.0 H=85.0cm である。

ともあれひとしきりの作業を終え、一休みしようと珈琲を手にし、あらためて廻りを見ると我が仕事部屋はまるで映画「EX_MACHINA」状態。首というか顔が棚に並び、あちらこちらに腕や手が置き去りにされている(笑)。いやはや知らない人がこの仕事場を見たら仰天するに違いない(笑)。

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※これはお遊びで映画「EX_MACHINA」の1シーンを思い出してそんなイメージを撮ってみた


造形は続く…。



バード電子、iPhone用の本革製収納ケース「Swing」をベルトに装着する試み

バード電子のiPhone用ラヂオケース後継モデル「Swing」を使い始めているが「バード電子、iPhone用の本革製収納ケース「Swing」レポート」で述べたように個人的にひとつ問題があるとすればカラビナでベルトループにぶら下げるのではなくベルトに何らかのアイテムで取り付けられないものか…を考えている。今回はその第一報をお届けしたい。


iPhone用の本革製収納ケース「Swing」は極めて具合が良い。ただし個人的な好みだが付属のカラビナでジーンズのベルトループにぶら下げるのは古いオヤジだからかどうにも落ち着かない。
特に私のiPhoneはiPhone 6s Plusで「Swing」もそれに合わせたL型なのでサイズも大きめだ。それを前記した方法でぶら下げるとその位置がかなり下過ぎると思うし、どうにも揺れるのが好きではないのである。それにこの低い位置だと雨の日は傘を差しても雨が入り込む可能性大なのだ。

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※今回テストしたカラビナやキーチェーンなど。なお一番左は「Swing」付属のカラビナだ


ということでこれまで使ってきたラヂオケースのようにベルトに何らかのアイテムを使って固定できないかを考えているところだが、今回はちょっと思いついていくつかのアイテムを手に入れあるいは工夫して試行錯誤を始めたレポートである。
まあ、単にベルトに固定するというだけなら「Swing」裏のループ状に針金や革紐でベルトに巻けばそれで何とかなるわけだが、それでは味けがない…。

少々具体的に言えば、私が愛用しているベルトの幅は4センチだ。それを考慮してその幅を通しつつ「Swing」を無理なくぶら下げることが可能なアイテムがないかを探しているわけだ。
まず最初に思いついたのはいわゆるゼムクリップ だった。無論一般的なものではなく全長50ミリのジャンボサイズの製品だ。

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※ジャンボサイズのゼムクリップを使ってみた例


これだと内側のループ内径が4センチ近くあるからここにベルトを通し、もう一方の小さなループに「Swing」を取り付けるという案だ。いやループにベルトを通さなくても、クリップのままベルトに挟めばそれで済むし外すのも楽だ。
しかし、安易すぎるのと(笑)「Swing」のループベルトをかなり押し曲げることになるし全体的な強度に不安があるので却下。

ということで次はそれらしい市販製のカラビナとキーチェーンと称する金属製のものを2種試してみた。
どうにかなるように思えたが、それ用に作られたものではないのでベルトに綺麗に納まらないしベルトに取り付けたとしても一方の「Swing」を取り付けるとその捻れの位置関係に違和感あるしその位置も下方であり、これまた却下。

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※やはりかなり無理があるし付属のカラビナと大差ない…


最後にこれは脈があるかな…と思ったアイテムを見つけた。
それはツールホルダーと称しているもので本来は手工具類をベルト位置にぶら下げておくツールのようだ。
簡単に説明するなら、金属製のベルトを通す台にカラビナが組み合わされているといった感じか。

ベルト通しは二箇所あるためしっかりと腰に固定でき、カラビナ部分にそれこそ手工具類を取り付け、効率的に外したり納めたりができるという代物だ。
これは機能上は理想的なものに思えて手にしたが、カラビナ部位がかなり大きなものだったこと、カラビナに「Swing」を取り付けると「Swing」付属のカラビナとあまり変わらない上下位置になってしまうことに気がついた。ただしブラブラ感はかなり軽減できるが…。

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※ツールホルダーで「Swing」をベルトに装着。見栄え的には良好


そこで思いついてこのツールホルダーを逆さにベルトへ着け、「Swing」をカラビナの下にぶら下げるのではなく太めのパイプの上部に通し、さらにカラビナを体側にピタリと倒すと「Swing」のケースもこれまでのラヂオケースと同じような位置となり収まりがよいことに気がついた。
またこれなら「Swing」をカラビナから抜くのも簡単だ。
ただし「Swing」一つを取り付けるには些か大げさなものとなってしまうのが難点だが、実際に取り付けて見ると外見からはそのからくりは分からないのでしばらくこれで試してみようと思っている。

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※ツールホルダーを使った舞台裏。いささか大げさで無骨(笑)


理想はこのベルト通し型にもっとスマートなフックが組み合わさればよいが、見つからなければ最後は自作することになるかも知れない(笑)。
ベルト通しは金属ではなく革製なら容易に加工できる。そこに都合の良いフックとか小ぶりなカラビナのようなものをこれまた革を使って縫い付ければよい理屈だ。
とはいえいまはその気力も時間もないので、しばし現状で満足しつつ次の機会を待つことにしよう。

バード電子 Swing


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appletechlab

Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員