ラテ飼育格闘日記(208)

せっかく手に入れたのだからとおりに触れて「バウリンガル for iPhone」を取り出しラテの鳴き声を分析しているオトーサンである。「バウリンガル」など使わなくてもラテが考えていることの概略は分かると思っているが、日々少しでもラテの真意に近づきたいと考えてるオトーサンにとってはその参考にしたいのである。


大昔の話しだが、レックス・ハリソン主演のミュージカル映画「ドリトル先生不思議な旅」をレーザーディスクで見たとき、そのおとぎ話のようなストーリーはともかく動物と会話ができるという能力に憧れたことを思い出す。

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※1967年制作、レックス・ハリソン主演の「ドリトル先生不思議な旅」(これは筆者所有のDVD)


映画のようにスズメとかワニはともかく、せめてワンコと会話ができたらと考える人は多いと思うが実際にワンコを飼ってみると意思疎通は簡単ではないものの愛犬が機嫌が良いのか悪いのか、喜んでいるのか怖がっているのか、嬉しいのか寂しいのか...といったことは自然に分かってくるものだ。
特に鳴いたり吠えたりするときはその声の調子や表情、尻尾や耳の動きからどのような気持ちなのかは間違いなく理解できると思っている。しかし...である。

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※はい、いまこの娘は何を考えているのでしょうか?(笑)


正直オトーサンとしては出来ることならその思いの確信というか裏付けが欲しいわけだ。無論「バウリンガル」が100%その答えを導き出してくれるものとは思っていない。ある意味、この種のアイテムを信じ切って生き物と対峙するのは危険だという気持ちも持っているが微妙なときに参考になるのではないか...という期待と共に「バウリンガル」自身の精度を検証するという興味をも満たしてくれると思っている。

個人的には以前猫用の「ミャウリンガル」の使用も含め、この種の翻訳精度は人間側の使い方が適切ならなかなか良い結果がでるのではないかと考えている。しかし別途「待望のiPhone用『バウリンガル』を使ってみて…」で記したように翻訳精度云々を言う前に「バウリンガル for iPhone」は使い勝手が非常によくない。
このことはソフトウェアだけの問題ではなくiPhoneのアプリケーションとして開発されていることからiPhoneの制約に縛られてしまうのである程度は仕方がない...。
もともと2002年に発売された「バウリンガル」はワンコの首に取り付けるワイヤレスマイクと翻訳を担当する本体に別れていた。したがって本体側のスイッチが入っていれば苦もなくリアルタイムにその結果を知ることができた。
しかしiPhoneは申し上げるまでもなく「バウリンガル」の専用機であるわけはなく、それを使うには電源を入れ、アプリケーションを起動し、録音ボタンを押し...といった手順を経る必要があり、そんなことをやっている内にシャッターチャンスならぬバウリンガルチャンスを逃してしまうこともしばしばなのである。
それに先日など猫に異常なほどの愛着を示すラテに一瞬強くリードを引かれて手に持っていたiPhone 4を落としてしまうというアクシデントがあった。幸い装着していたケースならびに液晶保護フィルムのおかげなのか傷が着いたり割れたりしなかったが...リスクも考えなければならない。

数日使い込んだ経験からオトーサンは「バウリンガル for iPhone」をラテとの意思疎通をより図るひとつの参考として使うことを考えているが、実用としてはリアルタイムにiPhoneを取り出してあれこれと図るのは危険だから止めるべきだと思うに至った。
いや「使うな」という意味ではなく「安全な使い方を考えよう」と提案したいのである。
結局一番安全なのは、これはという場面で直接iPhoneを取り出して「バウリンガル for iPhone」を起動するのではなくそのシーンをビデオに収め、後でゆっくり再生しつつその音声を「バウリンガル for iPhone」で翻訳することだという結論に達したのである。勿論事情が許せばiPhoneで動画撮影し、それを後でiPhotoなどで再生するのもありだ...。

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※真っ赤に紅葉したカツラの木の周りには綿菓子のような甘い香りが漂っている


さてラテの思考回路のあれこれを確認ならびに認識するのを楽しみにしているオトーサンだが先日絶好のチャンスが訪れた。
土曜日の朝、女房と共にいつもの公園に散歩に出向いたが、そこの茂みでラテが猫を発見したのである。
何度かラテと猫との関係はご紹介したことがあるが、ラテは猫に対して異常とも思える反応をする。それは嫌悪とか攻撃のためではなく近づきたい、遊びたい、触れ合いたいためである。
最初はオトーサンたちも何故に猫に対してそんな反応をするのか不思議に思っていたが、ラテが幼犬の時代に3ヶ月ほど育ててくれた先に数匹の老描がいたとのことでラテはニャンコが大好きなのである。やはり遊びたい盛りに日々一緒にいたニャンコたちが愛しいのかも知れないが、その実いたずらばかりして猫パンチを喰らっていたらしいのだが...(笑)。

ともかく猫を発見したラテはリードをもの凄い力で引き、その茂みの近くまでオトーサンを連れて行った。オトーサンも何事かを確認するためラテを制御しながら茂みに近づいたとき、危険を察したのかその猫は一本の木によじ登ったのである。
逃げ、去ってくれればそれで終わったのだろうが、高い所とはいえラテが見える場所にニャンコがいるわけで公園ならびに近所の団地いっぱいに響くような大きな声で吠え始めたのである。無論そのトーンを聞けばこの種の出会いは初めてでないから例えば嫌いなワンコに対する吠え方などとはまったく違い、是非是非遊びたいのだという事はわかる...。しかしそれがどの程度...というかどのような感情なのかを知り得るチャンスかと考えリードを引かれながらもiPhone 4を取り出した結果、思いもよらないラテの動きに付いていけずオトーサンは前記したようにiPhone 4を取り落としてしまったのである。

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※木の上に猫を追い込んだラテは遊んで欲しくて激しく吠え立てる!


一番のチャンスを逃してしまったかに思えたが、実は幸いにも女房がそのシーンをデジタルカメラの動画撮影モードで撮っていたのだった。実は映像としてはまったくなっていない出来だったが(笑)ラテの吠え声はステレオマイクで見事に採れていたわけで、オトーサンはその動画データを再生し「バウリンガル for iPhone」で翻訳することを思いついたのだった...。
結果は大げさでなく考えていた以上だった。数分の鳴き声、吠え声を可能な限り「バウリンガル for iPhone」で捕らえてみたが結果は「スキスキダピョーン!♡」「ほんとはなかよくしたいのよ!」そして「もーどんかんなんだからあ」を繰り返すというものだった!

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※「バウリンガル for iPhone」はラテの思いを忠実に翻訳しているように思え


これは凄いと思った...。この結果はオトーサンから見ても見事にその場の雰囲気というかラテの気持ちを表しているように思える。それも単純に「好き!」というのだけでなく「仲良くしたい」とかましてや相手のニャンコに対して「鈍感なんだから...」というつぶやきを翻訳していたとすれば見事というしかない!
無論「バウリンガル」が文字通り正確にラテの思いを翻訳していたかについては検証のしようもないが、その結果は曖昧でなくラテの思いをきちんと伝えているように思う。

ともあれラテは好意で吠えていたとしても当然のことニャンコはその意志が分からず危険を感じて木の上に逃げる。それでもラテは諦めずに吠え続けアプローチを続けるがしまいに焦れてきて声のトーンも変わってくるのだから面白い。
オトーサンはあまりにも激しいラテの吠え声が近隣の迷惑になるのではないかと思い、そしてニャンコが気の毒になったので途中でリードを引き強制的にその場を離れたが、オトーサンがその場に居続けたならラテも吠え続けていたのではないか...。
ともかくApp Storeにおける「バウリンガル for iPhone」のアプリ評価は芳しくないものが多いようだが、もしかしたらワンコの中でもラテは物言いがはっきりしているワンコなのかも知れない(笑)。
したがってオトーサンにとって「バウリンガル for iPhone」は遊びの範疇ではあるものの、ラテの意図...真意をさぐるひとつのツールとしてこれからも参考にしていこうと考えている。
それにしてもだ...「バウリンガル for iPhone」最大の弱点はワンコか声を上げないとその意志が分からない点ではあるまいか(爆)。

バウリンガル for iPhone

ラテ飼育格闘日記(207)

常々愛犬ラテがどれほどオトーサンを大切に、あるいは重要に思っているかを知りたいと考えている。この四年間ほぼ毎日ラテの世話をしているわけだが、この娘はまことに外面がよく、他の飼い主さんたちの膝に前足を乗せて立ち、口元を舐めたりと大変愛想が良い。しかし相変わらずオトーサンに対してそうした行為はしてくれない...。


11月12日はラテと出会った記念日である。1996年のこの日、オトーサンは女房と一緒に横浜市都筑区にある動物病院に出かけたのだった。そこで月1回定例の里親会が開催されることを知り、実際に適当なワンコがいるかどうかを確かめ、縁があったら飼い犬を紹介してもらうためであった。
そうした経緯についてはこの日記の最初の頃に詳しく書いたが、当初我々が頭に描いていたワンコはキャバリエだったりしたのだから雑種のラテを引き取ることになったのは正しく巡り合わせ...縁があったというしかない。

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※この小さな頭で彼女は何を考えているのだろうか...


ラテは当時生後6ヶ月ほどと推定される雌のワンコだった。たまたまオトーサンが頼まれてリードを保持することになったが彼女はこの場がどのような場所なのか、何のために多くの人たちが集まっているのかを本能的に知っているように思えるほど良い子だった。
約2時間の間、他のワンコはかけずり回ったり吠えたり、そして中には床にオシッコをしてしまうワンコもいたがラテはその間一言も吠えず、オトーサンのかぶっていたキャップをカミカミして唾液だらけにしてくれた。そして初対面のオトーサンが口に手を入れても体を触っても唸ったり咬んだりしなかった。

翌月引っ越しを済ませた我が家に避妊手術も済ませ元気になったラテが車で運ばれてきた。どうやら車に酔ったらしいが見かけは元気いっぱいだったからオトーサンは早速最初の散歩に連れ出した...。
ともかく散歩がオトーサンとのコミュニケーションを図る一番の良い機会だという予備知識を得ていたから当初は朝昼晩と1日に3回の散歩をこなしたものである...。
なにしろワンコのリードを持ったのはまったくの初めてだったから正直大変だった。しかし散歩ではオトーサンの左右に付いて歩くこと、オトーサンより前にあるいは遅れてリードを引っ張ると歩きにくくなることを始め、オトーサンの歩き方や歩幅などを覚えるのに役に立った。さらに拾い食いしようとした場合にリードを引くことに注意をはらったことなどなど、ラテはなにをしたら叱られるのかを学習していったはずだ。

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※ラテと散歩で通る道筋にはまさしく秋一色という美しい場所も多い


ラテが生後3ヶ月ほどのときに保護され、我が家に来る3ヶ月ほどの間はボランティアの方の家で先住犬や猫たちと暮らしていたというが、オトーサンたちの所に連れてこられて多分に心細かったに違いない。それにオトーサンはしばらくの間、ラテを良い子に育てようとトレーニングなどの本を読みあさり、そこに書かれているあれこれを鵜呑みにして厳しい対応をしていたから、ラテもオトーサンを怖い飼い主だと思ってしまったのかも知れない。
そもそもラテは飼い主の我々と始終ベタベタするという関係は好まない「寂しがり屋の1人好き」といったワンコのように思える。
そうした性格もあってか、家の中でまとわりついたり、一緒に寝たりするということはなくいわゆる手のかからない聞き分けの良いワンコに育ったと思っている。しかしオトーサンとしてはもう少し甘えて欲しいと思うわけだ(笑)。

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※お気に入りのマッサージチェアに...それもこちらに背を向けて寝ているラテ。なにか拗ねているのか(笑)


女房に対して、あるいはラテが好きな友達ワンコの飼い主さんたち、そして子供たちには喜びを体全体で表して膝の上に乗ったりハグしたり、そしてチューを迫ったりするラテだがオトーサンに対してはまずそうした態度をとってくれないのである。
近づくと緊張をほぐすためかアクビを繰り返したり、時には顔を背けたりする...。
そんなとき「おい、毎日誰がお前の世話をしているんだ!」と恩着せがましいことを言ってみたくなるオトーサンだが、ラテはオトーサンの言うことはきちんと聞くが足下に寄ってきて寝そべったり体を寄せてきたりはまったくしてくれない。ましてやオトーサンの口の中にアイスクリームでも入っていればともかく、積極的にラテがオトーサンの口元を舐めにくるということもない...。やはり少々寂しいではないか...。ま、贅沢な悩みなのだが。ただしオトーサンにとっての救いは嫌われてはいないと思われることだ(笑)。

別の言葉でいうなら、ラテにとってオトーサンは必要な人間なのだ(笑)。まあ自分で言うのも変だが、必要とされるということは相手がワンコでも生き甲斐を感じるものだ(爆)。
この事を体験するにはラテとしばらく離れるとよく分かる...。
オトーサンが外出するのは日々の買い物程度なのが普通で、朝出かけて夕刻に戻ってくる...というケースはあまりない。したがって文字通りラテとはべったりなのだ。だから有り難みが分からないのかも知れない。
これまでにも機会は少ないがオトーサンが泊まり込みで留守をして戻ったときのラテの態度は忘れられない。
オトーサンが大げさではないかと思うほどの喜びよう...歓迎ぶりを見せてくれるからだ。これがあの毎日ブスッとした顔でオトーサンと付き合っているラテなのかと思うほど口を開け、両目を輝かせ、耳を倒し、尻尾などお尻ごと振って飛びついてくる。時には眼鏡ごと唾液に包まれて視界が消えてしまうほどのペロペロ責めに合うこともあったがそういえば最近は遠出しないのでそうした機会はなかったのである。

しかし先日の日曜日、チャンスが訪れた(?)。
オトーサンは朝の散歩を終え、朝食後すぐに出かけた。帰宅は午後4時半頃を目指して帰路につき途中携帯のメールで女房へ予定通り帰ると知らせたがその返事は「駅前のコーヒーショップでラテと待っているから」というものだった。
無論オトーサンに異存があるはずもなくラテがどんな反応をするかを楽しみにしながら電車の乗り換えを済ませ後3駅というところまで来たとき...電車が止まってしまったのである。
アナウンスに寄れば人身事故だというからしばらく時間はかかるに違いないとその旨をメールしたが、結局20分ほど遅れて待ち合わせ場所に着くことに...。

コーヒーショップのテラスの脇には階段があり、オトーサンは駅の改札を出てその階段を上がって左に回り込むとラテの姿が見えるはずだった。
オトーサンはiPhone 4にインストールしたばかりの「バウリンガル for iPhone」を起動し、ラテが叫ぶであろう声の翻訳をしようと準備を整えて女房とラテが待っている席を目指した。ちなみに「バウリンガル」とは犬の吠え声を音声分析して我々に分かるよう日本語に翻訳してくれるシステムだが今般そのiPhone版がリリースされたのだ。したがってラテがオトーサンの姿を見たとき、どんなことを思うかを知る絶好の機会である。

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※「バウリンガル for iPhone」使用中の様子


ラテの姿は印象的だった...というより期待以上だった。最初オトーサンを発見した瞬間、すでに周りは薄暗かったこともあり確認するタイムラグがあったがオトーサンに間違いないと分かると太いからだをピョンピョンし「ウォオオーン」を繰り返しながら飛びついてくれた。嗚呼、嫌われてないという確信(笑)。まさしくオトーサン至福の瞬間であった!

後で女房に聞いたところでは階段に人の足音がする度にラテは姿勢を正してお座りをしながら確認していたという。そしてオトーサンでないとまた床に伏せるということを繰り返していたようだ。まあまあ何とも可愛いではないか...。
そう、「バウリンガル for iPhone」の翻訳だが「これって、ワタシへのごほうび?でしょう?」という結果だった。

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※「バウリンガル」によればオトーサンが帰ってきたのはラテにとって嬉しいご褒美だったようである(笑)


オトーサンと半日ぶりに会って喜ぶ際の言いぐさとしては一見マッチングしていないようにも思うが「褒美」を受けることは間違いなく喜ばしく嬉しい出来事に違いない。あえて意訳するなら良い子にして待っていたからオトーサンに会えたのだ...という解釈にもとれる。
無論「バウリンガル for iPhone」が文字通りラテの気持ちを正しく翻訳したかについては誰も分からないわけだがこの一件は日常ラテのオトーサンに対する態度が冷たいと感じていただけに我が娘の思いを推し量るヒントになるような気がしているオトーサンなのである。

"Macintosh" という製品名は無くなるのか?

最近アップルのサイトを見ると “Macintosh” という表記がないことに気づく...。Appleから「Macintoshという表記は無くなり今後はMacという名称に統一する」といった正式なアナウンスはないが、どうやらAppleは“Macintosh” という歴史的な名を捨て去るつもりのように思える。


「Macintosh」とは申し上げるまでもなく1984年1月に発表された一体型パーソナルコンピュータの製品名である。
そもそもその名は小規模な開発プロジェクトを率いていた故ジェフ・ラスキンが名付けた名前だった。彼はプロジェクトの着想時にリンゴの1品種である “McIntosh”のスペルを意図的に変更して命名したという。
Lisaもそうだったが、Macintoshも元々はコード名だったものをそのまま製品名として使われたのだ。

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※Macintoshを前にご機嫌なスティーブ・ジョブズ(1984年)


Appleは1982年にMacintoshという名を登録商標にしようと考えたがすでにオーディオメーカーが登録済みのものと音が類似と判断され申請は却下された。苦肉の策でAppleはMacintoshを “MAC” と短縮して使うことを考えた。事実Macintoshのリリース時にバンドルされた2つのアプリケーションは「Macintosh Paint」および「Macintosh Write」ではなく「MacPaint」ならびに「MacWrite」とすでに略称、愛称的な使い方がされていた。
対外的にそれは「Mouse-Activated Computer」すなわち「マウスを使うコンピュータ」を表すと主張するつもりだった。しかしMacintoshがリリースされる1年前になってやっと名称使用のライセンスを受けることができたのである。
公式にその後の法的な解決に至るあれこれは公表されていないが1986年にはその登録商標を膨大な金額を払って取得したらしい。

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※1984年にリリースされた最初のMacintosh


これまでにもスティーブ・ジョブズがラスキン率いるMacintoshプロジェクトをいかに乗っ取ったか...といった経緯は断片的に紹介してきたが結局ジョブズはラスキンをプロジェクトから追い出し退職に追い込んだ。だからというわけでもないがジョブズはラスキンを好きではなかったこともあり、ジョブズがMacintoshプロジェクトのリーダーとなった際、最初に企画したことはMacintoshという名称を「Bicycle (自転車)」に変えようとしたことだった。
ちなみにジョブズが当時盛んにMacintoshを「知的自転車」であると発言していた裏にはこうした経緯もあったのである。
結局この案は誰も相手にしなかったこともあって取り下げられたがMacintoshという名はジョブズにとってジェフ・ラスキンのアイデアを引きずっているという意味でも理想的な名称ではなかったものと思われる。

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※最初のMacintosh背面に燦然と輝くエンブレム


したがって今、Appleが...いやスティーブ・ジョブズがMacintoshという名を消し去ったとしても私は驚くに当たらないと思っている。そして一時期、例えば「Power Macintosh」などという名称も引きずっていたし、そもそも「PowerBook」という名もPowerBook 100の時には「Macintosh PowerBook」だったが近年は「iMac」を始め「MacBook」「Mac Pro」そして「Mac mini」といった製品名...すなわちMacintoshとフルネーム表記する機会はなくなっていた。
それに古いユーザーなら「Mac」とは「Macintosh」の略称、愛称だと認識するだろうが近年の新しいユーザーはすでに「マック」という名は知っていても「マッキントッシュ」という名は知らない時代になったのかも知れない。さらにアップルジャパンのサイトを見ても製品解説などのページ本文に”Macintosh”という表記は見あたらない...。

ともあれ現時点でAppleから名称変更といったプレスリリースはないわけで、現行機種の総称として「Macintosh」と呼ぶことは間違いではないだろう。しかし念のためアップルジャパンのプレスリリースそれ自体の変遷を振り返ってみると面白いことが分かった。
それは今年、すなわち2010年6月15日までに公開されたプレスリリースのフッターとして記されている「Appleについて」の書き方だ。
その6月15日「Apple、まったく新しいMac miniを発表」というプレスリリースの「Appleについて」には「AppleはApple IIでパーソナルコンピュータ革命に火をつけ、Macintoshによって、再び、全く新しいパーソナルコンピュータを創出しました。」という説明がなされている。注目すべきは当然ながら”Macintosh” という名称が用いられていることだ。無論過去のプレスリリースにも同種の表現が用いられている。
しかし2010年6月28日の「iPhone 4の販売台数、170万台を突破」というプレスリリースには「Appleは世界で最も優れたパーソナルコンピュータであるMacをデザインするとともに、OS X、iLife、iWork、そしてプロフェッショナル向けのソフトウェアを開発しています。」と変わったのである。そしてそれ以降現在までのプレスリリースはすべてMacintoshという表記はなくMacで統一しているようである。
すなわち正式発表はないものの、Appleの内部的には今年の6月に発表したiPhone 4を機会にプロダクトをより家電指向とするためにも「Macintosh」という名称を「Mac」とすることに決めたのかも知れない。ただし当然のことながらコピーライトの表記にはいまだに「Macintosh」という表記は残されている。

スティーブ・ジョブズがAppleに復帰してから様々な変革があった。結果的に会社の業績を伸ばしたのだからその手腕は賞賛に値するわけだが、それにしても数多くのプロダクトを整理しパーソナルコンピュータ群をプロとコンシューマ、デスクトップとポータブルといった4つのセグメントに分けた製品を開発してきた。その過程でNewtonやPippinなどを廃し、PoweBookというノート型プロダクト名もMacBookと改めた。

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※最初のMacintoshを振り返るスティーブ・ジョブズ。Macintoshの名を廃しMacにするのは彼の新しい決意の表れなのかも知れない


推測ではあるがジョブズは自分不在の時代に存在したすべてを消し去り、すべてを新しく再構築するという理念に突き動かされてきたようにも感じる。繰り返すが前記6月28日以降の表記にこれまでずっと使われていた "Apple II" という記述も消えていることにも注目だ。ジョブズにとってすでにApple IIもアピールするに値しない遠い過去のプロダクトなのかも知れない。
その彼がApple Computerという社名をAppleに変更した後、最後の砦であるMacintoshという名称を廃しMACに統一するつもりだとしても不思議ではない。
というか、彼がMacintoshプロジェクトを奪ったときには変更できなかった「Macintosh」という名をこの時期になって捨て去ることでスティーブ・ジョブズの仕事は完成形となるのかも知れない。
勿論最初期からのMacintoshを嬉々として使ってきた1人としては寂しい限りなのだが...。

[追伸]その後数名の方からご指摘をいただいたが、Finderのアバウトに"The Macintosh Desktop Experience"とMacintoshという表記が残っていることを知った。まだ探せばいくつかあるのかも知れないが、なにか私にはこの表記さえ修正忘れのような気もするのだが(笑)

【主な参考文献】

・オーエン・W・リンツメイヤー著「アップルコンフィデンシャル」アスキー出版局刊

APEC厳戒中の横浜にY嬢と「ドガ展」を見に行く

あれほど一所に多くの警察官を見たのは初めてだと思うが、APEC(アジア太平洋経済協力 Asia-Pacific Economic Cooperation)を目的として各国首脳が横浜地域に集結したための厳戒体制の中、私とY嬢は桜木町駅で待ち合わせ横浜美術館に向かった。「ドガ展」を観るためである...。


Y嬢とは2年ぶりの再会ということになる。前回は東京都庁の展望台でデート以来だから本当に久しぶりだ。
彼女が研修で東京に来るという連絡をもらった際、札幌に帰る当日に横浜美術館で開催されている「ドガ展」を見に行こうと誘ってくれたのである。
最近はめっぽう出不精になった私だが、彼女の笑顔を見たくて膝にサポーターをしながらも電車に乗り待ち合わせ場所の桜木町駅へと急いだ。

横浜という場所は無論初めてではないが横浜美術館というのがあることは正直知らなかった...。iPhone 4の「マップ」で確認すると桜木町駅から徒歩11分となっているから大した距離ではない。

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※桜木町駅から横浜美術館までは徒歩11分程度の距離


途中目印となるランドマークもあるしまず迷うことはないが、待ち合わせ時間が昼時なのでまずは近隣で彼女と昼食を食べてから美術館に向かおうという約束になっていた。ともかく桜木町駅の改札を出た途端、目に入ってきたのが物々しい警察官の姿だった。それも1カ所にこれだけの数の警察官を見たのは初めてである。
少し早めに着いたので周りを観察していると場所によってはデジカメを向けて警察官に注意を受けている人もいる。私も大量の警察官の姿をカメラに収めようかと思ったが...やめた(笑)。

Y嬢は出張だからして荷物を持っているはずだが駅のコインロッカーは防犯のためすべて使用禁止になっている。本来なら邪魔な荷物をコインロッカーに預けて身軽に移動したいところだが、これでは美術館まで荷物を持たなければならない...。まったくAPECも重要なんだろうがこれだけ国の予算を使い、多くの人たちに迷惑をかけているんだから我が国としても最低限の成果をあげて欲しいものである。

そんなことを考えながら改札でぼんやりしているとiPhone 4に電話が入る...。どうやら改札から出てくる彼女を見つけるはずが意識が別のところに言ってしまったのか見過ごしてしまったらしい(笑)。

久しぶりに会ったY嬢は元気そうだったので一安心。そして近くのファッションビルの7階にあるレストラン街で食事をしながらお互いの近況報告を...。
面白かったのは彼女の職場の部長という人物の口から「スティーブ・ジョブズのプレゼン」という話しが出たという。彼女は「私、ジョブズのプレゼンを実際に観ました」と言ったら羨ましがられたとのこと(笑)。

彼女は以前私の会社のスタッフだったので数回サンフランシスコのMACWORLD Expoにも一緒に行ったから状況は一般ユーザーよりずっとよく知っているのである。
「とんだところで株が上がりました」という話だったが、それだけこの業界とは無縁の方たちもAppleという会社やスティーブ・ジョブズという人物を認知しつつあることにあらためて驚きを覚えた次第。

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※横浜美術館で開催中の「ドガ展」


食事を終えた我々は一路美術館へと向かう。無論その道々にも警察官がいっぱいだ。
美術館は大変立派な建物だったが、APEC開催中ということでその近隣にある美術館への人出もブレーキがかかったのか大変空いており、我々にとっては大変よい環境だった。
Y嬢の荷物を美術館のクロークに預け、我々は早速展示会場へと進む。

今回の「ドガ展」の目玉はオルセー美術館から来たパステル画「エトワール」である。この一点を観るためにここに来たわけだが無論本作品は本邦初公開であり、そもそも油絵などと違い運送途中で剥離を含み痛みやすいパステル画はなかなか海外への貸し出しを許可してくれないというからまさに貴重な機会なのだ。

画家ドガについての説明は避けるが絵画、彫刻そして遺品など130点ほどが展示されている。そのうちオルセー美術館からの選りすぐりの名品45点が含まれている国内で21年ぶりのドガの大回顧展である。
会場は「第1章 古典主義からの出発」「第2章 実験と革新の時代」「第3章 綜合とさらなる展開」に別れて作品展示されていた。

やはり圧巻は1877年の第3回印象派展に出品されたパステル画「エトワール」である。
パステル画だからしてなのだろうが小振りな作品であり決して派手な造形ではないが今回のドガ展の主役に相応しく本作品が掛けられているエリアは何だかひときわ明るいような気がする。

エトワールとはご存じの方も多いと思うが、パリのオペラ座で主役を務める踊り子の中でも特に花形にだけ与えられる称号だが、本作品はドガが多数描いた踊り子の絵の中で稽古の場面ではない公演の場の踊り子が描かれているのも特徴だ。

見る物の視点はちょうどボックス席からオペラグラスで舞台を覗いたような高い位置にある。ために舞台を軽やかに舞う瞬間の踊り子の姿だけでなく背景や舞台の袖などで待機する踊り子たちの姿も見ることが出来るという設定である。
その色調はまさしく優雅で見る物を優しい気持ちにするがこの「エトワール」は当時の厳しい現実をも垣間見させることも忘れてはならない。

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※「ドガ展」公式カタログ。表紙は勿論「エトワール」(一部)である


それを象徴するのが舞台の袖に見える黒い装いの男性の姿だ。顔は見えないがこの人物は踊り子のパトロンと考えられているという...。なぜなら当時花形の踊り子とはいえその世界は娼婦の世界とそんなに異なるものではなく、パトロンなしにスポットライトを浴びることは難しかったからだ。

無論ドガは華やかな衣装に身をまとい美しく踊る女性たちに魅せられただけではなくその背景にあるものまでをも描こうとしたに違いない。
現代の我々はこうした絵画の名作をとかく芸術作品として崇めるだけで済ませてしまうことが多いが、写真技術が台頭するまでの絵画作品の多くは芸術の名を借りつつもメディアの役割を果たしていたともいえるのである。

一通りすべての作品を眺めた私たちはもう一度この「エトワール」の前に戻ってしばしたたずんだ...。
その後、美術館内の喫茶コーナーで一休みしY嬢が帰りの飛行機に間に合うようにと急ぎ美術館を後にしたが、途中の橋を渡るとき警察官たちが「急いでください橋の通行を封鎖します!」と叫んでいる。どうやら下の道路を要人たちが通るからだそうだが、ゴルゴ13でもいるのたろうかと茶化しながら急いで渡り桜木町駅まで小走りに進みY嬢とホームで別れた...。

車中、ドガがどんな気持ちで「エトワール」を描いたのか、そして当の踊り子は幸せだったのだろうか...などなどと埒もないあれこれを考えながら女房と愛犬が待っているという駅前のコーヒーショップに向かった。
この「ドガ展」は今年の12月31日(金曜日)まで開催されている。

横浜美術館


ラテ飼育格闘日記(206)

愛犬は飼い主の正当な命令をきちんと守れなければならない。とまあ、それはそうなのだが正規のというか専門家の訓練を受けていないラテはいまひとつオトーサンの命令を厳守できない部分もある。その一番は「待て」を長い時間続けることだ...。                                                                    

なにかの本で読んだが、飼い主が愛犬に「待て」と命令してそのまま出かけてしまったところ半日経ってから家に戻ってみると愛犬は忠実に命令を守り続け、朝いた場所に居続けていたという...。
ラテも「お手」とか「伏せ」そして「来い」などはきちんとできるし、公園で会う子供たちに対しても言うことを聞いている。無論「待て」もできるが残念ながら前記したように半日はおろか、10分も継続させるのは無理に違いない。
また周りに刺激がないときにはきちんと待ってはいるが、他のワンコが近づいてきたり、大好きな飼い主さんでも現れればまずそちらの方に気を向けてしまう。

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※紅葉が増している中、冬桜も満開を迎えている...


そうした意味ではまだまだ不完全な訓練、躾しかできていないというべきなのだが、その「待て」というコマンドが100%効力を発揮する時がある。それは散歩から戻り、玄関に上がったところで四つ足や体を拭く場合である。
ラテが玄関のタタキを上がった所に敷いてあるマットの上で待つ時間は大げさにいえば数分から10数分かかるときがある。
なぜならオトーサンは自分の着ていた上着やキャップを脱ぎ、肩にかけていたバッグを外してウンチ袋をトイレに置く、そして左足のサポーターを外し、ビニール袋を台所から持ってくる。
続いて洗面所で洗面器に水を入れ、雑巾の準備などを終えて初めてラテの前に姿を現すといった手順だからだ。さらにラテの体を綺麗にする仕上げにブラッシングをするわけだが、2種類のブラシはそれぞれ一度使うと抜け毛で埋まってしまい、次の使用時にはそのままでは使えない。したがってブラシを掃除機で綺麗にする間、これまたラテは待たなければならないのである。

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※玄関でオトーサンの準備を待つラテ


それまでラテの首輪やリードはそのままだが、ラテはオトーサンの手順をこの4年の間しっかり熟知しておりあらためて「待て」とコマンドを与えなくてもその場を離れず静かに待っているようになった。
無論最初の頃は「待て」と制止したにもかかわらず汚れた足のままキッチンやリビングに駆け込むということもあったが、いまではラテは伏せたりお座りをしたままオトーサンの準備が完了し、自分の元に来ることを静かに待っている。

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※公園でオトーサンと一休み中です


実は待つだけでなく、その時にしてはいけないこと...約束事がもうひとつある。
それは体を綺麗にしブラッシングが終わった後にご褒美としてラテの好物の小さなオヤツをあげることにしているので、そのオヤツをラテの鼻先程度の横に置いておくわけだが、鼻先でツンツンと突いたりはするものの前記したようなオトーサンが一連の準備が終わるまでそれを食べてはいけないことになっている。いわゆるお預け状態である。
ワンコにとって好物が鼻の先にあり、かつ飼い主の姿が一瞬でも離れればチャンス到来と食べ物に食らいつくのが普通だと思うが、こうした躾は嬉しいことに効果があったようでいわゆる盗み食いはしないようになった。勿論、必ずその後そのオヤツは自分のものになることも分かっているのだろうが、躾をしたオトーサン自身が感心してしまうほどである。
ちなみに例えばオトーサンがシャツの胸ポケットにラテが好物の細長いビーフジャッキーとかガムなどを入れたままラテに近づくこともあるが、ラテは当然のことそこに好物があることはすぐに察知し、ポケットから頭を出しているオヤツをぺろっと舐めたり、ツンツンと突いて「頂戴」と意思表示する。しかし意地悪なオトーサンは知らん顔してラテの体を撫で続けている...といった時にもラテはオヤツに食らいついて食べたりしない...。
「ツンツン」の後でオトーサンの顔を覗き込むことを繰り返すが、それでもオトーサンが知らんぷりし続けると「クーン!」と苦情を言い始めるがやはり黙って食べることはない。

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※大好きなオカーサンの口からアイスクリームのお裾分けを貰おうとするラテ


しかしこれはラテとオトーサンの関係だからということも事実なのだ。なぜなら女房と一緒に帰宅し、ラテの体を拭くことを女房に任せるときがあるが、その時は玄関で待てず女房の後を追ってしまうことも多々あるからだ。
そんなときオトーサンが叱るとばつの悪いような笑みを浮かべて玄関に戻るラテがなかなか可愛いのである(笑)。やはり本来はやってはいけないことを知っていながら、相手や状況により我慢できないことがあることをまざまざと見せてくれる。

第一四つ足や体を拭く際にオトーサンの場合だとラテは手順と要領を覚えているからだろうか、例えば左前足をタオルで拭き終わりオトーサンが握っていた足を離すとラテは今度は右足だと自分からお手のように足をオトーサンの手に乗せる。
そして「お座り」とか「立て」というコマンドを与えながらも体の向きも拭きやすいように変えるが、女房のときを見ているとラテは女房とじゃれ合いたくて口元を舐めたりしてなかなか言うことを聞かないようだ。そんなときオトーサンがちょいと顔を覗かせると急に優等生になるのだから面白い。
ともかく体の汚れ具合にもよるものの、シャンプータオルなどで全身を濡らすようにした後に乾いたタオルを取り出すと、ラテは嬉しそうに自分からタオルに頭を突っ込んでくる。
タオルでよく体拭いて乾かし、雨の後などではドライヤーも使うが最後のブラッシングのときなどは口を半端開けて恍惚の表情をする。
我が家ではオトーサンがするブラッシングを「天使のブラ」という(爆)。
いや無論ブラジャーのことではなく「天使のようなラテに対するブラッシング」というほどの意味である(笑)。
この天使のプラでオトーサンの朝晩2回のミッションは終了となるのである。

ラテ飼育格闘日記(205)

時季外れの台風も無事に過ぎたが今年は猛暑の印象が強かったものの雨も多かったように思う。雨の日はまともな散歩ができないのでラテもフラストレーションがたまるのだろうか、肉球を囓って血を滲ませたりしている...。今回はそんなラテの冒険心と散歩における優秀な歩き方のお話しである。 


以前にも書いたが、ラテの洞察力といったらよいのか、空間の把握はなかなか大したものだとオトーサンは常に感心している。
そもそもオトーサンと散歩の時、ラテはオトーサンの左右に寄り添って上手に歩く。無論途中で猫が横切ったり、向こうから気になるワンコの姿を発見すればリードを引いて前に出ようとするときもある。しかし通常オトーサンの右に寄り添って歩いているとき、例えば2メートルほど先の左側に電柱があり、ラテがその電柱の臭いを嗅ぎたいときでもラテはオトーサンより前に出てリードを引っ張るようなことはしない。

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※左前足の肉球を囓って血が滲んでしまったのでオトーサンが消毒し包帯を巻いたところ


その場合にはまず自身の歩みを止めるか遅くしてオトーサンの後になってから左に移動して電柱に近づくという動作をする。
またT字路などでオトーサンが左に行こうとするとき、ラテが右に行きたいと考えてもオトーサンを引っ張るように前に出て右に行こうとはせず、オトーサンの後ろに位置してからおもむろにリードを引くという行動をとる。
そんなとき、ラテと目が合えば「こっち行っていいでしょ?」とでも言いたげな目つきでオトーサンを見上げるのである(笑)。
これらのことは特に訓練したわけではないが、ワンコにリードを預けて常に引っ張られているのではなく、あくまで散歩のリーダーはオトーサンなんだということをラテが理解していることの表れではないかと思い、良いことだとは思っている。しかし現実問題としてそうしたラテの動き、リードの引き方はリードを保持しているオトーサンの肩や腕に大きな負担を強いることになり、なかなか辛いときがあるのだ...。

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※しかし...オトーサンに抱っこされているのにこの無表情は何故(笑)


特に凄いな...と思うことは電柱や街灯あるいは遊歩道で自転車などの乗り入れが出来ないようにしているステンレスのポールなどに対するラテの行動だ。
とにかくラテと歩いているとき、例えばオトーサンが街灯の左を行きラテが右を進み、結果としてリードが街灯に巻き付いて両者ともそのままでは進めない...といったことにはならないのである。
街灯や電柱があるとラテは歩みを遅らせオトーサンを優先させてその後を追うという行動をする。たまたまリードが街灯などにぶつかって両者が左右に別れるような瞬間があるとラテは強引に進むようなことは決して無く、急遽後戻りしてオトーサンの歩みに従うのである。だからオトーサンはそうした障害物の左右を横切るときでも特にラテを注視することなく歩くことが出来る。

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※こんな場所通るとき、ラテは勝手に突き進んでリードをくぐらせるようなことは決してしない


歩くといえば、ラテは坂道や階段が好きなようだ。コーギーやダックスなどでは腰や背中に負担がかかるので階段の上り下りは難しいようだが、ラテはオトーサンの足腰の都合も考えずにかなりの急勾配の階段や坂道を嬉しそうに上り下りする。ただしどこで覚えたのかは不明だが、マンホールや排水溝などの上に敷いてある金属の網状のものの上には乗らず、飛び越すか遠回りするのは面白い。別にこれまでその種の上に乗って落ちたという例はないのだが...。
そもそもが臆病な癖にちょっとした冒険心もあるようで、階段の上り下りしている時はルンルンな感じなのだ。特に階段の端にあるコンクリートのフレームなどに好んで立ち入ろうとするのをオトーサンが阻止することも多い。

そう、階段といえば普段の道に続く階段は当然のことにコンクリートで安全だが公園にある遊具設備などの中には丸太を組んで数段の階段を作ってあるものや、木製の板を水平部だけ組んで階段を構成しているものなどいろいろである。そうしたいわゆる一見安心して上り下りができない段は普通ワンコは怖がって上り下りしようとはしない...。
無論ラテも基本的には同じだし肝っ玉が小さくデリケートなので自分から危ないことには挑戦するタイプではない。しかし以前のこと、丸太で出来ている吊り橋の遊具が公園にあったとき、怖がるラテをオトーサンは一緒に上り下りして慣らした実績があるのだ。

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※ラテはこの12月で4歳半になるが、好奇心いっぱいのワンコなのです


だから今も公園にある丸太でできている数段の階段も少しの練習ですぐにマスターした。最初の頃は丸太の段を踏み外して足が丸太の間に落ちたりもしたが、いまでは器用に上り下りができるようになっている。興が乗ればラテは1人でその階段を上り、狭いながらも木製のフロア部分で小休止するときがある。なぜならここには他のワンコは登ってこないからだ(笑)。

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※このような丸太の段々もラテは上手に上り下りするようになった


他のワンコが真似できないことといえば、オトーサン自慢のとっておきのことがある(笑)。
それは土日の朝に行くことにしている小さな公園の脇にある滑り台だ。砂場に置かれているこの大きめな滑り台は本来大人と子供が一緒に登って滑るためなのか、一般的なものより幅が広く作られている。
好奇心旺盛なオトーサンとしてはこの滑り台をラテと一緒に楽しみたいと考え嫌がるラテをなだめながら訓練した結果、いまでは「ラテ登るぞ!」というオトーサンのかけ声1つで自分からかなり段数がある板状の階段をスタスタと上るようになった。ただし注意しなければならないことは登った後、ラテが怖がり暴れたり、あるいは飛び降りるようなことがあればリードで首つり...ということにもなりかねない。したがってオトーサンは万一のことを考え滑り台の上でリードを極端に短く持ちラテの行動を制御するようにしている。

ともあれ後はオトーサンがまずステンレス製の滑り台の縁に両前足を投げ出して座り、ラテを右脇につける。そして合図と共にゆっくりと滑るとラテも怖がらずに付いてくるようになったのである。
やはりオトーサンと一緒にある種の冒険をしたという満足感があるようで、砂場に降りたラテは総じて駆け回って喜びを表すことが多い。
とまあ、こんなことを以前にも書き写真を紹介したところ友人の1人から「ホント? 抱いて登ったのでは...」という冗談メールがあった(笑)。事実その滑り台の階段を上って滑り台を降りてきたワンコは今のところラテの他に知らない...。
疑り深い友人たちのためにも今回はとっておきの動画で一部始終を公開したいと思う。
間違いなくラテは自分の意志で滑り台の階段を上り、そしてオトーサンと一緒に滑り台を滑り落ちているのがお分かりだろう(笑)。



※ラテと滑り台を楽しむ!


まあこの公園に行ったからと、いつもがいつも滑り台で遊ぶわけではない。雨の後で水がたまっていたりなどなど状況が悪いときもあるからだが、状況がよければオトーサンもラテと一緒に遊べるこの滑り台を楽しみにしているわけだ。
とにかくいつもは臆病で用心深いラテがオトーサンと一緒だとはいえ、他のワンコが見上げて傍観している中、その滑り台で遊ぶのは快感なのである(笑)。

【追伸】その後2010年11月21日、ボストンテリアのボビーちゃんとそのオトーサンが滑り台の快挙に挑戦し無事に滑ることができたところを拝見しました!

MacBook Air 11インチに見るAppleの細部へのこだわり

一時期、いや今でもアップルの製品はデザイン主導で売れていると思っている人たちがいる...。確かにAppleにとってデザインは単なる製品の外観ではなく製品の価値そのものなのだが近年は細部に至るまで実に心憎い物作りをしていることが知れ始めている。今回はその一例としてMacBook Air 11インチのUSBポートをご紹介しよう。


Appleは他のメーカーと製品作りの姿勢・視点が根本的に違うと同時にこだわり方が尋常ではなく細部まで徹底していることが特徴である。
今回ご紹介するのは極々些細な点であり、普通ユーザーはそこまで見ないと思われる部位...MacBook Air 11インチのUSBポートがテーマである。
MacBook Air 11インチには左右に1つずつUSB 2.0のポートが備わっている。左右にあることで接続する機器類の取り回しがやりやすいのは勿論だが、そのUSBポートをよくご覧いただきたい。

MacBook Air 11インチに装備されているUSBのポートは通常A型コネクタなどと呼ばれているものを装着するためのポートだが、そのキモはコネクタ側のソケット内にある4つの端子である。この端子がコネクタを差し込むことでUSBポート側の端子と接触するわけだが、その4つの端子をよく見ると両側の端子が長めになっているのがわかるはずだ。

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※USB A型コネクタ(上)とその内部端子部位の拡大(下)。両端の端子が長いことがわかる


両側の端子は電源供給のためのピンであり、その意味はコネクタが抜き差しされるとき電源が入っていないまま中央2つのデータ端子に電圧がかかり、機器を破損するのを防止するためである。ただしポート側の4つの端子の長さは同じである。こうした点は仕様としてどの製品も同じなはずである。
さらにポートに挿したコネクタがほどよく接触固定するようにとUSBコネクタのソケット両側にはそれぞれ2つの四角い穴がある。
この穴にポートの両内側にあるバネ状の突起が収まり、同時にこれまたポート左右にある小さなバネ状突起でコネクタを固定する仕組みになっているわけだ。

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※MacBook White (Early 2006)のUSBポート。写真ではポート内部の上側に左右2つ細い板状の部材を曲げて作られた突起がある


さて本題だが、USB 2.0のポートにある前記した2つの突起は通常細い板状のものを曲げて突起を作り、その金属板の反発をバネとして利用するのが一般的である。
お手元のUSBポート内を是非いくつか観察していただきたいが、それらは基本的に同じであり例えばiPad用のDock Connecter KitのUSBケーブルを差し込むポートやApple Keybord(テンキー付き)左右にあるポート、Mac Pro (Early 2008)そして最新 iMac背面のUSBポートも同様な構造である。
無論私の手元にあるAppleの最新機種は限りがあるのですべてを確認したわけではないが、これまでの機種は皆同じだと思われる。

しかしMacBook Air 11インチのUSBポートの構造は違うのだ!
よくよく確認してみるとそれらのバネ状の突起は左右のそれも含めて半球型の突起になっているのである。

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※MacBook Air 11インチのUSBポート内部。こちらのコネクタ止め突起はポートの左右も含めて半球型になっている


このバネ...スプリングの役割と共に接触を図る半球型のデザインはどこかで見覚えがあると思ったが、それはあのApple Battery Chargerの接点を連想させる。

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※Apple Battery Chargerのマイナス電極端子はスプリング付きの半球型デザインだ


Apple Battery Chargerのマイナス側に置かれた半球型の接点はそれ自体が内蔵されているスプリングにより上下し、充電のために取り付ける単三電池をしっかりとホールドしている。
ただしMacBook Air 11インチの半球型突起は私が確認した範囲ではそれとは違い、ベース素材の反発を効果的に使っているようだ。
いずれにしても一般的な仕様の部材を使わず、こうした細かな部分についてもオリジナルなデザインを通すことはコストも含めてなかなかできないことだ。

ではなぜAppleはこんな些細なこと...と思われるような部位にまでこだわるのか...。それこそデザインも製品価値のひとつと考えているAppleらしさなのだが、そのこだわりは確実に旧来のものより美しいことがまずあげられよう。そしてこの種のポートには一般的に蓋がないため、半球型接点は従来の仕様と比較して埃などに対してもトラブルが生じにくいと思われる。事実USBポート内をあらためて覗いてみると予想以上に埃をはじめとして汚れているのには驚いた...。さらに耐久性向上にも貢献できるに違いない。
この仕様のUSBポートが他にも使われているかは現時点で不明だが、前記したように私の手元にある機器類ではMacBook Air 11インチが初めてである。
MacBook Air 11インチを眼前にすると我々はそのユニボディの美しさといったことにまず目を奪われがちだが、通常人の目がふれないUSBポート内の構造に至るまでこだわりを持つAppleという企業精神を我々はもう一度見直す必要があるだろう。
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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員