「本屋の香りスプレー」で思い出す人生の岐路と運命

「本屋の香りスプレー」というのをご存じだろうか。MacTechnology Lab.ウェブサイトに紹介記事を載せてあるのでご一読いただきたいが、このアロマスプレーを仕事部屋にシュッとやった途端、昔の記憶が鮮明に甦ってきた。


本好きで活字中毒は若い時からのものだが、私は一時期本気で書店に勤めようとしたことがあった。しかし運命の糸は私を違う道に引っ張り、果てにアップルジャパンのデベロッパーとして小さな会社を起業する方向に進んでいった。
ということで今回は「本屋の香りスプレー」のアロマを嗅いだ瞬間に思い出した昔話をさせていただく...。

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少々前振りが長くなるが、東証一部上場企業に勤務していた私はある日、係長の上司に「会社を作ろうと思うが一緒にやらないか」と誘われた。勤務先にこれといった不満があったわけでもないが上司に認められたことや新しい世界を知りたくてその場で快諾したと思う。要は単なる世間知らずの若者だった。
ちょうど勤務先の会社では大型コンピュータが導入されて本稼働したばかりの時代だったこともあり部長に強く慰留された。しかし私の決心は変わらず将来への不安も感じないまま退職し、係長の上司が設立した小さな会社の役員となった。

「給与は保証するからまずは君たちがビジネスの基礎を作ってくれ。自分はいまの仕事を整理でき次第辞めてこちらに移るから」という話しだった。無論社長は登記上その上司だったが一年経っても二年経っても上司は会社を辞めずいろいろと理由をつけ「もう少しだ」と言い訳するばかりだった。
最初の頃はそれでも未来を夢見て仕事に精を出したが、起業時の話しとは随分と違っている現実を思い知りこのままでは生殺し状態だと会社を辞める決心をした。こちらは大企業を袖にして約束を果たしたのに肝心の上司が約束を果たしてくれないのだから何をか況んやである。結果数年後のことだがこの上司(課長に昇進していた)は約10年間その地位を利用して私腹を肥やしていた(業務上横領)ことが発覚。課長は自殺を図ったが死にきれずに病院へ。そしてそれから十数年後に亡くなったという。

ともあれ私は失業しハローワークに通いながら次の仕事を見つけなければならなかった。ときは1976年だったが翌年の1977年には結婚しようと現在の妻と約束していたし約束を果たすためにも正業に就かなければと考えた。
これまた今から思えば若気の至りだとしか言えないが、あまり深くも考えずいくつかの会社に履歴書を送ったり面接を受けたりした。それらの中に池袋駅前にあった大手書店が含まれていた。
本好きとして書籍に囲まれながらの仕事もいいかも知れないというノー天気な思いだけの決断だったが意外なほど簡単に面接も通り、採用ということになった。そして後日書面で正式な通知を郵送するので対処するようにとの話しだった。

したがって普通で考えれば私はそのまますんなりと本屋の店員となっていたはずだが、運命は私を書店へ勤務させることを拒んだ...。
数日後書店から届いた封筒を開けると入社に関しての細則と共に給与等の条件が記された用紙が入っていた。しかしその用紙を見て私は愕然としたのだった。
何故なら私自身に示された給与額明細とは別に他者の給与額明細も同梱されていたからだ。明らかに事務担当の初歩的ミスだろうが問題は私と同年配の男性の給与額は私のそれより高かったのだ。
面接時に「当社では貴方が必要です。最良の待遇を持って迎えます」と言われてどこか有頂天になっていたのかも知れないが、それだけにその給与差は容認できなかった。その一件だけで私は書店に入社することを止め、結果として神田神保町にあった社長1人しかいない極小の貿易商社へ勤めることになった。

結局その商社に12年勤務し、1989年にMacintoshのソフトウェアを開発する専門の会社を起業することになるのだから人生まさしくどこでどうなるものか分からない。しかし確かだと思えることはもし書店に勤務していたら私がパーソナルコンピュータと出会ったとしても起業まですることは叶わなかったに違いない。
貿易商社に勤務していた時代は本職もがんばったが、次第にパソコン雑誌のライターの仕事や書籍出版の依頼、あるいはコンピュータによるアニメーション作成といった依頼や注文が相次ぎ、そうした環境が私の背中を押してくれたのだ。

「本屋の香りスプレー」のアロマを嗅いだ瞬間、そんな若かりし頃の無謀な時代を思い出した。
まさしくこの歳になると「光陰矢のごとし 学なり難し」という言葉が身にしみる...。

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EPSONインクジェット複合機 カラリオ EP-879AWファーストインプレッション

インクジェット複合機 EPSONカラリオ EP-879AW ホワイトを購入した。この種のプリンタ購入は2010年4月にCANON PIXUS MP990を購入して以来だから実に7年ぶりとなる。理由はそのPIXUS MP990に問題が生じたからだが、あらためて複合機を調べて見ると状況はかなり変わっていて些か戸惑った。


問題点の修理が可能なら正直 PIXUS MP990を使い続けたいところだが、同機は2015年9月末日をもって修理対応期間が終了しているので決断せざるを得ない。
しかしインクジェット複合機を選ぶに当たり個人的な拘りがある。複合機だからしてスキャナ機能/コピー機能が付属していることは当然だが、CD/DVDレーベル面への印刷機能は是非にも欲しいのだ。後は写真印刷が綺麗なこと、両面印刷が可能なこと、Wi-Fi 機能そしてコンパクトさだろうか。
用紙サイズに関してはA3への印刷も考えたが現実問題として一年で数枚といった程度なので今回は諦め、価格なども考慮してカラリオ EP-879AW ホワイトにした。
なによりも今回 EPSON の複合機を選んだ大きな理由は様々なユーティリティもmacOS Sierraに対応していることだ。

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※セットアップ中のカラリオ EP-879AW


さてこのカラリオ EP-879AWの外形寸法(幅×奥行×高さ)は、収納349×340×142(mm)、使用時349×527×183(mm)と確かにコンパクトだ。本体デザインも閉じるべき箇所を閉じれば突起がなくどこに置いても様になる。しかしなんだか全体的に樹脂成形の筐体は薄いしオモチャっぽい(笑)。まあそれは安価だから仕方がないしこれだけの機能を持つインクジェットプリンタが2万円を切った価格で購入できるのだから驚きである。なにしろPIXUS MP990はその4倍もの値段だったはずだ。
その代わりPIXUS MP990はまさしくコンピュータの頼もしい周辺機器といった作りだが、EPSONカラリオ EP-879AWは周辺機器というよりどこか電子文房具といった印象を受ける。

特に気に入ったのは2種類、例えばA4とハガキサイズの用紙やSDカードを挿入したままでフロントパネル部を閉じられるのがよい。そして背面から1枚ずつなら手差しも可能だ。

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※例えばA4とハガキサイズの用紙といった2種類をセットしたままフロントカバーを閉じることが出来る


勿論複合機だからしてコピーやスキャナー機能も搭載しているしディスク・レーベルプリントも可能だ。
ただし仕方のないことだが、PIXUS MP990にあってカラリオ EP-879AWに無い機能がある。それはフィルムスキャナー機能だ。個人的には是非必要なので別途適当なフィルムスキャナー専用機を手に入れるつもりだ。

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※複合機だからしてコピーやスキャナー機能も搭載しているしディスク・レーベルプリントも可能


そのカラリオ EP-879AWだが、まずは箱から取りだしてセットアップの前に保護材や固定テープを取り外す。そして電源コードを接続して電源を入れ付属のインクカートリッジをセットする。インクカートリッジのセット後、充填に10分程度かかるが終わったら液晶ディスプレイの指示に従い用紙をセットし綺麗な印刷を行うための調整を実行する。

ここまでトラブルなく進んだら後はMacから印刷できるようにソフトウェアをセットアップするが、付属のCDはWindows版なのでインターネット接続を使うことになる。
私は今回メインマシンの iMacとWi-Fi 接続で活用するためのソフトウェアをダウンロードしセットアップを行ったが、過程でセットアップ時だけUSBケーブルで iMacと接続するようにとの指示が出る。この場合製品にはUSBケーブルは同梱されていないので予め用意する必要がある。

後は指示に従って操作すればよく、思ったより簡単にセットアップが無事終わった。
早速 Wi-Fi による印刷が問題なくできるかを検証するため、A4普通紙と写真用光沢用紙ハガキサイズの2種類をテストしたがこれまた何の問題もなく大変綺麗にプリントできた。

続いてスキャナのテストだがこれはセットアップ時にインストールされた「Epson Scan 2」というアプリを使ったが綺麗にスキャニングできた。
実はPIXUS MP990の前はエプソンの複合機を使っていたが、このカラリオ EP-879AWは通常の印刷もコピーあるいはスキャニングもとてもスピーディーだ。無論印刷のクオリティも期待を裏切らない。それにフロントにある液晶ディスプレイに表示する各種の指示も的確で分かりやすく EPSON も進歩したなあと感心(笑)。

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※フロントの液晶ディスプレイに表示する各種指示も的確で分かりやすい


最後のテストはCDのレーベル面への印刷だ。CDやDVDレーベル面への印刷は専用のトレーを使うがこれはプリンターの用紙トレーを引き出すとその底にセットされているので外して使う。
ちょっと戸惑ったのはそのソフトウェアだ。セットアップでスキャニングのアプリ同様インストールされているものと思ったがどうやらこれは別途専用サイトからのダウンロードが必要なようなので早速ダウンロードして使ってみた。
この一連の説明はマニュアルにしろウェブにしろ正直とても不親切に思える。不遜な物言いかも知れないが、この道40年の私がなかなか対処方法に行き当たらないのだから。
またシステムソフトウェアはともあれ、アプリケーションの出来は相変わらずイマイチで使いづらい。

余談ながら大昔、塩尻まで通いEPSON向けにプリンター出力のアプリケーションソフトなどの開発を請け負ったことを思い出した。今では担当者の方々も世代が様変わりしているだろうが、当時はMacらしいユーザーインターフェースを勧めてもなかなか理解して貰えない保守的な企業だった。
担当者と契約内容で意見が合わずにいたところ直属の上司の一声で私の主張が通ったことなどなどを懐かしく思い出したが、EPSONだけではないもののアプリケーションに対するメーカーの価値観は当時とほとんど進歩していないのが歯痒い。

ところで購入に当たりネットでの評価なども確認したが、ハガキサイズの印刷は使い物にならないとか印刷が遅いといった評価もあったが、数日の様子では何の問題もないしプリント時の音も大変静かだ。
後はスマートフォンから様々なプリントが可能なのがカラリオ EP-879AWの売りでもあるが、個人的にスマートフォンからのプリントを行うつもりはないので今回はテストをしていない。

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※テスト印刷中


とはいえマニュアルやウェブ広告などを見ているとすでに “パソコンからプリンターへ” という使い方は時流ではないことをつくづく感じる。確かに現在はスマートフォンしか持っていないユーザーは多いし、ハガキなどへの印刷にしてもパソコン無しで印刷する機能をプリンターが持っているからだ。ということで一連の解説もそうした面に主流が置かれているようで個人的には些か面白くない(笑)。

一番の問題は相変わらずだがインクの消耗の問題だろう。

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※EP-879AWの6色インクカートリッジセット部位


増量タイプのインクも用意されているもののこの増量タイプのインクカートリッジ・セット3つの価格で本体が買えてしまう。やはり割高感は否めないものの互換インクは使いたくないのでまずはどれほどのコストパフォーマンスなのかを検証してみたいと思っている。
ということで、具体的な使用感などについては別途レポートしたい。



[小説]未来を垣間見たカリスマ 〜 スティーブ・ジョブズ 第33話 ビュレル・スミスという男

スティーブ・ジョブズは未来のテクノロジーを時代の最前列で考え見つめてきたといわれている。しかしその陰には2016年12月6日、アップル銀座のエントランスから40年前のカリフォルニア、ロス・アルトスにあるスティーブ・ジョブズ家のガレージ前にタイムワープしたひとりの男の存在があった。
ー 優れたビジョナリーといわれたスティーブ・ジョブズ。その若かりし時代の秘密に迫る!ー
※本編はフィクションです※

■第33話 ビュレル・スミスという男
ビュレル・スミスはMacintosh開発チームの一員として主にロジックボードの設計を担当した人物である。彼はスティーブ・ウォズニアック開発のApple II を崇拝し、Macのロジックボード設計においてウォズニアックのスタイルをさらに突きつめ、独自の設計スタイルを編み出した天才の一人だった...。

ビュレル・スミスとは私が社内で講演したとき、話しの最後に電池切れのiPhone 6 plusを未来のガジェットを示唆するモックアップだと称して出席者に見せたときから頻繁に話す機会が増えた。
彼はいの一番に私が立っていた壇上に駆け上がりiPhoneを奪うように手にしながら「これって本当にモックアップなの」と聞いた男だった。

その後何度も私のオフィスに来たり、休みの時間を惜しみながら掌に乗る未来のデバイスについて沢山の質問を浴びせたのだった。
ビュレルは仕事に熱心なだけでなく実力のある人物だったが、社内ではまだまだ評価されない技術者のひとりだったといってもよい。そしてあのアンディ・ハーツフェルドの親友でもあった。

ビュレル・スミスは1979年2月にAppleの中でも最も給料の安い職種である下級サービス技師として雇われた。ただしビュレル・スミスはMacintoshのハードウェア設計者としてすぐ頭角を現し天才的な手腕を発揮していた。またApple II 関連の開発では一部スティーブ・ウォズニアックの代役まで務めるほど確かな技術力を持っていたものの、正式なエンジニアには昇格できず不満をつのらせていた時期でもあった。

彼は私に愚痴をいったことがある。
「トモ、僕は自分で言うのも不遜だけどなぜ評価されないのか分からないしそれが不満なんですよ」
「そうだね。君は才能とか技術的なスキルはもとよりだけど、他の技術者よりも抜きんでて熟練しているし勤勉さでも劣っていないよね。私はお世辞でなくそう確信しているよ」
私は正直に思っていることをはき出したがビュレル自身も自分が正当な評価をされない理由が分からなかった。無論上司に聞いてもはぐらかされるだけで不満が膨らむばかりだった。
「やはりまだまだ自己アピールがたりないのかなあ」
ビュレルは子供のように目をくりくりし首を傾げながら仕事場に向かった。

それから2週間ほど経ったある日の午後、私はロビーの受付カウンター内にいたシェリー・リビングストンと雑談していた。先日どうにもみっともない醜態を見せてしまったが、逆に自分の弱さをさらけ出したからか、気が楽になり前よりも話しやすくなった。
そんなところにビュレルが現れた。
「トモ、いいところで会いました。ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」
そのときシェリーは大げさな物言いで、
「仕方がないわね。ビュレル、私の彼氏を貸してあげるわ」
ウィンクしながら私に目配せした。わたしよりビュレルが顔を赤くしたのが可笑しかった。
「私のオフィスにくるかい」
「是非」
というので殺風景な私のオフィスで話しを聞くことにした。

「実はですねトモ。前にお話しした私への評価が低いことだけど、その理由が分かった気がするんですよ」
正直私には他人の評価を客観的に知るすべもなかったし、そうした役割を担っているわけでもないから気が楽だった。しかしビュレルに関しては前にもいったようにもっともっと上司たちは彼の業績を認めるべきだと思っていた。

自分の椅子に座りながらビュレルを見ると彼も二脚ある椅子のひとつに座りながら話し出した。
「僕はついに他のエンジニアたちにあって自分に欠けているものに気がついたんですよ、トモ」
嬉しそうにいうビュレルの顔を眺めたとき、タイムワープする前にアンディ・ハーツフェルド著「レボリューション・イン・ザ・バレー」という本に出ていたエピソードを思い出したが、無論ここは本人から話しを聞くべきだと私は黙って頷いた。

それは技術者らの多くは皆立派な髭を蓄えていたがビュレル・スミスにはなかったという事実だというのである。
「トモ、あなたは髭をはやしていないけど、MacintoshチームやLisaあるいはApple IIの開発チームを見回すとスティーブは勿論、スティーブ・ウォズニアック、ダニエル・コトケ、ビル・アトキンソン、スティーブ・キャップス、マイク・マレー、キット・プランク、ジェフ・ラスキン、ジェリー・マーノック、ポール・バーカー、リック・ペイジ、ジョン・カウチなどなど皆立派な髭を生やしているんですよ」
真剣な眼差しで説明するビュレルを笑うわけにもいかなかったが、真剣な眼差しだからこそ吹き出しそうになった。しかし彼としては大切で重大な発見だと思ったのだ。

私は面白半分に問うてみた。
「なるほど。ただしビュレル、念のために聞くけど君が名を上げた人たちは何故髭を生やしているのかな」
ビュレルは少し考えたうえで呟いた。
「うん、何故なんでしょうね。これまで考えたこともなかったからなあ」
私はあくまでいま思いついたことだとして自分の考えを話した。

一般的に(なぜ男が髭を生やすのか?)といえば私の知る限りそれは男らしさのアピールであり、若いときの髭は若造に見られたくないといった意志があるようだ。それはタイムワープ以前私の回りにも髭を生やした男性が数人いたしそうした本人たちから聞いた話しなので間違いはないだろう。まあ若いときは心理的に背伸びをしていたいということかも知れない。
ただし余談ながら年配の男性の髭はいささか違う。歳を重ねると頭が薄くなるがそうすると頭髪の不足を髭で補おうとするかのように髭を生やそうとする男性も多い。

それはともかく例えばバイト誌の最初の編集者のカール・ヘルマーズ、ニュージャージーで最初期のコンピュータ・ショウPC-76を計画したジョン・ディルクス、ドクター・ドブズ誌の編集者でWCCFの主催者だったジム・ウォーレン、製造番号4番のAltair 8800を組立てラジオでメロディーを奏でさせたスティーブ・ドンビア、別名キャプテン・クランチと呼ばれたジョン・ドレーパ、ビル・ゲイツと共にマイクロソフト社を起業したポール・アレン、ビジカルクを開発したダン・ブルックリンなどを挙げれば十分だろう。

それぞれの人物が当時何歳だったかを調べるのは難しくはないが、スティーブ・ジョブズを含めて確実なことは1980年当時一部の人たちを除けば皆若かったということだ。20歳代がほとんどだったのではないか。
そんな彼らが髭をはやすようになったのはカウンターカルチャーの精神やヒッピー魂をまだ失わずにいたこともあるだろうし、寝る間も惜しんで働いていたこともあり、髭を剃るのも面倒だったのかも知れない。
しかしそうした若者たちが精神を高揚し、ぶつかり合いながらも過ごした当時の世相ではやはりどれほど自分の存在をアピールできるか、主張できるかが肝だったに違いない。したがって意識的、無意識的にも自己アピールを髭というものに託していたと考えても無理はないと思う。

私はそんなあれこれをビュレル・スミスに話したが彼は時々頷きながら同意してくれた。そして自分も早速髭を生やしてみるといいつつ私のオフィスから出て行った。
事実ビュレルはすぐに口ひげを生やし始めたが、彼の髭は完全に生えそろうまでに1ヶ月ほどもかかった。そして自分でも完璧と思われる髭になったと考えたその日の午後、彼は技術担当副社長(立派な髭を生やしていた)に呼ばれてエンジニアとして技術スタッフのメンバーに昇格したのだった。一人前に髭が生えそろった男として認められたのである(笑)。

その日の午後、ビュレルは小走りに私のオフィスに顔を出し、ドアを半開きにしたまま部屋に立ち入らず、
「トモ、ありがとう。おかげで上手く行ったよ」
口元の少々薄い髭をひと撫でし、Vサインをして走り去った。
とはいえMacintosh開発プロジェクトの尋常ではないプレッシャーはこの繊細な天才にも容赦なく加重していった。

話しは先走るが、ビュレル・スミスはApple退社後Radius社の共同設立者として成功したものの1988年に業界から足を洗った。
しかしそれは悠々自適の引退ではなかった。
彼は精神疾患を患い、裸で外をうろついたり車や教会の窓を壊して歩いたりするようになったという。
彼の病は強い薬でもコントロールできず、夜にスティーブ・ジョブズの家まで出かけては石を投げて窓ガラスを割ったり、とりとめのない手紙を残したり、かんしゃく玉を投げ込んで逮捕されたこともあった。そして後には親友のアンディと会っても話しをしなくなり、ビュレル・スミスが自分の名前を名乗れず留置所に入れられたとき、アンディはビュレルを釈放してもらうためスティーブ・ジョブズの力を借りたこともあった。
彼の病の原因がMacintosh時代のプレッシャーにあったとは言わないが、私はそうした彼の近未来を知っているだけに、ビュレル・スミスの猛烈な仕事ぶりが気になってしかたがなかった。

(続く)

【主な参考資料】
・「スティーブ・ジョブズの王国」プレジデント社
・「スティーブ・ジョブズ偶像復活」東洋経済新報社
・「アップル・コンフィデンシャル 2.5J」アスペクト刊
・「レボリューション・イン・ザ・バレー」オライリー・ジャパン社
・「スティーブ・ジョブズ」講談社



ラテ飼育格闘日記(538)

ラテは基本的に朝夕2度の散歩以外は家の中の好きな場所で寝ている。洗面所とかトイレ以外どこに寝ていてもオトーサンたちは文句はいわないしいつもは静かに寝ているラテだが、オカーサンが仕事から帰ってきたりオトーサンたちの食事が終わると遊びたくなるらしくいろいろとちょっかいを出し始める。


夕食が終わり、ひとときオトーサンはオカーサンと今日あった出来事などを話しているとラテは面白くないらしく気を引こうとするのか椅子に座っているオカーサンが履いているスリッパを奪い始める。
抵抗するオカーサンからスリッパを無理矢理奪い、オモチャにするものの幼犬時代とは違いスリッパそのものに興味がないことは分かっている。
幼犬時代はスリッパだけではないものの、とにかく噛みちぎってバラバラにしたものだが最近はそうしたことをするのが目的ではないのだ。

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※ベンチで一休み中、オトーサンたちが小腹が空いたので菓子パンを食べるがラテも夢中だ。無論ほんの少ししかやらないが...


では何が目的なのかといえば、オカーサンの気を引くことと同時にスリッパと交換になにがしかの食べ物…オヤツを狙っているのだ。ちなみにしばらくこちらが無反応であればスリッパから離れるが、少しでも取り戻そうとしたり「こらっ」などと反応を示すとお決まりで「ウ〜」と唸ったりスリッパの上に足を置いてこちらの様子を伺う。
面白いのはこのとき、散歩に出かける際にオヤツを入れて持ち歩く容器の蓋を開けた音を聞いた途端にスリッパから離れてこちらに向かってくることだ。したがってスリッパは人質なのである(笑)。

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※椅子に座っているオカーサンのスリッパを脱がそうとするラテ


オカーサンは仕方なく小さなオヤツを見せながら「スリッパちょうだい!」というとラテは待ってましたとばかりスリッパを咥えてオカーサンの足元に放り出す。
小憎らしいのはオヤツを貰って食べた途端に再度オカーサンのスリッパを狙うことだ(笑)。

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※オヤツを見せて「スリッパちょうだい!」というとオカーサンの足元に放り投げる


どうやらオトーサンたちはラテの幼犬時代に食べ物でラテをトレーニングすることはあったが、それが定番になってしまった感がある。こうしたことはスリッパだけではなく、例えば散歩中に枝を見つけて咥えるときがある。落ちたばかりの枝は小枝や突起も多々あって下手をすれば口を怪我するのではないかと心配したオトーサンは小さなオヤツをひとつ取りだし「枝をポイしなさい」といってラテが枝を離すとオヤツをあげるよう訓練した。
しかし我が娘はこれを逆手に取り、オヤツが欲しいからと興味も無い枝を咥えるのだ。

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※お馴染みのファミリーと。皆が笑顔なのが素敵!(上)。小学生女子がラテの後ろから抱きつくと振り向いたラテは女子の肩をペロリと舐めた


笑ってしまうのは「しょうがない」と思いながらもオトーサンがポケットからオヤツの容器を取り出そうとすると見ている間に「ポロッ」と枝を離す…。意地悪なオトーサンはシメタとオヤツの容器をポケットに仕舞って進もうとすると敵も然る者、離した枝を再び咥えにかかる。

もうひとつ室内の遊びはボールとオヤツの組合せだ。これは些か面倒なのでオトーサンはあまりやりたくないのだが、スリッパやらのときには決してオトーサンのを狙わないラテが仕事部屋の椅子に座りMacに向かっているオトーサンのすぐ後ろに座り込んでじーっと待っていることがある。
そもそもがオトーサンの近くに可愛く近寄ってくるということはほとんどないラテが、ふと気配に振り向くと満面の笑顔でハアハアいってるとついラテの作戦に乗ってしまうことになる。

その意味はオトーサンにボール遊びをせがんでいるのだ。これまた可笑しいのはこのボール遊びはオトーサンとの遊びでありオカーサンにせがむと言うことはないことだ。
しかたがないとオトーサンは椅子から立ち上がり、隠してある直径7センチほどの天然ゴム製で空気が些か抜けているフガフガのボールを取りだし、同時に手にはいくつかの小さなオヤツを握って障害物が少ない和室に入るとラテはすでに臨戦態勢だ。

オトーサンは壁にボールをぶつけてみたり、転がしたり、あるいは空中に放り投げたりバウンドさせたりするとラテはそうした動きをブロックしたり放り投げたボールを飛び上がってキャッチする。ただしこのときオトーサンが機械的にやるのではラテも乗らない。オトーサンが大げさにも声を出して遊ばないとラテも面白くないようだ。

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※ナイスキャッチ!


ラテがボールを咥えて噛み噛みし始めるとオトーサンはオヤツを見せびらかして「ボールちょうだい」と手を出す。するとラテはこれまたイソイソとボールを咥えてオトーサンに持ってくるというたわいもない遊びだが、ラテにとってはかなり楽しみにしている遊びなようでオトーサンの後ろにじっと座っているのを無視するのはなかなかに難しいのだ。

それでもホンの数分、オトーサンとボールで遊んだ後はイソイソと水を飲みに行き、自分の寝床やオトーサンたちの布団の上で寝始めるのが日課となっている。
オトーサンたちにとってはただの面倒な遊びだが、ラテにとっては重要なコミュニケーションの手段のようにも思えるし特に外での散歩で刺激が少なかった日にはラテとこうして遊ぶように努力をしているオトーサンなのだ。


動画でご紹介するデジタル・コスメチック「PortraitPro」〜 より美しいポートレイトを

デジタル・コスメチックソフトウェア「PortraitPro」の概要はすでにご紹介済みだが、今回はよりアプリケーションの魅力を知っていただくために動画による機能紹介を試みた。女性の方なら化粧について十分な知識と興味をお持ちだと思うが、自慢ではないものの私など美しい女性には興味があっても化粧品やその使い方などについて知ろうと思ったこともなかった。


そうした人間がデジタル写真のポートレイトに多少なりとも化粧をほどこそうと考えても上手く行くわけはない。彩色やらはそれこそPhotoshopで可能だが、アイシャドウにはアイシャドウの、リップスティックにはリップスティックの使い方というかセオリーがあるはずだ。そうしたあれこれを知らずに彩色すれば不自然な結果となってしまうに違いない。

>PortraitPro15_movie.jpg

※PortraitPro15の操作画面例


その点「PortraitPro」は化粧のバリエーションも豊富だが例えばアイシャドウは「こうあるべき」というノウハウが詰まっている。我々ユーザーはそれらの機能を適宜選択するだけで好みはともかく間違いのない化粧ができるわけだ。

デジタルフォトの編集はもとよりだが、女性の方ならご自身の写真を使ってシミュレーションというか様々な冒険を含む練習ができるに違いないし、僭越ながらこれからの時代、男にしてもこうした化粧について最低限の知識を持っていたとしても益こそあれ損はないと考える(笑)。

ということで以下、「PortraitPro」を実際にオペレーションしながらの機能紹介を試みたのでご興味のあるかたはご覧いただければ幸い。



PortraitPro






iPhone 7/7 Plus、Apple Watch 2対応/耐衝撃性を備えた完全防水ケース発売

トリニティ株式会社は3月23日、iPhone 7/7 Plus、Apple Watch Series 2に対応の、防水・防塵の国際規格「IP68」取得、アメリカ国防総省の軍事規格「MIL-STD-810G」にも準拠の耐衝撃性能を兼ね備えた「カタリスト 完全防水ケース」を全国の家電量販店、および一部雑貨店を通じて本日より販売すると発表。なお、本製品はTrinity Online Storeでも取り扱いする。


△ カタリスト 完全防水ケース for iPhone
  [ iPhone 7 / iPhone 7 Plus ]

カタリストケースは防水と防塵の国際規格であるIP試験で最高の等級を表す「IP68」を取得、最大10mまで水中での使用が可能。さらに特殊な衝撃吸収機構で2mもの高さから落下してもiPhoneをしっかりと守る、強靱な完全防水・防塵ケース。
アメリカ国防総省の軍事規格「MIL-STD-810G」にも準拠しているため、耐久性・防滴性・防塵性に優れた堅牢な仕様を誇り装着も非常に簡単。

△ カタリスト 完全防水ケース for Apple Watch Series 2
  [ 38mm Apple Watch Series 2 / 42mm Apple Watch Series 2 ]

カタリスト Apple Watch Series 2完全防水ケースは、100mまでの水深においてApple Watchを使用することを可能にする、完全防水・防塵ケース。
サイドボタンおよびデジタルクラウンパーツにも専用のパーツがあり、ケースを装着したまま操作が可能です。また、心拍計・充電・マイク・スピーカーなど、Apple Watchの全機能を利用できるよう設計されている。

Trinity Web site



Apple、iPhone 7とiPhone 7 Plus (PRODUCT)RED Special Edition発表

Appleは3月21日、Appleと(RED)との10年以上におよぶパートナーシップを記念して、鮮やかなレッドのアルミニウム仕上げのiPhone 7とiPhone 7 Plus (PRODUCT) RED Special Editionを発表した。


お客様はこれまでにない方法で「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」に貢献し、エイズのない世代の実現に世界を一歩近づけることができるようになる。このスペシャルエディションの(PRODUCT)RED iPhoneは、3月24日(金)より全世界でオンライン予約の受付と店頭販売が開始される予定。なお日本では3月25日(土)より販売開始となる。

Apple Press Info



新しい9.7インチiPad、美しいRetinaディスプレイと圧倒的な性能を搭載

Appleは3月21日、最も人気なサイズのiPadをアップデートし、より明るい9.7インチRetinaディスプレイとクラス最高のパフォーマンスを実現しながら、そのエントリープライスをこれまでで最も求めやすい37,800円で発表した。


類いまれな携帯性と使いやすさを念頭に置いて設計され、圧倒的なパフォーマンスと1日中持つバッテリー駆動時間を備えているiPadは、世界で最も人気のあるタブレットであり、世界中の何百万人ものお客様の主要なコンピューティングデバイスとして愛用されている。130万本以上あるiPad用に設計されたアプリケーションを活用することで、Swift Playgroundsを使ったコーディングの学習をはじめ、iPadの大きな画面を利用した読書、Microsoft OfficeとSplit Viewを使ったマルチタスキングによる生産性と作業効率の向上など、お客様はこれまで以上に様々なことができるようになりる。

Apple Press Info



Apple、iOSで楽しみながら表現力豊かなビデオを作れる新しい方法、Clipsを発表

Appleは3月21日、iPhoneとiPadで、だれでも手軽に楽しく表現力豊かなビデオが作れる新しいアプリケーション、Clips(クリップス)を発表した。ユーザはClipsの備えているユニークな機能を利用し、ビデオクリップ、写真、音楽を組み合わせた魅力的なビデオを作りメッセージアプリケーションやInstagram、Facebookなどの人気のソーシャルネットワークを通じて友だちに見せることができる。


さらにClipsには、Clipsを使用中のユーザが自分の声で話しかけるだけで字幕やタイトルのアニメーションが作れる、Live Titlesという画期的な機能が備わっている。漫画コミック風のフィルタ、吹き出し、図形、フルスクリーンのアニメーションポスターなどの楽しいエフェクトをつけて、個性的なビデオを作ることができる。

Apple Press Info




Swift Playgrounds、さらに日本語をはじめ5か国語に対応

Appleは3月21日、生徒がコードを学ぶのを助ける、iPad向けの革新的なアプリケーション、Swift Playgrounds(スウィフト・プレイグランド)の対応言語に日本語、中国語(簡体字)、フランス語、ドイツ語、そしてラテンアメリカのスペイン語が新たに加わったことを発表した。


Swift Playgroundsは、本格的なコードをインタラクティブに楽しく学んだり、試したりできるように作られており、生徒や初心者がSwiftを学ぶのに最適。Swiftは、Appleが開発した学びやすいプログラミング言語で、プロフェッショナルなデベロッパが世界水準のアプリケーションを開発する際にも実際に使われている。

Swift Playgroundsでは、Appleが開発したプログラミングのレッスン、パズル、そして課題を通してコードの基本を学しぶことができる。生徒がクリエイティビティを発揮して実際にプログラミングをしたくなるようなテンプレートも内蔵されている。さらに、iPadのパワー、シンプルさ、そしてMulti-Touch機能をフルに活用して、これまでになかった学習体験を提供。すべてのプログラミングレッスンは新たに追加された5か国語にも対応し、よりきれいに、すばやく動くよう最適化されている。

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コイズミファニテック LEDアームライト ホワイト PCL-311WHを購入

仕事机周りの補助照明にコイズミファニテック LEDアームライト ホワイト PCL-311WH を購入した。これで予定より遅れたものの日常の生活空間の照明をすべてLED化したことになり我が家の「照明LED化計画」は完結した。


我が家は小さなマンション住まいだが一応ダイニングおよびリビング、和室そして洋間が2つといったいわゆる3LDKだ。ここに引っ越して以来少しずつ照明器具のLED化を進めてきた。無論その理由は低消費電力であり機器の寿命が長いことを期待しての話しだ。

ということで各部屋の主照明は勿論、キッチンおよびその補助照明、玄関、洗面所、風呂場、トイレの照明をすべてLEDに変えてきた。
ただひとつ私の仕事部屋の補助照明となるデスクスタンドがまだ蛍光灯だったのでこの度「コイズミファニテック LEDアームライト ホワイト PCL-311WH」というデスクスタンドに変えたことですべての照明器具がLEDとなった。

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※コイズミファニテック LEDアームライト ホワイト PCL-311WHパッケージ


この種の製品はそれこそ多種多様なものがあるが、選ぶポイントは月並みながら「明るさ」「価格」「デザイン」そして「アームの可動範囲の広さと高さ」に拘った。
特に使用目的がメインマシン(iMac 27") が乗っている机上で使うため、照明ユニットすなわちセード部分はiMacより高い位置に置きたい。
その点、PCL-311WHはアームの長さが下部32cmそして上部が27cmあるので机上の取付位置から余裕を持った使い方ができると思った。そしてカラーがホワイトで全体的に細身であり圧迫感がないのも気に入った。

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※具体的な設置はこんな感じ。実際にはLED部位は目視しない位置にする


またアームの3箇所の関節部位にはアーム調節ツマミ(ネジ)があり、保持する角度や位置をしっかりと止めることができるのも心強い。

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※アームの関節3箇所にすべてこの調節ツマミ(ネジ)がある


セードはプラスチックだがアームはアルミニウムなので丈夫さも期待できるだろう。設置は机の端などに付属のクランプで取付るが、本体根元に短いDCプラグのケーブルが出ており、それをコンセントへ接続したAC/DCコンバータとケーブル(約1.4m)に接続する仕様だ。
本体重量は約1.1kgで消費電力は6Wというから理屈はこれまでの蛍光灯式と比べて消費電力は約1/4といったことになる。

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※セード部位。アームに近い箇所にスイッチがある


さて問題の明るさだが、期待していた程度の明るさは十分あるので安心した。またLED特有の仕様だが昼白色と電灯色の両方の灯りを装備しているので電球色+昼白色(約4,100K)、昼白色(約5,300K)そして電球色(約3,000K)という3つの照明に切り換えることができる。まあ私の場合は目的が目的なのでそうそう光の色を切り換えて気分を...といったことはないが、純粋に読書をしたりデスクトップ・オーディオを楽しむこともあるのでそうした場合には活用してみたい。




ラテ飼育格闘日記(537)

オカーサンの仕事の関係で朝早くにラテと共に家を出たが明るいのにちょっと驚いた。一週間前はまだまだ真っ暗といった印象があったが季節は確実に春を呼び寄せている。腰が安定してきたオトーサンはラテの求めに応じて長い時間歩くようになった。先日などは歩数が14,000歩を越え、歩いた距離は10.5 kmにもなった。


ラテは歩くスピードが遅くなったもののありがたいことに足腰はまだまだ元気なようだ。気が乗れば走り、土盛りの土手に飛び上がって穴掘りもするしなによりもよく歩く。
先日はそれまで向かったことのないかなり距離のある大きな公園にも足を踏み入れた。天気も良かったし日向に出れば寒さを感じない日だったからオトーサンも頑張ってみたがいやはや疲れた。

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※オトーサンの着ていたパジャマをかけられて微睡むラテ


朝の散歩が遅めのときで時間が合えば近隣の小学校を目安に散歩をすることにしている。時間が合えば…というのは小学生たちの登校時間帯のことだ。そうした時間帯に家を出ると嬉しいことにあちらこちらから「ラテちゃ~ん」と声がかかり手を振ってくれる子供たちがいる。
ラテは大喜びでそうした子供たちと並んで校門まで行き、そしてUターンの上で通常コースを回ることになるがそうした日はラテの機嫌がとてもよい。

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※学童たちの登校時間と散歩がシンクロするとラテは度々子供たちに揉みくちゃにされる


しかし子供たちはアクティブだ。ときには4,5人の子供たちに駆け寄られてもみくちゃになることもあるが、子供が好きなラテにしても初対面の子供たち大勢に囲まれるのは些かストレスなのか時に尻尾が下がってしまう。オトーサンはそうしたサインを見逃さずに子供たちにお礼を言ってその場を離れることにしている。

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※一緒に歩く子供たちに目立とうとするのか急に穴掘りし始めたりもする(笑)


子供たちの話しは面白い。ラテに何度会ったかで言い合いをすることも(笑)。
「あたしなんか7回も会ってるよ」
「俺なんか昔から知ってるよこのワンコ」
「それなら名前知ってる?」と聞かれた男子が「う~ん」とたじろぐ。
「でもさ、俺はオヤツをあげたことがあるもん」
「あっ、あたしなんか顔舐められたからさ」
と歩きながら賑やかなこと。ラテはそうした子供たちに囲まれて笑顔で歩く。
時に話題はオトーサンに向かってくることも…。

「オジサンの帽子、ちょっと格好いいよ」
オトーサンは「ちょっとなの?メチャ格好良くないかな」と冗談で受けるが子供は正直だ。
「やっぱりちょっとだよ。あはははは」

子供たちとそんな会話を楽しみながらラテと学校の校門まで行く。勿論校門で子供たちとはお別れだが門の中からも「ラテちゃん!」という声がかかる。
ラテはどう思っているか分からないが実に幸せなワンコだと思う。

幸せといえば、先日公園でお馴染みのファミリーと出会った。特に母親とは久しぶりだったが、その姿を認識したラテはお尻ごと尻尾を振って駆け寄ると同時に母親も「ラテちゃん久しぶり」と駆け寄ってくださる。なんだかオトーサンは映画の一シーンでも見ているような気がするほど素敵な瞬間だった。
また後ろから一輪車に乗って小学生女子も追いついたがこれまたラテの見上げた表情は嬉しさが溢れ出ている。

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※お馴染みファミリーの母親とラテが同時に駆け寄る(上)。女子の顔を見上げるラテの表情はキラキラだ(下)


実はその母親から先日ミニアルバムをいただいた。最初のページは小学二年の女子が描いたもので「ラテちゃん大好き」というタイトルと共にラテの絵が描いてある。そしてその次ぎにはオトーサンが女子と対峙している向こうでラテと女房がチューをしているという我々自身では撮り得無い1枚が挟んであり、後は女子が先日学校の発表会で一輪車乗りを披露した写真があった。
他人のお子さんではあるが、オトーサンは一輪車の練習し始めから応援してその急速な進歩に驚くと同時に喜んでいたのでとても嬉しいし学校でのお披露目も成功したとのこと。そして最後のページには母親から我々夫婦への暖かいメッセージが手書きされていた。

大げさに聞こえるかも知れないが、この世知辛い世相にお若いご夫婦と知り合いそのお子さん共々親しく言葉を交わさせていただく幸せをラテと共に噛みしめながら帰路についた。
とそのとき、歩道の向こうから「ラテちゃ〜ん」とこれまた学童保育からの帰りで少々遅く学校から帰ってきた女子が走ってくる。

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※学校帰りの子供が「ラテちゃ〜ん」と走り寄ってくれる


まったくもって幸せな飼い主と飼い犬である!


[小説]未来を垣間見たカリスマ 〜 スティーブ・ジョブズ 第32話 夢かうつつか

スティーブ・ジョブズは未来のテクノロジーを時代の最前列で考え見つめてきたといわれている。しかしその陰には2016年12月6日、アップル銀座のエントランスから40年前のカリフォルニア、ロス・アルトスにあるスティーブ・ジョブズ家のガレージ前にタイムワープしたひとりの男の存在があった。
ー 優れたビジョナリーといわれたスティーブ・ジョブズ。その若かりし時代の秘密に迫る!ー
※本編はフィクションです※

■第32話 夢かうつつか
スティーブは1982年の出荷予定日になんとしてもMacintoshを出荷したいと無理なスケジュールを開発陣にごり押ししていたが、無理なものは無理だった。結局当初の予定には間に合わずスティーブは新たに出荷目標を1983年5月に設定してチームを鼓舞したが問題は相変わらず山積みだった。

その1982年初頭、Macintoshチームは優秀なエンジニアたちで溢れかえっていた。彼らが共有していたことは皆が驚くほどのコンピュータを創り、世界をあっといわせることであり、お金やキャリア、伝統といった世俗のあれこれは気にしないというものだった。
しかしそうはいっても現実は違って、エンジニアたちの年収は3万ドルほどと決して高い報酬ではなかったもののスティーブは25万ドルの年収をとっていた。

そういえばクリス・エスピノザは私に、
「トモ、チームに入る条件は優秀というだけではだめなんですよ。我々の仲間に入るのはパイナップル・ビザが好きでないとね」
と笑いながら教えてくれた。
「本当に面接の時に聞かれることなんですが、何故って同じピザが好きでないと毎晩一緒に食べに行けないじゃないですか」
そんなたわいもないことなら私も笑って済ますことが出来たが、スティーブの言動は私が同席しないと常軌を逸した悪ガキ同然になるという話しをアンディ・ハーツフェルドらに聞かされていた。

私自身は2016年からワープしてきた人間であり、スティーブ・ジョブズの逸話は多々知っていたから特別驚くことではなかったが、その時代に居合わせた友人としては無視することはできなかった。
なにしろピザに限らずスティーブ・ジョブズとの外食は恥ずかしさと屈辱に耐える訓練かと思うほどのものだった。
アンディは私にツバを飛ばしながら訴えたことがあった。

「トモ、あなたが一緒の時には単に気むずかしいスティーブで済みますが僕らだけのときのスティーブは別人なんです」
なにしろレストランで運ばれてきた料理をそのまま受け取ることはまずなかったという。話が違うとか、皿が汚れてるとか、ウェイトレスの態度が悪いなどなどと難癖をつけて突き返すのだ。
「気がふれたのかと思いましたよ最初は。しかし徐々にこうした態度はスティーブの心が、心の奥底が病んでいるからこその権力の誇示だと気がつきました。どう見てもその時の彼は正常ではありませんでした」
アンディはこの時とばかり私に訴えた。
「それだけではないんですよ、トモ」

私は思わず、
「ええ、支払時に現金の持ち合わせがないといって貴方に払わせるんでしょ」
言ってから (しまった) と思った。ここは知らないフリをしておくべきなのだ。
しかし幸いなことにアンディは
「誰から聞いたのか知りませんが、そうなんですよ」
と深く追求しなかった。

ともかく誘うのはスティーブだったし彼はすでに二億ドルの現金を持つ大金持ちだった。
ただしアンディは、スティーブが奢るべきだというわけではないんだと力説した。
「自分の分も僕に払わせるのが問題なんです」
と嘆いた。
「バックグラウンドというか心構えをする暇も無く成功したからでもあるだろうし、自分に出来ないことなどないのだと思っているのかも知れないね。力を見せたくて仕方がないんだろうな」
私がため息交じりにいうと、
「そうなんでしょうが、スティーブもあなたがいる時にはそうした無茶はいいませんしやりません。だから意識的な行為なんですよ」
「それにウォズが大学へ復帰して会社に来なくなったでしょ。だからマスコミの取材やらはみなスティーブへと殺到するようになったし事実Appleの成功はジョブズひとりの功績みたいに書き立てるものだから舞い上がっているのでしょうね」
あきらめ顔でアンディは呟いた。

私の数少ない友人の一人となっていたロッド・ホルトもこの頃のスティーブに対しては辛辣な物言いをしていた。
「まあ、いま彼はこれまで経験したことのない持ち上げられかたをしているから舞い上がっているんだな。金持ちでかつ時代の寵児だからマスコミはもとより時事ネタのターゲットになっているんだよ。メディアもAppleのことを書けば売れるらしいぜ」
事実偉大なイノベータとして評価されはじめたスティーブは大企業の社長たちは勿論、多くの経済界の輩も彼の話しを聞きたがった。そして1982年にはカリフォルニア州知事から産業革新委員会の委員に任命されたことをきっかけに、バンクオブアメリカの会長やヒューレットパッカード社のCEOたちとの付き合いも始まった。

「スティーブは良し悪しはともかく一般的な社会通念が大事にされている場での経験や体験をしないうちに成功しちまったし、もともとあの性格だから偉くなったと思っているんだろうよ」
ロッドは苦々しい顔をして続けた。
「トモ、君はどうか知らないけど最近のスティーブは俺を含めて昔の自分を知っている奴らを避けている感じもするよ。きっとガレージ時代はもとより、作業場の床に這いつくばりながら電話を取っていた時代を知られたくない、いや思い出したくないのかも知れんな。奴を見ていると (俺は昔からこんなに立派だった) といってるみたいだな」
それは私も感じていたことだった。スティーブは忙し過ぎるからだと自分を納得させてはいたが、以前より声をかけてくる機会が少なくなっていたし会って話をしてもどこか上の空といった感じだった。

そのスティーブは是が非でも来年(1983年)5月にMacintoshを発売することに拘っていた。
たまたま私と廊下ですれ違ったりすると彼は、
「トモ、今度も間に合わないといったことのないよう君も目配りしてくれ」
繰り返し繰り返しいっていたが、Macintoshチームの誰もがスティーブのいう発売日は絶望視していた。
それを鼓舞し開発の進捗状況を共有する目的だったようだが9月に高級リゾート地、パハロ・デューンズで開催されたMacintoshチームの合宿でスティーブは “海賊になろう!” というスローガンとともに “週90時間、喜んで働こう!” と宣言し “海賊になろう!” とプリントされたトレーナーを参加者100人に配ると同時に自分も着てみせた。

この年の秋、ジョン・カウチが率いるLisaチームが俄然活気を帯びていた。それは来年春の発売に向けて具体的な準備が続けられていたし著名なジャーナリストを招いて試作品を公開し始めていた。
Lisaはメディアの反応もよく、それがまたスティーブ・ジョブズにはイライラの原因ともなっていた。

マイク・マークラもMacintoshの進捗状況がスティーブの思惑と次第にずれてきていることを危惧していた。
エントランスで立ち話となったときマイクは、
「頑張ってくれるのはありがたいが、私の責任としてはチームの奴らの健康状態も気になる所なんだよ、トモ」
そしてマイクは珍しく愚痴めいた話しを続けた。
それらはスティーブの新しい交際相手の話、ペプシ社長のスカリーという人物を社長として迎えようと説得している話し、オーディオ・メーカーとMacintoshの商標の件での交渉中といった話しだったがどれも私の仕事には直接関係なかったしそもそも口の出しようもない話しばかりで閉口した。

無論2016年からワープしてきた私はそれらの結果を知ってるだけに正直興味も湧かなかった。
「生みの苦しみでしょうかねマイク…。でもクリスマス商戦はいい具合だとききましたが」
私は強引に話題を変えた。
「トモ、確かにクリスマス商戦だけは凄いよ。これまでの記録を一気に塗り替える勢いで売上げが伸びてるよ」
ちょっと間を置いたマイクは片手を少しあげて立ち去りの挨拶をしながら、
「Apple II には感謝してもし過ぎることはないよな」
自嘲気味なニュアンスを残して自分のオフィスに入っていった。
相変わらずAppleを支えているのはApple II の売上げだったのである。その改良版であるApple IIeも来年Lisaと同時に発表される運びとなっていた。

私自身はMacintoshの開発チームの一員ではなかったものの、どうにも気持ちが晴れない日々が続いた。スティーブが鼓舞すればするほどシラケてくるといったらよいのか...。
「まあ、1984年1月24日には間違いなく発表にこぎつけるのだから私が悩んでも仕方がないよな」
と心の中で自分に言い聞かせ気分を変えようと外の空気を吸うためにエントランスに向かった。
それになんだか最近はスティーブとも気持ちがすれ違うことが多くなった気もするし、自分の居場所が次第に狭くなっているように思えて仕方がなかった。
「私はここでなにをしているのだろうか。なぜここにいなければならないのか。果たしてタイムワープしたことに意味があるのか」
いきなり妻の顔や弟妹、そして数人の友人たちの姿が交互に浮かんでは消えた。皆心配そうな表情だった。
私は無性に寂しくなった。

受付でちょうど電話を置いたシェリー・リビングストンが外に出ようとしていた私に気づき、
「トモ、なにか深刻な顔をしてるわよ。ここで嫌なこと吐きだしていきなさいよ」
と声をかけてくれた。
私は張り詰めていた気持ちがふっと緩んだのか、シェリーを振り返ったとき情けないことに彼女の姿が滲んで見えた。
「あらあらトモ、どうしたの。私、なにかあなたを泣かせるようなこといったかしら」
シェリーは慌てて受付カウンターから飛び出てきてハグしてくれた。

そのときちょうど通りかかったMacintoshチームの一人、ジョアンナ・ホフマンがシェリーに両手を握られうなだれている私に驚き駆け寄ってきた。
「どうしたのよトモ、シェリー」
シェリーは無言で頷くばかりだったが勘のよいジョアンナは、私の顔を覗き込むようにしてつぶやいた。
「スティーブにいじめられたのね」
その物言いが可笑しくて思わず苦笑いした私を2人の女性が心配そうに見つめていた。

そういえば1977年という時代にタイムワープして以来、幸いなことにスティーブ・ジョブズに気に入られこうしてAppleの一員として働くようになって5年ほど経った。その間私なりに環境に溶け込めるよう努力したつもりだし仕事面ではロッド・ホルトやラリー・テスラー他数人と友達になっていた。
眼前にいる自分の子供といってもよい年齢のシェリーやジョアンナたちはジジイの私にあれこれと気を配ってくれるし自分は恵まれていると常に感謝していた。

しかし思えば私はひとときでも真に安楽な気持ちになったことはなかった。40年も先の時代からタイムワープした私の心の奥底には妻への申し訳なさ、果たして戻れるものなのかという深い不安が常に渦巻き、仕事関係以外の友人もできなかった。
シェリーやジョアンナの励ましてくれる華やかで明るい声をどこか遠くに聞きながら私は過去が夢なのか、今がうつつなのか…どちらが本当の自分の人生なのかと気持ちがざわつき、その場に立ちすくんでいた。

(続く)

【主な参考資料】
・「スティーブ・ジョブズの王国」プレジデント社
・「スティーブ・ジョブズ偶像復活」東洋経済新報社
・「アップル・コンフィデンシャル 2.5J」アスペクト刊
・「マッキントッシュ伝説」アスキー出版局刊
・「レボリューション・イン・ザ・バレー」オライリー・ジャパン社


Smart Photo Editor再び〜ポートレイトのモデルを振り向かせる

強力な写真編集およびレタッチソフトウエア Smart Photo Editorについてはこれまで3度ご紹介した経緯があるが今回は新しい機能の紹介ではなく「こんなことにも活用できますよ」という一例である。基本は2枚の写真の合成だが本来あり得ない写真を作ってみた。


こんな活用例をと考えるユーザーが他に多々おられるかは分からない。あくまで個人的な欲求から生まれた工夫だが写真合成の例としてご覧いただければ幸いだ。
さて、なにをしようとしているのかをまずはご説明しなければならない。

ここに向かって左を向いている女性のポートレイトがある。この女性をカメラに向かって振り向いた写真が欲しいとしたらどのような手段があるだろうか。

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※こうした2枚の写真を下記のように顔だけ正面を向かせた写真として合成する


無論いまここで写真を撮っているならモデルさんに「はい、体はそのままに顔をこちらに向けて!」と声をかければ済む話しだ。
しかし例えばいま手元にある写真が、横向きの写真と正面を向いた写真の2枚しかないものの顔だけ正面を向いた写真が欲しいときの工夫である。

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※Smart Photo Editorで合成した完成写真例


私の欲求はそもそもが無理なことを実現させようとすることから始まった。なぜなら写真のモデルはご覧の通り生身の人間ではなく私が数ヶ月かかって造形したいわゆるマネキンである。問題は両腕ならほぼ自然な形に動かしてポーズを取らせることができるものの腰や首をひねることはできない相談である。
勿論体ごと正面を向かせて撮ることはできるわけだが、あくまでしぐさの問題で体を橫に向けたままで顔だけこちらを向いたポーズを撮りたいと思ったのだが前記した事由で物理的に無理なのだ。であればSmart Photo Editorで何とかなるのではないかとやってみたのが今回のレポートである。

過程の全てを動画にしたので興味のある方は是非ご覧いただきたいが、Smart Photo Editorの妙をあらためて感じた好例となった。



ポイントは繰り返すものの、横向きと正面から撮った2枚の写真を合成し、ボディは横向きのままで顔を正面に向けた写真を作り出そうというものだ。
出来てしまえばコロンブスの卵で「なんだ簡単ではないか」と思うだろうが、実際のオペレーション自体が面白くそれぞれ強力なツールをどのような加減で活用すべきかといった勉強にもなった。

Smart Photo Editor


「FileMakerカンファレンス2017」2017年10月23日(月)〜25日(水)開催

ファイルメーカー株式会社は3月14日、「FileMaker カンファレンス 2017」を 2017 年 10 月 23 日(月)から 25 日(水)の 3 日間、「パシフィコ横浜 会議センター」(神奈川県横浜市)にて開催すると発表した。同カンファレンスは、ファイルメーカー社が主催する日本最大のFileMakerプラットフォーム総合イベント。


9年目を迎える今年のFileMakerカンファレンスの会場は、初開催となるパシフィコ横浜。より多くの来場者の皆様が、より快適に参加できるように例年よりも広い会場で十分なスペースを確保した。さらに、例年以上に下記のようなコンテンツの拡充を図る。

 - 新規のお客様も参加しやすいテーマ
 - 初心者ユーザーでも効率良く習得できる技術情報
 - iPad/iPhoneをはじめとしたモバイルデバイスのビジネス導入の成功事例
 - 中・上級者向けの開発手法
 - 医療分野でのFileMaker活用に特化したメディカルトラック

このほか、すでに北米と欧州で提供を開始しているFileMakerのクラウドサービス、“FileMaker Cloud”をテーマとしたトラックを新設し、日本での利用を検討されているお客様に向けて最新動向の情報を提供。

3日間の会期中に、30以上のセッション/ランチョンセミナー、参加型のワークショップ、展示エリアでパートナー企業のブース出展が行われる。セッションの参加や展示エリアへの入場は無料ですが、事前登録が必要。事前登録のお申し込みは、ファイルメーカー社の公式サイト内のFileMakerカンファレンス特設ページにて、2017 年 7 月上旬より開始の予定。事前にこのページからメールアドレスを登録しておくと、事前登録の開始通知や詳細案内をメール知らせてくれる。



Adobe Muse CCによるサイトにAdSense広告を表示する覚書

MacTechnology Lab.ウェブサイトにAdSenseの広告を載せようと考えた。月並みだがサイト維持の経費程度は稼ぎたいと思っているからだが、それはともかく理屈を知っている方ならどうということもないのかも知れないが初めての人にとってGoogle AdSenseの広告設定は簡単ではない…。


私はかなり以前にこのAdSenseによる広告を試みたことがあるが、今回のターゲットであるMacTechnology Lab.ウェブサイトはAdobe Muse CCで構築しているという点が違う。それにAdSenseへのアプローチもいささかアップデートしたようで「さてやってみようか」と考えたものの忘れていることだらけでほとんどゼロからの挑戦となってしまった。
ということで数日悪戦苦闘した結果、何とか巧く行ったその概要を忘れないよう記しておきたい。同じようなことを考えている方の参考にもなれば嬉しい。

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※ウェブサイトの右サイド下がAdSenceによる広告。上はAmazonのアフリエイト広告



さてAdSenseとは、自分のウェブサイトに広告を掲載することで収益が得られるGoogleの無料サービスだ。まあAdSenseそのものに関しては別途お調べいただきたいが、要はコンテンツ連動型広告配信サービスである。
実施する際には費用はかからずサイトを所有していれば誰でも申込が可能だ。ただしサービスを開始する前にGoogleの審査を通る必要がある。極端にコンテンツの少ないサイトやアダルト関連あるいは暴力的なサイトなどは審査の段階で断られる。
そして目的のサイトに取得したコードを貼り付けると広告が表示され、それが閲覧者にクリックされるとあらかじめ決められた報酬が得られるという仕組みだ。ただし近年仕様変更があり無料ブログでは審査が通らないようだ。また報酬の受取人は18歳以上でなければならない。

まず最初にやるべきこと、やらなければならないことはAdSenseへの申込みとなる。
審査は大別して2段階になっている。その審査手順はネット検索すれば申請の詳細や注意点などが紹介されているサイトを見ることが出来るのでここでは省略し、実際にMuse CCの任意の位置に広告を表示する方法を記しておきたい。

WordPressを使っているサイトではAll in One SEO packseプラグインを使う場合が一般的のようだが、私はWordPressを使っていないのでまずはGoogleアナリティクスのトラッキングコードを取得しそれをMuse CCに直接埋め込む必要があるという。
何だか次々にGoogleに取り込まれていくようだが、仕方がない(笑)。
要は必須なこととしてGoogleアナリティクスのトラッキングコードとAdSenseの広告コードの2つが必要となるのでその取得をクリアしなければならない。
Googleアナリティクスのトラッキングコードはアクセス解析のためのものだが申し込んでから反映まで1, 2日かかるようだ。

トラッキングコードが取得できたら一般的な設定ではHTMLコードの「/head の前に設置する必要がある」と書かれている。しかしMuse CCでは現実問題どうするのだろうか。
そもそもMuse CCはHTMLを知らなくても高度な表現とデザイン性を持つサイトが作れることが売りなのだが、ページのHTMLをどうのこうのというのはポリシーに反するではないか...と思われるかも知れない。しかしさすがにMuse CCは簡単だった。

例えばすべてのページに広告を表示する場合ならMuse CCのデザインモードでマスターページを開き、ページメニューの「ページプロパティ...」を選択する。そしてそのウィンドウの「メタデータ」タブを開くと " head に挿入するHTML :" というフィールドが表示するのでその場所に取得したGoogleアナリティクスのトラッキングコードをコピーすればよい。
ちなみにこのトラッキングコードが生きていないページにこれから述べる広告コードを設置しても表示されないので注意が必要だ。

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※トラッキングコードはページメニューの「ページプロパティ...」を選択しそのウィンドウの「メタデータ」タブを開いたフィールドにペーストする


次は広告コードの取得だ。これまた具体的な取得方法は省略するが、AdSenseページで広告スタイルやデザインを決めるとその広告コードが表示されるのでそれをコピーしておく。
そしてMuse CCで当該ページのオブジェクトメニューから(ページメニューではない)「HTMLを挿入...」を選びそのフィールドへ広告コードをコピーする。

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※広告コードはオブジェクトメニューから「HTMLを挿入...」を選びそのフィールドへコピーする


最初に設定した場合、反映までしばらく時間がかかるがこれで指定した広告枠が表示するはずだ。そしてそれを置きたい位置に設置すれば完了である。後は表示させたくないジャンルの広告表示をOFFにしたりといわゆる管理作業も必要になる。
無論広告を載せたから即効果が出るほど世の中甘くはないが、まあしばらくは勉強も兼ねて続けてみたい。


ラテ飼育格闘日記(536)

気温的には寒さの峠は過ぎたはずだが、やはり朝夕は寒い日が多い。それに風が強い日などは子供たちも公園に出ないからかラテにとっては些か刺激が少なく機嫌がよくない(笑)。それではとオトーサンはある日の朝、意識的に散歩に出る時間帯を小学生たちの通学時間帯に合わせるようにと計画した。


とはいえラテが知っている、ラテを知っている子供たちと出会えるかどうかは分かる由もないが、例え知らない子供たちだとしても一緒に歩くのはラテにとって良い刺激となり嬉しいことだと知っているからだ。そもそも人間が好きなラテだとしてもそうそうお気に入りの方々と行き交うことなど叶うはずもないが、せめてものオトーサンの努力というわけだ。

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※オトーサンはラテにとって少しでも楽しい散歩になるよう努力をしているのだが...


それにしてもその計画はオトーサンにとって気を遣う散歩となる。それは排泄といったワンコと散歩する際には欠かせない行為を沢山の子供たちと歩いているときに体験させたくないということだ。勿論ワンコも我々人間同様排泄は生きていく上で必要不可欠な生理現象であるからそれ自体を隠そうとする意味ではない。
また中にはワンコを飼っている子供たちもいて、そうした子供たちにとってはワンコが排泄することなど百も承知に違いない。
ただし登校や通勤のためにと多くの人々が狭い歩道を進んでいるとき、例えばラテがウンチでもしようものなら片付けするのは当然でもかなり邪魔だし臭気も隠せない。要は迷惑に違いからだ。そしてなによりもフレンドリーに接してくれている子供たちとの接触が途切れるきっかけとなってしまうのだ。

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※近所では唯一ラテがフレンドリーな態度を示す柴犬のアンリちゃんと鼻先ツンツン!


それにワンコ自体は基本的に場所を選ばないから「ここではさせたくない」というコントロールを100%成功させることは難しい。そういえば成犬になってからはやったことはないが、幼犬時代に二度ほど信号のある横断歩道を渡っている最中にしゃがみこみオトーサンを慌てさせたことがあった。

ということでオトーサンは10分程早めに家を出て、別方面にラテを誘うという作戦に出た。前日の夕方にウンチをしなかったことでもあり経験上早めに排泄をしてくれるのではないかと期待してのことだった。先に排泄しておけば再度という可能性もゼロではないがまずは安心して学童たちの間をゆっくりと歩かせることが出来る。

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※「あたしこの犬知ってる」と近づいて来た子供たち


無論そんなことをオトーサンが考えていることなどラテは知るはずもないが、幸いというか目論見通りというか、自宅を出て10分もしないうちに事が済んだ。
それではとオトーサンは時計を見つつ、学童たちが小学校に向かう道にラテを引いていった。少し歩くとあちらことらでランドセルを背負った子供たちの姿が目立つようになってきた。ラテは遠目にそれを知り早くも尻尾を振り始めている。

ここでもオトーサンは自分から子供たちに話しかけはしない。またラテのリードを短く持ってワンコの嫌いな人や先を急いでいる人たちが脇を通ることが容易なようにと気を遣っているつもりだ。しかしそうした際にもタバコをふかし指の間に挟んだまま無神経に通り過ぎる出来の悪い大人もいて迷惑なだけでなく危ない。

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※校門に入る直前に「ラテちゃ〜ん、またね」と手を振ってくれる子供たちも...


ともかくその朝はラテが好きな子供とは出会えなかったが、ラテを知ってくれている数人の子供たちとの触れ合いはできたのでオトーサンの作戦はまずまずだったと思える。
それらの子供たちと短い間一緒に歩くうちに聞いたことだがインフルエンザA型が大流行しているようだ。この子供たちが通う小学校では幸い学級閉鎖には至っていないがかなりの子供たちが感染し休んでいるという。
戻ってから確認してみたが、確かに多摩市の小学校では数校が学級閉鎖に追い込まれていたし現在も進行しているところもあるようだ。

なるほどこの一週間、馴染みの公園に出向いても子供たちの姿が極端に少ないように思える。もしかしたらインフルエンザの影響で感染している子供は勿論だが、なるべく不用意に外に出ないようにと親御さんたちが注視されているからかも知れない。

そうそう、その日の夕方ラテを動物病院に連れて行った。別にラテが風邪をひいたというわけではなく二週間に一度アトピー抑制の薬を買うためだ。

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※動物病院で薬をいただく。今日は痛いことされないと知ったのかラテは大人しく待っていた


結局その日の夕方の散歩はラテにとって刺激がなかったし病院へ立ち寄ったこともあってか、実に機嫌が悪く親の心子知らずの非協力的な態度に終始したラテだった(笑)。


4年ぶりに購入した外付けハードディスクLogitec LHD-ENA030U3WSレポート

4年ぶりに外付けハードディスクを買った。LOGITEC社WDドライブ搭載 USB 3.0 外付けハードディスク HDD 3TB LHD-ENA030U3WSという製品だ。3TBの容量は2つ目になるがハードデイスクは進化しているだけでなくメチャ安価になっていることを再認識した。


私がハードディスクという代物を最初に手にしたのは1985年12月のことだった。それはMacintosh 128K用として購入した「Paradise MAC-10」という製品で容量は10MBだった。
念のためだが、10GBではない。ただの10MBである。昨今のデジタルカメラではJPEGフォーマットで撮影しても一枚の写真が4MBを越えるものも多い。だとすればデジタル写真が2枚しか入らない容量だと認識していただければ十分だ(笑)。

それでも当時のフロッピーディスケット容量がMacの場合400KBだったから、フロッピーディスク25枚もの容量が使えると喜んだものだった。ただしHFSでなくシリアル接続であったからフロッピーよりは速いものの現在の感覚では使い物にならないに違いないし価格は35万円ほどもした。

さて昔話はこのくらいにして手元のハードディスクだが、WEB限定品とはいえ3TBで1万円しないというのだから驚きである。
接続はUSB3.0だが本製品を選んだキモは品質的に評判が良かったことが第一だ。私は今回主にTime Machine用として使うつもりで購入したがコンパクトで静音設計であること、省エネ仕様、そして日本製であることを評価した。

LogitecHD_01.jpg

※Logitec USB3.0 WDドライブ採用のハードディスク LHD-ENA030U3WS


事実最初のTime Machineバックアップ時に注視したが、時折アクセス音はするもののメインマシンが設置の机上に置いても気にならない静かさだ。
なお縦置き横置きともサポートされているが設置スペースの関係から取り急ぎ縦置きでセットアップした。

LogitecHD_02.jpg

※背面のレイアウト


スピードも文句ないし後は耐久性だがこればかりは実際に使い続けるしかない。気になった点といえば、包装を解いた瞬間に静電気のためか艶やかなブラックの筐体に埃が目立ってしまうことだ。無論これは私の仕事部屋の掃除が行き届いていないことを示すものに違いないが帯電防止の材質を使えないものだろうか。
また理想を言えばACアダプタでなく電源を内蔵して欲しいところだがコストなどを考えると無理はいえない...。

ということで使い始めたLHD-ENA030U3WSだったが、2時間ほど後に問題が発覚した。それは「ディスクの不正な取り出し」という警告が出るのだ。警告が2つ出るのはハードディスクを2つのパーティションに設定しているからだ。
ただしハードディスクはマウントしている...ということはメッセージ通りであるなら瞬断があったということになる。しかし自分的にはUSBケーブルや電源ケーブルを抜いたことはないし念のため確認したがケーブル類はしっかりと接続されている。

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※使い始めたら「ディスクの不正な取り出し」という警告が出た


そういえば「ディスクの不正な取り出し」という警告が出るというトラブルは記憶にあった。私自身はこれまで経験はなかったがディスプレイがスリープになるとこの種の警告がでるという話しを思い出してネットでいろいろと調べてみた。しかし私の環境設定ではハードディスクもディスプレイもスリーブさせないようにしている。
念のためにと強制的にスリーブさせないようにするユーティリティを使って様子をみたがやはり状況は変わっていなかった。

ハードディスクに何らかの故障がある可能性もゼロではないが、もうひとつ外部機器接続のトラブル時に確認しなければならない大切なことがある。それは今回のハードディスクのインターフェースはUSB3.0だったわけだが、他の機器同様に電源付きのUSBハブに接続して使おうとセッティングした。
それを一端アンマウントさせた後、iMac背面のUSBコネクタに直接接続してみることにする。なにしろiMac背面にはUSBコネクタは4つしかなくこれだけUSB機器類が多い状況を考えるとどうしてもUSBハブを使うことになるわけだ。しかし機器によっては供給電力不足で正常動作しないという場合もあり得るので注意が必要なのだ。

問題のハードディスクだがiMacに直接接続して半日ほど様子を見たが先の警告は表示せずTime Machineとしてセッティングしたボリュームも正常に働いている。
USB周りを見直してこのまま使ってみることにしたが以後はまったく問題は発生していない。

ハードディスクはSSD (Solid State Drive)、そしてCloud時代の今となっては地味な存在だが依然として重要な周辺機器であることに変わりはない。
トラブルなく期待に答えてくれることを願っている。




Apple Watch用磁気充電式モバイルバッテリーをオンライン直販限定で販売

フォーカルポイント株式会社は3月8日、TUNEWEARブランドのApple Watch用磁気充電式モバイルバッテリー「TUNEWEAR TUNEMAX for Apple Watch」をオンライン直販限定で販売すると発表。


   TUNEMAXforAppleWatch.jpg

【TUNEWEAR TUNEMAX for Apple Watchについて】
TUNEWEAR TUNEMAX for Apple Watch(チューンウェア チューンマックス フォーアップルウォッチ)は、Apple Watchを最大1.5回分充電できる磁気充電式のモバイルバッテリー。コンパクトなボティでキーホルダー感覚で持ち運べ、充電台として使用することも可能。

△ 2WAYでApple Watchをどこでも充電可能
  外出時には、カバンに取り付けてキーホルダーとしてスタイリッシュに持ち運べ、自宅やオフィスでは、設置型のシンプルなデザインの充電器として利用できる。

△ micro USB ケーブルでコストを削減
  充電用の接続端子には、汎用性の高いmicro USBコネクタを採用。今まで利用していたケーブルがそのまま利用できるので、Apple Watchの充電環境を簡単で安価に構築することができる。

△ Apple Watchを最大1.5回分充電 ※1
  コンパクトなボディにApple Watchを最大1.5回分充電可能なバッテリーを搭載。丸1日使用したバッテリー残量の少ないApple Watchでも、100%の充電を行うことが可能。

△ 純正品と同じマグネット搭載
  Apple Watchとの接点部分には、アップル純正と同じマグネットを搭載した磁気充電を採用。吸い付くような使用感で確実にApple Watchを充電することが出来る。

△ アップル社のMade for Apple Watch認証プログラム取得
  本製品はApple Watch専用に設計されており、アップル社が定める性能基準を満たしている「Made for Apple Watch」を取得している。非正規品のケーブルのように、充電していて急に使えなるというリスクが無いので、安心して利用できる。

△ Apple Watchを保護する制御機構を搭載
  最先端の自動制御装置搭載を搭載しており、充電中無理な負荷がかかった場合、最先端の制御装置により充電が自動的に停止。常に最適な環境で充電することが出来るので、Apple Watchの内蔵電池を傷めず製品寿命を延ばす。

△ わずか54gの超軽量設計
  Apple Watchを1.5回分充電できるバッテリー容量を搭載しながら、光沢のある軽い樹脂素材を使ったことにより、約54gの超軽量設計を実現。旅行や出張で長時間持ち運ぶ際にも負担にならない。

△ LEDインジケータランプ搭載
  バッテリー残量に合わせて4段階に点灯するLEDインジケータランプを搭載。バッテリー残量が一目でわかるので、外出時に急な電池切れに悩ませられる心配もない。

※1 Apple Watch(初代)モデルで換算。

[製品仕様]
   入力:micro USB
   出力:磁気充電
製品サイズ:約55(W)×60.2(H)×16.6(D)mm(キーチェーン部分除く)
   重量:約54g

パッケージサイズ:約90(W)×150(H)×25(D)mm
 パッケージ重量:140g

[同梱品]
・TUNEWEAR TUNEMAX for Apple Watch 本体
※ micro USBケーブルは付属していない。

[対応モデル]
・Apple Watch (初代)
・Apple Watch Series 1
・Apple Watch Series 2

       直販価格:4,980円(税込み)
    発売時期/型番:TUN-IP-200097
        発売日:3月10日出荷開始

TUNEWEAR TUNEMAX for Apple Watch ブランド直営ページ





[小説]未来を垣間見たカリスマ 〜 スティーブ・ジョブズ 第31話 知的自転車

スティーブ・ジョブズは未来のテクノロジーを時代の最前列で考え見つめてきたといわれている。しかしその陰には2016年12月6日、アップル銀座のエントランスから40年前のカリフォルニア、ロス・アルトスにあるスティーブ・ジョブズ家のガレージ前にタイムワープしたひとりの男の存在があった。
ー 優れたビジョナリーといわれたスティーブ・ジョブズ。その若かりし時代の秘密に迫る!ー
※本編はフィクションです※

■第31話 知的自転車
スコッティが退職したことに関してスティーブはメンタルな部分で痛みを覚えたようだが仕事の面からすれば間違いなくそれは彼にとって朗報だった。
確かにスコッティはLisaの開発にスティーブが口を出さないであろうことを期待してジェフ・ラスキンのプロジェクトだったMacintoshプロジェクトにスティーブが参加する事を黙認したし喜んだといってよいだろう。

ただしスコッティはそれでスティーブが大人しくしているとは思っていなかったしスティーブの動向に目を光らせていた。
スティーブからしてみれば Lisaプロジェクトから外されたことは大きくプライドを傷つけられたし、もしMacintoshプロジェクトが見るべき成果を上げるようになれば、またまたそこから自分が外されるのではないかと危惧していたふしがある。
スティーブにしてみればせっかく勝ち取ったMacintoshプロジェクトだから意地でも当初の発売日までに完成させたかった。その目標は無謀にも1年後の1982年はじめとスティーブは考えていたが、開発チームの誰もが無理だと感じていたもののスティーブはがむしゃらに突き進んだ。

私が自分のオフィスを出たときスティーブが丁度こちらに歩いてくるところだった。
「おっと、トモ、良いところで会ったよ。ちょっと俺のオフィスに寄ってくれないか」
スティーブはどうやら機嫌がよいらしく、快活に両手を広げて私をオフィスに迎え入れてくれた。

「私もいくつかスティーブ、君に確認したいことがあったので丁度いいよ」
私は勝手知ったるスティーブのオフィスの奥にある椅子に座った。そこはかつて私の居場所だったからだ。
スティーブは話したいことがやまほどあると言いながら、自分の椅子に座り数秒目を瞑った。そして、
「トモ、知ってのとおり俺はMacintoshプロジェクトを率いることになったが問題は山積みなんだ」
とはいえその話しっぷりはまんざらでもないようだったが、
「トモ、君に意見を聞きたいのだけど笑わないでくれるかい」
と悪戯っぽい表情で聞いた。

なにごとかと思ったが、
「勿論だよスティーブ、君の言うことにはいつも敬意を払っているよ。聞かせてくれ」
私は意識的に体を前に突き出しながら答えた。しかし確かにスティーブの話しは時節を考えても突飛でもないことに思えた。
「俺はMacintoshを最高のパーソナルコンピュータにしたいんだ。そのために最適な人材も集めたし問題は山積みとはいえどうあるべきかは明確になってきたつもりだよ。ただ…俺には “Macintosh” という名が気に入らないんだ」

私は2016年の日本からタイムワープしてこの時代に放り出された人間だったから、スティーブのいうところの意味や内容はすでに周知のエピソードとして知っていたが、これをリアルタイムに聞かされた関係者たちの動揺が目に見えるようだった。
スティーブは、
「Macintoshという名はラスキンのクソ野郎がつけた名だ。俺はそのプロダクト名も自分で最良と思うものにしたいんだよ。トモ、おかしいかい」
あの射るような眼差しで見つめられるとどうにも困ってしまうが、私は知ってはいたがわざと
「どんなプロダクト名にしたいと君は思ってるの」
と聞いてみた。

「いいか、笑うなよ」
と再度念を押しながらスティーブは、
「Bicycle (自転車) という名にしたいんだ」
ちょっとうつむきながらいった。
「なるほど。私にはスティーブ、君の考えていることは日々の会話の中からわかるような気がするよ」
というとスティーブは子供のように嬉しそうな顔をしながら、
「俺ってこの件で君になにかいったっけ」
と答えたが、私はそれに直接答えることはしないで話を続けた。
「なぜ Bicycle なのかは容易にわかるよ。君は以前コンピュータは (Bicycle for the Mind) 知的自転車だという説をぶっていただろう。我々人間はすべての生き物の中でも移動する能力ひとつをとっても優れた動物ではないとね。歩く、走るのも遅いしエネルギー効率も悪いから速く遠くへ移動するのは苦手だと。しかし例えばその人間に自転車を与えたとすれば話しはまったく違ってくると…」
スティーブは我が意を得たりと私の話を受けて喋りだした。

「そうなんだよ。コンピュータは我々の知性にとってはまさしく知的自転車であり我々の知性を拡張するツールになると信じているのさ。さすがにトモ、俺の考えていることをよく分かってくれているよ」
スティーブは上機嫌だったが、私は水を差すような物言いをしなければならなかった。
「スティーブ、事実君の考えは説得力のあることだし私も頷く一人だよ。しかし、そのこととMacintoshというプロダクト名を Bicycle にするというのは別問題だと思うよ」
スティーブは一瞬ムッとした表情を見せたがすぐに天井を仰いだ。
「君はこのプロジェクトからラスキンの臭いをすべて消し去りたいのだろうけどMacintoshという名称はすでに皆馴染んでしまったしAppleという会社の製品名としてはリンゴの名前だし決して悪くはないと私は思っているんだ。さらに君が苦労しているようにMacintoshプロジェクトはまだまだ多くの問題を抱えているから、ここでまた開発陣や経営陣を悩ませる要素を増やすことは得策ではないと思うんだ」
スティーブが黙り込んでいるので続けた。
「それに、スティーブ。誰が見ても現在のMacintoshプロジェクトのリーダーは君だし、Macintoshは君が宇宙を凹ますために作るマシンであることに代わりはないよ」

私の話しが終わってもしばらくスティーブは腕組みしながら沈黙を守っていた。
なにか反撃の言葉があるのだろうと私は心の中で身構えていたが、フッと息をはき出したスティーブは、
「やはりそうか…。数日前にプロジェクトの奴らに俺のアイデアを披露したんだが猛烈な反発にあったんだ。だからトモの意見を聞いてみようと思ったんだが、君も反対か」
「いや、反対ということではないんだよ。あのレジス・マッケンナさんもいってたよ。名前そのものが問題なのではなく、その名前に象徴されるもの、その背景にある考えというのが最も大事だとね」
「うん、覚えているよ。もしその会社がよい会社になれば、その名はどのようなものであれよいシンボルになるという話しだろ」
スティーブは少し気持ちが落ち着いてきたようだった。

「そうだよスティーブ。一番大切な時期に関係者を混乱させるのは得策ではないし、つまりシンボルというか名前そのものには大して意味はないんだ。Macintoshという名に素晴らしいストーリーとイメージを与えるのが君の大切な役割だし、それこそ君にしかできないことだと私は信じているよ」
私がいうとスティーブの顔が少しほころんだ。
「そうか、やはりいま Bicycle という名を押し通すには無理があるかも知れないな。どうにもここの所気が急いてどうしようもないんだ」
スティーブは両肩を上げ、自嘲気味に言葉を続けた。
「一昨日のことだったかな、Lisaプロジェクトマネージャーのカウチ、あのジョン・カウチとちょっとやりあってさ…」
「ああ、聞いたよ。君とカウチがMacintoshとLisaのどちらが早く出荷できるかの言い合いになって結局5,000ドルの賭をしたってことだね」
スティーブは頷きながら、
「俺たちの意気込みを示すためもあったし、Macintosh開発チームを鼓舞したくてさ。カウチの挑発に乗ってしまったんだ」
やっとスティーブに笑顔が戻ってきた。

「現実問題として開発期間を考えると、大きな問題はソフトウェアなんだが、俺は君が常々いっているようにMacintoshのキラーアプリケーションが多々欲しいんだ。無論そうしたソフトをMacintoshに同梱してリリースしたかったが現状ではどうにも無理のようだから、ここは一大決心してアウトソースするしかないと考えたところなんだ」
スティーブの話しが途切れたのを確認して私はゆっくりと椅子から立ち上がり退出の意志を示しながらいった。
「ビル・ゲイツだね」
スティーブの驚いた顔を眺めながら私はスティーブのオフィスを出た。

【断章】
1984年にMacintoshがリリースされた後、その年にいち早く出版された1冊の書籍があった。それはCary Lu著「Macintosh そのインテグレーテッドソフトの世界 (原題:The Apple Macintosh Book)」という本だった。その謝辞のページ冒頭には次ぎのような印象的な一文が掲載されていた。

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※Cary Lu著「Macintosh そのインテグレーテッドソフトの世界 (原題:The Apple Macintosh Book) アスキー出版局海外部刊


「本書は、マイクロソフト社のビル・ゲイツとアップル社のスティーブ・ジョブズの会話から生まれました。当時ジョブズの開発チームは秘密のうちにマッキントッシュに取りかかっていましたが、発売は何ヶ月も先でした。マイクロソフト社はアプリケーション・プログラムを作成中で、マッキントッシュ用のインターフェースなど、さまざまな設計上の問題について協力していました。ビルはマイクロソフト社の新しい出版部門が解説書も出してはどうかと提案しました。」

Macintoshは秘密裏に開発されていたと噂で知っていた私はなぜにこんなにも早くマイクロソフト社が(日本語版はアスキー出版局刊)Macintoshの解説書を出せたのかと訝しく思っていたが、スティーブからビル・ゲイツに接触したことがきっかけとなったのだった。
しかしこの事はMacintoshにとって短期的にメリットが大きかったものの、後にマイクロソフト社がWindowsを開発するきっかけを与えることになってしまうのは皮肉なことだった。

(続く)

【主な参考資料】
・「スティーブ・ジョブズの王国」プレジデント社
・「スティーブ・ジョブズ偶像復活」東洋経済新報社
・「アップル・コンフィデンシャル 2.5J」アスペクト刊
・「マッキントッシュ伝説」アスキー出版局刊
・「レボリューション・イン・ザ・バレー」オライリー・ジャパン社



動画でご紹介する PortraitPro Body の世界

過日(2月22日)にご紹介したAnthropics Technology社のアプリケーション「PortraitPro Body」だが、いささか一般的ではないソフトウェアだと考えていたものの反応が良かったので駄目を押すという意味で今回はより直感的に全体像を知っていただこうと動画による紹介をさせていただく。


長い間ウェブサイトやブログを通じてハードウェアやソフトウェアの紹介やレビューをやっているが正直自分なりに限界も感じている。
テキストと写真や図版によるレポートはコンテンツを作るのも慣れていることを別にしても難しい事はない。原稿は時間がある限り読み返して確認出来るしアップロードするデータも通常はそんなに重いものにはならないし読んでいただく場合もテキストを追うことは息をするのと同じで日常的であり同じ箇所を繰り返し読むこともできるから便利だ。
しかし当然のことながらテキストではお伝えし難いことがあるのも事実である。特にソフトウェアの説明は難しい。

PortraitPro Body_movieversion

※PortraitPro Body の画面例【クリックで拡大】


勿論すべて動画の方が良いというわけではない。見聞きする時間の制約はテキストより多いしテキストのように斜め読みとか速読的な理解は難しいがポイントの理解はしやすいと考える。
ということでこれからも余力がある限り動画による紹介を試みたいと思う。
さて今回は「PortraitPro Body」を実際にオペレーションしながらその要点をご覧いただければ幸い。そしてテキストのアーティクルも一緒に参考としていただければ理解も早まるに違いない。



PortraitPro Body



ラテ飼育格闘日記(535)

暖かい日もあるがまだまだ朝晩は油断のならない寒さになることも多い。北風が冷たいのでやはり散歩に行くときには完全武装の冬支度で出かけるオトーサンだ。キャップを被りネックウォーマーを着けダウンジャケットに手袋そして携帯カイロを持って…という出で立ちではあるが、それでも風が強いと寒い。


時々、朝の散歩に出かける時間帯が小学生や中学生たちの登校時間帯と重なるときがある。自宅を出たときに子供たちの姿がなければラテは独自の判断で歩く方角を決めるのが普通だが、眼前に子供たちの姿が一定数以上いると子供好きのワンコとしては近づきたくて仕方がないようでそちらに向かって強くリードを引く。

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※この一週間、ラテにとって楽しい一週間であってほしい


勿論そのほとんどは見知らぬ子供たちであり、中にはワンコ嫌いとか怖がる子供もいるからとオトーサンは不用意に近づけないよう努力をしている。それでも狭い歩道を見知らぬ子供たちと並んで歩くのが嬉しいらしくオトーサンへのアイコンタクトも多くなる。

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※子供たちに囲まれて歩くラテは本当に嬉しそうだ


こうした散歩のスタートだと途中で脇道へ逸れるのはラテが嫌がることを知っているオトーサンはそのまま小学校の正門まで散歩することにしている。たまたま大好きな女子に出会えるとラテは声を上げて大変な喜びようだし途中でチューモードになることもある(笑)。

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※登校途中に大好きな女子と出会えたラテは早速チューモードだ(笑)


数度そうした体験を重ねていると当然のことながら学校まで続く一本の道を歩く子供たちはだいたいがいつもの時間であり、会話を交わしたことがなくても知った顔が増えてくる。
ラテが喜ぶことならとオトーサンも努力とある種の気遣いをしているつもりだが、前にも記したとおりオトーサンから子供たちに話しかけることはしない。
たまたま目が合い会釈をしてくれるといったことがあっても子供たちの方から話しかけることがない限りオトーサンは声をださないようにしている。しかし笑顔であることは心がけているが…。

それでも「わあ、可愛い」とか「オスですかメスですか」あるいは「何という犬種ですか」と聞いてくる子供もいるし中には「撫でていいですか」と尋ねてくれる子供も多い。
一度そうした触れ合いがあると次ぎに会ったときには「この前会ったワンちゃんだ」と寄ってきてくれる。
第一ワンコ嫌いな子供たちは近寄って来ないもののオトーサンはラテがいたずらに子供たちへ近づかないようにと狭い歩道のリードコントロールはなかなか難しい。

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※オトーサン、アタシちゃあんと歩いてますってばあ!


オトーサンは自分で言うのも烏滸がましいが、人の顔を覚えるのは得意だと思っている。まあ、すれ違っただけの人たちの顔を覚えてるはずもないが一度なんらかの会話を交わしたことがある子供なら名前は知らなくても顔は覚えているつもりだ。だからそうした子供たちに会うと「おはようございます」のつもりで会釈をするようにしている。子供たちの方から「おはようございます」といってくれたら無論「おはようございます」と答える。
これも例え見知った子供たちでもオトーサンから声をかけないということを徹底しているからだ。

しかし時々覚えのない子供から「おはようございます」と挨拶されることがある。この世知辛い世の中にそうそうあることでもないと思うだけにそうしたことがあるとオトーサンは暖かい気持ちになる。
それはやはりラテというワンコを連れているからなのかも知れない。しかしなぜワンコ連れだと挨拶してくれるのかは正直よく分からない。ある種の安全な大人だと思うのであれば悪い奴は皆ワンコを連れて歩くことになる(笑)。

先日も知り合いの子供と校門まで一緒に歩き、そこで別れてしばらく直進した後、Uターンしてもと来た歩道を戻りはじめた。当然先ほど通った校門前を再び通るわけだが、そのとき見知らぬ女子から満面の笑顔で「こんにちは」と挨拶された。
時間は午前8時前後だから「こんにちは」より「おはよう」の方が相応しいのに…と余計な事を考えながらもオトーサンは「おはようございます」と笑顔で返事をしたが嬉しさがこみ上げてきた。

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※見知らぬ児童が「こんにちは」と笑顔で挨拶してくれた!


そのまま自宅方向に戻る形となったが、おかしなもので前方からランドセルを背負った女子2人がまたまた「おはようござます」と頭を下げてくれたのだ。
学校や家庭ではいまどき見知らぬ大人には近づくなと釘を刺されている時代だという。それに同じマンションの住人たちでさえろくに挨拶を交わさない世相なのに面識のない子供たちが挨拶してくれるのは実に嬉しいことだしありがたいことだと思う。

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※その日はまたまた初対面の児童2人から「おはようございます」と声をかけられた。嬉しいね


当然頻繁にあることではないだけにこうしたことが重なった日はラテは勿論オトーサンも携帯カイロ以上に暖かい気持ちを子供たちから貰って気持ち良く散歩ができるのは実に素敵なことだと思っている。

さて、そう言えば先日の夕方、ビックリしそして感激することがあった。それはオカーサンと共に散歩に出て近隣を一回りし、先ほど通った近所の公園脇を自宅に戻るために歩いていたときのことだ。
オカーサンが「あっ、ワンちゃんがいるよ」といってくれた。これはラテが出会うほとんどのワンコに対してフレンドリーでないことでもあり、なるべく狭い道で出会わないようにと配慮しているからだ。
オトーサンも「ああ、気を付けよう」という気持ちで近づいたが、どこかで見たワンコだと思った。そのワンコは遠目にもボストンテリアである。オトーサンにとってボストンテリアといえば条件反射的に以前通っていた大きな公園で知り合ったボビーちゃんとそのご家族を思い出す。

リードを保持している方は男性だったが、そのことを認識したオトーサンは「ボビーちゃんのご主人やご家族の方々にも随分とご無沙汰しているなあ」と思った。しかしそのボストンテリアがボビーちゃんで飼い主さんがあのご主人であるはずがないと思いつつ、ラテを近づけないようリードを引いたとき「あっ」と声がかかった。

それはまぎれもなくボビーちゃんとご主人だったのである。
一年と2ヶ月ぶりくらいになるのだろうか。しかしなぜボビーちゃんがこの公園にいるのかは釈然としなかったが、聞けば車で来られてもしかしたら我々と会えるのではないかと期待されてのことだったという。
大変ありがたいことであり嬉しいできごとだった。
しかしである。この大切な出会いも普通なら顔の橫に付けているウェアラブルカメラが捕らえているはずなのだが、どうしたことかオトーサンはそもそも散歩にでる際に電源を入れ忘れたらしく小一時間の散歩すべてが録画されていなかったのである。
嗚呼!なにやってるんだ、ぼけっ!



電子回路を作成して自在にアニメーションさせる After Effects用のスクリプトcircuitFX

株式会社フラッシュバックジャパンは3月3日(金)、電子回路を作成して自在にアニメーションさせる After Effects用のスクリプト「circuitFX」の販売を開始致したと発表。
 

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■ circuitFXとは
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circuitFX は、電子回路を作成して自在にアニメーションさせる After Effects用のスクリプト。

circuitFX を設定する場合、Gridタブ を選択して画面全体を埋め尽くす Fill、中心を開ける Center Out からレイアウトを選択。その後、Grid X と Y でグリッドサイズ、Populate % で全体の密度、Center Out を選んだ場合は radius % で中心の開くスペースを指定する。これだけ指定し、Create Circuitをクリックするだけでも瞬時に電子基盤が生成される。

もちろん細かい設定も可能。Partsタブ を選択し、Chips (チップ)、Capacitors (コンデンサー)、Resistors (抵抗器) の有無と数の指定、Settingsタブ で Put curcuit parts on separete layers? にチェックを入れて各パーツを別レイヤーとして生成したり、Randomize Trim starting point? にチェックを入れて開始点をランダムにすることができる。もちろんパーツ生成後にエフェクトコントロールからサイズや色を変更したり、ラインのトリム開始点 (trim Start) と終了点 (trim End)、オフセット(trim Offset) を調整してアニメーションさせることができる。

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■ circuitFX製品仕様
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 ・製品名  :circuitFX
 ・製品名ヨミ:サーキットエフエックス
 ・種類   :After Effects スクリプト
 ・販売価格 :4,320円(税込)

 ・動作環境 :対応アプリケーション:
        - Adobe After Effects CS6 / CC / CC2014 / CC2015 / CC2015.3
         / CC2017

        対応OS/ハードウェア
        - 対応アプリケーションが動作する環境

 ・製品紹介 :http://www.flashbackj.com/aescripts/circuitfx/
 ・販売形態 :ダウンロード製品
 ・開発元  :Real Creations, aescripts + aeplugins
 ・販売元  :株式会社フラッシュバックジャパン



ユニークな風景編集ソフトウェア「LandscapePro」とは

どうもここの所、PortraitPro や Smart Photo EditorあるいはPortraitPro Body などの紹介が続き Anthropics Technology社の回し者みたいだが、私は単なる一ユーザーであり同社と利害関係があるわけではない。しかしどうにも私の性に合うというか好きな部類の製品が多いのではまっているのも正直なところだ...。


今回ご紹介する LandscapePro というアプリも同じく Anthropics Technology社のプロダクトだがこれまた好き嫌いが激しいと思われるソフトウェアのように思えるものの40年もパソコンのアプリケーションを研究している私にとっては無視出来ない変わった製品なのだ。

それはMacライクな UI ではないがその代わり他にはないユニークさが多々目立ち時間の経つのも忘れるといった類のアプリケーションでもある。
なにしろ起動するとウィンドウがひとつ開くだけでメニューバーも "LandscapeProStd" というものだけ。したがってアバウトもないという異質なソフトである。

LandscapePro_01.jpg

※LandscapeProの基本画面例【クリックで拡大】


ではこの LandscapePro とは何の為のソフトなのかといえばその名の通り一枚の風景写真を様々なイメージに一変させてしまうものなのだが、よくあるフィルターを加えるといったものではない。
例えば青空を夕焼けにしたり曇り空にしたり、あるいは夜景にしたりが一瞬で可能になるというソフトウェアなのだ。

勿論Photoshopに精通しているユーザーなら、青空部分をマスキングして別に用意した夕焼け空の写真を合成するといったことは可能だがこのLandscapeProは別途の写真を用意する必要がなく空であればすでにプリセットにあるバリエーションから選択するだけで作業は終わる。
さらにそれだけではなく、後で光や影の微調整、写真のパースを補正したり、写真全体の色味やコントラストなどなどを編集できるという文字通り一枚の風景写真から様々に変化するイメージを容易に作り出すことができる懐が深いプロダクトといえよう。
なお上位のStudioバージョンはPhotoshopのプラグインとしても使える機能を有している。

製品がユニークなことでもあり、ご紹介もこうしたテキストと写真によるものでは限界があると感じたので今回は最初から最後まで動画による製品紹介を試みた。あくまで基本機能にフォーカスしたものだが是非ご覧になっていただければ幸い。



LandscapePro


[小説]未来を垣間見たカリスマ 〜 スティーブ・ジョブズ 第30話 ビルとアンディ

スティーブ・ジョブズは未来のテクノロジーを時代の最前列で考え見つめてきたといわれている。しかしその陰には2016年12月6日、アップル銀座のエントランスから40年前のカリフォルニア、ロス・アルトスにあるスティーブ・ジョブズ家のガレージ前にタイムワープしたひとりの男の存在があった。
ー 優れたビジョナリーといわれたスティーブ・ジョブズ。その若かりし時代の秘密に迫る!ー
※本編はフィクションです※

■第30話 ビルとアンディ
スティーブ・ジョブズはラスキンを追いやり念願のMacintoshプロジェクトを率いることになった。まだまだ具体的なビジョンはまとまっていなかったが、ウォズの代わりに戦力となる人員が集まりつつあった。
アンディ・ハーツフェルドもそうした一人だった。彼は1979年8月にシステムプログラマーとして入社したが大のウォズファンだった。
ハードウェアの天才といわれるようになるビュレル・スミスと共に自分たちは (ウォズ大学の生徒だ)と公言してはばからなかった。

アンディは1978年に買ったApple II に魅せられソフトウェアの開発を始めたが、彼の目標は当然のことスティーブ・ウォズニアクだった。そういえばこの頃、すなわち1981年春も終わり頃になるとウォズも飛行機事故から立ち直り退院していたが、まだ精神的に完治していなかったしすぐに仕事をしたくないと会社を休むことが多かった。スティーブとのわだかまりも大きくなってきたようだ。

そんな1981年の春先のある日、ランチで席が間近だったこともあって、私はアンディと長話しをする機会を得た。
アンディ・ハーツフェルドは小柄ではあったが見るからに精力的な人物でポジティブな思考の持ち主だった。早速私が (なぜMacintoshチームにきたの) と聞くと少し声のトーンを落として話し出した。

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※Mac開発当時のアンディ・ハーツフェルド。Macのプロモーションビデオ「The Macintosh Story」より


「僕は先のブラック・ウェンズディのときAppleを辞めようとスコッティのところに行ったんですよ」
「慰留されたんだったね」
私が受けると大きく頷きながら、
「だって隣にいたパートナーが首になったしショックもあってこのまま職場に残っても意欲を出せないと思ったんですよ」
アンディは大きめの眼鏡を左手で直しながら笑った。
「だけどスコッティに留意されて (どのプロジェクトなら会社に残ってくれるんだ) といわれてちょっと感激しました」
「で、あなたはMacintoshチームに行きたいって言ったわけだ」
私が笑いながら合いの手を入れるとアンディも嬉しそうに、
「そうなんです。そしたらすぐスティーブがきて…」
今度は愉快そうに声を出して笑った。

このときのエピソードは私も印象深いものだったので覚えていたが、アンディ・ハーツフェルド自身から聞かせてもらえるとは思っていなかったので本当に楽しかった。
「トモ、あなたはスティーブと親しいから分かるでしょうけど、いや別に親しくなくてもスティーブはスティーブだな」
含み笑いしながらアンディは続けた。
「そのとき僕はMacintoshチームに移るためApple II の残務整理のつもりでプログラミングのまとめをしていたんです。そのとき (お前がアンディって奴か) とスティーブから声がかかったわけです。そして (お前は優秀か) と聞くから (そう思ってます) というと… (すぐ俺と一緒に来い) っていうわけ…」
「まったくスティーブらしいなあ」
私が残ったコーヒーを口にするとアンディも同じようにコーヒーで喉を潤して、
「当然僕はこれまでの仕事を引き継ぎしなければと考えていたので、この仕事は数日で終わるので待ってくださいといったんですよ」
さも可笑しそうに口を押さえるアンディに私は、
「スティーブはあなたの使っていたApple II の電源コードをいきなり引き抜いた…」
その言葉が終わらないうちに私とアンディは顔を合わせて笑い合ったが、向こうの列にいた十数人が何ごとかとこちらを振り向いた。ということで結局アンディは1981年2月からMacintoshチームで働くことになった。

そんなとき我々の背中を軽く叩きながら、
「面白い話しがあるなら僕にも教えてよ」
あのビル・アトキンソンがくしゃくしゃの頭、そしてブルーの目で笑っていた。そしてアンディの隣に長い足を伸ばして座った。
そういえばタイムワープする以前、私は2度ビル・アトキンソンに会っている。
1度目は1990年のこと、幕張メッセで開催されたマルチメディア国際会議に私の会社が自社開発したコンシューマー市場初のデジタルビデオシステムを展示デモしていたときのことだ。そこにビル・アトキンソンが立ち寄ったことがあった。

派手な横縞のTシャツを着たラフな格好だったが、なかなか神経の細やかな暖かい人のように思えた。私達がデジタルビデオソフトのデータをHyperCard (HyperCardはアトキンソンが開発)から使用するところを説明していた時、アップルジャパンの関係者がアトキンソンの袖をひっぱるようにして連れていこうとした。しかしアトキンソンは少し離れたところから体を反転させ後戻りして我々にお礼を言ってくれたのだった。

2度目は2004年、写真家として来日したビル・アトキンソンが自書写真集出版記念の講演をしたときのこと、私はそこでMacPaintのフロッピーディスクとマニュアルにサインをして貰ったことがある。しかしこの1981年の春先にApple本社内で出会ったアトキンソンは髪型も違っていたし口ひげを生やしていたからか別人のように思えた。

BillAtkinson201702.jpg

MacPaint201702.jpg

※2004年、写真家として来日したビル・アトキンソン(筆者撮影)と直筆サインをもらったMacPaintのマニュアルとフロッピーディスケット


アトキンソンとハーツフェルドは私がついていけないほどの早口でなにかを言い合い、一緒に笑い合っていたがその瞬間私は奇妙な思いにかられていた。
それはいまから9年ほど経てば(1990年になる)前記したようにアトキンソンと私は幕張メッセの小さなブースで出会うわけだが、そのとき私は初対面だったものの彼は1978年にAppleに入社しこうして幾たびか私と出会っている。そんなアトキンソンは9年後に幕張で出会う私を私と認識してくれるのだろうかということ。それ以前に私自身はその1990年のマルチメディア国際会議のとき自分の存在が果たしてどうなっているのかと考えると頭が混乱し恐ろしくなった。

「どうしたの、トモ。気分でも悪いのかい」
アトキンソンの声で私は我に返った。
「いや、失礼。ちょっと考え事をしていたので」
私は笑顔でつくろったが、ビルをあらためて見上げると明るい表情ながら髭は伸びているし徹夜明けのようだった。
「ビル、また徹夜かい」
「そうなんだけどさ、別にスティーブに言われたわけではないんだ。アンディは分かってくれるだろうけどプログラマーという人種は厄介なものでね」
アンディが我が意を得たりと早くも頷いている。
「どういうこと」
私の問いにビルは、
「僕らは難しい問題に直面するほど燃えるんだよな。で、解決するまでぶっ続けで仕事をしてしまうというわけさ」
「そうだね。1度中断すると神の声が聞こえなくなってしまいそうでね」
アンディが同調した。

私はプロのプログラマーではないが、Apple II やPET2001のBASICで様々なプログラミングを楽しんだ。そして1984年アスキー「月刊 LOGIN」主催の「アダルトソフトウェアコンテスト」ゲーム部門に応募し入選したこともあった。
Apple II 用ゲームを作ったわけだがそれはグラフィックスおよびGUIとサウンドおよびスピーチを取り入れたものだった。とあるMac雑誌の編集長が後に (これぞマルチメディアだ) と称してくださったこともあり商品化もされた。そのプログラミングの中で短い間ではあったがプログラマの性といったあれこれを思い知った経験が甦ってきたのだった。

osawari1984s2.jpg

※1984年にApple II用のゲームとして開発しアスキー「月刊 LOGIN」主催の「アダルトソフトウェアコンテスト」ゲーム部門入選を果たした


どうしても解決策が思い浮かばずああだこうだと寝る間も惜しんで試行錯誤をするが何ともならない日が続く。かと思うと食事中や散歩をしている時にまるで神の啓示のようにフト妙案が浮かんで解決するといったことが何度もあった。ただし偉そうなことを申し上げるとダラダラとやっていては神の啓示は降りてこない。考え得るあれこれを試しつつ新たな解決策を探ることを長い時間集中してこそ気を抜いた一瞬に閃くのかも知れない。

しかし誰であっても睡眠不足は良いはずがはない。ビル・アトキンソンはこの後大事には至らなかったものの運転中に居眠りをしてしまい大型トレーラーの後部に突っ込み、運転していたスポーツカーの屋根をはぎ取られるという事故を起こした。
アトキンソンとハーツフェルドの二人はMacintosh開発にとってソフトウェア面でなくてはならない人材であり、アンディはソフトウェアの魔術師と評価されていたしアトキンソンにはあのスティーブも一目置かざるを得なかった異才の人材だった。
事実ビル・アトキンソンはAppleで最初で最後といってよいかも知れないが、プログラマーという立場で大きな地位を築いた。LisaやMacintoshの描画ルーチン(後にQuickDrawと称される)開発はもとよりMacPaintやHyperCardの開発者として知られ、天才プログラマーの称号を欲しいままにした人物となった。また特別研究員に遇され、初代アップル・フェローとなった。

そうした秀でた彼らにしてもMacintoshの完成は見通しさえつかなかった。ただただスティーブは12ヶ月でMacintoshを仕上げると息巻いていたしその要求も相変わらず性急で突飛なあれこれが続いた。なにしろあるときの会議に現れたスティーブは手に持っていた電話帳を会議テーブルの上に放り投げながらいった。
「それがMacintoshの大きさだぞ。これ以上大きい設計は許さないからな」
といいながら、
「それからモニター一体型としてもだ、横型のコンピュータはもう見飽きた。Lisaも横型だし今度は縦長のデザインを考えて見ろよ」
そう言い捨てて出て行ってしまった。
ビル・アトキンソン以下、Macintosh開発メンバー全員は唖然としてスティーブの背中を見つめていた。
その場にいた私はビル・アトキンソンに、
「ビル、難しい問題に直面するほど燃えるまたとないチャンスだね」
と両肩を上げてジョークをいった。
ビルとアンディは (あ~あ~) というようにソファーへ大げさに倒れ込んで笑い転げた。

(続く)

【主な参考資料】
・「パソコン革命の英雄たち~ハッカーズ25年の功績」マグロウヒル社
・「スティーブ・ジョブズの王国」プレジデント社
・「スティーブ・ジョブズ偶像復活」東洋経済新報社



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。ゆうMUG会員