ラテ飼育格闘日記(356)

ここのところ、朝晩の散歩は気温が低くなったため大分楽になってきた。反対に日の落ちるのが早くなり、午後6時を過ぎると薄暗くなり6時半ともなれば懐中電灯が必要になってくる季節となった。そうした季節の変化に伴い、ラテの行動も随分と変わってきたがその一番はやはりよく歩くようになったということだ。


先週の日曜日のこと、朝の散歩は女房も一緒にいつもの公園を目指して家を飛び出した。
ワンブロック先に飼われているワンコにこれ見よがしにと走って見せるラテだが、リードを持っている女房は大変だ(笑)。それでもラテが走りたいときに走らせようとオトーサンたちは無理しているが、走って行くラテのお尻の可愛いこと(爆)。しかし関心なのは百数十メートル走った後で立ち止まって後ろからオトーサンがついてくるかを確認する様はなかなか感動ものである。

約7年ほどラテと毎日一緒に生活してきたオトーサンだが最初はまったくの手探りで予備知識もなく、とにかく確実な情報を知りたいとワンコに関する本を読みあさることに徹した。その数をいま書棚で数えてみると34冊にもなっている…。ただしこれらとは別に一読したもののオトーサンの思いからして役に立たないと判断し捨てた本も数冊あるから、一応これまでに読んだワンコ関連本の数は40冊程度になるはずだ。

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※床に腹ばいになっているラテ


飼育とはなにをするのか。そもそもワンコとは何者なのか。人間との絆はどのように生まれ、それはどんなものなのか。なぜワンコは人類最古の友ともいわれるほど我々人間と一緒に生きていけるのか。ワンコは人間を…あるいは自身をどのように思っているのか。ワンコは世界を我々が感じる知覚や感情とどれほど違った見方をしているのか。ワンコは我々の意志や言葉が分かるのか。
どこが人間と同じで何が違うのか…などなどワンコに関することは何でも知りたくてたまらなかった。その思いは現在でも同じだがこの7年の間で随分と分かってきたことも増えた。

ただしオトーサンが知りたいと考える対象は当然のこと世界のどこにでもいるワンコ一般ではなく自分たちが飼っているたった一匹のワンコ、すなわちラテのことに集約される。
別に動物行動学の学者になりたいとか、獣医になろうとしているわけではなく、目の前にいる不思議な生き物の正体を知りたいと思っているだけだった。

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※朝の光が降り注ぐ中、オカーサンと一緒


ただしいくら沢山の本を読んだところで、ラテの意思表示らしきものの本筋が分かるわけではないし、犬語を喋れるようになったわけでもない。そして…理解したことを説明しろと言われるとそれはなかなかに難しい。それらの多くは理屈でなくオトーサンが身体で体験し身体で覚えたことが多いからだ。
毎日の生活で楽になったのはラテの行動や思考のパターンがある程度理解できたことだ。それに加えてラテの方もオトーサンたちの行動パターンや好き嫌いといったものを十分に観察して身につけていると思われ、それらが相互に重なり合い、いちいち口に出したりコマンドを示したりしなくてもある程度自然に意思疎通でき、日々の生活に支障がでなくなったことだ。
なにか年輪を重ねた夫婦みたいだが(笑)、基本的にお互いを信頼した上での行動となるので安心した付き合いができるようになったことが嬉しい。

ラテがマズルに皺を寄せ「ガウウウウ…」と唸ったとしてもオトーサンはそれが遊びのうなり声なのか、威嚇なのかがわかるし、それが威嚇というか不快を表す行為だとしてもその後、オトーサンに噛みつくことはないだろう事を身体で理解できたというべきか。
ラテが若い時には歯を当ててきたことでオトーサンの両腕は傷だらけの時期があったしオカーサンの口元に傷を負わせたこともあったが最近はそうした心配はまったくしていない。
そもそもラテは友達ワンコたちと比較しても物を咥える…特に人の手から食べ物をもらうときの食べ方は親バカながら絶妙に上手であり、どんな小さな食べ物でも指に挟んで差し出すことが出来る。

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※7歳になっても抱っこは好きなようだ(笑)


もしかしたら、ラテは昔1度前脚肉球を貫通するほど他のワンコに噛まれたことがあったが、その痛さを学習しているのかも知れない。ワンコは生まれてしばらくの間、親や兄妹との接触で手加減を学習するという。そうした社会性を持つ機会を奪われたワンコはなかなか飼いにくいというが、幸いラテはそうした社会性を持ち合わせているようだ。そして先の不幸な事件はラテにとって当時は大変辛いことだったが「噛まれる(噛む)と痛い」ことを実体験する機会となったのかも知れない…。

普段はなんとも無愛想な顔で寝そべっているが、興が乗ればこれが同じワンコかと思うほどキラキラとした表情を見せ、オトーサンに遊びをせがむその姿は7年経ってもほとんど変わっていないように思える。
7年前のあの日、動物病院での里親会で撮ったラテと女房の写真を眺めながら当時の記憶をたどってみると、里親会に出るからと一時預かりしてくださっていた方が綺麗にトリミングをしてくださったことも分かった。そして何よりも当日のラテはそれが里親会という飼い主と巡り会う重大な機会だということを知る由もなかったはずだが、オトーサンには大切な場所であることを本能で理解していたように思えてならないのである。
なぜなら、その後のラテの行動から判断してもあの初対面のときが一番オトーサンにフレンドリーだったように思えるのだ(笑)。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員