ラテ飼育格闘日記(375)

ラテとの毎日は刺激の毎日だ。些細なことでもオトーサンたちにとっては心配の種だったり逆に幸せな気分になったりと変化の毎日でもある。しかしオトーサンたちの思惑がラテにそのまま伝わるわけでもなく、良かれと考えたことでもラテにとっては大きなストレスになることもあるので難しい…。


先日、3ヶ月ぶりにワンコの美容室にラテを連れて行くことにした。3ヶ月前といえば引っ越し前夜にラテを初めてペットホテルに預かってもらったわけだがその顛末は「ラテ飼育格闘日記(361)」にご紹介したとおり、ラテにとっては最悪の24時間だったようである。

Latte375_01.jpg

※引っ越しして3ヶ月、ラテはやっと新しい環境に順応してきたようだ


美容室としてはこの地に来てからずっと常連だったが、他人に身体をいじられるわけでラテにとっては決して嬉しい場所ではないらしい。カットは勿論、シャンプー、爪切り、耳掃除、肛門腺絞り、そして歯磨きといったオプションを交えた処理をしてもらうわけでさぞや嫌なあれこれだとは想像できる。

これまでも連れて行く際、美容室へ向かっていることを察知すると怖いからか脱糞することもあるしお店の看板が見える位置に来るとオトーサンに抱っこの要求をする。ともかく嫌なのだ。
とはいっても衛生面や健康面、そして安全面を考えれば体毛が伸びやすいラテでもあり、3ヶ月に1度くらいはトリミングをしなければならない。
例えば肉球の間に伸びた毛が多くなるとそれこそフローリングの床でも滑りやすくなったりして危ない。また身体全体の体毛も伸び放題にしては見栄えが悪いだけでなくどうしても不潔になりがちだ。そうした処置の一端はオトーサンが自宅でもやるが、素人には完全には難しいわけで結局専門家にお願いすることになる。

Latte375_02.jpg

※散歩途中でオカーサンに目脂をとってもらう


というわけで、自宅から数分で行けるロケーションになったワンコの美容室だが、一泊の経験直後はその前を通るのを嫌がり、1ヶ月ほど経った後でも店の前を通過する際には尻尾が垂れ下がるというラテだった。
だからなるべく怖がらせることなく連れ込もうと作戦を練ってオトーサンはラテと共に自宅を後にする。無論ラテは夢にも美容室に連れて行かれるとは思っていないはずだ(笑)。

オトーサンは店の前を通過するふりをしながら歩き、いきなり美容室の店内にラテを引っ張り入れた(笑)。ラテは何事かを察知した瞬間にオトーサンに飛びついて抱っこを要求…。万事心得ているオトーサンは手慣れた手つきでラテを抱き上げた…が、ラテの身体は大きくブルブルと震えているではないか。
こんな震え方は初めてだったのでオトーサンはそのまま予約をキャンセルして帰ろうかと一瞬思ったほどラテが可哀想になった。以前のお泊まりの体験はオトーサンたちが予想する以上にラテにとっては嫌で怖い体験だったことをあらためて思い知らされた。

嫌な役目ではあるが、戻るわけにも行かずオトーサンは平静を装い「今日は泊りでないからすぐに迎えに来るよ」と声をかけ、リードをお店の人に渡して振り向かずに店を出た。
時間はちょうど昼時だったから、近くのラーメン屋に入り、麺をすすりながらも茶色いスープにラテの顔が浮かぶ。困ったオトーサンである(笑)。

Latte375_03.jpg

※朝日を浴びながら他のワンコたちが来るのを待って座り込むその顔は穏やかだ


預けてから4時間ほどたち携帯電話が鳴った。早速そのまま散歩に出られるように支度をしてラテを迎えに行く。ラテは満面の笑顔でオトーサンに飛びついてきた。
リードを手にしたオトーサンはそのままいつもの散歩コースを回ろうと歩き始めたが、ラテはガンとしてそちらの方向に行くのを嫌がる…。どうしたのかと思案しつつ、ラテの引く方向に足を向けると我が家のマンションのエントランスをすっと入り、エレベータの前で座り込むではないか。なるほど、一端自宅に帰りオカーサンに会いたいのだと察知したオトーサンは仕方なくエレベータに乗り我が家のドアを開ける。

しかし実はこの時間帯を利用して女房は用事を済ませるために外出していたのでラテの目論見は果たせなかった。しかしこれまで散歩から帰るとき、マンションのエントランスで「入りたくないよ」とでもいうように四つ脚を突っ張り抵抗することが多かったラテがオカーサン目的だとしても自分からスタスタと自宅に戻る行動をしたわけで、新しい環境にやっと慣れたのではないかとオトーサンは頬が緩んだ…。




関連記事
広告
ブログ内検索
Macの達人 無料公開
[小説]未来を垣間見た男 - スティーブ・ジョブズ公開
オリジナル時代小説「木挽町お鶴御用控」無料公開
オリジナル時代小説「首巻き春貞」一巻から外伝まで全完無料公開
ラテ飼育格闘日記
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員