脅威の高倍率ズーム搭載 Canon PowerShot SX50HS レポート

キヤノンのコンデジPowerShot SX50HSを “お散歩カメラ” として入手し1週間ほど経った。まだまだ十分に使い込んでいるとは言いがたいが、取り急ぎその使用感やらをご紹介してみたい。しかし結論めくがPowerShot SX50HSの超望遠、超ズームは凄いの一語に尽きる。問題はいかに使いこなすか…だ(笑)。



昔、昔…私が一眼レフカメラを手にしたときカメラの師匠でもあった友人から「ズームに頼るな」とよくいわれたし写真誌などにもその種のことが書かれていた。
それは報道写真といった特別な分野はともかく、一般的に我々が写真を撮るとき、手軽だからとズームに頼るのではなくまずは足を使って踏み込め…近づけという意味だった。しかし単なるアマチュアの私としては便利な機能は使うべきと常々思っていたのだが…(笑)。

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※Canon PowerShot SX50HS


それはともかくズームでなければ表現できない映像もあるし、時に野鳥などの撮影は物理的に近寄れないわけで、倍率の高いズームは必須である。しかしそうしたシーンばかり撮っているわけではない散歩中だからしてデジタル一眼レフに必要な交換レンズ群を装着すれば大装備になるだけでなくレンズ交換などやっている暇はないし予算的も桁違いになる。なにしろ100倍といえばちょっとした天体望遠鏡クラスの倍率なのだから…。
そうした意味においてもPowerShot SX50HSにはもの凄い価値…可能性が潜んでいると思う。

さてその化け物みたいな超高倍率ズームだが、こればかりは実体験しないと何が何だか分からないに違いない。
実際に広角24ミリで撮った遠方の目標被写体に光学50倍ズーム(1200mm)、プログレッシブファインズーム100倍(2400mm)、そしてデジタルズーム最大200倍(4800mm)で捉えたイメージをいろいろと比較している…。

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※焦点距離の目安がズームレンズにも記されている


前回のファーストインプレッションでも例をご覧頂いたが、ここでも一例だけ24mm、光学50倍、プログレッシブファインズーム100倍、そしてデジタルズーム200倍の例をご覧いただこうか…。
撮影は4000×3000ピクセル、スーパーファイン、JPEGでプログラムオート(P)で実行した。

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※車道の標識を狙ってみた。上から35ミリ換算で24ミリ、1200ミリ、2400ミリそしてデジタルズーム使用4800ミリで撮ったものだ


ただしプログレッシブファインズームの領域は画像サイズにより可変であり、L設定(1200万画素相当)の場合には前記のように100倍までだが、例えばM1(600万画素相当)なら125倍までとなる…。

続いて24mmで撮影した写真とその遠景中央付近をプログレッシブファインズームによる100倍ズームで狙った結果を2例ご覧頂きたい。なお撮影後の編集は一切していない。

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※空気が澄んでいるとこの正面に富士山が見えるが、この朝はお休みだった。中央付近の鉄塔をプログレッシブファインズームによる100倍ズームで撮ってみた。【クリックで原寸】


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※遠景にある山の前に見える二棟のマンションを狙った例。【クリックで原寸】


ズームのスピードやAFのスピードも思っていたより速くて快適だ。ただし暗めの被写体にはAFが合わせにくいがこれはレンズが暗めという理由からだろう。しかし個人的には苦になるほどではない。
撮影自体はカメラ本体が一眼レフ型でもあり、グリップもあるからホールドしやすい。したがって両手で操作すればサイズが大きめだけに操作しやすい。ただし手持ちによる高倍率ズームの撮影はかなり馴れが必要なようで、いきなりだとさすがに思うようにいかない(笑)。

繰り返すがズームもAFも快適だが、手持ち撮影ではどうしても目標を見失いがちだ。勿論PowerShot SX50HSにはフレーミングアシストボタンがあり、ズーム時に「探索」ボタンを押すとズーム倍率を一時的に下げることができ、それにより被写体がどこにあるのかを素早く確認することが可能になる。また探索ボタン使用時は液晶ディスプレイにグリッドが表示され、撮影フレームを確認することもできる。そして探索ボタンを離せば直前のズーム倍率に戻り、即撮影を継続することができるわけだ。

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※フレーミングアシストボタンの「探索」と「固定」ボタン


早速フレーミングアシストボタンに慣れようと使いはじめたが、機能は間違いなく効果のあるものだがカメラ本体をこれまでの習慣で左掌に乗せて右手でグリップを握ってホールドしシャッターを切る…となると2つのフレーミングアシストボタンが必然的に左手親指によるオペシーションとなる。しかしこれが実にやりにくい…。
まず「探索」と「固定」ボタンがあまり突き出ていないため慣れないと指先による確認がしにくいのだ。操作に手間取り探っていると…というより少しでもカメラ本体を動かしてしまえば「探索」を実行してもまたすぐにフレーミングが外れてしまう。もっとボタンが明確に突き出ていれば、あるいは指先でより容易に違いを判断できれば使いやすいと思うが、反対に不用意に触れて誤操作もしやすくなるのかも知れない。

あれこれと試行錯誤した結果、左手の持ち方を変えてみた。ボディを左手親指で支え、「探索」「固定」ボタンを左手人指し指で操作するようにしてみるとなかなか具合がよい。
ということでフレーミングアシストボタンは確かに被写体の撮影ボイントを再確認し、再フレーミングするのに有効だが、それとてくどいようだが手持ち撮影時のホールドがしっかりなされていることが前提だ。さすがに犬のリードをひきながらの高倍率ズーム撮影は容易ではない(笑)。ただしホールドが出来、ピントが合っていればその成果は驚くべきものとなる…。
これほどの望遠による撮影は経験がないだけに感激もひとしおだが、明るい場所での撮影は100倍でも実に綺麗だしデジタルズームの200倍でもそんなに劣化は目立たない。ただし遠景や月といった被写体をプログレッシブファインズーム100倍(2400mm)できちんと撮ろうとするならやはり三脚などに固定し、オプションのリモートスイッチ(RS-60E3)を使うべきだろう。

さてさて、ズームが売りの本機だからして高倍率ズームの使い勝手に興味が集中するのは仕方がないもののPowerShot SX50HS はコンデジとしての基本機能もしっかりと作り込まれている。例えば私は動く被写体を撮りやすくするためショートカットボタンにサーボAF機能を割り当てている。したがって背面左上にある「S」ボタンを押す毎にシングルAFとサーボAFが瞬時に切り換えることができるわけだ。
ただしセンサーは小さいので(1/2.3型高感度CMOS、カメラ部有効画素は約1,210万画素) 例えばSIGMAのDPシリーズなどと画質を比較しては気の毒だが、画質以上に魅力的な機動性と能力を持っていると考えるべきだろう。その画質はいささか立体感が希薄というかフラットで軽い絵作りといった感じもするが特別なケースを除けば十分な絵作りではないだろうか。

能書きはこの辺にするが以下撮影例をいくつかご覧いただきたい。なお撮影はすべてプログラムオート(P)、4000×3000ピクセル、スーパーファインのJPEGで手持ち撮影で撮っている。以下すべてクリックで実際の撮影サイズに拡大するが、画像アップ容量の制約でオリジナルをいくらか圧縮しているのでご了承願いたい。

■ベンチのある風景■

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※遠近感というか立体感がいささか希薄のように感じるがディテールの描写はきちんとできており、雨上がりの朝の雰囲気も見たままに近い【クリックで原寸】


■架線■

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※架線や電線鉄柱といった硬質感や細い被写体も遠近共にクリアに写っている【クリックで原寸】


■ピンクの門■

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※ピンク色に塗られた鉄製の門がはげ落ち、錆びて独特の味を出していた。前面にある柵とのコントラストが面白い。そして色味も忠実に出ていた【クリックで原寸】


■道端の花■

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※芥子の花だろうか、コンクリートが続く架橋下に咲いていた一輪。少し望遠気味で撮ったこともありボケ味も美しい。【クリックで原寸】


■タンポポの綿毛■

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※草むらにあったタンポポの綿毛をマクロ撮影【クリックで原寸】


■腕時計■

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※これまたレンズ部の影ができない程度に極端に近づけたマクロ撮影。ベゼルの金属感もよく出ているし実寸で確認すると1週間ほど机上に放っておいたためガラスに埃が乗り汚れている様までよくわかる(笑)【クリックで原寸】


■鴨のつがい■

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※野鳥の撮影第1号。動く被写体を高倍率ズームで追うのはなかなか難しい【クリックで原寸】


ご感想はいかがだろうか。画質はなかなか良いと思われる方、逆にこんなものか…と不満を感じる方もいるかも知れないが、PowerShot SX50HSは一般的なデジタル一眼レフと同様なマニュアル撮影も可能であり、露出およびシャッタースピードなどを自在に操ることもできる。さらにRAWによる撮影も可能であり、製品付属のアプリ「ImageBrowser EX」で微調整の上で現像することで一段と緻密な結果を引き出すことも可能だ。
ということで最後に1枚だけだが、RAWで撮った写真をJPEGに現像した例をご紹介してこの項を終了したい。その結果だが、100%サイズで確認するとさすがにブロックノイズが目立つが50%程度や普通に眺めているだけでは描写力もなかなかだと思うが、いかがだろうか?

bosatu_rawd.jpg

※仏像をRAWで撮影しJPEGに現像してみた。なかなかの描写力だと思うが...【クリックで原寸】





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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員