CrazyTalk Animator2 Pro 覚書[2]

今回はCrazyTalk Animator2 Pro(CTA2 Pro)によるアニメーションの初歩、すなわちキャラクタをステージ上で歩かせる方法とその際に必要な注意点を記すことにする。"歩く" ことが問題なくできるなら当然のこと他の動作もすぐ馴染むに違いない。


さて、一言で "歩く" といってもいざアニメーションとして表現するとなれば決して単純ではない。「右から左」いや…「左から右へ」というだけでなく「遠方から近くへ」「近くから遠方へ」と歩かせたいこともあるだろうし、例えば動線が平行・垂直だけでなく斜めに…といった場合もある。さらに歩くという左右の足の動きはどのように作り出せば良いのか…。
とはいえ結論めくが CTA2 Pro は歩くという動作自体は細かな要求を別にすればユーザーが作り出す必要はなく、モーションテンプレートにある動作のうち、好みの歩くモーションアイコンをステージのキャラクタにドラッグ&ドロップするだけだ。
しかしまず最初に覚えておくことは移動の距離と速さ、そして遠近を自然に表現しなければならない点に注視したい…。

まずは前編で作ったキャラクタ、ジョブズさんをステージに登場させ、右から左に歩かせてみることからはじめよう。なお緻密で正確な表現にはCTA2 Proのタイムラインに頼るべきだが、今回はタイムラインには極力触れずCTA2 Proの理屈を考えることに留めたい。また前回同様利用するコンテンツは別途有料で購入したものも含まれることをご承知願いたい。

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※前回で作ったジョブズさんのキャラを保存しておいたので今回もそれを使う


ジョブズさんのキャラをステージにドロップする。しかし初期値のビジュアルは正面を向いているはずで、まずは歩く方向に身体を向ける必要がある。それにはキャラをアクティブにしたままステージ左のツール群(Function Tool Bar)より 3D Motion Key Editor を表示させ、ジョブズさんを左方向に向かせる…。

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※3D Motion Key Editorの270度をクリックしてジョブズさんをステージ左に向かせる


話が前後したが、その際に重要なのはキャラクタをステージに表示させた後、ステージ下にあるバー(Play Bar)を動かしてはならない。もしバーの位置を示す○ (Play Head)が1番左でないときにはスタート位置に戻し、Animationメニューより Remove Animationを実行してからにしよう。でないとすでに各種のオペレーションはアニメ設定モードONの状態になっているからだ。

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※Play Barはスタート位置に置いておくこと


話を戻すと、ジョブズさんはステージ右側に左向きに位置しているはずだ。ではまずバー(Play Bar)を 現在時間表示 (Current Time) を確認しながら…そう例えば5秒ほどの位置にしておく。そしてジョブズさんをドラッグして左に移動する…。するとジョブズさんのキャラクタにはスタート位置と現在位置を表す直線のパスと共にポイント表示がなされる。

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※Play Barを5秒ほど進ませ、ジョブズさんのキャラをステージ左側に移動させる。するとスタート位置と現在位置の間はパスで繋がっているはずだ


この意味は、「いま指定した移動距離を指定時間すなわち5秒ほどで移動する」ということだ。ただし後述する "歩く" アニメーションコンテンツの1度の動作に関係し、距離とその移動にかける時間が合わないと歩くという動作が不自然になることは頭の隅にいれておこう。ただしいまは難しい事は考えずに話を進めることにする。
また念のために記すが、同じ結果を生むための手順はひとつだけではないが、ここでは1番分かりやすいと思われる方法を説明しているつもりなのでアシカラズ。

パスとポイントバー(Play Bar)をスタートポイントに戻す。ただしキャラクタをもどしてはならない。あくまでバー(Play Bar)を操作すること。
無論ジョブズさんはステージ右のスタート位置に戻り、エンドポイントにはパスが残っているはずだ。またその際、プレイバックのイン/アウトマーク(赤い三角)のアウト(右)をアバウトでよいから5秒後付近に置いておくこと。でないとプレイすると初期設定では2000フレームまでストップさせるまで再生が続くからだ。

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※ポイントバー(Play Bar)をスタートポイントに戻すとキャラもスタート位置に戻る


それではCTA2 Proのステージ右にある Animation タブをクリックしてみよう。オプションのコンテンツの有る無しやその種類によりテンプレートの内容は違ってくるが、ここではAnimation Template/Motion/2D/01 Moveにある "270 Walk_Mate" というモーションデータを使う。ちなみにコンテンツ名の頭に付いている数値は動く角度・方向を意味している。270度とはここではステージに向かって左を意味するわけだ。

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※今回はモーションデータ「270 Walk_Mate」を使う


このモーションデータをキャラクタに割り当てる方法もいくつかあるが、1番簡単な方法としてジョブズさんをアクティブにし、この "270 Walk_Male" のアイコンをゆっくりダブルクリックしてみよう…。するとステージ上のジョブズさんはパスに従い左にワンステップ歩いたはずだ。

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※キャラをアクティブにし、モーションデータ「270 Walk_Mate」をダブルクリックするとワンステップ左に歩く


その調子でキャラクタがエンドポイントの位置に来るまで "270 Walk_Mate" をダブルクリックする…。現在時間表示 (Current Time) は当然設定した5秒うんぬんで止まり、キャラクタもそのタイムで止まる。

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※指定した時間(5秒)の間、キャラを左に向かって歩かせるモーションデータを加えたことになる


ジョブズさんを右から左まで直線上を歩かせるというアニメーションの基本はこれだけである。ちなみにPlay Barを巻き戻してプレイボタンをクリックするとジョブズさんはきちんと歩くはずだ。ここで完成例として簡単な背景を置いたアニメーションをご覧頂こう。




この調子で左右の移動は可能だが、それでは前後の移動はどのように考えればよいか…。

当然、作業の流れは同じだが表現の仕方がいささか違ってくる。ここでは向こうからこちら前方にジョブズさんが歩いてくるというアニメーションを考えるが、まずジョブズさんをステージ中央の上部分にサイズを小さめにして置いてみる。

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※正面を向いたキャラクタを小さめのサイズでステージに置く


そしてバー(Play Bar)を4秒ほどに動かしジョブズさんのキャラクタをステージ中央下側に移動する。ただしこのままではキャラクタは上下移動しただけという結果となるので下側に置いたジョブズさんのサイズを拡大してみよう。勿論その意味はこちらに近づくほど大きく見えるという事実をシミュレートすることだ。

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※前に歩かせるためにキャラをステージ下側に移動すると同時にサイズを拡大する


バー(Play Bar)を一端スタート位置に戻し、Animation タブAnimation Template/Motion/2D/01 Moveにある "0 Walk_Male" を数回(3回ほど)ダブルクリックすればスタートポイントからエンドポイントまでジョブズさんはこちらを向いて歩いてくる。そして近づくほどジョブズさんは大きく表示されるはずだ。

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※モーションデータ「0 Walk_Male」で前を向いて歩く動作を付加


ということでここでも完成例としてアニメーションをご覧頂くが、簡単な背景を置き、さらに動きをより付ける意味でキャラクタが拡大するのに合わせて背景が少し遠ざかるようにしてある。




以上で人型のキャラクタを歩かせる、あるいは走らせるといった設定は同類のオペレーション、考え方で実現できるので以下はその応用例を2例ご覧いただこう…。
まず最初の例だが、若かりし頃のジョブズ似キャラが向こうからこちらに歩いてくるという前記したもののバリエーションだ。ただし本例には歩き方を変えてあるし、顔にも表情をつけている。また背景も用意したがこの背景はCTA2 Proに用意されているコンテンツではなく私が以前レンダリングした3DデータのシーンをJPEGにしたものをステージにドラッグ&ドロップし、サイズを調整したものだ。




2例目も背景として同じく実写の写真を使ったものだが、ご覧頂くとお分かりの通り些かこれまでのものとは違った手法が使われている。シーンとしてはある時期のMacworld Expo/サンフランシスコにおけるAppleブースで行われたiPhotoセミナーステージの写真を使い、そのステージ上をCTA2 Proで作ったジョブズさんが斜め気味に右から左に歩き、こちらを向いて両手を叩く…といった動作を行う…。

 


取り急ぎ作ったので雑な部分は見過ごしていただきたいが、ここでは写真自体がステージを真正面から撮ったものではなく斜めの角度からのものなので、ジョブズさんの動きもそのステージに沿って移動させる必要があり、直線ではあってもCTA2 Proのステージ上としては斜め位置方向の移動となるし、向こうに行くほどジョブズさんの姿は小さくしなければならない。
最大の見せ場は(笑)、セミナーステージをジョブズさんが移動するとき、その最前列に数人観客の姿(頭)があることだ。これを無視してキャラクタを歩かせれば当然背景は単なる1枚の写真であるからして最前列の観客の後ろを通過するというあり得ないことになってしまう。

ではどうするか…。この辺はCTA2 Proの機能としてボタン一つで解決することは望めないから一工夫する必要がある。
簡単に説明すれば不自然な表示となり得る最前列の観客部分を含めたエリアのコピーを用意し、その写真のステージ部位にあたる範囲を別途グラフィックソフトで透明に抜き .PNG フォーマットで保存する。

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※分かりやすくするために2枚のレイヤーの距離を大げさに置いたが、要はこの間をジョブズさんが移動いればステージではそれらしく見えるわけだ


このデータをCTA2 ProのZ軸表現の妙を使い、背景写真の同位置に重ねて置き、かつその奥行きを弱冠手前とすれば、ジョブズさんのキャラクタは背景と手前の重ねたビジュアルの間を抜け、アニメーションとしては観客の向こう側を歩くといった表現となるわけだ。

CrazyTalk Animator2




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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員