魅力的な 「SnapLite」の実力と限界〜iPhoneの置き方を探る

PFU社の新製品 SnapLite をあれこれと使い始めている。とはいえ個人的には実用というより新しいオモチャの魅力に取り憑かれているといった方が正解だ(笑)。いや、決してSnapLiteを揶揄するつもりではないが、本製品をこれまでのスキャナというイメージで購入すると期待外れということになるかも知れない。しかしiPhoneカメラによるブツ取り支援機器としてならお勧めだ。


スキャナといっても市場には様々な製品が存在する。複合機に付いているフラットベッドスキャナとかハンディスキャナもあるしPFU社のiX500に代表される高性能なドキュメントスキャナ類も人気だ。勿論同じくPFU社製ScanSnap SV600も少々変わりものだがスキャナに違いないし私にとっては最良のツールである。そうした製品たちとSnapLiteを一緒にくくり “スキャナ” と称してよいのだろうか…。

SnapLite_B_01.jpg

※シンプルなデザインは好感が持てる


まずSnapLiteを卓上照明としてだけで購入するユーザーはいないだろう。あくまで写真や名刺、日々集まるレシートの整理や小物たち、そして料理やネイルの結果といった立体物を読み込んでその写真を保存するだけでなく、何らかの目的のために利用したいと考えるユーザーがほとんどなのではないだろうか。
しかしあらためてSnapLiteを手にしてみると、これはドキュメントスキャナではなくドキュメントカメラなのではないかという思いが強くなってくる。
実際、前回のファーストインプレッションでも述べた通り、原稿を読み込む…撮影するのはまさしくSnapLiteの頭上に置いたiPhoneなのだ。念のために申し上げればSnapLite本体にレンズなどのハード構成はない。

そうであればスキャナというより「ライト型ドキュメントカメラ」と呼ぶのが正しいのかも知れないと思うようになってきた。いや、スキャナでもカメラでもいいではないかと考える方もいるかも知れないが、呼び名は大変重要である。それは製品の性格を正しく伝える役目も果たすからだ。

メーカーに喧嘩を売るつもりはないが(笑)、”スキャナ” という意味をウィキペディアで確認すると「走査(スキャニング)と呼ばれる動作を行い、センサを通して情報をビット単位に読み取る機械装置を言う。」と解説されている。ちなみに「カメラ」を広義にいうなら「像を結ぶための光学系(レンズ等)を持ち、映像を撮影するための装置」ということになる。
SnapLiteはSV600のように走査(スキャニング)しているわけはなくiPhoneによる撮影だ…。だからこそPFUサイトではイメージスキャナとしての製品群にSnapLiteが含まれていないのではないか。それなのにメーカー自身が ”iPhoneを高性能スキャナにする、かしこい照明「SnapLite」” と称しては誤解を生む可能性が心配なのだ。

ではSnapLiteの存在意義はどこにあるのだろうか。
それはやはりiPhoneのカメラを使って撮影する場合の支援機器というポジションと思われる。撮影そのものはiPhoneだけで可能なわけだが、ユーザーはSnapLiteの上iPhoneを乗せ、専用のアプリで撮影することで幾多のメリットを受けることができる。
例えば手ブレが起きないし撮影に最適な照明もSnapLiteが照射してくれる。そして原稿の歪みなども補正してくれるため正確で綺麗な写真が撮れるはずだ。さらにアプリの合成機能を使えば2度撮りすることでA3のサイズの原稿をつないで合成してくれるし、撮影エリア内に離して置くことで複数枚の写真や名刺あるいはレシートなどを1度の撮影で個別のデータとして保存してくれる機能ももっている。

ということは反対に考えるなら、補正やらといった専用アプリ側の機能を別にすれば、画質や最大画素数といった点はiPhoneのカメラスペックそのものでありそれ以上でも以下でもないということになる。もっと極端をいえばSnapLiteは理想的なiPhone用の照明付き三脚、撮影台ともいえるのである…。

したがって例えばiPhone 5sで利用する場合に、手ブレもなくそして原稿への照明の反射といったマイナス面もなく撮影された画像はブログで使うとかメールに添付あるいはプリンターで印刷といった目的にも十分答えられるものだ。ただし前回でも述べたが、SnapLiteによる…というかiPhoneで撮影した写真はすべてJPEGでカメラロールに保存されるため、ScanSnap SV600のようにより高い解像度を求めたり、撮影したデータをPDFやWordのテキスト等に変換することはできず、名刺も文書もあくまで画像として処理される。

勿論、念のために記すが利用するiPhoneと別途iMacやMacBookなどがiCloudで共有されていれば、SnapLiteを使って撮影した画像はカメラロールを経て自分のフォトストリームで共有され、例えばMacのiPhotoで活用できるので便利だ。ともかく手軽なだけにSnapLiteの利用はiPhone容量の限界を思い知らされるので適宜Macへ転送しiPhone側のデータを消して身軽にしておくべきだろう。

こうしてSnapLiteの全容が分かってくると実は別途疑問も出てきた。それは本製品はそもそも対応OSがiOS 6.0以降の iPhone 5、5s、5c用という機種依存の製品でもある。ということは近い将来 iOSのバージョンはともかくiPhone 6といったボディサイズやカメラスペックが大幅に変更された場合にそのまま使えるのだろうか…という点だ。
機種の依存があり例えばカメラのレンズ位置などをシビアに認識しているとすれば、SnapLiteは短命な製品となってしまうのだろうか…。

SnapLite_B_07.jpg

※iPhoneの置き方を様々に変えてテスト中


ということで今回は iPhone 5sをSnapLite頭上に置く際にわざとずらして設置し、撮影にどう影響するかをテストしてみた…。無論iPhoneの置き方を変えようと赤外線の原稿ガイド位置は変わらないので原稿はその範囲に置き実験してみた。
原稿は赤外線ガイド一杯のA4判カタログを使い、iPhoneの置き方で撮影結果がどのように影響されるかを確認するのが目的である。

1度目はiPhoneをガイドに沿って理想的な置き方で撮影。無論これで問題が生じるはずはない。続けて2度目はiPhoneをガイドから約2cm離して手前に設置し撮影。3度目は離す距離を3cmほどにして撮影する。ただしこれ以上手前に置きたくともiPhoneが落ちてしまうので4度目はガイドに沿いながらもiPhoneを横に3cm程ずらして撮影してみた。そして最後4度目はiPhoneを極端に斜めに置いて撮影…。といったテストを試みた。

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>SnapLite_B_06.jpg

※ご覧のように正常な置き方ではなく意図的に設置のポジションをずらして読み取りをしてみた


結論…あくまで私の手元でテストした結果だが、4度目の斜め置き以外はすべて正常に読み取れていることが実証された。

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※前位置および横にずらしておいても撮影結果に問題は生じなかった


またiPhoneを厚手のケースに入れたままSnapLiteに置いても撮影準備を促す照明が点灯する範囲なら問題は生じなかった。なぜなら撮影時、SnapLiteに置いたiPhoneの液晶を確認すると、撮影可能エリアより余裕を持ってフレーミング(広角)されており、その上でトリミング、クロップをしているようなのだ。

SnapLite_B_09.jpg

※極端にiPhoneを斜めに置いた結果はやはり正常な撮影結果にはならなかった


したがって3cm程も前方にずらして置いても撮影結果に悪影響が出ないとすれば、次世代のiPhoneが例え少しサイズが大きくなったとしてもそれだけでSnapLiteが使えなくなるということはなさそうである。勿論今回の結果はメーカーのお墨付きを得ているわけでもなくあくまで自己責任の範囲だが、個人的には少々安心した次第。

SnapLiteのテストは続く…。




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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員