iPhone 6 Plusのサイズは使いづらいのだろうか?

AppleのスペシャルイベントでiPhone 6が発表され、早くも予約がこの12日午後4時から開始される。発売は19日からだそうだが、iPhone 5sで特に不足を感じていないユーザーとしてはiPhone 6はでかすぎると難癖をつけ今回は無視しようかと思ったが、当初1番あり得ないだろうと考えていたiPhone 6 Plusの存在がにわかに魅力的に思えてきた…。


iPhoneが登場してこの方、キャリアとは2年縛りでの契約だが、新製品が登場する度に…ということは毎年新機種に替えてきた経緯がある。
当初の頃は新機種が明らかにパワーアップしているからこその魅力だったがiPhone 5sといったある意味での完成形とも思える製品を手にしているとiOSやらアプリケーションへの不満を別にすればハードウェアへの不満はほとんどない…。

そうした思惑をAppleはせせら笑うように今回は大きな液晶を備えた、それも2種類のサイズを用意して新製品を投入してきた。「どうですか、これでは機種変更しない理由はなくなりましたね」とでも言うように…。
しかしiPhoneはその名の通り基本機能としては携帯電話である。机上に置き、スピーカーモードにすればハンズブリーで通話ができるが、一般的には片手で持って耳に当てて通話する。その際にサイズが大きいと違和感があるばかりか使いづらいのではないか…と思った。さらに片手の操作ではオペレーション出来なくなるかも知れないとも…。

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※写真をダンボール紙に貼っただけの手製 iPhone 6 Plus モックアップとiPhone 5sを並べて見た


スペシャルイベントが終わった直後から様々な情報がそれこそ突風のように入ってきたが、どうやら片手操作が容易なように工夫もされていてホームボタンに2回タッチするだけで、画面全体が親指の方向に降りてくるという。それに実サイズを実感するには一万円札とほぼ同じサイズだからしてシミュレーションできるといったユニークな情報もあった。どうやら一万円札を71枚合わせると厚みもほぼ一緒だという(笑)。
問題はやってみたくても現生がないので容易に体験できないのが残念であった。

ふとiPadが登場した際にそのサイズを確認するためダンボールに裏表の写真を貼って実物大のいわゆるモックアップを作ったことを思い出し、今回もそれをやってみようと思い立った。iPadのとき日本ではすぐに発売しなかったこともあって、そのモックアップが役に立ってくれたことを思い出したからだ。

特に自慢するような精密なものではないがサイズだけはきちんと実寸で作った。厚みと重さはまったくの適当である。
カラーインクジェットプリンターに写真印刷用光沢紙をセットしてプリントしたこともあり、単なる印刷物とはいえ見る角度によって光沢も感じられ我ながらリアルな雰囲気が出ていると思う。
その第一印象だが「iPhone 6 Plusは思ったほど、憂慮するほどデカイものではない」ということだった。

確かにiPhone 5sと並べれば高さで20ミリ、幅で10.8ミリ大きくその存在感はかなり違う。そのディプレイサイズもiPhone 5sが対角4.7インチだったのが iPhone 6 Plusでは5.5インチとなっている。
早速作ったばかりのモックアップを左手に持ち、通話のポーズをとってみた…。第一印象は特に違和感がなく持ちづらいという大きさでないことがわかった。

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※原寸大 iPhone 6 Plusのでモックアップで女房に通話ポーズをやってもらったが、意外とサイズは気にならない


私の手は男性として特に大きいわけではないが、念のためと女房に持たせてみたが、電話することを想定しても持ちづらくはないという。ちょっと意外だったが、やはり実際にやってみることが大切なのだとあらためて感じた次第…。それに当初 iPad miniとサイズ的に競合となるのではないか…といった危惧もあったが、実際に手元のiPad miniと並べて見たら一目瞭然…その両者のサイズはまったく違う。

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※愛用のiPad miniとiPhone 6 Plusモックアップを並べて見た。サイズはまったく違う


それに大きくなったRetina HDディスプレイは解像度が高く、新たに高いコントラスと共により広い視野角でさらに正確な色を映し出すデュアルドメインピクセルを備えているという。要は見やすいということだ。
このことはド近眼の上に乱視、そして老眼を抱えている私にとって重要なことだとあらためて考えさせられた。なにしろ iPhoneの日常生活における依存度は至極高いのである。その iPhone 5sのディスプレイを眉間に皺を寄せて近くで見ている自分を思えば iPhone 6 Plusは最適なのではないかと思った。なお大きくなったことで使いやすさが増したと思われることもある。実際にモックアップであれこれと試して見たが、iPhone 6 Plusで写真を撮るときのホールド感がサイズが大きくなったことで良くなったように思う。

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※iPhone 6 Plusのモックアップで写真を撮るシミュレーションをしてみたが大きくなっただけにホールドがしやすい


それに来年早々に登場するというApple Watchだが、それが私の腕にあるなら日常の確認の多くはiPhone 6 Plusを取り出さなくても情報の確認ややり取りができるはずだ。双方の存在で私たちの日常世界がまたまた大きく変わるかも知れない…。

勿論iPhone 6 Plusは単に大きいだけではない。iPhone 5sと比較しても性能がパワーアップしている。例えばiSightカメラはFocus Pixelsを搭載した新しいセンサーに進化した顔検出、オートフォーカスがより速く、露出コントロールといった機能が追加。そして60fpsの1080p HDビデオ撮影や240fpsのスローモーション撮影、タイムラプスビデオ撮影などの新機能も追加されている。さらに光学式手ブレ補正機能まで備わった。さらに肝心のバッテリーの持ちも連続待受時間は最大16日間(384時間)にも及ぶ。

とはいえ現時点で少々気になる点がある。それは iPhoneを寝るとき以外は片時も身体から離さず身につけているユーザーとして、iPhone 6 Plusは当然のことサイズ的な問題でこれまで買い集めたケースやらは一切使えないだけでなく現時点でベルトクリップ式のケースといったものがあるわけではないことだ。
外出時に鞄やらに収納するのであれば何の問題もないが、ポケットに入れるにしろベルトに下げるにしろ、サイズが大きな事はこれまでと違った注意を必要とする。
まあ、冷静になってみれば予約をしたところでまだまだ実際に手に入るまでには時間がかかりそうだからして、なにも今から心配をする必要もないわけだが(笑)。

本当の問題があるとすればiPhone 6 Plusのサイズが真にユーザーの支持を得られるかにある。他のスマートフォンのサイズに影響されてiPhoneも大きいのを出した…というのであれは論外だし、この種のガジェットは本来強く好みが分かれる製品でもあるからしていくつかのバリエーションはあって良いだろう。

私にしても現段階で100% iPhone 6 Plusが最高のiPhoneといえるかどうかは分からない。それは実機を手にしてからの評価になるが、今回の判断が根本的な間違いではなかったことを裏付けできるなら嬉しい。
まあ、使わないうちに批判するよりまずは自分のインスピレーションを信じて使ってみようと思っている。

iPhone 6



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員