絶滅品種か?カナ漢字変換キーボード利用者の私...

日本語をキーボードから入力する方法としては、親指シフト入力などを別にすれば大半は「ローマ字入力」と「カナ入力」に分けられる。しかし、昨今の体勢は「ローマ字入力」であり「カナ入力」利用者は激減の一歩をたどっているようだ。 


歴史というものは過酷なものだ。そしてよくいわれることだが、歴史とは勝者の記録であり、敗者の事実は多くの場合にゆがめられたり歴史から抹殺される...。 
と、まあ...それは大げさだが(笑)、昨今はキーボードのキートップにある「カナ」が鬱陶しく、美的見地からいっても美しくないからと、わざわざUSモードタイプに変更するユーザーも多いと聞く。 貴方は...どちらだろうか。 

私はといえば、通常はカナ入力利用者である。というか、もともと英文タイプライターを仕事で使ってきた一人なので、キーボードの配列はいわゆるローマ字入力、すなわちQWERTYのキー配列に慣れていた。それをパーソナルコンピュータが登場し、日本語入力が普及し始めたとき「入力スピードを考えてカナ入力を是非にも勧める」といった識者やメーカーの宣伝が強くあり、それならばとわざわざカナ入力を一生懸命に訓練した一人なのだ。だから今でも多少スピードは落ちるがローマ字入力を使うこともできる。 

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※愛用のApple Keyboard JIS仕様


ではなぜ、昨今ローマ字入力を使う人が多くなったのかという理由だが、それはパーソナルコンピュータの普及に伴い「覚えやすいから」という一言につきると思う。 
ローマ字入力のメリットは基本的にはアルファベット26文字の位置を覚えれば済む。それに対してカナ入力の場合は、47文字 (“ゑ”とか”ゐ”は使わないが)の位置を覚えなければならないからだ。 

ただし、よく知られているようにカナ入力のメリットは絶対的なタイピングの速さである。 
例えば「こんにちは」と入力するために、カナ入力ならそのとおりに5回打鍵すれば済むが、ローマ字入力だと「KONNNICHIHA」あるいは「KONNNITIHA」といった感じで11回または10回の打鍵を必要とする。まあ最近のシステムでは先読み変換機能もあるが、基本的には倍も違うわけだ...。 
私はそのカナ入力のためか、キー入力スピードはかなり速いと確信しているが一般的にいえばローマ字入力の人でもかなりのスピードで入力できる人もいるし、反対にカナ入力だからすべての人が速いとは限らない。 

早い話が日本語入力時にどちらを使おうがそれは問題ではない。自分の納得のいく方を使えばよいし、それを極めて活用できれば良いのである。 
私が最近思うことは、そうした「どちらを使う?」ということではなく、なぜかわざわざ苦労して覚えたカナ入力利用者が肩身の狭い思いをしなければならないのか...だ(被害妄想か)...笑。 

それに、気に入らないのは、ローマ字入力利用者の中には「なぜ今頃カナ入力なんてあるのか」「キーボードの美観的見地から、カナ表記を取れ」などという人がいることなのだ。加えて「これからは英語がますます大切だから、ローマ字入力を覚えた方が活用度が高い」などとイイヤガル。嫌がらせとしか思えない...(笑)。 
フン...キーボードの入力を覚えられることと英語ができることの間に相関関係があるわけはない。私がそのよい見本だ(爆)。 
しかし、そんな物言いが主流になることこそ怖いことだと思っている。 

kanakey_02.jpg

※ATOK 2014にも現行ではカナ入力がサポートされているが...


主流ができればことの是非はともかく、一方は亜流と見なされ消滅するか、そこまでいかなくてもキーボードの選択肢が狭くなったりと不便を強いられることになる可能性もあるし事実その傾向が強くなっている。 ましてやかっこいい新製品キーボードにカナ入力仕様がないというのは言語道断である!
これでは「ローマ字入力か、カナ入力か」といった話題になるとき、なんだか絶滅寸前の保護動物の気分を味わうような気持ちになって悲しいのだ...。 
βとVHS競争ではないが、生き残るものにはそれなりの理由があるものだ。しかしその理由は決して「優れているから」という理由だけではないこともまた事実なのである。 

もともと現在の英字キー配列であるQWERTYが効率やら合理性を考えた上でのものでないことは知られていることである。QWERTYキーが標準になった理由は単に「標準のキーボードが必要だったこと」に過ぎない。この辺の事情についてはマウスの発明者として知られているダグラス・エンゲルバートの研究人生を描いた本「ブートストラップ」(コンピュータエージ社刊)にも詳しいが、QWERTYが標準になったのは、それに何か技術革新としての本来的な優位性があったためではなく「標準になったが故に標準になった」のだ。繰り返すが何かが標準になる必要があっただけのことなのだ。 

というわけで、これからも現在のまま、「カナ入力」も「ローマ字入力」と共存して欲しいしキーボードメーカーはもとより、日本語変換システムにおいてもカナ入力ユーザーを切り捨てることのないよう願いたいものだ。少なくとも私が生きているうちは…(笑)。



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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員