Apple Watchのケース素材考察

今週末はいよいよApple Watchの予約開始となる。ということで今回は腕時計の素材について考察してみた。Apple Watchのケース素材はご承知のようにアルミニウム、ステンレススチールそして18Kイエローゴールドおよび18Kローズゴールドとされているが、これらは一般的な腕時計の素材と類似性はあるのだろうか...。


腕時計のケースを形作る素材はその美的なこと、傷が付きにくいこと、そして加工のし易さやコストといった様々な条件によって選択されてきたが一般的にはいくつかの素材に決まっているともいえる。
その代表的な素材といえばやはりステンレススチールだろう。Apple Watch EDITIONシリーズを別にすれば磨き上げたApple Watchによるステンレススチールのフォルムは大変美しいとされている。

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※Apple Watchのステンレススチールモデルは磨き上げられた金属感が魅力


ステンレスはよく知られているように錆びにくく耐久性に優れ100%リサイクル可能な素材としてAppleがApple Watchのケース素材に使うのも自然なことだ。ただしステンレスといっても様々な種類があるという。
腕時計の素材としてよく使われるのはApple Watchもそうだが、316Lステンレススチールだ。多くの時計メーカーもこれを使っているものの例えば高級腕時計の代名詞の感もあるロレックスは904Lというより強度のあるステンレスを使っているという。強度があるということは傷が付きにくいので腕時計の素材としては都合がよいわけだが、強度のあるステンレスは加工が難しくコスト高にもなる。904Lステンレススチールの使用はそのノウハウとブランド力を持つロレックスだからこそなのかも知れない。

一方、Apple Watch SPORTはシルバーまたはスペースグレイの酸化皮膜処理されたアルミニウムが使われている。アルミニウムは軽量で耐腐食性が強く加工もしやすい金属であり製造コストもステンレスより安価なためにApple Watchコレクションの安価版素材に採用されたものと思われるが、仕上げが美しいのも特徴だ。
Apple Watchの場合、同じ38mmサイズで比べるとケースの重さはステンレスが40gなのに対してアルミニウムは25g と断然軽いことがわかる。無論軽さは身につけるアイテムとして重要なポイントである。

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※酸化皮膜処理されたアルミニウムのケースは美しさと軽さが売りだ


このアルミとステンレス素材の違いはコストは別にしてもApple Watchの見た目に大きく影響するので好みが分かれるところに違いない。
一言で言えばアルミがある種の艶消しのような感触なのに対してステンレスは鏡面のように磨き上げられたビジュアルが特長になっている。

まだ実物を比較したわけではないのであくまで想定の範囲だが、Apple Watchは一般的な腕時計とは違ってガラス面はもとよりデジタルクラウンやボタンを頻繁に操作するためケースに触れることが多い。したがってステンレスのケースは比較的指紋が目立ちやすいのではないか。最初期 iPodの裏面のように...。

さて、EDITIONシリーズでは18Kローズゴールドと18Kイエローゴールドケースがあるが、これらも高級腕時計のケースとして使われることは特別なことではない。
ローズゴールドはピンクゴールドと呼ばれることの方が多いかも知れないが、普通は金75%に銀と銅を25%混ぜた合金であり、銀よりも銅が多めに混入されると淡く赤みがかった色合いになる(パラジウムが混ざっている場合もあるという)。

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※EDITIONシリーズでは18Kローズゴールドはピンクゴールドとも呼ばれ淡く赤みがかった色合いが特長


イエローゴールドはゴールド類としては一般的に最もよく使われている色でやはり金75%に銀と銅を25%ずつ混ぜた合金で、柔軟で腐食しにくい性質を持つ高級素材である。
ただしAppleはそうした一般的なゴールド素材より最大2倍もの強度を持たせる技術を駆使しているというから詳細な素材スペックとしては特殊なのかも知れない。

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※EDITIONシリーズのイエローゴールドはローズゴールドと共にApple Watchシリーズの最高級素材


ということでApple Watchに使われている基本素材について見てきたが、Appleの素材選択は始まったばかりであり早くも比較的近いうちに新しいケース素材を使ったApple Watchがリリースされるのではないかという観測もある。
そのひとつを想像すると...それはやはりチタンではないだろうか。チタンは軽量でステンレスの2倍の強度があるだけでなく一番の特長は金属アレルギーを起こしにくい金属として知られているからだ。腕に装着するApple Watchとしては金属アレルギーを持つユーザーへの配慮を含めてより軽くて強度を持つチタン製のケースは魅力的に違いない。

後はセラミック系の素材を使い金属より軽く傷も付きにくく成型も容易といった新機軸もありかも…。無論セラミックなら金属アレルギーとも無縁だ。
また高級素材としてはやはりプラチナの採用だろうか。白金とも呼ばれるこの素材は美しいのは勿論だが加工もしやすく、耐錆性や耐蝕性にも優れているからしてEDITIONシリーズに加わるのは自然に思える。

その他、腕時計のケース素材としてはゴールドプレート(金メッキ)、金張りといったものがあるがすでに18K素材を使っていることでもあり今のところAppleがこれらの素材を使うとは考えられない…。
さてAppleとして特許関連はともかく腕時計の素材としてやはり美しさ、強度を考慮すれば必然的にこうした素材に行き着くわけだが、もしEDITIONシリーズが成功すれば高級志向のバリエーションは果てしがない(笑)。もしかしたら純金のApple Watchが数量限定でリリースされるかも知れないし一部にダイヤモンドなどの宝石を使った製品も登場するかも知れない。まあ、個人的にはAppleにそうした路線に向かって欲しくはないが…。

ともあれApple初のファッションアイテムを謳ったApple Watchが果たしてどのような方向に向かうかが楽しみである。


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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員