ラテ飼育格闘日記(462)

ラテとの散歩中、まことに大人げないし自分でもアホと思いながらもこのマズルが長く鋭い牙を持ち四つ脚で歩く我が娘の態度がしゃくに障って喧嘩腰になることがある。育てたのは誰でもなくオトーサン自身であり、もし育て方が間違ったとしてもこれまたオトーサン自身の責任なのだが…。


我が家におけるラテのポジションはワンコの擬人化という域をすでに超えてしまった感がある。姿はオオカミ的だし本気でオトーサンに襲いかかれば防ぐのは難しいサイズと鋭い牙を持っている。そして人間の言葉は話さないがオトーサンたちが話すほとんどは分かっているようにも思えるし、独立心旺盛というか…なかなか言うことを聞かない娘に育ってしまった。

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※感情豊で自由闊達なワンコに育った(笑)


室内犬といえば小型犬にしても大型犬にしても飼い主にいつも寄り添い、同じベッドや布団で寝たがり、飼い主がソファで雑誌でも読んでいればその膝に顎を乗せてくる…といったイメージがあるし、事実そういったワンコを多々知っているがラテはその対極にある。そもそもが1人でゲージで寝かすべしという飼育本を頼りにラテを飼い始めたが、この娘は最初からオトーサンたちにベタベタするワンコではなかった。

馴染みの広い公園に行くとラブラドールレトリーバーが飼い主さんと一緒のベンチに横たわり、その頭を飼い主さんの膝に乗せて寝ている…。そんな姿を眺めるとオトーサンもたまにはラテにそうした行為を求めたいと思うし些か寂しい気がする。なぜならラテはオトーサンはもとよりオカーサンに対しても添い寝するような態度はほとんど見せないからだ。たまたまオトーサンの近くで寝るにしても必ずお尻をこちらに向けている(笑)。

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※オトーサンの脇に横になる場合は必ずお尻を向ける(笑)


そういえば「追従は、イヌがもつ最悪の欠点の一つである…」といって憚らないのはノーベル賞受賞者で動物行動学の世界的権威でもあったコンラート・ローレンツ博士(1903 ~ 1989)である。
「追従」とは辞書によれば、「人のあとにつき従うこと。また、人の言動にそのまま従うこと」であり「人におもねるような言動をすること。こびへつらうこと。また、その言動」とある。

彼は名著「人 イヌにあう」で言う…。「私は訓練によってイヌの本当の性質がひどくそこなわれることがきらいだし…」と主張し「オオカミ系のイヌは、鋭敏で排他的で自主的な性格を持っているので、訓練することは容易ではない。この種のイヌをよく知っていて理解している者だけがその心にひそんでいる驚くべき資質をひきだし、そこから本当の喜びを得ることが出来るのだ」と…。

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※コンラート・ローレンツ著/小原秀雄訳「人 イヌにあう」至誠堂刊


ワンコの追従は「子犬の場合を除き、すべての人間や成熟したイヌにたいして示す、みさかいなしの甘えと奴隷根性が持続していることに由来する…」とローレンツ博士はいう。そして「多大のやっかいごとをひき起こし、高いものにつくことになったとしても、私のイヌが野生の狩猟本能を失わないようにさえ願っている。彼らが飛んでいるハエも殺せぬおとなしい子ヒツジのような動物であったら、子どもたちを安心してまかせることなどは気がすすまない」とさえいう。

勿論こうした主張はローレンツ博士個人の好みの問題であることを彼自身も認めているが、飼い主や人に追従という面において我が娘のラテはローレンツ博士好みのワンコに違いない(笑)。
天気の良い日に散歩に出ればオトーサンとある種の駆け引きを行いながら走ったりもするが、機嫌が悪いとオトーサンが呼んでも見向きもしない(笑)。頑固で単純にオトーサンの後ろから大人しくついてくるワンコではないのだ。

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※オトーサンと遊びながらの駆けっこは大好きだ


「そっちへは行きたくない、こっちへ行きたい」と思えば四つ脚を踏ん張り、オトーサンが引き上げるリードで首輪が締まって「ゲッ!」ということになっても動こうとはしない(笑)。こうした場合にオトーサンがその気になればラテを完全に吊り上げてしまうこともできるが、可哀想だし状況が許せばラテの望みも叶えてやりたいと数分そのままにしておき、頃合いを見計らって「よし!」と声をかけると立ち上げるラテでもある。しかしこうしたストライキが繰り返されるとさすがに頭にくる(笑)。

ラテが本当の所、どのような気持ちなのかは正直分からないが、”拗(す)ねる” と思われる態度もとる。例えば夜寝る前に「今日は水を沢山飲んだ」とか「明日は少し寝坊しよう」といった時にはオシッコを我慢させるのは気の毒だからと外に連れ出すようにしている。これをオトーサンはオシッコだけの散歩ということで「チイ散歩」と称してるのだが(笑)。
このとき、夕方の散歩からすでに3時間とか4時間過ぎているし水も飲んでいるからオシッコは出るはずなのだ。しかしそこはワンコの本能なのか、気になる臭いがあったりするとそちらに注意が向き、10分歩いても15分経っても用を済ませてくれないときがある。

いつもなら外に出ればすぐに用を足して戻れるわけだが、臭いを追うのに注意が向くのか植え込みの葉のひとつひとつにクンクンして一向に進まないときがある。さらに季節は冬時でオトーサンは風呂上がりだったりして早く戻りたいわけだ…。しかしそんなことにはまったく頓着しない娘は相変わらずチマチマと臭いのタイムラインをゆっくり読んでいる(笑)。

さすがにオトーサンも頭にきて「ラテ、早くしろ!」とリードを強めに引いたと思っていただきたい。そのとき我が娘はどのような態度をとるか…。
ラテはお気に入りの一時を叱られたからか、”拗ねた” らしい。植え込みから離れて歩きながらもオトーサンにアイコンタクトのように顔を仰ぎ見て「じ〜っ」とオトーサンを見つめるのだ(笑)。

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※塀の上に丸くなっている猫に向かって遊ぼうのポーズを取るラテ


無論オシッコどころではないのである。ワンコは普通人間と見つめ合うとかにらみ合うということは嫌うと言われている。なぜならそれはがんを付けることで喧嘩を売ることになるからだ。しかしラテは丸い目でオトーサンをじっと見上げたまま歩く。「なんでオトーサン怒ってるのよ。酷いじゃん…」と言われているようでこれはなかなか辛いしかえって目的を達成できないことになる…。

また例えばラテが寝ている側にオトーサンが近づきチューでもしようなら緊張をあらわすアクビをして「ふぅ~っ」と長いため息をあからさまにしやがる(笑)。勿論唸ったり怒ったりはまったくしないが、この長いため息はどう考えても好意的な態度ではない。

朝、起床の時間になるとリビングなどで寝ていたラテがオトーサンたちが寝ている和室に入ってくる。それはオカーサンを起こすためだ。オトーサンが寝たふりしてもその頭の上を平然と跨いでオカーサンの脇に行き、口元を舐める…。同じ事をオトーサンにはしてくれない。極たまに意を決してか…清水の舞台から飛び降りた感覚なのか、体をよじり躊躇いがちに鼻面を0.1mmくらい近づけることもあるがどうにもオトーサンには愛想がない。

さらによく知っている人には無類の愛想を振りまくが、知らない大人には必ず吠えかかるからいわゆる番犬としては及第点を上げられると思うが、家の中ではペットというより同居人(犬)であり、ラテの方からオトーサンに近づいて甘えるということはほとんどないのだ。

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※抱っこは大変だが、ある意味でオトーサン至福の時でもある...


しかし地震のときにはオトーサンに飛びついてくるし、散歩に出たい時間になればオトーサンのいる仕事部屋に来て「早く行こうよ」と耳の側で吠え続ける。そして相変わらずだが散歩途中で抱っこを要求するときにはそれはそれは可愛い表情で訴える。抱き上げてやればこの時だけは落とされてはいけないと両前足の爪を立ててしがみつく…。
まあ結局、惚れた弱みでついついオトーサンがラテに追従してしまうのだった(笑)。


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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員