iPad Pro Wi-Fi 128GB - スペースグレイを手にして

一昔前の私ならAppleの新製品が出たら自分にとって活用できるか否かは別にして発売と同時に手に入れる努力を惜しまなかった。しかし最近は自分にとって必要な製品なのか...かなり吟味するようになった。そして開封の儀といったものにも興味がなくなった…。やっと普通の人になったということか(笑)。


常々機会のある毎に主張しているが、私はノート派でもタブレット派でもなくデスクトップを好むいわば古いタイプのパソコンユーザーだ。MacBook Airも2台目だし、iPadは最初の製品の他にiPad miniなどを揃えているが活用しているとは言えない...。
そんな私がなぜiPad Proなのかといえば、ご多分に漏れずApple Pencilを使いたいからだ。ただしどれほどの使い勝手かは販売後しばらく時間を置いて、多くの情報を集めてから購入しても遅くはないと考えこれまで手を出さないでいた。

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※画材を買ったつもりのiPad Pro


iPad Proの使い方としてはまず絵を描いてみようかと考えた。そもそも子供の頃に最初に頭に浮かんだ職業は画家だったほど絵を描くことは好きだったし中学の時だったか幸い板橋区選で絵画と彫刻で特選をいただいたこともある...。

そういえば最初の就職先の同僚(女性)に請われて簡単な木製のジュエリーケースを作り、その一面に意味もなく楽しいからと少女の絵を描いた。この頃、こんなものを自作するのが周りで流行っていたようだ。
1週間ほど経ってから同僚が真剣な顔で「この前の絵ですが...」と言いだした。驚いたことに同僚の祖父は有名な日本画家だったようなのだ。

私が適当に描いた絵をたまたま見て「誰が書いたのか?」と聞いたという。普段他人の描いたものを評価することのない人柄だったというが、まあ一目でど素人の絵だと思って珍しく手に取ってくれたらしい。そして「タッチを均一に描けば良い絵になるよ。描いた人に言ってあげなさい」といってくれたという。
「珍しいことなんだから!お爺ちゃんが誉めるなんて...」という声をどこか遠くに聞きながら若い私は心の中で飛び上がったことを思い出す。まあ、自慢話で申し訳ないが、絵を描くことが好きだったということでご容赦いただきたい(笑)。

大人になってからも時に油絵や水彩画を描いていたが、マイコンやらパソコンに手を染めたために時間が取れず断念せざるを得なかったし、将来パソコンで自由に絵を描くことができるようになるに違いないとも考え期待していた。

1990年に発刊された「マッキントッシュがヴィーグルになる日」(BNN刊)で私は「マックそのものがアトリエになる」と近未来を予測している。

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※Macに夢をかけた10人が語る、Macintoshの魅力〜「マッキントッシュがヴィーグルになる日」(BNN刊)


「松田さんにも、マックでアートしたいという必然性があったわけですか?」というインタビューアーの質問に1990年の時点では理想的な環境ではないと認識しつつも当時の考えを述べている。少々長いが書き出してみる...。

「最初はなかったですね。ただ、コラージュ一つにしてもやりやすいとは思いました。あと、大きなキャンバスを置いて、バケツで絵の具を投げつけられる環境にある人はいいですが、私たちはそういうことをやりたくてもできません。マックならそれができるのではないかという気がしました。描いてみて、気に入らなかったら、ひっくり返してみるとか...。ホアン・ミロなんかはそう書いてますね。バランスが悪いから、ひっくり返して、これで行こうと。」

(中略)

「マックによる製作環境が現代に合ってきているのではないでしょうか。いわば『箱庭的アトリエ』ですね。アトリエにマックを置くのではなく、マックそのものがアトリエになる。」

(中略)

「一番絵で難しいのは、どこで筆を置くかだと思います。(中略)油絵では元に戻せない。マックなら...元に戻すことが出来る。いわば、そういうシミュレーションができるという意味で、いい道具だと思います。」と...。


ある意味、いつかMacintoshで絵の具と筆といった機能を使い、自然なアプローチで絵が描ける時代が来ると夢見てきたわけだが、カラー版のMacintoshが登場した1987年以降しばらくは256色という制約もあったし、Painterというグラフィックソフトが登場し勇んで購入したもののそれはマウスやペンの描写が最大数秒遅れてついてくるといったもので事実上使える代物ではなかった。

それがタイムラグを感じることなくコンピュータの液晶面にペンを走らせることができるようになったという...。それが事実なら大げさになるが私がこの30年間夢見てきたことが実現したことになる。そしてそれが本当ならやはり試してみなければならないし手元に欲しいに決まってる。
実用であるかどうかは別の話となるが、私にとってiPad Proは画材、いやデジタルなアトリエとして楽しめるのではないかと考えた。

ともあれこれまでiPad Proの実機を手にしたことがなかったからこれが最初の体験でもある。12.9インチの広大なRetinaディスプレイとは知ってはいたものの手にしてみると実にデカイ!
iPad Proを目にすればどうしてもその大きなサイズが印象的だが、無論単にサイズがデカイだけではない。CPUにはAppleの製品群で最もパワフルなチップA9Xチップが採用されているしMulti-Touchサブシステムと560万もの鮮やかなピクセルが配置されているRetinaディスプレイはあらゆるiOSデバイスの中で最高の解像度である。

したがってサイズが大きいことから来る利便性を無視することは出来ないが、「大きいことは良いことだ」といっただけで評価を終わらせてはiPad Proの正体を見間違うと思う。
念のためだが重量は713gで厚みは最大6.9mmだ。サイズが大きい分だけ余計に薄く感じてしまう。そういえば初代iPadはサイズは9.7インチで重さが680gだったから、サイズは大幅に違うものの重量は33g増えただけということになる。

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※iPhone 6s Plusとのサイズ比較。iPad Proはやはり大きい!


ちなみに購入したiPad Proだが、128GBのWi-Fiモデル、スペースグレイでApple Careにも加入しておいたことで本気度も察していただきたい(笑)。
ともかく他のスペックもiSightカメラが8メガピクセルで1080p HDビデオ撮影(30fps)が可能。FaceTime HDカメラも1.2メガピクセルだという。

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※iPad Pro(右)は初代iPad(左)と重量は33g増えただけ...


ただし常時iPhone 6s Plusを携帯している身としてはこのiPad Proで写真やビデオを撮ることはまずないと思われるがFaceTimeは圧巻かも知れない...。
そして確かにiPad Proはすべてに於いて圧巻ではあるが、扱いにくいというと語弊があるものの気軽に片手で持ち上げたりホールドしながら使ったりすれば落とす可能性も大だ…。

気軽にあちらこちらにと持ち運んでどこででも活用できるのがiPadの利点でもあったが、iPad Proは同じようにはいかないし無理をすれば破損の憂き目をみることになるかも知れない。したがってこれまでのiPad以上に何らかのケースなどで保持しやすく安心して作業が出来ることを考える必要があるだろう。
個人的にはsimplismの画板型FlipNoteを使うことにしたが、これはとても具合がよいだけでなくiPad Proを保護し、より活かすことにもなるケースでありカバーだと思う。

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※simplismの画板型FlipNoteに収まったiPad Pro。いきなり描き出してみたものの紙とペンとは違いApple Pencilの書き味には少々違和感がある。まずは慣れが必要だ...


このiPad Proを手にした第一印象は「iPadにしてiPadに非ず...」といった事を感じた。画面が大きなiPadといって間違いではないが、まったく別のデバイスとして有効利用を考えるべきだというのが印象だ。

これだけ広くて美しいディスプレイを見れば、これまで活用したこともない私でも写真の編集加工をやってみようかという気になってくる。ただしパソコンとは違い、あれもこれもと期待するよりやはりある種の専用機と考えた方が私には使いやすいと確信。
まずは、そのサイズに…Apple Pencilに慣れる必要があるが…(笑)。


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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員