初代Appleのノートマシン「PowerBook100」をリペア

世間と物事は確実にシンクロしているのか、初代iPodのリペアに奮闘しているその最中にPowerBook100の貸出依頼があった。取り急ぎ起動させるためにこれまたシステムを修復することにした。 


私は確かにいくつかのオールドマックを持っているが残念だがコレクターではない。 
ハードウェアは古いソフトの検証のためと思って縁のあるマシンを所有しているだけであり、ましてや通常は貸出はしない。あくまで自身のためだけに大切に取ってあるものだからだ。 
しかし今回はいろいろと縁があった人からの依頼だったこともあり快諾した。問題はこれまた久しぶりに取り出したPowerBook100がスムーズに起動しないので修復をせざるを得ないことである。まあMacintoshとの付き合いはそれこそ1984年からだから、iPodのそれより長い分だけ何事も勘が働くし経験も多いから気が楽だ。 
またこうした久しく忘れていた古いハードウェアやシステムを検証したりする事はこちらの頭の中もリペアというか再構築ができるような気がして気持ちのゆとりがある時はなかなか面白いものなのである。 

ところでPowerBook100そのものは万一の部品取りなどのために本体を2台、外付けのフロッピーディスクドライブ4台、そしてACアダプタを2個保管してある。 

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※手元に残っている2台のPowerBook100とフロッピーディスクおよびACアダプタ


そのうちの本体一台は左右にある傾斜のための足が少々緩んでいる他は壊れやすい背面のインターフェースカバーや裏面のゴム足なども完全に残っているいわゆる完品状態の逸品である。もちろん1991年12月にApple初のノート型として登場した機種だからそのシール鉛電池は実用にはならないのでACアダプタを使うしかない。 
しかしその本を意識したリングバインダーのようなデザインはいま見ても美しいと思う。またそのキーボード部分は背面部分に置かれてパームレストとしてのスペースを前面にもたらした最初のマシンでもあった。 

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※閉じたPowerBook100はまさしく本のようだ(上)。写真下はキーボードおよびトラックボール部分


さて内蔵のハードディスクから起動しないので取り急ぎハードディスクをフォーマットして最小のシステムをインストールすることにしたが問題はそのシステムソフトウェアである。 
それこそ多くのMacintosh用アプリケーションを保有していると豪語する私もシステム…それもPowerBook用でフロッピーディスクによる完全なものとしては2種しか持っていない。その内のフロッピーディスク26枚組の「漢字Talk 7.1J」が使えると分かっていたのでまずはそのディスクツールを含むフロッピーから起動させてハードディスクを初期化の上で簡易インストールを開始する。 

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※当時のPowerBook用システムディスケット。上が漢字Talk6.0.7Jで下がフロッピー26枚組の漢字Talk7.1J


現在のシステムインストールも時間がかかるものだが、一枚一枚排出されたフロッピーを次の指示されるフロッピーディスクと交換し続けるのは付きっきりにならなければならないだけ大変である。しかし昔は皆これが当然のことだと思ってやっていたのだ(笑)。 
しかし途中でフォントディスクの一枚が破損しているとかでインストールの中止を余儀なくされる。ここではやはり経験がモノをいうわけで、その破損したというフロッピーディスクを別のマシンで複製を取ってみる。そしてその複製したフォントディスクを使ってみたが…残念ながらダメ。 
思い出したのは「起動してディスクトップが表示されていれば0K」という貸出依頼側の言葉だった。実際にシステムに何かのアプリをインストールしてどうのこうの…ということではないという。 
はい…それならばこんなに真面目にインストールする必要はないことを古いユーザーは知っている(笑)。 
先のディスクツールを含むフロッピーディスクから再度起動して念のためまたまたハードディスクを初期化した上で、そのディスクツールのフロッピーに入っているシステムフォルダをそのままPowerBook100のハードディスクにコピーする。 
後は一旦電源を落として外付けフロッピーディスクもハズしてから本体を起動してみたら嗚呼…ありがたいことにちゃあんと起動してくれた。まあこうした古いシステムだからこんな単純なことができるわけで、当然の事ながら現在のシステムではそんな訳にはいかない(^_^)。そのうちしっかりとシステムのすべてをインストールしておかなければならない。 

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※漢字Talk7.1Jで起動したPowerBook100


こうして取り急ぎのPowerBook100のリペアは無事完了したがトラックボールによるカーソルの動きが昨今のトラックパッドのそれと比較すると動作に取りこぼしがあるようで少々心許ないもののあらためてその液晶を見ると勿論モノクロなのだがドット落ちもなく見映えもよい。 
しかしMacintosh PlusといったCRT一体型と比較するとPowerBook100を始めとする最初期のノート型で完動/完品は少ないという。バッテリーの消耗はやむを得ないとしてもハードディスク内蔵、液晶のドット落ちや液晶部と本体のヒンジの欠けなどなど、動く部分や繊細な部分がより多いからかも知れない。 
このPowerBook100もいつまで無事に起動し、ソフトの検証などで活躍してもらえるかが心配だが、肝心なのは放っておかずにたまには起動させることが一番のメンテナンスとなるのだと実感した。
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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員