白内障手術の顛末〜術後編

左目の白内障手術をした。昨年末あたりから病状が進行し視野の中央の混濁が著しくなったからだ。例えて言えば、眼鏡の中央を脂ぎった指で触ったように見えないのだ。通っているクリニックの医師からそろそろ手術をと勧められたので一大決心して手術に望むことにした。今回は2回目…術後のレポートだ。


術後一番心配なことは感染症だそうで、病院から渡された手引き書にはかなり面倒なことが書かれている。まず一週間は目を保護するために24時間保護めがねをかけた生活をしろという。無論寝るときもだ。それは寝ている間、無意識にでも目を擦ったりしないように予防の為である。
その後の一週間も起きてから寝るまでは保護めがねをしなければならない。

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※事前に用意した保護めがね2種。右のは愛犬との散歩用にと防塵用のものを買って置いた


また一週間は顔を洗えず、絞ったタオルなどで目を強くこすらないように拭くことになるし一般的な洗髪もできない。入浴は翌日からは首から下だけシャワーを浴びるか、お湯が目に入らないように入浴しなければならない。したがって白内障の手術は真夏は避けるべきだということになる。

無論処方された目薬の点眼も3種類、朝・昼・晩・就寝時と一日4回行うがそれぞれは5分程度時間をおいて注す必要がある。そして術後3ヶ月間は定期的通院と点眼を続けることになる。一番きついのは1ヶ月間は禁酒と禁煙を強いられることだろうか。私はどちらも興味がないので問題ないが、愛煙家や晩酌をかかせない人はこれを機会に止めるか量を減らすとよいかも知れない(笑)。

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※処方された3種の目薬を一日4回点眼しなければならない


ただし渡された「退院のしおり」によれば、力仕事でなければ退院後仕事は可能だというし、目が疲れない程度であれば読書やパソコン利用も可とされている。私自身もガーゼのプロテクトを外した翌日からはこうしてパソコンの前に座っている。
ということで外出も可能だが、埃っぽいところは避けなければならず、万一術後の目にゴミが入ったり、擦ったり、あるいは強くぶつけてしまうようなことになれば再手術になる可能性大だという。

さて、幸い手術の当日に自宅に戻れたが寝る頃になると異物感が強くなって気になる。まあ、日帰りができたとはいえ手術をしたのだから何らかの違和感があって当然だと自分を納得させる。
ひとつ個人的な問題は愛犬の散歩だった。事前に医師に相談すると極端に埃っぽい場所や河川敷、あるいは草原みたいな場所は避けるべきだが保護めがねをかければ舗装された道であれば短時間なら大丈夫でしょうと言われた。術後の心配事に犬の散歩の相談などしたからか、医者は苦笑いしていた...。

ともかくその日はプロテクター(眼帯)をした上に事前に準備しておいた防塵眼鏡をかけ、女房のサポートを受けながら短い散歩を終えたが、愛犬は不満そうだった(笑)。
なにしろ左目は覆われ、右目はド近眼なものの眼鏡をかけられない。ということはほとんど見えないということになる。大昔、瞼の中に小さなでき物が出来た際に簡単な手術で取ってもらったことがあったが、その際には市販の眼帯だったので眼鏡が使えたために片眼は視力が出ていた。しかし今回はそれもかなわなかったのでどうしようもない。

翌日の午前中に診察を受けに行った。予約は午前10時半だったが大混雑だったためか眼圧や視力検査および医師の診察が終わるまでには2時間近くかかった。
幸い経過は良好のようで安心したが、眼帯を取ったときの驚きは期待以上のものがあった。

人工レンズは単焦点仕様なので遠くを見るとぼやけるものの、矯正視力は1.2出ているとかでモニターや手にした書籍などは驚くほどよく見える。それに色味が右目とまったく違う。

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※眼帯を外して病院の待合室床を見たときのイメージ。これまでの見え方(上)と術後の見え方(下)。これは後から写真をそれらしくレタッチしたもの


これまでそれが現実だと思っていたアイボリーの世界がそれこそ白色蛍光灯下にさらけ出されたように思えるほどだ。自身が構築してきたウェブサイトの色合いも特にホワイトが美しく見違えるようだ。

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※これまた眼帯を外してiPhoneの画面を見たときのイメージ。左が手術前、右が手術後。大げさでなくこれほどの差を感じた


ただし日常生活時の一番の問題は両目の視力に大きな差が生じていることだ。これらは右目も手術をすることを除外して考えると眼鏡で矯正するしかない。とはいえ術後の左目の視力は3か月程度経たないと安定せず、それ以前に慌てて眼鏡を新調してもすぐに使い物にならなくなるという。
その3か月程度の間をどう過ごすかが厄介なのだ。少しは慣れるかも知れないが、何しろ裸眼だと左目は30センチとか40センチの距離なら大変よく見える。しかし右目はド近眼と老眼の影響でその距離のモニターのテキストだけでなく写真も判別できない有様なのだ。

そこで思いついたのは5年も前になるが興味本位で買ったレンズの視度調節が可能な眼鏡を使ってみようということだった。
これはそもそも災害時の緊急用や一時的なスペアのメガネとして開発されたものだというから長く常用するものではないようだが、視力が安定して新しい眼鏡を作れるようになるまでその都度左右両眼の視力に合わせてレンズを調整すれば実用になるのではないかと思いついたわけだ。それにこの眼鏡ならかけたまま保護めがねもつけられるのだ。

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※左右別々に視度が調節できる眼鏡


無論両眼それぞれの視力に合わすことができたとしてもそのままでは差がありすぎて長い時間使い続けるのは無理だが、他にこれ以上フレキシブルな対処方法はないのではないかと早速取り出して調整をしてみた。
早速その夜に愛犬を外に連れ出した際に使ってみたが、何十年ぶりに両眼のピントが合い、遠くまで見通せることが分かった。使いづらい点もあるが新しい眼鏡が作れるまで、これでしのごうと考えている。

これから白内障の手術をと考えている方、時間と費用がかかる問題だから軽率なことは申し上げられないができれば早めに信頼できる病院で手術を行うことをお勧めする。手術そのものは不安が伴うものの基本的には短時間で問題なく終わる安全なものだという。そして何よりも長い間不自由だった視力が若返るのだ。
万一右目も支障が出てきたら迷わず手術をしようと考えている。



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。ゆうMUG会員