ラテ飼育格闘日記(541)

今更ではあるが、我が娘はいささか我が儘に育てすぎたかも知れない。何しろ飼い主、オトーサンが「ラテ!」と呼んでも耳さえ動かさないで無視することもあるしオカーサンにチューをしている場面に遭遇したからとオトーサンがラテに顔を近づけるとあからさまにそっぽを向く(笑)。


この前など散歩から戻ってオトーサンが四つ脚をぬるま湯で洗ったまでは良かったが、タオルで拭こうと前足を手に取ったら「ウッ」と威嚇しやがった。
またまた肉球でも噛んで痛い箇所をオトーサンが触ったのかと思ったが、そうであればぬるま湯に浸して洗った際に痛がるはずだ。
で、また同じように前足を手に取ったら今度は何ごともない。フィードバックしてみると先ほどオトーサンがラテの前足を手に握った際、些か手慣れていたのでぞんざいだったことに気がついた。

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※公園に子供の姿どころか人っ子一人いませんでした(涙)


といっても痛いほど握るとか、関節技になるような扱いでなかったがどうやら痛いというより雑に扱われたことを怒ったようなのだ(笑)。また体を拭く際、腹ばいでは拭けないからと「ラテ、立って」といいながら立たせようとすると嫌だという具合に「ウッ」と歯をむいて威嚇するときがある。
あまりに生意気なときには手加減しながらも頬を平手打ちにすることもあるが、これは育て方…飼育方法というより元々の気質・性格に関係するのだろう。要は何でもかんでも人に媚びるという類のワンコではないのは幼犬時代からなのだ…。
ともあれある意味、オトーサンがワンコを飼う前から考えていた理想に近いワンコになったというべきなのだがすべては飼い主であるオトーサンの責任でもある…。

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※オトーサン、オカーサンと都立桜ヶ丘公園という広大な公園に行ってみた。お花見坂という場所は後1週間ほどで桜が見頃になるという


オトーサンがラテを飼う前、ワンコを飼おうと決心したとき目標というか理想と考えたのがオーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツ(1903年~1989年)の著書「人 イヌにあう」にあるワンコたちの姿だった。
コンラート・ローレンツはハイイロガンのヒナに自身が母親に間違われたことからインプリンティング(刷り込み)現象を発見し、1973年にはノーベル賞医学生理学賞を受賞したが、自著「人 イヌにあう」の「イヌの個性」の項に登場するローレンツと愛犬スタシの実話は涙なくしては読めない。
こうした絆こそ私が愛犬との間に求めているものだと感じ、他人に迷惑をかけない、あるいは飼い犬として最低限守らなければならないことさえ理解させれば後はあまり五月蠅いトレーニングなど必要ないのではないかと考えた。

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※コンラート・ローレンツ著「人 イヌにあう」至誠堂刊


言い方を変えるなら、オトーサンはブリーダーになるために犬を飼おうとしたわけでもなく、ドッグショーで愛犬を優勝させたいわけでもない。そして犬のサーカスをやろうとするのでもなく、命のあるオモチャとして犬を求めたわけでもない。ましてや自身の憤怒の矛先を向ける相手を犬に求めるわけでもない。人生の友人として連れ合いたいと願っただけだ...。
だから、例えば本来「お手」とか「お回り」などは教える必要もないと思った。必要なコマンドは「待て」「来い」「伏せ」そして「お座り」程度で十分だと考えていた。

ローレンツは「追従は、イヌが持つ最悪の欠点のひとつである」といっているし「野生のときの形質をあまりなくしていないイヌが好きだ」とも。そして「訓練によってイヌの本当の性質がひどくそこなわれることが嫌い」ともいっている。
ただしオトーサンは飼い主はもとより人に危害を加えるようなワンコに育てようとしているわけではない。ワンコの訓練とはいってもラテは一般的なコマンドのほとんどを数日で理解し覚えてしまったのだ。

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※散歩の途中で一休み。オカーサンが買ってくれたアイスクリームを少し舐めました


だから、飼い主に全幅の信頼を持つものの100%追従することはないというワンコがローレンツの理想とするイヌに違いないしそうした考えに共感したオトーサンにとってラテは正しくそれに近いワンコに育ったと言える。
要は鋭敏で排他的、自主的な性格だから扱うのは容易ではないかも知れないが、ローレンツに言わせれば「この種のイヌをよく知って理解している者のみがその心に潜んでいる驚くべき資質をひきだし、そこから本当の喜びを得ることができるのだ」ということになる。まあラテの資質を引き出しているかは心許ないが。

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※大嫌いなレインコートを着せられ耳が下がってしまったラテ


前記した「人 イヌにあう」をお読みになった方ならローレンツが軍務で自宅を離れそして再開したとき飼い犬だったスタシの行動に感動したに違いない。それと単純比較するつもりはないが、ラテを初めてペットホテルに預けた際、ラテは夕方と朝の2食をまったく食べなかっただけでなく水を一滴も飲まなかったし短い散歩に連れ出してくれたときにも一切排泄もしなかったという。
ペットホテルのオネーサンは「ラテちゃんは口をつけない容器を鼻面で移動して隠すようなことをするんですよ」と困ったとも感心したとも取れる報告をしてくれた。
やはり預けられたのは初めてのことだったからノラの時期を体験し、保護世話してくれる人間が変わることを経験してきただけに「捨てられた」と思ったのかも知れない。

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※つまらない時は寝るに限るとオトーサンの掛け布団に沈んで爆睡


そしてオトーサンが次の日の夜に迎えに行ったとき、オオカミの遠吠えのような奇妙な声を張り上げてオトーサンに飛びついてきたラテだったが、どうしてもそれが本の中のスタシの行動行為に重なってしまうのだ。
無論「立って」といった途端に「ウッ」と抵抗を示すなど普通なら心穏やかではないが、歯をむいたとしてもオトーサンたちを噛もうとすることはない。ただしその鋭い歯は当たっただけで痛いが…。
そんなラテだが、例えば地震など怖いことがあるとオトーサンのところに駆け寄り抱っこを要求したりする。

とはいえ度々お伝えしているように好きな人には大人・子供を問わず最大の喜びを表しながら接するし相手を傷つける様子など微塵もない(十分気を付けてはいるが)。そしてそもそも外面がメチャ良いラテでもある…。
ラテお気に入りのファミリーに出会えば飼い主にさえ見せないオーバーと思えるほどの態度で喜びを表す。ただここ暫くは春休みだからして子供たちにも会えないし些か寂しい日が続く。それを少しでもカバーしようとオカーサンと一緒に都立桜ヶ丘公園に行ったり、しばらくぶりにラテと走ったりと努力しているが、嗚呼また雨が降ってきたぞ、ラテ!


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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員