専属モデル造形計画第3弾、両腕を造るの巻

専属モデル造形計画第3弾として前回はトルソー型ボディにお気に入りヘッドマネキンの頭部だけ切り落として組み合わせるところまでやってみた。一応の成果としてバランス良く造成できたと思っているが、仕上げが残っている。それは両手の造形だが、一般的なマネキンとは違い可動式のものをと考えているので今回はその両腕製作のレポートだ。


この種のアーティクルの度に書いているが、そのほとんどがバストアップの撮影用モデルとして活用するためのものだから、両手が動かないことには演出の幅が狭まってしまう。

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※完成形両腕。あえて服を着せないで両手を使ったポーズを撮ってみた。腕が動かないとこうした演出ができない。なお腕は衣服の上から触っても皮膚に近い弾力がある


その種の既製品はないのかといえば、ないことはない(笑)。ひとつはラブドールやシリコン製のトルソーなどもあるものの価格的に高いだけでなく目的も違えばましてや「人形は顔が命」のCMではないが、私が拘っている一番のことは顔なのだ。したがって撮影用としてのモデルとして考えた場合にはラブドールにしろマネキンにしろ対象外なのだ。

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※今回造形する腕のラフ設計


また可搬の両腕が付いているマネキンとしてのトルソーも販売されているが、それはボディの材質が主旨に合わないし両腕も木製なのでこれまた対象外とした。
ということでなければ自分の気に入るように造れば良いと考え、これまで二度に渡ってトライしてきたが、今回はより完成度を高めたいと企画した。

しかし言い訳めくが予算はもとより個人的にできることとできないことがある。それこそ予算に制約が無ければ必要な部品を最適な材料でオーダーメイドもできるだろうが、そうはいかない。したがってAmazonとかモノタロウあたりで手に入る材料を使うことを目指してきた。
というわけで今回も造形計画第2弾と同様、腕の骨格、具体的に言えば上腕と前腕はパイプ型木材を使い、関節としてスマホ用の三脚などに使われる自在に折り曲げられるゴリラポットの足を使った。

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※腕の主な材料


その先端に今回別途手に入れたPVC製でリアルな両掌を取り付けることにしたが、まず今回注視したのは腕の長さだ。
前回はかなりいい加減に作り始めたが、今回は予想身長などから割り出した腕の長さを考慮に入れ、それを前記した材料で組立ることにした。ちなみに指先から上腕の付け根までの長さは約60cmとした。
さらに厳密な意味では関節の位置が違うが、前記した設計図にはなかった手首にも急遽関節を設けた。

ただし造形計画第2弾で造形した腕をそのまま使うとなれば決定的な欠点があった。それは形だけは腕だが骨のように細く、例えば長袖のシャツなどを着せて袖を通すと袖がクシャリと弛み腕のボリューム感が出ないことだった。ために今回は理想とまではいかないもののその骨格に肉付きを付けることを目標とした。

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※これは前作の一例。このままの腕では着せた袖が潰れて興ざめとなる


もうひとつ正確さを考えたことがある。それは上腕の先に関節として取り付けたクネクネの先端を樹脂製のトルソーボディの片下にはめ込むため、ボディ側に16mmほどの丸い穴を空けることだ。このとき、必要な長さに切断したゴリラポットの足先端の球体を押し込めば入るが、通常の使用では取れることはなく、かつ強く引けば外せるサイズを正確に空けたかった。なお片腕の重さは約320g程度だった。

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※ステップドリル・ビットセット。充電式ドライバーはすでに所持していたもの


着衣によっては両腕が付けたままだと着せたり脱がせたりが面倒な場合があるからだ。
ということでこのためにステップドリル・ビットセットというドリル刃を買って対処したが、さすがにそれ専用のツールだ。文句なくの綺麗で正確な穴を空けることができた。

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※ステップドリル・ビットを使って樹脂製のボディに16mmの穴を空けた。簡単に綺麗・正確な穴が空けられた


こうしてパイプ型の木材を指定サイズにカットし関節用のゴリラポット先端を押し込んで接着する。念のため接着を確実にするため一晩はそのままにした。
さて両腕への肉付けだが、いろいろと調べた結果 NBR(発泡ゴム)製の丸形クッションという材料を見つけた。これは厚みが1cmあり、これを木材に巻くことである程度のボリューム感が出せると考えたからだ。それにこれなら軽いし加工も容易に違いない。

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※第一段階の両腕


こうして両腕は形となり、まずはボディに取り付けてみたが腕の長さはもとよりかなり腕らしくなった。とはいえ誤解がないように言い訳を言わせていただくが、腕を必要とする撮影時には必ず長袖の着衣を使うことはお約束なのだ。それはそうなのだが見栄えはともかく白いシャツを着せてみるとボリューム感は問題ないもののクッションのグレーカラーが透けて見える場合があることがわかった。それでは興ざめだからとこれまたいろいろと考えたが、肌色の腕カバーを被せることで撮影時の違和感を軽減できた。

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※ゴム製クッションの上に肌色の腕カバーを被せた


すべてを計画の通りに組立て、あらためて長袖のシャツ類を着せてみると当然とは言え既製品の袖の長さも問題なく、そして繰り返すが着衣時の腕のボリューム感も良好だったので微調整はともかく、専属モデル造形計画第3弾はこれにて完結とする。

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※シャツの袖を通してみたがボリューム感は自然だった(シャツのサイズが小さかったが)


出来上がったELIZA(イライザ)3と名付けた専属モデルはリアル感を増し、ひょっとすると動き出すのではないかと思うほどの存在感が出ている。
そして腕が素のときのELIZAはまるでアンドロイドみたいで、そのどこか未完成の両腕も逆にSF感を増してくれるのだから面白い。
このELIZA嬢、これからもよい相棒となってくれるはずだ(笑)。


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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員