家庭向け音声アシスタントデバイスGoogle Homeの実力〜準備編

Google Homeが国内販売されたので早速入手してみた。ただし現行の機能では正直個人的には不満足であり、私のライフワークや日常生活にそれほど便利に活用できるとは思えなかったが、反面この種のものは他者のレポートだけ追っていてもなかなか分からないことが多い。ということでいくつか確認しておきたいこともあって手元に置くことにした。


Google Homeは、家庭向け音声アシスタントデバイスだ。Googleが開発した対話型AI「Google Assistant」を搭載しGoogleの機械学習やAI、自然言語解析などの技術が盛り込まれた音声アシスタントサービスである。したがってユーザーと会話を繰り返すことで学習し、ユーザーの言語パターンなどの理解を深め、徐々にユーザーが求める最適な行動をとるようになるという。

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※セットアップが終わったGoogle HomeとiPhone 6S Plus


Google Homeのオフィシャルページによると実に魅力的なワードで舞っている。「OK Google」あるいは「ねぇGoogle」 と話しかけると、Googleで調べ物ができたり、音楽を再生したりするのはもちろん、毎日の予定の管理やスマートホームの操作も簡単にできるとある。

「あらゆる生活シーンをサポート」「Google アシスタントがハンズフリーでお手伝い」「音声で再生できます」「日々のいろいろな場面で役に立ちます」「ハンズフリーでエンターテイメントを楽しめます」「音声でスマートホームを管理できます」というわけだ。また対応するChromecastを別途用意しTVと連携すれば情報はTVに映し出される。

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※同梱品は本体とACアダプターおよびガイド


さて、まったくの個人的な嗜好だが、こうしたあれこれのうち私が期待するのはいわゆる「調べ物」「検索」といったことだと思っている。時々音楽の再生をするときもあるだろうが、今のところスマートホームを完備する予定はないしTVと連動させるつもりもない。またスケジュール管理もGoogle Homeに依存するほど多様ではない。
反面、調べ物はかなりの頻度で利用している。ブログやウェブサイトの原稿書きはもとより、特に時代小説を書いていると調査し確認を取っていかなければならないことは多い。
そうした調べ物にGoogle Homeはどれだけ答えてくれるのだろうか。

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※Google Home本体のデザイン


さらにごく近所の食べ物屋や店舗などは検索するほどないし歩いて行ける範囲は承知している。また小さな子供でもいれば別だろうが、オフィシャルページ例のように「牛の鳴き声は?」といった検索などは非現実的だ(笑)。

ただし、なによりも一番の興味はSiriとの違いである。日中のほとんどの時間をiMacの前で過ごし、macOS Sierraで使っているからSiriならいつでも起動できる。無論パソコンだからしてSiriではなくブラウザで直接Google検索すれば大概のことを知ることができる…。
それでも文章を入力しながらふと疑問を感じたり、確証が欲しい時にあらかじめ設定したショートカットキーでSiriを起動し質問することもあるが、これとGoogle Homeとは何が、どこが違い、あるいは同じなのだろうか?

そんな事を期待して届いたGoogle Homeを早速セットアップ開始した。
昨今はアップルの影響なのかデバイスのパッケージの出来がよく出来ていることが多くなったが、このGoogle Homeもよく出来ていた。
ともあれ同梱品はGoogle Home本体と電源アダプタ、そして簡単な説明書類だけだ。あと必要なのは別途スマホ(私の場合はiPhone)に無料のGoogle Homeアプリをダウンロードしておくだけである。

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※外装を外すしパッケージを外すと本体がしっかりと鎮座していた


本体に電源アダプタを接続してコンセントに繋ぐ。後はiPhoneにインストールしたGoogle Homeアプリを起動してセットアップを行うことになる。
セットアップは基本画面の指示および確認に従っていけばよい。
iPhoneがGoogle Home本体を検出した後はWi-Fiのパスワード等の設定、Googleアシスタントの設定で音声認識設定が完了だ。 
幸い何のトラブルもなくスムーズにセットアップができた。

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※セットアップは専用のアプリをダウンロードしてから行う(無料)


あらためてGoogle Home本体(直径: 96.4 mm • 高さ: 142.8 mm)を眺めると丁度両手で包み込めるほどのサイズであり、小ぶりの花瓶か大ぶりのグラスといった大きさだ。しかしこれひとつにマイクロフォンとスピーカーが備わっているので早速語りかけたみた。
なおスピーカーの音量はトップの斜めになっている円中央を指でなぞることで音量設定ができる。またスピーカーは、2 インチドライバ、2 インチデュアルパッシブラジエーター搭載のクリアな高音と迫力ある重低音を特徴とするハイエクスカーションスピーカーを内蔵。
マイクはノイズキャンセリング付きで、遠距離の音声認識にも対応しているという。

早速いろいろな語りかけや質問をしてみたが「OK Google」あるいは「ねぇGoogle」 の認識率はとてもよく、狭い家だとは言え隣の部屋からの「OK Google」といった呼びかけを難なく認識するだけでなく音楽をかけている部屋でも認識してくれる。
またスピーカーの音質だが、多少籠もった感じだが低音も十分だ。

勿論、「OK Google」と言った後、Siri同様「今日の予定は」「今日の天気は」といった個別の指示を出すことも出来るが、例えば朝起きて「おはよう」と語りかければ、「おはようございます」と返事をするだけでなく、時には今日の日付と曜日、予想最高気温と最低気温、天気や主なニュースも伝えてくれる。なぜならNHKラジオニュースや日経電子版NEWS、スポニチアネックスなどに対応しているからだが、今後更に対応機器やサービスが拡充されていく見込みだという。
なお途中で音声を止めたい場合は「OK Google」と呼びかけ「ストップ」と言ったり、Google Homeのトップをタップすればよい。

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※「OK Google Home」と呼びかけ音声認識が確立するとフロントトップにバターンが光る


要は…Google HomeはSiri以上に音声に特化したアシスタントデバイスだということだ。
例えば iPhoneの Siriに「国会議事堂の所在地は?」と問うと「国会議事堂の所在地は千代田区永田町1丁目7番1号です」と答えて地図を表示する。
対してGoogle Homeに同じ問いを発するとどうなるか。
「国会議事堂の住所は、郵便番号100-0014 東京都千代田区永田町1丁目7の1です」と答える。無論Google Home本体で地図を表示できるはずもない。

こう比較するとSiriの方が有利ではと思われるかも知れないが、そもそも我々が答えを望む問いそのものは音声だけの回答で済むものとそうでないもののとがあるわけで、こうした単純な例だけで評価を下すのは早計だろう。
要はユーザー側がどのような形での回答を欲しているかも考慮した上で比較しなければならない。
ということで、次回は実際にGoogle Homeによる音声アシスタントの実際とSiriとの違いを見ていきたいと思う。




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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員