iPhone使いの NuAns NEO [Reloaded] 考 - なぜこのスマホなのか

Android OSのデバイスを手にするのは初めてである。ところで近年知り合った取引先の方などの中には私の履歴を見てMacやiPhoneにどっぷり遣ったユーザーであり、それしか知らない男だと思われているフシがある(笑)。しかし言い訳めくがApple製品がよいとかMacがよいと言っても何も闇雲に信じてきた訳ではない。


私はパソコン以前のマイコンの時代からこの世界に入った。したがって程度問題はともかくいわゆるマシン語はもとよりBASICといった言語も学んだし、一時期は人工知能向き言語として注目を浴びていたPrologも勉強したことがある。またオペレーティングシステムとしてはMS-DOSやCP/Mを使っていた。そしてマシンだってApple II やMacintoshだけでなくPET2001、NEC PC-9801やPC-100、IBM 5550といった機種も愛用してきた一人だ。さらにWindowsも誕生以来から手元にあった。
その上で、MacOSが一番使いやすく優れていると考え、結局Macintosh専用のソフトウェア開発を仕事にしてしまったのだった…。

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※基本的なセットアップが終わったNuAns NEO [Reloaded]


もともと好奇心は人一倍強い人間だと思っているが、そうはいっても仕事となれば1人の人間に与えられた時間や様々な制約には限界があり、AppleとかMacintosh以外に長時間目を向ける自由がなくなった。
ある意味いまやっとそうした呪縛から解放されつつある時のような気がするし、年齢的にも知的活動を続けるにはせいぜい後10年ほどが限度ではないかとも思う。

さてそのAppleだが、いまだにその製品作りのコンセプトやデザイン性には見るべきものが多いと思っている。そして14年間アップルジャパンのデベロッパー時代を通してAppleの長所短所を知り尽くし堪能してきたつもりだが、ここのところそのAppleの動向やそのプロダクトのあり方に正直飽きてきた。
あくまで個人的な問題だがAppleのティム・クックCEOにもデザイン部門のトップであるジョナサン・アイブの動向や実績にも興味を持てなくなってきた。

また iPhone 7からiPhone 8そしてiPhone X への進化は確かに目を見張るものがある。それは否定しないが、ほとんどの機能やスペックの先が見通せてしまうとでもいったよいのか、ワクワク感も期待感も薄れてきた。
使い勝手は良いが、所有する喜びや探求心、工夫する面白さが持てなくなってきたといったらよいのか。
そもそも私は与えられた機能や環境をただただ嬉々として受け入れ満足するタイプの人間ではないのだから仕方がない。
言い方を変えれば、デスクトップパソコン派の私としては iMacの存在は譲れないもののスマートフォンはどうしてもiPhoneでなければならないといった拘りを持てなくなったともいえる。

ということで、iPhoneは格安SIM化して使い続けるものの、未知の世界、これまで時間が無く手を着けることが出来なかった世界を探求し胸をときめかしてみたいと考え、トリニティ社のNuAns NEO [Reloaded] を手に入れてみた。
無論Android OSのデバイスを手にするのは初めてである。
iPhoneが遣いやすいのは分かった、分かっている。それはそれとして繰り返すがいまスマートフォンはiPhoneでなければならない理由もないはずだ。
いや、もしかしたらiPhoneに慣れ過ぎたからこそ、この両手の指の間からこぼれ落ちてきた興味あるあれこれが多々あるのかも知れない…。そして結果Android搭載のデバイスが使い物にならないとか幾多のトラブルなどに遭遇したとすれば、これまで以上にiPhoneの有り難さが分かるかも知れないではないか。
無論そのiPhoneも問題がないわけではないのだが…。

さてNuAns NEO [Reloaded]は、2017年5月より出荷を開始した新しいプロダクトである。さらに特筆すべきはNuAns NEO [Reloaded]を世に問うたのは海外の大メーカーではなく失礼ながら日本の小さなベンチャー企業、トリニティ株式会社である。
これまで携帯電話やスマートフォンといった製品を設計製造し販売するのは大手にしか出来得ないことだと考えられていた節があったがトリニティ社はその神話を崩したのだ。

そのNuAns NEO [Reloaded]も100%何の問題もなくリリースされてきたわけではない。Androidに依存することでもありOSのアップデートやファームウェアのアップデートの精度でトラブったりスペック通りに機能が働かないことがあるといった問題も報告されてきた。しかし個人的には修正への期待と共にこの半年程度、その進捗状況を見定めていた。

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※壁紙写真の変更やロック画面やアイコン表示などカスタマイズを施したNuAns NEO [Reloaded]


文字にすると大層な物言いに聞こえるかも知れないが、トリニティ社の動向やビジネスへの姿勢はこれまでにもiPhoneケースは勿論、様々なグッズなどを通して承知してきた。したがって超大手の企業より、多少でも見知っている顔の見えるメーカーを信頼し応援していきたいとも考えた。

手に入れたNuAns NEO [Reloaded]だが、即実用として日常問題なく活用しなければならないというミッションがないのは楽だ。
きれい事かも知れないが、NuAns NEO [Reloaded]は好奇心と探究心が向くアイテムであると思っているものの、数日で思った通りに使いこなせなければ困るという状況ではないので不明な点を含め現状を楽しんでいる。

そういえば時代が違うといえばそれまでだが、私にとってApple IIやMacintoshも当時は決して実用品ではなかった。ある意味、だからこそ楽しく長続きしたのかも知れない。
何しろ日本語も使えないApple IIや最初期のMacintoshは知的好奇心を奮い立たせることはあってもそれを仕事に使おうなどとは思っても見なかった時代があった。
私にとってのNuAns NEO [Reloaded]は肩の力を抜き、真に楽しみながらひとつひとつ新しい知識を積み重ねていくアイテムであって欲しいと考えているのだが…。

問題のセットアップだが、基本中の基本は問題なくできた。Gmailを本格的に使ったのはこれまた初めてだしiPhoneとは勝手が違うので戸惑うことは多いもののなかなかに使い勝手はよい。
インターネットへのアクセスもプリインストールされているブラウザ "Chrome" でこれまた問題なく使えている。さらにカメラの機能もiPhoneより些かシャープさに欠ける気もするがほとんど文句はない。

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※NuAns NEO [Reloaded] のフロントカメラ部位


そもそも撮った写真の編集はスマホではやらずデスクトップ機でやるのが日常なのでソニー製のメインカメラ、1,300万画素/F2.0/裏面照射型センサー/像面位相差オートフォーカス/28mm広角レンズ・そしてインカメラ、800万画素/F2.2/裏面照射型センサー/オートフォーカス/24mm広角レンズというスペックはスマホ内蔵カメラとして文句の付けようはない。
またマナーモードにすればシャッター音が出ないのも嬉しい。
そのNuAns NEO [Reloaded] で撮影した写真だが、EPSONの複合機EP-879AWへWi-Fiを使って印刷もできた。

iPhoneのSiriの代わりもGoogle音声検索でまずまず不自由することはない感じだ。そしてマップはGoogleマップが本家だしYouTubeアプリもある。
とはいえまだまだ詳細については知識がないものの、NuAns NEO [Reloaded] が自宅にあるときや身につけているときなどに限り画面ロックを常に解除しておくことが出来る「Smart Lock」も面白い。特に顔認証や声による認証も可能なようで、これは楽しみである。
その他スクリーンショットを撮る方法、壁紙の設定方法、microSDカードの使い方、NuAns NEO [Reloaded] で撮った写真をiMacにWi-Fi経由で転送する方法などなども分かった。

>nuansneo_B_04.jpg

※Macの画面に表示されたAirMoreによるNuAns NEO [Reloaded]の情報。この画面から写真を始めとしたファイルをNuAns NEO [Reloaded]とMac間で行き来させることができる


ただし今のところ一つだけ思うようにセットアップ出来ていないことがある。それはこのNuAns NEO [Reloaded]にiCloudなどのメルアドを設定したいと複数のメールアプリを入手し、いくつかの解説サイトも覗いて参考にしてみたが旨く行かない。
どうやら2ファクタ認証が必要だということのようだがともあれメールの設定で苦労するのは十数年ぶりだ(笑)。まあ少しずつ前に進もう…。



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員