3Dプリンター「FLASHFORGE Inventor」ファーストインプレッション

今年3月、初めて「BIQU-Magician」というコンシューマー向け3Dプリンターを手に入れた。右も左も分からなかったことでもあり、自分にとって必要な物なのか、使いこなせるものなのかを検証する意味も含めて組立済みとしては一番安価な製品を選んだ。


それから2カ月間、自分でいうのも恥ずかしいが猛烈に勉強した(笑)。そして40年ほど前に初めて個人用コンピュータを手にした時のような好奇心に包まれ、幾多のトラブルもあったものの3Dプリンターとはどういうものなのか、その可能性と限界も自分なりに理解したつもりである。
結果、今後も積極的に物作りに生かすことは勿論、知的好奇心を満足させてくれるアイテムとして使い続けたいとより本格的な製品を手に入れることにした。

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※大きな荷物が届いた


それが「FLASHFORGE Inventor(インベンター)」という製品である。
サイズは485mm×402mm×344mmと少し大きめの電子レンジといった感じにも見える箱形である。
現在3Dプリンターの種類は多種多様な製品が選べるまでになっているが、様々な情報を自分なりに精査し予算や目的といったものをすり合わせて出した結論がこの製品となった。
実は当初同じメーカーの「FLASHFORGE Dreamer(ドリーマー)」という製品を考えていたもののこれから述べる理由から「FLASHFORGE Inventor」に決めた。

Inventor_02.jpg

※ハードウェアセットアップを終了した「FLASHFORGE Inventor」


「Inventor」と「Dreamer」とでは実売価格で約3万円ほど「Inventor」の方が高い。念のためメーカーに電話で問い合わせてみたが、基本的なスペック、すなわち基本的な仕様や精度は同じだと考えてよいとのことだった。
正直いまの私にとって3万円は小さな金額では無い。しかしよほどのことがない限り今後3Dプリンターの買い換えはないだろうとも思い少し無理をした。

「Inventor」と「Dreamer」はモデル名が別だが「Inventor」は「Dreamer」のアップデート版だと考えられる。サイズもほぼ同じだし、本体カラーは違うものの同じデザインだ。
プリントタイプも同じFDM(熱溶解積層法)だしデュアルヘッドでプラットフォームも120℃まで加熱可能なホットプレートを装備し、対応するフィラメントも同様と考えて良いとのメーカーの話しだったし精度も同じだという。
仕様的に違う点を上げるなら「Inventor」は本体内部にカメラを搭載しており、離れた場所からスマートフォンで造形中のプリントの様子が確認できることだ。またプリント中に何らかの操作ミスや停電などで電源が切れた場合でも再起動することによって引き続きプリントを実行できる停電回復機能を持っている点だ。

Inventor_03.jpg

※フロントから見て内部はこんな感じ


明らかに違う点はこの2つだがもうひとつ私にとって重要な違いがあった。それはプリントの最大サイズである。
「Dreamer」が横幅225×奥行150×高さ140mm なのに対して「Inventor」は横幅230×奥行150×高さ160mmなのである。
たかが横幅で5mm、高さで2cmの違いだ。それに個人的にはカメラのモニター機能にしても停電回復機能にしても無くてはならないという機能ではなかった。
であるなら安価な「Dreamer」で良いではないかと自分を納得させようとしたが、高さ2cmのプリントサイズの差は無視出来なかった。

それにもうひとつの決め手だが、メーカーサイトの製品紹介ページには明確な情報がなかったもののリリース時期の違いである。
「Dreamer」が2014年3月にリリースされた製品であるのに対して「Inventor」は2017年発売らしい。だとすればスペック的には同じでも(共通部品が多いと思われる)3年の開きはハウジングはもとよりアーキテクチャーというかコンストラクション、ストラクチャーといった細かな点において差がでているのではないかと考えた。
例えばウェブページの記述をそのまま信じれば「Inventor」は本体の仕組みの強度が上がっているようだし目に見える点ではエクストルーダー左右にある2つの冷却ファンのフロント側に「Inventor」はファンガードが付いているものの「Dreamer」にはないようだ。
ということで思い切って「Inventor」に決めた。

おさらいを含めてこの「Inventor」の特長を確認すると、FDM方式であること。BIQU-MagicianはPLAフィラメントしか扱えなかったが「Inventor」ではヒーター付き成形テーブルが備わっているためABS/PLA/HIPS/PVA/PP/PET/TPU/高耐熱性PLAなど多彩な材質のフィラメントを扱える。

そして造形精度が0.05mm~0.3mmと熱溶解積層方式のパーソナル3Dプリンターでは最高クラスであること。またデュアルヘッドを備えているため、2色のフィラメントを混在してプリントできるだけでなく一方に溶解性フィラメントをサポード材とすることでプリント後にサポートを取り除くことが容易になる理屈でもある。

さらに、直感的に操作ができる日本語スライスエンジンFlashPrint(フラッシュプリント)を標準装備していること、日本語対応液晶タッチパネル、日本語マニュアルがあること、そしてSDカードによりパソコンと接続しなくてもスタンドアローンでプリント可能なこと、さらに日本国内アフターサポートと日本国内修理サービスが受けられることが大きい。

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※液晶パネルも日本語で使える


これまで3Dプリンターはまだまだトラブルが多い部類の製品であることを実感してきた。業務用の高価な製品はともかく2, 30万の製品でも完全無欠のものはなく、調整を含めボタンを押したらすべてが自動で完璧な造形モデルが出来上がるといった環境にはなっていなし消耗部品も含まれている。それだけにパソコン以上に日本語によるきちんとしたサポートが大切であることも身にしみた。

またデザイン面を優先するなら他にも魅力的な製品はあり、「FLASHFORGE Inventor」のデザイン面は正直見るべき点はない。しかしフロントのドアは勿論、天板がすっぽりと外せるので内部へのアクセスは容易で掃除もやりやすい。
そして個人的嗜好だが、変に曲線を使ったデザインは好みでないこともあって些か面白味の無いデザインではあるが実用本位を優先したつもり。

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※テストプリントとしてNuAns NEO [Reloaded] のトップカバーと二色プリントをやってみた


さてこれから「FLASHFORGE Inventor」のセットアップをはじめ個別な使い勝手や特長について少しずつご紹介できたらと考えているがセットアップも終わり、初期不良などがないかどうかの確認の意味を含めていくつかのテストプリントをやってみた。
詳細は続編をお楽しみに :-)



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。ゆうMUG会員