3Dプリンター「FLASHFORGE Inventor」セットアップ考

3Dプリンター「FLASHFORGE Inventor」を嬉々として使い始めているが、今回はセットアップに関してお話ししてみようと思う。この製品は組立完成品だが、エクストルーダーとターボファンのダクトそしてフィラメントの取付が必要だ。事前に日本語マニュアルのダウンロードだけでなくYouTubeに動画も載っているので予習しておくと戸惑わないで済む。


「FLASHFORGE Inventor(インベンター)」はPDFの日本語マニュアルがサイトに用意されているが90ページほどのマニュアルでは細かな点は分からないかも知れないし明らかに間違っている部分もある。
3DプリンターはFLASHFORGE Inventorが初めてというユーザーは事前にインターネットで情報を集めて予習しておくことをお勧めする。

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※ハードウェアのセットアップを完了した「FLASHFORGE Inventor」


私自身は丸2か月、BIQU-Magicianという3Dプリンターを使ってきたがさまざまなトラブルに遭遇したおかげで3Dプリンターの基本構造やポイントといったことを理解できたからFLASHFORGE Inventorのセットアップにも迷うことはほとんどなかった。

YouTubeに載っていたダンボールの開封ビデオも大変参考になった。
同梱されているアイテムも大きな物からネジのような小さな物まであるので丁寧に無理をせずに取り出す必要がある。特に注意を要するのがエクストルーダーと一番奥下、プラットフォーム下に押しつぶされるように固定されている二つのフィラメントの取り出しだ。

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※エクストルーダーの取り出し


重いものをバランス良く、そして安全に同梱するための策なのだろうがフィラメントを取り出すにはプラットフォームを手で力を加えて押し上げなければならない。

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※二つのフィラメントはプラットフォームに固定される形で収まっている


そういえば同梱されている2つのフィラメントだが、マニュアルやメーカーのウェブサイトによるとPLAとABSが一本ずつということになっている。しかし入っていたのは両方共にPLAだった。
明らかに間違いだろうが、しばらくABSは使う予定がないのでそのまま利用することにする。

エクストルーダーのX軸上への取付は付属のネジ2本で、そしてターボファンのダクトはネジ1本を使う。後はフィラメントを左右のラウンジトラフに設置し、付属の補助用軸で固定してリールがスムーズに回るように確認。そしてフィラメントをリールの下から奥にあるガイドチューブへ通しエクストルーダーのヘッドフィラメント固定レバーを押しながら引き込み穴に押し込む。

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※フィラメントリールの取付


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※フィラメントをリールの下から奥にあるガイドチューブへ通し、エクストルーダーのヘッドフィラメント固定レバーを押しながら引き込み穴に押し込む。


さらにプラットフォームにビルドシートを貼ることになっていたがあらかじめ貼られていたのでそのまま使うことにする。別途交換用のビルドシートが2枚同梱されていた。
また重要なアイテムとしてブルーのハガキ大ほどの薄い水平出しシートが一枚付いているのでなくさないようにする。最後に本体両サイドに換気用パネルをはめ込み、天板を設置してハードウェアのセットアップは完了した。

なおその他、電源ケーブル、USBケーブル、ユーザーガイドとツールボックスが用意されておりツールボックスにはSDカードや六角レンチやヘラなどのメンテおよび実用上必要な道具が納まっている。

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※同梱品一覧(上)とツールボックスに入っているアイテム類(下)


ということで後は電源を入れ、プリンターが正常に動作するか、初期不良はないかを確認するため実際に簡単なプリントを行った。その予備動作としてデュアルヘッドのフィラメント押し出しを実行し、問題なくノズルが機能していることを確認。

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※ノズルへのフィラメント押し出しをテストする


ところでこのFLASHFORGE Inventorとこれまで使ってきたBIQU-Magicianとは大きな違いがいくつかあり、それらをきちんと把握しておくことが重要に思った。
繰り返すが私自身、思ったよりスムーズにFLASHFORGE Inventorのセットアップができた背景にはBIQU-Magicianで培った3Dプリンターの基本中の基本を身をもって体験したことが大きい。

BIQU-Magicianはデルタ型の縦型でプラットフォームもエクストルーダーもむき出しだがFLASHFORGE Inventorは箱形の中に納められている。
これはBIQU-MagicianがPLAフィラメント専用機であり温度管理が単純であるがために可能な仕様である。対してFLASHFORGE InventorはPLAは勿論だがABSをはじめ多様なフィラメントを使うことが出来る。そのABSの場合を例にすれば溶解温度もPLAより高いしプラットフォームの温度を上げないと積層の一層目の定着が悪かったり、造形物が反ってしまったりする。したがって温度管理がPLAよりシビアであるため箱形の囲いの中できちんとした温度管理が重要となってくる。
事実FLASHFORGE Inventorには庫内温度自動調整センサーが装備されている。

したがってBIQU-Magicianは溶解したフィラメントの第一層目をプラットフォームに定着させるためにPVP仕様のスティック糊を塗ることになっている。対してFLASHFORGE Inventorはプラットフォーム自体の表面温度を120℃までの指定温度にすることができ、あわせてフィラメントの食いつきをよくするビルドシートという特殊なシートを貼ることで一層目の定着を確実なものにしている。

それから水平出しの方法もまったく違う。3Dプリンターの中には自動水平出し機能を持つものもあるがそれらは比較的高価な製品であることやその結果に些か問題がある場合もあり、結局手動で微調整を必要とすることになるケースもあるという。
ただしこの水平出しは正確なプリントを考える上で不可欠なステップであり疎かにすれば必ず失敗すると考えなければならない。

ちなみにBIQU-Magicianは付属のセンサーをノズル先端に取り付け、自動調整ボタンを押すとエクストルーダーが数回プラットフォームに接触し水平出しを行ってくれる。
対してFLASHFORGE Inventorは専用の水平出しシートを使いマニュアルでプラットフォームとノズルとの距離を三箇所計測していく方法だ。なんともアナログ的で面倒に思えるが慣れれば難しくは無いし確実な方法に思えてくる。

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※水平出しの一コマ


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※プラットフォーム下にある三つのネジで水平出しの調整を行う


またフィラメントの交換もFLASHFORGE Inventorの方が容易だ。フィラメントをガイドチューブに通してエクストルーダーに送り込む理屈は同じだが、BIQU-Magicianは押出機とエクストルーダーに距離があることがフィラメント交換やトラブルの際に対処を難しくしている。
対してFLASHFORGE Inventorは大型のエクストルーダー内部に引込機構があり、交換が容易なのもありがたい。

最後にプリントに関することだが、BIQU-MagicianはSDカード経由かUSBケーブルでパソコンと接続する方法が選べる。FLASHFORGE InventorもSDカードとUSBケーブル接続は同じだが加えてWi-Fi接続もサポートしているが私はもっぱら3Dプリンターをスタンドアローンで使う事を望んでいるためSDカードを活用することにしている。
なおFLASHFORGE Inventorのオペレーションはタッチ式のカラー液晶画面により行うが、設定で言語を日本語にすることができるのも気に入っている。

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※操作も日本語で可能


次回は実際にプリントの経過などについてお話ししたい。



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員