ライフログリストバンド "UP" の運動量信頼度テスト

多くの方々と同じく充電のときとiPhone 5との同期以外はずっと左手首に装着し生活している。慣れれば…というより装着の違和感はないから不自然でもなければ苦にもならない。後は一つずつ「UP」特有の機能およびその操作を覚えている最中だが、気になるのは運動量計測の精度である。


まあ「UP」にとって運動量の計測はキモのひとつだから信頼に足りるアルゴリズムの採用と十分なテストを繰り返しているのだろうが、1人のユーザーとしては日々蓄積していく値をそのまま信頼できるものなのか…という疑問が拭えないので念のため他のツールと併用し比較して見ようと思い立った。

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※キャップをミントグリーンにした筆者のツートンカラー「UP」


テストはある日の朝と夕方、愛犬との散歩時に行うことにした。たった2度の比較では十分ではないかも知れないが、1度よりは良いだろう(笑)。
玄関を出る際に「UP」のボタンを2度押しし、2度目を長押しするとバイブレーションが発する。これでいわゆるストップウォッチモードに入ることになる。と同時に左腰のベルトにバード電子社製iPhone 5用革ケース「Tr-5B」に入れてぶら下げたiPhone 5にインストールしてある「RunKeeper」というアプリを起動し、これまたスタートさせる。そしてこのまま自宅に戻るまで計測を続けようということにした。

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※犬との散歩はただ歩くだけではないのでウォーキングとしては些か過酷な運動である


「RunKeeper」は「UP」を使うまではたまに起動させてきたアプリであり、特長は後からマップ上で歩いた過程を確認できる点にある。なおこの無料アプリでは「時間」「距離」「平均スピード」「消費カロリー」が計れる。
対して「UP」は、「時間」「距離」「平均スピード」「消費カロリー」の他に「歩数」が確認できるがまあまあここでは「距離」と「時間」そして「消費カロリー」程度を比較できればよいと考えた。

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※「RunKeeper」は移動の記録を後にマップ上で確認できる


さてそもそも両者の運動選択に「犬の散歩」という設定はない(笑)。したがって一応両者ともにウォーキングの設定で計測をしてみた。
早速その結果比較だが、まず朝の散歩は愛犬の気分のまま近所を回って終わりだったので「UP」では35分、「RunKeeper」では35分9秒という結果が…。これはもうピッタリといって良いだろう…当然だが(笑)。問題は歩いた距離だが「UP」は1.81キロメートルなのに対して「RunKeeper」は1.55キロメートルとなっている。差は260メートルということだが、無論どちらが正しいのか歩いた本人も分からない(爆)。さらにカロリー消費だが「UP」は118、「RunKeeper」では104カロリーとなっていた。

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※朝の短い散歩を「RunKeeper」(左)と「UP」(右)双方で記録した結果


しかし「RunKeeper」が前記したマップ上で歩いた経緯をトレースできるのはGPSを活用しているからだろう。そして「RunKeeper」の距離算出がGPSからだとすれば距離に関しては「RunKeeper」の方が正確かも知れない。
ちなみに「UP」には記録された距離を正しい距離に置き換える機能がある。

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※「UP」には計測距離を実際の距離に置き換える機能がある


まあこの朝の散歩は当人も短かったと思ったので夕方の散歩は1時間は歩いてみようと考えながら出発した。
結果だが、時間は「UP」が1時間3分、「RunKeeper」では1時間4分3秒となっていたが、計測スタートとストップ動作は両者同時にはできないためにあくまで誤差範囲だ。
問題の距離だが「UP」が2.72キロメートルなのに対して「RunKeeper」は2.52キロメートルと朝同様「RunKeeper」の方が200メートルほど少ない。
そして消費エネルギーも「UP」が191に対して「RunKeeper」は184とやはり弱冠少なかった。

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※同様に夕方の散歩を「RunKeeper」(左)と「UP」(右)双方で記録した結果


サンプリングの頻度としては貧弱すぎるが、この2度の計測結果の比較を見ると両者の計測アルゴリズムの違いによる差と考えればその差はやはり誤差の範囲であり、したがってこの両者の計測は近似値として信頼するに足りるものだといえるのではないだろうか。
ともかくこの結果から判断しても「UP」は単に腕を振ることで歩数を計測しているといった単純なシステムではないことも分かった。

また「UP」最新バージョンのアプリケーションでは「RunKeeper」などと連携が可能になったのでさらなる拡張性が期待される...。
ただし「UP」に限らないが例えばカロリー消費量ひとつを取ってもあくまで目安であり100%これを盲進して健康面を考えるのは危険だ。なぜならこの値は歩いた距離と平均スピードから算出されるもので、例えば愛犬との散歩で私がどれだけリードを引くのに苦労したか、あるいは公園で抱っこを要求され19Kgもの愛犬を抱きかかえて歩いたか…といった点は考慮してくれない(笑)。

さらに今回は深く突っ込まないが、運動量はともかく睡眠の計測もあくまで参考程度に考えておくべきだ。なぜなら「UP」による睡眠の計測も加速度センサーで腕が動いたか止まっていたかを基礎に計算しているからだ。決して眼球の動きや脳波あるいは呼吸や脈拍などからの総合判断ではないので浅い眠りおよび深い眠りがそのままレム睡眠・ノンレム睡眠に通じると過信すべきではないだろう。
しかし常識的に考えればJAWBONEはそうした比較テストや実証テストはやられているはずだと思うし、今後は競合製品も多々登場することでもあり、ユーザーの選択肢はデザインや価格、トータルな使い勝手の良さ等はもとよりだが、計測の信頼性も大きく関わってくるに違いない。したがって「UP」にしてもどれほど近似値がでるのか、あるいはユーザーケースによりどれほど差が出てしまうのかといったデータを分かりやすく公開してくれるとより安心して使えるに違いない。

ともかく「UP」は大変画期的で素晴らしい製品であるだけに早くも友人知人達の中にはこれなくして1日の生活なし…「UP」を腕につけていないと不安だ…といった「UP依存症」患者が発生している点はいささか心配している(笑)。
「UP」は現時点ではあくまで日常の限られた部分だけをモニターするライフログリストバンドであり、健康へのモチベーションをあげる機会になるのは良いことだが、それ自体は健康医療器具ではない。したがってもっと気楽に楽しもうではないか。
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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員