デジタルアートに見る私とビル・ゲイツ氏の接点(ウソ〜笑)

1994年にマイクロソフトのビル・ゲイツ氏がクリスティーズのオークションで3億800万ドルで落札した、レオナルド・ダ・ヴィンチ直筆の「レスター手稿」は昨年日本でも公開されたが、同じく1994年に私もいささか思い切って高価な画像データ集を購入した。


実はビル・ゲイツ氏が「レスター手稿」を入手した同じ年に私は「クラシックアートギャラリー」と称する13枚組の著作権フリーCD-ROMを手にした。それは総額179,400円で、ゲイツ氏の額と比較するにはあまりにも規模が違いすぎるが(笑)私にとっては大金だった。 

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※著作権フリーの13枚のCDで構成されている「クラシックアートギャラリー」セット


ゲイツ氏はその後、現在のCorbis社のCorbis Collectionを構築し、2001年8月には日本法人である(株)コービスジャパンを設立。動画などを含むフォトストックビジネスを展開している。 
ちなみにCorbis社は現在もビル・ゲイツ氏が所有する会社ではあるものの、マイクロソフトの業務とは関連の無い独立した活動を行っているという。 

一時はマイクロソフト、あるいはビル・ゲイツ氏はその豊富な資金力にまかせて人類共通の資産まで個人所有とするのか...という危惧から、多くの報道にさらされたが「レスター手稿」は一年に一カ所に限り公開を許可しており、昨年森ビルで開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」もそうした一環だった。 

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※昨年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ展」で購入した「レスター手稿」のコピー。オリジナルはビル・ゲイツ氏と夫人の個人所有


ところで1994年に私が購入した13枚のCD-ROMは米国PLANET ARTが制作したもので、販売はインスタントレタリングなどデザイン界で有名なレトラセット(Letraset)社だった。しかしそのレトラセット社はいまはない...。 

さて、そのCD-ROMの内容は時代背景や印刷や出版にも耐えられるだけのクオリティを意図したこともあって、すべてKodak Photo CDフォーマットで記録されている。したがって一枚のCD-ROMには192×128ピクセル、384×256ピクセル、768×512ピクセル、1,536×1,024ピクセル、そして3,075×2,048ピクセルという5種類の解像度でイメージがそれぞれ100点収録されている。そして問題の中身.....コンテンツだが、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、アルブレヒト・デューラー、ロートレックとフランスポスター集、ギュスターヴ・ドレ、ウィリアム・モリス、チャールズ・ギブソン、中世宗教画集、古典アラビア文様集、19世紀学術イラスト集、古典建築イラスト集、中世のアルファベット集、日本の古典織物家紋集の13種である。 

CD一枚当たりの価格が13,800円となるが、この製品は「著作権フリー」であり、特にイメージを自由に編集・加工して独自のビジュアル素材として自分のアートワークに取り入れることを許諾している点が売りである。 
レオナルド・ダ・ヴィンチを例にすれば、"モナ・リザ"や"最後の晩餐"といった作品とは別に、解剖図、武器などのスケッチも多々含まれている。 

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※「クラシックアートギャラリー」の「レオナルド・ダ・ビンチ作品集」収録例の聖母子像。PhotoCDによる記録は独特の黒いフレームが存在する


私は「クラシックアートギャラリー」とは別に、例えばフィレンツェで制作されたローマのシステーナ礼拝堂に描かれたミケランジェロの天地創造を撮影したスライド集なども所持している。またこれまでにも博物館や仏閣の宝物館などで販売されている収蔵品のスライドなども意識的に集めてきた。 
しかしこれらをデジタル化することは簡単でもその取扱は大変難しいものがある。何故なら、例えば前記の「天地創造」のスライド一枚一枚には"Reproduction prohibited"と転載を禁じる印刷がされている。したがって理窟としてはウェブ上においての活用も許されないことになる。 

もし、これらのイメージを広告やウェブデザインなどに必要とする場合にはご存じのようにフォトストックとかフォトライブラリーといったビジネスがあり、現在ではインターネットを利用したダウンロードやCD-ROMによる販売を手がけている会社も多い。 
事実先のコービスジャパンやフォトディスクとして知られているゲッティイメージズジャパンなどからもクオリティの高い写真を入手することができると思う。しかしそれらも当然のことながら著作権保護の立場から、二次的利用にいろいろな制約があるはずだ。 

そうしたあれこれを考えると手元にあるこの13枚のCD-ROM「クラシックアートギャラリー」はいまや貴重な存在なのかも知れない。 
現実問題としてレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザやミケランジェロの天地創造といったコンテンツを何かのアートワークに使う機会があるかどうかはともかく、これらの名画がデジタルとはいえ、そしてある種の利用制限(再販・再配布の禁止)は当然としても自分の手中にあることは大変気分が良い。 

ビル・ゲイツ氏はその後も将来のビジネスの一環としてか、さまざまなデジタル化されたアート・コレクションの権利を獲得しているようだ。ゲイツ氏の真の志しを私は知る由もないが、古くからクリップアートやこうしたデジタルライブラリを収集してきた一人として、その種の性(さが)は分かるような気がする...。


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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員