「清左衛門残日録 DVD-BOX」を購入

>藤沢周平の「三屋清左衛門残日録」に関しては以前ご紹介したことがある。その後もこの名作を取り出して思い出すように読むことがあるが、NHKで放映されたドラマも見る度に心が豊かになる。しかし残念なことに数編録画を忘れたために欠けてるのだ...。


団塊の時代、熟年時代の日本の男たちにも定年という時が順番に訪れる...。私もそうした年代であるが「自分にはまだまだ出来ることがあるのだろうか」「やり残したことはないだろうか」「他人の役に立てることがあるのではないか...」と第2の人生を生きる意味と生き甲斐を模索していく清左衛門の姿は時代が違っても思い当たることばかりで思わず藤沢ワールドに浸ってしまう。 

このNHKのドラマは原作と些か違った構成になっているが、その演出も含めて大変よくできていると思う。いまさらこの名作の細かな解説をするのも野暮だろうから遠慮するが、主人公である三屋清左衛門は藩の用人の地位まで務め、51歳で息子に家督を譲って隠居する。用人とは江戸時代、大名や旗本の家で、家老の次に位し、庶務・会計などにあたった要職である。 
無理矢理今の会社に例えるなら、取締役とか部長職に該当するのではないか。それも清左衛門は優秀な用人だったようで隠居するときも殿様から特別の計らいがあったり、次々と生じるトラブルに隠居したのを好都合と殿様の覚えも目出度い清左衛門が活躍するという設定だ。 
このドラマを見ていると「歳を重ねることはどういうことなのか」を考えさせられる。熟年になり一線を引くとこれまで見えなかったあれこれが思い出されて気になって仕方がない。見えなかったというより当時は若さゆえの熟慮が足りなかったこともあるし、仕事が忙しく日常のあれこれを振り返る余裕もなかったということだろうか...。 

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清左衛門は妻を無くしてはいる。その妻に対しても十分に優しくできなかったことを悔いつつ、良い友人たちと素晴らしい嫁、そして息子に支えられながら人生を振り返り、そして身体の動く限り働かなければならないと決意する。 
とにかく主役の仲代達也はもとよりキャスティングがよい。ガキのころからの友人で奉行職を務める佐伯熊太に財津一郎、嫁の里江に南果歩、行きつけの料理屋の女将”みさ”にかたせ梨乃といった具合で、嫁の舅を思う気持ちや反目し合ったりしながらも友を気遣う人たちの姿が生き生きと描写されている。 

さて、ドラマは全部で14回分とスペシャル1回の計15編であるが、リアルタイムだったか再放送だったか忘れたもののビデオに撮りためていた。しかし残念なことに、第2回・第5回・最終回の3編を撮りそこなっていたのである。それがどうにも気になって仕方がなく、思い出したのを機会にと今回DVD6巻セット「清左衛門残日録 DVD-BOX」を手に入れた次第。これで心おきなくいつでも全編を堪能できる。 
こうしたものは好みだから無理矢理お勧めはできないが、映画やテレビドラマにしても繰り返し見る気にさせる作品はめったにない...。その点本作品は時代が江戸時代という設定ではあるものの一人の男の生き様がリアルに描かれ、時代を超えた人間というものを考えさせられる。 
見る度に清左衛門の心中が痛いように感じるのだが、何よりも大塚平八(河原崎長一郎)、中根弥三郎(中山仁)、そして前記した佐伯熊太らを見ていると何だか自分の旧友たちに会っているようなそんな温かい思いが膨らんでくるのだ。それはやはり私も歳をとったということなのだろう...。 
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 DVD「清左衛門残日録」 

 リリース:2004年10月22日 
 原作:藤沢周平 
 出演:仲代達也/南果歩/赤羽秀之/山下真司/かたせ梨乃/財津一郎/他 
 演出:村上佑二/清水一彦/吉川幸司/山本秀人/吉村芳之 
 著作/著作:NHK 
 発行/発売:NHKエンタープライズ 
 コード:ISBN4-87244-933-9 
 価格:29,610円(税込) 
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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員