ラテ飼育格闘日記(218)

オトーサンがラテを飼うとき漠然とだがひとつの決心をした。それは人間社会と共存できるための最低限のトレーニングは不可欠としてもあまり神経質でなく大らかに明るく育てようということだった。無論初めて飼うワンコだからして思うようにならなかったことも多いが、ラテは生まれつきの気質と相まってかなり面白いワンコに成長してくれたと思っている。                                                                                                                    
オトーサンたちにとってラテは最初に飼ったワンコだからして他のワンコとの比較はできないものの散歩の途中で出会う多くのワンコたちをも観察してみると当然のことながら長所と短所は不可分に組み合わさってはいるものの、ラテは総じてなかなか面白いワンコに育ったと思っている。
その第一は良い意味で感情表現がオーバーだということに尽きる。
オトーサンたちは冗談でラテのことを「ラテン系ワンコ」と読んでいるほどだ(笑)。

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※オトーサンの脇で微笑んでいるような表情をするラテ


もともとラテをもらい受けるとき、世話をしてくださった方から表現がいささかオーバーだということは知らされていた。
その方はボランティアで保護されたワンコを一時的に預かり、里親が決まるまで面倒を見るという活動をしている方だしご自身でもワンコを飼っている。したがって様々なワンコを観察し体験した経験の中から出た言葉なので間違いはないのだろうが、オトーサンは「感情表現がオーバーなワンコ」というイメージが最初はまったく湧かなかった(笑)。
なぜなら犬種の違いはあっても性格などそんなに違うものではないという先入観を持っていたからである。しかし考えてみればワンコだって生まれつきの性格もあれば育った環境がその後の考え方や行動に大きな影響を与えても不思議ではないしそれは当然のことだという気持ちが大きくなっていった。

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※ラテとの散歩中、見事なゴッドレイに出会う


そうした気質を初めて体験したのは飼い始めた直後であった...。
駅前の人通りが激しい歩道を歩いたときのこと、オトーサン自身がリードさばきに慣れないこともあり慎重の上にも慎重をとリードを最短に保持して百数十メートルを歩くことになった。無論それはすれ違い様にラテが人に飛びついたり最悪足などを噛んだりしないようにとの配慮だった。
無論ラテが特別危ないワンコだったということではない(笑)。何しろどのような状況がラテを興奮させたりあるいは怒らせたり不安がらせたりするのかもオトーサンはまったく分からなかったわけで、とにかく人通りの多い場所では万が一にも他人に飛びかかることのないようにと万全の体制をとったからであった。

それは確かにラテの行動を強く制約し自由意志に反する歩き方をさせることになるわけだが、ことは人通りが多い場所を通過する数分のことだからせいぜいリードを強く引いて反抗を示す程度だろうとオトーサンは考えていた。しかしラテはオトーサンが考えもしなかった行動に出た。
とりあえず人通りがピークの場所を過ぎたのでリードを緩めたとき、ラテは突然後ろ足立ちしオトーサンの後ろから腰のあたりを両前足で「ドン」と突いたのだった。瞬間オトーサンは抱っこでもして欲しいのかと思ったが状況は逆だった。
ラテは不本意にもリードを短くさせられ歩行を制約させられたことを怒ったのである。
「オトーサン、ひどい!」とでも言いたかったのか、両前足でオトーサンの腰当たりを歩きながら続けざま数回突き飛ばす行為に出たのだった(笑)。

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※オトーサンの指から上手にオヤツを食べるラテ


オトーサンも「このやろう!」と思ったが、ふと周りを見ると我々を見てクスクス笑っている人もいるわけで人前でワンコと喧嘩するにのも大人げないと思うと同時に何だか恥ずかしくてオトーサンも苦笑いしながらラテの突き飛ばしを受けながら歩いた...。
この時、オトーサンは初めてボランティアの方から言われた「感情表現がオーバーなワンコ」ということはこうした事なんだということを知ったがオーバーというだけでなく気性も激しいということを認識したのである。ただし正直嫌な感じではなかった。
感情が豊かということは...あくまで人間側の理屈だが...物事に対しての反応もよく、刺激に対してどんな形にせよ考えて反応するわけだから「この娘は馬鹿ではないはずだ」と察したのだ(笑)。

そういえば最近のワンコは吠えなくなったのではないかという気がする。なぜならワンコが吠えることは良い事ではなく迷惑なことだからしてなるべく吠えないようにワンコをトレーニングする傾向にあるらしい。
確かにすれ違い様、ワンコに吠えられるのは犬好きでも気持ちの良いものではない。
しかし例えば我々が「無駄吠え」と一刀両断に切り捨てるワンコの吠え声も本当は無駄であるはずはない。それはお腹が空いた、寂しい、具合が悪い、オシッコがしたい、怖い、不安だ...などなどといった何らかの意志をアピールしたいからこそ吠えるのであろう。そうしたことを考えれば無闇に吠えることを禁じるのではなく「なぜ吠えているのか」を推察し、その原因を考えてあげることこそコミュニケーションの第一歩だと思うのだ。
とはいっても家の中で、それも夜間に吠えられては正直たまったものではないし近所迷惑でもあるが、要は「吠えることはワンコの立派な意思表示」だということを理解してやらなければワンコはストレスを増大するだけだし簡単に泣き止まないだろう。

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※前方から人が来るので少々リードを引く。親ばかだが...ラテは美しい歩き方をする


それに大切な事はワンコに不案内な人は「ワン、ワン、ワン」という鳴き声はいつでも同じでありそれは相手を威嚇するためのものだと思いがちだが、一見同じような吠え声でも表情やボディランゲージを観察しているとそれは呼びかけや挨拶だったり、近寄りたい意味合いだったりと様々なニュアンスを持っていることがわかる。
そうしたことがわかってきたオトーサンはラテが...特に外で吠えることを制止することはあまりしなくなった。勿論明らかに相手のワンコに対して敵意むき出しで吠えかかるような場合は別だが、広い公園で歓喜の雄叫びを上げたりするのはある意味良い事だと思うようになった。
だからなのかラテはよく声を出す。
散歩の途中で脇の木に登って遊んでいる子供たちを見上げ「ウォオオオン」と声をかけるし、大好きなワンコの飼い主さんと出会えばこれまた大げさと思えるほどの声を上げながら嬉しそうに近づく。
いつもおやつをいただく飼い主さんの声を聞いたりその姿を見つけると「ウォーオン」と声をかけおやつの催促をする。
向こうから下校の子供たち...それもいつも可愛がってくれる女子たちの姿を見れば、ラテは急いで近づきながら「オーン」と挨拶する...といった具合だ。
それに散歩のため家を出たときには嬉しいのだろう、しばらくの間「ウオーン、オンオン」と雄叫びを上げながらオトーサンと走るのだ。ただしありがたいのは夜間でも室内にいるときや寝るとき吠えることがほとんどないことだ。であれば日中思い通りに声を張り上げさせてやろうと思っているオトーサンなのだ。

知らない人に対してや人混みの中を歩く際には相変わらずオトーサンはリードを短く持ち、例えすれ違い様でもラテが悪さをしないように注意をするし、明らかに吠えると思われる場面ではラテを制止させて牽制もするが、なるべくラテのお喋りは自由にさせておこうと考えているオトーサンなのだ。
普段はむっつり顔のラテが好きなこと、好きな人、好きなワンコに出会うときの変容は見事という外はないし、それを見ているオトーサンの喜びでもあるのだ。

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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員