ラテ飼育格闘日記(212)

この「ワンコの"ラテ" 飼育格闘日記」も本編で今年最後の回となった。次回は2011年1月1日(土曜日)の配信予定となる...。まあまあこの難しく混迷の度合いが益々深まる時代において、今年もお陰様でラテを含め家族全員が怪我や入院するような大病を患わずに過ごせたことだけで良しとしなければならないのかも知れない。


今年1年、ラテに関わることで印象深いことといえば大別して2つあった。ひとつはこれまでにも断片的にご紹介してきたがラテの知能の高さに驚くことが多かったこと、そして2つ目は散歩のときお馴染みの公園で出会う小学生の女子たちとの交流である...。
さて飼い犬の知能が高い...うんぬんといった話しは文字通りの親ばかであり、見ていただく方々にとっても気持ちの良い話しではないかも知れない(笑)。しかしこのことはワンコを飼っていらっしゃる方にとっては程度問題はともかく納得していただけるものではないだろうか。
特にこの4年の間、オトーサンは日々ラテの成長と共に過ごしてきたわけであり、大げさでなくワンコの知能の高さに驚くことが多い1年だったのである。

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※オトーサンたちにとってラテは大変良い子に育ったと自負している...


その第一はエピソード記憶が優れていることだ。物忘れが多くなってきたオトーサンと反対にラテの記憶力はその嗅覚など五感をフルに使っているとしても感心することしきりである。
一週間ほど前に通った道で猫に会ったとするとその後また一週間ぶりにその道を通ると猫と遭遇した場所にリードを引く。これまた猫の臭いが付いているのかも知れないがそこは別に猫のねぐらではないし前回はたまたま通りすがりで巡り会っただけのはずだが、やはりエピソード記憶として覚えているように思う。
そしてまた夕暮れの中、男の子が5,6名しゃがみ込んで遊んでいる5メートルほど前に来たとき、ラテがリードを強く引いた。オトーサンは注意をしつつ近づいたがラテは姿勢を低くして尻尾を大きく振りハアハア息をしながら1人の男の子に突進するように近づいたのだ。
オトーサンはその眼鏡をかけている子供を瞬間思い出せずにいたが、男の子はラテが飛びかからんばかりにしている姿を見て恐がりもせず「おお、ラテか!」と手を出してくれた。
一緒にいた友人が「お前は犬にもてるなぁ」と茶化すが男の子は苦笑しながらもラテを撫でてくれた。
ラテは嬉しさのあまり腰をねじってお腹を出したが、そのときオトーサンはその男の子が雄ワンコであるマキちゃんちのお子さんの友達だったことを思い出した。確かラテと遊んでくれていた時期はすでに2年ほども前だったし身長も伸びその時には眼鏡をかけていなかったのでオトーサンは気がつかなかったのである。だからその後一緒に遊んだこともないままだったのにラテは覚えていた!

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※この時期の朝は木々の葉が落ち、散歩途中の景色もシルエットが面白い


この種の記憶の良さを認めざるを得ないとすれば、ラテへの対応もいい加減に済ますことは出来ない...。ラテが自分に良い事も悪い事も同じように覚えているとすれば、オトーサンからお尻を叩かれたとか、無理矢理抱きかかえて嫌がるラテに頬ずりしたとか(笑)、ラテが好物を目の前にオトーサンにお手を繰り返したのにオトーサンはわざと知らん顔したとか...そういった日常のたわいもないあれこれをも記憶に残しているのかも知れない。
これはうかつな対応はできないなあと少々反省するオトーサンであった。

また行動面でも「これがワンコか?」と思うようなこともある。
ラテはリビングを占有する形で日常生活しているが、例えばそのフローリングに敷いた薄手の敷物やタオルケット、そしてクッションを実に巧みに扱って横になっている。
オトーサンたちは単に綺麗に洗った敷物などを床に敷いておくだけだが、ラテは思いつくとその敷物の中央や端を口で持ち上げて大きな偏りを作り、その偏りを枕にして頭や顎を乗せて休むということをやっている。まさしくベッドメイキングである。
そりゃあワンコも生き物だからして自分の気持ちの良い形で横になりたいのだろうとは思うが、ベッドメイキングのシーンを初めてみたときには感激したオトーサンだった。

さらに気遣いもできるワンコになった...。
毎々散歩に出るとき嬉しいのだろう...雄叫びを上げながら駆け出すのが常なのだ。オトーサンはなるべくラテの喜びに付き合おうと膝の痛さを我慢して数十メートルの距離をラテと共に小走りに走るようにしている。しかしこれが休日に女房と共に行く散歩だとラテの態度は違ったものになるのだから大したものである。
それはオトーサンが持ったリードを引くように声を上げて走り出すのはいつもと同じなのだが遊歩道の一区切りまでの距離を一気に走りきることはない。なぜなら十数メートル走ると足を止め、振り返って女房が後れていると近くに来るまでお座りして待ち、そしてまた走り出すということを繰り返すのだ。
自分の欲求だけをストレートに出すのが動物の常だと思っていたが、この気遣いにはオトーサンも驚くのである。

話題は変わるが次に印象深かったのは何といっても子供たち...特に小学生の女子たちとの交流である。
最近の夕方の散歩時にいつもの時間にいつもの公園に行っても2,3年前とは様子が違い、ワンコの姿は大変少ない。特にラテが心置きなく遊べる相手は決まっているからこれまた出会う確率は少なく小一時間の間にワンコと触れあえる時間がまったくないという日も多くなった。
特に今年はそうした傾向が多かったようだ。それぞれの家庭の都合も変わり、子供たちも進学が眼前に迫ったりしてなかなかワンコの世話を子供たちに任せることができなくなったようだ。そして大きいのはいつもの公園でワンコを遊ばすのを快く思っていない人たちがいてワンコの飼い主さんたちも嫌気がさしているのかも知れない。

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※とある休日の朝、久しぶりにビーグル犬のハリーちゃんが遊びに来たのでラテも大喜びだった


その友達ワンコの変わりと言っては叱られようが、ラテの寂しい心の隙間を埋めてくれるのが小学生の女子たちである。
これまでにも幾たびか印象的なシーンをご紹介してきたが、大人に対しては警戒心が強いラテがどういうことか子供にはとてもフレンドリーなのである。初対面の子供たちが近づいてきてもラテは耳を倒し尻尾をお尻ごと振って歓迎の意を示す。
だから旧知の女の子たちはラテに抱きつき、頬ずりし、座り込んでラテとチューをする子もいる...。一緒に走り、アイコンタクトしながら歌を歌い、またまた「ラテちゃん愛してる!」と抱きついたりしている(笑)。

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※大好きな女の子を見上げるラテの表情がまことに穏やかで嬉しそう!


この子供たちにしても毎日会えるわけではないが、彼女たちが公園で遊んでいればこそラテも楽しい一時を過ごせるというものだ。無論ときには負担になって尻尾が下がり、オトーサンに助けを求めてくるときもあるが...。

というわけでこの2010年もお陰様で何とか無事に過ごすことができた。そしてオトーサンは体力的に無理はしているものの良く歩くことは健康面においても確実に貢献してくれたに違いない。
ラテ様々の我が家なのである。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員