ラテ飼育格闘日記(203)

前回はラテがいかに人間の手から上手にオヤツを食べるかをご紹介してラテのオンリーワン的能力を自慢したが(笑)、今回は遊びについてのお話しをしてみたい。周りのワンコを見ているとどのワンコもボール遊びが好きなようだし飼い主さんの投げるボールやオモチャを執拗に追いかけ回しているが、ラテはまことに飽きやすい。

 

ラテと友達ワンコの比較第2弾である。比較というより違いといった方が適切なのかも知れないが、友達ワンコの多くは公園でボールやフリスビー遊びに夢中になっている姿を見かける。飼い主さんが投げるそうしたオモチャを嬉々として追いかけて持ち帰ることを飽きずに繰り返している姿はまことに微笑ましい。
ポメラニアンのリンちゃん、スタンダードプードルのムギちゃん、コーギーのアポロちゃん、ボストンテリアのボビーちゃん...そして柴のポン吉ちゃんなど皆飼い主さんが投げるオモチャを夢中で取りに行き驚喜してそれを繰り返している。
ではラテはどうかというとボールに興味はあるようだが残念ながらというべきか、まことに飽きっぽい。

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※オトーサンとラテは談笑中なのです(笑)

 
ボールを取り出して見せるとキラキラした目つきで明らかに喜んでいるしオトーサンが投げるとそれを咥えて持ってくるが、きちんとした行為はものの3回も続かない(笑)。
ここにもコンラート・ローレンツ博士ではないがラテはオオカミ系の血を引くワンコに思え、飼い主との協調性に欠けるというか、個人主義的傾向が強いように思える。
そういえば先に「哲学者とオオカミ」という本を紹介したがオオカミは飼い主の投げたボールや木の枝を取りに走らないという。飼い主がボールを投げ「取ってこい!」といっても「取ってこなければいけない大切なものなら投げるなよ」とでもいうような表情をするいう(笑)。

ラテはそこまで極端ではないがボール遊びひとつをとっても、オトーサンが投げ、それを咥えて回収する...といった繰り返しは性に合わないようだ。それは決してボールが好きではないという問題ではなく同じ事を繰り返すことに意味というか喜びを感じないといったことのようなのである。
その代わりと言ってはなんだが、ラテのボール遊びは他のワンコたちと違って少々変わっているのだ。どういうことかといえばまず1人遊びが好きだということ...。
まるで毛糸玉を追いかける猫のようにボールを追いかけ、両前足で転がし、くちで咥えて自ら放り投げてそれをまた追いかけるという遊びである。見ていると実に見事にボールを扱っている。



※1人ボール遊びをするラテ。120fpsで高速撮影した映像


ボールの遊び方にバリエーションがあるとすれば、それはボールが野球とかテニスボールほどのサイズでかつ堅いものなら前記したように前足でからんで転がし、口に咥えて放り投げる...といった形になるが、ボールのサイズが小さく柔らかいものだとまるでおでんの具のがんもどきでも食べているようにフガフガと口の中で甘噛みし、それをサッカーのリフティングのように軽く口から離して空中でまた咥え直し、興が乗ればそれを遠くに放り投げるという遊びをする。
他のワンコでも同じようなことをするのかも知れないが、ラテに放り投げる技を教えたのは実はオトーサンなのである。
大分昔の日記に書いたはずだがあるときラテがガムを咥え、頭を振りながら放り投げる仕草を見てこれは面白いとオトーサンの方に放らせ、オトーサンはそれをまたラテに向かって投げるというキャッチボールをやり始めたのだ。
勿論ラテの投げ返す方向は正確なものではないが、オトーサンに向かって投げ返すという意志は持っているようでたまたま具合がよい時にはその投げ返しは数回続くこともある。
ちなみにこの口に咥えて投げるという行為は場合によっては危ない...。その遊びのほとんどは室内でやるわけだが、ひと遊びしてオトーサンが一息入れているときラテの放ったガムがオトーサンの鼻先をかすめる...といったことも多々あるからだ(笑)。いや、かすめるどころか注意をしていないと大当たりになることもある。

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※友達ワンコのボーちゃんと体をぶつけ合って遊んでいるラテ。しかし抱擁しているみたい(笑)


公園で見る限り、前記したようにボールを追いかけ続けるとか、口に咥えたまま離さないといったワンコは沢山いるが、ボールを自分で転がし、口に咥えて放り投げて遊ぶワンコはいまのところラテしか見たことがない。
外での遊びはともかく我が家の室内での遊びは夕飯が終わったときに始まる。というか、オトーサンたちが一息つき、ラテも夕食を終えてオトーサンたちのおこぼれも貰って満足した後に遊ぶものだと思っているフシがあるのだ。
食事が終わるとラテはオトーサンたちの足下に座り込み「ウォ...ウォオ〜ン」と遊びを催促する。
ここしばらくそうした時にラテお気に入りのオモチャはボールでなくモンキーの縫いぐるみだ。この種のオモチャにも当たり外れがあり、せっかくオトーサンがなけなしの小遣いをはたいて飼ってきたものでも遊んでくれない場合もあるし、ものの5分で壊してしまうことも多々あった。そうしたことを考えるとこのモンキーの縫いぐるみは久しぶりのヒットだといえる。
それにボールだと放り投げて壁や床に当たると音がでる。日中ならともかく夜の11時過ぎにそれではお隣さんに迷惑をかけることになるが縫いぐるみなら音がしないので都合が良いし、ラテと取り合いになったときや強制的に取り上げる場合もボールだとラテの歯にぶつかったりと怪我をしかねない場合がある。しかしある程度の大きさの縫いぐるみは大変扱いやすいのだ。ただしビーズなどが入っている縫いぐるみは壊したときに危ないし、飾りが多くて食いちぎりやすいものもダメだ。その点いま遊んでいるモンキーの縫いぐるみはなかなかしっかり作っているし丈夫なのでお徳用だったが、それでもすでに一部から綿が出てしまったのでそろそろ買い換えないといけない...。

その縫いぐるみをオトーサンは部屋の隅に投げ「ラテ、もってこい」と命令する。ラテはモンキーの首根っこを咥え、振り回し、リフティングし、床や壁にたたき付けながらもオトーサンのところに持ってくる。
それだけお気に入りの縫いぐるみも結局オトーサンや女房が一緒にかまってやるからこそラテはその気になる。たまたま忙しくて相手をしてやれないとモンキーを横に置いたまま足を舐めていたりする覚めた性格のワンコがラテなのである(笑)。

そういえば...覚めた性格で思い出しが先日散歩から帰ったとき、珍しいことがあった。その日の散歩はラテが執拗にリードを引くのでオトーサンも負けてはならじと無視したり逆にリードを「バシッ」と強く引いて「ダメ」と言うなど対立の多い散歩だった。
自宅に戻って玄関のタタキでオトーサンがラテの体を拭く準備をしている間、ラテは大人しく伏せて待っているわけだがフト視線を感じてラテの方を見ると伏せてはいるものの、上目遣いでオトーサンを睨んでいる(笑)。いや、オトーサンの気の迷いではなくまさしくラテは不機嫌そのままの表情で視線をそらさずにらみ続けているのである。
そもそも知らないワンコとは視線を合わし続けることは危険である。睨むことは文字通り「ガンを飛ばす」ことになり攻撃される可能性もあるくらいなのだが、その日はラテがオトーサンにガンをつけているのだった(笑)。
ここがオトーサンの実力のみせどころである。オトーサンは視線を受けたままそらさずラテに近づき、黙ってにらみ返した。
そんなとき、普通ラテはすぐに目をそらすものだがその日は余程面白くなかったのか文字通り視線を外さず、瞬きもせずににらみ返している。そしてよく注意をして見ると尻尾を小刻みに振りつつ、何と口唇はめくっていないがマズルにほんの少しシワが寄っている...。

Latte203_02.jpg

※ラテのこの顔はちょっと不満足なことがある表情なのだ...


これまでそんなことはなかったが、どうやらラテは本気で怒っているようにオトーサンには思えた。これが知らないオヤジなら確実に飛びつかれて咬まれているのかも知れないが、ここでオトーサンが自ら視線を外したり愛想を使っては今後の力関係にさわると思い意識的に無言でにらみ返した...。
万に一つもラテが飛びかかってくるとは思っていないし怖いとは思ったことはないが、ラテの琥珀色の瞳に睨まれるとなかなか迫力があるのだ(笑)。そもそもオトーサンは果たしてラテが睨み合いの末にどんな反応を示すのかに興味があったのである...。
ラテとの距離は50cmほどだったが、そう...にらみ合いは20秒ほど続いた。瞬間ラテはフッと視線を外し脱力すると同時に立ち上がりオトーサンの顔に突進しオトーサンの口元をペロペロと舐め、いつもの笑顔に戻ったのだった。
まさしくこれはラテから和解を求めてきた証拠のような気がしてオトーサンはラテの太めの体を抱きしめてやった。

ラテ4歳半の秋、この小さなオオカミ犬のようなワンコは確実に利口にそして賢く育っている。彼女の7歳とか10歳の頃を想像することは難しいが、まだまだ日々学習しオトーサンたちの心のヒダまで読み取れるようなワンコになるのではないかと期待しているのだが(笑)。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員