ラテ飼育格闘日記(138)

物事には「飽きる」というある種のブレーキというか切替ポイントのための原動力となる意識が働くものだが、どういうわけかオトーサンにとってのラテは生き物だからというだけでなくますますのめり込んでいくようで自分でも少々困惑している...。「こんなオオカミみたいな、そして鋭い歯を持つワンコが何故にもこれほど可愛いのか」と思いつつ毎日を過ごしている(笑)。

 

愛犬との暮らしは...いや夫婦だって2年半も過ぎればさすがに惰性的になり、粗が目立ち、飽きが出てくるというのが一般的な見解か...(笑)。
確かにラテとの毎日も怪我とか病気といった場合は別だが、彼女の気性も呑み込めているし生活のパターンも決まっているからそうそう慌てたり困ったりすることはない。だから理窟ではラテとの暮らしも惰性というか飽きがきて以前より気を使わなくなるというのが普通なのかも知れないが、オトーサンはますますラテに惚れてしまったという...些か想定外というかおかしな具合になってきている。

いや、「擬人化の末に子供や孫と間違っているのでは」と笑われるかも知れないが、いくら何でもワンコを本当の意味で擬人化するほどオトーサンはまだ耄碌はしていない...。ワンコはワンコとして可愛いのである。
とはいえ何でもオトーサンのいうことをしっかりと聞き、オトーサンに愛情タップリの姿勢を見せるといったことが少ない異形の “娘” になぜこれほどまで惚れ込んでしまったのかと自分でも訝しく思っているのだ。
友人たちの中には「それが耄碌というやつなんだよ」としたり顔でいう者もいるが、そうだとすれば耄碌という代物もなかなか捨てたものではないではないかと思う(笑)。

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※オカーサンにアイコンタクトしながら歩くラテ


面白いといっては何だが、日々接していて楽しいのはやはり心を通わせることができる生き物としてワンコは最上級の存在なのだと思う。無論ラテが日常どんなことを考えているかは正直分からないものの、オトーサンたちに対峙するときの喜怒哀楽は明快だ。
嬉しいとき、楽しいとき、嫌なとき、怒っているときは勿論、元気なとき疲れたときなどなど我々人間と同じように態度と表情を見ればそれは分かるからだ。
そして時には健気にもオトーサンを気遣う態度を見せたりもするから何とも可愛いのだ。だからこそオトーサンとしても縁があって巡り会った小さな命を守ってやりたいとするある種の本能が働くのかも知れない...。まあラテはあまり小さくはないのだが...(笑)。

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※雨上がりの夕刻には素晴らしい二重の虹が我々を見守っていた(笑)


さて以前にもご紹介したが人類学者のエリザベス・M・トーマス著「犬たちの礼節ある社会生活」(草思社刊)に興味深いことが紹介されている。
それは犬の知能を査定するためのテストだ。
このテストはスイスの心理学者ピアジェ(1896~1980)が幼児の認知能力を図るために考案した「対象の永続性」テストというものの応用だが、それは「ある物を布などで覆って見えなくしても、その下にまだ物はあると認識する能力」を調べるテストだという。
実は我々人間も生後5ヶ月程度まではオモチャなどの上にタオルなどをかけたりするとオモチャ自体が無くなったと認識して興味を失うという。タオルなどで覆ってもその場所に存在し続けるという認識・概念を得ることを心理学で「対象の永続性」といい、生後5ヶ月を過ぎたころからこうした概念を会得すると言われているのだ。またそもそも課題解決への興味や動機付けが低いと「対象の永続性」の解決に失敗することになる。

実際のテストは床にワンコの好物の小さな食べ物を置き、その上にタオルやハンカチをかぶせて隠し、ワンコがどのように反応・行動するかを見るわけだが、トーマスの飼い犬の中で一番人間的で利口だと思われていたサンドッグというワンコは即座にタオルを鼻で押しのけてオヤツにかぶりついたがミスティというワンコはタオルの前で呆然とするだけだったという。
さらにパールというワンコは飼い主(トーマス)が見ている間はタオルに触れずに立ちつくしていたもののトーマスが少しの間その場を離れた時にオヤツを平らげたようだ。
一番印象的なのはルビーというワンコだが、このワンコはやおらタオルに食らいつき、しゃにむにタオルごとかじったという...。なんとオヤツを噛みきった布きれごと飲み込んでしまったわけだ(笑)。

また個人差はあるわけだが幼児は2歳くらいまである決まった条件下でしか物事の文脈を捉えることができないという。例えばいつもラフな洋服の父親がピシッとスーツを着て例えば駅で会ったとしても瞬時には自分の父親だと判断できない。触れられたり抱き上げられたりするまでは...。
人間とワンコを単純比較するなど乱暴なことは承知の上だが、その点ラテは衣装が違い持っている物も先ほどと違っている女房を駅のコンコースで発見することができる。また他者の感情や心理を把握推測しているものと思われる行動などと共に考えるならやはり高度な認知能力を持っていると考えるのが妥当だろう。

それから「対象の永続性」のテストで重要なことはワンコでもこれだけ反応が違うということ、そしてどの行動が真の意味で「利口」なのかどうかは正直分からないが...。ともかくラテはいわゆる空間的な把握には秀でているように思える。
ラテと歩く散歩道や遊歩道には自転車の進入を防ぐ柵やさまざまな物体があるわけでオトーサンが引いているリードはラテの侵入経路が違えば引っかかってしまう。しかしラテはそれら選択が必要な場に来るとそれまで引いていたリードを緩めオトーサンを先に行かせようとする。無論ステンレス製や鉄柵もラテが勝手に通り抜けようとすればリードが通らなくなるが、それらを考慮した歩き方をしているのは感心するしかない。

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※叱られるのを承知でオトーサンの顔色をうがいながらオカーサンの靴下を奪って遊ぶ...


まあ前記の筆者も述べているようにこの遊び...テストだけでワンコの知能の高さを調べるには少々乱暴だと思うしワンコにも性格の違いから来るものが影響することもあるだろう。しかしひとつの指針にはなると思うのでオトーサンもラテに対して試みることにした。
結論めくが、実は幼犬のときからこの種の遊びは多々実践してきたこともあり、そうそう程度の低い結果になるとは思わなかった。
ボールをリビングのいろいろな場所に隠して探させるとか、ラテの見ている前で少々届かない場所や一工夫しないと取れない場所に置いて、いかにしたら好きなボールを確保できるかといった遊びをやっていたのである。そうした遊びの中には絨毯の下に隠すこともやった結果ラテは空間的な把握、すなわち「タオルで隠した下にはさきほど見たオヤツが隠されている」という意識・感覚をきちんと把握しているものと思われる。

あらためてそのテストをやってみたラテの結果は見事だった。前記したサンドッグではないがタオルを鼻で押しのけ、時にはタオルを口に咥えて振り回し難なくその下にあったオヤツを口にした。何回やっても戸惑うような素振りは少しもなかった。目的を遂げた後もタオルの下にまだ食べ物があるのではないかと探し続ける始末...(笑)。



※ラテは「対象の永続性」を難なくクリアした


続いてオトーサンはタオルのテストより一段と難易度が高いと思われる「箱の中にオヤツを入れる」というテストもしてみた。これは文字通り段ボール箱にオヤツを入れるところをラテに見せた後それをラテがどのように扱うかを見るテスト...遊びだ。
他のワンコの場合、オヤツが箱の中に入っただけで興味を失うケースもあるらしいがラテはアクティブであった。

これまたラテは箱の中にオヤツが入っていることをきちんと把握している。そして箱を開けるか壊すかすればそのオヤツが自分の物になることも知っている。
このゲームもラテは難なくこなす。無論目的を遂げる時間は箱がどの程度頑丈なのか、あるいは開けやすいかに依存するのは当然としても紙製の箱を足で押さえて鼻面あるいは噛んでこじ開けたり、紙を噛みちぎったりして目的を遂げる様を見ていると惚れ惚れしてくる(笑)。
親ばかを承知ではあるが、そうしたラテを見ているとやはり高度な頭脳を持っていることを伺わせるし、オトーサンの機嫌を伺いながらの行動は見事というしかない。



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Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員