ラテ飼育格闘日記(131)

 引越までしてラテと一緒に生活し始めて早2年半になろうとしている。とにかくワンコを飼うことは始めてだったわけだが、こんなにもコミュニケーションを交わしあえる相手だとは夢にも思わなかった。無論ラテはオンリーワンであり他のワンコとの単純比較はできないものの彼女特有の生い立ちも関係してか、感情表現が豊かなワンコに成長したようだ。

 

6月10日はラテの誕生日である。今年で満3歳になるが無論本当のところは不明なので保護して下さった方や当時ラテを診察した獣医の話などから推定した誕生日だがまあ...「中らずと雖も遠からず」といったところだと思っている。
しかし当初は毎日をラテと過ごすだけで余裕もなければ予備知識もないという状態だったから気がつかなかったものの最近あらためて考えると「ああ、なるほどそうだったに違いない」と思い当たることが多くなってきた。

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※ラテもこの6月で満3歳になりました。太めですが元気です!

 
オトーサンはラテと暮らしはじめてすぐに彼女が非凡な能力を持っていることを感じ、何とかこの子の心の中を知りたいと願ってきた。
無論思い入れであることも承知の上だが「人は犬の心を理解できる」と思えたとき、逆にラテの方がより以上に我々のことを知ろうと努力しまた知っていることも分かってきた。事実動物は我々が想像する以上に我々の感情の機微を知ることができるようだ。
その一例だが皆さんは20世紀の初頭のことだが...「賢いハンス」と呼ばれていた馬の逸話をご存じだろうか。

ハンスはドイツの馬だったが数学ができるということで知られるようになった。この馬は黒板に書かれた公式や数式を見せられ、条件となる数字を与えられるとその答えを蹄で床を叩いたり答えの書かれたカードを示したりして知らせることができた。
高名な科学者たちがこぞってハンスを調べに来たが、飼い主だけなく他の人が出した問題も苦もなく解き学会の驚異となった。
その後やっとハンスは数学を解いているのではなく、質問者が無意識に出している「そこで止まれ(終わり)」というサイン、例えば深呼吸、緊張が解ける瞬間、目つきの変化などを読み取り床を叩くのを止める...あるいは正解のカードの前で止まっていたことが分かった。
こうした結果を知った人たちの中には「そら見たことか。動物に計算能力はおろか意識などないのだから」と言い合ったそうだが、計算能力はなくてもハンスは間違いなく賢い馬だったのだ。

ここで言いたいことはワンコは馬と同等かそれ以上に人の心の機微を読む名人(犬)だということだ。そしてオトーサンたちには不可解でもその行動には何がしかの理由があるのだということもわかってきた。無論その理由が何であるかが理解できないのが問題なのだが...。
そうしたことを前提にラテの些かオーバーな感情表現と嫉妬深いその心理を探ってみるとオトーサン自身納得できるあれこれが分かってきた。

何度もご紹介しているとおり、ラテはオトーサンにベタベタするワンコではない。
飼い犬の中には常に飼い主の膝に乗りたがったり、足元にくっつくように踞ったり、添い寝をしたり、あるいは飼い主の歩く後を追うワンコも多いという。しかしラテは残念ながらそうした行動をほとんど見せない。特にオトーサンには...。
最初に厳しく接しし過ぎたのだろうか、オトーサンがラテに近づくと緊張する様が手に取るようにわかるのだ。耳を引き倒し、アクビを頻繁にする。無論アクビは眠いからではなく緊張を解く動作だという。そしてオトーサンがより近づくと体を離そうと傾ける(笑)。
嫌われているのかと思えばそうでもないようで(ホントか...)、興がのれば居眠りしているオトーサンの口を舐めにきたり、椅子に座っていると靴下を引っ張って脱がしにかかったりもする。そして公園ではオトーサンに頭を低くしお尻を高くする「遊ぼう!」のサインを出して駆けっこをせがんだりもする。

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※オトーサンが石垣に足を乗せると早速真似をするラテ

 
そんなラテだが例えば休日の散歩で公園に行き、オトーサンがちょいとトイレに行く間リードを女房に渡す。そしてほんの2,3分で戻るとラテは大げさと思うほどの歓迎ぶりで喜びを表すのだ。
満面の笑顔をし、尻尾だけでなくその大きなお尻まで振ってオトーサンに向かって駆けてくる。まあオトーサンとしては大変嬉しいのだが「おいおい、ほんの2,3分会わなかっただけにしては大げさでないか」とも思う(笑)。
また朝の駅コンコースで会う犬好きの女性にお願いされてラテのリードを渡そうとしたとき...ラテの顔には明らかに恐怖の表情を見たとオトーサンは思っている。そして慌ててオトーサンに抱きついてきたのだ...。
こうした一見脈絡がないように思うラテの行動だが、一緒に暮らして早2年半になったいま考えるとラテなりに一本筋が通った思いを見て取れるようだ...。

そういえば1996年11月、横浜の動物病院で開催された里親会でラテ(その時は違う名だったが)に初めて会ったとき、彼女の我々に対する接し方だが.....その時に予備知識のなかったオトーサンには分からなかったものの.....今思えばラテは自分の運命の行く末を案じていたのではないかという確信みたいなものを感じるようになった。
他のワンコたちも程度問題一緒だったのかも知れないが、ラテはまだ6ヶ月程度の子犬だったものの我々がその場にいた2時間ばかりの間、暴れたり騒いだりは勿論、吠えたりすることは一度もなかった。
たまたま行きかがり上、係の方にお願いされてラテのリードを持つことになったオトーサンもそこにいる7,8匹のワンコの中からどのワンコがいいかと考えていたわけだ。キャバリエに興味を持ったり、あの白いテリア系のワンコが大人しくていいかなぁ...などと係の人に聞いてみたりする間、ラテはずっとオトーサンの帽子を舐め回していた(笑)。そして初対面なのに尻尾やお腹を触ろうと、そして口の中に指を入れたりしたオトーサンを嫌がらなかった。

いま思うとラテはその場がどのような意味を持っているのかを本能的に知っていたのではないだろうか。
例え一ヶ月かそこいらだったとしてもノラ犬の経験があったであろうラテにとって、ここは自分の飼い主が決まる大切な場であり、いまリードを握っている男はその飼い主になるかも知れないことを知っていたのではあるまいか。
確かにオトーサンたちは結果としてラテを選んだが、実はラテの方もオトーサンたちを選んでくれたのかも知れない。その気持ちが態度や行動に出たこともありオトーサンたちの選択肢に大きな影響を与えたのかも知れない...。いや、もしかしたら選ばれたのはオトーサンたちだったのだ。そう思い当たるようになったのである。

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※公園で一休み...。オトーサンとラテは雑談中です(笑)

 
散歩の途中でラテを柵などにリードを固定し、オトーサンが数歩離れようとすると吠えて大変である。また散歩から自宅にもどったとき、直前までまだ散歩を続けたいとリードを引いていたラテが、オトーサンがドアを開けて玄関に入る際に遅れてはならないとばかりオトーサンの脇を急いですり抜けて中に入る...。
また宅配便のお兄さんはもとより、来客の人たちも姿が見えない場合はほとんど吠えないラテだが、ドアが開き相手の姿が見えると...ましてやラテのいる部屋に入ると猛烈に吠えるしその尻尾は下がってしまう。

これらの行動は自分だけ置いてけぼりにされるのが怖いのかも知れないし、先のリードを渡そうとした際に見せたラテの恐怖の表情と合わせて考えると、万が一にも自分の選んだオトーサンたち...飼い主が変わるかも知れないことに常に恐怖感みたいなものを持っていると考えるとその態度は理解がしやすいように思う。
だから数分でもオトーサンの姿が見えないと不安になり、それが解消されると喜ばざるを得ないラテなのだ。ただし誤解がないように申し上げておくと、ラテに分離不安といった傾向はない。日常はきちんと留守番ができるワンコに成長している...。だからこそ興味深い行動なのだ。

ともかく人一倍...いや犬一倍嫉妬深いのも同じ類の思いからくるのかも知れないしこうしたラテの一連の行動・性格は一時期ノラ犬だった事実や保護預かりしていただいた方が変わったり...という体験がトラウマになっているのではないだろうか。
そんなことを考えながらラテをそっと抱きしめたオトーサンだが、ラテは迷惑顔である(笑)。

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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員