ラテ飼育格闘日記(114)

 毎日愛犬と共に過ごしているとワンコとはどのような生きものなのかが多少でも分かってきたと思っている。お陰様で多少は余裕がでてきたのか最初は愛犬の一挙一動に注目してきたものの最近はラテはオトーサンたちのことをどのように思っているのかが気になっている...。

 

 我々人間も気分や体調により機嫌が良かったり悪かったりするし、第三者に対しても時にその対応が違うことは多々あり得ることだ。そして昨日の敵は今日の友かも知れないしその逆もまたしかりでろう...。
そうしたことを考えれば人間より肉体の成長が早いワンコだからして、その変化が著しいとしても不思議ではなく、以前会ったときには友好的なワンコに対して今日の散歩のときには吠え合う...といったこともあり得ると考えなければならない。

オトーサンは当初ワンコを飼うことを決意したとき、犬種によりその基本的な気質は違うものの「犬はすべて犬である」といった感覚を持っていた。
確かに雄と雌は体格を含めて性向が違うことは想像できたが、ワンコは唸り・吠え・噛みつくものだと単純に考えていたフシがある。しかし実際にラテを里親として引取り、文字通り365日一緒に生活していると感情移入ではなくワンコの知能の高さとその豊かな感情表現に驚くし、また仲間のワンコたちと比較してみるとそれぞれが独特の性格を持っていることが分かるようになってきた。

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※朝早く同じ時間に散歩に出るが、空がいささか明るくなってきた...

 
これまでいわゆる社会性を植え付けるため、リードの使い方やコマンドの与え方、効果的な声の出し方や叱り方など、オトーサンが良かれと考えることをいかに学習させるかを中心に毎日を過ごしてきた感がある。
オトーサンが発する命令をどのようにしたらスムーズに答えてくれるか、悪いことをしたときにどのように叱ったら効果があるのか、リードの引きが強い場合にどのように対処をしたら言うことを聞くのか...などなど、とにかくラテをオトーサンたちの考える良い子に近づけるために多くの気を使ってきた。
無論これまで教えてきたことはこれからも引き続き忘れないように、そしてオトーサンたちの主旨がいつも一貫しているという意味で続けていかなくてはならないが、最近はオトーサンの思いをラテに伝えるということよりラテがオトーサンたちをどのように考えているのかが気になってきたのである。

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※緑が豊かな道をラテと歩くのは何とも楽しい!

 
ものの本によればワンコから見た人間は犬の同類と見ているからこそ、意思疎通ができるといったことが定説になっている。さまざまな専門家が様々な説を唱えるが、こと「犬は我々をどのように見ているか」といった話しにはほとんどが意見を同じくしているのは面白い。
例えば野村獣医科Vセンター院長の野村潤一郎氏はその著書「犬に関する100問100答」の中で「犬にとって人間とは何ですか?」への回答として、同族だと答えた上で「同族だからこそ人間社会にとけ込めるし、飼い主と飼い主の奥さん、または子供などなどと一緒になり、ひとつの群れになることができる」としている。
ムツゴロウ動物王国の石川利昭氏は著書「飼育マニュアルに吠えろ!」で「犬は人間家族を群れの仲間とは思っていない」といい「上下関係ではなく母と子の関係」だと力説している。すなわちニュアンスはかなり違うものの、母と子の関係だとすれば無論ワンコ側から見て我々は犬の同族の親と見られていることになるのだろう...。
「犬の科学」という本の中で筆者のスティーブン・ブディアンスキー氏は「犬は人間を犬だと思っている」とし「人間と犬とはある程度共通しているものがあり、犬は、人間の行為を何とか犬社会の枠組みに取り込むことができる」と説明している。
犬に関する多くの著書を書いている心理学者スタンレー・コレン氏も「犬も平気でうそをつく?」でやはり「犬は人を犬だ思っている」と説明し、かつ「『うちの犬は、自分を人間だと思っています』これは間違いだ。犬は、私たち人間を犬だと思っているのだ。四本足ではなく二本足で歩く、妙な姿をした犬、犬的な行動に完全には反応できない、あまり頭のよくない犬」だという。だから彼らは人間とつき合うことができるのだと...。

ともかく最近では「ワンコはオオカミの血を引いており、リーダーの元、群れで生活し、ある意味で常にワンコ自身がリーダーの地位を狙っている」といった説は否定されつつある。
犬とオオカミはすでに違った生きものであり、家犬は人に依存することなしに生きてはいけないことを知っていると考えられる。
そしてこの2年の間、毎日ラテと暮らしてきたオトーサンの感覚では「犬は人間を犬の同族とみなしている」というこれらの説に強い違和感を覚えるのである。
それはラテがワンコと人に対峙するとき、明らかな対応の違いを感じるからだ。
対応が違うということはそれなりに相手を区別していると考えて間違いないと思う。

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※彼女は...何をかんがえているのだろうか?最近気になってならない...

 
確かに人に対してラテは前足を投げ出し頭を低く、お尻を高くするという例の「遊ぼう」ポーズで誘うことも多い...。したがってこうした行動・行為をするのはワンコが人を犬と同一視している証拠だという人たちもいるわけだが、それはあまりに短絡的な考えだと思う。
なぜならワンコは相手に対して「遊ぼう」という意思表示をする場合、ワンコとしてそうしたポーズを取る方法しか知らないに違いない。だからワンコに対しても人に対しても同じポーズをするからといって人を犬と同様に捉えていると考えるのはいささか早計だと思うのだ。
さらにラテは明らかに人とワンコと区別した対応を取る。

例えばラテは子供、特に小学生が大好きのようで、向こうから下校途中の生徒たち数人が歩いてくる度に姿勢を低くし身を倒し、尻尾をブルンブルン振り、身体をよじるようにしつつ目を大きく見開き、口も開けていわゆる満面の笑顔を見せて近づく。
もし子供たちの中で一人でも相手をしてくれる場合にはお腹を出して最大級の喜びを表すが残念ながらそうした子供は多くはなく、ほとんどの場合は身を引きラテに近づこうとはしない...。
するとラテはさも残念な表情をしたり、あるときはあまりに喜びすぎたことを恥じているかのように照れくさそうな顔でオトーサンを見上げるのだ。

面白いのはラテがそうした態度で近づこうとする子供たちがまったくの初対面であっても同じ態度を見せることだ。そしてここがポイントだが、そうしたやり方をラテはワンコに対しては決して見せないのである。
大好きなワンコに会ったときも似たような動作をするものの、彼ら彼女たちに対してはもっとストレートだし、そもそも人間の子供に対してはまったくといって良いほど好き嫌い無く近づくが、ワンコに対しては警戒心が強く、初めて会ったワンコに前記したような満面の笑顔で近づくということは絶対にない。その差は大変興味深いことだと思っている。

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※身体全体をぶつけ合ってボーダーコリーと遊ぶラテ。まるで踊っているようだ

 
それはオトーサンにとって、ラテが人間と犬とをきちんと区別していることの証のように思える。
こうした意見をいうと「犬は人間を犬と思っているが、4つ足と2本足の犬として区別しているだけでは...」という反論が聞こえそうだ。しかしラテは相手が犬の場合と人間の場合とではまったく違った喜びを与えてくれることを明確に知っている。そして少なくともラテは好きなワンコと好きな人が一緒の場にいるとき、人の方に近づきたいと行動することも確かなのだ。

無論ラテが2本足の我々を文字通り「人間」と認識しているかは知る由もないが、同時に「2本足の同族」と認識している証拠もない。しかしその明らかな接するときの態度の違いを考えればまったく別の相手ということをきちんと認識していると考えるのも合理的だと思う。
そうしたことからオトーサンは「犬は人を犬族と思っている」という定説には大いに疑問を持っているし、ワンコほどの頭脳があれば犬と人間をまったく別の生きものと認知しても不思議はないと考える。
「犬は人間を同族と思っている」という定説は、まだまだ「犬という動物はオオカミのように群れの中で生きていくものだ」という旧来からの説から抜け出ていないように思えるのだ。

いま気になっていることといえば、ラテにとってオトーサンは何者なのかということだ(笑)。
果たしてオトーサンそのものなのか、それとも母親とか兄なのか...あるいは気を許した親友なのだろうか...。

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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員