ラテ飼育格闘日記(89)

ワンコの素晴らしいところは人間達の気配はもとより、その精神状態や何を望んでいるのかを敏感に察知することだ。そして心が通っていると思わせるに十分な行動を取ったりして飼い主を喜ばせる。 


先日ネットのニュースで「人間のあくび、犬にも『伝染』することが判明」という記事が目に付いた。英国の科学者たちの研究だそうだが、人間のあくびが犬に移ることが英国の研究で明らかになり、これにより犬にも初歩的な他者に共感する能力があることが示されたという。 
他者があくびしているのを見てあくびが引き起こされる現象についてはこれまで人間とチンパンジーでしか確認されていなかったという。 
しかしワンコの飼い主なら「なにを今さら」と思うに違いないし、茶化すわけではないがオトーサンも研究云々以前に毎日そうした光景にお目にかかっているわけで目新しい情報ではない。そして「犬にも初歩的な他者に共感する能力が...」という書き方にはカチンとくる(笑)。ワンコほど飼い主の顔色を読み、気分を敏感に知り得る動物は他にいないのではないかと思うほどだから...。 

まさしく飼い主はワンコが寝ているとき以外常に観察されていると考えるべきだ。文字通り一挙一動を観察されていると思うべきで、オトーサンの機嫌がよいのか悪いのかなどはお見通しと考えるべきだろう。それに引き替え、我々飼い主は何とワンコのことを知らなさすぎるのだろうか...。 
まあ、それも仕方がないだろうと思う。オトーサンたち飼い主はワンコのように暇ではない(笑)。一日中ワンコの言動を観察していることはできないからだ。それでも日々一年半以上も一緒にいればラテの気性はもとよりだが、いま吠えたことやボディランゲージがどのような意味合いを持つのかをうすうす分かるようになってきた。 
無論こちらの思い入れもあるだろうが、ラテの表情や行動は正直にいま考えていることを表していると思うからだ。 

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※落ちてきた蝉に怖々近づくラテ


先日のことだが朝の散歩のとき、天気も良いしラテの写真を撮ろうと思った。しかし左手にリード、右手にXacti (サンヨーのムービーカメラ)ではいつも同じアングルでしか撮れない...。そう思ってラテを外灯のポールにつないでみたが、ラテは急に細かな足踏みをはじめて落ち着かない様子なのだ。オトーサンはラテから離れてカメラを向けようと数歩歩き出すとラテは「くう~ん」と鳴きそわそわし始める。しまいには悲しそうな吠え方に変わった...。 
どうしたのかと駆け寄ったら、普段めったにオトーサンにはやらない行動...すなわち尻尾をブルブル振り、耳を倒して歓迎の動作をするのだ。ほんの10数秒離れただけなのに...。 
思うに一年半以上も毎日一緒に暮らしているにもかかわらず、ノラワンコの時代があった彼女には飼い主が離れていくことにいまだ大きなトラウマを持っているのではないか...。そんな思いにかられたオトーサンは愛おしくなり、通勤で人が行き交う場所もかまわずラテを強く抱きしめてやった。 
そういえばオトーサンは散歩の途中、ラテをつないでその場を離れるということはコンビニなどの店内に入るとき以外にほとんどやったことがないことに気がついた。だからこそ広い場所でつながれ、そしてオトーサンが離れると置き去りにされるのではないかと危惧したのかも知れない。明らかにラテの顔には不安の表情が漂っていたし...。ま、分かりやすい性格なのだ(笑)。 

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※つないで離れた直後、悲しい声をあげるラテ。表情も不安そうだ...


そのラテはいつ覚えたのか、興味深いしぐさを見せるようになった。 
基本的な訓練を忘れないという意味でも、またリーダーシップを意識させる意味でもオヤツをあげるとき、オトーサンは必ず「お座り」とか「お手」をやらせる。オトーサンがオヤツを持ってラテの前に座り「お手」といえば無論素早くお手をする。場合によってはオヤツを欲しいあまりにこちらが何も言っていないうちにお手を繰り出すこともある(笑)。 
オトーサンはラテの差し出した前足を軽く握ってすぐに離すと当然ラテはその前足を引いて元に戻す。まあどのワンコもお手とはそんなものだと思うが、ラテはオヤツが大好物の場合はいささかそのお手の仕方が変わってくるのである。 

例えばオトーサンたちがカップのアイスクリームを食べたとする。女房は口移しでラテにお裾分けをしたりするが、ラテ一番の興味はその香りと周りにアイスクリームが少し残っている紙製のカップそのものにあるらしい。 
私たちが食べ終わるのを知ると椅子に座っているオトーサンの前にきちんとお座りし、口を開け、目をきらきらさせながらそのカップをもらえるのを待っている。 
オトーサンが左手にカップを持ち、右手を自身の膝の上に乗せてラテの方に向き合う瞬間、何も命令していないのにラテは左前足をオトーサンの右手の上に掛けてくるのだ。 
無論これはラテにとって「お手」なのだが、大のお気に入りのアイテムの場合はそのお手をすぐには引っ込めない...。 
オトーサンはこの場合、ラテの前足を握っているわけではなくラテが自主的にお手をしているわけだが、カップの周りについた少量のアイスクリームを舐め終わるまでお手をしたままなのである(笑)。 
なんだか、お手を止めるとカップを取り上げられてしまうと思っているのだろうか...。片手をオトーサンに預けたままに僅かのアイスクリームを舐めている...さぞや食べにくいだろうと思いながらそんなしぐさを眺めていると涙腺の弱いオトーサンはまたまたウルウルしてしまうのだ。 

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※機嫌が直るとこんな笑顔を見せてくれた。ちょっと毛が伸び過ぎたかな...


そういえば、主食はもとよりだがオヤツなどの食べ方でも意外な面を発見した。それは物の食べ方で好物を知る方法だが、単純に好きな物を食べるときは勢いがいいということではない(笑)。 
例えばここに量の多い食べ物と少ない同じ食べ物が等距離にあったとするとワンコは...猿でもいいが...どちらを先に選ぶか?という話題を聞いたことがある。無論答えは量の多い方に違いない...。すなわち食べられる時に食べておかないと次の一瞬敵の攻撃があるかもしれないから...ということらしい。そして猿などは好物から先に食べるともいわれ、「好きな物は後でゆっくり」という選択は過酷な自然界には合わないわけだ。 

自然界ではそれが正解なのだろうし一般的にワンコも同じだと思うが、ラテはちょっと違った面を見せる。 
器にミルクを入れて差し出すとしようか...。ラテは喜んでそれを舐め始めるが舌の動きが激しく、勢い余って器の周りに少量飛び散ったりするときがある。そうしたとき、大好きなアイテムに限ってだが、まだ器に十分な量が残っているにもかかわらず、器の周りに飛び散ったものをさも大切というように丁寧に舐める。 
前記したような理窟からこれは生存競争の面から考えると危ない行動に違いない。本来なら目の前にある量のあるものに注意を向けるべきだと思うが、その点ラテはすでに自宅での食事中、誰かにそれを奪われる危険性を考えていないということになるのかも知れない。しかし差し出された食べ物が好きでない場合、器の外に飛び出したものには目もくれないどころか自分で器の外に出してしまうことさえある...。こうした行為の違いでラテの好みの食べ物を知ることが出来るのだから面白い。 

そんなラテだがそれでもまだまだミステリアスな部分もある。そのひとつが夕方の散歩の時間になり、オトーサンがリードを持って「ラテ、散歩だよ」とリビングに入っていくときのラテの態度である。素直に飛んでくる場合が普通だが、たまたま声をかけた途端にボールやガムを咥えて遊び始めるときがある...。 
オトーサンが再び声をかけても「わたし、いま忙しいの」とでも言わんばかりでこれ見よがしにボールを追いかけている。では散歩に行きたくないのかといえば、そういうことではないらしい。 
オトーサンが焦れ「行かないならいいよ...ラテ、バイバイ!」と立ち去ろうとすると、これはマズイとばかり飛んでくるのだ。 
散歩に出るそのときになってそれまで寝ていたラテが待ってましたとばかりに遊び始めるその意図が正直まだオトーサンには分からない...。何らかの抵抗の意味なのか、それとも嬉しさのあまりのセレモニーなのか、今後の付き合いで解明したいと考えているひとつである(笑)。 

ともかく散歩は楽しいがこの猛暑のためにオトーサンはもとより、ラテにとっても体力的に辛い時期だ。 
自宅に戻り最初にやってあげることは冷たい水に浸し、絞ったタオルで頭を包んでやることである。十数秒後にそのタオルを外したときのラテの顔は何とも言えない良い顔なのだ...。その表情を見ているとオトーサン自身の大汗もすっと引いていくような気がするのである。 

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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員