右手の腱鞘炎の原因を検証する

一昨日、再び腱鞘炎治療のその後を確認するために整形外科へ行った。元々メスを入れた部分も小さかったし、後は注射をした程度なので傷そのものは小さくすでに包帯は取れている。 


先日の記事をお読みになった方からいくつかお見舞いをいただいた。あらためて御礼を申し上げる。 
前回お見せした写真は医者に処置してもらったものだからやらせではないが(笑)、傷の程度から考えれば少々大げさだったのかも知れない。しかし特に親指の痛さは箸もまもとに持てなかったのだから不自由で仕方がなかった...。 
朝起きると右手の掌...というより指が曲がったまま硬直し、少しずつ痛みをこらえながら開かなければならなかった。 
水道のノブを回す、ワンコの餌袋のチャックを開ける、シャツのボタンをはめる、小銭入れから小銭を取り出す...などなど、親指の痛さに持ったモノを取り落とすこともあった。勿論、ギターを奏でることなどできない。痛みもそうだが、指が意志の通り均等に動かないのだから...。 
しかしお陰様で治療の効果があって親指の関節がガクガクとする点は治っていないが痛みはほとんど取れた。親指を掌に収めてグーもできるようになった(笑)。 

この腱鞘炎の原因は100%マウスにあると考えている。それもApple特有のワンボタンマウスが原因なのだ...。だからといってAppleに訴訟を起こそうというわけではない(爆)。 
以前にも同種のことを書いた覚えがあるが、現在のMighty Mouseも含めてワンボタンマウスを右手で保持するには親指と中指でマウスのボディを挟み込み、人差し指でクリック操作をすることになる。 
別にこうしたオペレーションが基本というわけではないが、多分一般的にはこのような持ち方になるだろうし、例えば最初期のMacintoshに付属していたマニュアル類にもそうした持ち方をした写真が掲載されている。 

page4_blog_entry399_1.jpg

※MacWriteのマニュアルに掲載されている写真。まあ、このようなホールドの方法が一般的なのだろう


問題のひとつは、本来机上でマウスを持ち上げるとき以外、親指と中指はマウスを支えるだけでよく、力を入れる必要がないはすだ。しかし、気がつくと結構な力を入れていることに気づくのだ。これは長い間の癖としか言いようがないが、そのために親指と中指に大きな負担がかかることになる。 
そしてまさしく今回痛みが激しいのがこの親指と中指なのだ。 

それより問題と思うのが最近のマウスのデザインである。私見ながらこのシンプルで使いよいはずのマウスが実は腱鞘炎の原因となっているように思われる。 
もしお手元にMighty MouseとかPro Mouseといったものがあれば手にとっていただきたい。これらのマウスが掌と指に余計な負担をかける直接の要因はマウスの左右にあるサイドボタンにある。 
このサイドボタンはマウスからボタンらしきデザインが無くなった際に考案されたもので、マウスの上カバーの前部分全体がボタンになりうる設計のため、逆にマウス本体を何らかの形でホールドする必要が出てきたわけだ。 
その上まずいことにサイドボタンの位置が左右同じ位置に置かれていること...。このサイドボタンに合わせて忠実に親指と中指を置いて挟むと、マウスクリックのための人差し指はかなりマウスの右寄りにかかることになる。 

page4_blog_entry399_2.jpg

※サイドボタン位置を親指と中指で挟むと必然的に人差し指はマウスの右側に位置する


この状態でMighty Mouseをツーボタン設定にするなら左ボタン位置を押すにはかなり親指が不自然な形になり力も入る。そうした意味も含めて私はワンボタン設定にしているのだが...。 
勿論右サイドのサイドボタンに中指でなく薬指をかければよいのだろうが、これはワンボタンマウスを1984年から使い続けてきた習慣だからおいそれとは変えられない。 

page4_blog_entry399_3.jpg

※前記したホールドのままで人差し指を左ボタン位置に置こうとすると親指にもかなりの力が入る


私は1983年にNEC PC-100にバンドルされていたいわゆるマイクロソフト・マウス、そして1984年に登場したMacintosh 128Kのワンボタンマウスからめんめんと現在まで24年も使い続けている。その途中で肩が凝るとか腕が痛いといったことは多々あったが、今回のように本格的?な腱鞘炎に到ったことはなかった。ではなぜ今頃になって腱鞘炎となったのか...。 
加齢や疲労が蓄積したという原因もあるのかも知れないが、直接的な要因は現在のノーボタンに見える水菓子のようなPro Mouseになってからだと思われる。 

page4_blog_entry399_4.jpg

※なかなか衝撃的なデビューをした美しいApple Pro Mouse


前記したようにその上面の前部分すべてがボタンとなる設計のため、そのクリックを邪魔しないホールドをしようとして余計な力を入れてしまうのだ。さらにMighty Mouseになってスクロールボールが登場し、便利だからとその人差し指の位置は左右のサイドボタンを挟んでいる親指と中指にとっていささか不自然な形を強要されることになった。 

ちなみに角マウスなどといわれているADBタイプの古いマウスをあらためて持つと、ボール式のこともあって現在の光学式マウスと感触は違うものの、掌に包んだ感じが意外に心地よいことがわかる。 
そしてボタン部分が明確に独立しているから、それを邪魔しない範囲でマウス本体をどのようにホールドしてもよく、指の位置の自由度が高いように思われる。 

page4_blog_entry399_5.jpg

※マウスボタン位置が決まっている分だけホールドに自由度が生まれる。ちなみにこのマウスの持ち方は自然に前記したMacWriteマニュアルにある写真と同じになる


「それはお前の持ち方が悪い」と言われればそれまでだが、ある意味でAppleの意図する方法に忠実に、それが習慣として長い間身に付いてしまっただけにホールドのやりかたひとつを変えるのもなかなか難しい...。 

ということで現在は右手の負担を最小限にしようとマウスを完全に掌に包み込むようにして使っている。しいて説明するならサイドボタン位置を親指と小指で挟むと言えばお分かりだろうか...。 
これだと小指に力がないからマウス本体を必要以上に支えようとしないし、マウスクリックも(ワンボタン設定だが)人差し指/中指/薬指全体で行うようにすれば力が分散するように思われるからだ。 

page4_blog_entry399_6.jpg

※マウスを掌で完全に包み込むと特定の指に余計な力が入らない。ただし使い慣れないのでまだ違和感がある


ただしマウス操作は人により、手の大きさや指の長さなどの違いがあるから一概に言えないが、自分で一番楽なように意識的に改めないとどなたでも腱鞘炎の可能性があると思う。 
Appleのいうところの「シンプル」「クール」を強調するデザインもいいけれど、マウスはMacintosh本体と違い、長い時間手に持ち続ける道具である。そうした意味で現在のAppleマウスを考えると、まだまだ本当の意味で人間工学の見知から熟考されたデザインに到っていないと思う。 
まあ、そうまでしてマウスを使わなければならない点が一番の問題なのだが(笑)、マウスというポインティングデバイスそのものも、そろそろ根本的に考え直す必要がある時期に来ていると思う昨今である。

関連記事
メイン広告
ネットショップ先行販売
ブログ内検索
New web site
[小説]未来を垣間見たカリスマ  スティーブ・ジョブズ
ジョブズ学入門
WATCH 講座
大塚国際美術館ひとり旅
ラテ飼育格闘日記
最新記事
お勧めの新旧記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

appletechlab

Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。日本シャーロック・ホームズクラブ会員。日本リュート協会会員。ゆうMUG会員