史上初のLightning/USB MIDIインターフェイス「IK Multimedia iRig MIDI 2」発売

フォーカルポイント株式会社は7月30日、IK Multimedia Production srl(本社:イタリア モデナ 以下IK Multimedia)のiPhone、iPad、Mac/PCに対応した、史上初のLightning/USB MIDIインターフェイス「IK Multimedia iRig MIDI 2」を全国の家電量販店、オーディオ専門店などを通じて発売すると発表。同社の運営するオンラインストアでも13,500円(税抜)で予約受付中。



【IK Multimedia iRig MIDI 2 について】
IK Multimedia iRig MIDI 2(アイケー マルチメディア アイリグ ミディ ツー以下、本製品)は、MIDIインターフェースとしてははじめて、iPhone、iPad、iPod touch対応のLightningケーブルとMac/PC対応USBケーブルの両方が同梱された製品で、自宅で電子ピアノにiPadを接続して練習する時、スタジオでシンセサイザーをMac/PCに接続して作曲する時、ライブでキーボードに音源アプリの入ったiPhoneを接続して演奏する時など、あらゆる場面で活用できる。

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[製品の主な特徴]
1. iPhone、iPad、iPod touch、Mac/PCに対応。
2. IN、OUT、THRUと、3つのMIDIポート。
3. コンパクトなサイズと耐久性を両立。
4. 対応ソフト、アプリも充実。
5. 設計、デザインから製造まで、すべてイタリア製。

[同梱品]
・IK Multimedia iRig MIDI 2 本体
・専用Lightningケーブル(60cm)
・専用USBケーブル(60cm)

[対応モデル]
iOSデバイス (iOS 5.1以上が必要)
・iPhone 5s
・iPhone 5c
・iPhone 5
・iPod touch (第5世代)
・iPad Air
・iPad (第4世代)
・iPad mini Retinaディスプレイ
・iPad mini

Mac
・Mac OS X 10.6以降
・USBポートx1が必要

Windows
・Windows XP(SP3), Windows Vista(SP1), Windows 7およびWindows 8
・USBポートx1が必要

[製品仕様]
本体サイズ:約49.5(H)× 78(W)× 30(D)mm
   重さ:約60g

8月上旬発売予定。

IK Multimedia iRig MIDI 2 製品ページ



イメージ・グラフィズム「眼の劇場〜image&imagination」

この4月にご紹介した「Appleテクノロジー研究所が薦める『読書リスト』40選」の中にあって少々異色な選択と思われたかも知れない1冊は松岡正剛著「眼の劇場」ではないだろうか。今回は 2,3 問い合わせをいただいた本書についての私的考察をお届けしたいと思う。


20代から30代の私に一番影響を与えた作家といえば、たぶんに松岡正剛と渋澤龍彦だった。特に松岡正剛の百科全書的視野の広さは私の嗜好に合い、直接間接に多くのインスピレーションを与えられた。まさに活字中毒といわれるほど本を読んできたその原動力のひとつがここにあったといえる。

小さな部屋、小さな本棚、小さな押入が本で溢れたこともあり、かつ数度の引っ越し時に大なたを振るって幾多の本を処分した。しかし現在でもその片鱗だけは残っている。そしてたまたま新刊本で面白いものがないときはそうした古い本を引っ張り出して眺めるのがこれまたなかなかに楽しいのだ。そこには若いときに感動した "モノ" が多々詰まっているし、なかには自分の青臭い書き込みを見つけたりして苦笑する(笑)。
先般その1980年8月25日に工作舎より発行された「眼の劇場〜image & imagination」(松岡正剛著)をあらためてぱらぱらと眺めてみたが大変面白かった...。

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※「眼の劇場〜image & imagination」松岡正剛著(工作舎刊)の化粧箱と帯


この本は少し後れて出た(1980年12月31日)「概念工事〜image & imagination」を含む三冊シリーズの一冊目であり、3,200円という価格は当時として豪華本の類だった。
「眼の劇場〜image & imagination」は「イメージの起源」を見つめようとする美術・デザイン・写真をテーマにした異色のエッセイ集といったものだが、松岡正剛から発せられる "言葉" のマジックは一見無関係と思われる概念を結びつける接着性を持っているように思える。そしてそれは意外性も含め眼にも耳にも心地よいのだから...たまらない(笑)。
松岡正剛ワールドには我々の持っている知の探求を求める根元的ななにかを触発する言霊があふれかえっているように思える。
ちょっとその中のいくつかをご紹介してみたいが、読み返せばいまでも知的アレドナリンが放出するのが分かる(笑)。ちなみに緑色のテキストは私のコメントである。

"デザインの本質は、人間と自然の関係が詰まっている箱のふたを、おもいがけない場所から開くところにある。この〈おもいがけなさ〉がないデザインは、つまらない。" (知覚の不確定性原理)

 そういえば昨今デザイナーは多いけど、皆こぎれいにまとめただけの作品が多く〈おもいがけなさ〉を期待できる作家は少ない。

"どんな写真家であれ、どんな写真であれ、写真が写し撮っている事態はつねに「場所」と「存在」以外のなにものでもない。" (場所と複写)

 昔は「そんなことはないだろう!」とあれこれ反論しようとあがいたが、あがけばそれだけ松岡正剛宇宙にのめり込んでしまう(笑)。私が写真に好んで入れ込みたい「気配感」も突き詰めれば「存在」そのものなのだろう。

"総じてすぐれた写真は音を出しているものだ。" (写真のなかの量子雑音)

 松岡正剛は別の項で「光の失速した状態が音であり、したがって音は大幅に加速されれば光に昇格することもできるはずである。でなければ、どうしてドップラー効果が音にも光にも成立しえようか」といっている。確かに写真はその光の一瞬を閉じこめたものだからして、一瞬の音を聞き取れるのかも知れない...というより眼で音を聴く訓練が必要か。

こうした内容がオブジェ論、美術論、デザイン論そして写真論という類別で一冊の本になっているのが「眼の劇場〜image & imagination」である。しかし例えばそこに論じられている関連の人名だけをあげても膨大な人数になる。それだけ松岡正剛の展開は多義に渡り、そして話は回帰する。
ちなみにざっと目につく引用された人物をあげてみると.....

ヘルマン・ヘッセ、ラファエロ、ロセッティ、マルクス、マルセル・デュシャン、アンドレ・ブルトン、エルンスト・マッハ、ヘーゲル、ニーチェ、ジャン・コクトー、黒沢明、フェデリコ・フェリーニ、スタンリー・キューブリック、ポオ、ボードレール、稲垣足穂、サルトル、アタナシウス・キルヒャ、スウェデンボルグ、ウスペンスキー、メーテルリンク、ライプニッツ、ホワイトヘッド、パウル・クレー、三島由紀夫、マックス・エルンスト、ポール・デルヴォー、レオナルド・ダビンチ、パスカル、ジャン・ジュネ、ロジェ・カイヨウ、宮沢賢治、ジョルジュ・バタイユ、プラトン、シェイクスピア、シュレディンガー、アインシュタイン、ヤコブ・ベーメ、ペンフィールド、空海、吉田一穂、ライエル・ワトソン、アリストテレス、ガリレオ、ハイゼンベルグ、湯川秀樹、ファラデー、マックスウェル、ニュートン、ヨハネス・ケプラー、リーマン、ロバチェフスキー、マン・レイ、福田繁雄、杉浦康平、ヨハン・ホイジンガー、エドワード・ホール、ゲーテ、ガウス、ヒルベルト、寺田寅彦、マイブリッジ、ジュール・マレイ、ヴィトゲンシュタイン、エリファス・レヴィ、コリン・ウィルソン、オーギュスト・ロダン、リルケ、ジイド、ヘルムホルツ、オスカー・ワイルド、江戸川乱歩、タルコフスキー、ユージン・スミス、アンセル・アダムス、ポール・ディラック、マイケルソン=モーリー、マックスウェル、フレッド・ホイル、ガウス、ウォーホール、ハーシェル、ブトレマスオス、ビアズレー、カンディンスキー、ダゲール、ニエプス、クロポトキン、森永純、藤子不二雄、ダンテ、芭蕉、本阿弥光悦、津島秀彦、まりの・るうにい、坂田栄男、マレーネ・ディートリヒ、西岡文彦、戸田ツトム、フェルメール、レンブラント、ジョージ・ルーカス、リチャード・モリス、ルイジ・コラーニ、宗達、近松、西鶴、北斎などなど...。「ふうっ...(笑)」

まず松岡正剛に立ち向かう前にこれらの人々が何者なのかを知るため、大いなる時間を費やした私の青春であった(笑)。
前日Amazonで検索したら「眼の劇場〜image & imagination」は中古がかなりの高額でひっかかった。正直この価格では気軽にお勧めできないが、もしどこかで巡り会ったら、是非手に取って欲しい一冊だ。そして私にとっては相変わらずイメージやデザインそして写真といった物事を考える時の起爆剤であり、ある種のバイブルでもある。


Apple、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルをアップデート

Appleは7月29日、MacBook Pro Retinaディスプレイモデルをアップデートし、より高速なプロセッサを搭載、13インチ、15インチともエントリー構成の搭載メモリを2倍にし、シリーズでトップの15インチ上位モデルの価格を引き下げたと発表。


MacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、美しい高解像度ディスプレイ、薄さ1.8cmの目を見張るデザインに、最新プロセッサとパワフルなグラフィックス、そして最長9時間のバッテリー駆動時間を備えて、驚くほど持ち運びしやすいデザインから驚異的なパフォーマンスを繰り出す。また、Appleは本日、WindowsからMacに乗り換える方から好評を得ているRetinaディスプレイを搭載していない13インチMacBook Proの価格も4,000円引き下げて108,800円(税別)とした。

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13インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、最大2.8GHz駆動のデュアルコアIntel Core i5プロセッサ(Turbo Boost時は最大3.3GHz駆動)、エントリーモデルでは従来の4GBから倍増した8GBのメモリを備える。13インチモデルは、より高速な3.0GHz駆動のデュアルコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost時は最大3.5GHz駆動)で構成することも可能。シリーズ最上位となる15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルでは基本構成モデルが新価格248,800円(税別)に引き下げられた。15インチモデルはより高速な最大2.5GHz駆動のクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost時は最大3.7GHz駆動)、エントリーモデルでは従来の8GBから倍増した16GBのメモリを備える。また、より高速な2.8GHz駆動のクアッドコアIntel Core i7プロセッサ(Turbo Boost時は最大4.0GHz駆動)で構成することも可能。

すべての新しいMacにはiLifeとiWorkが無料で搭載されている。iLifeにはお気に入りのビデオを編集するためのiMovie、新しい音楽を作曲したりピアノやギターの演奏を学んだりできるGarageBand、ベストショットを整理、編集、共有できるiPhotoが含まれている。仕事効率化アプリケーションのiWorkに含まれるPages、NumbersそしてKeynoteを使うと、美しいドキュメント、スプレッドシートそしてプレゼンテーションを簡単に作成、編集そして共有することができる。またiWork for iCloud betaを利用すれば、例えばiPhoneやiPadで作成したドキュメントをMacで編集してWindowsパソコンユーザを含む友人とも共同作業をすることができる。

また、新しいMacは全モデルに世界で最も先進的なオペレーティングシステムであるOS X Mavericksが無料で搭載されている。200以上の新機能を備えたOS X Mavericksは使いやすさを念頭に、Macが内蔵するパワフルなテクノロジーを最大限に活用できるようにデザインされ、これには特にノートブックのために設計された、性能を向上しながらバッテリー駆動時間も延ばすようなコアテクノロジーも含まれている。Macユーザの皆様は今秋、OS X Yosemiteをダウンロードできるようになる。OS X Yosemiteではデザインを一新して洗練度を高めており、新鮮でモダンな外観やパワフルな新アプリケーションに加え、MacとiOSデバイスを使うときに、これまで以上にスムーズになる新しい連係機能を特長としている。OS X Yosemiteは、Mac App Storeから無償ダウンロードとして提供される。

Apple Press Info


フォーカルポイント、マイク・スタンド・アダプター2製品発売

フォーカルポイント株式会社は7月29日、IK Multimedia Production srl(本社:イタリア モデナ 以下IK Multimedia)の幅広いサイズのタブレット、スマートフォンに対応する、マイク・スタンド・アダプター「IK Multimedia iKlip Xpand」「IK Multimedia iKlip Xpand Mini」を、全国の家電量販店およびオーディオ専門店などを通じて発売すると発表。同社の運営するオンラインストアでも予約受付中。


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【IK Multimedia iKlip Xpand について】
IK Multimedia iKlip Xpand(アイケー マルチメディア アイクリップ エクスパンド)は、バネ内蔵伸縮式ブラケットにより、幅広いサイズのタブレット端末をしっかりと固定して、マイク・スタンドなどに取り付けることが可能なマイク・スタンド・アダプター。ステージ、スタジオ、プレゼンテーション・ルームなど、色々な場面で役に立つ。

[製品の主な特徴]
1. 7インチ〜12.1インチのタブレットに対応。
2. 自由に設置角度が調整できる、ボール式接合部。
3. 楽器アプリ、エフェクト・アプリなどが、ステージで活用可能に。
4. 楽譜、歌詞表示アプリiKlip Stage※もリリース。
5. デザイン、製造とも、イタリア製。

※ iKlip Stageは、近日中にApp Storeにて無償ダウンロード公開予定です。

[対応モデル]
・iPad Air
・iPad
・iPad mini
・7インチ〜12.1インチまでのタブレット端末

定価はオープンプライスだが、オンライン直販価格は7,000円(税抜)。発売時期は8月上旬発売予定。

IK Multimedia iKlip Xpand 製品ページ



ジョブズ学入門講座「成功の秘密」【4】〜企業トップが自社製品のユーザーたれ

スティーブ・ジョブズはなぜ成功者となったのか。無論その要因はひとつではないが、少しずつその秘密を解き明かしていこうと思う…。さてAppleはもともと他のパソコンメーカーやIT機器メーカーとはそのスタンスがかなり違う企業だということをまずは認識しておく必要がある。


Appleの強みはハードウェアとソフトウェアの両方を独自に開発できることだ。近年マイクロソフトもハードウェアを発表しているが、OSとそれを使うハードウェアの両方を粛々と自社開発してきた企業の先鋒はこれまでAppleだった。したがってAppleはハード、ソフトの双方をシームレスにそして自在に活用できる製品を生み出せる利点を持ってきた。

ところでAppleも今後は変化していくに違いないが、スティーブ・ジョブズがAppleに復帰し最初にやったことはあまりにも多義に渡る多様な製品群を整理し、いくつかの製品だけを残して後は捨て去ったことだ。勿論1995年から始まった互換機ビジネスもジョブズが復帰した後に消滅する。
その後のMacにしても多少バリエーションが増えたとは言え Mac Pro、iMac、Mac mini、MacBook AirそしてMacBook Proシリーズに集約している。無論その他にiPod、iPhoneそしてiPadとそれこそ世界を変えるデバイスを開発し続けることになるが、その際にAppleがユニークなのは会社のトップ、すなわちCEOだったスティーブ・ジョブズが常に文字通りの陣頭指揮を率いていたことだ。

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※iPhone発表時に自身で操作しプレゼンするスティーブ・ジョブズ


これは開発製品を限りなく絞った利点でもあるが、スティーブ・ジョブズは自社製品の企画立案時からのキーパーソンでありデザインや仕様に関して自身の意志や考えを明確に組み込んでいる。
要はジョブズはiPodにしろiPhoneにしろ、その材質やデザインそして仕様はもとより、ウィークポイントも含めてすべての情報を熟知しているのだ。したがって社内のどこかの部署で製品開発が進み、CEOや社長はその開発にOKを出すだけ…といった一般的な大企業の姿とは異質な拘りを持っている。
よく知られていることだが、ジョブズが近年プレゼンテーション時に使ってきたソフトウェア「Keynote」はそもそもスティーブ・ジョブズ自身が必要に迫られ開発を促したソフトウェアだった。

そんなジョブズだからして当然、試作品の段階からテスターとしても口を出し、細部にまで自分の意志が反映されていることに拘ってきた。その自負と自信が彼一流のプレゼンテーション時にも活かされるわけだ。
念密なリハーサルは重ねているとは言え、ジョブズは日本のどこかの大手企業社長のように自社の新製品発表時のコメントさえ担当が用意した文面を読むようなことはあり得ないし、製品の上下を間違えて会場の失笑を買うこともない…。いわばAppleで作り出された製品は皆スティーブ・ジョブズの意志から生み出されたものだった。彼自身がそれらの製品にとって最初で1番のユーザーなのである。

Appleはすでに世界的な大企業だが、スティーブ・ジョブズという男は物作りという点においては町工場の社長…親方のように隅から隅まで神経を行き届かせていたのが特異だった。そして常に自社製品を隅から隅まで使い倒して次期アップデートに繋げるという努力も怠らなかった。無論その根底には自分たちが作った製品への愛着と共にそれが真に良いものであり人々の生活を変える最高のツールになるという自負・信念があるからだ。

そういえば、輝いていた時代のソニーにもスティーブ・ジョブズが憧れ目標とするようなエピソードが多々あった。
スティーブン・レヴィ著「iPodは何を変えたのか?」によれば、あのウォークマン開発のきっかけは創業者の盛田昭夫や井深大が直接かかわったとされるエピソードについていくつかのバージョンが紹介されている。
まずひとつは、盛田がニューヨークを訪れたとき、大型ラジカセが響く轟音に辟易させられた経験から、それに代わる個人用プレーヤーを思いついたという説だ。しかしソニーの公式な社史ではウォークマンの原型を思いついたのはもう1人の共同創立者、井深大ということらしい。

井深は日米間を移動中に自社開発のポータブル・カセットテープレコーダーを持参し、ステレオヘッドフォンと共に熱愛するクラシック音楽を聴いていた…。しかし当時のレコーダーはポータブルとは言え靴箱程度のサイズがあり、これを持ち運ぶには些か骨が折れた。彼は自社で別途プレスマンというインタビュー録音用ポータブルレコーダーを販売していることを知っており、「プレスマンを再生専用にしてステレオ回路を組み込んでくれないか」と副社長だった大賀典雄に打診したのがきっかけだという。

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※1979年発売の初代ウォークマン (TPS-L2)。なお写真のヘッドフォンはソニー製ではない。当研究所所有動作品


また別の話として、打診した相手は大賀典雄ではなくオーディオ事業部長であった大曾根幸三に依頼したところ、彼が周りにあった部品類で即プロトタイプを作った。それを井深が気に入り、その可能性に気がついた盛田が反対を押し切って製品化を命じたという話もよく知られている…。
いずれにしろ、ここで重要なことはある意味、iPodの先祖みたいなウォークマンが生まれたきっかけが、世界的な大企業の創業者自身たちの必要性と関わりから発したという事実である。細かな枝葉の真実はどうであれ、社長や会長といった立場の人間による個人的欲求が発端となって画期的な製品が生まれたそのことだ...。

Appleやソニーに留まらず、企業のトップが熟知し自身先頭に立って開発した製品、そのカリスマ的なトップが自信を持ってプレゼンする製品ならユーザーも安心できるし、きっと素晴らしい製品に違いないと思う心理も働く…。それが購買意欲に繋がることは間違いなくあるに違いない。そうした意味においてスティーブ・ジョブズはまた有能なセールスマンでもあった。
しかし昨今周りの大企業を見てみると、自社製品に愛着を持たず、日常自分たちが積極的に使ってもいないエグゼクティブたちが多すぎる。ましてやイベントなどで企業の最高責任者に新製品への感想などについて問うても「広報に聞いてくれ」の一言で済ます社長や役員たちがいかに多いことか。まったく熱意とか情熱が感じられない…。

無論それは聞かれたことに答えられるほどの知識を持っていないからと勘ぐりたくなるし、あるいは自社製品に興味も情熱も持っていないのかも知れない。ともあれそんな製品を言葉巧みに市場に流すことほど悲しい企業活動があるだろうか。当然そんな製品が市場やユーザーの支持を得られるはずも無い。
ただし次から次へと多くの製品を製造している大企業の社長にとって現在自社がどのような製品を企画・研究し開発しているかの全容を熟知するのは難しいかも知れないが、そうした事業の構成を選ぶのもトップなのだから言い訳にもならない。そうした結果としてこれまでにも「この製品、開発した責任者たち当人は本当に使っているのか?」と疑りたくなるような “もの” に出会うことは珍しいことではなかった(笑)。

ソニーの盛田や井深にしてもウォークマンを発案したとき若者ではなかった。井深は当時70歳を過ぎていたしリスクや社内の反対を押し切って商品化に熱中した盛田は60歳に近かった。しかし彼らに共通することは音楽を愛していたこと、そして常識とか既存の慣習や周りの雑音に捉われることなく絶えず好奇心に満ちあふれ、新しいアイデアを模索する感性と熱意を持ち続けていたことだ。

というわけで、スティーブ・ジョブズの努力を一口に性癖からくる「拘り」といった言葉でくくってしまえば簡単のように思えるが、だからこそ現行の大手企業のトップならずともジョブズを真似ることなどほとんど無理な相談だということも判明するはずだ。そのことをまずは正面から受け止めることこそ少しでもスティーブ・ジョブズに近づく早道ではないだろうか。

スティーブン・レヴィは自著「iPodは何を変えたのか?」でスティーブ・ジョブズの言葉を紹介している。それによればAppleはパーソナルコンピュータの世界で唯一魔法を起こせる企業なのだとし、その理由を次のように説明しているという。
「70年代のデトロイトでは、自動車産業がひどいことになっていただろ? その理由は、経営者たちが車を愛してなかったからだ。今のPC業界の問題点のひとつも企業を率いている連中がPCを愛していないってことだよ。」と…。続いてジョブズはいう。「でも、ここにいるみんな(Apple)は違うんだよ」と…。



(株)技術少年出版、「Legacy8080ユーザーページ」公開

株式会社技術少年出版は、同社ウェブサイトに「Legacy8080ユーザーページ」を公開した。ただし当該ページへアクセスし閲覧するためにはLegacy8080購入時に示されたユーザーIDおよびパスワードが必要となる。


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「Legacy8080ユーザーページ」では正規ユーザーに以下の情報を提供している。

・システムソフトウェアのダウンロード(CP/M-VF,LSYS最新バージョン)
・アプリケーションソフトのダウンロード(8080/Z80アセンブラ開発ツール,STARTREKゲーム)
・CP/M用ソフトダウンロードサイト紹介リンク(BASIC-80,MACRO-80,FORTRAN-80,COBOL-80等)
・マニュアルのダウンロード提供

株式会社技術少年出版




ラテ飼育格闘日記(399)

雨も嫌だがこれから夏本番!ラテとの散歩は毎回大汗をかく季節になった。勿論日中の気温ピーク時に出かけることはほとんどないが、先日は2ヶ月半ぶりに美容室に連れて行った。本来予約は午後一時だったものの午前11時前にその美容室から電話があり、キャンセルが入ったが、これからおいでになれませんか?というのでオトーサンは早速ラテを連れ出した。


日中、ラテにリードを付けて連れ出すとなればラテにとって楽しい場所ではないことがほとんどだ。それでもオトーサンの急な準備にもかかわらず意外に素直にオトーサンと一緒に外に出た。
以前にも何度か泣き言を書いたが、「行きたくない」「嫌だ」と抵抗するラテを連れて出かけるのは実に大変なのだ。特に美容室に出向く時間帯は朝早くとか夕方遅くということはなくほとんどが日中だ。したがって天気がよく気温が高ければこれからの時期、大汗をかくのは必然だし逆に雨でも降れば傘をさしつつリードを引かなければならずこれまた実に大変なのである。

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※ここのところお陰様でラテは元気です!


それに以前の住居から美容室に行くにはラテがスムーズについてくるとしても約25分から30分程度はかかるうえに急勾配な階段を数階上り下りしなければならないので体調がよくないときはオトーサンも泣きが入る(笑)。その上にラテは途中で美容室に向かっていることを察知し、腹ばいになったり座り込んだりして抵抗を始めるし時には脱糞して嫌がらせまでする(笑)。また、美容室でかかる時間が例えば30分といった程度ならどこか近くのカフェなどで時間をつぶして待っていてもよい理屈だが、大体3時間程度はかかるのでやはり一端自宅に戻るしかない…。だとすれば片道30分程度の道を往復し、自宅で待機し、美容室から「終わりました」という電話を受けてからまたまた引取のため往復するわけで、一大決心をしなければならなかった。

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※このエリアは起伏が激しいから階段も多い


しかし引っ越しした現在の住居からその美容室までは信号をひとつ挟むものの50メートルほどの近距離となった。したがって今回のように急な予定変更があっても対処できるのは嬉しい…。まあ、ラテは歓迎しないだろうが(笑)。
ともかく前回は美容室のオネーサンに「ラテちゃん機嫌悪かったみたいです」と言われたが、今回は耳の具合も含めて体調がよかったし肉球も囓ったりしていなかったから美容室でもまずまず良い子だったに違いない。

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※美容室でカットしてもらったので少しはスリムに見えるかなあ…とオトーサンを見上げる(笑)


近くなったといえば動物病院も同じく50メートルもないほど近くにあったのでそこに変えることにした。病院なのでどこでもよいと言うことではないが、そこなら急な時に抱いてでも運び込むことができるし大きな病院ではないがアットホームなのが気に入った。とはいえこれまたラテはその前を通るときには尻尾が下がってしまうが…。

動物病院といえばその病院で2週間に1度アトピー抑制の飲み薬を出してもらっている。薬だけなら女房が立ち寄れば用が足りるのでラテを怖い目に合わせないで済む。そしてこの数ヶ月、耳の洗浄と治療に連れて行ったもののありがたいことに最近はオトーサンが綿棒で耳掃除しても汚れがつかないので安心していた。
ただしやはりオトーサンが出来る範囲は限られているし、たまには医者に確認してもらおうと今回散歩の帰りにその動物病院にラテと共に立ち寄った…。

医者は親身になってくれるしありがたいのだが、オトーサンたちには大きなプレッシャーがある…。それが毎回診療室に入って最初にやること…すなわち診療台にラテを乗せて体重を量ることだ(笑)。何故ならこの数ヶ月、ラテの体重を落とすと宣言しているにもかかわらず減少どころか反対に数百グラム増えているようなのだ…。
オトーサンの気分的には体重を量らないで欲しいのだが、そうもいかない(笑)。診察台が即体重計になっていることでもありむずがるラテを抱き上げて診察台に乗せるが…事実は明白(泣)。

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※相変わらず抱っこは欠かせません(爆)


続けての耳の掃除はほとんど完治したようで「これなら大丈夫ですね」と言われたので安心。女房が精算しているときオトーサンはラテと一緒に外に出て待っていたら院長先生も外の空気を吸いたかったのか勝手口から出てきた。
先生曰く「ラテちゃんファミリーの散歩している姿をたまたま見ているけど、オトーサンたちは犬の扱いではないねぇ」と笑う。続けて「ご主人は子供を通り越して孫を見る目だねぇ」という。
甘やかしすぎるという忠告だとオトーサンは自戒しながらも返す言葉がない。何しろそのときもオトーサンはラテを抱っこしていたのだから…。



アシュトン・カッチャー主演「スティーブ・ジョブズ」〜重箱の隅をつつく(笑)

遅ればせながらアシュトン・カッチャー主演映画「スティーブ・ジョブズ」をDVDで観たが、忘れないうちに簡単な感想を残しておきたい。私がAppleという会社を意識したのが1978年、Apple IIを手にしたのが1982年そしてMacは勿論1984年に購入した。その後1989年から2003年に至るまでMacのソフト開発を仕事にし、デベロッパーとしてリアルにAppleあるいはスティーブ・ジョブズと歩んできたから、どうしても映画と事実とを比べてしまい、この種のエンターテインメントを心から楽しめないのは情けない…。


したがって、アシュトン・カッチャー主演の映画「スティーブ・ジョブズ」もその内容は期待していなかったし、口幅ったいようだが映画に登場するようなエピソードはすでにほとんど承知しているわけで、映画で新しい事実を知るはずもないと考えてしまう。ただし評判というか、話題になっているジョブズの映画を観ていない…知らないというのも情けないからとまずはDVDを買ってみた(笑)。

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※アシュトン・カッチャー主演映画「スティーブ・ジョブズ」DVDパッケージ


またジョブズは亡くなったが、スティーブ・ウォズニアックもジョン・スカリーもマイク・マークラなどなども存命中の人たちであり、いくら雰囲気が似た俳優をキャスティングしても粗が見えるだろうし、どれほど映画に没頭できるかが分からないからと最初から腰が引けていた…。

ただひとつ映画を観つつ、興味を持てる事といえば、どれほどこの映画が知られている事実を忠実に映像で再現しているのか、あるいは作り物だということが見え見えなのか…という点だった。実にひねくれた嫌な性分である(笑)。
ともあれ本編128分という約2時間の映画を正面切って観ることにした。以下はその感想である。ということで多少のネタバレをせざるを得ない部分はご容赦願いたい。そして正直映画を楽しむというより粗探しそのものだが、以下そんな話を進めてみる。

この映画の冒頭は2001年10月23日、クパチーノApple本社のタウンホールにおいて開催されたスペシャルイベントでスティーブ・ジョブズにより iPodが発表されたところから始まる。そして映画ではiPodが示されると会場からスタンディングオーベーションを受けるが実際には拍手が湧き起こった程度だったし全体的に出席者たちの反応はいまいちだった…。念のため当時の実映像を仔細に確認すると拍手をしている人たちの多くはApple関係者のように見える(笑)。
Appleのプライベートイベントとしては些か地味な発表だったが、その背景などについては別途「スティーブ・ジョブズによる2001年10月のプライベートイベント『iPod発表』再考」に詳しいので参考にしていただきたい。

無論映画の最初から我々はジョブズのプレゼンテーションを眼のあたりにするわけだが、前屈みに登場したジョブズ(アシュトン・カッチャー)の姿は実際の映像がいまだに脳裏に焼き付いている1人としてはやはり違和感を持たざるを得なかった。
現在でもYouTubeで当時の映像が見られるはずだから、興味のある方は検索してご覧いただきたいが、まず映画のジョブズは頭髪と髭が長すぎる。はっきりいって本物に似ていないのだ。
また映画のジョブズは老いたという意図なのか物静かでどこか元気がないよう演じているように見えるが、実際のスティーブ・ジョブズは元気いっぱいだったしその顔も太り気味だった。ということでこの iPod発表会を描いた映画のシーンにおける後年のジョブズは少々考えすぎ…作りすぎのように思えた。

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※2001年10月23日、クパチーノApple本社で iPodを発表するスティーブ・ジョブズ


さて、より細かな点に触れるが(笑)この発表会のとき、スティーブ・ジョブズはステージの上手から登場する。そしてジョブズが iPodをジーンズのポケットから取り出す際、実際は左のポケットから左手で出して見せている。しかし映画では右のポケットから右手で出して見せている。些細なことだが、こんなことも本当なら拘って欲しいのだが(笑)。
些細なことといえば、ステージに上がったときのジョブズは実際だと黒い長袖のシャツの袖を伸ばしたまま登壇し途中でめくり上げるが、映画では最初から腕まくりしている。
…はいはい、「細かすぎるぞ!」という声が多々聞こえる…(笑)。スミマセン…。

それから映画ではホールの客席ががらがらなのが気にかかる。どこか一席毎に空けて来場者を座らせているように見えるがエキストラを雇う予算がなかったのだろうか…。

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※実際の客席シーン。最前列にはアップル関係者が陣取り、ジョナサン・アイヴやティム・クックの姿もあった


さらにステージの正面はご承知のようにスクリーンがあり、それにスライドショーを見せながらプレゼンが進行するわけだが、映画では当該シーンの時間が短いためか、終始中央にアップルロゴが掲げられているだけだった。さらに、実際のジョブズはスライドショーのリモコンを持ちながらのプレゼンだったが映画ではリモコンを持ってはいない…。

まあ映画といったエンターテインメントが史実そのものを忠実に再現する必要はないという意見もあるに違いない。確かにそれはそうなのだが、主演のアシュトン・カッチャーにしても歩き方、姿勢、話し方から無論表情まで実際のスティーブ・ジョブズに似せようと努力したというある種の伝記映画なのだから、私が映画監督あるいは脚本家なら可能な限り拘りたい…(笑)。

さて催事のシーンといえばやはりApple IIのお披露目となった1977年開催の第1回WCCF(ウエストコースト・コンピュータフェアー)におけるAppleブースにおいても言いたいことがある。
まずこのとき、Appleは…というかスティーブ・ジョブズはWCCF主催者であるジム・ウォーレンのブース出展要請電話に参加を即答し、会場正面入り口の4つのブース(4小間)を確保したはずなのだ。
これはウォーレン自身が述べていることだが、だとすれば映画のAppleブースはあまりにもチャチすぎるのではないか。またそこに置かれたApple II はパワーランプのデザインから判断する限り、Apple II スタンダードではなくApple II plusに見えてしまう。無論このシーンは時代考証的にApple II スタンダードでなければならないのだ…。

こうした細部の拘りは当時の事情および実機を知らない方たちにとっては雰囲気が分かればどうでもよい事かも知れないし、すでに37年ほど経った昔のマシンたちを忠実に再現用意するのは難しいかも知れない。しかし史実に基づくその拘りが歴史を描く作品にとって命綱であることもまた事実だと思う。
この種のことはApple IIだけではなくWCCF会場をジョブズが歩くのに合わせてカメラが流れる際に登場するコモドール社のPET2001などにも同じことがいえる。

PET2001といえば実際のWCCFではプロトタイプの全体に丸みを帯びたものが展示されていたはずだが、映画では1978年に私自身も手に入れた製品版のPET2001本体が列んでいるだけでなく、後年の製品でフルキーボードを装備した “CBM” シリーズまで写っていたりする(笑)。製品版のPETはやむを得ないとしても “CBM” シリーズを並べるのは時代考証がいい加減すぎる…。

さらにこれまた仕方がないことだとは思うが、一瞬であっても画面に登場するPET2001の筐体やキーボードが、いかにも年代を経た汚れが目立つのは興ざめだ(笑)。コレクターからの借り物だとしても綺麗に掃除するなどの工夫は出来なかったのだろうか…。
そんなあれこれが粗探しをするつもりもなく目につき気になってしまうのだから映画になかなか没頭できない…。

ところで粗探しはこの辺にしておくとして全体的にアシュトン・カッチャーのジョブズは前記した冒頭以外、特に若い時期の姿は違和感がない。さすがに俳優という仕事は凄いなと思わせるリアリティも感じるが、残念なことにスティーブ・ウォズニアックの姿はいただけない(笑)。いやあくまで見栄えの問題だが…。反面マイク・マークラやジョン・スカリーは登場シーンが少ないもののキャスティングの妙がうかがえる。
ただし2時間という限られた中での構成だから仕方がないのだろうが、Appleへの復帰に至る前に数シーンでもよいからNeXTのことやPIXARに関わったことも加えて欲しかった…。Appleを追われ、家族と共に家庭菜園で野菜などを作っているうちにAppleへの復帰のチャンスが回ってくる…というような描写ではあまりにもイージーだろう(笑)。

そういえば映画のコピーで「最低な男が、最高の未来を創った」とある。そして事実古参のAppleユーザーなら知っていると思われるいくつかのエピソードを通じてスティーブ・ジョブズがいかに非常識で我が儘な男であり暴君だったかを描いている。
例えば自分の子供の認知を拒んだこと、アタリ社での衝突、ウォズニアックに頼んで開発したゲームを自分の手柄とする、開発報酬として手にした額をウォズに誤魔化して渡す、ジェフ・ラスキンの追い出し、車を障害者用スペースに止めるなどなど、知られているエピソードが続けて登場する。しかし物足りないのはそうした奇異な言動を繰り返すスティーブ・ジョブズの心の中が見る物に伝わってこないことだ。何かに突き動かされているように突っ走るスティーブ・ジョブズの心情が不明なままでは文字通りただの最低な男で終わってしまう。
映画制作側の立場でよいから、なぜジョブズは最低の男だったのか…人々に嫌われることを承知で自我を通そうとしたのか…を示唆し表現して欲しかったと思うのは酷な注文だろうか…。

作品であるなら制作側の描きたい意図をもっと明確に主張しないと記録映画並で終わってしまう。スティーブ・ジョブズとはどんな男だったのかを知ることができてもそれ以上の感動は得られない。
まあまあ、スティーブ・ジョブズをテーマにした映画やドラマはこれからも多々制作されるに違いない。そうした中で本作品がどのような評価をくだされるのかはもう少し時間が必要なのかも知れないが、やはり実在の人物、それも本人の記憶が鮮明な人物を描く映画はそもそもが難しいとあらためて感じた。
そして以前もどこかで発言したが、いっそのこと実写ではなくPIXARの技術を使い、全編3Dによるジョブズの映画を創ってみてはどうだろうか…。

ともかく本作品は「スティーブ・ジョブズって最近名前を聞くけど、どんな人?」「なにをやった人なの?」という方々向けなのであり、私など古参Appleユーザーを対象とした作品ではないのかも知れない…。
というわけで個人的には本作品を観て感動するとか新しい発見をしたということは残念ながら皆無だった。





FMACCG:ハードウェアの部屋【9】1998年3月8日~ 1998年8月19日[完]

長きにわたり私がシスオペとして関わったNIFTY-Serveのフォーラムログ公開を「談話室」「ソフトウェアの部屋」そして「ハードウェアの部屋」とカテゴリー毎にお届けしてきたが、今回で保存記録が最後となるため当然このシリーズも最終項となる。あのApple再生の鍵となったボンダイプルーのiMacの発売日と価格が決まった情報で終わりとなる...。


FMACCG:ハードウェアの部屋【9】1998年3月8日~ 1998年8月19日

119/151 SDI00116 松田 純一    FUJIFILM製FinePix700レポート1
( 9) 98/03/08 12:42 コメント数:1

デジカメの話題です(^_^)。
3月4日発売の150万画素で10万円を切るデジタルカメラとして話題に
なっているFUJIFILM製FinePix700を早速GETしました。

NIFTY_H9_01.jpg

FinePix700の記録メディアはスマートメディアですが、実際の利用は
データ容量が大きいので8MBの仕様のものが必要です。
面白いのはこの8MBのスマートメディアが3枚組になっているパック売
りがあることです。ずいぶんと安くなったとはいえ少し前にはパック売
りなんて見たことはなかったのですがね...(^_^;)。それだけ不可欠なもの
になったんでしょう。
したがって現実には8MBのものを4,5枚は携帯したいところです。
なにしろお試し用として付属している2MBのスマートメディアでは最高
画質のFINEで撮ると2枚しか撮影できないからです。ちなみに8MBだと
FINEで11枚、NORMALだと22枚撮影できます。またそれぞれ解像度は
1280×1024ピクセルですが640×480ピクセルでの撮影も可能になっ
ています。

早速三日間、持ち歩いて使ってみた感想を以下に書いてみたいと思いま
す。
まずその大きさですが見た目、SONYのサイバーショットを縦にした感
じで実際にその質感も似ていると思います。いわゆる安物の感じではな
く高級感はあります。シャッター回りなどはコンタックスT2をお手本に
したようなカーブを描いています(^_^;)。
携帯性は抜群です。手のひらに収まるような小型ですからポケットなど
収納するのに不便はないでしょう。しかし小型故に手から滑って落とし
てしまいそうな感じもしますので付属のストラップは必ず付けて手首に
でも巻いておいたほうがよいでしょう。
右手でにぎると表と裏の部分に滑り止めのグリップがありますがこれだ
けではちょっと不安です。
バッテリとスマートメディアを含んでも300g程度の重さしかありませ
ん。

【つづく】
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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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120/151 SDI00116 松田 純一    RE:FUJIFILM製FinePix700レポート1
( 9) 98/03/08 12:44 119へのコメント コメント数:1

個人的な感覚としてカタログで見ていた時にはこの縦型の形状はあまり
好きでなかったのですが、実際に手にしてみるとそのデザイン意図が分
かったような気がします。
このくらい小さなボディの裏に液晶を置き右手で操作するとなるとホー
ルドしながら液晶を見るにはこの形状しかないような感じがします。そ
してパワースイッチやモードダイヤルなどの操作はすべて片手で済んで
しまうようになっている点は現実的で使いやすいと思います。したがっ
てこのFinePix700の操作、すなわち撮影や液晶による確認などの作業
を除くと日常の設定では液晶を頼る必要はほとんどありません。
さらにフラッシュの設定とマクロ撮影のスイッチボタンはメインのダイ
アルではなくカメラ上部に別に用意されているため右手で基本的な設定
をしながら例えば左手でこれらフラッシュの設定をする...なども躊躇す
ることなくスムーズな利用ができるような設計になっていることを感じ
させます。

バッテリーは小型のリチウム電池ですがスペックを見るとフル充電する
と300枚ほど撮影できるとのこと。実際に4日夜に十分したバッテリー
のままフラッシュ利用を含めて50数枚撮影し、人に見せるために液晶
を頻繁にON,OFFを繰り返したはずですが8日のいま現在に確認しても
バッテリーの表示は減っていません(^_^)。したがって旅行などでも頻繁
に電源を切るようにしてれば予備の1本を持参するとゆうに一日使える
と思います。
液晶は大変きれいです。美しいです(^_^)。撮影時、リアルタイム表示は
いささかスムーズさに欠けますが気になるほどではありません。
マクロ撮影も9cmまで近づけますし、液晶で確認しながらの撮影もでき
ますので実用的です。

【つづく】
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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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121/151 SDI00116 松田 純一    RE:FUJIFILM製FinePix700レポート1
( 9) 98/03/08 12:45 120へのコメント コメント数:1

これからの課題もあります。コストに依存してくる問題であることは承
知していますがまず改良してほしい点はレンズが常にむき出しになって
いる点。液晶はともかく、レンズをさわったり、ポケットの中で埃や傷
がついてしまうような気がしてどうも安心していられません(^_^;)。
せめて専用のフィルタでもほしいところですね。
それからこれはFinePix700だけの問題ではありませんが150万ピクセ
ルものデータをスマートメディアにもっと早く書き込めないものでしょ
うかね。
勿論DS-300のようにエクステンションユニットなど、オプションのメ
モリを付ければ何とかなるんでしょうが...。個人的には数万高くてもそ
うした工夫が欲しいです。
5秒程度のタイムラグは仕方がないし、良い方だと思いますが写真を撮
るという基本的なことを考えるとシャッターチャンス逃してしまうこと
になりかねないからです。

さて問題の画質ですが、150万ピクセルの画質および富士写真の色づく
りはさすがにカメラメーカーのものであり綺麗です。ただし室内などの
ストロボ撮影が必要な場合の結果はDS-300による結果の方が良いよう
です。まだテストが不十分などで結論は出せませんが、その差はストロ
ボの撮影可能距離(調光距離)がDS-300よりかなり短く、約0.3~2.5m
しかないことのように思われます。ちなみにDS-300は本格的なマニュ
アル撮影が可能なためガイドナンバーの変更により最大調光距離も変わ
ります(ISO400 ガイドナンバー23.0~29.6時に最大6.6m)。
DS-300と共にNORMAL設定(画像圧縮率1/8)によるフラッシュ撮影の
結果を見るとFinePix700による方が暗い部分に圧縮によるブロック化
や階調差が目立ちます。そしてこれを例えばEPSON PM-750Cというプ
リンタでハガキ大に印刷するとその差はもっと顕著になりました(^_^;)。
モニタ上での確認も二倍に拡大してみると暗い部分に色むらが目立つ場
合があります。
結論は自然光でフラッシュを必要としない場合には150万ピクセルの威
力を最大限に生かした結果を期待できますが暗くフラッシュが必要の場
合はNORMALではなくFINEでの撮影をお勧めします。勿論FINEだからと
いって前記の問題がすべてカバーできる場合ばかりではありませんが...。

【つづく】
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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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122/151 SDI00116 松田 純一    RE:FUJIFILM製FinePix700レポート1
( 9) 98/03/08 12:45 121へのコメント コメント数:1

私の最大の興味はその150万画素の威力がどの程度のものであるかとい
う点とすでにDS-300を持っている一人として「FinePix700はDS-300
を必要としないとか...」という点にありました(^_^;)。
その点の結論としてはまだまだDS-300の存在価値はあるということを
実感しました。FinePix700には本格的なズームはありませんしこれまた
本格的なマニュアル撮影機能はありません。そしてDS-300は別売のエク
ステンションユニットを使うことで最大秒間12コマの連写が可能など
写真を確実に撮影するという最も基本的な部分に必要な長所を備えてい
ます。FinePix700は私のいまの感じだとDS-300を越える製品ではな
いしメーカーとしてもそうした位置づけで開発したのではないでしょう。
しかしFinePix700の最大の売りは、150万画素で実売8万円台の価格、
そしてその小型軽量のボディにあると思います。
鞄やポケットに気軽に入れて持ち歩ける高画質のデジタルカメラとして
メガピクセル時代に突入した市場にさらに大きな刺激を与える製品にな
ることでしょう。

ただより多くのパソコンユーザーがこうしたメガピクセルのデジカメを
どのように使うのか...はそうした業界の中にいる一人として大いに気に
なるところです。なぜなら1280×1024という画質はいまや雑誌の小さ
な写真程度なら実利用できるクオリティを持つようになりましたし画質
よりスピードを重要視するある種の報道写真や保険会社、建築現場など
などで大いに威力を発揮するはずです。また小型のカラープリンタに出
力することを念頭に入れるなら解像度は高い方がいいわけです。
しかし1280×1024の画像はホームページのデータ集めや電子アルバム
作成など、モニタ上で利用する部類ならすでにオーバースペックのよう
な気がします(^_^;)。
PhotoshopでFinePix700のFINE画像をオープンするとその容量は3.7
MBにもなります。確かに現在ハードディスクやメモリは安価になり大容
量のものを乗せているユーザーも多いでしょうが、さてデジカメの解像
度競争がますます激化するであろうことを考えるとちょっと複雑な気持ち
になってしまいます。

しばらくこのFinePix700を携帯してより実利用面での検証をしてみたい
と思います。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
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123/151 SDI00116 松田 純一    RE:FUJIFILM製FinePix700レポート1
( 9) 98/03/14 19:30 122へのコメント

FUJIFILMのFiunePix700についての続報レポート

この小型軽量さはその150万画素の魅力と共にFinePix700最大
のセールスポイントだが、やはり落としてしまいそうで心配。
まあそれはストラップに手を通し自分で注意するしかないが鞄に
そのまま放り込むのもレンズが心配.....ということで本日専用の革
製のケースを買ってきた。2,550円だったが背面にベルトを通す
ことができるようになっている。常時使う時は便利だろう...。

で、日常持ち歩く事にしたがせっかくの150万画素であるからに
してその撮影した画像もこれまでにないクオリティの高いもので
ありたいと一番綺麗な撮影設定であるFINEモードで撮っている。
問題はこれだと8MBのスマートメディアに11枚しか撮影できない
ことだ。
すでに書いたように一枚撮影する毎にスマートメディアに書き込
む時間が約5秒程度かかるため、しゃかしゃかと連写はできない
がそれでも11枚はあっという間に終わってしまう。
メディアを取り替えるのは簡単だが、簡単でも頻繁に取り替える
のはやはり面倒くさい。一日も早く16MBとか32MBの容量を持つ
スマートメディアが出て欲しい(^_^;)。

で、FINEにより撮影したデータをEPSONのPM-750Cで印刷して
いるがやはり綺麗である。小型のカメラで撮影した紙焼き写真と
同じL版の大きさに印刷して比較してみたが、ちょっと見には区別
がつかない(^_^)。いやホント。
ルーペでのぞくとPM-750Cで印刷した画像はドットの構成が分か
るが例えばうちの母親あたりに何も言わないで渡せば、プリンタで
印刷したとはまったく思わないだろう。疑わずアルバム整理を始め
るのではないか(^_^;)。
カラープリンタもここまで来たかとあらためて感心するしそれだけ
の解像度を持つ画像が取れるデジカメが出てきたのだから思えば大
したものである。

昨年、当社の札幌でのイベント「Macintoshの匠たち」でデジカメ
のセミナーを私がやらせていただいた。その折りデジカメの今後と
いう部分で「競争激化」の上で結局「写真・カメラメーカーのデジ
カメが最終的に残るだろう」という大胆な?予測を申し上げた。

NIFTY_H9_04.jpg

※札幌でのイベント「Macintoshの匠たち」におけるゲストの方々。評論家の紀田順一郎氏をはじめMac Fan編集長、MACLIFE編集長、立野康一氏など多彩な方々に集まっていただいた

その予測が当たるかどうかはもうしばらく市場を眺める必要がある
だろうが、このFinePix700は確実にこれからの製品のひとつのハー
ドルになるに違いない。

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127/151 SDI00116 松田 純一    RE:PowerShot A5
( 9) 98/04/29 20:06 126へのコメント コメント数:2

鵜沢さんがアップされたCANONのPowerShot A5によるスティッチモード
の画像を登録しましたので興味のある方はご覧下さい。
なかなかきれいにつながっていますよねぇ(^_^)。色合いも特に調整さ
れていないとすれば自然な感じですね。

バッテリの持ち具合はスペックできには分かりましたが、同梱されて
いる充電タイプの電池がニッケル水素なんですか?
是非実際の持ち具合をまたお知らせください(^_^)。

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128/151 SDI00116 松田 純一    RE:PowerShot A5
( 9) 98/04/29 21:50 127へのコメント

いけねぇ...(^_^;)。私の聞きたいこと、鵜沢さんのアップされた
中にちゃんと書かれていましたね。すみません(笑)。

私がそのPowerShot A5でいいと思うのはレンズバリアがあること
ですね。

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130/151 SDI00116 松田 純一    実際に見たNew PowerBook G3
( 9) 98/05/24 16:04 コメント数:1

今日、ショップへ買い物に出かけたらNew PowerBook G3が一台展示
してありました。とはいってもPowerBook G3 233/12"でしたが.....。
どこかの雑誌にも書いてありましたが、実物は確かに小さくはないので
すが、重さを感じさせない雰囲気があるのが不思議です(^_^)。
また雑誌などで見た印象と実物との差で一番感じたのはホワイトのアッ
プルマークです。
雑誌で見た印象だとかなり大きく感じたのですが実物を見た第一印象で
はバランスが良いと思いました。
どうせなら(何がどうせなんだか...笑)6月発売というG3 250/13"を欲し
いところですがメモリを実装32MBから96MBくらいに増設したとして
実売いくらくらいになるのでしょうか?(^_^;)。

しかしこの新しいPowerBook G3を眺めていると、その内にiMacみた
いなツートンカラー、それも一部はスケルトン...だなんていう製品が登
場しそうな予感がしますが、どう思います(笑)。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
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135/151 SDI00116 松田 純一  RE:Re^2:Re:実際に見たNew PowerBook G3
( 9) 98/05/25 22:21 133へのコメント

こごめさん、こんにちは(^_^)

>>「どうせなら」というひとことと松田さんだからという先入観が...^_^;

なんですか~あ(笑)。そりゃあ...(^_^;)。
私も入手できるとしてせいぜい250/130で十分ですね。やはりバックサイド
キャッシュは欲しいしTFT液晶は欲しい、1152×870ピクセルで1677万色欲
しい...となると250/130はクリアしたい...(笑)。
ま、言うだけならタダだもんね(^_^;)。

私はiMacよりこのNew PowerBookが欲しいですね。

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136/151 SDI00116 松田 純一  RE:Re^2:Re:実際に見たNew PowerBook G3
( 9) 98/05/25 22:24 134へのコメント

有田さん、ご無沙汰です(^_^)

>>はい、了解です。
>>そーか、松田さん効果でしたか・・・

ありゃ...了解しちゃいましたか(笑)。しかしこのNew PowerBook G3
は良く出来ていますね。ただ店頭で2400cとならべて展示するのはど
うかと思いますけどねぇ(^_^;)。
その大きさと重さは覚悟していても2400cと比較するとやはり大きい
ですもの(笑)。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
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140/151 SDI00116 松田 純一    Apple Studioディスプレイの謎?
( 9) 98/06/07 22:33 コメント数:1

今日札幌の二カ所でApple Studioディスプレイを見ました。
気になったことがあるのでレポートします。

NIFTY_H9_02.jpg

すでに談話室に書き込んだとおり、東京秋葉原のイケショップおよびLAOX
MAC館で見ましたが、その表示は大変きれいで説得力がありました。しかし
今日札幌のとあるショップで見たApple Studioディスプレイはそのテキスト
表示がとても汚いのです。
ディフォルトの大阪フォントが滲んでいるのですがグラフィックはその点は
目立ちません。
同じ製品ではないようなほどこの汚いディスプレイが調整で直るものなのか
が知りたいところですが、汚いまま置いてある大型店の神経も疑ってしまい
ました(^_^;)。
お買いになる方はご注意ください...ったって、どうしたらいいのですかねぇ
(笑)。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
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142/151 SDI00116 松田 純一    RE:Apple Studioディスプレイの謎?
( 9) 98/06/08 22:16 141へのコメント

そうでしたか(^_^;)、今度汚い文字のApple Studioディスプレイを
見たらちゃんと直しておいてあげましょう!
あの表示を見たら購買意欲が無くなってしまいますから...(^_^;)。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
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147/151 SDI00116 松田 純一    New PowerBook G3レポート
( 9) 98/06/15 22:06

New PowerBook G3/250 13" レポート

New PowerBook G3/250 13"を入手しました。先週の12日(金曜日)に...。
そのいきさつはともかく(^_^;)、早速土日に仕上げなければならない事をや
りながら使ってみました。

パッケージは手提げ型の箱ですが本体の写真と共に両サイドはグリーンに
印刷され、中央に大きめの白いアップルマークがあるというなかなか素敵
な段ボールです。
このグリーン...何というのでしょうか? シトラスグリーンとでも言うような
感じですがこのカラーがテーマのようで中に入っているアクセサリキットの
箱もこの色です。何だかiMacのグリーンに通じるものがあるのかも知れま
せん(^_^)。

購入したお店でメモリを128MB増設したので160MBのマシンとなっていま
す。もちろん内蔵ハードディスクは4GB。大したマシンです!
まず筐体ですが実によくできています。思わず「金型が高そう...」と叫んで
しまいそうになるほど全体的な曲線のフォルムは美しいです。すでに雑誌
などで見聞きしていましたが中央部分は滑り止めにもなる材質とかで高級感
もあり蓋中央と底面に同じ大きさの白いアップルマークがほどこされていま
す。しかしよく見ると同じ白でも材質は違います。
表面にあるやつは立体的で透明感がありますが、底面のはただ白いだけです。

まず蓋を開けるとその大きな液晶画面に圧倒されます(^_^;) 。そしてこの液
晶は確かに綺麗です。そしてまたこれまでの機種で数々のトラブルに見回れ
た蓋と本体とをつないでいる稼働部分も信頼感を感じさせる作りです。

モニタ右上部にマイクロフォンが、キーボード奥の左右にステレオスピーカー
が並び、両スピーカーの間のスペースにコントラストや輝度調節ボタンなど
があります。
この250 13"タイプは左側面のPCカードスロット横にはK56flex規格のモデ
ムポート(モジュラージャック)があり本体奥には10BASE-TのEthernetポー
トまで付属しているというまさにオールインワンです。そしてリチウムイオン
バッテリーと拡張ベイに装着できるCD-ROMドライブとフロッピードライブ
が付属しています。

ユーザーズマニュアルはと見れば、これまたあの光沢あるグリーン色の表紙
の「ユーザーズマニュアル」と金赤気味のゴールドの表紙の「トラブル克服
ハンドブック」などが目立ちます。
残念だったのは即この「トラブル克服ハンドブック」が必要になったことで
した(^_^;)。なぜならいくつかのアプリをインストールして再起動した途端に
起動しなくなってしまったのです。
結局あれこれと対処をしましたがハードディスクをフォーマットし直し、Mac
OSも再インストールすることが近道だと考え実行したら問題は解消しました
が、なかなか一発で旨くはいかないものです(笑)。

つづく
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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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148/151 SDI00116 松田 純一    New PowerBook G3レポート
( 9) 98/06/15 22:06

New PowerBook G3/250 13"は大きく重いという特徴(?)もありますがそ
の液晶画面の広さを見れば重さなんて忘れてしまう説得力があります(笑)。
とはいえ、このNew PowerBook G3/250 13"を持ち歩くと...どんなもので
しょうか...ということで今日仕事でプレゼンに出向かなければならないかった
機会を使いこのマシンを鞄にいれて通勤してみました(^_^;) 。
マシンを入れた鞄は数年前にサンフランシスコのExpoで買ったMacintosh用
の鞄だけにバランスがよいのか片手でぶら下げると思ったより重さを感じませ
んが、そこは3.5kgにいくつかの小物が詰まっている鞄ですから十数分も持ち
続けているとじんわりとこたえてきます。
肩にかけるとその時は確かに楽なのですがこれまたしばらくするとかなりの重
量感にタジタジとなってきます。特に今日の東京の真っ昼間はかなりの蒸し暑
さ...(^_^;)。
でも大切なのはこのスペックを持ち運べることではないでしょうか。しかし左
右の二つのベイにリチウムバッテリーを装着するともう少しさらに重くなるは
ずです。
バッテリーといえばこれはどのくらい充電されているかを確認するボタンがあ
るなど、心憎いまでの気配り設計になっています。
そしてもちろん処理速度はデスクトップのG3 DT-233より確かに早いし、デ
ザインやトータルな機能回りも洗練され、PowerBookの集大成といった感が
あります。

とはいえ、一つだけ不便な点がありました。それはキーボードです。
キータッチはまずまずですがコマンドキーが小さいだけでなく、上段にある"C"
のキー位置と比較するとその2/3程度まで右側に位置しているためどうも使いに
くいのです。
その原因を作っているひとつは新たに採用した"fn"キー。ファンクションという
ことでしょうね。このキーはマシンのリセットに使うだてげなくキーボードの一
部をテンキーとして使うためにあるようですが、さて私にはコマンドキーの方が
大切なように思えます(^_^;)。

つづくかも...
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SKOSHING SYSOP 松田純一
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149/151 SDI00116 松田 純一    New PowerBook G3レポートつづき
( 9) 98/06/20 11:26

New PowerBook G3ですが、秋葉原のショップでもすでに"予約"となっ
ているようで品薄状態が続いているようです。今度こそ供給は大丈夫だ
と聞いていましたが...これではiMacなんて奪い合いになるのでは(笑)。
困ったこってす!

ところでNew PowerBook G3のレポートの続きです。
側に置けばおくほど、この新素材...グラスファイバーを加えたポリカーボ
ネートと中央に位置しているラバーコーティング...を使った筐体は素敵で
す。これまでのPowerBookのどこか頼りがいがないというような所はな
く、非常によく設計されていることが分かります。
そしてそのクラムシェルデザインといわれているボディ全体に突起部分
がなくナデナデしていても大変気持ちがよい...(笑)。
ポリカ部分は暖かさを感じるのにラバーコーティング部分はいつでもヒン
ヤリと感じる(実際にこの下はアルミニウムは放熱機能を考えられている)
差がよいと思う。そして中央のアップルマークはまた少し盛り上がってい
て掌にも十分その存在を感じる大きさだ。
不思議なものでこのホワイト・アップルロゴを眺めていると長年連れ添っ
た6色アップルが何だか流行遅れというか野暮ったく感じるのは私だけで
はないと思いますが...いかがでしょうかねぇ(^_^;)皆さん...。

それから雑誌などでは取り上げられる機会がほとんどないようですがスリ
ープランプの位置が本体と液晶のつなぎ目部分、すなわち背面に近い箇所
になっていることは評価できる。なぜなら2400cはそのスリープランプの
位置が前面にあるため目立ちすぎるのです。
2400cは出張時にも必ず持ち歩くのですが、ホテルに備わっている机に置
きスリープ状態にするとそのグリーンランプの「パチパチ...」はかなり目
立ち気になってしまう(^_^;) 。したがってベッドに入り部屋の電気を消す
ときにはその前に物を置いたり、置き場所をベッドから見えないところに
置き換えるようなこともままあるのです。

New PowerBook G3のスリープランプはリングの形状をしており液晶の
蓋を閉めてもその存在は分かるが面積も蓋を開けている状態よりは小さく
その見栄え上、発光も弱く見えるようになっているようでこのような些細
な事にも気を使っているという感じを強く持ちました(^_^) 。

つづくかも...

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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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150/151 SDI00116 松田 純一    QuickDraw3D Accelerator Card
( 9) 98/07/26 20:22

今日、秋葉原のT-ZONEでApple純正のQuickDraw3D Accelerator Card
をナント...9,800円で見つけましたので一枚GETしました。後4ケース残って
いました。
このボードは発売された時に確か5万数千円を出して買った覚えがあります。
で、何でいまさらこのボードを...という理由ですが…。

NIFTY_H9_03.jpg

当社の新製品でありますQuickDraw3D対応「WonderCube2.0」では既にお
知らせの部屋でご紹介した通り、ビットマップの二次元描写をそのまま3Dオ
ブジェクト化することができます。
でこの時、マッピングをほどこすことができるだけでなく、オブジェクトの透
明度をコントロール設定できるのです。ただし残念ながら透明度を使うにはこ
のQuickDraw3D Accelerator Cardをはじめとするハードウェアが必要にな
るわけです。
いまさらこのボードを差したからといって処理スピードの向上を期待する事は
できませんが「WonderCube2.0」で簡単に透明のオブジェクトが使えるのは
魅力ですしそのための9,800円は安い! というわけです(^_^)。
ただしパッケージの上に販売店の注意事項が書いてあり、G3での対応は未確
認だという意味のことが書いてありました。ま、これからテストしてみようと
思います。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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151/151 SDI00116 松田 純一    iMac発表!!
( 9) 98/08/19 21:34

iMacの発売日と価格が決まりましたね。発売は8月29日、そして大変気になって
いた価格は178,000とのこと。現在の為替レートを考えるとまずまず努力をして
くれた価格だと言えるのではないでしょうか(^_^;)。
私は昨日アップルにてiMacの実物をはじめて見ましたが、写真で見るよりはずっ
としっかりしたというか、チャチな感じではなく隅々まで気配りされているよ
うに見受けました。

1stiMac.jpg

※初代iMac。そのカラーリングは "ボンダイブルー" と呼ばれた


特に予約をしなくても早々に入手できるというアップルの話でしたが、さて皆さ
んはいかがしますか?(笑)。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
SDI00116@niftyserve.or.jp
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■エピローグ
長らくNIFTY-Serveログ公開をお読み頂きありがとうございました。スタート時にご紹介したとおり本来なら当時多くの方々と交わされた記録をそのままの形でご提示できればよかったがすべての方に許諾をいただくのは現実的でないと判断し案内役として参加した私自身の書込のみをご紹介してきた。それでも十数人の方々から文脈の間で交わされたあれこれを思い出したと嬉しいメールもいただいた。
ともあれメーカーから発売されたハード、ソフトといった製品群の多くはインターネットが登場してからこの方、情報として残っていくこともあるだろうが、実際にそれらに一喜一憂したユーザーの声や仲間達との交流は残りにくいし後からでは思い出しようもないものだ。
繰り返すが私の手元に残ったフォーラムでのやり取りは、ここに記した数十倍もの量でもあり、かつその内容も変化の激しいこの業界における希有な記録であることは間違いない。機会があれば形を変えてご紹介できるよう考えてみたいと思う。
ありがとうございました。





ラテ飼育格闘日記(398)

この地に引っ越ししてから早くも9ヶ月ほどが過ぎた。以前の場所と遠くに離れたわけでもないが、日常のラテとの散歩エリアは変えざるを得なくなり、馴染みの公園へは距離もあることから時折しか足を運ばなくなった。しかし旧来のエリアを散歩すれば友達ワンコや馴染みの飼い主さんたちに会えるかも知れないし行き交う子供たちも知っている子が多いのだが…。


とはいえ散歩は毎日毎回のことだから、どこへ向かうかは天候にも左右される。この界隈ではいまだにラテの友達ワンコといえるのは柴犬のアンリちゃんしかいないし行き交う子供たちも当然のことながら知らない子供ばかりだ。したがって「ラテちゃん、可愛い!」などと近寄り頭を撫でてくれる子供もほとんどいないのはオトーサンとしても寂しい限りだ。それはラテにとっても同様だと思われる。
とはいってもこればかりは縁があってのことだし、無理して友達ワンコや知り合いが生まれるわけでもないから、日々黙々と散歩を続けるしかない…。

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※先日は珍しく旧知の公園に足を向けたら本当に久しぶりに友達ワンコのハリーちゃんとそのお兄ちゃんと遭遇。ラテはお兄ちゃんに抱擁されて至福のひとときを過ごした


しかし先日は面白いことがあった。面白いというか、子供の発想がとてつもなくユニークでオトーサンたちには予想もつかないことを思い知らされた出来事があった。
ここのところ1週間に2日ほど女房が朝外出するのでラテの気が乗れば駅近くまで一緒に向かうことにしている。そしてウィークディであること、そして時間帯が丁度通学の時間帯ということもあり小学生と中学生の姿が目立つのだ。

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※女房と会話中のラテ。実に表情豊かだ


ラテは知らない子供たちにも興味を持ちながら歩き、チャンスがあれば近づいて一緒に遊びたいと考えているようだ。すれ違う子供たちの顔を仰ぎ見て笑顔を振りまいたりもするが、皆が皆知らないワンコに声をかけてくれるはずもなく、反対に「でっかい!」とか「オオカミだ」などと離れていく子もいる。そんなときのラテはどこか寂しそうだ。
オトーサンにしても狭い歩道を子供たちと一緒に歩く際には最新の注意を払い、ラテのリードを短く持ち勝手な動きを封じるようにしている。やはりワンコが嫌い、あるいは怖いと思う子供もいるから気は抜けないのである。

とはいえ嬉しいことに中には「触っていいですか?」と声をかけてくれる女子たちもいるし、先日の朝は小学3年生くらいの男子が「何犬ですか?」とランドセルを揺らしながら近寄ってきた。ラテはそれだけで嬉しそうに尻尾を振り始めている。オトーサンが「雑種だよ」というとその男子は「仲良くできるかなあ」という。
周りに少しスペースがあったのでオトーサンはラテ用のオヤツを取りだして「このオヤツを食べさせてくれれば仲良くなれるよ」と笑うと「よし、やってみる」という。オトーサンは食べさせる前に「お座りとお手をさせてね」というと「OK」と男子は早速座り込んでラテの前に陣取った。

ほんの1分にも満たない時間だが、男子は「ありがとう、ワンちゃんまたね」と学校に向かって走り出したがラテも嬉しそうだった。
その数日後に同じ道を歩いていると先日の男子が「おはようございます。餌あげていいですか」と聞く。どうやら先日のようにラテにオヤツをあげたいということらしい。ラテは早くもその場にお座りして待っている(笑)。オトーサンは苦笑しながらも男子に指の爪程度のオヤツを「お願いします」と二つ渡した。

ラテはスムーズに男子のいう「お手」をクリアしてオヤツを貰っていたが、なんとも嬉しそうだ。とはいえ男子も登校途中だし前後には友達もいるようなので慌ただしく「バイバイ」と駆け始める。そんなことがあった数日後、今度は夕方の散歩でまったく別の場所でサッカーのユニフォームを着て自転車に乗った男の子が「あっ、ワンちゃんだ」と近づき「餌あげてもいいですか?」とオトーサンに声をかけた。
どこかで聞いた台詞だとよく見ると朝の登校時に会った男子でサッカーの練習の帰りだという。ともかくここでもラテはお座りとお手をさせられつつもオトーサンが渡したオヤツを男子からもらうことになった。

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※散歩の帰りに出会った男子からオヤツを貰うラテ


またまた数日後、夕方のこと雨上がりの少々ぬかるんだ住宅街の公園に入ったらあら不思議…家が近くにあるのだろうか…その男子が階段の上から「あっワンちゃんだ」と笑顔で近づいてきた。たぶん遊びに出てきたのだろう。ラテもすっかり覚えたようで初めて「ウォオオオオ〜ン」と歓喜の声を上げた。
そこではじめて「ワンちゃんの名前はなんていうんですか?」と聞かれたので「ラテっていうんだよ」と教えると「ラテラテ」と頭を撫で、いつものようにオトーサンから渡された小さなオヤツを嬉しそうにラテの前に差し出した。
登校時間に通る道ならいざ知らず、こうしたまったく別のエリアで出会うのも面白いものだがラテにとって知り合いの男子が1人できたことは嬉しいことだ。そして男子は別れ際に面白いことを言った…。

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※公園から戻ろうとしたときラテは抱っこを要求(上)。結局フィニッシュはオトーサンに抱っこなのだ(下)


そのときリードはオトーサンが持っていたわけだが、女房も一緒だった。万一雨に降られると困るからと傘を持って同行してくれたが、雨模様なのでいつものデジタルカメラは持参していなかった。
オトーサンたちの後からついてくる女房を見てその男子は「この人…なに?」と聞くのだ(笑)。その真意を推察するにリードを持っているわけでもなくただ一緒に歩いている女房を見て男子は「なんのために一緒にいるの?」と思ったのだろうか。女房は苦笑するしかない…(笑)。
こうした思いもよらない問いかけにオトーサンは一瞬どう答えたらよいのか考えてしまった。勿論相手は子供であり、他意もなければ悪意もないはずだ。思ったことを正直にストレートに口に出しただけなのだろうし、怒るわけにもいかない。

「この人はラテのオカーサンで一緒に散歩をしているんだよ」と言うと「ふーん」といいながら、まだラテに未練がある様子を見せながら離れていった。ラテもしばらくその男子の後を追いかけたい様子だったが、男子の後ろ姿が遠のくにつれ、素直にオトーサンと歩き始めた。
それぞれがほんの数分の出会いではあるが、ラテにとっては貴重な時間に違いない。それにしてもワンコと子供の取り合わせはいつでも絵になるものだ…。



2001年10月23日、スティーブ・ジョブズによる「iPod発表イベント」再考

私たちのミュージックライフを一変させたiPod。それは2001年10月23日、クパチーノApple本社のタウンホールにおいて開催されたプライベートイベントでスティーブ・ジョブズにより発表された。いまでもYouTubeなどを探せばその際の映像を見ることができるはずだ。ただしその発表会と市場の反応は些か地味なものだった…。


今回は2007年発刊(原本は2006年)のスティーブン・レヴィ著「iPodは何を変えたのか?」(ソフトバンク クリエイティブ刊)を参考にしながら iPod発表当時のあれこれを再考してみたいと思う。なにしろ今日のAppleを築き成功へ導いたのはこの当初は期待されなかった iPodがきっかけだったのだから…。

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※スティーブン・レヴィ著「iPodは何を変えたのか?」ソフトバンク クリエイティブ刊表紙


さて、アシュトン・カッチャー主演の映画「スティーブ・ジョブズ」も冒頭はこのiPodの発表エピソードから始まっている。
ステージ上手から登壇したスティーブ・ジョブズはリモコンを手にしながらいつものように魅惑的なジョブズワールドをスタートするが、招待者で埋まった客席からの反応はいまいちだった…。

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※iPod発表イベントでジーンズから iPodを取り出し掲げるスティーブ・ジョブズ


そういえば映画「スティーブ・ジョブズ」ではiPodが示されると会場からスタンディングオーベーションを受けるが実際には儀礼程度の拍手が湧き起こった程度だったし、その拍手の多くは最前列に座っていたアップル関係者たちからのものだったように見える。そこには現CEOのティム・クックやジョナサン・アイブの姿もあった。

なぜ会場の反応がいまいちだったかは明白だ。そのプライベートイベントで発表されるのは音楽プレーヤーだという情報が巷に流れていたし、Appleからの招待状には「Macではないもの」と明記されていた。
MP3プレイヤー、すなわちデジタル・ミュージックプレーヤーは数年前から市場に存在していたものの飛びついた新しもの好きも少々ウンザリするできの悪い製品がほとんどだった。

数曲からせいぜい十数曲しか内蔵できずそのインターフェースは不可解でさきほど聴けた音楽がどういうわけか今度は再生できない…などということも多々あり得た。それに製品の見た目も酷い物が多かった。
スティーブン・レヴィにいわせれば「見た目はお祭りでハズレくじを引いた人に渡される安物のプラスチック製オモチャのようだった」といった製品が目立った。

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※当時私が使っていたMP3プレーヤー。SDカードにデータを記録できるが大変使いづらかった


したがって…というか、ミュージック・プレーヤーはミュージック・プレーヤーであり、iMacを始めとして革新的な製品作りで評価されてきたAppleにしても市場を作り替えるのは無茶な話のように思えた。Appleが作るミュージック・プレイヤーだとしても果たしてジョブズがいう「画期的な新製品」に値するのだろうか? と多くの人たちが考えた…。

そして相変わらず口さがないアナリストたちは、「Appleが本業から脇道に逸れ、骨折り損で終わるだろう」とか「この手の製品がどれほどの金になるのだろう」と訝っていた。だから、この手のオモチャに400ドルは高すぎるし、1000曲をポケットに入れられるというが、それで何か革新的なことが起きるのだろうか…といった反応が多かったのである。

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※初代 iPodの雄姿 (当研究所所有)


ただし実はこの発表会の時期、米国は重苦しい空気が充満していたのである。それはあの9月11日のテロからまだ1ヶ月ほどしか経過していない時期であり、ジョブズは勿論招待状を受け取って出席した人たちも漠然とした不安を抱え、目標とか近未来のビジョンを叫んでもどこか薄ら寒い感じが否めなかったであろうことは忘れてはならない。

例えば「ハッカー」や「マッキントッシュ物語―僕らを変えたコンピュータ」「人工生命―デジタル生物の創造者たち」などの著書でも知られるテクノロジーライターのスティーブン・レヴィ自身でさえ、Appleから招待状を受け取りながらも珍しく出席しなかった…。彼は自著「iPodは何を変えたのか?」でいう。
「普段の私なら、あの魅惑的なジョブズの発表イベントで今度はどんな新機軸が語られるのか一目見るために、一も二もなく飛行機に飛び乗っていたところだ」といいつつ「(当時の)私は他のニューヨーク住民と同じように鬱状態にあった。」と。そしてこの時期はまだ自爆テロに続いて炭疽菌テロも起こっていた時期で、東海岸を離れられなかったという。それに発表は「Macではなく音楽プレーヤー」であるという情報は事前に漏れ伝わっていたから、繰り返すがあまり期待されていなかったのも事実だった。

それにこのiPodの発表会が些か地味に思えたのも実はスティーブ・ジョブズの配慮があったからだった。
前記した「iPodは何を変えたのか?」によれば、発表会の後にレヴィにジョブズから電話がかかってきたときの会話が紹介されている。
やはりテロの話題を避けては通れなかったが、ジョブズはあのテロの後、アップルが間違った表現で誰かを傷つけたりしないよう、新製品の紹介の仕方を充分に考えていたという。そしてこの大変な時期にiPodを発表することができて満足していると共に「世間の人たちにささやかな喜びを提供できるんじゃないかな」とジョブズは続けたという。同時に当該発表がアップルとして些か控えめになったことに触れつつジョブズは最後に「今は大変な時期だけど、でも人生は続く、続けなきゃいけないんだ」と自分に言い聞かせるようにレヴィに言った…。

テロの直後、Appleでもスティーブ・ジョブズが「…今日は家族と一緒にいたいと思うなら、そうしてくれて構わない。出社して働きたい社員のために、社屋は開けておく」というメールを社員全員へ送ったほど人々の心の傷は深く消沈していた。

当時 iPodの開発にたずさわっていた人たちもあの惨事の後、なにが重要なのか、何を優先すべきかが皆目わからなくなり葛藤に直面していた。Apple社員たちもスティーブ・ジョブズは出社しなくてよいと言ったが自宅でじっとしているのも気詰まりだったしいまの仕事をやり遂げるよりも優先すべきことも思いつかなかった。だから彼らはiPodを世に送り出すために、車に乗り込み白く輝くビル群が建ち並ぶAppleの本拠地、インフィニット・ループへと向かう。
こうして完成したiPodは、スティーブ・ジョブズが望み願ったように「世間の人たちにささやかな喜び」をもたらした。そしてその喜びの波紋は急速に世界中に広がっていった。

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※iPodのパッケージもキューブ型で大変印象的なデザインだった


ともあれこうしてiPodは発表された。私はといえばすぐAppleのオンラインストアに注文を入れた。音楽好きだからということもあったが、エコノミストや一部のジャーナリズムが酷評するような製品には見えなかったし、それまで使っていたMP3プレーヤーよりは良い製品に違いないと期待した。なによりもAppleの新製品だったからだ。しかしその後、このiPodが驚異的な売れ行きを示したことはご承知の通りである。

それまでパソコンメーカーのAppleは極小のシェアで満足するしかなかったし、コンピュータに興味のない多くの人たちには知られていなかった。
我々がMacintoshのことを「マック」と呼ぶとき、周りの多くはマグドナルドのことだと理解した(笑)。それがどうしたことか、電車の中、雑踏を歩く人たちの耳にホワイトのイヤーフォンが目立つようになった…。
iPodはジョブズのいうように私たちの日常生活を変える画期的な製品となった。



AppleとIBM、企業のモバイルを一変させるグローバルなパートナーシップを締結

Apple Japanは7月16日、米国Appleが7月15日付けで発表したニュースリリースを日本語に翻訳し、AppleとIBMは市場をリードする両社の強みをひとつにまとめ、IBMのビッグデータおよび分析機能をiPhoneおよびiPadにもたらす新しいクラスのビジネスアプリケーションを通じて、エンタープライズ分野のモバイルを変革するべく独占的なパートナーシップを締結したことを発表。


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※ "The Times They Are a-Changin" 。かつては対立の象徴だったIBMとApple〜「PC MAGAZINE」 1984年2月21号表紙より


この画期的なパートナーシップは、業務遂行の方法を再定義し、基幹産業におけるモバイルの課題を解決し、真にモバイルが主導するビジネスの変革を加速することを目的としており、以下の4つが根幹となっている。

・iPhoneおよびiPad専用として一から開発されたネイティブアプリケーションを含む、各業界に特化した100種類以上の新しいクラスの企業向けソリューション
・デバイス管理、セキュリティ、分析、モバイル統合などを含む、iOSに最適化されたIBM独自のクラウドサービス
・企業のニーズにきめ細かく応える、新しいAppleCare®のサービス&サポート
・IBMから提供される、デバイスのアクティベーション、配布、管理のための新しいパッケージ型サービス

新たに登場するIBM MobileFirst for iOSソリューションは、AppleとIBMそれぞれの強みを活かす独占的な協力の下に構築されるもので、IBMのビッグデータおよび分析能力と、その背後で活躍する各業界・分野に特化した総勢100,000名以上のIBMのコンサルタントおよびソフトウェア開発者の力が、Appleならではのユーザ体験、ハードウェアとソフトウェアの統合、開発者プラットフォームがひとつに溶け合うことで生まれるもの。この組み合わせから、iPhoneやiPadを使ったビジネス手法ならびに従業員の働き方のあり方を変えるアプリケーションが生まれ、企業は新たなレベルの効率性、効果、顧客満足といったものを従来よりも迅速かつ容易に獲得できることになる。

この独占的なIBM MobileFirst for iOS協定の一環として、IBMは同社の業界に特化したソリューションとともに、iPhoneおよびiPadを世界中のビジネス顧客に向けて販売していく。

Apple Japan


iPadとFileMakerプラットフォームを活用した「在宅復帰支援シミュレーター」紹介

ファイルメーカー株式会社は7月16日、『iPadとFileMakerプラットフォームを活用した「在宅復帰支援シミュレーター」の導入で、介護老人保健施設入所者の在宅復帰率が15%から40%超に向上』と、医療・介護分野におけるiPadとFileMakerプラットフォームの導入成功事例を紹介。


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介護老人保健施設のサンライフゆもと(福島県いわき市)では、多岐にわたる施設利用者の情報をFileMakerソリューションで管理している。これにより、120名を超える多職種のスタッフ間で、250名を超える利用者情報を効率的に共有している。介護事業では利用者一人当たりに非常に多くの申請書類や届出書類の作成が必要でサンライフゆもとでは、こうした書類作成業務の効率化を図るために、1996年からFileMakerを導入して情報の電子化、システム化を推進してきた。さらに今回、これらの情報を活用してiPadで動作する「在宅復帰支援シミュレーター」を新たに開発して運用を始め、在宅復帰率を大幅に向上させることに成功している。

事例の詳細とビデオ






久しぶりのMacPaintに思う30年の歳月

最近はビル・アトキンソンの名を見聞きする機会はほとんどなくなった…。彼は現在写真家として活躍し、時にiPhoneアプリなども発表してきたが、昔からのMacユーザーにとって彼はやはりプログラマでなければならない…。だからというわけではないが、ふと思いついて久しぶりにMacPaintを起動してみた。


ビル・アトキンソンといえば申し上げるまでもなく、HyperCardや最初のMacにバンドルされていたMacPaintの開発者であり、Macintoshシステムの中核をなしているQuickDrawなどを開発した天才プログラマである。ただし昨今は写真家として活動しているようで、以前自身の写真集発売を機に来日し記念講演を行った際には出席した経緯がある。
そんなビル・アトキンソンの名を雑誌の記事やウェブ上で見聞きすることが少なくなったが、我々黎明期からのMacユーザーにとってビル・アトキンソンはいまだに光輝く偉人でもある。

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※ビル・アトキンソン(2004年に筆者が撮影)


だからという訳ではないがMacPaintを久しぶりに体験してみた。幸いなことは私の手元にはきちんと動作するアプリケーションディスクと初版のマニュアル(共に英語版)があるが、アプリケーションを走らせたのは漢字Talk7.1をインストールしてあるMacintosh Classic IIである。ちなみにマニュアルとフロッピーディスケットにはアトキンソン直筆サインがあるが、前記した記念講演時にサインしてもらったものだ。

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※久しぶりにMacintosh Classic IIでMacPaint起動した写真(下)


いつも思うことだがモノクロであることは勿論、シンプルな...本当にシンプルなMacPaintを操作するとグラフィックソフトやMacintoshそのものの原点をあらためて感じることができ、喜びを覚える。無論いまさら、このMacPaintで何かを描こうとか作業をしようとは思わないが、いまPhotoshopをバリバリ使い込んでいる方々の前にMacPaintを置いたら、どんなモノを描くのだろうかとフト思ったりもする(笑)。
それは描写ウィンドウがひとつしかオープンできないとか、画面はスクロール機能がないので位置をずらしたい場合にはハンドツールで動かすか Show Page 機能で縮小イメージを表示させ、そこでウィンドウ位置を変えるしか方法がない…などという使い勝手の問題についてどう感じるか…ではない。

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※MacPaintのShow Page機能で全体を表示し、ウィンドウ表示領域を変更する


このモノクロで小さなウィンドウ、そしてツールパレットに用意されている数個のツールたちでどれだけの作品を生み出せるのかを見てみたいような気がするのだ...。
そういえば、最近はPhotoshopを使って「ドット潰しをしなくなったなあ」と思い至った(^_^)。その72dpiのビットマップ表示でそれなりに綺麗に見せるにはまさしく一点ごとの修正が必要なことが多々あったし、Macintoshがカラーになった256色モード時代でも相変わらずこのドット単位の修正をよくやったものだ。

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※表示を拡大してドット修正をよくやったものだ


日常はさすがにMacPaintを使うことはないが、こうして久しぶりに利用を思い立ったとしても操作性に迷うようなことはない。それはシンプルだからとしても長い間夢中になって毎日使い込んだ日々の感覚を忘れていないからだ。まるで十数年ぶりに乗る自転車みたいなものか…。また良く言われるようにMacintosh本体のオペレーションはもとより、MacPaintの基本操作はそのまま今日のPhotoshopなどにも継承されているからでもある。
近年のPhotoshop等のグラフィックツールバーを見ても、MacPaintと同じアイコンはいまだにいくつか存在する。lassoおよびselectionツール、scrollのハンドツール、消しゴムなどなど基本はほぼそのままのデザインが多い…。

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※例えばPhotoshop CSのツールパレットにもMacPaint当時からのデザインツールが存在する


ただし現在のオペレーションに慣れすぎた感覚からは意外に思える部分もある。例えばショートカットなどがそうである。
まずMacPaintがコマンド+Qで終わらせることができないだけでなく、コマンドキーによるショートカットの多くはフォントのスタイル変更などに割り当てられているという違いが目立つ。機能が少なかった往時だからこそできた贅沢な?使い方だ(笑)。

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※MacPaintのコマンドキー割り当ての多くはフォントスタイル変更などに使われていた


またヘルプの替わりとして「Goodies」のプルダウンメニューには「Introduction」「Shot Cuts」というメニューがあり、MacPaintのウィンドウ上で基本的な機能紹介が表示されるようになっている。

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※MacPaintのGoodiesメニューからIntroductionを使った例。簡単なツールの解説が表示される



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※MacPaintのGoodiesメニューからShort Cutsを使った例。ショートカットやツールのダブルクリック機能の解説が表示される


ところでアプリケーションも面白いが、そのマニュアルも今となってはユニークそのものだ。Macintosh最初のグラフィックソフトのマニュアルだというのに、たったの32ページしかないその薄さも感動ものだが(笑)、それ以上に面白いのはこのマニュアルの中身はMacintoshおよびMacPaintにより版下が作られたものだからである。

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※MacPaintのオリジナルディスクと初版マニュアル。共にビル・アトキンソン本人による直筆サイン入り


念のために記せば、まだAppleのLaserWriterは存在せず、プリンタといえばドットインパクト型のImageWriterしかなかった時代である。無論DTPソフトなどは存在しない。だから図版はもとよりだが英文のフォントは皆ビットマップそのものであり、本来は美しい仕上がりとは無縁なのだろうが、おかしなもので今となっては逆に新鮮に見える。

決して懐古趣味で申し上げる訳ではないが、MacPaintを操作したことのない方は何らかの機会があったら是非一度自身で体験していただきたいと思う。MacPaintが登場してから (Macintoshが登場してから)早くも30年が過ぎた。カラー化はともかくこの30年に匹敵する進化・進歩に値するものが最新のPhotoshopを代表するソフトウェアにどれほどあるのか...試して考えていただきたいとも思う。

30年といえば、申し上げるまでもなく長い年月だ。しかし考えようによっては我々はいまだにMacPaintの範疇から、あるいはビル・アトキンソンの掌から脱出できていないのかも知れない。
まあ難しいことはともかく、MacPaintに触れると子供の頃に遊んだ路地や小道といった、何の変哲もない物事を思い出すのと同じような懐かしい思いを感じることができる。これだけは古いユーザーの特権に違いない(笑)。






MacBook Pro用薄型エアスペーサー/スタンド「Kickflip」発売

トリニティ株式会社は7月15日、BlueloungeのMacBook Pro用エアスペーサー/スタンド「Kickflip」を全国のコンピューター周辺機器取扱店およびデザインインテリア雑貨店を通じて本日より販売すると発表。なお、本製品はTrinity Online Storeでも取り扱う。


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Bluelounge Kickflip(キックフリップ)は、吸着パッドで貼り付けた足でMacBook Proに空間を作り、熱を逃す薄型エアスペーサー/スタンド。
人間工学に基づいた角度調節により、いつでも一番見やすい、あるいはタイピングしやすい角度に合わせることができ、楽な姿勢で作業をすることができる。

・MacBook Pro背面にスペースを作って熱を逃がすエアスペーサー
・取り付け&取り外し簡単な吸着素材
・取り外しても接着痕を残さない
・ガラス強化素材の蝶番で安心の耐久性
・MacBook Pro 13インチ/15インチ対応

▽ 価格/市場予想価格
13インチ:オープン/市場予想価格:2,600円(税抜)
15インチ:オープン/市場予想価格:2,800円(税抜)

Kickflip

技術少年出版「Legacy8080 エレガントモデル」発売

(株)技術少年出版は7月14日、学習用8bit マイクロコンピュータ「Legacy8080」シリーズの新製品として高級木材「ウォールナット」製ケースを採用した「Legacy8080 エレガントモデル」のセミキット、及び完成品の発売を開始したと発表。販売価格は、セミキットが127,000 円(税別)、完成品で130,000円(税別)から。


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「Legacy8080 エレガントモデル」は「暮らしの中にあるマイコン」を目指してケース外枠に高級木材「ウォールナット」(くるみ材)による木製ケースを装備したモデル。艶のある美しい木目のLegacy8080 エレガントモデルはリビングルームや書斎にも似合う。「ウォールナット」は高級家具や高級スピーカー、欧州車のウッドパネルなどに使われている木材。

エレガントモデルの仕様はエデュケーションモデルと同じ。内部のシャーシーもエデュケーションモデルと同じものを利用している。エレガントモデルは、エデュケーションモデルにウォールナット材の側板と天板、エデュケーションモデル用のリアパネルを装備したモデル。
なお本モデルは受注生産のため納期は約5週間。株式会社 技術少年出版のWEB サイトより通信販売が開始されている。

株式会社 技術少年出版




Lightning USB ケーブル再考

iPhoneやiPadのユーザーなら、一般的に充電や同期の際には付属のLightningケーブルを使っているはずだ。ただしガジェット類が増えてくるとケーブルも複数必要になるしApple純正のケーブル以外のものも気になってくる。とはいえLightningケーブルで大切な事はAppleが認証した製品でないとガジェット側を壊す可能性もあるようだから、ノーブランド品とか激安のケーブルは使わない方がよい。


ところでLightningケーブルに限らずだが、この種のケーブルはたとえApple純正品だとして消耗品に違いないことを認識しておくべきだ。扱い方にもよるだろうが決して頑丈丈夫なものではなく断線やコネクタ部位が壊れて充電や同期が上手く行かなくなることもあり得るからだ…。したがって予備のケーブルも揃えておくと安心だが、実はApple純正品のLightningケーブルの長さは長すぎて使いづらいという声を聞く。

iPhoneなどに同梱されているLightningケーブルは長さが1メートルのものだ。これは別途購入すればApple Storeで1,900円で販売されているが、Apple純正品として0.5メートルの長さのケーブルも同額で販売されている。
ちなみに以前友人知人数人に聞いたところ、ほとんどの人は充電時にこの1メートルのケーブルは長すぎると思っているらしい。事実自宅や会社で充電する際に1メールの長さが利点と思ったケースはほとんどないようだし私もそうだ。反対にケーブルはバッグやポケットの中で絡まったりして取り出す場合に面倒だったりする…。

ということで今回常用していたLightningケーブルが接触不良になるケースが出てきたのを機会に予備も含めて新しいケーブルを購入することにした。その際の注意点としてAppleの “Made for iPhone/iPad/iPod” を取得していることは勿論だが、Apple純正品ではなく今回はサードパーティの製品を手に入れてみた。

まずそのひとつはAnker社がAmazonで999円という価格で売り出したLightningケーブルだ。興味を持ったのはこの価格にもかかわらず “Made for iPhone/iPad/iPod” を取得した製品という点だ。そして長さが0.9 メートル、すなわち10センチApple純正品より短いというので選んでみた。

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※Anker製、長さ90cmのLightningケーブルパッケージ


どうやら評判が良いようで、かつその安価なことも相俟ってあっというまに売り切れとなった。何しろ価格も純正品の約半額なのだから確かに魅力だ…。

もうひとつはBelkinの “USB Cable Kit” というパッケージを買ってみた。これは “Kit” と名が付いているようにMicro-USB、30 ピン - USB、そしてLightning - USBという3種類のケーブルがセットになっているものだ。これまた “Made for iPhone/iPad/iPod” を取得した製品だが特長は各USBケーブルの長さが15センチという短い点にある。

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※Belkin製 “USB Cable Kit” パッケージ



前記したようにケーブルの長さは長ければよいというものではない。確かに「大は小を兼ねる」と同様に長いことは目的を達するのにトラブルの元となるわけではないが、現実はケーブルがからまったり、それが原因で断線となったりする可能性があるだけでなく取扱時に邪魔な場合もある。
ガジェットを充電あるいは同期する場所や方法にもよるが、短いケーブルが欲しいケースも多いのだ。そうした場合にはこの15センチのケーブルは大変扱い易い。

短いといえば私が活用している中で一番短いLightning USBケーブルはBlueLoungeの製品である「Kii」だ。この鍵型をしたLightningケーブルはキーホルダーにぶらさげて必ず身につけている。その4センチほどのケーブルは主に外出時にモバイルバッテリーからiPhoneを充電するために使っているが、利便性の高さは他に類を見ないしケーブルを忘れて外出というミスも防げるので重宝している。

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※常用しているlightning ケーブル類。左からApple純正品、Anker社製、Belkin社製、そしてBlueLounge社のキー型ケーブル


したがって現時点で当研究所には4センチ、15センチ、90センチ、そしてApple純正品の1メートルという計4種類の長さを持つLightningケーブルを各複数本常備していることになる。
やはりこの種のケーブル選択のポイントは価格ではなく“Made for iPhone/iPad/iPod” を取得していることは勿論、なるべく上質なものを選びたい。そして消耗品であることも認識しつつ古いものに拘らず定期的に新しいものと取り替えてトラブルを防ぎたいものだ。

最後に余計なアドバイスかと思うがケーブルを収納あるいは持ち運ぶ際の扱いについて述べたい。
複数のケーブルをそのまま袋とか箱に投げ入れ状態だととかく絡まったりして使いづらいし、繰り返すが取り出す際に断線を引き起こす可能性もあり得る。理想は何かしらのケーブル専用ポーチみたいなものに収納しておくことだが、例えば古いカセットテープのケースを再利用しLightningケーブルを入れておけばそのまま持ち運びも可能だし安全だ。

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※使い古しのカセットテープ・ケースをケーブル収納ケースとして使っているが…


この使い古しのカセットテープケース活用法は良いアイデアだと思い、友人達に教えたが、1番の問題は既に彼らはカセットテープを持っていなかったことだ(笑)。
まあ、カセットテープのケースはともかく、小振りのダンボール箱でも良いからケーブル類は常に丁寧に保管し扱いたいものだ。




Vintage Computer、後からピント合わせができるLytroカメラ大特価販売中

米国Vintage Computer社は7月12日、後からピント合わせができるLytroカメラを、大特価販売中と発表。なお 7/15まで、15周年記念セール中のため記表示価格より会計画面で10%引きとな.る。


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通常は別売り($29.95)のカメラスリーブがバンドルされたスペシャルセットで、16GB Cobalt Blueと8GB Champagneの2種を用意。共に8倍光学ズーム搭載。
Lytroカメラは、light field機能により写真を撮影後に焦点を任意の場所に合わせられる画期的なカメラ。
Lytro Desktopアプリケーションを利用して、インポート、現像、加工を行う。 そして画像をLytro.comのフリーストレージにアップロードし、SNS, Blog、WEBサイト、email 等に簡単に共有可能。

・OSの対応:Mac OS X 10.7以降、64bit Windows 7, 8
・サイズ:41mm x 41mm x 112mm

価格は16GB Cobalt Blueが24,800円、8GB Champagneが19,800円。

Vintage Computer, Inc.



ラテ飼育格闘日記(397)

早いもので今年も半年が過ぎてしまった。そしてまだ梅雨明け前だからして雨の日が多いのもやむを得ない。オトーサンはiPhone 5sの天気アプリ数種を利用し、雨雲が切れるタイミングを参考にしながらラテとの散歩に出かけるが、長い散歩とすぐ戻ってくる散歩の落差が大きくオトーサンの予想通りに行かないのが悩みの種だ。


ここのところ、冬場と比べて30分から小一時間散歩に出るのを遅くしている。しかし土砂降りの雨は避けたいからiPhoneの天気予報関連アプリで刻々と変わる天気予報や雨雲の様子を確認しつつ、なるべく濡れないタイミングを図ってラテを散歩に連れ出すようにしている。しかし我が娘はそれを知ってか知らずか、非協力的で好き放題だ(笑)。

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※我が家のお嬢様が三つ指ついて笑顔を見せる…(笑)


雨に濡れるのは勿論、レインコートが嫌いなラテだからオトーサンも小雨程度ならレインコートなしで出かけたいと考えているがそれも程度問題だ。
先日の朝、途中まで女房と一緒に駅に向かったオトーサンとラテだが、途中で別行動となった。ラテは普段途中で女房やオトーサンが居なくなると不安になるのか探し回ったり追いかけたりするが、朝の散歩…それも駅方面に向かっている時にはそうしたものだと思っているのか女房と別れてもそんなに騒がず大人しくオトーサンについてくる。

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※相変わらず...所構わず敷物モードを多発させる


その日も女房と別れたオトーサンたちは慣れた道を歩き始めた。実はラテが素直についてくるひとつの要因だが、朝のこの時間帯は登校時間帯なので子供たちが多く賑やかなのが好きなのだ。というよりラテは子供全般…特に小学生高学年から高校生あたりまでの女子が大好きなのだ(笑)。
これが大人だと警戒感からなのだろうか吠えたり唸ったりするが、子供なら初対面の子にもフレンドリーなのである。

例えば向こうから母親の手を振り切ったのか「あっワンワンだ!」と幼児がラテに駆け寄りいきなり頭を撫でたりした場合でも怒ったり吠えたりしたことはない。勿論そんなときオトーサンは最新の注意をしてリードを短く保持してラテの動きを止めるが、当の親御さんは「すみませ~ん」と危機感がない(笑)。
したがって子供はよいが、これがもし大人なら男女を問わず唸るし猛烈に吠えるラテなのである。

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※ときには土煙を上げながらオトーサンと走ることも...


ただしそうした子供たちの中でも前記したように特に女子が好きなのは面白い。事実子供とは言えすでに母性を持っているのか男の子たちとは接し方が違うからラテも安心なのかも知れない。
それに面白いというか…感心することにラテは「可愛い」という言葉を認識するだけでなく、それは自分のことであり誉められているという事を理解している事実だ。いや大げさに思えるかも知れないがこれはラテだけでなく知り合いのワンコたちでも同じだと聞いたことがある…。

その朝も女房と別れてラテと少々狭い歩道を歩き始めたが、前に4人の中学生女子が楽しそうに喋りながら歩いている。どうやら話に夢中で後ろにオトーサンたちが迫っていることに気づかないようなのでオトーサンは「すみません」と声をかけて道を空けて貰った。
オトーサンは「ありがとう」と言いながらラテのリードを引いたとき、女子のひとりが脇を通るラテを見て「可愛い!」と声をあげた。「ホントだ!」と他のひとりが答えたとき、当のラテが素早く反応した。

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※柴犬のアンリちゃんと朝のご挨拶。それにしてもラテは仏頂面だ。飼い主の立場もあるからいま少し如才なくしてほしいものだ…(笑)


道を空けてくれた4人の女子は円弧を描くように列んでいたが、ラテは「アタシ、呼ばれました?」とでもいうように4人の前にスッと近寄りきちんとお座りをして女子たちを見上げた…(笑)。オトーサンがリードでコントロールしたのではなくラテが素早く反応したのが面白い。女子たちも笑いながら「あら、聞こえたんだ」と頭を撫でてくれた。
こうしたことは偶然でなく日々経験することで、すれ違い様にも「可愛い」という声を聞くと自分のことだと思うのだろう振り返り、それが特に女の子なら喜んで近寄って相手がワンコ好きの子なら足を舐めたりする。

ともかく最近の散歩は天気が悪いから時間的に短い散歩が多くなるものの、先日ラテはどうした気持ちの変化か片道30分ほどかかる以前の馴染みな公園に足を向けた。
オトーサンは遠くに行くのはよいが、帰りにぐずられるのでは困るのでどうしようかと迷った。しかしラテは元気に歩くのでともかく行けるところまで行ってみようと決心した。
結局公園に行ったものの知っているワンコや飼い主さんは全然いなかったので即Uターンして帰ることに…。ここからラテの歩みが遅くなるのだがオトーサンも騙しだまししながらともかく歩く、歩く。しかし途中前方に猫でも姿を現せばなんということはない…ラテは追いかけようと走り始めるのだ(笑)。歩きたくないということは体力的な問題よりメンタル的なことも大きいのかも知れない。

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※なんだかんだと言っても寝顔は可愛い(笑)


とはいえいつも都合の良い刺激が待ち受けているはずもなく、ラテは相変わらずノタノタ歩きでらちがあかない…。
そんなラテと格闘しながら帰り道を急いでいたら前方から暫く会っていなかった中学生の女の子が「ラテちゃん、久しぶり!」と声をかけてくれた。どうやら部活があったとかで少々遅くなったしいが、ラテが幼犬時代に知り合ってずっと可愛がってくれた女子なのだ。ラテは尻尾をお尻ごと強く振って喜んでいる。

道端に腰を落としてくれた女子の両腕に抱え込まれたラテは日本人形のように整った女子の顔を丁寧に舐めてご満悦(笑)。数分の間、ラテ至福の時間を過ごした後にオトーサンはお礼を言って別れたが、ラテは現金なものでその後の歩き方がスムーズになるのだから苦笑してしまう。
なんだかこの日の夕方の散歩はその女子に会うためにわざわざ遠出したような散歩となったが、終わりよければ全て良し…。ラテとオトーサンは共に機嫌良く帰路についたのであった。


ANKER社 PowerIQ搭載40W 5ポート USB急速充電器レポート

Lightning USBケーブル、12000 mAhの大容量モバイルバッテリー Anker Astro 3 (第2世代)に続き、同じくAnker社製の新製品、PowerIQ搭載40W 5ポート USB急速充電器を手に入れた。私たちはすでに複数のUSBデバイスを所持しているが、それらは充電せずには役に立たないわけで、充電の重要性をあらためて認識すべきと思う…。


いかに優秀なガジェット類でもバッテリーが切れたら役に立たない。だからこそ私も寝る前には必ずiPhone 5sを専用のライトニングケーブルで充電することを習慣づけている。
とはいえiPhoneひとつを考えても様々なツールとして役立てるとすれば内蔵バッテリーの容量は決して十分とはいえず、時にモバイルバッテリーをつないで充電したり、途中で珈琲ショップなどの店内に備え付けられているコンセントから充電しつつ毎日をしのいでいるというのが現実だ。

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※ANKER PowerIQ搭載40W 5ポート USB急速充電器パッケージ


勿論ケース型のバッテリーやらもあるが、要はiPhoneだけのことでなくあらためて数えてみると私たちの周りにはUSB接続による充電を必要とする機器が多いことに驚く...。
ざっと記してもiPhoneを筆頭にiPad、Bluetoothワイヤレスヘッドフォン数種、UP (ライフリストバンド)、スマートウォッチ、モバイルバッテリー数種、小型ICレコーダー、ウェアラブルビデオカメラ等々…。いや探せばまだまだあるに違いない。こうした5Vの充電を必要とするガジェットたちを必要な時にトラブルなく使えるようにしておくのはなかなか難しいものだ。

理想は使う可能性のあるガジェットを常にフル充電となるよう心がけることだ。しかしそれは数が一つ二つなら可能かも知れないが前記したように数が多いと充電が無駄になる可能性も含めてそもそもが煩雑で現実的には難しい…。
私の場合、通常神経を使っているのはiPhone 5sとモバイルバッテリー程度で後は使用する際に充電を開始することになる。多くの方々もそんなところではないだろうか。

この時、問題はいかにフル充電を安全・確実にそしてできるだけ速く終えるかだ。ガジェットによりフル充電に必要な時間はユーザーとして概略理解しているに違いないが、時に思った以上に充電時間がかかったり、最悪はケーブルをきちんと挿したはずなのにどういうわけか充電されていなかった…というようなトラブルを経験した方は少なくないと思う。私自身も数々のトラブルに遭遇してきたものの現実はいまだにその場しのぎの充電を続けてきた(笑)。

そんな折り、Anker社製の新製品でPowerIQ搭載と銘打った40W 5ポート USB急速充電器がリリースされていたことを知り早速注文した。これひとつあれば最大5台までのガジェット類を同時(合計出力は5つのポートで最大8A)にフルスピード充電可能という。なお本製品にはブラックとホワイトが揃っているが、直前に別途購入したモバイルバッテリー(Anker Astro 3)と合わせる意図から今回はホワイト仕様の製品を手に入れた次第…。

さて届いた USB急速充電器はサイズが 91x58x26mmと小型なのにいささか驚いたが、同梱のホワイトの電源コードが少々ゴツく見えるほど USB急速充電器本体はスマートだった。

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※PowerIQ搭載40W 5ポート USB急速充電器本体と同梱の電源コード


先にAnker社のモバイルバッテリーレポート時にも簡単に触れたが、本製品の売りも5ポートの同時充電が可能というだけでなく “PowerIQ搭載” というその1点にある。

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※PowerIQテクノロジー搭載 USBポート


PowerIQテクノロジー搭載のUSBポートは接続された機器を自動的に検知し、機器毎に適した最大のスピードで急速充電を確実に行うことが可能だという。また安全機構が搭載されており、本製品の回路保護システムは過電圧、過電流、加熱または回路のショートの発生時、シャットダウンしてシステムを保護するという。さらにAC100-240Vに対応しているため、海外旅行にも便利だ。

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※iPhone 5sとサイズ比較してした。急速充電器は大変小型だ


早速我が研究所のメイン充電ステーションとして設置しフル活用しているが仕事部屋における充電はすべてこの急速充電器でまかなうことに決めた。さすがに5ポートあれば十分だし常に同じ場所で充電することを心がけることで充電時における様々なミスや勘違いも防げるというものだ。なお本製品は40W仕様だが同じ5ポートデザインで25W仕様の製品もあるので購入の際には注意しよう。





ジョブズ学入門講座「成功の秘密」【3】〜工業製品と芸術の狭間で

「ジョブズ学入門講座」を続けたい…。さて、スティーブ・ジョブズという男はなぜ異例ともいえる成果をあげることができたかを考察しているが、忘れてはならないこととして彼も人生の途中のいくつかで大きな挫折を味わっているということだ。今回のテーマはジョブズの物作りの動機、原点に迫ってみたい。


さて、いきなりではあるがスティーブ・ジョブズはAppleという企業について「我々はテクノロジーとリベラル・アーツの交差点にいる」といった説明をしている。この明言はAppleという企業を知る上で非常に大切なポイントだが、テクノロジーについてはよく分かるものの、リベラル・アーツを “一般教養” と訳しては焦点がぼける。
「ジョブズ伝説」著者の高木利弘氏は当ブログのインタビュー、高木利弘氏独占インタビュー(前編)においてリベラル・アーツを辞書的な意味だけでなく「文系理系関係なく、あらゆる学問を徹底的に究めること」と捉えている点は興味深い。

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※Appleはテクノロジーとリベラル・アーツの交差点にいる独特な企業であることを説明するスティーブ・ジョブズ


要するにスティーブ・ジョブズが意図してきた製品開発は高度なテクノロジーを十分に活用した芸術表現といってよいのかも知れない。だからこそApple製品に我々は心を動かされるのだろう…。
またAppleは開発を進める製品に関し、上辺だけで機能やデザインを考えるのではなく全ての点において “徹底的に究める” ことを重視している。単に売れそうな物を大量生産するといった物作りはAppleに似合わないのだ。そして市場が受け入れると考える製品作りより自分たちが欲しいと思う製品作りを目指すのがジョブズ流でもあった…。

よく知られていることとして1984年1月にリリースしたMacintoshの本体内部には開発に関わった人たちのサインが残されている。それまでパソコンはもとよりだが工業製品…それもユーザーがほとんど見る機会がないはずの内面に開発者たちの名が刻まれた製品などあり得なかった。

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※1984年1月24日に発表された初代Macintoshの本体内部にはジョブズをはじめ開発者たちのサインが刻印されている(筆者所有Macintosh 128K)


これらのサインが集められたのは1982年2月のことだった。スティーブ・ジョブズは自分たちが開発しているMacintoshは単なる工業製品ではなく、芸術作品だという信念から鋳造する金型の内側にチーム全員のサインを入れることを思いついたという。

テーブルの上に大きな製図用紙が広げられ、そこに全員のサインが寄せ書きされた。それをネガフィルムに撮影の上でMacintoshの金型へエッチングをほどこすこととなる。
当事者のひとりであったアンディ・ハーツフェルドによれば、当日のサイン・パーティーに集まった35人の署名が終わるまで40分ほどかかったという。全員のサインが終わった一番後にスティーブ・ジョブズが例の小文字だけのサインを書き込み、サインの収集は終わった。

この一例だけを見てもジョブズは一般のメーカーが考える物作りとは一線を画したアプローチをしていることは明白であろう。
コンピュータやガジェット開発がそのまま芸術活動だといえば大いなる誤解を受けるかも知れないが、芸術は妥協とは無縁の存在である。絵画でも彫刻でも「まあ、こんなところでいいか…」といった妥協点が見え隠れするとしたらそれは人の心を打たないだけでなく芸術作品の名にはふさわしくないだろう。

しかし僅かな例外はあるにしても一般的に大量生産する工業製品はそうはいかない。コストや現時点のテクノロジーの限界、開発期間といった様々な制約が存在する。そしてある意味でその限られた制約の範囲で製品作りをしなければならないのが常である。要はある意味すべてのプロダクトは制約あるいは制限の範囲内で生まれているということになる。

勿論Macintoshの開発にも制約とか制限はあった。スティーブ・ジョブズの拘りで開発が遅れたし、ジョン・スカリーらの思惑により販売価格も当初考えていたより随分と高くなった。そのMacintosh開発にしても綱渡りのような無理難題を克服しつつやっとゴールにたどり着いた。そして出来上がったMacintoshを客観的に見れば理想には遠い製品だったともいえる。
当時としてもメモリの少なさ、9インチという小さなモノクロディスプレイ、3.5インチ・フロッピーディスクによるOSおよびアプリケーションの起動といった仕様はどう考えてもパワー不足であり、Mac OSによるアプリ開発の難しさも含めてサードパーティーのソフトウェアがなかなか充実しなかった。

結局Macintoshはリリース直後は売れたものの在庫が膨れあがることになり、そうしたあれこれが原因となりスカリーと責任のなすり合いとなって結局1985年の9月にジョブズは辞表を出すことになってしまう。
ただし皮肉なことにジョブズが在職中に培ったレーザープリンタやローカルネットワークといったものがアルダス社のPageMakerというアプリケーションと共にDTP (デスクトップ・パブリッシング)として花開く。まさしく机上のパソコンで商用印刷なみのクオリティ印刷が実現するDTPはMacintoshで実用化されたのである。

スティーブ・ジョブズはNeXT時代およびAppleに復帰後も初代Macintoshのように製品に開発者らの名を刻むことはなかったが、彼自身の名前は何よりもAppleのブランドと知られるようになったことは周知の通りである。
思うに、ジョブズが拘って作る製品は間違いなく一般的な工業製品ではあるものの、彼の意識下としては自身の芸術作品と捉えていたように思う。
あの最初のiPhone開発のエピソードもジョブズならではだ…。ゴリラガラスの採用の目処を立てただけでも凄いのに、9ヶ月もかけて練った完成間近のデザインを「こんなんじゃあダメだ!」とある日突然白紙に戻す。他の会社ならそのまま製品にしたであろう時期にスティーブ・ジョブズはデザインのやり直しを命じた。

新しいデザインはゴリラガラスのディスプレイがフレームぎりぎりまで広がるように、ステンレススチールの細い枠で支える形となった。スクリーンが中心だという点を明確にするためだ。ただしデザインの変更は回路基板、アンテナ、プロセッサーの位置まで内部を作り替える必要があった。それを承知でジョブズは変更を決めた。
したがって開発者全員は完成に向け夜も週末も働かなくてはならなくなったが文句をいう者はいなかった…。世界を変えてしまうAppleの革命的な製品つくりに妥協は存在しなかったのだ。

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※初代iPhone (日本では未発売)。筆者所有


さらにiPhoneが発表された後も多くのメディアは「500ドルもする携帯電話」は高すぎて失敗するだろうと評したし、マイクロソフト社のスティーブ・パルマーCEOは「(物理的な)キーボードがないしビジネスで使う人はいないだろう」とまで言い切った。しかし実際は大ヒットしたことは周知のとおりである。なぜこれほどiPhoneがヒットしたのだろうか…。

私自身、それまでに数多くの携帯電話を手にして実用として使っていた。しかしそれらは確かに便利な製品ではあったが所持してうきうきするような代物ではなかった。分厚い2冊の取扱説明書と格闘しなければ全体像が不明だったし、多機能を謳ってはいたものの携帯電話としての利便性以外特に注視すべきものではなかった。
しかしiPhoneは違った。困ったことに実用とは別の次元で持っているその事自体が嬉しいのだ。Appleらしさといえばそうなのかも知れないが、驚いたことにこれだけ多機能なガジェットにマニュアルらしきものは同梱されていなかった。それでも手にした途端に電話は使えたしメールもアカウントの設定をすれば難しいことはなかったしブラウザでネットにも入れた。それはまさしく小さなMacだった…。
また付属のカメラで写真も簡単だった。そういえばそれまでの携帯電話で写真を撮って二次利用するだけのために何度取扱説明書を開いたことか…。

ただしiPhoneはスマートフォンとしてよく出来ているとしても何故こんなにワクワクするものだろうか…とその時考えた。時代の最先端のテクノロジーを手にしているという感覚もあったが、それが喜びの直接の原因とは思えなかった。あれこれと自分なりに考えてみたが、最新のデジタルカメラやパソコンを手にした以上の満足感はまるで気に入った手作りの工芸品でも手に入れたときの充実感に似ていることに気がついた。iPhoneを手にすると脳内麻薬の量が増え、我々はよい気持ちになれる(笑)。
先の高木利弘氏は「(ジョブズは)コンピュータという機械に命を吹き込んだ」と言い「魂の入った製品だからこそ魅力がある」とインタビューで表現している。

iPhoneは大量生産された工業製品であることには間違いないが、自分が手にしているiPhoneはどこか世界でこれひとつしかない代物であるかのような思いが膨らみ、高揚感が続いた…。まさしくiPhoneは “美的価値を備えた実用品” であり芸術品というのが言い過ぎなら、工芸品なのだ…。無論工芸品すべてが優れているというわけでもないが、その拘りはAppleの尋常でない情熱を伺わせた。

ところで芸術作品、例えば絵画にしろ彫刻にしろ一般的には作者以外の購入者、所有者はそれを改変することはない。例えば手に入れたピカソの絵に自分で筆を入れる人はまずいない(笑)。それはその価値を認めあるがままに所有し飾り鑑賞しあるいは保管する。所有しているそのことこそが喜びでありステイタスなのだ。

そうだとすればジョブズがAppleに復帰後にヒットした数々の製品群のほとんどはクローズドな製品でありユーザーによる拡張性は考慮されてはいない。一部の製品でメモリ増設やビデオカードのアップグレードが可能な製品もあるが、iPhoneやiPadの中を開けて改造あるいは増設を試みることなどジョブズは最初から意図していない。それらはAppleにより非の打ち所のない完成品としてリリースされたのだから…。

なにが言いたいのかといえば、スティーブ・ジョブズにとってのプロダクトは皆最高の開発陣が最高のテクノロジーで生み出す芸術作品と考えていたという事実である。だから最初のMacintoshでさえユーザーがケースを開けて内部にアクセスすることなど、ジョブズは考えていなかったし認めていなかった。

パソコンも音楽プレーヤーも、そして携帯電話もMacやiPodあるいはiPhoneの登場以前に存在していた。しかしそれらはジョブズにいわせればクールでもなければセクシーでもなく何の価値もない “クソ” 同然の代物であり、彼の意識下ではそれらを芸術の極みにまで高めた製品開発をすることことAppleの使命だと考えていたフシがある。そしてそれこそが大きな成功の要因ではなかったか。だからこそ我々ユーザーはテクノロジーの塊でもあるiPhoneひとつにこれだけ熱狂するのではないだろうか…。

ITジャーナリストのスティーブン・レヴィは自著「iPodは何を変えたのか?」で次のように書いている。
「… 世界で最も革新的な企業のひとつが、透徹した視点と何物にも縛られないエゴによって、勃興しつつある新しい製品分野の競合製品を分析し、自分たちならもっと優れた画期的な製品を創造できると考え、そしてiPodのハードディスクに収められた曲を聴き通す程度の期間に、その企業が誇ってきた高い水準をも上回るレベルの製品を設計・製造したのだから」と…。その集中力とピンポイントな拘りは他の企業には真似の出来ることではないのだろう。まさしくスティーブ・ジョブズがいたからこそ実現できた例だともいえる。

いわばスティーブ・ジョブズはエジソンであり、かつピカソでもあった…。勿論そんな人間はざらには存在しない。だからこそスティーブ・ジョブズ不在のAppleにもし不安があるとするなら、それはイノベーションやテクノロジーの問題ではなく、ましてやデザイン力でもないと考える。
重要なのは工業製品を芸術作品の高みにまで昇華させた物作りがAppleで引き続き可能かどうかにかかっているのではないだろうか。
我々はスティーブ・ジョブズという世界を変えた企業家、天性のビジョナリーを失っただけでなく偉大な芸術家をも失ったのである。

FMACCG:ハードウェアの部屋【8】1997年7月31日~ 1998年3月2日

この時期、発表と同時に予約しておいたApple 20周年記念モデル “スパルタカス” がやっと届いたが、半年ほど経った後に価格が大場に安くなったのは驚いた。また今ではホットスポットは勿論、ポケットWi-Fiひとつあればどこでもインターネットができるが、PCカード一体型PHSデータ通信端末機 パルディオ321Sを手に入れPowerBook 2400cと共にモバイル通信を驚喜して使っていた。


FMACCG:ハードウェアの部屋【8】1997年7月31日~ 1998年3月2日

063/151 SDI00116 松田 純一    ホームアンテナHA-2S
( 9) 97/07/31 22:02 コメント数:1

PowerBook2400cとパルディオ321Sは相変わらず便利に
使っています。しかしパルディオ321SはPHSであるかぎり
事務所の中央とか奥に入ってしまうと通話ができなくなる
点は最大の弱み...(^_^;)。
というわけでパルディオ・ホームアンテナHA-2Sというの
を入手してみました。この製品はその名の通りこれを窓際
に設置しておくと半径100m程度の範囲内でパルディオ321S
がバッチシ使えるという代物です(^_^)。

単4電池3本でも動作するし電池込みで145g 、サイズも小
型のラジオ程度ですからパルディオ321Sと一緒に持ち運び
もできます。
早速テストしてみましたが自宅の中央ではほとんど通話が
できなかった状態でしたがHA-2Sの威力は当然のことなが
ら大したものでクリアな通話そしてインターネットに入る
ことができました。
ま、10,000円ですから利用すれば安いものかも知れません。

またまだ空いているためかインターネットに入るのも速い
速い...何かISDNで繋いでいるみたいな快適さです(^_^)。

          SKOSHING SYSOP 松田純一

065/151 SDI00116 松田 純一    RE:ホームアンテナHA-2S
( 9) 97/08/01 22:37 064へのコメント コメント数:2

AKITANIさん

>>購入しようかどうか迷っておりましたが、何か買う勇気(^^):
>>がでてきました。

それほどの物でもないでしょうに(笑)。
でもですね...今日は単4電池を買ってきてバッテリーでホーム
アンテナを使ってみましたが、調子はとてもいいです(^_^)。

>>でも、会社の席で PHS で通信するっていうのも ....

う~ん。やっぱ...ちょっと変かなあ(笑)。
しかしまあ、何でも先駆ける人とは常に笑われるものなのです
ね(^_^;)。

買いましょう、買いましょう!!!

SKOSHING SYSOP 松田純一

069/151 SDI00116 松田 純一    RE:ホームアンテナHA-2S
( 9) 97/08/02 21:41 067へのコメント

浜田さん

>>購入を決定づけたのは、#039の発言だじょぉ。

あらら、そうですか(笑)。それはそれは申し訳ないことであり
ます(^_^;)。

>>今回はホーム・アンテナを「丼」させようとしているし。(^_^)

いや、そういうつもりはないのですが面白い・便利なものは情報
交換したいものねぇ...(^_^)。

>>ちなみに、312Sですが、また値段が下がってますね。

やはりそうですか。しかしこればかりは早く買って使い込むこと
が重要だとあきらめましょう(笑)。

で、くどいようですがホームアンテナ...いいですよ(^_^;)。

             SKOSHING SYSOP 松田純一

070/151 SDI00116 松田 純一    RE:ホームアンテナHA-2S
( 9) 97/08/02 21:44 066へのコメント

AKITANIさん

>>最近は Inter Top に 321S を差して片手で Nifty に繋いで見せ
>>びらかしています。

やっぱしねぇ(^_^;)。AKITANIさんの独壇場だなこりゃぁ(笑)。

>>まわりの PHS ユーザー(主に女性)に聞いてみたところ
>>「会社は入りが悪いので是非いれてくれ。入れたら私の番号も
>> 登録して下さい。」

これまたAKITANIさん、いいかっこしてるなぁ(^_^)。

               SKOSHING SYSOP 松田純一

071/151 SDI00116 松田 純一    ホームアンテナ普及委員会より(^_^)
( 9) 97/08/03 17:10

くどいようですが、バルディオHA-2S...ホームアンテナの話題(^_^;)。

休暇で札幌に来ていますがPowerBook2400cとパルディオ321S持参の
ついでにホームアンテナも持ってきました(^_^)。ただし当然ではありま
すがACアダプターは持参せずに単4電池3本を入れてです。

ホームアンテナを使うにはアンテナ側の設定と共に電話機の設定もしな
ければなりません。ま、しかしこれはいたって簡単。
でもACアダプターを付けて設定した内容は一旦ACアダプタをコンセント
から抜くと設定内容がクリアされてしまうようです。で、電池で使う場合
にもON, OFFのスイッチがあるのですが連続で30時間程度のため旅行で
持ってきたときなどは節約が肝心と、使わない時には電源をOFFにした
い時、その度にクリアでは困ってしまいますね。
しかし感心なことにバッテリーでの使用時には電源をOFFにしてもその設
定はクリアされないようです(^_^)。

この文章も窓際から3m少し離れた場所から送っていますが快適です。

                 SKOSHING SYSOP 松田純一


073/151 SDI00116 松田 純一    エレコム社のBLACK Lunarisマウス
( 9) 97/08/15 20:54

秋葉原に出たついでにいくつか買い物をしてきましたが、そのひとつが
マウス。
純正マウス以外の製品を買うのはMacintoshは初めてかも知れません。
製品はPowerBook2400c用としてエレコム社のBLACK Lunarisという
黒いマウスですが、Macintoshのデザインを手がけたというフロッグデ
ザインによるものだそうです(^_^)。
いままでのマウスに慣れた手には小さいですが、持ち運び用としてなら
無論最適ですね。ケーブルも細く柔らかいので邪魔になりません。
T-ZONEアップル館での購入価格は3,980円(税別)でした。

                  SKOSHING SYSOP 松田純一

074/151 SDI00116 松田 純一    TOSHIBA製デジカメAllegretto
( 9) 97/08/16 20:19

当社新製品、音声認識対応AgentMakerが店頭に平積みされている
のに気をよくした私は(前振りに無理があるかな...^^;)そのLAOX MAC
館でデジカメを衝動買いしてしまいました(^_^;)。

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※私の会社がリリースした音声認識をサポートした「エージェント・メーカー」パッケージ


画質では日常使っている富士写真フイルムのDS-300で十分満足して
いるので今回はあくまでモバイル用としての選択をと...(笑)。
私が今回選んだのはTOSHIBAのAllegrettoでありました。

このデジカメの特徴は以下のようなもんです。
・最大の特徴 PCカード部を装備
・33万画素CMOSイメージセンサ
・解像度 640×480ドット(VGR)
・記録メディア 3.3Vのスマートメディア
・撮影可能枚数 2MBのスマートメディアでファインモードが24枚
        スタンダードモードが48枚
・ビューファインダ 光学式(液晶モニタなし)
・フラッシュ なし
・電源 CR123Aリチウム電池1本(500枚以上の撮影可能)
・サイズ 幅150mm×高さ55mm×厚さ20Mm
・重量 130g(電池込みで150g)

ともかく小さく軽い。先に購入したPHSのパルディオ321Sと同じ程度
の大きさと重量です。
購入のポイントは勿論PCカード部が装備されていることです。ちょうど
裏蓋をあけるような感覚でPCカード部を出してPowerBook2400cのPC
カードスロットに挿すだけ。機能拡張などは必要なくマウント(^_^)。
これで撮影したデータは高速にそして簡単にハードディスクにコピーし
利用できます。
PCカード仕様になっている他のデジカメは確かニコンのCOOLPIX 100
しか無かったと思いますが、これは先のパルディオ321S同様に使ってみ
て初めてその有難味が分かるというもの(^_^)。またスマートメディアだ
から別途枚数を用意すれば撮影枚数を気にする必要もなし...。

で、その画質はといえばQV-10などで培われた(笑)私にとってまずまず
のものでした。しかしちょっと暗い感じもしますが後で修正できる範囲
です。
このAllegrettoのファインモードで撮影したデータ(640×480)を当社
のキューティアルバム2.0で320×240ピクセルにして利用してみました
がなかなか綺麗で立派なアルバムができました(^_^)。

そうそう、忘れてはならないこと。
それはいま買うと2MBのスマートメディアが2枚付属しているというプラ
ス1枚キャンペーン中であることです!!(^_^)。1枚儲かってしまいました!!

                   SKOSHING SYSOP 松田純一

075/151 SDI00116 松田 純一    大容量スマートメディア登場
( 9) 97/08/23 14:26

デジタルカメラの記録媒体としてここのところ急速に普及しつつある
スマートメディアですが、富士写真フイルムが大容量タイプを発売す
すると発表しました。

FMACCG_Hard8_03.jpg

※主な記録メディアたち。左から2番目がスマートメディア。右から2番目がSDカード


ラインナップとして8MBと4MBの二種類ですが共に3.3V仕様です。
価格が8MBタイプのMG-8S でメーカー希望小売価格が8,800円とい
いますから随分と1MBあたりのコストパフォーマンスは向上します。

発売予定は9月25日だそうです。

興味のある方は http://www.fujifilm.co.jp/indexj_g.html
を参照ください。

          SKOSHING SYSOP 松田純一

076/151 SDI00116 松田 純一    PowerBook2400用小型ACアダプタ
( 9) 97/08/27 13:25

アップルから発売されたばかりのPowerBook2400用小型軽量
ACアダプタを入手できました(^_^)。勿論純正品です。
型番は M5937J/A です。
これまでの物と単純比較すると体積比1/4くらいに見えますが
これは鞄に入れて持ち運びする際には大きな違いですね。
価格はお店により違いますが私が購入したところは税別で5799
円でしたが、ここは高めかも知れません(^_^;)。

             SKOSHING SYSOP 松田純一

077/151 SDI00116 松田 純一    FUJIFILMの5V,3.3V共通PCカードアダプタ
( 9) 97/09/07 16:18

デジタルカメラの記録メディアとして標準になりつつある
スマートメディアですが、やっと富士写真フイルム社製の
5Vと3.3V仕様共通で使えるPCカードアダプタが出回りは
じめました。製品名はPC-AD2です。
私はLAOXで税別8,500円で購入しました。
パッケージはPCカードだけにしては大袈裟なものだと思い
ましたがPCカード内の画像を一覧でき簡単な画像調節がで
きるソフトがCD-ROMとして同梱されています。

パッケージの箱の裏面によりますと5Vおよび3.3V仕様の
スマートメディアの内、2MB, 4MBそして8MBが適合とさ
れています。

このスマートメディアも近い将来64MB程度までの容量の
製品化が進められているそうですが、そうなるとまた随分
と利用環境が変わってきますね。

             SKOSHING SYSOP 松田純一

078/151 SDI00116 松田 純一    Apple純正24倍速CD-ROMドライブ
( 9) 97/09/12 21:46

Apple純正の24倍速CD-ROMドライブをT-ZONEのアップル館
7階で見つけたのでGETしてみました(^_^)。
外付け用ではなく、内蔵交換用の製品です。
いくつか入荷したようですが、私が最後のひとつを買ったこと
になったようです。価格は39,800円(税別)でした。

これを自宅のPowerMacintosh7600/120(200に交換済み)の
4倍速と取り替えました。7600は元々こうしたメンテがやりや
すい機種ですが、ものの10分程度で交換は完了しトラブルもな
く動作しました。
正確にパフォーマンスがどの程度違うのかは分かりませんが8倍
速のCD-ROM(Nakamichi MJ-4.8S)でも少しタイムラグが見ら
れる時があった「100 GOLD FINGERS~PIANO PLAYHOUSE」
というCD-ROMをセットしてみましたが、当然のことながら全く
ストレスがなくスムーズでした(^_^)。
後、CD-ROMの辞書類をかなり持っているのでこれらも試してみ
ましたが...速い!!

ここの所、CPUはもとよりCD-ROMドライブのスピードアップに
も著しいものがありますね。

               SKOSHING SYSOP 松田純一

079/151 SDI00116 松田 純一    20周年記念モデル、やっと入荷
( 9) 97/09/13 15:35

20周年記念モデル(開発コードネーム・スパルタカス)がやっと入荷
しました(^_^)。
当初入荷予定の7月末から随分と待たされ、かつ今日の入荷に至るま
でに幾多のトラブルがありましたがともかく21周年記念にならない
うちに手に入れることができました。

FMACCG_Hard8_01.jpg

※自宅に設置したApple 20周年記念モデル


まず外箱は案外とシンプルなもので特に凝った作りではありませんで
したが、箱を開けると4つに分かれた内箱が入っています。
本体部分、バスユニットおよび電源部分、キーボードそしてマニュア
ルなどの4つです。

まずはこれまでPowerMacintosh8500が鎮座していた机上を片付け
掃除をし20周年記念モデル一式をそこに置いてみましたが奥行きはも
とよりかなり机上にゆとりができました(^_^)。
私は起動までのセッティング時にまず予め購入して置いたApple Ether-
net Cardを本体背面に組み込むことから始めました。ちゃんと通信用
拡張アダプタが付属しているのと、マニュアルに説明があったので難な
くセッティングができました。

パワーキーを押すとちょっと変わったスタートサウンドと共に無事に
起動しすぐにWelcom Tourが始まります。しばらくの間、ながめてい
ましたが大変よくできたデモですね。
一番心配だったEther環境もMN128-SOHOに接続しTCP/IPをセット。
そしてNetscape Navigatorをインストールして起動!
何のトラブルもなくスムーズにインターネットにも接続ができました。
付属していたGeoPort Telecom AdapterIIは最初から不要になって
しまいました(^_^;)。

外箱と言い、あまりこだわりが無いのかな?とも思いながら梱包を解い
ていきましたが付属のCD-ROM収録ケースは本皮製ですし、最初リモコ
ンケースかな...と思って手にしたそれは本皮ケースに入ったシックなデ
ザインのボールペンとシャープペンシルでした(^_^)。

FMACCG_Hard8_02.jpg

※同梱の本皮ケースに入ったボールペンとシャープペンシル


マニュアルも一般の物と版形が違う作りでこれまた共通のデザインされ
た黒い表紙になっています。

個別のアプリケーションなどはこれから順次インストールしていくつも
りですが、とりあえず付属していたBOSE社のデモ用CDを聞いています
がさすがにサウンドは大したもので良い音、ほどよい広がりを感じさせ
ます。

そうそう.....大切なこと。この製品に付属のキーボードはカナは表記され
ていません。私は通常はカナ漢字変換ですがローマ字入力も普通に使え
るので問題はありませんが、もしカナ入力だけしかできない方だと困り
ますね。しかしすでにカナ変換やっている人ってほとんどいませんかね
ぇ(笑)。

近々パッケージ内容なども含めてキューティアルバムでアルバム化した
ものをデータライブラリにアップする予定ですのでビジュアルはそちら
をご覧ください。

                  SKOSHING SYSOP 松田純一

091/151 SDI00116 松田 純一    英語仕様とカナ仕様のキーボード比較
( 9) 97/11/13 20:14

スパルタカスのキーボードをカナ付に変えてみました(^_^;)。何か
昨今はわざわざ英語仕様のキーボードを入手する方が多いので時代
に逆行しているようですが...(笑)。

理由は当然事、私がかな入力の方がスピードが上がるためです(^_^;)。

たぶん今では国際○○保護団体が動きだしてくれそうなほど絶滅派
だとは思いますが(笑)こればかりは仕方がありません。特に最近は
またまた懲りずに書籍原稿を書く身であれば効率を無視する訳には
いきませんし...。

それはともかく、しげしげと英語仕様とカナ仕様のキーボードを比べ
てみたら随分と違うものなんですね。
まったく同じなのは一番上部の列だけ。左からescキーで始まり12個
のファンクションキー、そしてパワーキーという配列です。
二段目の列は両方とも14個のキーであることは同じですがカナ仕様
はdeleteキーが小さくなり、一番左のキー部分が変に空いているよ
うに変更されています。
以下三段目と四段目で目立つのはカナ仕様のreturnキーがかなり大き
くなっていること。これは使いやすいです(^_^)。そして英語仕様で
は四段目にあるcapslockキーがカナ仕様では一番下の六番目(スペー
スキーの並び)左になっています。
反対にctrlキーは英語仕様が一番手前の左にあったのがカナ仕様だと
四段目左となっていること。そして上から五段目は英語仕様だと両サ
イドのshiftキーに挟まれた形で10個のキートップなのに対し、カナ
仕様ではshiftとshiftの間には11個のキートップとひとつ増えていま
す。
その他、カナ仕様ではスペースキーが短くなり、その変わりその左右
に英数・カナキーが付いています。

こうやって比較するとやはりカナキーにはかなりその配列に無理があ
るように思えますし美しくありませんね(笑)。
とはいえ、このスパルタカス...単なるCDプレイヤーに終わらせない
ようにと使い込むにはやむなき事と考えざるを得ません(^_^;)。

カナ入力ユーザー保護組織委員会(笑)   松田純一(SDI00116)

097/151 SDI00116 松田 純一    久しぶりのカラープリンタ
( 9) 97/12/09 06:03 コメント数:1

久しぶりにカラープリンタを購入しました。ただしすでに年賀状は用意済みでし
て...(^_^)もっぱらデジカメデータの印刷用としてです。
それこそ年賀状の季節ともなるとカラープリンタ比較が各雑誌などにわんさか登
場して購入者を悩ましますね(笑)。
カラープリンタの選択肢はいくつかのポイントがあると思います普通は以下の項
目でしょうか...。またいくつかの雑誌のプリンタ比較レポートなども読みました
が実際にプリンタを使ってみるとそれらの評価記事が薄っぺらなものに見えてく
ることも事実です。なぜなら印刷のクオリティやスピードだけを考えても様々な
設定が可能なため比較のために同一の条件を整えること自体がなかなか難しいか
らです。

 1)価格
 2)印刷クオリティ
 3)印刷スピード
 4)プリンタドライバのでき
 5)ランニングコスト

しかし本体価格は涙が出るほど安くなりましたねぇ(笑)。価格ではどのメーカー
の製品を買っても遜色はありませんねこりゃあ...(^_^)。
繰り返しますが今回は写真を印刷することを前提にしたわけですが、結果として
エプソンのPM-750cを選びました。
印刷の結果としては当然の事ながら店頭などで十分に下調べをやりましたので大
変満足しています。専用のフォト・クオリティ・カード(光沢紙)に印刷した結果
はこれまでImageWriter以前から綿々とカラープリンタを追ってきたユーザーの
一人として思わず笑みがこぼれるほど素晴らしいものです(^_^)。まさしくこれは
写真であります!!

特に私にとって嬉しいのが用紙のバリエーションが多いこと。
葉書サイズやシールなどは勿論のこと、お気に入りはフォトカードといって葉書
サイズより少し大きめで印刷後に四隅をミシン目に沿って切ると余白のない全面
印刷となる用紙です。

しかし注文したい点も多々あることも事実です(^_^;)。AppleTalk対応でないこと
、ドライバの設定がいささかわかりにくいことなどがあります。そしてパッケー
ジを開けるとプリンタ・ドライバユーティリティCD-ROMの他4枚ものCD-ROMが
入っていることはお買い得感というより戸惑いを感じてしまいます(笑)。

ともかくこれまで使っていたA6専用の昇華転写プリンタと比較しても断然クオリ
ティが高い写真としての結果が出せるPM-750cはデジタルカメラの用途も広げる
事ができそうです。

                     SKOSHING SYSOP 松田純一

099/151 SDI00116 松田 純一    RE:久しぶりのカラープリンタ
( 9) 97/12/10 07:23 098へのコメント コメント数:1

Neonさん、ご無沙汰です(^_^)。大阪へはお出かけになられますか?

ところで...
>>毎年買ってますねぇ。去年も HP のインクジェット...

わっ。チェックされてるぅ(笑)。

                SKOSHING SYSOP 松田純一

101/151 SDI00116 松田 純一    G3機はやっぱし速いぞ!!
( 9) 97/12/23 11:14

昨日G3/233が入りましたので早速自社製品などをインストールし
試してみました(^_^)。
例えば当社製品の3Dアニメーションソフト「WonderCube」のデー
タは何だかリアルタイムレンダリングなのかQuickTimeMovieなの
かが分からないくらい速いです!!

PageMakerなども一度キャッシュにはいっちゃうとメチャ動作がき
びきびだし、グランミュゼのサムネイルから実画像を呼んでもこれが
ハードディスクからデータを呼んでいるのか!? と思うほど速いです。

こりゃあ、DTPをやっている方やデザイナーの方々などは次の機種が
どうの.....などと考えている事なく、即買いですね!!!(^_^)。特にG3/233
はリーズナブルだと思いますし...。

ここの所、単にクロック分だけのスピードアップのような新機種に魅力
を感じませんでしたが、このG3機の体感速度は久しぶりに「何かを作
ってみよう!」と思わせるワクワク感があります。

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105/151 SDI00116 松田 純一    BOOSTER750/233使用記
( 9) 98/01/31 13:49 コメント数:1

インタウェア社のBooster750/233を購入してみました。搭載した
のは自宅で使っているPowerMac7600ですが、元々7600/120だっ
たハードに同じくインタウェア社のBooster604e/200を組み込んで
使っていたものです。
G3機はすでに会社の方で使っておりその飛躍的なスピードは体験済み
なのですが自宅の方は本体買い換えではなくプロセッサカード交換を
体験してみることにしました(^_^)。

取り付けは簡単ですが静電気だけには十分な注意をする必要がありま
す。7600は本体筐体上部が左右に観音開きになるのでこうした作業
はとても楽です。
以前からのプロセッサカードを取り除き、レベル2キャッシュカード
を外します。そしてBooster750/233をしっかりと装着し起動の後
にパッケージ付属の機能拡張ファイルをインストール。そして再起動
するだけです。この間、注意深く作業をしてもせいぜい15分程度で
しょう...。

起動後、自社製品を含めいくつかのアプリケーションや周辺機器が問
題なく使えるかをテストしてみました。
自社製品ではキューティジョイ2.0でVISCAコントロールおよびビデ
オ入力を、そしてAgentMakerでは音声認識およびスピーチ機能を試
しましたが問題はありません。
WonderCubeはこのG3機の恩恵を受けるべく生まれてきたようなアプ
リで、QuickDraw3Dサポートによるその3Dリアルタイムレンダリン
グ(WonderCubeデータのプレイ)はまるでQuickTimeMovieを見てい
るようなスムースさです(^_^)。またMoviePaint2.0に付けているデモ
作品「ドライブしよう!」は法定速度を無視したスピードで車が走りま
す(笑)。その他自社製品(コーシングラフィックシステムズ社製)のアプ
リは問題なく動いています。

それから他社製品で少々心配だったものを確認していますが、試した製
品ではmacromedioa社のSoundEdit™16 version 2 J、音楽ソフト
のBand-In-A-BoxはOKです。それからMN120-SOHOで組んでいる
Ethernet関連やインターネット利用などについても問題はないようで
す。
また7600に内蔵し大変便利に使っているyanoのMOドライブも支障は
ありません。その他外部周辺機器としてCONIGLIOのハードディスク、
CD-Rドライブ(YAMAHA CDR400tx)、Nakamichiの4Disc CD-ROM
ドライブなどもトラブルはありませんでした。

これからPhotoshopなどによる各種プラグインのスピードなども確認
してみようと思いますがPowerPCが登場した時と同じ様な期待を感じ
させる750(G3)です。

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107/151 SDI00116 松田 純一    RE:BOOSTER750/233使用記
( 9) 98/02/01 13:13 106へのコメント

鵜沢さん

BOOSTER750/233はSofmapで117,999円でした。消費税を加算して
123,898円のお買い物となりましたがちょうどBOOSTER750/266は
売り切れていました(^_^;)。
サンフランシスコで見た750/300のスピードを正直いって欲しい
けど、自宅のMacintoshではこの233で十分だと判断しています。
しかし...もしあの時にBOOSTER750/266があったら...買ってしま
ったかも知れません(笑)。

>>29800で買ってきた内蔵JAZは壊れていました。(;;)

あれあれ...(^_^;)。

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111/151 SDI00116 松田 純一    RE:MAXpowr G3 275/183
( 9) 98/02/06 22:17 110へのコメント コメント数:1

鵜沢さん

あら,,,,,買っちゃったのね(^_^)。やっぱしねぇ(笑)。

いま札幌ですが、メチャ寒いですぅ.....耳がちぎれそう(^_^;)。

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113/151 SDI00116 松田 純一    LaserWriter Select350が9,800円!
( 9) 98/02/07 19:31

先ほど雪祭りで混雑していた札幌から戻ったところですが、昨日6日の
ことですが、吹雪いている中を札幌の九十九電機に寄ってみました(^_^;)。
いくつか調べたいことがあったのですが、それはともかく驚きの販売ア
イテムがありました。
LaserWriter Select350という300dpiのアップル純正のレーザープ
リンタ.....それもB4を打てるやつが何とたったの9,800円で売っていま
した。クイックドロープリンタではありますが何だか可愛そうな気が
してなりませんでした(笑)。
5,6台積んでありましたが、問題はトナーは別売とのこと。何しろその
トナーは確か2万円くらいしてプリンタ本体よりも高いのですから(笑)。

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114/151 SDI00116 松田 純一    スパルタカスがついに$1999
( 9) 98/03/02 21:58 コメント数:2

あの20周年記念モデル、スパルタカスがついに$1999という大幅な安値
となったらしい(^_^;)。日本ではどうなるのだろうか...。

高価な買い物をした一人として正直言って面白くないが、ま...この世界の
常識・いつものこと・よくあること.....なのだから心を広く持ち、深呼吸
でもして耐えるしかありませんな(笑)。

しかし自宅のスパルタカスはインターネットマシンおよびMIDIマシンとし
て持ち主の心を素敵に和ましてくれているのだから、良しとしましょうか。
でもねぇ、う~ん。この~(^_^;)。

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SKOSHING SYSOP 松田純一
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ラテ飼育格闘日記(396)

言いたくないけど雨が続く…。ラテは動かない。雨が降る。レインコートは必須だ。ラテは嫌がる。一応散歩に出かけるが歩かない。歩かないと進めないし帰れない。ラテは敷物のように地べたにへばりつく。道行く人たちはクスクスと笑いながら通り過ぎる。オトーサンは仕方なくラテを抱き上げて家路を急ぐ…。しゃくに障るから?今回の掲載写真は “抱っこ特集” だ(笑)。


先日も橋の上でラテを抱いて渡っていたとき、前方から歩いて来た中年の女性がすれ違い様に「わっ!プッ」と吹き出した。一瞬足を止めたオトーサンにその女性は「ごめんなさい。人間の赤ちゃんじゃなかったんですね」と笑いが収まらない様子で通り過ぎていった(笑)。
いやはやオトーサン自身だってウケをねらって抱っこしているわけではないし、逆の立場なら「いい歳のオヤジがまた何してるの?」と叫ばなくても心の中で笑うに違いないと思う。そんな違和感のあるシーンなのは分かっているが同じ場所に動かずじっとしているわけにもいかないではないか。

Latte396_01.jpg

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※オトーサンがしゃがみ込むと待ってましたとばかりラテはしがみついてくる(上)。抱き上げて橋を渡る…(下)


そもそもラテは帰り道の一部はオトーサンに抱っこして貰うことを想定済みのようなのだ。オトーサンが強くリードを引くとオトーサンの顔を仰ぎ見て ”お願い光線” を発射する(笑)。そして頃合いを見計らって後ろ足立ちして両前足をオトーサンの足に掛ける。これでほぼ100%オトーサンが「仕方がないなあ」と言いながらも抱っこしてくれるということを…。

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※この笑顔を見ると叱れなくなる駄目なオトーサンだ(笑)


たまにすれ違う人たちに「何キロあるんですか?」と聞かれ「19キロ強です」と答えると「凄いですね」と感心されることもある。
確かに例えていうなら10kgの米袋を2つ抱えて歩いている…ということだ。しかしオトーサンは体育系の男ではないし特に力持ちでもなく、普段は重いものなどできるだけ持ちたくない人間だ。

Latte396_03.jpg

※横から見るとこんな感じ…


それにラテも最初から体重が19kgあったわけでもなく、半分ほどの体重の時代から同じ抱き方をしてきたのでこの7年半ほどの間にオトーサンも腕力がついてきたと同時にいわゆるコツを会得したことになるのだろうか。それに抱き方も常々お伝えしているように人間の子供を抱くような抱き方なのでバランスが良いため、何とかここまで続いてきたが、反面7年半ということはオトーサンもそれだけ確実に年齢を重ねているわけで楽なはずもないのである。

あらためて…抱き方だが、オトーサンはまずしゃがみ込み、後ろ足立ちしたラテのお尻を右腕で巻いて支え、左腕でラテが落下しないようにして持ち上げ、ラテの腹をオトーサンの胸に合わせる。力を入れやすいこともありこのときラテの身体はまだオトーサンの左片側にあるが、抱き上げた後にひと揺らしするとラテは自分から両前足をオトーサンの両肩にかけて身体が完全に合わさって安定する。

Latte396_04.jpg

※降りてくれる気配なし(笑)


ただしオトーサンの肩にあるラテの前足に力が加わり、時にその爪が肩に食い込むときがあってもそれだけでラテが落ちないほどの力はない。だからオトーサンも前記した右腕だけでラテの身体を支えているのは難しいからと左手で右腕を握って力を分散することになる。これでオトーサン側の気力と元気度にもよるが長い時には15分程度の間、19Kgのラテを抱いたまま歩くことが出来るわけだ…。

Latte396_00.jpg

※オトーサンの両腕はラテが落ちないように、そしてお尻が痛くないようにと気遣ってこの形になった。ラテもオトーサンのベルトにあるiPhoneケースをベストの上から鐙のように右後ろ足を乗せて安定を図っている(笑)


ラテもなかなか考えているようで、ふと気がつくとオトーサンがジーンズのベルトに下げているiPhoneケースに鐙のように足を乗せて自分なりに安定を図っている。
このときラテはオトーサンの正面に位置しているわけでそのままでは前が見えない(笑)。またオトーサンが被っているキャップのバイザーがラテの顔に当たるので前後逆にするが、ラテにしてみれば楽ちんではあるものの視線の方向とは逆に進むので振り返ることや顔をオトーサンの左右に揺らすことも多く、注意していないとバランスが崩れる。またそれだけでなくラテの顔がオトーサンの正面になれば当然オトーサンの視界を遮るわけで危ない…。

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※ときには急な階段を降りる場合もあるので安全第一!


まったく “抱っこ” と一言でいうけど重いだけでなく安全も考えなければならないから…なかなか大変なのだ。それに冬場はともかくこれからの季節、蒸し暑いし当然オトーサンは重い “もの” を抱えて歩いているわけで汗をかく。汗だらけのオトーサンの顔にラテは遠慮なく顔を押しつけるのだからオトーサンの顔はラテの体毛がへばりついて気持ちが悪いことこのうえないときもある。それでも両手が塞がっているわけだから容易に顔を拭くこともできない…。まるで苦行だが、オトーサンは前世でよほどワンコに酷いことでもしたのかと愚痴のひとつも言いたくなる。しかしラテの笑顔を見ると身体の辛さとは別にどこかオトーサンも楽しんでいる自分を発見して苦笑するしかないのだ…。

ANKER社の大容量モバイルバッテリー Anker Astro 3 レポート

ここのところAnker社の製品を立て続けに3種類購入した。それらはLightning USBケーブル、40W 5ポート USB急速充電器 ACアダプタそして今回ご紹介する12000 mAhの大容量モバイルバッテリー Anker Astro 3 (第2世代)である。モバイルバッテリーはすでに数種持っているが友人知人たちの評判がよいので手に入れた…。


ところでメーカーのANKERという会社…承知の方も多いと思うが、2009年に米Google出身の数名によって創業された会社である。同社のサイトによれば「ユーザーの生活をより便利に、快適にする製品を、信頼できる品質・お求めやすい価格で提供すること」をミッションとしている…とある。
前記した製品たちをはじめ、いくつか市場に出ている製品があるが、派手さはないものの大切な部分をきちんと押さえた良心的な製品たちばかりである。そして米国および英国をはじめとした欧州各国で、高い評価を得ているという。

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※Anker社製、12000 mAh 大容量モバイルバッテリー Anker Astro 3 (第2世代)パッケージ


さてモバイルバッテリーの購入ポイントをあらためて考えると「安全」「確実」「高速」だと思う。製品のデザインやら作りが雑というのでは困るがiPhoneを始めとして大切なガジェット類の充電に関わるわけだからこの3点は譲れない。その上でできるだけ安価にそして使いやすいサイズおよびデザインの妙も良いに越したことはない…。

Anker Astro 3を実際に手にしてみるとパッケージを含めて簡素ながら丁寧な物作りを感じさせメーカーの誠実さが伝わってくるようだ。ポーチが付属しているのは昨今では珍しくないが、パッケージケースを開けた蓋の上側には “Thanks for choosong Anker!” と印刷されているだけでなく日本語を含む小型ながらもきちんとしたマニュアルが添えられている。その他これまた小型の印刷物だが、二つ折りの一方に “Happy?” 、その反対側に “Not happy?” とサポートの情報ならびに万一トラブルに遭った場合の連絡先などが明記されている。ちなみに日本支社であるアンカー・ジャパン株式会社のサポート電話番号まで記されている…。

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※パッケージの蓋を開けるとその裏面に “Thanks for choosong Anker!” と印刷されていた


今回購入したAnker Astro 3にはブラックとホワイトの2種があったが私はホワイトをした。そのボディはどこか艶消しで良質の陶磁器のようで素敵である。
肝心のスペックだが、バッテリー容量は12000 mAh (iPhone を6回フル充電可能)と十分だしサイズもこのクラスの製品としては小型だろう(111×83×26mm 300g)。そして片面サイドに本体充電用のマイクロUSB端子一基と出力USB端子が3基装備されている。

AnkerB_03.jpg

※Anker Astro 3をiPhone 5sとならべてみた


ちなみに3基のUSB端子はどれも同じ規格であり、合計出力は5V/4Aまでならすべてのポートが同時に使える。また本製品の特長は “ PowerIQテクノロジー ” と呼ばれる機能搭載にある。これは例えばスマートフォンと充電器の相性が存在しバッテリーのなかには、フルスピード充電を謳っているにもかかわらず最適な電流を送れない製品も多くあるという。PowerIQテクノロジーはポートに接続された機器を自動的に検知し、デバイスに最適な電流を送ることができるため、どのようなUSB充電機器を繋いだ場合でも、迷うことなくフルスピード充電が可能になるという。

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※Anker Astro 3のポート部分とスマートLED


またAnker Astro 3のユニークな点はiPhoneなどを充電する際、USBケーブルで接続後にAnker Astro 3本体を軽く振ると充電がスタートする点だ。したがって充電ボタンなどはない訳だが、その際フロント側ポートに近い位置にリング形のスマートLEDが点滅をはじめる。さらにバッテリーの残を確認したい場合もAnker Astro 3本体を振ればリング形LEDが点滅し、そのリングの形により10%刻みの残量が分かる仕組みになっている。なお iPhoneなどへの充電をが終了すればLEDは消える。

AnkerB_05.jpg

※Anker Astro 3 および同社のLightningケーブルでiPhone 5sを充電中


造作も雑なところがなく、また保証期間も18ヶ月という点にも好感が持てる。しばらくはメインのモバイルバッテリーとして使ってみるつもりだ…。





Legacy8080 2種モデルを7月4日から出荷開始と発表

(株)技術少年出版は7月1日、Legacy8080エンタープライズモデルとエデュケーショナルモデルの新型ケースの量産が完了し、7月4日から両モデルの出荷を開始すると発表。新しいエンタープライズモデルのケースは殆どの構成部品をアルミの厚板に変更して、強度を保ちながら軽量化を達成している。


従来のエンタープライズモデルのケースは、天板の塗装色がライトグレーの1種類だった。しかし新しいエンタープライズモデルのケースでは、天板の色を「ライトグレー」、「ブルーグレー」、「メタリックブルー」の3色から選択できるようになった。また底板の色は「ライトグレー」1種類だという。

Picture-h500-0701.jpg

※写真左から「ライトグレー」、「ブルーグレー」、「メタリックブルー


「ライトグレー」、「ブルーグレー」は塗装による色付け、「メタリックブルー」はブルーアルマイトメッキによる色付けで落ち着いたメタリック感がある。
なおエデュケーションモデルも、初期のケースデザインと比べ大幅な改善を行っている。

株式会社技術少年出版




Legacy8080のマイコンメイン基板撮影でSV600とSnapLiteのガチンコ勝負

ちょっとした理由があって(株)技術少年出版よりLegacy8080「マイコンメイン基板」の完成品が届いたので早速その姿を記録しておくことにする。当然写真を撮るにはデジカメで…ということになるが、当研究所ではScanSnap SV600およびSnapLiteが使えるので今回はその両機種を使ってあらためて違いを比較確認してみることに...。


デジタルカメラで最良な撮影を考えるなら照明なども含めて結構神経を使う。しかしSV600やSnapLiteなら前準備もほとんど必要なく手軽なのが良い。
ところで Legacy8080 量産仕様の基板については(株)技術少年出版サイトで詳しく確認できるが、Legacy8080のプリント基板は機能ごとに全部で4枚に分かれている。

・基板1.「マイコンメインボード」CPUやインターフェース、クロック回路などが実装されている。
・基板2.「メモリ+RTCボード」512KbyteのメインメモリLSIとリアルタイムカレンダークロックICが実装されている。
・基板3.「コンソールパネル キースイッチボード」コンソールパネルのスイッチと関連制御回路が実装されている。
・基板4.「コンソールパネル LEDボード」コンソールパネルのLEDと関連制御回路が実装されている。

今回手にしたのは基板1すなわち「マイコンメイン基板」でいわゆるマザーボードである。私自身も現物を見るのは初めてだがLSI 類や2つ目の基板「メモリ+RTCボード」も実装した完成品である。その基板2は小さな基板で、マイコンメインボード上に亀の子状態で実装されている。

Legacy8080MB_04.jpg

※Legacy8080 マザーボード上のロゴ表記と後ろに見えるのが亀の子上に実装されている基板2


マイコンメインボード基板のサイズは310mm X 180mmだが、ユーザー側でICや抵抗・コンデンサー等をハンダ付けして組み立てる「部品キット」も計画しているため、各部品の取り付け位置の確認が出来るよう基板上に部品名称や部品仕様をシルク印刷している。そのシルク印刷でひときわ目立つのが左下にある "Legacy8080" とあるロゴ表示部分だ。こうした部分が撮影でクリアに表現できるように注視したいと思う…。

繰り返すが、この縦横 180mm X 310mm の部品が実装されている基板を出来るだけ精緻にそして明瞭に撮影するにはどうしたらよいか…。無論一般的にはデジタルカメラによる撮影になるはずだが、当研究所には非接触スキャナのScanSnap SV600と最近発売されたiPhone 5をスキャナ代わりにするという照明スタンド SnapLiteがあるのでよい機会だと考え、両機種による撮影を比較してみようと考えた次第…。

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※ScanSnap SV600とSnapLite。日々便利に活用している


まずSnapLiteおよびiPhone 5sによる撮影を試みた。ただし基板をSnapLiteに対して縦に置いても基盤の左右が読み込み限度範囲のA4より弱冠大きいので、専用アプリの合成モードを使って全体の撮影を試みた。
合成モードとはSnapLiteの読み込み範囲を超えるサイズのものを2度撮影することで自動的に一枚の写真として合成してくれる機能である。無論この機能で注目すべきはいわゆる “つなぎ目” が分からないほど綺麗に合成できるか…にある。

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※SnapLiteの合成モードで基板を撮影中


実際にやってみたが、赤い線で投影される撮影エリア内に左右一部が重なるよう別々に基板を置き、それぞれ SnapLiteのリスボタンを押すだけだ。それだけで iPhoneをSnapLiteから外すとアプリ側で合成が始まるが、その様を示すアニメーションが面白いだけでなく結果も素晴らしい…。
なぜならこの合成モードで撮影したデータは2435 × 1415 ピクセルのJPEGとしてiPhoneのカメラロールに収納されたが、Macに転送してグラフィックソフトで確認してみたところ、つなぎ目がまったく分からない…。

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※SnapLiteで撮影した基板。クリックで撮影した実寸に拡大


画質を含めてデータを確認してみたが、基盤から飛び出ているコネクタ部位などはクロップされ写っていないことがわかった。それを別にすれば全体的に均一なイメージで撮れているしプリント基板にシルク印刷されている細かな文字もきちんと読める。またICをはじめ金属やプラスチックといった各部品類の質感もきちんと撮れている。SnapLiteの専用アプリによる歪み補正や合成機能のおかげながらiPhone 5s内蔵のカメラでこれだけ撮れるのだから立派なものだ。

続けて同じLegacy8080「マイコンメイン基板」をScanSnap SV600でスキャニングしてみるとその精細な結果に文字通り驚くに違いない。勿論SV600とSnapLiteのガチンコ勝負というのは価格もコンセプトも違うわけで、些かSnapLiteには酷な話だが、どれほど違いがあるのかを認識していただくのも大切なことだと考える。

SV600でのスキャニングは基盤のサイズからして1度で読み込むことができる。ちなみに念のためSV600の設定を明記しておくと、「原稿」は「平らな原稿」と「B4横(364×257mm)」に、「ファイル形式」は「JPEG」そして「読み取りモード」の画質はSV600最高画質の「エクセレント」…すなわちカラーの場合は600dpiによる読み取り設定にした。

後の注意としては基盤を置く背景だが、バード電子製リバーシブル背景マットの「ホワイト」側を使った。これはブラックの背景だと場合によってはICチップ等が同色なのでクロップに間違いを生じる可能性があるからだし、背景がホワイトの方が後からデータを活用する際にも使いやすい。

ともかくこうした設定でSV600でスキャニングした結果は脅威というしかない…。その仕様から立体物の場合は対象物の中央から全方向へ些かパースがかかった不思議な立体感を伴う。勿論SnapLiteではクロップされ写らなかったコネクタ類もSV600ではきちんと写っている。そしてなによりもその画質は精緻でクリアなものだ。

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※ScanSnap SV600でスキャニングした基板。クリックで前記SnapLite時のデータサイズとほぼ同じサイズに拡大


前記の設定でスキャニングしたJPEGデータを背景を少し残してトリミングした結果は8114 × 4996ピクセルという巨大なサイズとなったが、問題はサイズよりその画質の良さである。今回のスキャニングでもし難があるとすればSV600のスキャニング時の照明により基板中央付近の回路パターンが反射し、白っぽく写ってしまったことぐらいか…。

この画像を眺めていると、実物の基盤を見ているより鮮明のように思える(笑)。比較の問題だがこのSV600のスキャニング結果を見た後では先ほどまずまずの出来と考えたSnapLiteによる画像がぼけて見える。

いや、本編はSnapLiteすなわちiPhone 5sによるカメラ撮影の結果に文句を付けるのが目的ではない。これはこれで専用アプリ側の補正により歪みのない画像が撮れているわけだがScanSnap SV600が凄すぎるのだ。
あらためてScanSnap SV600の優秀さと、こうした基板のような立体的なアイテムを撮影するにはうってつけのスキャナだということを再認識する結果となった。

SnapLite
ScanSnap SV600



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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員