レーザー加工機 xTool M1用 ハニカムパネル付きライザーベースとは?

レーザー加工機 xTool M1用のオプション製品であるライザーベース(Riser Base)のお話しをしたいと思う。 xTool M1用のオプションには他にエアーアシスト(Air Assist)や煙清浄機あるいは球体や円筒形の加工を可能とするRA2 Proがあるが、それぞれ安価なものではないのでどれを優先するかが問題だった…。


いろいろと熟考した結果、私はすでにレポートしたエアーアシスト(Air Assist)と今回の主役であるライザーベース(Riser Base)を優先した。ちなみに xTool M1を購入した際にセット品としてRA2 Proの前機種RA1が付いていたから今のところRA2 Proを購入する予定はない…。

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※ライザーベースを敷いたxTool M1レーザー加工機


さて最初のオプション製品としてライザーベースを選んだのは取り急ぎ、即作業性に直結するからだ。それは高さを必要とする材料に対し刻印するとかRA1を使う際に必ずといってよいほど必要となる…。
どういうことか…。

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※附属のマニュアル表紙。このようにライザーベースは左右のプレートと前後の遮光アクリルパネルで構成されている


xTool M1本体には作業の際に材料となるものを乗せる金属製の板(ベースプレート)がついている。そこに彫刻なり切断する材料を、あるいはブレード切断する際にはカッティングマットを置く訳だ。

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※ライザーベースとxTool M1を少し横から眺めた写真。左はエアーアシスト


しかしこのベースプレートは高さの調整はできない。そして肝心なのはレーザーモジュールの焦点が合う範囲として材料の厚さは最大16mmという制限に縛られる。
もうすこし細かく説明するなら、レーザーモジュールが初期位置(最高位置)にあるとき、レーザー発振部は35mmの範囲で上下できる設計になっている。ただし途中でベースプレートがあるためベースプレートを使う場合は前記したように16mmまでフォーカスを合わすことが出来、もしベースプレートを外した場合はベースプレートの位置から尚19mm下までフォーカスを動かすことが出来きる。

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※オプションのRA1を使い円筒形の材料に刻印をする場合にもライザーベースは不可欠といって良いほどのアイテムだ


したがってもし加工したい材料が16mmを越えていたりRA1やRA2 Proなど使いたいとなれば物理的に焦点を合わすためにはベースプレートを外し、さらに xTool M1本体を底上げしなければならなくなる。事実RA1にはM1底上げのために木製の足が4つ同梱されている。

まあ…この木製の足はあくまで一時的なものであり、不安定である以前にxTool M1の下が開いてしまうのでいくらダクトがあっても周りに臭いや煙がただ漏れしてしまう。
そしてまたRA1やRA2 Proはともかく現実には何らかの箱であったり不定型な厚みを持った材料に加工が必要であったりと様々なケースがあり、その度に底上げしていたのでは効率が悪くモチベーションが下がってしまう。

そこでライザーベースの出番となる!
製品は左右のユニットの前後に遮光アクリルの板を配したシンプルなもので、ネジ留めなどは必要なく乱暴な言い方をするなら、ただ置くだけだ。だがよく考えられた作りになっている。
組立はM1の足幅に合わせて机上に設置したライザーベースにM1本体を設置(乗せる)するだけだ。
一見不安定では…と感じるが、M1本体がきちんと乗るとしっかりとライザーベースも安定する。その後に遮光アクリル板を前後切れ込みのある部位を下に差し込むが、この切れ込みは遮光アクリル板を外しM1内部にアクセスする際に持ち上げやすいような工夫である。

このライザーベースの左右内側は金属製のラックがあり、M1本体のベースプレートはもとより附属のハニカムパネルの高さを4段階調節できるようになっている。

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※加工する材料の厚みによりハニカムパネルの高さを4段階調節できる


要はレーザー加工する材料の厚みを考え、レーザーの焦点が合う高さにハニカムパネルを位置させることになる。事実前面の遮光アクリル板を外すと、右側のベースにα・β・ΥとPA2 Proの使用を想定した材料の高さによるハニカムパネルの設置位置の目安のガイドが表示されている。

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※オプションのRA2 Proの利用を例にハニカムパネルをどの高さにすべきかのガイドも表示されている


そしてもしそれでも自動焦点距離が働かない場合はライザーベースに同梱されている専用の定規を使いレーザーモジュールと加工材料との距離を調節確認することになる。

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※自動焦点機能が働かない場合はこうした施用のスケールが必要になる


したがってこのライザーベースがあれば、RA1やRA2 Proはもとより、さまざまな厚さの材料を加工したい場合にも遮光のアクリルプレートを外せば即内部にアクセスできるし通常の使用では煙や臭いも気にならない。
そして附属のハニカムパネルは彫刻や切断時空気の流れを作れるため、材料が汚れにくくなる利点をもている。
さらに、xTool M1の奥行きを超える長さの材料の場合にも前後の遮光のアクリルプレートを外せば物理的に背面に余裕がある限り、目的の位置に加工ができる理屈だ。

と言うわけで、このライザーベースはxTool M1を約14cmほど底上げとなるが一般的な高さ70cmの机上にセットアップしても大人の場合は特に使いにくいことはないはずだ。そして特筆すべはxTool M1本体を底上げした結果、レーザーユニットのレンズ部位の掃除といったメンテもやりやすくなったことだ。
ただしブレードを使う場合はベースプレートを元の位置に戻す必要はあるが…。



レーザー加工機 xTool M1用エアーアシストとは?

レーザー加工機 xTool M1への投資は続く…😅 さて過日のRiser Baseに続きM1専用のエアーアシスト(Air Assist)を購入した。一見無骨なこの製品はどのような役割があり、どれほどの効果があるのだろうか。今回はそのファーストインプレッションをお届けしたい。


まず知っていただきたいことだが、レーザー加工機で例えば木材に彫刻を施す場合、あるいは切断する場合、それは集光されたレーザー光の驚くほどのパワー(熱)で焼き切る理屈だと考えられる。したがってその場合には粉塵が飛ぶし煙や臭いも生じる。

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※レーザー加工機 xTool M1用エアーアシストパッケージ


その煙りや臭い、そして粉塵は一般的にはダクトを通して屋外へ出すとか専用の集塵機で処理することになるが、ここで問題なのは作品、彫刻や切断している材料への悪影響である。
どういうことかといえば、木材に限ってもレーザーが当たった部位は茶色く焦げるのが普通だ。その理由は前記したように熱により焦げたからだ。

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※エアーアシスト本体(上)とパッケージ同梱品


したがって材質にもよるが例えばMDFボードを切断したり彫刻する事を考えると切断面はもとよりその周囲が焦げて汚れることになる。まあ切断の際の断面は仕方がないとして、粉塵や煙による汚れが材料全体に及ぶ可能性は否めない。
処理が終わってから拭き掃除してその汚れが軽減する場合もあるが、現実問題しては削るなどしないと汚れは取れない…。

そうした不都合を回避しようとするのがエアーアシストなのである。
どいうことか…。
それはこのエアーアシスト本体はポンプであり、効果的な空気を接続したパイプ経由でレーザーヘッドに磁石で取り付けられるノズルから噴射する…。
これにより以下の効果が生まれるという。

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※エアーアシストを取り付けたレーザーノズル先端。右の金色の部位はブレード


① 作業中に発生する煙や粉塵を吹き飛ばし、レーザーがより速く、より深く切断するのを助け、レーザー加工の効率を高める。
② 切断された材料表面の温度をすばやく下げ、高温による歪みや変色を防ぎ、滑らかな線、完全なパターン、およびきれいな表面を確保できる。
③ レーザーヘッドの作業中に発生する煙や粉塵を吹き飛ばすことでレーザーヘッドのレンズを汚染から保護し、耐用年数を延ばす。

こうした効果は実際にエアーアシストを使った場合と使わない場合で比較すれば明白だ。同じ材料を使い同じパラメーターで切断してみたが、確かにエアーアシストの効果は歴然としていて作品作りの質を向上させてくれる。
今回は3mmのMDFボードをパス1回でカットした例だが、例えばもっと厚い板を数回のパスで繰り返すとすればこの汚れはもっと顕著になる。

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※一例として3mmのMDFボードをパス1回でカットした


特にMDFは粉塵が飛んでレーザー加工機庫内の汚れも多いし、一日あれこれと使った後に庫内の掃除をすると拭いた布があっと言う間に脂色に染まる。要はエアーアシストがなければこれだけの汚れの一端が成果物に付着する理屈なのだ。

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※写真上はエアーアシストを使わなかった例だが、赤丸で囲った部位などが汚れている。対して下はエアーアシストを使った一例。比較すればその差は歴然だ。



ただし効果は歴然としても心配は振動と騒音だった。メーカーが示すスペックには xTool M1用エアアシストは騒音や振動が少ないという利点があり、レーザー彫刻機の作業中に、エアアシストによって生じる振動はレーザーヘッドの定位に影響を与えないとある。
しかしこれまた自分の環境下で確認するまでは分からない…。

ともあれ結果は杞憂に終わった。確かにエアーアシスト本体はブルブルと振動しているがそれが置かれている机に手を触れるも振動は伝わってこない。これは背面の特殊なゴム足の効果のようだ。そして騒音もxTool M1が動作している場合はほとんど気にならないことが分かった。

なおセッティングは難しくはないが後々問題が生じないようにエアアシスト本体からxTool M1庫内に引き込むチューブの配置は丁寧に行う必要がある。
また繰り返すがレーザーヘッドに取り付けるエアーノズルは磁石なので取り付けも取り外しも簡単で、取り外した際の置き場所も用意されいる。したがって必要と思われる場合に取り付ければよい…。

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※取り外した際にはこのように収納できる


ひとつ難があるとすればレーザー加工機…特にボックス型のxTool M1は庫内に発生した煙や粉塵を通常ならファンで強制的にダクトを通して屋外へ排出されるわけだが、エアーアシストを動作させると粉塵や煙はポンプからの強い空気でまず拡散されるため、庫内の汚れが目立つことになる。

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※半日稼働させた庫内を拭いた汚れ。焦げというか脂というか…かなり汚れる


成果物がきれいになる分、より頻繁にレーザー加工機自体の掃除やメンテが必要になってくるに違いない。




ケンコー マルチアングル 4K Webカメラ(KZ-DC4K)雑感

いまや「TV会議」といった言葉は死語だろうが、私はSkypeやFaceTimeといった画期的なテクノロジーが確立される以前からなんとか金を掛けずに遠隔地と通話・会話をできないかを試行錯誤してきた一人である。


それはビジネスの最前線にいた1990年代、超マイクロ企業ながら縁あってというか、本社は新宿で支店が札幌という環境になっていた。
1番の問題は遠隔地故、仕事の進捗状況や社員らの日々の思いが本社にいる私に伝わらない…伝わりにくいことだった。いまこの場に相手がいるなら、即具体的な話しを相手の顔色を読みながらできるが札幌では如何ともしがたい。

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※Kenko マルチアングル 4K Webカメラ(KZ-DC4K)パッケージ


私にできることは日々なんらかの理由を付けて支店に電話をするだけでく、月1度札幌支店に出張し様子を伺うことだった。
出張も業務を予定通りに進行させるために重要な行動ではあったが、問題は費用が嵩むだけでなく私の時間が束縛されることだった。同時に電話による意思疎通は月額料金がマイクロ企業として無視出来ない高額になり得ることだった。

勿論当時も大規模ないわゆるTV会議システムは存在した。ソニーと取引があったこともあって品川の同社ビル内に備わっていた立派で豪華なTV会議システムを見せていただいたことがあったが、我々には無縁のものだった。

ちなみにP2P技術を使ったSkypeが登場したのは2003年であり、その年の11月に私の会社は解散したので間に合わなかったわけだ…。
しかし怪しいソフトウェアと雑な機器で遠隔地と金を掛けずに通話ができるという技術的な風潮はあったし、個人的に手に入るモノを次々と試しつつ落胆していた日々を送っていたから現在のFaceTimeやZoomの台頭はとても眩しく映るのだ。

さて前置きが長くなったが、久しぶりにウェブカメラを買った。これまで愛用していたIPEVO書画カメラが具合悪くなってきたからだが、今般はケンコー(Kenko)マルチアングル 4K ウェブカメラ(KZ-DC4K)にした。
特別新製品でもないしデザインがこれまた素晴らしいというほどでもないが、4K仕様とそのフレキシブルな使い方ができる点に注目した。

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※アングルが自在になるのが使いやすい


私の場合、ほとんどのオンライン会議の場合、自身の姿を捕らえるのはM1 iMac 24インチのフロントカメラだ。これは画質もかなり綺麗なので他のウェブカメラの出番はないが、ただひとつアングルを変えるにはiMac本体を動かすことになり現実的ではないのでそういう必要性がある場合はケンコーKZ-DC4Kを使う…。

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※パソコンとはUSB接続


ただし色味はiMacのそれと違うが画質的には十分だ。
ともあれケンコーKZ-DC4Kの主な出番はオンライン中にいまここにある…机上にある…ガジェットや資料などを見せたい場合にカメラを切替ることで相手に説明できる点で便利だ。

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※書画カメラとしても必要十分な機能を持っている


アングルが自由だし書画カメラとしての撮影エリアも最大A3のサイズをカバーしているので十分なのだ。また一般的な印刷物の場合、小さな文字もきちんと読める解像度を持っているのでオンラインによる資料説明もまずまず実用となる。

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※手元の資料なども相手に伝えることが出来る


KZ-DC4Kの顔となるカメラ部位はどこか映画「2001年宇宙の旅」に登場するHAL9000を思い出すがカメラの上部にはマイクロフォンが、下部にはLEDライトが装備されている。また背面にはオートフォース&反転ボタンとLEDライトボタンがあり明るさを3段階に調節可能だが、照明としては些か弱い。なおカメラヘッド部位は180°まで回転できる。

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※カメラ部位のフロント(上)と背面(下)


実際にM1 iMackの脇前面辺りに置いてみたがカメラ部位の他はフレーム枠であるからして視覚の邪魔にならないことに気づいた。良い意味で存在感が薄いのだ。
とはいえ全体はアルミ製でしっかりと出来ており、柔な感じはしない。また完全に折りたためば厚さは14mm、重さ365g なのでバッグに入れてノートパソコンと共に持ち歩くにも苦にならないだろう。

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※折りたたむと厚さ14mmほどの板状になる


最後にスペックをご紹介しておくが、イメージセンサーは1/3.06型CMOS、総画素数:1322万画素、有効画素数:1313万画素、レンズ:f=3.37mm F2.2、焦点距離:23.2mm(35mmフィルム換算)、撮影距離:0.1m~∞、ホワイトバランス:自動、手ブレ軽減機能:なし…といったところだがパソコンとの接続でドライバーは不要である。
なおパソコンの動作環境はmacOSの場合 12.0.1以降、Windowsの場合はWindows(32/64bit)~10(32/64bit)/Windows11 とのことだ。

■Kenkoマルチアングル 4K Webカメラ






デスクトップレーザー加工機 xTool M1(10W)ファーストインプレッション

2021年10月に初めてレーザー加工機を手にしてからこの度4台目を迎えた。今回手にしたのはパーソナルユーザーだけでなくスモールビジネスの現場でも使え、機能や使い勝手もこのクラス最高・最良に属する xToolのM1という製品である。今回はその xTool M1 の魅力の概要をご紹介してみたい…。


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※xTool M1の化粧箱は附属品も含むのでかなり大きい


xTool M1は、レーザー加工とブレードカッティングという2種類の加工を1台で実現できる革新的な製品だ。ということはこれまでレーザー加工機では扱うことができなかった素材を刃(ブレード)で切断することができるようになった。また、高解像度カメラとAIヴィジョンアルゴリズムを利用した独自開発のソフトウェアが、従来のレーザー加工機では実現できなかった革新的な機能を提供してくれる。
製品をレーザー加工機単体として見ても、その出力や精度は業界トップクラスの水準を満たすものであり、xTool M1は、家庭でのDIYからオフィスでの業務活用まで、あらゆる用途において活用できる製品といえよう…。

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※仕事部屋の一郭に設置した xTool M1


本体サイズは 557×453×230mm で重量は約 9.8kgだ。完全にユニット内は隠されており上部の蓋を閉じていればレーザー加工中に光源を覗いても安全だというし、そもそも可動中に蓋を開けると動作が停止される。
なお加工エリアはレーザーの場合は385×300mmでブレードの場合は365×300mmだ。

まずは最初に概要を知っていただくため、主なスペックを簡単にご紹介してみる。なお製品にはレーザー出力が5Wと10Wの二種類があるが、私が手に入れたのは10Wのそれであり以下スペックも出力ワットが違うだけで後のスペックは5W製品でも同じ…。

① 組立済み
② CO2レーザーでは無く半導体レーザー
③ レーザー出力は10W
④ レーザー加工の他、ブレードカッティング機能搭載
⑤ 安全な密閉型設計
⑥ AIカメラ内蔵
 リアルタイムプレビュー。位置合わせを視覚化できるだけでなく。専用ソフトXCS(xTool Creative Space)で多くの素材の加工を一度に完成させることができる。
⑦ オートフォーカス
 オートフォーカスをクリックするだけで、xTool M1が素材を処理する準備が整い、複雑な手作業から解放される。
⑧ ワンパスで3mmのアクリル、10mmの木板を切断可能
⑨ 動作精度は0.01mm、0.08mmまで圧縮されたレーザースポットの高精細仕様。
⑩ ソフトウェアは専用のXCS(xTool Creative Space)

といったところだが、こうして文字に書くと通り一遍な機能のように思えるかも知れないが、これまで使ってきた組立式のフレーム型レーザー加工機と比べると専用ソフトのXCSを含め大げさで無く雲泥の違いを見せつけられる。
繰り返すがAIカメラを内蔵し、レーザー加工だけでなく1.5mm厚までの革も綺麗に切断できるブレード機能まで搭載されている。そして安全性に優れた密閉型デザインだが、機能満載だけに筐体サイズは些かデカイ!

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※愛犬の写真をレーザー刻印してみたが、それこそ写真と見間違うほど立体感のある結果になった


さて、レーザー加工機で一番面倒だと思っていたことは位置決めだ…。このエリアに刻印しますよ…といったプレピュー機能はあったにせよ思う位置にセッティングするのは気を使うものだ。しかしxTool M1なら庫内の任意の位置に置いた物品を内蔵カメラがリアルタイムにパソコン上に映し出し、ユーザーはその映像の上に刻印したいテキストなりグラフィックなりを置けば良い。
さらに同じものを複数作りたいときもXCS(xTool Creative Space)なら庫内の任意の位置、角度で置いた例えばネームタグだとしても、同じテキストやグラフィックスをその1つに置き”スマート・フィル” アイコンをクリックすれば自動的に他のネームタグ上にも配置してくれる。コピー&ペーストさえ使う必要はない!

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※位置決めは見たままだしスマート・フィル機能で瞬時に同じデータを複数枚のアイテム上に自動配置してくれる。専用ソフトウェアXSCの画面


ブレードカッティングの刃の交換もユニットの取り外し・取り付けがマグネットで簡単だし、ベクターデータをXCSに読み込んでサイズと位置決め、そして材質や厚さを決めれば即カッティングができる。さらに材料の厚さも通常はボタン一つで自動計測してくれる。

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※熱転写用フィルムをブレードでカッティングし、オリジナルTシャツも作ってみた


ただし、ソフトウェアは一般的なレーザー加工機で利用されているLaserGRBL、LightBurnとは互換性がない。専用のXCS(xTool Creative Space)が用意されているが、なかなかよく出来ている。勿論Windows版だけでなくMac版も用意されている。

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※M1 MacBool Air用のスリーブ(合成皮革)にレーザー刻印した例


なるべく大まかに…と記してみたが機能満載、出来ることが広いので具体的な使い方や特徴については別途発信していきたい。



iPhone 14 Pro を手にした雑感とトラブルの記録

これまで愛用していたiPhone XRからこの度iPhone 14 Proに機種変更した。オンラインのApple Storeに注文してから約一ヶ月ほど待たされたが10月9日にやっと届いた。iPhoneそのものは日本上陸のときからのユーザーなので基本的な目的意識としては見た事もない新製品を手にすることと比べれば新鮮味が欠けるものの…やはり心待ちしていたことは確か(笑)。


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iPhone 14 Proはスペースブラックにしたが、化粧箱開けたときの中身を見た瞬間「セクシー」というか大人の色気を感じる…。写真やウェブで見る色味とは当然とは言え些か違うわけだが、どこかその不思議なブラック空間に吸い込まれるような気持ち。

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そしてこの待ち期間中に数個のケースや保護フィルム、MugSafe関連製品などを集めて到着を待ち受けていた(笑)。

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とはいえ、今更開封の儀でもないので早速机上に旧機種のXRと並べ、直接Wi-Fiを使ってデータ転送を試みることにした。その前にSIMをiPhone 14 Proへ移したが、データ転送そのものはトラブルなく完了した。
後は格安SIMとして使っているiiJmioのサイトから機種変更のための接続設定を行う…。具体的にはAPN構成プロファイルをダウンロード・インストールするだけ…。

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その後念のためネットへの接続はもとより、通話の送受信などを確認して機種変更の手続きは終わった…。と思っていたら二日後に「変だな」と気づいた事がある。
それはiPhoneに届いたとあるメッセージがiMacのメッセージには届かないとか、アクセスの際にiPhoneの電話番号を2段階認証に設定しているサイトから確認のメッセージが届かないことに気づいた。

翌日AppleCareに問い合わせたがあれこれと設定をし直したりネット接続をやり直したりしたが埒が明かない…。結局5度目の問い合わせの際に電話口に出たサポート担当者が詳しい方でやっと原因にたどり着いたのだった。理由が分かればどうということもないわけだが、そこに至るまでが長かった(笑)。

AppleCareへ連絡する前に確認した事だが、iMacのメッセージアプリを起動し環境設定からiMessageのタブを見ると着信に使用するメルアド/電話番言のリストから電話番号が消えていることがわかった。しかしこのときにはこれが原因だとしてもなぜそうなのかについての答えは浮かんでこなかった。
またiPhoneの「設定」「メッセージ」の「送受信」を確認するとメルアドはリストアップされているものの電話番号部位にチェックはされてなく「確認中…」であることもわかった。

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少し冷静になって考えつつ情報を集めた、無論最終的な解決のためのヒントは5度目のAppeCareへの問い合わせでやっと分かったのたが、要はiMessageとSNSの仕組みをどこか混同していたのがそもそも問題の理由に近づけなかった原因だった。
メッセージアプリの中にiMassageのタブがあったりと、どこかでiMessageという機能はSNS(メッセージ)の一機能であるかのように感じていたのだが、本来SNSとiMessageは別物であることを忘れていた。

要はなぜメッセージはメルアドだけでなく電話番号でもアクセスし得るのだろうか…。テキスト世界のシステムに本来電話番号は異質なはずでは無いか。
AppleCareのサポート担当者からの説明に遠い記憶が甦ってきた。メチャ簡単に言うならその本来メッセージに異質な電話番号というデータを橋渡しするのがiMessageという機能なのだった。

ということはiMessageが正常に機能していないことになる。要はiPhoneのデータ移行後に起こった iOS APN構成プロファイルが正常に完了されていないのではないか…という疑惑が持ち上がった。いや、無論このAPN構成プロファイルのダウンロードおよびインストールはやったはずなのだ…。しかしあらためて「設定」「一般」「VPNとデバイス管理」の項を確認すると構成プロファイルの表記がないではないか!
そこで再度iOS APN構成プロファイルのダウンロードおよびインストールをし、半日ほど待っていたら前記したメッセージアプリのiMessageタブに電話番言も登録されていた!
とまあ、原因は今となっては不明だが、やったつもりが途中で戻ってしまったか、勘違いで済んだと思ったのかはともかく正常な手続きが終わっていなかったのだ。

そのiPhone 14 Proはご承知のようにカメラの進化はもとよりダイナミックアイランド、常時表示そしてiOS16で進化したロック画面のカスタマイズなどなど見るべき点も多い。特にXRからの機種変更者としてはやはりカメラの素晴らしさに喜んでいる。

iPhoneはすでに我々にとっては単なる趣味のガジェットではなくライフラインを構成する重要で大切なアイテムである。日常生活にとってなくてはならないモノだが、ふと嫌な考えが頭をかすめた…。
それは「このiPhone 14 Pro が私にとって最後のiPhoneなのかも…」ということだ。それは今年の春から二度の入院はもとより、加齢から来る他体力低下を自覚せざるを得ない身から出た思いだ。
そもそも一昔前のようにiPhoneも新機種が出る度に買い換えていた時代とは違い、その基本機能としては今のところ必要十分な性能を持っているからそうそう買い換えの必要なアイテムではなくなっている。
事実iPhone XRからこのiPhone 14 Proに替えるまでは4年という間がある。したがって己の年齢を考えると、後4年後…5年後も新製品のiPhoneを楽しめる気力と気概、体力を保持できているかは些か心許ないからである。
そう考えると眼前にあるiPhone 14 Proは益々愛しくなってくる…。



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プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員