Anker Soundcore Motion X600 Bluetoothスピーカーレポート

Apple HomePod miniを返品したものの、やはりiMacの外部スピーカーは欲しい…。色々と考えたが据置でなくともとにかく没入感を得られるスピーカーなら良いかなあと漠然と考えていたときAnker Soundcore Motion X600という製品を見つけた。


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特に「空間オーディオ対応」だということに惹かれたが、空間オーディオと言っても確かAppleのそれは技術の詳細を明らかにしていないはずだしDolby ATMOSというフォーマットをバイノーラルに変換しているにしても、その詳細はサードパーティーには提供されていないはず…。したがってあくまでAnker独自のそれであり、同じ物ではないだろうし事実製品説明の中に「Anker独自の空間オーディオアルゴリズムと、5つのドライバーにより、空間全体を包み込むような立体音響を実現しました」とあるのでやはりAppleのそれとは別物だ…。

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※Anker Soundcore Motion X600のフロントとバックの様子


とはいえ文字通りサウンドの広がりを期待して購入してみた。
Anker Soundcore Motion X600は上面のオペレーション領域が操作しやすいようにと角度があるので認識しやすいし操作もやりやすい。
製品サイズは31.1 x 17.1 x 8.1 cmで重さは1.93 kgだが見かけより重く感じる。本体に5つのドライバーが組み込まれ、立体感のあるサウンドを楽しめるという。なおカラーは3色あるようだが私はスペースグレーを選んだ。

バッテリーは充電式でフル充電の場合、12時間の連続使用が可能で出力は50W。そして防水規格IPX7も取得している。したがって電源を気にせずどこへでも持ち運んで利用可能。
持ち運びといえばAnker Soundcore Motion X600には特徴的なハンドルがある。確かに持ち運びには都合が良いもののこのハンドル、倒したり取り外したりはできないので時に邪魔だがこれはこれでデザインの一部だとして受け入れよう…。

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※ハンドルは倒したり外したりはできない


さて、早速iPhoneとペアリングしてみたが何の問題もなく接続できた。続いて一旦iPhoneのペアリングを解除してからiMacとペアリングしてみたがこちらも問題なく繋がったので早速iMacにインストールしてあるApple純正アプリ「ミュージック」を起動し馴染みの曲をいくつか聴いてみる。

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※トップにあるここもスピーカーだ !


当然ながらソースにもよるが、アップルのAirPods Proなどで体験する空間オーディオとは別物だが、低音から高音まで歪みもなく、サウンドの広がりも本体サイズにしてはなかなか良いと思う。とあるソースでは机上一杯にサウンドが広がり没入感抜群であり立体的だ。

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※M1 iMacとペアリングし、前面に置いて聴いてみると没入感はめちゃ良い


なお専用のiPhoneアプリを使えばいくつかの周波数別に編集できるイコライザー機能も使える。
なお附属のクイック・スタート・ガイドによれば、このAnker Soundcore Motion X600を2台並べてペアリンクが可能なようで、そうなれば空間オーディオなる機能もさらに生きて来るものと思うが、試してみる勇気はない(笑)。

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※背面にはType-Cの充電端子とAUX IN端子がある


オーディオ製品はユーザーの好みが多く左右される製品だからして、全ての方々に納得してもらえるものではないが、この価格、この筐体サイズでは良い製品だと思っている。
理屈はこの程度にして素直にAnker Soundcore Motion X600を楽しんでみようと思う。



実際に使ってみた「Atmoph Window 2 」の感想

この「Atmoph Window 2 」という製品を他の方々はどのような目的で購入するのだろうか。お店や自宅のインテリアとして…というのが一般的な答えのような気がするが、私はといえば大きな枠としてのインテリアには違いないもののファーストインプレッションで述べたように己のメンタル保全といった役割に期待しているのだが…。


さて早速だが「Atmoph Window 2 」の4K映像は実に美しい。サブスクリプションにも入ったし世界各国の風景が1500ほども選択できるというのだから日々楽しみだ。
また本体に2個の画面全体を揺らす振動スピーカーが搭載されており、リアルなサウンドが楽しめるし映像によっては鳥のさえずりが画面の外から聞こえてくる気がするほどリアルな体験をさせてくれる。

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ただしくどいようだが、私の目的はそうした世界の美しい都市や自然を堪能することではない。あくまで「Atmoph Window 2 」という窓を日常空間に置き、そこから覗く自然や人の営みなどを感じながら日々を過ごすことなのでそれぞれが15分ほどの長さがあるという映像をじっくりと鑑賞するつもりはないのである。

したがって現在は「Atmoph Window 2 」に用意されているさまざまな風景を鳥瞰しつつ、自分の目的に合ったデータを探しているところだ。

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※ジャンル別からコンテンツを検索できる


要は単に美しい山や川、海、あるいは世界遺産といった風景は私の目的には合致しない。大げさだが、雲が流れ海が波打っている…というだけでは駄目でそこに人間の営みが感じられるコンテンツが好ましいと思っている。

それはそのシーンがどこであれ、日常のリアルな1シーンであって欲しいからで具体的に言えば人が行き交い、人のざわめきが聞こえ、車や電車が通っているシーンを探している。
無論そうしたシーンが多々見つかるとは思わないものの、くどいようだが例えばと美しい凱旋門だけでは駄目で画角を少し下げて人や車の往来があるシーンが欲しいのだ。

ひとつ好例を上げるとイスタンブールの「ヒュダヴェンディギャール通り」という映像があった。トルコ最大の都市であるイスタンブールは知っているが「ヒュダヴェンディギャール通り」は初めて知ったがその映像は私の目的に合致したもののひとつだ。
路面電車のレールが2列ある決して広くない道路の左右に商店街のような佇まいの街並みがある。

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※イスタンブール「ヒュダヴェンディギャール通り」


左右の歩道には人々が行き交い、ときに犬も横切ったりする。
そして時折車が行き交い、路面電車が通過する…。
決して美しいとは言えない日当たりの悪い一郭のようだが遠方のビルには日が当たっている。

いまひとつ気に入った風景を上げると、メキシコの「夕暮れのラパス広場」という映像だ。グアナフアトという所にある広場だそうだが、文字通り夕闇が迫り建物には照明が点き、行き交う車もフロントライトを点けて徐行している。
広場では多くの人たちが行き交い、観光客らしき人が記念写真を撮っている。広場のどこかでライブ演奏があるのだろう…音楽が流れている。そして次第に暗闇に包まれていく…。

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※メキシコ「夕暮れのラパス広場」


こうした映像を「Atmoph Window 2 」のDecoration機能でリアルな窓枠を表示させて見れば、まさしく小窓から路面電車が通る何気ない街の一郭を覗いている感覚になる。無論音量を上げれば電車の軋む音やブレーキーの音などもリアルに耳に入ってくる。
窓の外からは人々の息づかいや生活感といったものが伝わってきて、窓の “内側” にいる私はそれらを見下ろしながら地域と一体になれているような感覚に浸ることができる。

もうひとつ傾向の違う例を上げさせていただくと、単に人の姿…気配を感じたいときにお気に入りなのは「リンコーヒーのカウンター」という映像だ。
この映像は珈琲店のカウンターに一人座している女性の後ろ姿と、こちら向きで作業するマスターらしき人の動きをただ眺めているだけのものだ。

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※「リンコーヒーのカウンター」


ちなみにこの4K映像のリアルな映像は、「Atmoph Window 2 」という小窓の向こうに珈琲を楽しんでいる人と珈琲を煎れる人が存在することを思い込ませるに足りるリアリティがある。したがって窓という仕切りで区切られてはいるが自分も同じ店内で珈琲を楽しんでいるという妄想が拡がる。
ちなみにこの「リンコーヒー」という珈琲店は実在するお店で、京都烏丸通から少し入った静かなエリアにあるお店だという。

まあまあ、こんな感じで遠方の映像を覗いているのではなく、すぐ窓の下、壁1つ向こうのリアリティを求めているつりなのだ。
ということでまずは目的に合った映像をなるべく多く探そうとしている毎日である。

■オプション品は疑問が多い
「Atmoph Window 2 」のオプション品としては「リモコン」「LEDモジュール」そして「カメラモジュール」などが揃っている。
私は一応基本だと思われる「リモコン」と「LEDモジュール」を購入したが「LEDモジュール」はすぐに返品することになった…。
いや、不良品だった訳ではない…。この製品は柔らかい光で、窓から太陽の光が差し込んでいる気分を味わうことができるとのことだったので手に入れたが、そのリアル感が無いだけではなく「Atmoph Window 2 」の上下設置位置にも関係するが「LEDモジュール」の発光部位が直接見えてしまい興ざめなのだ。
無論「LEDモジュール」位置が隠れるように「Atmoph Window 2 」を下げて置けば光源は見えないが窓枠の上部位置が不自然に低いことなど一般的にはないわけで、これはコンセプトそのものに無理があるようにも思える。
ということで申し訳ないが翌日に返品処理した次第。

一方「リモコン」は一応動作はするわけだが、例えばiPhoneにインストールした専用アプリのリモコン操作と比べると反応がいたって良くないのである。少しでも廻りに何かアイテムがあると動作しないこともあり、念のためボタン電池も入れ直してみたがどうやら仕様らしい。

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※Atmoph専用リモコン


要はリモコンは赤外線?仕様の上に指向性が限られているのかも知れないし、iPhoneはBluetoothだからによる違いということなのかも知れない。無論iPhoneを取りだして使えばよいわけだが、iPhoneはあれこれと利用範囲が多いし専用のリモコンがあればより簡便だろうと手に入れた訳だがこれまたストレスが溜まる場合がある…。

そもそも本体の4Kディスプレイは文句なく美しいが、ソフトウェア開発者の一人として眺めると操作系のソフトウェアというかUIがいまいち練れていない感じだし分かりづらい。iPhoneのタップにしても誤動作させないようなUIの工夫が多々必要だと思われる。
またときにエラーが表示されるなど、システム全体の安定性に難があるように思える。

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※ときにこうしたエラーが出ることも…


ということでくどいようだが「Atmoph Window 2 」の素晴らしさを損なうことのなきよう操作系もアップデートを続けていただきたい。

■「Atmoph Window 2 」総評
私はこの「Atmoph Window 2 」、買って良かったと思っている。本来なら2台とか3台を並べ、よりワイドな窓として眺めてみたいが予算の関係もありしばらくは小さな窓という演出でいろいろと試してみたいと思う。
それからまだβ版だとはいうが、ユーザー自身が撮影した映像もアップできるようなのでこの点についても試してみたいが、1500点にもおよぶサブスクリプションで体験できる映像の高画質を見ていると自分で撮った映像など表示したくなくなる(笑)。

というわけで「Atmoph Window 2 」本体については基本気に入っていることもあり大きな要望はないが、しいていえばこれからも多くの魅力ある映像を追加して欲しい。またこれまで個人的な嗜好も含めて説明したとおり私にとっての「Atmoph Window 2 」はテレビや単なる作品鑑賞のモニターでは無い。
したがってアニメ作品とかCGによる作品にはほとんど興味は向かない…。
とはいっても自分の好みだけでこの「Atmoph Window 2 」という可能性が大きいプロダクトを判断するのも少々気がひけるので最後にひとつ提案をしておきたい。

それは「Atmoph Window 2 」の画面の縦横比の問題にも関わるだろうが、例えば壁などへの設置を現在のように単に基本釘2本で吊り下げるのではなく厚みは現在のままで回転機構を持たせたベースを開発できないか…ということだ。
現在「Atmoph Window 2 」の仕様は縦置きでの利用に限られているが、コンテンツを限定するとしても横型鑑賞が可能になれば申し上げるまでもなく「Atmoph Window 2 」の世界を広げることが出来るに違いない…。
そして例えば「Atmoph Window 2 」のサブスクリプションの中にアート作品のカテゴリーを用意すると面白いと思うのだ。
現在すでにアート作品のサブスクリプション・サービスを実地している企業もあるが、世界中のアートが「Atmoph Window 2 」を通して鑑賞できるとなれば魅力は倍増するに違いない。
「Atmoph Window 2 」による映像(動画)は確かに魅力的だが、例えば「今日友達数人を呼んで食事会」といった場合には動画よりは静止画の方が気が散らずにいられるし、ときに様々なアートを飾っておけるという簡便さと魅力は「Atmoph Window 2 」の市場をも大きく広げると思うがいかがであろうか…。
そして現在の基本フレームに簡単に被せることができるアート向けの額縁も何種かオプションで用意できれば完璧だ。

それから”Decoration” 機能の窓枠類だが、できれば開閉の角度や枠のカラーなどにより多くのバリエーションが欲しいと感じているしアニメーションとして開閉できたらリアル感もより増すと思う。

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※こうした”Decoration” 機能の窓枠は「窓から覗く」幻想によりリアリティを持たせてくれる


いずれにしてもまだまだ設置してから2週間程度なのでもしかしたらこれから要望が出てくるかも知れないが、「Atmoph Window 2 」の存在が日常のあり方を少しでも豊かにしてくれることを願っている。



世界中の風景を見せてくれる魔法の窓「Atmoph Window 2 」ファーストインプレッション

この数年ずっと気になっていた製品「Atmoph(アトモフ) Window 2 」をやっと手に入れた。これはメチャ乱暴に言えば液晶モニターを窓に見立て、そこに世界中の魅力的な景色などを映し出すという製品である。そのサイズが638 x 372 x 57mmとちょっとした小窓サイズなのでリアル感満載なのだ。

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※Atmoph Window 2はまさしくデジタルな窓だ!

■魔法の窓が欲しい

まったくの私事だが、愛犬の死以来情けないことだが日中寂しくてならない…。女房が仕事を休みのときはともかく、仕事に出かけてしまうと朝早くから夜まで一人である。
もともと本音はそんなに人付き合いの良い人間ではないし孤独も嫌いではない。またこの歳で雑踏の中に好んで混じり込む勇気も体力も無い。

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※Atmoph Window 2のパッケージ


勿論、日中いつもいつもボケッとしているわけではなくやりたいこと、やらねばならない事もあるがつくづく思うに「人の気配」と「自然」を感じられない毎日だとメンタルな部分が病んでいくような気がする…。
「人の気配」を感じたいが為にときにZoomなどでオンライン会議に出席するしYouTubeなどで人の声を見聞きしたりもする。しかしリアルな相手とは違い当然だが受ける刺激が足りない。
また愛犬が死んだことで散歩に出ることもなくなったし年齢的なこともあり、季節季節の自然に触れ合う機会もとんとなくなった。

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※iPhoneアプリによるAtmoph Window 2をコントロールする画面


いや、繰り返すが私は決して孤独が嫌いではないのだが仕事部屋にBGMならぬ、バックグラウンドに人の営む環境や気配を感じながら過ごせればいいなあ思ってきた。どういうことか…。
現実問題として私の仕事部屋は北東側に広い窓、南東側のベランダ側の窓があるが普段は閉めている。北東側を開けてもマンションの一郭が見えるだけだし、ベランダ側は隣接して建っている住宅の壁面が見えるだけだ。さらに隣接している4車線道路からは終始車やバイクの騒音が、そしてベランダ側脇には電車が通っているので自然を満喫する環境にはほど遠く騒音を遮断するためにも為に窓を閉めている。

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※こうしたカテゴリー別に映像を選択可能だがかなり曖昧でもある


こうした環境で少しでも心地よく過ごしたいと好きな音楽を流し、時々自身でピアノやリュートの演奏を楽しむが、音と共に視覚的な楽しみ…それもTVやYouTubeなどを見るといったことではなく、作業や仕事の邪魔にならないそれでいてリアルなビジュアルを味わえる方法はないものかと…。
要は自分が望む風景が映る魔法の窓が欲しいということか…。

蒸し暑いときにはどこかの高原の川のせせらぎが、人恋しいときには街中や珈琲ショップにいるような感覚…錯覚を覚えさせてくれる魔法の鏡ならぬ窓があればいいなあと…。
実はそうした願望を叶えてくれるのが「Atmoph Window 2 」なのである。

■「Atmoph Window 2 」とは

「Atmoph Window 2 」は、インターネットにWi-Fi 接続し、世界中の風景を見ることができる窓の形をしたスマートディスプレイである。
壁に掛けたりデスクに置くだけで、美しい4Kで撮影された繊細な風景と臨場感あふれるサウンドで、一瞬にしてその場にいるかのような気分になれるという製品である。
しかし単なるスマートディスプレイでなく、例えば画面に窓を開けたような…まさしく窓から覗いているような窓枠まで表示するデコレーション機能もある。

そしてGoogleカレンダーや天気などの表示が可能なだけでなくデイリールーティーン機能を使えば、朝起きる時間に明るい光と共にONとなり、朝に必要な予定や天気が表示された後は、時間帯に合わせて風景表示に。家を出る時間になると鐘や鳥のアラーム音が鳴って知らせてくれる。さらに夜には画面を暗くして、就寝時はサウンドオンリーで深い眠りへ…といった具合の使い方も選ぶことができる。

「Atmoph Window 2 」の風景動画は独自に4K撮影した世界各国1,500種類以上の風景を楽しめるが、宇宙から京都の茶室まで多彩なライブラリが月額980円からのLimitlessプラン(サブスクリプション)に入ることで見放題となるばかりか、毎月新しい風景や機能追加もされるという。
さらにはライブストリーミング機能もあり、各地に設置されたwebカメラを通して世界中の「今」の風景を見ることができ、ライブならではの現地の季節感や時差をリアルタイムで感じることができる。

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※映像にはいわゆる景色たけではなくこの喫茶店の店内といった映像もある


こうした説明を続けると「ユーザー側の動画をアップして利用できないか」という疑問が生まれるかも知れない…。この希望は現在β版ながら可能なので一段落ついたら私も試して見ようと思うが、前記した個人的な希望からすれば自分が撮った映像では意識してしまって本来の役に立たないような気もするが…。
そういえばこうした各種設定はiOSやAndroidアプリから可能とのことで、すでにApple Watch とペアリングしている際にはそのWatchで Atmoph Window 2 を操作する設定をするためのアイコンが右上に出るようになっているという。

■初期設定は今どきとしてはメチャ面倒

「Atmoph Window 2 」は最先端のプロダクトであり、実際大変魅力的な製品だが、いざ梱包を解き設定を…となるとこれがかなり面倒なのだ。
専用のリモコンも注文したものの届いたのは取り急ぎ本体だけだったのでiPhoneにこれまた専用アプリをインストールして設定を試みるが、例えばWi-Fiのパスワードひとつ入力するにもずらりと画面に並んだ文字を左右の移動ボタンで選択し、デリートや確定のボタンまでもがそこに移動しまずは選んでOKボタンを押さないとならない。

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※文字入力はなかなかに厄介だ


まあ、タッチディスプレイはコスト的に無理にしてもいま少し容易にセットアップ可能なように是非一工夫していただきたいものだ。

■電子ピアノの背景位置に「Atmoph Window 2 」を設置してみた

さて、問題は仕事部屋は狭い部屋だからして「Atmoph Window 2 」を飾る理想的な場所は少ない。それでもふと思いついて電子ピアノを置いた背景に置いてみようかと思い立った。
ちょうど窓際にピアノが置かれているといったシチュエーションである。その小窓に映る日々多彩な風景を眺めながら、仕事をしたり無論ピアノを弾くのも楽しいではないかと考えたからだ。

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※ノートルダム寺院が望める小窓の側にピアノを置いた…というシチュエーション…


この「Atmoph Window 2 」は1台だけでなく例えば2台とか3台を並べるとそれこそ広いワイドな窓となり、映像もそれらに合ったものが多々用意されているが私の環境では無理だ(笑)。
ともあれこの念願の魔法の窓をどう堪能するか、できるかをまず十分に考えてみたいと思う。
ということでまずは設置と動作を確認したわけだが、次回は実際の使用感をお届けしたいと考えている。



Apple HomePod mini 返品の結末

はじめてApple HomePod を購入した。正確にはApple HomePod miniだが、iPhoneとペアリングが目的ではなくメインマシンのiMacの外部スピーカーとして使ってみたかったのだ。


AirPlayは、Wikipediaによれば、iTunesやiPhone、iPod touch、iPadで再生している音楽や動画、画像を、家庭内のネットワークを経由して他の機器でストリーミング再生する機能だという。
事実手元のiPhoneやiPadからHomePod minとペアリングし音楽を流すのはいとも簡単だ。しかし今般私はメインマシンのM1 iMacの外部スピーカーとして使ってみたいと考えた。

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M1 iMacにしてからこれまで使っていた外部スピーカーは処分してしまったが、些か音楽に浸ろうとするときにはサウンドの広がりが乏しく没入感が得られないと感じるからだ。とはいえいまさら大層なスペックのスピーカーを並べるつもりはないしHomePod miniならM1 iMacと同様にイエローのボディもあったのでこれをiMacの左右に並べようと考えた。
HomePod miniは実際の林檎と同じようなサイズでイエローのM1 iMac左右に並べるとなかなかに素敵だ。大きくスペースも取らないから邪魔にもならない。

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■設定のわかりづらさ…
最初に申し上げたいことは意外なことに設定の分かりづらさだ。勿論iPhoneとのペアリングなら例えばApple AirPods Proなどと一緒で簡単だし一瞬でペアリングは終了する。
しかしHomePod miniをにMacの外部スピーカーとして設定しようとするといきなり敷居が高くなる。HomePodはそもそもAirPlayを活用するデバイスだが、Wi-FiとかBluetoothといったものたちほど馴染みがない。そしてHomePod miniパッケージに同梱の簡易説明書にはiMacの外部スピーカーとしての設定方法などは記載されていない。

ともかく順序としてはiPhoneからHomePod miniを認識ペアリングするが、その前にiMacのWi-FiとiPhoneのそれを同じネットワークにしておくことが必要。そしてiMacのコントロールセンターからHomePod miniを選択することになるが、繋がったと思ったら左チャンネルだけだったりと…これがなかなか上手くいかない…。
仕方なくAppleCareに電話してサポートをお願いした。

対処方法は煩雑だし私自身同じ事を再現できるとは思えないので詳細は省くが、ホームアプリなども駆使した結果やっと安定してHomePod miniが使えるようになった。
iMac内蔵スピーカと比較してやはりサウンドの広がりが違いHomePod miniの実力が遺憾なく発揮され喜んだのも束の間、問題が生じた…。

■iPhoneをiMacのWebカメラとして使えない…

しばし、HomePod miniのサウンドを楽しんでいたが、定例のYouTube動画を撮影しようとiPhoneをいつものようにiMacのウェブカメラとして使うべくセッティングをはじめたがiPhoneからの映像が入ってこない。
すると「連係カメラの接続ができません」という通知が表示され「AirPlayの接続を解除してください」とのこと。

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そもそもAirPlayというものをこれまできちんと認識しておかなかったことでもあり、さてどうしたらAirPlayをOFFにできるのか、OFFにできたとして再度ONすれば問題なくHomePod miniが使えるのかが不明でしばしあれこれと確認していたところやっと判明。
どうということはなく、コントロールセンターのサウンド覧にあるAirPlayアイコンをクリックし、サウンド出力をHomePod miniからiMacの内蔵スピーカーに切り換えればよいだけだ。
であるなら耳慣れない「AirPlayをOFFに」ではなく「出力スピーカーをiMac内蔵に切り換えてください」とすれば混乱はないのだが…。
勿論、スピーカー出力をHomePodに戻せばHomePod miniは問題なく使用できた。

■AirPlayだからしての遅延問題

さらに当初はそんなものかと思っていたがHomePod miniからサウンドをONにするにしろOFFにしろ、クリックしてから約2秒ほど遅延があることが気になった。
これはHomePod miniをMacと接続させたいとした際の問題だというが、購入時にアップルのウェブサイトのHomePod mini説明に、オーディオソースとして "iPhone、iPad、iPod touch、Apple TV、MacからHomePod miniにAirPlayでストリーミングしたその他のコンテンツ" と明記されている。この表記が曲者なのだ!
要はこのHomePod miniはMacとはWi-FiやBluetoothによる直接的な接続といった仕様ではなくあくまで「AirPlayを使って」の意だという。
どういうことかと言えば、例えばMacの外付けスピーカーとしてセッティングできたとして,Macのミュージックアプリを起動し音楽を再生したとき、再生ボタンを押してから約2秒ほど遅れてスピーカーから音が出る理由をアバウトで説明するならMacで再生したサウンドは一旦iPhoneに送られ、iPhoneからHomePod miniへデータが飛ぶ…から遅れるということになる。
このことはAppleCareで確認したので間違いは無いはずだ…。

したがってもう一例としてiMoveで動画編集をしようとした際、映像と音がずれることも同じ理屈である。映像はMac自体で再生しているからリアルタイムなのに対し、その音はAirPlayでiPhone経由でHomePod miniに送られるので遅延が発生するということだ。

要はこのHomePod miniという代物はiPhoneやiPad向けのプロダクトでありMac向けではないのである。だからMacにセッティングするためにはiPhoneが必要だしその利用も、もしiPhoneが手元に無ければMacの外部スピーカーとしての機能も果たせなくなるという製品だという。
こうした事実を知って愕然としたが、こうした事が明確になる以前にも二度AppleCareに電話をして相談したわけだが、その二度の電話は無駄だったことになる…。う〜む。

■珍しく返品を決意

そもそもAirPlayとはiPhoneやiPadなどで再生している音楽や映像を、スピーカーやテレビといった対応機器にWi-Fiなどの通信を介するストリーミングで出力するための仕様だ。それは知っていたものの実際に活用したことはなかったために今回のトラブルとなったわけだが、100歩譲って音楽再生の際の遅延は許せるとしても(大いに気になるが)動画編集などの際にはいちいち出力をiMac内臓スピーカーに切り換えなければ遅延が激しく使い物にならない。
あくまでiMacの外部スピーカーとして活用したいと考えたのが間違いの元とはいえ、我慢をしながら使うほどのものでもないと私には珍しいことだが返品を決意した。

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ネットを検索すると少なからずMacとの接続に関する情報もあるから、私と同様な目的でHomePod miniを手にするユーザーも多々いるに違いない。だとすればアップルの製品サイトにMacとの接続はAirPlay接続になるからして遅延という問題があることをきちんと明記して欲しいししなければならないと思う。
M1 iMacのカラーと同じイエローのHomePod miniはまるで黄色いリンゴを左右に置いたようでビジュアル的にもそしてサウンド的にも気に入っただけに残念であった。



私的な電子ピアノの選び方〜何故DonnerのDDP-90だったか?

我が国で鍵盤楽器メーカーとして知られているのはYAMAHA、KAWAIを筆頭にRoland、KORG、CASIOなどが有名だし、相応の価格帯の製品であればその品質は間違いないと考える方も多いに違いない。しかし楽器は使い手、弾き手の好みが大きく左右するアイテムであり価格を含めて選択となるとなかなかに難しい…。


ということで今回は「私的な電子ピアノの選び方」と題して電子ピアノを “DonnerのDDP-90” に買い換えた際に注視したポイントをご紹介してみたい。
さて最初から頭にあったのはやはり予算だ。しかしどんなに安く手に入れられるとしてもこの種のアイテムの中古を手に入れるのは気が向かないのでまずは除外した。

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※電子ピアノ “DonnerのDDP-90”


Amazonを中心にして製品情報を集めてみたが、私の第一希望として「本体価格は5万円まで」という厳しい条件を満たし、かつ以下にご紹介するようなスペックを持つ製品を目指すというかなり厳しい選択だった。ために色々と考えては見たが今回は前記したYAMAHA、KAWAIを筆頭にRoland、KORG、CASIOといった国内メーカー製品はあえて断念することに(笑)。

【選択条件】
・88鍵
・タッチレスポンス機能
・ハンマーアクション ※必須※
・鍵盤サイズはグランドピアノと一緒
・アップライト型スタイル
・3本ペダル
・鍵盤蓋付き 
・グランドピアノのサンプリング音(できたらDREAM音源でないもの)

■DonnerのDDP-90を選ぶに至るあれこれ…
そう割り切るとメーカーは聞いたこともないメーカーばかりとなり、DEEYUU、ZHRUNS、SHEIRIN、KIMFBAY、CEULA、Donnerといった多分に中国製であろう製品が目立つことになった。中にはOEM製品もあるに違いない…。
そうした中でまずはハンマーアクションが採用されている製品を選択していく…。そしてアップライト型スタイルを持ついわゆるスタンド型にも拘ったが、いかにも簡素すぎて骨組みだけのようなデザインでは所有欲がそそられない(笑)。

多くは左右のスタンドは四角い一枚板のようなデザインがほとんどだったが、ひとつ直線的で簡易的ながら前脚を持つDonnerのDDP-90という製品が好みに合ったし蓋もある。そして全体的に安っぽくはないようだった。そしてこのデザインで奥行きはわずか35cmというのも魅力。

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※簡易的だが前脚を持ったデザインが気に入った


さらに確認していくと幸いこの製品はグランド・ピアノと同様に低音部では重く、高音部にいくほど軽くなるタッチを再現したウェイテッド・ハンマー・アクション鍵盤を採用し高い連打性能で、早いパッセージでも演奏者の表現力を損なうことなく音の強弱まで再現すると説明されていた。

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※蓋を閉めるとフラットなのでちょっとした書き物などもできる


またピアノ音源は、詳細は不明ながらAWMサンプリングを採用しグランドピアノの音源をサンプリングとのことで、多くの電子ピアノが採用しているフランスDREAM社音源ではなさそうだ。これまで使ってきた電子キーボードがDREAM音源だったし特に大きな不満もなかったが買い換えの機会に別のサンプリング音をと考えていたので食指が動いた。

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※操作部は電源とボリュームのみ。音源はグランドピアノのサウンドをサンプリングした一種のみ搭載


価格も予算の上限を僅かに切っていたことでもあり、詳しく調べて見ることにしたが、本体デザインは安っぽくなく繰り返すが簡易的ではあるものの前面両脇は前記したように飾り足を模っているし蓋も指を挟まないようにとフィンガーガードが付いているという気の使いようだ。
なによりもMIDI端子は装備しているものの、余計な機能はないしピアノ音源以外のサウンドは採用されてなく、あくまでグランドピアノの弾き心地の再現にこだわった製品のようだった…。

そしてペダルもアコースティック・ピアノ同様にダンパーに加えソフト、ソステヌートを使うことができる3本ペダルが標準装備だったしAmazonの販売ページの写真を見る限り、全体的に奇抜さを狙った点もないことからこのDonnerのDDP-90に決めた。
ひとつ他機種と比較してスピーカー出力が弱い感じだったが、そもそも本体のスピーカーから音量を全開して演奏することなど集合住宅だからして考えられない。そのほとんどがヘッドフォンの利用になるので気にならなかった。

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※本体裏面にはヘッドフォン端子が二つ、ペダルケーブル端子と両サイドに楕円型のステレオスピーカーが備わっている


とはいってもAmazonでの購入では店頭買いとは違って試しに感触を掴むことができないのでチャレンジャーではあったがこればかりは仕方がない。
評価を少々疑いながらも参考にしつつ、類似の製品とを比べ続けてみた。結果、ことピアノの代わりとして楽しむにはDonnerのDDP-90が最良だと判断し他製品より心持ち価格が上ではあったが注文に至った次第。

■DonnerのDDP-90の感想
届いたパッケージはあらかじめ承知してはいたものの、重量は33kgでサイズも88鍵幅が137cmだから相応の大きさと重さで組立は正直なかなか大変だった。
いや、組立はドライバー1本で済む理屈だがなにしろパーツが大きいので手際よくとはいかない。組立は二人でやるとよいことも分かっていたがその日は一人だったのでいやはや大変だった。
それにしても組立が終わったDonnerのDDP-90は思っていた通り存在感のある素敵な姿だった。

スタンドのデザインはもとより中密度繊維板 (MDF)で構成された木製部分はどのような塗装なのかは分からないが艶消しのピアノブラックといった体で雑な作りではなかった。
やはり気になったのは鍵盤だ。以前の記事でも述べたが鍵盤を押した瞬間「ピアノのそれだ!」と感じたし鍵盤全体を見渡しても、白鍵23mm×150mm、黒鍵11mm×95mmと現代のピアノの標準サイズだったし白鍵同士の間隔も綺麗に揃っている。

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※なによりもその鍵盤のタッチはピアノを思わせるものだった!


そして肝心の音だが、普通本物のピアノは中音と高音は1つの鍵盤に対して3本ずつ弦を張り、低音は最低音に近づくにつれて3本、2本…と減らすそうだ。
これは音量を大きくする意図もあるが、同じ音程に合わせた3本の弦を同時に叩いてもハンマーの接弦状態や弦の指示位置が1弦毎に違うため、3本の弦は全く同じ弦振動とはならず、反対にそのことが余韻を生じ、豊かな響きとして我々の耳に達する理屈だという。

なにを言いたいかというと、DonnerのDDP-90の音源の詳細は不明ながらグランドピアノの音をサンプリングしたものだという。そして実際に一つの鍵盤を叩いてその減衰を聞くと機械的な短音が減衰していくというのではなく、複数本の弦を叩いたように僅かに揺らぎを感じるのだ。
この僅かな…微妙な揺らぎが特に音量を上げて弾くとき、生のピアノの音、リアルなピアノの響きを生むと考えられる。

では以前使っていたDREAM音源はどうだったかは残念ながら本体はすでに処分済みなので確認はできないが上記のような事には気づかなかったことは確かだ。
ということで私はこのDonnerのDDP-90の音は気に入っている。勿論人により好みもありもっと艶やかな音が良いとか、落ち着いた音が良いと…いった意見もあるはずだが、私の場合は幸い結果オーライだった。

鍵盤のタッチも繰り返しになるが、単純なバネ(スプリング)などで支えているのではなく簡素化されてはいるもののグランドピアノのようなハンマーアクション機構を備えているそれは確かにピアノの指感触を思わせる…。
事実これまでの電子ピアノで練習してきた曲もタッチがかなり違うため、練習をやり直すはめになるくらいの差があった。

ということで電子ピアノDonnerのDDP-90と共に高さ調節ができ楽譜の収納機能もあるピアノ椅子とこれまでよりよい音で練習できるだろうマランツ製のモニターヘッドフォンも新たに揃えた。

DonnerB_01.jpg

※ピアノ用椅子とヘッドフォンも揃えた


後は練習あるのみだが、現在ショパンの前奏曲ホ短調Op.28 No.4を腱鞘炎やガングリオン手術後の曲がった指で日々少しずつ前に進んでいる。
しかし、まあ…これほどの製品が5万円を切る価格で買えるとは凄い時代だ!






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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員