ダヴィンチColor miniによるレーザー刻印の秘密

XYZプリンティング社、カラー3Dプリンター「ダヴィンチColor mini」用のレーザーモジュールを使い始めているが、色々と難しいことが目立つ。ダンボールは明瞭に刻印できるが薄い合板の木材では上手く行かない。いくらレーザー出力が専用機より弱いといってもスペックには木材も可能とあるわけで数種の合板を手に入れ、あれやこれやとテストを重ねてきたがやっと…刻印不調の原因が解明された!


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※ダヴィンチColor miniによるレーザー刻印は魅力だが…


確かにレーザー刻印は材料を選ばなければならない。特に「ダヴィンチColor mini」用のレーザーモジュールは例えば紙類でも白っぽいものはダメだ。したがってこれまで良い結果を得たのはダンボールとコルク材程度だった。
ところで、このレーザーモジュールによる刻印は「XYZengraver」というアプリケーションを使う。その基本操作はシンプルで簡単だから間違えようはない。

しいて言うなら刻印の方法はベクター方式とラスターモードに2種あるが、一般的に図柄を対象とするならラスターモードであるべきだ。そしてこのラスターモードでのパラメーターは「刻印スピード」と「色の濃淡測定の感度」の二つしか無い。
例えばその「XYZengraver」ウィンドウ内に刻印するJPGイメージを読み込み、サイズを調整するわけだが、最大で縦横13cmが限度となる。

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※「XYZengraver」アプリに刻印するJPGファイルを配置


テストとして縦横10cmの合板製コースターに合うよう「XYZengraver」ウィンドウ内のイメージサイズを縮小し、「ダヴィンチColor mini」本体のプリントベッド上にコースターを置く。
無論刻印位置と合わせなければプリントベッドにレーザー光が当たってしまう…。
そしてラスターモードにして刻印開始となるが、ちなみに使用したJPGのデータは白黒二値で縦横1300 pixel (144dpi)ほどのデータだ。

このサイズだと刻印にもかなり時間が掛かる。専用機としてのレーザー刻印機を使った経験が無いので比較のしようもないが2時間近くかかるのだからなかなか手軽にテストが進まない…。
ともかく問題は時間よりその刻印の結果だが、これは非常に良くない。

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※縦横10cmの木製の板へは無残な失敗。しかし縦横5cmの板へは綺麗に刻印された。何故!?


何度やっても結果は同じだったが、最初に考えたことは「材質がレーザー刻印に合っていないのではないか」ということだった。レーザー出力が弱いためにこうした結果になるのなら、コースターの位置を変えずに二度刻印を実施してみたらどうかもやってみたが変わらない…。
同じ環境下でダンボールになら綺麗に刻印できる事を確認した私はやはり木材の材質が堅いなどの理由でレーザー刻印に適していないのかも知れないと思った。

数日刻印を休んだ後、気を取り直し今度は何気なく四分の一のサイズの木片(5cm四方)に同じ事をやってみた。しかし今度は綺麗に刻印されているではないか…。
10cm角と5cm角の材質がちがうのだろうか?
しかし目視した限り違いは見受けられない。
ここでやっと閃いた!

「もしかしたら、画像データの解像度が小さいからではないか」と。
なぜ1300 pixel (144dpi)のデータを使ったかといえば特に意味は無く、一般的なインクジェットプリンターで紙に印刷することを考えれば、この程度の解像度でも10cm四方程度への出力なら問題なく綺麗に印刷出来ると経験上考えていたからだと思う。
それではと同じイメージで3900 pixelほどにしたJPGデータを使い、同じ事をやってみた…。
あらまあ、今度はバッチリ刻印されている。

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※縦横10cmのコースターがやっと完成。パターンは「アグリッパの魔法サークル」


「XYZengraver」と刻印モジュールがイメージをどのように処理しているかは分からないものの、この結果を見る限り、かなり解像度の高い…サイズの大きなイメージを必要とするようだ。
ことほど然様に新しいツールとの対面は多くの試行錯誤と時間を必要とするわけだが、同じ事でお悩みの方もいらっしゃるかな…と記事にしてみた次第。


ダヴィンチ Color miniのレーザーモジュール、ファーストインプレッション

購入後2ヶ月半ほどで故障したカラー3Dプリンタ「ダヴィンチ Color mini」だが無事修理されて戻ってきた。戻った製品の検証結果は上々だったので以前から試してみたいと考え購入していたオプションパーツのレーザーモジュールを試してみることに。これはご承知の通り紙・コルク・革・プラスチック等にレーザー刻印を可能にするものだ。


そもそもカラー3Dプリンタといっても365日稼働させるわけではないからそのプリントヘッドを取り外し、レーザーモジュールに交換すればレーザー刻印機となるのは設置場所も一箇所で良いし本機の有効活用にもなるに違いない。しかし私はこれまでレーザー刻印機なる製品を使った事がないものの、以前から興味を持って製品情報などを集めていたが安価な製品でMac接続出来て手軽に使えるものはみつからなかった。

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※XYZプリン手イング社フルカラー3Dプリンター「ダヴィンチColor mini」


ということでよい機会だからとレーザーモジュールを買い、修理から戻ってきた「ダヴィンチ Color mini」に取り付け専用アプリケーション「XYZengraver」で刻印をしようと意気込んだが、アプリは起動するものの「プリンターが繋がっていない」との警告が出て先に進めない…。

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※左が標準のプリントヘッドで右がレーザーモジュール。それぞれは簡単に交換可能


しかし同じ本体でUSBケーブル接続ならびにWi-Fi接続で3Dプリンターとして問題なく動作しているわけだからトラブルが本体とMacとの接続問題であるはずがない。

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※ソフトウェアは専用の XYZmaker Suite に含まれる XYZengarver を使う


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※しかし刻印をスタートさせるとプリンターが繋がっていないというエラーメッセージが出る


ということでメーカーサポートと何度かやり取りした後、結局ユニットの交換となった。しかしトラブるときには続くもので、送られてきた交換品も動かない(笑)。
ここで冷静になって考えてみた。最初のユニットが文字通り故障していたとしてその交換品として送られてきたユニットも壊れている確率はそう高くはないしずだ(楽観的考察)。だとすれば少なくとも今回のトラブルはソフトウェアの問題ではないか…と考えた次第。

くどいようだが「プリンターが繋がっていない」との警告だが、ハードウェア的には間違いなく繋がっていると考えてよい。とすれば何らかソフトウェア、アプリケーション問題と考えるのが合理的だ。
それにMacのソフトウェア開発を生業にしてきた者から見て正直、こうしたハードに附属するMac用アプリの出来は決してよくない。
確かに昔ほど "Macライク" さを求められなくなったしWin版とGUIを統一したいといった背景があるようだが、申し訳ないがWin版は使った事がないので分からないものの、Mac版に限っては可笑しな…というか使いづらいというか、動作の正確性に不安があるといったソフトウェアが多い。

そうした問題点が単にGUIというか、目に見えるケースなら原因も分かりやすく回避もしやすいが、ソフトウェアの信頼性となれば簡単に原因を特定するのは難しい。
さらに、細かなことは今回指摘しないがメーカーのウェブサイトの情報が正確で無い箇所もあったのでトラブル回避に多大な時間を費やしてしまった。
一時は返品も考えたものの、ソフトウェア的には最終決断として関連アプリだけでなくそのプレファレンスやキャッシュデータに至るまでをすべて消去し、ソフトウェアを再インストールした結果、やっと動いた!

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※XYZengarverがプリンターを認識すると各パラメーター設定が可能になる


さて肝心のレーザー刻印だが、専用アプリの「XYZengraver」は必要最低限の機能を実装している。アプリを起動し刻印したいイメージ(JPG. PNGなど)を読み込み、縦横13cmの升目の中に配置する。無論イメージサイズは刻印する材料のサイズを考慮しそれより小さくなければならない。
それ以前に「ダヴィンチ Color mini」のプラットフォーム上に刻印する材料をテープなどで固定する必要がある。固定位置と「XYZengraver」内の配置が違うとそれこそレーザーでプリントベッドを痛めることになるので注意しなければならない。

ということで私はプラットフォーム大のダンボールをまず貼り、その上に木製とコルク製のコースターを置いて刻印をやってみた。
ちなみに刻印ができるのは木材・プラスチック(PP, ABS, PEなど)・紙・革などだが、専用機よりレーザー出力が弱いので(レーザー出力は350mW ± 10%)ガラスや金属には刻印できない。さらにプラスチックでも反射する材質や透明な材質は厳禁だし、真っ白い紙の場合もレーザー光が反射してしまうのか刻印できなかった。そして刻印する対象は平坦な物体でなければならない。
刻印がスタートするとプラットフォームとモジュールが動き、モジュールとの距離をキャリブレーションするわけだが、対象物が弯曲していたら頂点以外はレーザー光の焦点が合わないことになる。



※レーザーユニット稼働の様子


そういえばレーザー刻印を行う際に一番の注意事項は動作中に「ダヴィンチ Color mini」の庫内に手を入れたり、フロントのドアを開いてレーザー光を直視しないように心がけないと怪我や失明につながるので十分注意する必要がある。メーカーに確認したところではフロントのドアを閉じていれば動作中の内部を覗いても問題はないが、開けたままで直視しなければならないときには別途保護波長範囲に対応する保護メガネを入手し必ず装着しなければならない。
また刻印する材質、例えば革などでは焼け焦げる臭いが気になる場合がある。できるだけ換気のよい環境で使い、空気清浄機などを活用した方が良い。

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※別途購入しておいた保護メガネ


実際の刻印だが、専用機を使ったことがないので比較は出来ないが刻印のスピードは決して速くない。無論「XYZengraver」のラスターモードには刻印スピード調節機能があるが、スピードを上げればクオリティが落ちるのは目に見えている。
まずは初期値の 25.0 mm/s で刻印してみたが、"MacTechnology Lab." の例で約15分、人の顔の例では約45分かかった。
またラスターモードとベクターモードが指定可能だが、陰影表現ができるラスターモードの利用がメインになりそうだ。

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※取り急ぎテスト材としてコルクと木材のコースター、革の財布に刻印してみた


そのラスターモードだが、当然と言えば当然で刻印対象の材質により、同一の「色の濃淡測定の感度」パラメータでも結果は薄かったり濃く、あるいは潰れたりするので調整と試行錯誤が必要となる。
また極端に小さなフォントや細い線も材質によりはっきりと刻印されない場合もある。この辺は経験値の積み重ねが必要だ。

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※プリント範囲内のサイズならこうした箱のままでも刻印可能。そもそもダンボール材は相性がよさそうだ


ということで、レーザー刻印も日々使うことはないはずだが、本来のフルカラー3Dプリンター機能とは別にレーザー刻印機としても活用できる点は気に入っている。
使い込んでいくうちに気がついたことがあれば別途ご報告したい。




カラー3Dプリンタ「ダヴィンチColor mini」の長所と短所〜私的考察

極一部を除きこの世界のあらゆる事物には何らかの色が付いている。まあ、ここでは赤に見えるのは我々が赤と認識できる光の反射があるから…といった理屈はともかくとしてそれらは自然の色もあるし我々が意図的に付けた色もある。そうした事物…現実として存在するしないにかかわらず…を3Dプリンターで再現しようとするなら色があった方が自然だしリアルということになる。


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※待望のXYZ printing社カラー3Dプリンタ「ダヴィンチColor mini」


とはいえこれまでの3Dプリンターはご承知のように単色のフィラメントで造型する仕組みだった。無論、何とか多色を実現したいとヘッドを二つ持つ機種やプリントの途中で色の違うフィラメントに取り替える…といったことで多色表現を試みることもあり得たが、それらは例えば花瓶といったオブジェクトならデザインの一環として良いものの、人の顔をリアルに…といった造型には向かない。

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※こうした造型がプリント後の彩色を必要とせず一発で出来るのは素晴らしい


どうしてもフィギュア作りなどで自然な多色表現が必要なら造型後に別途彩色するしかなかった。勿論業務用の超高価なシステムならカラーの3Dプリンターは存在するが、これまで一般ユーザーが手元に置いて活用するのは夢の又夢の世界だった。
それがXYZプリンティング社の「ダヴィンチColor」の登場でデザイナーといった仕事をなさる方など小規模なビジネスの現場でもフルカラー3Dプリンター活用が実現することになったしそのコンパクト版/安価版の「ダヴィンチColor mini」ならなんとか個人でも手が届く価格になった。
私が手にしたのはその「ダヴィンチColor mini」だが、一ヶ月半ほど使ってみて個人的に感じた長所と短所を記してみたい。

ただし始めにお断りしておくが、実利用としての「ダヴィンチColor mini」の不満点は明らかに違いない。それは造型サイズが縦横高さ共に130mmと小さいし、なによりもフルカラー造型の仕組上、プリントに大変時間がかかる。
それも一般的な3Dプリンターの倍程度というのではなく、十数倍の時間がかかる場合もあるから場合によっては取り組んでいられないケースもあるだろう。

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※左の一般的な単色プリントなら1時間もかからないところだが、右のフルカラーでは8.5時間ほどかかる


さらにシアン・マゼンタ・イエローの三色一体型インクカートリッジの発色は良いものの、ベースとなる専用フィラメントには艶があり、造型後に艶消しスプレーなどの後処理が必要となる場合もある。そして専用フィラメントおよびインクカートリッジはランニングコストがかかる…。

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※「ダヴィンチColor mini」の一体型カラーインクジェットカートリッジ部


勿論「ダヴィンチColor mini」はカラーの造型だけでなく単色の造型もできるしオプションでレーザーモジュールも用意されているが、申し上げるまでもなくその存在意義はカラー造型にあるわけだ。
とはいえ前記した不満点はここではあえて短所としては捉えないことにする。なぜならカラー3Dプリンターとしての「ダヴィンチColor mini」は個人が手にすることが出来る製品としては現時点で精一杯のスペックだからと考えるからだ。違う物言いをするなら「ダヴィンチColor mini」は良い意味で時代の最先端を見せてくれる製品だが、そのスペックはまだまだ発展途上にあるともいえる。

余談ながら「ダヴィンチColor mini」を使っているとすでに40年近く前に手に入れたApple II を思い出す。Apple II は往時としてカラーが簡単に扱える唯一といってもよいパーソナルコンピュータであり、高価だったが拡張性も高く優れた周辺機器とソフトウェアを多々排出してきた。
それらの最先端のツール、例えばカラーのライトペンやイメージデジタイザを活用し私はモジリアニの絵などを模写していたが、パソコンに詳しくない友人に見せたところ「きったねえな」と言下に切り捨てられた(笑)。
当人としてはコンピュータで絵を、それもカラーの絵を描くことが出来たことに感激していたものの冷静に眺めるならカラーモニターに表示されたそれは色が滲み、細部ははみ出したりしてとてもとても現代のコンピュータアートとは比較にならない出来だったのだ。

パーソナルなカラー3Dプリンター「ダヴィンチColor mini」もある意味そうした過渡期にある製品ではないかと評価している。あと5年とか10年経てば価格はもとより3Dプリンターといえばカラーであることが当然という時代がくるに違いないしその造型も飛躍的に進歩しているに違いない。
だから、造型サイズの問題やプリント時間が膨大にかかること、あるいはその細密さといった点について欠点とは捉えないことにしよう。現時点では詳細なスペックを論ずるより、カラー造型が可能な3Dプリンターが存在するという事実に拍手をすべきなのだと思う。
ということで早速「ダヴィンチColor mini」の長所短所についてである。無論個人の感想であり万人が頷いてくれるとは限らないが…。

【長所】

・デザインがよい
 好みはあると思うが基本ブラックと一部にレッドが使われたキューブ直方体のボディは引き締まった印象を受けるし好ましい。間違っても安っぽさは感じられない。

・筐体は頑強な作り
 基本は金属フレームで支えられた頑強な作りである。したがって動作中の筐体の歪みも心配は無い。また私の手元にある製品に関しては雑な作りの部分はなくとても素敵である。

・ファームウェア/ソフトウェアの簡便さ
 その操作は前面にあるカラー液晶画面で行うが、ファームウェアの出来も日本語表示ができることも含めて分かりやすく使いやすい。またスライサーは無料でダウンロードできる「XYZprint」という専用ソフトウェア(Macにも対応)だが、シンプルで割り切りのよい簡便な仕様になっている。

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※全面のカラー液晶パネルは使い勝手がよい


例えばピッチのパラメーターだが、オープンなスライサー「Cura」ではプロファイルとしていくつか推奨の設定もあるものの、0.06mmとか0.15mmといった自由度の高い指定が可能だが、「XYZprint」では0.1mm、0.2mm、0.3mmに限られているといった具合。

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※専用スライサー「XYZprint」は思い切りのよい仕様になっている


・自動レベリング機能搭載
 個人的にこの「ダヴィンチColor mini」で3Dプリンターは5台目になるが、本格的な自動レベリング機能が搭載されている製品は初めてだ。別途Z軸、すなわちノズルとプリントベッドの距離は名刺などの紙を挟んで調節する必要があるが、ベッドの水平調整はこの自動レベリング機能に任せておけばOKなようだ。

・停電復帰機能搭載
 停電などのアクシデントでプリント中に電源が落ちても再度電源を入れると直前の位置から正確にプリントを再開できるので万一の場合も安心できる。ということは長時間かかるプリント時に夜間騒音が問題を起こすなら一旦電源を切り、翌朝又再開することができる理屈になる…が、まだやっていない。

・印刷中のフィラメント補充可能
 これも最近の機種には搭載されていることが多い機能だが、プリント途中でフィラメントを交換できることで使用中のフィラメントが切れかかった際は勿論、単色プリントの際にフィラメントの色変えも可能になる。

【短所】

・一部稼働部位の無償サポートが90日間
 FLASHFORGE JAPAN社がきっちりと1年間無償保証を謳っているしその新製品Adventurer3Xでは2年の保証を謳っているのに対して(無論消耗品部位は別)XYZ prontint社の「ダヴィンチColor mini」はその部位により細かく保証期間を分けており、 1年保証適用箇所部位はメインボード、基盤類、ワイヤレスモジュール、タッチパネルだけであり印刷モジュールは勿論、ヒーター、温度センサーなど印刷プラットフォーム関連部分、モーター、モーターケーブル、軸、軸固定部品、センサー、センサーケーブル、ベルト、プーリーなどモーターモジュール関連部分、そしてインクホルダー、インクステーション、インクステーションモーター、ケーブルなどモーターモジュール関連部分…いわゆる稼働部分の無償保証は90日間である。
ユニット化されているエクストルーダー本体などは当然としてもヒーター、温度センサーやモーターモジュール関連部分の90日間はいかにも短すぎる。

・天井に蓋がない
 「ダヴィンチColor mini」はフロントのドアを閉めればすべての面が閉じられると思うかも知れない。しかし意外なことに上面は開いており蓋もカバーもないのだ。ここだけでも開いていれば室温に直接影響も受けるし、上面でもあり埃なども気になる。オプションでカバーが欲しいところだが、取り急ぎ使わないとき限定として他の3Dプリンターでオリジナルの蓋を作っておいた。

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※天井の空きを塞ぐ(未使用時)カバーを自作した


・電源スイッチが背面にある
 置き場所というか設置の環境にもよるが、私の場合は部屋の角に設置したので筐体のサイズも大きいし、電源スイッチに手を回し触れるのが些か大変なのだ。無論不用意に電源を切ってしまうような位置は避けたいが、両サイドのどこかの方が使い易い。

・インクカートリッジの扱いが面倒
 マニュアルやメーカーのウェブサイトなどによれば、インクは揮発性なので乾きやすく、例えば丸一日使わないときがあればカートリッジを取り外し、アルコールでインクヘッドをクリーニングしてから購入時のカバーを付けて保管せよとある。それは良いとしても再度カートリッジを取り付けた際にはカートリッジのインクヘッドをレンズ拭き布やレンズ紙に押しつけ正常に転写されているかを確認してから取り付けろとある。
これらは面倒だが、それ以上にカートリッジを取付直す度にインク位置のチェックのため校正作業を行わなくてはならないという。システム構成上仕方がないと言われればそれこそ仕方がないが…。

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※インク位置のチェックのためのプリント校正作業

 
・電話によるサポートに不満
 設置後のフィラメントロード時にトラブルが生じた。幸い購入後すぐに製品登録を行ったからだろう「この度は、3FCM1 をご購入いただき、誠にありがとうございました。」というメッセージメールが届いていた。そしてそのCustomer Serviceの項に「ご質問がございましたら、弊社サポートセンターへご連絡をお願いいたします。050-55XX-XXXX(日、祝祭日を除く 9:00-18:00)」と明記があった。局番の050が怪しいと思ったがとにかく電話をしてみたら「現在使われておりません」とのこと(笑)。
詳しい経緯は省くが、別途購入前に多々営業部署の担当者にメールや電話を含めてお世話になったがとても真摯に対応していただいた。しかしサポートの電話口に出た担当がたまたま外れだったのか近年例の無い気分の悪い対応だった。
そういえば、FLASHLOGEはホームページでサポートの電話番号が公開されているし、J&T Technologyも製品購入後に一度メールをしたらサポートの電話番号を教えてくれたし何度も利用させていただいている。
しかし、XYZ printingのホームページにはユーザー登録してログインしてもメールによる問い合わせはできるが探した範囲では返金受付の専用電話番号しか記述がない。結局他の部署経由でサポートの番号を教えていただき電話したのだが…。
現状の3Dプリンターはメーカー側がどれほど完成度の高さを謳ったとしてもある意味で一般家電とは違い未成熟の製品であり、メーカーのサポートは不可能だと考える。
サポートの良し悪しは企業の存続を左右する重大事だと考えるが改善を望みたい…。

ということで「ダヴィンチColor mini」は他に類を見ない魅力ある製品だが、価格はともあれいまの時点で3Dプリンターを手にしたいすべての方にお勧めできるものではないとも思う。
それは闇雲に使い始めたとしてもやはり前記したような制約が現実問題として足枷となるかも知れず、専用フィラメントはともかくインクカートリッジのランニングコストも馬鹿にならないからだ。
ただし目的と対効果などをきちんと考えた上で活用すれば大きな戦力となるに違いない。そして個人的には前記したようにApple II によるカラーグラフィックスをいち早く体験したのと同様、時代とテクノロジーの転換点に己がいるということに興奮を覚えている。



フルカラー3Dプリンター「ダヴィンチ Color mini」最初の躓き覚書

XYZプリンティング社フルカラー3Dプリンター「ダヴィンチ Color mini」でテストプリントを続けているが最初の躓きに関して記憶に留めておきたい。個人的にFDMとかFFF方式と言われる3Dプリンターは「ダヴィンチ Color mini」で5台目であり、ユーザーとして知るべき最低限の知識は持っているつもりだ。


そうしたユーザーの一人として申し上げる事はまだまだ3Dプリンターを本格活用することは簡単容易なことではないということ…。
メーカー側は簡単容易を謳いたいのだろうが、3Dプリンターは一般家電のように電源を繋いだら間違いなく用が足せるという域には達していないし、そもそも構造やら仕組みといった事を知らずして使いこなせる製品ではない。

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※フィラメントのローディングも問題ないように思えたが…


よく私が口にすることだが「現在の3Dプリンターはメーカーサポート必須の商品」ということだ…。ユーザー側にある程度の知識と技量がなければ本来の機能が発揮されない。そして事実トラブルも多々あり得る。
「ダヴィンチ Color mini」は完成品なので理屈はセットアップすればすぐに使える筈だし、ベッドの水平出しキャリブレーションも自動なので確かに簡単だ。しかしインクの調整とインク位置のキャリブレーションをやろうとしたときトラブルに見舞われた。

それはフィラメントのロード中に筐体外にあるフィラメント送りユニットのガイドチューブが外れてしまうのだ。それに伴い必要以上にフィラメントが送られてしまう…。
事前の情報でこのガイドチューブはしっかりと押し込まないと外れるという情報を得ていたのでそれこそしっかりと取り付けたはずだが…。

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※フィラメントフィーダー側のガイドチューブが外れるというトラブルに見舞われた


こうなれば一旦フィラメントをアンロードしセッティングし直してからやり直すしかないがそれでもやはり結果は同じ…。
仕方がないのでメーカーのサポートへ問い合わせるが電話が自動応答の繰り返しで先に進まず、やむを得ず以前お世話になった営業部署に電話をかけると、サポート担当者から電話をくれるというので待つことに。
その待っている時間も勿体ないとまたまた同じ事をやってみるがやはりダメだったが、ふと手元に買い置きしていたガイドチューブがあることを思い出し念のため比較してみた。

デジタルノギスで直径を測ってみると同梱のガイドチューブは4mm弱、そして手元の在庫品は4mm強なので試しに手元のものと取り替えてみると当然といおうかきつめになりフィラメントのロード時に外れなくなった。
一方サポート担当者からの電話によるとそれはチューブを差し込むフィッティングピン(継手パーツ)の爪が弱いのだろうとの事で交換用の部品とチューブを郵送するとのことだった。
確かに二日後には交換部品が届いたが、メーカーサイトの「よくある質問」ページに「ガイドチューブの長さは72センチ以下にならないようにしてください。」と明記してあるにもかかわらず送られてきたチューブの長さは70cmしかなかったのは…まあご愛嬌だ(笑)。

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※交換用にとメーカーから送られてきたガイドチューブとフィッティングピン


トラブルの理由と対処ができた後で考えれば大したことではないのかも知れないが購入しセットアップができなかったことは確かであり、こうしたことを自力で解決できる例は多くないと思う。
そしてユーザー側から考えれば製品の保証期間中に問題点はなるべく洗い出しておくべきで本体保証は一年でも印刷モジュール、印刷プラットフォーム、モーターモジュールといった製品の心臓部は90日間保証でしかなくガイドチューブなどの保証も同様に90日間で、後は消耗品扱いとになり自費で別途購入しなければならなくなるからだ。
ということでフィラメントのロードに関するトラブルは解消した。

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※3Dスキャンしたピザとホットドッグを「ダヴィンチ Color mini」でプリントした例


「ダヴィンチ Color mini」はこれまでの単色3Dプリンターとは別次元の魅力を見せてくれる製品だ。私は主に3Dスキャンで得たカラーオブジェクトのプリントに「ダヴィンチ Color mini」を活用したいと手に入れたが、期待に違わぬ出来映えをみせてくれる。
「ダヴィンチ Color mini」よ!酷使するつもりはないが元気で働いてくれ…。




今年の冬は「電熱ベスト」と「電熱パンツ」で乗り切るぞ!

昨年冬に初めて「電熱ベスト」なるものを経験した。モバイルバッテリーで体の前後を温めてくれるという製品である。犬の散歩などで外出する際は勿論、室内でも真冬は底冷えを感じる年齢でもあり何らかの対策は必要だが一般的な暖房はどちにかというと苦手でもあるので着衣そのものが暖かいのであれば理想的だ。


一応仕事部屋にも冷暖房が完備してあるがまずエアコンの暖房は空気が乾きすぎるのが苦手である。その他パネルヒーター、温風ヒーターもあるが暖房効率は良くないし一人のために600Wとか1000Wを一日中ONにしていては電気代も大変だ。
もっとコストパフォーマンスがよくて体に合う物はと探した結果、電気膝掛けと足温器を使うようになった。これなら電気代もたかが知れているし足腰の冷えも防げる。

確かに効果はあるし消費電力も膝掛けが50W、足温器は40Wという代物なのでコストパフォーマンスはよい。しかし欠点もある…。
当然のこととはいえ、仕事中の足腰回りを温めるために揃えたわけだが、椅子から離れれば恩恵には与れない。そして電気膝掛けの電源コードがやたらと椅子に絡まるので心配になってきた…。

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※DEWBU 電熱パンツ。図版はAmazon販売ページから借用。カラーは二色


一方、愛犬との散歩のときは去年から電熱ベストという製品を使い始めた。これはモバイルバッテリーを使い、ベストの腰と背中を温めてくれるというものだがとても具合が良いので今年の冬もお世話になるつもりだ。そして電熱ベストがあるなら電熱パンツもあるのではないかと思って調べたら結構な種類があった。
そうした中で一番違和感なくファッショナブルなものを買ってみた…。

いささか疑っていた感もあるが手元に届いたパンツは縫製もしっかりしており、実用的なものだった。裏地はフリースになっておりそれだけで防寒効果は期待できるし防水仕様なのがよい。
附属の5000 mAh リチウムバッテリーで両足の膝あたりを温めてくれる。
温度は右サイドボケット下にあるボタンで3段階に調節でき、約55℃、約45℃、そして38℃に切り換えられる。暖房効果はLowモードの38℃で最大10時間だという。

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※専用リチウムバッテリーは附属。右再度のジッパー付きポケット内に接続ケーブルがある


実際に穿いてみると動きやすいしウエストも一部伸びるから具合がよい。ただし購入時はサイズを間違えないように注意をする必要があるが私はXLを選んだ。裾が多少長めとなったがウエストは楽でよい。
そして肝心の保温だが今のところは室内ならLowモードで十分だしとても暖かい。

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※電源ボタンも右サイドポケット下にある(写真は鏡に映った映像を撮影したため左右逆となっている)


バッテリーは右サイドのジッパー付きポケットに収納するが、サイズにもよるかも知れないものの私の場合は異物感もなく快適だ。
また安全性にも考慮されており、電源ONでHIGHモードが5分間経過すると、HIGHモードからMEDIUMモードに自動的に切り替わる。また異常に温度が高くなるとすぐに動作を停止しするし短絡が発生するとシステムは自動的に電源を切断してくれるという。

基本的にはこれからは床も底冷えする季節なので室内用として購入したわけだが防水仕様だという点を考えるともともとアウトドア向けなのだ。したがって雨はもとより雪の場合にも愛犬との散歩で役立ってくれるに違いない。
というわけで同じ製品の色違いを追加オーダーすると共に専用バッテリーも交換用としてひとつ購入しておいた。
これからの冬場はこれら「電熱ベスト」と「電熱パンツ」で快適に乗り切る覚悟でいる。




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appletechlab

Author:appletechlab

主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中。ゆうMUG会員