電子ピアノとグランドピアノの違いを考察する

電子ピアノを手にいれて楽しむようになったが、必然的に例えばYouTubeにアクセスしてもピアノの演奏はもとより、ピアノという楽器に関する様々な情報が気になるのでよく見聞きしている。そんな中にはピアノ練習は本物のピアノでなければ上達せず…といったことを話す人もいれば、そんなことはないと電子ピアノを楽しむことに擁護する人もいて興味深い。


私事だが、当初何も考えずに安いと言うだけで88鍵の電子ピアノを手に入れた。その楽器で40年ぶりの本格的なピアノ練習を始めたわけだが、技術というかテクニックのテの字もままならないのに生意気だがタッチがどうにも気になってきた。
これがMIDIなどと接続していわゆるキーボードとしての役割なら問題なく楽しめると思うが、ことクラシックピアノの代わりとしては当然とは言え気になる点も多い。実は手に入れた製品は電子ピアノと言うよりはやはり電子キーボードというべき製品だった…。

■本物のピアノと電子ピアノの酷本的な違いとは
 まず結論めくが、本物のピアノと電子ピアノの違いをおさらいしておこう…。
電子ピアノと本物のピアノの主な違いは、音の生成方法と鍵盤の感触の違いと言ってよい。電子ピアノは、サンプリングしたピアノの音色をデジタル的にシミュレートし、押された鍵盤に合わせた音がスピーカーから再生される。そして最近の電子ピアノはよく出来ており、本物のピアノのような音色を出すこともできるが、当然ながら完全に本物のピアノの音と一緒であるはずはないのだ。
なぜなら例えばグランドピアノは、弦をハンマーが打弦することによって音を生成し、弦の振動は共鳴板はもとより木製のピアノ筐体全体に共鳴することで独特な豊かで深みのある音になる。また、ピアノの鍵盤は、弦に触れる重みやレスポンスが非常に機械的でリアルであり、演奏する際に非常に感覚的な経験を奏者に提供してくれると言われている。

いまひとつ別の角度から申し上げれば、ピアノとハープシコード、オルガンは同じような鍵盤を持っているもののご承知のように別の楽器として分類されている。
それは音の出し方が違うからで、繰り返すがピアノはフェルトを巻いたハンマーで弦を叩くことで音を発するが、ハープシコードは弦を引っ掻くことで発音する。またオルガンは圧縮した空気がリードを震わせることで音を出すわけだ…。
この理屈からいっても電子ピアノと本物のピアノは音を出す仕組みがまったく別の楽器であり、ピアノの代替として電子ピアノをと安直に考えてはいけないと言うのも一理ある。

したがってとある音楽教室の先生は「電子ピアノによる練習では音楽大学への進学は無理」と言いきっているようだし自宅に電子ピアノがある場合でも本物のピアノに買い換えるよう指導する先生もいるという。
勿論これはピアノを習う当事者が音大を目指し将来ピアニストになるべく指導を受ける場合であるが、こうした点についてはもっと柔軟な考え方を持っている教師もいるようだ。

一番の問題は例え一軒家であっても都心に済む者にとってピアノを思う存分練習することは騒音の面で難しい。無論スペースと予算に余裕があれば専用の防音設備を整えた空間を作ることもできようが、誰も彼もがこうした理想的な環境を作り出すことができるはずもない。
ましてやマンション暮らしとなればなおさらで、その点電子ピアノはコンパクトで手頃な価格であるだけでなく夜間でもヘッドフォンで練習することが出来、かつ本物のピアノのように調弦といったメンテナンスもほとんど不用だ。

ということでピアノを練習し楽しむためには電子ピアノの存在はとても有り難い存在なのだ。ただし繰り返すが、本物のピアノとはそもそも音の出し方が違うため電子ピアノの音が急速に良くなってきたにしろ同じであるはずもない…。
ただし本物のピアノに拘る…拘ざるを得ないのは音楽を極め、プロになろうとする人たちでありピアノを趣味として、人生を豊かにしたいと考える人たちと同一視するのも間違っていると思う。

そういえば私自身40年程前(1981年)から近所のピアノ教室に通ったが、当時は基本的な知識もなかったため単に「なぜだろうか?」という疑問だけが残ったことがある。
それは自宅に当時として安くはないアップライト型の電子ピアノを買ってそれで練習していたが、一週間に一度ピアノ教室へ通いそこにあった本物のピアノで演奏するとどういうわけか、自宅のピアノより弾きやすいのだ。

ひとつ分かったことは自宅の電子ピアノの鍵盤はプラスチックだったが、教室のピアノは鍵盤もそのベースは木製だった。その上にどのような塗装がなされているのかは知らないものの指が滑らず、大げさに言えば鍵盤に指が吸い付く感じでとても心地よかったことを覚えている。
またいま思えば当時の電子ピアノはキーの重さは本物のピアノに似せて作ってあるもののアクションの基本はバネ式だったに違いない。

■電子ピアノにも良し悪しがある
 さて、ここからは電子ピアノのアクションについて少し深掘りしてみたい。ところでグランドピアノの鍵盤がどのようなアクションで音を出すのか…といった写真や図解をご覧になったことがおありだろうか。
著作権の関係上、既存の図版を掲載するわけにはいかなかったがネットをググればピアノの構成図のようなデータは多々確認出来るので是非一度ご覧になっていただきたい。

ピアノのアクションはグランドピアノとアップライトでは大きく違うものの木材や金属製のピン、フェルトなどで構成されているがその多くの素材は木材だ。そして特にグランドピアノのそれは複雑な機構でその加工精密度はヤマハの場合5/100ミリを基準にしているという。

この微妙で精緻なアクション機構とセンサースイッチで音を出し消す電子ピアノのキータッチが同じであるはずはないが近年各メーカーが電子ピアノに "ハンマーアクション" と呼ぶピアノの機構を真似たものを研究採用するようになってきた。

ちなみに私が手に入れた前記した電子ピアノは鍵盤サイズや沈む深さ、そして重さなども実際のピアノをお手本にしているものの価格からしてその鍵盤の仕組みは一番単純なライト・ウェイト・キー方式といういわばバネで押されたキーを元の位置に戻しているものと思われる。
この他電子キーボーとのアクションとしては基本はライト・ウェイト・キーと同じながらさらに鍵盤の奏者側に慣性を付けるための重りが付けられたセミ・ウェイト・キーという方式も出て来ている。



※電子ピアノ/電子キーボードに採用されている主な三種のキーアクションを簡単な模型で説明します


そして電子キーボードのアクションとしては理想に近いものと言われているハンマーアクション方式あるいはピアノタッチ鍵盤と呼ばれるタイプが登場しているわけだが、これらはグランドピアノのタッチに近づけようと各社が力を入れている鍵盤の仕様だ。
仕組みはグランドピアノのそれと比較して大幅に簡素化されてはいるものの理屈は本物のピアノとかなり近づけて作られていて、鍵盤を押すことで重りの付いたバーへ力が加わる仕組みになっている。そして鍵盤の慣性や戻る力はすべて重り(重力)の力によるもので高速な連打など繊細な表現がしやすくなっているという。

■電子ピアノを買い換えた
 最後に私自身のことをお話ししたい…。前記のことを総括すると電子ピアノは本物のピアノと同じであるはずはないことを認識した上で住宅事情などを考慮すれば電子ピアノの存在は得がたいものだともいえる。
ただ理屈が多くなるが、一般的な電子ピアノは例えばMIDIと接続して打ち込みに使うなどの際にはキーのアクションがどうのこうのといったことはあまり気にならないと思う。しかし電子ピアノを "ピアノ" としてクラシック音楽を勉強あるいは楽しみたいと考えるなら長い目で見てライト・ウェイト・キー方式ではなくピアノの感触に近いというハンマーアクション方式の電子ピアノを使うべきだということになる。

そして私の様に単にクラシックあるいはジャズピアノの演奏を楽しむならそれで良いが、もし貴方が将来ピアニストになりたいという夢や希望があるなら、日々の練習は電子ピアノにしても週に一二度、いやできるだけ多く本物のピアノに触れ、それで演奏を奏でる機会を忘れてはいけないということになる…。

さて、私の使ってきた電子ピアノは鍵盤のタッチによる強弱も実際は4段階程度にしか表現できないしバネ式の宿命か、とある刹那に音が出なかったり鍵盤の奥を押さえるのがかなり重かったり…を感じる。勿論人前で演奏することもないしあくまで自分の楽しみのためにチャレンジしているわけだし、電子ピアノのスペックをどうこういう前に己の技量が追いついていないことは十分承知だが、少しでも納得出来る環境で楽しみたいからとこの度思い切って電子ピアノを買い換えることにした。
なにしろ最初は惚け防止も含めて単純にピアノ練習をと軽く考えていたが、少し進めて行くにつれいわゆる「はまって」しまったのだ(笑)。

新しい電子ピアノへの拘りは88鍵は当然だが主に二点だ…。ひとつは無論ハンマーアクション機構を持つこと、そしてせっかくだから設置した際にアップライトピアノらしさをと鍵盤を支える左右の板に装飾的な脚部を持つデザインの製品にした。

DonnerDDP-90_02.jpg

※Donner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90



そうした点を踏まえて選んだ "Donner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90" はペダルがダンパーに加えソフト、ソステヌートを使うことができる3本ペダルであること、鍵盤カバーを開けると譜面立てとなり、なによりもグランドピアノのタッチを再現したという…鍵盤の重さを低音部では重く、高音部では軽くなるように、そして音域によって弾きごたえを段階的に変化させ、高い連打性能はもとより自然なタッチ感を実現した「ウェイテッド・ハンマー・アクッション」を搭載していることだ。

DONNERPIANO_01.jpg

※蓋をした状態のDonner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90


また鍵盤を保護するキー・カバーを閉じるとフラットになり、簡単な書き物テーブルとしての利用も可能な点も気に入った。なにしろ狭い部屋だ…簡易の机が増えた感じで嬉しいし、そのキー・カバーにはピアノ・フィンガーガード機構が付き、フタで指をはさむ心配がないという。

DONNERPIANO_08.jpg

※蓋で指を挟まないピアノ・フィンガーガード機構が付いている


こうしたスペックでも奥行きはわずか35cmというスリムさなのもよい。
肝心の音だが、以前の電子ピアノがフランスのDREAM最新音源を採用してのに比べ、詳しい事は不明ながらDonner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90は独自のAWMサンプリングを採用とのことで一種類のグランドピアノの音が採用されている。

DONNERPIANO_09.jpg

※電源スイッチと音量調節ダイアル


■Donner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90の実際
 さて手元に届いたのはDonner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90という製品。88鍵なのは当然としても一体型(組立式)のスタンドがありこの価格にしては立派なアップライト型ピアノの雰囲気を味わえる。

DONNERPIANO_03.jpg


一番の特徴はグランド・ピアノと同様に低音部では重く、高音部にいくほど軽くなるタッチを再現したウェイテッド・ハンマーアクション鍵盤を採用している点だ。また独自のAWMサンプリング技術により一種類のグランドピアノの音源を採用しており、一般的な電子キーボードのように複数の楽器音源は持っておらず、あくまでピアノを再現することに注視している製品である。

 ① デザイン 
   簡易形の台に電子ピアノを乗せて利用していた身としてはDDP-90の家具調デザインは本物のピアノに触れているように思え、視覚的にも楽しんでいるし嬉しくて仕方ない。特に簡易形とはいえ奥行き35cmといった制約の中でも装飾の足があるのも最高。

DONNERPIANO_06.jpg


 ② キータッチ
   鍵盤を始めて押した瞬間に大げさかも知れないが「あっピアノだ!」と感じた。グランドピアノにせよアップライトピアノにせよ、指の記憶が宿った感じで明らかに前記電子キーボードのそれとは違う。搭載されている「ウェイテッド・ハンマー・アクッション」は期待通りだった。

DONNERPIANO_05.jpg


 ③ 音
   詳しいことは不明だがこれまでの電子ピアノがフランスのDREAM最新音源の採用だった。しかしDonner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90は独自のAWMサンプリングで一種類のグランドピアノの音源を搭載している。為に確かに内蔵された10W×2個のスピーカーからの音は「これぞピアノの音」だと思えるリアリティを感じさせる。また念のためだがこのDDP-90はピアノ音源のみ搭載でよくある128音…といった他の楽器音のバリエーションは含まれていない。これこそピアノであることを主張しているようにも思える。

 ④ 蓋がある利点
   これは汚れやアクシデントから鍵盤を守ってくれるだけでなく蓋を閉めると奥行き20cm程度はフラットになり、ちょっした物書き程度が可能になるので嬉しい。ただしこの上で珈琲など飲み物を飲むのは厳禁である。

DONNERPIANO_07.jpg


またピアノの蓋はよくカタンと落ちるように締まり、ために手の指を挟んで酷い目にあった経験はおありだろうか…。しかしこのDDP-90は鍵盤内右サイドにカバーをゆっくりと閉じる特殊なフィンガーガード装置が付いているため安全である。

 ⑤ 3本ペダル
   ダンパーに加えソフト、ソステヌートを使うことができる3本ペダルが装備されているので本格的な練習も可能。

 ⑥ インターフェース
   MP3入力端子、MIDI端子、サステインペダル入力端子、オーディオ入力端子、オーディオ出力端子、2つのヘッドホン出力端子(6.35mm)が装備されている。

 ⑦ 本体サイズと重量 
   137×35×78cm 33Kg

 ⑧  組立について
   私はなんとか…なんとか一人で組み立てたが、やはり二人で組立や移動をすべきだ。組立そのものは難しくないがサイズが大きいし雑に組み立てようとすると両脚と3本ペダルのバー部位にしてもネジ留め位置の板を割ってしまう可能性もある。また台を組立後、鍵盤本体部位を乗せるにしても重さは25kg以上はあると思うので一人だと腰を痛める可能性大。
なお同梱のマニュアルは英語で日本語表記は無いが、Amazonの製品ページから日本語マニュアル(PDF)をダウンロードすることが可能。

■総括
 こうしてコスパも超良い電子ピアノの賛美ばかり書くと「本物のピアノも知らずいい気なものだ」とか「本物のピアノで練習できない者の物言い」などと思われるかも知れない。しかし私はグランドピアノを知らないで物言いしているわけではない。若い時代に1年半ピアノ教室に通いそこにあったグランドピアノやアップライトピアノで練習した経験も持っている。それに確かに私だって自宅にグランドピアノを置けるものならそれに越したことはないが、無いものねだりしても何の益もないし物事には常に「上には上が」あるものだ。したがって己が実現可能な範囲、できる範囲のことで人生を楽しむのが正解だと考えている…。

というわけで、鍵盤の感触や力の入れ具合がこれまでとは大きく違ったので練習してきた曲も最初から指使いを含めて練習し直す必要性を感じている。またピアニッシモからフォルテに至る音の強弱もこれまでとは格段の違いで表現できるようだし、まったく使いこなせていないものの、ペダルはダンパーに加えソフト、ソステヌートを使うことができる本格的な3本ペダルなのもこれから様々な曲を練習する際に違和感なく楽しむことができるに違いない。
それほどDonner 電子ピアノ 88鍵盤 DDP-90は良い意味でこれまでの電子ピアノとは違いグランドピアノのそれを思わせるタッチにはゾクゾク感が止まらない(笑)。これは期待以上であり長い付き合いになりそうだ…。



Apple Watch Ultra ファーストインプレッション

4年ぶりにApple Watchを買った。今回はやはりというべきかApple Watch Ultra(GPS + Cellularモデル)- 49mmおよびオレンジアルパインループの組合せである。Apple Watch Ultraが登場したとき、アウトドアやスポーツユーザー向けを強調していたことでもあり私には無縁だと考えていたが、最近そのスペックやデザイン、認識性の良さを考えるとアップルのプロモーションの方が些か考えが偏っているように思い始めた…。


Ultra_01.jpg

※Apple Watch Ultraのパッケージ


Apple Watch Ultraの売りは確かにそのハード的な頑強・屈強さにある。100メートルの耐水性能、MIL-STD 810H準拠、IP6X等級の防塵性能などは山に登り、海に潜り、ランニングやトレーニングにも欠かせないスペックである。
しかしApple Watch Ultraには他にも見るべき点が多いのも事実だ。

常時表示は勿論、49mmのワイドなディスプレイ、これまでの倍明るい2,000二トのRetinaディスプレイ、カスタマイズ可能なアクションボタン、高精度2周波GPS、デュアルスピーカー、風が強い環境でもオーディオのために完璧なマイクを選択する3マイクアレイ、2日以上使えるバッテリーなどなどだ。

これらはなにもスポーツに関係なくすべてのユーザーにとっても有益な機能であろう。どうにもアップルはApple Watch Ultraの頑強・屈強さをアピールするためアドベンチャーユーザーを意識し過ぎていると私には思える。
別途スタイリッシュな指向というか、都市生活者にもアピールするべきだと思うのだが、いかがだろうか…。

Ultra_02.jpg

Ultra_03.jpg


またケースサイズが49mmとなったことでもあり、腕時計としては大きすぎて使いずらいとのでは…いう印象もあるようだ。
しかし一般的な腕時計と比較し49mmは確かに小さくはないが、Apple Watchの場合は矩形の縦サイズだけであり横幅は44mmだから特別なサイズには思えないし、そのディスプレスサイズが410×502ピクセルはこれまで使いづらかったテキスト入力もかなりやりやすくなる。

Ultra_04.jpg

※なお純正品のバンド、オレンジアルパインループも買ったが写真はサードパーティー製のものだ


とはいえまだ届いたばかりであり、iPhone 14 Proとペアリングして腕に装着したばかりなので使用感についての細かなことを申し上げるのは早計だが、iPhoneを取り出す機会がかなり少なくなるような予感がする。それは日常のあれこれの多くがApple Watch Ultraで済んでしまうからである。
Apple Watchそのものはすでに生活に溶け込み、なくてはならないアイテムとなっている訳だが、さらにUltra ならではの利便性がどう加わるのか、楽しみながら検証してみようと思っている…。



ニコマク(NikoMaku)88鍵盤 SWAN コンパクトキーボード雑感

TwitterでTECNOEDGE 松尾公也 @mazzo さんの記事を読み、即効でニコマク(NikoMaku)ブランドの88鍵盤 SWAN コンパクトキーボードを買った。そもそも私はクラシックギターをはじめフラメンコギターを好んで弾いていたが現在は手指に難が出たこともあり古楽器リュートを楽しんでいる。しかし最近無性にピアノを弾きたくなっていた…。


Piano_01.jpg

実はすでに40年も前になるが、1年半程の期間近所のピアノ教室へ通いピアノを習っていたことがあった。バイエルそしてツェルニーといったいま思えば面白くもない練習曲を遮二無二弾いていた時期があった。
無論?狭い部屋にローランドの電子ピアノも揃えたが、次第にコンピュータへの情熱が上回ってきたため自然にピアノは埃を被るようになったという経緯がある。

Piano_02.jpg

※1981年秋、ピアノをならないに行くことに…。そしてローランド製電子ピアノを設置


とはいえ多少でもその頃を指が覚えているかと言えばからきし駄目で、文字通りのゼロからの手探りから始めなければならない。それでもギターでは左指の一部が十分に曲がらずポジショニングによっては正確に押さえられないがピアノの鍵盤はまずまず難なく叩ける。
というわけで無性にピアノを弾きたくなったが、弾きたいといってもすでに簡単な練習曲でさえ忘れているからゼロから練習のし直しだ…。
ただし今更バイエルだのツェルニーを…というつもりはなく簡単なジャズを弾きたいと考えているのだが…。

さて、手に入れたNikoMaku 88鍵盤 SWAN コンパクトキーボードだが、まずはよくもまあこの価格でここまで作り込んだ…と驚く。

Piano_03.jpg

※キーボードとしては大変コンパクトだがさすがに88鍵となれば梱包も大きい


まずは88鍵に拘ったが、鍵盤はフルサイズだし音がなかなかに良い。フランスDreamの最新音源を採用したとのことだが、Dreamという企業は1987年の設立以来、サウンドシンセシスとサウンドプロセッシングのための最先端ハードウェアとソフトウェアのソリューションを世界中に提供してきた会社のようだ。
そして本体の作りも良いし鍵盤のストロークも少し重めで好みだ。ではしばし具体的な特徴をご紹介してみよう。

① 筐体╱鍵盤もプラスチックだが筐体はピアノブラック的で艶があるものの白鍵・黒鍵ともに艶消しになっている。したがって指が滑りにくく見栄えも安っぽくない。

Piano_04.jpg


② 88鍵の鍵盤はフルサイズだが本体サイズは125*21*7cmとコンパクトで重量は6.7kg。

③  Bluetooth MIDI の搭載、録音機能など。

④ 左側に電源と各種ボタンが、その背面にはヘッドフォンやサステインペダル、マイクなどの接続ポートおよび充電のためのUSB-Cポートがある。

Piano_05.jpg

Piano_06.jpg


⑤ このクラスとしてはピアノの音がなかなか良く背面側左右にスピーカーが内蔵されている。いま少しより良い外部スピーカーに接続すれば臨場感溢れる音になるに違いない。ちなみに附属のイヤホンはさすがに使い物にはならず、ノイズが入る。きちんとしたヘッドホンを用意すべき。

Piano_07.jpg


⑥ 128種類音色、128種類リズム、30曲のデモ内蔵、録音、2人鍵盤、トランスポーズ、メトロノーム、サステイン、和音など豊富な機能が搭載されている。

⑦ リチウムバッテリーが内蔵されており2時間程度でフル充電となり連続6時間利用可能。そして3分間使用しないと自動的にスリープとなり鍵盤を弾くと即電源が入る。

⑧ 附属品も豊富で譜面立てやソフトケースも附属している。

Piano_08.jpg

⑨ キャンペーンとして1000円の割引だけでなく、購入時の手続き次第で専用のサスティンペダルがプレゼントされた。

なお、日本語説明書(1年保証書付き)が付き購入日から30日以内無条件返品・返金保証、そして1年間無料修理、交換対応とのこと。
至れり尽くせりだが現実問題として耐久性に関しては使ってみなければ分からない。しかし鍵盤のガタつきも無くストロークも均等のようなので今のところ不安は無い。
ともあれ現在の私にはこの製品をフルに使いこなす腕はないが、楽しみながら練習を続けたい…。



初めての 360W ミニテーブルソー/卓上丸鋸盤雑感

新年初の買い物のひとつはミニテーブルソーとなった。テーブルソーとは、テーブルの真ん中に丸鋸の刃が飛び出した状態で取り付けられている木工機械(鋸盤とも呼ばれている)だがミニテーブルソーは文字通りそれの小型版を言う。


Huanyu_01.jpg

※Huanyu 360W ミニテーブルソーとサイズ比較のために置いたiPhone 14 Pro


さて、レーザー加工機を思い通りに活用しようとすればするほどその素材、すなわち木材やアクリル板、あるいはアルミといった材料の形を整える必要がある。
勿論材木を例にすれば任意の形に切り抜くといったことは厚さの限界を考慮すればレーザー加工機で可能だし切断も出来る。しかし何からなにまでレーザー加工機で…というのも無理な話しだしxTool M1の庫内に入らない長さの材木はあらかじめ必要なサイズに整えておく必要がある。

Huanyu_02.jpg

※天板を外した様子


もともと私の場合は例えば本棚を作ったり…を目指すDIYではなくもっと細かな物作りにレーザー加工機やミニテーブルソーを生かそうと考えているわけで、材木にしてもアクリルにしてもまずは使いやすいサイズのものを購入する。
しかし、だとしても実際に細工を始める際には素材の寸法はあらかじめ整えたいし整えなければならない。そうした際に鋸やアクリルカッターなどをとなればなかなかに煩雑だし効率が悪い。そこでミニテーブルソーの出番ということになる。

なお、本格的な手持ちの丸鋸や、据え置き型のスライド丸鋸は材料に向かって歯を動かして切断するのに対し、テーブルソーは材料を刃に向かって動かし切断するという違いがある。いずれにしても便利な道具だが、テーブルソーは刃が高速回転した状態でテーブルに設置されているため、手や指が巻き込まれると大変な事故につながり最悪は指がなくなってしまうことも考えられる。したがって使い方を誤ったり、円盤型の刃の取り付けは正確確実に行わなければならないし、利用時にはゴーグルやマスクも不可欠だ。

ということで届いたミニテーブルソーだが、製品のサイズが‎24.5 x 13.5 x 20 cmとその小ささにまずは驚く…。なお重量は6.34 kgとのことだ。

Huanyu_03.jpg

※天板のレイアウト


天板はアルミニウム製で鋸刃は0~30mmの昇降可能。そしてマイターゲージーは0~90°調節可能で正確な多角度切断を実現する。さらに付属4枚の替え刃によって木材・金属・アクリル・基板・プラスチックなどの切断に対応しているだけでなく別途ドリルチャック機能を備えているので研磨やフレキシブルシャフトを使い穴開けやルーターにもなり小細工派にはもってこいの道具だ。

Huanyu_05.jpg

Huanyu_04.jpg

※フレキシブルシャフト使用例(上)と研磨用円盤型ヤスリを取り付けた例(下)


ただし小型だけに制約もある。
それば最大切削の厚さは20mmまで、最大切断幅は150mmまでとなっているのでまずはこれ以上負荷のかかる作業はやってはならない。
具体的には木材の他、10mmのアクリル板や3mmのアルミ板も切断出来るという。

早速セットアップし実際に10mmの桧の板を切断してみたが、実にスムーズに切断出来る。無論パワー以上に材料を押し込んだり無理な力を加えないことも大切だ…。

Huanyu_08.jpg

※実際に厚さ10mmの木材を切断してみたが実にスムーズだった


とはいえこの手のものは初めてなのでひとつ大きな勘違いがあった。それは電源は当然本体の中に収納逸れているものだと思い込んでいたがまるっきり外部電源であり、1977年に手に入れたワンボードマイコンを思い出した(笑)。

ともあれこうして見ると良い事尽くめのようだが、欠点というか問題もないわけではない…。それはやはり粉塵の問題だ。例えば現在愛用しているレーザー加工機は専用ダクトで粉塵や臭気も排気できるようにしてあるが、室内でこのミニテーブルソーを使う限り木屑などを完全に防御するには相応の設備が必要となり現実的で無い。
ということで取り急ぎ、掃除機を隣接して使っているが陽気がよくなったらベランダで作業するのが1番かも知れない。

■Huanyu 360W ミニテーブルソー



Apple iPad(第10世代)ファーストインプレッション

年末ぎりぎりになってiPadを買った。まあ自分へのクリスマスプレゼントといった屁理屈を付けて…だが、新製品の第10世代無印 iPadである。カラーはこれまた今年手に入れたM1 iMac 24インチのイエローと同じくイエローを選んだ。ともかくiPadを購入したのはほんと久しぶりである。


iPad 10_01

※Apple 無印 iPad(第10世代)無印パッケージ


iPadは2010年1月27日、Appleのスペシャルイベントにて故スティーブ・ジョブズによって発表された。ただし日本での販売は遅れに遅れたものの、私はクライアントからいち早く支給された技適マーク無しの製品を使い始めたことが懐かしい…。

iPad 10_00

※最初のiPadを発表する故スティーブ・ジョブズ


ちなみにiPadの発表を知った直後の個人的な感想あるいは思いは発表の二日後に当ブログに掲載した「iPadはまさしくアラン・ケイの夢見たDynabookの実現か?」をご一読願いたいが、振り返って見てもあながち見る目は狂っていなかったと思う(笑)。
ただし個人的にこれまで初代iPadはもとよりiPad mini(2012年)および iPad Pro (2016年)を使ってきたものの結局満足できずに手放してしまった…。

iPad 10_02

※カラーはイエローを選んだ


したがってiPadを手にするのは6年ぶりということになる。
その大きな動機となったのはiOS 16.2 にアップデートされたパワーアップにあるが、特に新たにAppleから供給された「フリーボード」というアプリケーションだった。どこか既視感を感じさせる自由度の高さはAppleにスティーブ・ジョブズが復帰後の1997年3月に開発が廃止されたOpenDocおよびCyberDogを思い出させた…。

ともあれこのiPadで大それたことをやろうと考えているわけでは無く、ほとんどはメモ書きおよびそれを何らかの形で保存していくことのために使うつもりだが、前記した「フリーボード」はもとよりデスクトップ機やiPhoneとの連携において自分なりに新しい環境を作り出したいと考えているし、ソフトウェア開発を生業にしてきた一人としては「フリーボード」を体験して新しいアプリケーションを企画してみたいとも思わせるワクワク感がある。
なお予算の関係もあり、ペンとケースは純正品では無くサードパーティー製の安物にしたが今のところ特に不満は感じられない。

iPad 10_04

※やはり黄色のケースにペンシルと共に収めてみた


iPad本体はベゼルが狭くホームボタンも無いオールスクリーン仕様の10.9インチLiquif Retinaディスプレイを採用。特に横型で利用することを意図した横向きのステレオスピーカーや12MP超広角フロントカメラも強力だ。
勿論それらを支えるA14 Bionicチップ、6コアCPU、4コアのグラフィックスと16コアNeural Engineおよび iOS 16.2により複数アプリを同時に使えるようになったし6年前と比べるまでも無く魅力的なアプリも豊富になった。事実そのオペレーションはストレスなどまったく感じられずいまさらではあるが、まさしく紙を相手に記入している感覚に近い。

今般iPadをあらためて手にしようとした動機はデジタルを突きつめてきたつもりが、手描き…手書きの重要性に気がついたといったら笑われるだろうか。しかし長きにわたり手で文字を書き、図を描き、あるいはイラストを描いてきたが、結局ここに来てキーボードやマウスで事に当たるだけでは済まない…不便なことがあることを感じさせるようになったからだともいえる。
さて6年ぶりのiPad、手に馴染むのだろうか…。



広告
ブログ内検索
Macの達人 無料公開
[小説]未来を垣間見た男 - スティーブ・ジョブズ公開
オリジナル時代小説「木挽町お鶴御用控」無料公開
オリジナル時代小説「首巻き春貞」一巻から外伝まで全完無料公開
ラテ飼育格闘日記
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員