私にとってのApple M1 MacBook Air雑感

長い間、本当に長い間パソコンと付き合う羽目になったが、私は自他共に認めるデスクトップ派ユーザーだ。無論これまでにも幾多のノートパソコンを手にしたが、ろくに使わずお蔵入りになった機種がほとんどである。そんな私がいま、AppleシリコンM2が話題の中心なのにM1チップ搭載のMacBook Airを買った…。


今年6月末にM1 iMac 24インチが届いたばかりだし、普通ならそれだけで十分なはずだ。特に若い時のようにノートパソコンを抱えてあちらこちらと飛び回る…だなんてこともないし、MacBook Airを生かす場所もない…いや、これまでは確かに無かったものの俄然あると便利な状況になったのである。

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※Apple M1 MacBook Air スペースグレイ


それはCREALITYの3Dスキャナの存在だ。これまた手元に届いたばかりで試行錯誤中だが、M1 iMac 24インチと繋いで使っている。3Dスキャナは当然のことながらパソコンのパワーも必要だが幸いM1チップをもサポート済みなので良い環境だと考えているが困ったことに気がついた。

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※左はPowerBook 100。1991年10月21日に発表されたApple初のノート型Macintosh


どういうことか…。それは iMacが設置してある周囲1メートル程度以内であれば、3Dスキャナ同梱のターンテーブルを置いたり、あるいは小物なら机上に置いてスキャンが可能な接続ケーブル長がある。しかし大きめなオブジェは勿論、リアルな人物をデジタル化したいとすればこの距離感や狭いスペースでは作業が出来ない。
さらに屋外に出て何かしらの作業をするとなれば、まさかiMacを運び出すことはできないわけで現状ではその活用はかなりの制約を受けることになる。

いや、実は手元にはMacBook Proがある…。しかしMid 2012年度版のこのマシンは3Dスキャンには非力すぎるし第一現状のOS環境では3Dスキャナの専用アプリ CRStudio2 が走らない。そもそもこのマシンはレーザー加工機のコントール用として中古品を入手した訳でOSにしても悪戯にアップデートすると今度はレーザー加工機関連のソフトがおぼつかなくなる…。
さてどうするか…。

やはりこの3Dスキャナを有効活用するには何らかのノート型パソコンが必要なことは間違いない。ということで意を決してM1 MacBook Air(スペースグレイ)を購入した。

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※このMacBook AirはCREALITYの3Dスキャナ用として手に入れた


ただしストレージは256GB SSDのままだが、メモリは無理して16GB(ユニファイドメモリ)とした。
さて、M1 MacBook Airと言えば、なぜ最新のM2 MacBook Airにしなかったかと言われそうだが、3Dスキャナ専用アプリ CRStudio2 が現時点でM2チップをサポートしていない(メーカーサポートの回答)ことが決定的な理由だ。それに4K動画をいくつか同時に編集するといったユーザーは別にして、私らが日常行う作業の多くはスペック的にもすでにM1 MacBook Airはオーバースペックと言ってよい。そうした意味合いで考えればM2よりM1 Macの方がコストパフォーマンスが抜群なのだ。

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システム構成:
 ・8コアCPU、7コアGPU、16コアNeural Engineを搭載したApple M1チップ
 ・16GBユニファイドメモリ
 ・256GB SSDストレージ
 ・True Tone搭載13インチRetinaディスプレイ
 ・Thunderbolt / USB 4ポート x 2
 ・30W USB-C電源アダプタ
 ・Touch ID搭載バックライトMagic Keyboard - 日本語(JIS)
 ・感圧タッチトラックパッド

ともかく月並みだが、手にしたその正直な感想はといえば、軽くて薄いに尽きる。比較するには適当では無いだろうが前記した2012年リリースのMacBook Proと比較すると笑ってしまうくらいの進化だ。具体的に記せばMacBook Pro(2012)の重量が約2Kgなのに対しMacBook Air M1は1.29Kgである。数値的にはそんなに大きく違わない印象もあるが、実際に手にしてみるとその感覚が全然違う…。

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※M1 MacBook Airのパワーは筐体の薄さと相俟って感動するほど…


そしてパワーは勿論だがファンレスだし静かな上に熱くならないというのだから文句の付けようが無い。さらにインテル時代の製品と比較してバッテリーの持ちも驚くほど良くなっているので電源のない場所でも安心して一仕事できる。

というわけで早速3Dスキャナと接続してあれこれと始めているが、この軽快さはどう考えても3Dスキャナ専用機としてしまっては勿体ない…。よい機会だからM1 iMac 24インチのサブマシンとしての環境を順次整え活用してみたい。






CREALITY 3Dスキャンによるカラーモデル作成手順覚書

CREALITY 3Dスキャン、CR-Scan Lizardはこのクラス最良の製品ではないかと思う。ただしクラウドファンディングで登場したこの製品は深圳にあるメーカーCREALITY(Creality 3D Technology Co, Ltd)のHPを見てもその情報は少ない…。


CREALITYは3Dプリンターを使う者にとってはよく知られているメーカーだ。私自身はいまだ同社の3Dプリンターを使った事はないがそのブランドは様々な場で見聞きする。またその3Dプリンターという製品自体、組立式のものも多く活用に至るまでにはユーザーの経験やスキルが必要な製品だということは間違いない。

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※三脚に据えたCR-Scan Lizard。但し撮影の為電源ケーブルは外してある


今回手に入れたCREALITY 3Dスキャン、CR-Scan LizardはそのCREALITYブランドであるからこそ購入(支援)に至ったわけだが、3Dプリンターに関してはまずまず知識を得たと自負している私にとってもある意味未知の製品である。
無論これまでにもXYZプリンティング社のハンドスキャナをはじめiPhoneを3Dスキャナとするソフトウェアなどを使い、3Dスキャンを体験してきたがハードウェアの仕様はもとよりその専用アプリケーションであるCRStudio2 に至っては初めての体験となる。

しかし実際にパッケージを手にして大げさのようだが呆然としたのは活用に至る情報が至って少ないということだ。近年はCREALITYに限らず、製品に同梱されている取扱説明書あるいはそれに類するドキュメンテーションに記されている内容は基本中の基本のことでしかないことが多い。
無論製品が比較的ベーシックで操作も単純であるならそれで事足りるかも知れないが、多くのユーザーが未知数の製品であろう3D スキャナのような製品は手順を追った詳細な説明とオペレーションの実際を提供しない限りユーザーは使いこなすことはできないだろうし、できたとしても多くの時間を要するに違いない。

いや…CR-Scan Lizardにもきちんとした日本語マニュアルが同梱されているが正直簡素すぎるだけでなく図入りで説明するその内容が実際のアプリケーションと違っているので(アプリのUIがアップデートしているから)なかなか見当がつきにくい。
またYouTubeにもいくつか製品説明の動画が上がっているが、多くは開封紹介といったものやスキャニングができた…といった程度のもので製品のスペックをきちんと引き出す内容ではない。そして繰り返すがCREALITY自らが提供している動画でさえ、肝心と思われるところをスルーしたり、その解説画面はWindowsのそれだったりでMacユーザーには苦痛でしかないのだ。

特にCR-Scan Lizardは3Dスキャンが可能なだけでなくカラーのテクスチャマッピングをもサポートしている秀悦な製品である(カラーキットが必要)。しかし現実問題としてCR-Scan Lizardのユーザーがテクスチャマッピングを活用しようとしても十分な情報がない。どこか「勝手に工夫してね」といった突き放された感じがする…。

さてさて、愚痴はこの程度にするが、ここではそのカラーテクスチャマッピングを実践するための情報を可能な限り順を追って説明していきたい。
ただし筆者とてやっとその入り口に到達した思いであり、勘違いや間違い、説明不足があるやも知れぬがご容赦いただければ幸いである。

■テクスチャマッピングには3Dスキャナとは別にカメラが必要
カメラはスキャニングとは別にオブジェクトの写真を撮影しそのデータをマッピングのデータとするための機器となる。
CR-Scan Lizardは大別して2種類のカメラをサポートしている。第一はいわゆる一眼レフ級のカメラであり、それらをカラーキットに同梱のカメラコントローラー(USB機器)経由でこれまたカメラ側のインターフェースに合わせた8種の接続ケーブルのうち適合するケーブルでパソコンと接続することになる。

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※カラーキットに同梱のカメラコントローラー


ふたつめはスマホを使うケースだ。現実問題としてMacユーザーならiPhoneを使うのが一番簡便で手慣れている分だけ使いやすいに違いない。
ここではiPhoneを使っての解説となる。

■テクスチャマッピング時の撮影環境
撮影環境などと記すと大げさに聞こえるが、CR-Scan Lizardのオプション機器であるカラーキットには組立式の簡易スタジオボックスが附属している。

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※カラーキットに同梱のスタジオボックス。ケーブルをモバイルバッテリーなどへ繋ぐことで天板のLEDが点灯する


本来、テーブルスキャン…すなわち回転テーブルに乗る程度のオブジェクトならテクスチャモードでなくジオメトリモードの場合でもこのスタジオボックス内に回転テーブルを置いてスキャンするのが理想に違いない。
なぜなら照明も装備され明るくそして周囲・背景には雑多なものは入らないからオブジェクトに特化した理想的な撮影が可能なはずだ。ただし、現時点で筆者は調光が可能な別途サイズがいま少し大きな撮影ボックスを所持しているのでそちらを使っている。

しかしいくつかのテスト結果では背景がオブジェクトに極端に近い場合ではない限り、あるがままの背景のままにスキャニングあるいは写真撮影してもCR-Scan Lizardのシステム側はオブジェクト領域をきちんと認識してくれることが分かったので特別な場合を除きあまり神経質にならなくても良いと思う。

■iPhoneによるマッピング写真撮影の準備
くどいようだが、このCR-Scan Lizardによるテクスチャマッピングの実現はスキャナ本体だけでは出来ず、カラーキットなるオプションパッケージが不可欠となる。
iPhoneをテクスチャマッピング用のカメラとするにはまずカラーキットに同梱されているカメラコントローラーなる代物をMacのUSBポートへ繋ぐことだ。とはいえマニュアルにもこの機器が何の為のものかといった説明がないのだから困ったものだ。

① ともかくまずはCR-Scan LizardをMacと接続後に電源を入れこのカメラコントローラーなる代物をMacのUSBポートへ接続するとiPhoneのBluetooth接続リストに “CR-Scan_Lizard” のデバイス名称が表示されペアリンクが可能になる。したがってiPhoneとは物理的になにかのケーブル接続は必要ない。

② テーブルスキャンモードを選択
CRStudio2を起動し、テーブルスキャンモードにする。現在の所、カラーテクスチャマッピングが可能のはテーブルスキャンモードのみのようだ。

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※カラーテクスチャマッピングが可能のは現在の所テーブルスキャンモードのみのようだ


③ テクスチャモードおよびVia BluetoothをONにする
CRStudio2画面の右サイドの調整下をテクスチャモードにし、その下の Use External Texture Mapping をクリックし、続けてVia BluetoothをONにする。

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するとメインウインドウ下に「Shoot」ボタンが追加される。

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■CR-Scan Lizardによる3Dスキャンを実行
① 常通りCR-Scan Lizardでテーブル上のモデルをスキャンしプロセスの実行を済ますが、その際右サイドバーのプロセスリストの内、テクスチャマッピングだけはOFFにしておく。

② スキャンを始めるとジオメトリモードと違いCR-Scan_Lizard中央LEDがスキャン中にフラッシュする。

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③ この時の注意だが、オプションのカラーキット附属のアイテムや一部のYouTubeの動画を見るとiPhoneとCR-Scan Lizardは並べて一緒の三脚上に設置するような解説がある。したがって当初オブジェのスキャンと連動して同時にiPhoneのシャッターが切れる…と思い込んでいたが実際は違う。

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※通常このような窮屈なセッティングはしなくても大丈夫…


オブジェのスキャンを終えてから別途テクスチャ用の写真を撮る手筈となるのでスキャナとiPhoneを同時にターンテーブル前に据え置く必要はなく、スキャンが終わりプロセス化も終わったらスキャナと交換といった形でiPhoneを設置すればよい。

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※プロセスを実行


④ ただしiPhoneのカメラアプリを起動後なるべくスキャナのプレビューで捕らえた同一フレーミング位置に置く。

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■iPhoneによる撮影
① ターンテーブルが回っていることを確認しShootボタンクリック。そしてFliming Preparationsダイアログが表示されたらOKボタンをクリック。

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② iPhoneのカメラが自動的に連続的にシャッターを切り始めるので終わるのを待つ。

■iPhoneによる撮影データを整える
① iPhoneの写真アプリに保存された複数のテクスチャー写真をMacに転送する。その際適当な名を付けたフォルダーにまとめて保存。

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② iPhoneでの撮影フォーマットが .HEICの場合は.jpgに変換しておく。その際はApowersoft HEIC Converterなどの一括変換ソフトを使うと便利。

■テクスチャマッピング開始
① CRStudio2 左サイドバーのテクスチャアイコンをクリック

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② External texture mappingのウィンドウ表示。その Please select a folder to store texture photos …の部位をクリックし、先にiPhoneで撮影し写真をまとめたフォルダーを指定し開く。

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③ 左側に写真のjpgファイルがずらりとならび、一番上の写真が右に表示される。

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④ 多少の背景が写っていてもそのままオブジェ全体をカバーするようにマウスで矩形を描いてトリミング指定する。ただし現時点ではこのトリミングエリアの形は横型の矩形であり縦横比は変えられない。

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したがって横サイズを写真枠一杯にマウスでトリミングしようとしても上下のサイズは固定なので自由なトリミング枠は望めないので注意が必要。またトリミング中にマウスボタンを離すとその後にトリミング枠の拡大縮小はできなくなるので注意のこと。

⑤ Cut ボタンをクリック
Cut ボタンを押しテクスチャマッピング確認ダイアログが出たらOKを押す。このマッピングはM1 Macでもかなり時間がかかるが、問題なくプロセスが終わるとメインウィンドウ内の表示がマッピングを施されたカラー表示になる。

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ちなみにマッピング用写真があるフォルダ内を確認してみると Cut で新たにトリミングされた写真が “Cut” という名のフォルダ名に集約されていることがわかる。マッピングにはこちらの写真が使われているに違いない。

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※マッピングが完了した例


⑥ マッピングされたデータを .OBJ ファイルとして保存するとカラーデータを持った3Dデータとなり、例えばXYZプリンティングのカラー3Dプリンターなどでプリントすれば文字通りのカラー造型が可能となるし別の3Dアプリで読み込むことができればカラー3Dオブジェクトとして二次利用できる。

■総括
CR-Scan Lizardを評価するとなれば個人的には最大級の賛美を送りたい…。ただしこの製品が3DプリンターメーカーのCREALITYにとってどのようなコンセプトで製品化となったのかは知る由もないがどこか継子扱いのような印象を受けてしまう。
それは冒頭にも記したが情報の少なさでもありかつソフトウェア CRStudio2 の出来だけでなく製品全体がどこかアンバランスに思えて仕方がないからだ。

例えばMac版のアプリにWindows用マウスにある中央ボタンが不可欠なオペレーションをそのまま搭載したりと洒落にならないチョンボもあるし、Macのソフトウェア開発を生業にしていた一人として中途半端な部分が目立つのは残念でならない。

またそのソフトウェアにしても正規版のリリース以前に印刷物の取説を作ったり、幾多のYouTuberに評価依頼のために配布した結果作られた動画類もソフトウェアのインターフェースが正式版と大幅に違うため具体的な参考にならなかったりする…。
本当にこの製品をマジで世界に売り込むのだ…という気概がどうにも見えない(笑)。

まあクラウドファンディングでお披露目したこと自体、CREALITYの他製品とは一線を記すものであるわけだが、今少しマジで多くの人たちにその魅力を知らしめる努力をすべき製品だと思う。
3Dプリンターと比較してもこのCR-Scan Lizardは決して安価な製品ではないが個人的にはこのクラスで最良の3Dスキャナであると感じているし事実そのスペックや造型結果にも満足している。したがって是非是非、クラウドファンディングで成功し収支も上々…といっただけで製品の進化が尻つぼみにならぬよう努力して欲しいと願っている。



CREALITY 3Dスキャナ「CR-Scan Lizard」を手にして…

クラウドファンディングのMakuakeでCREALITYの3Dスキャナ「CR-Scan Lizard」が発表されたのを知り、即効でフルバージョンの仕様を支援した。昨年レーザー加工機の支援で懲り、もうクラウドファンディングはやらないと誓ったのに…である(笑)。


言い訳としては3Dスキャナという製品には大いに興味があり、ある意味ずっとウォッチングしてきたからこそ今回の製品スペックに取り憑かれたと言って良い。またどこのメーカーとも知れない企業ではなくこれまでも幾多の3Dプリンターメーカーとして知られていたCREALITYブランドだったので大きな問題はないだろうと考えた。

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※CREALITY 3Dスキャナ「CR-Scan Lizard」とApple M1 iMac 24インチ


■個人的な3Dという世界に魅入られた歴史
振り返って見ると3Dという世界は1980年前後からパソコンを手にした私の目標というか興味の対象だった。
具体的に言うなら私が初めて3Dソフトを体験したのは1982年のこと、Apple II 向け最初の3Dソフト「Apple WORLD」だった。ワイヤーフレームオンリーだったがウォークスルーも可能だった。

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※Apple II 向けとして最初の3Dソフト「Apple WORLD」(1982年)


その3DもApple II、PC-9801、PC-100そしてMacintoshへとハードウェアが推移していったしハードウェアの進化と平行して3Dの表現もカラーになっただけでなくいわゆるレイトレーシングがサポートされたりとリアルになっていく。
ただし一般的なパソコンでは所詮可能なことは知れていたわけで近未来のテクノロジーを垣間見たいと私は無謀にもPC-9801上で動作する大変高価なシステム…PersonalLINKSを買っただけでなく。さらに勢いでSIGGRAPHに参加するため初めて渡米した(1987年)。

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※メタボールも実現可能なPersonalLINKSシステム


その後も初めてMacintosh版がリリースされると聞いた国産3Dソフト “Shade” を当時のMACLIFE誌の依頼で初めてそのレビューを書いたり、自身でも数十万円もする3Dソフトウェアを色々と買い漁った…。しかしそうした中でフラストレーションが次第に大きくなる。
ひとつにはモデリングの問題だ。それぞれが高度な表現、容易なモデリング操作を謳うものの現実としては目の前にあるオブジェをリアルにモデリングするには多大な時間を犠牲にするしモデリングの技術をも必要とする。

そんな環境下で次第に高度なモデリング操作についていけず、だからこそ3Dスキャナといったハードウェアに期待するようになった。そしてまた写真と見紛うようなリアルなモデリング&レンダリングを繰り返す内、思わぬストレスというか不満も湧き出してきた。
それは当たり前なことだが、パソコンのモニター内に作ったオブジェには手を触れることができないという事実だった。この思いが後年私をして3Dプリンターに手を染めるようになったそもそもの切っ掛けである。
そう…申し上げるまでもなく3Dプリンターはモデリングしたデジタルデータをこの手に触れる、持つことが出来る…現実の物体として形作れる魔法の機器なのだ…。

■魅力の3Dスキャナ
さて、3Dスキャナとは、ここにある物体の形状を非接触でセンサーで読み取り、3Dデータとして形成する装置・機器あるいはそのシステムである。
その存在は目新しいものではないが、当初は大変高価な装置だったりしてパーソナルユーザーが手にすることなど出来得ないものだったし、その規模も目的に従い大がかりなものから手で持ち操作するものまで色々な製品があった。

勿論一介のユーザーがそんな機器を手にすることができる訳も無いが、テクノロジーの進歩により工夫すれば手持ちのカメラやスマホでそこそこの結果を出せるというものが登場した。多くの写真を撮り、そこから3Dデータを形成するソフトウェアもあれば、iPhoneをその3Dスキャナにするアプリも多々登場してきた…。
2019年にはXYZプリンティングの「ハンドヘルド 3D スキャナー 2.0」も手に入れたが結果Macではトラブルが多く使い物にならなかった。

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※iPhoneを3Dスキャナにするべく独自の工夫もした一例


しばし諦めかけていたときクラウドファンディングのMakuakeにCREALITYの3Dスキャナの告知が始まった事を知った。数回クラウドファンディングでは痛い思いをさせられたが、それらは聞いたこともないメーカーだったもののCREALITYといえば幾多の3Dプリンターを販売している企業だ。そしてそのスペックを見る限りは使うに値する製品のように思えたので支援することにした。

■CREALITY 3Dスキャナ「CR-Scan Lizard」を使う
CREALITY 3Dスキャナ「CR-Scan Lizard」は最大0.05mmの高精度でデータを取得できるという。これまでこうしたレベルの製品はせいぜい0.1mm程度の精度だったから上々のスペックである。
ただし使い勝手や附属のソフトウェアの出来は実際に使ってみなければわからない…。ともあれCREALITYという企業が作るのだからしてそうそう変なものではないことを信じて配送を待った…。

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※CREALITY 3Dスキャナ「CR-Scan Lizard」の基本システムは専用バッグにセットされていた


その間、スペックなどに関してもいくつか情報が入ってきた。まず一番知りたかったAppleシリコンのM1 Macに対応しているとのことで一安心。やはりこの種のアプリはパソコンのパワーもそれなりに必要となるはずだからとM1 iMac 24インチを注文したわけで最良の環境で活用できそうなのが嬉しい。
結局当初のアナウンスより少し早めに本体一式が無事に届いたが、肝心のMac版ソフトウェアの準備が遅れたため、実用となったのは7月1日からだった。

ハードウェア・スペック
・Accuracy 0.05mm
・Resolution 0.1mm-0.2mm
・Single Capture Range 100mm x 200mm
・Working Distance  150mm – 400mm
・Minimum Scanning   15mm x 15mm x 15mm
・Scanning Speed 10fps
・Light Source  LED+NIR (Note: Near infrared mode, does not irritate eyes)
・Splicing Mode  Fully automatic geometry and visual tracking(without marker)
・Texture Acquisition Extended support to release in March 2022
・Output Format STL/OBJ
・Machine Weight 350g
・Machine Size  155mm x 84mm x 46mm
・Compatible System Windows 10 64-bit / macOS

そういえばクラウドファンディングにも組合せによりセット内容が違ったり価格が違うといったバリエーションがあったが、私はカラーのスキャニングにも対応する最上位のカラーキットを選んだ。
届いたダンボール箱には基本セットともいえる一式が専用のバッグに収まって収納されており、別途カラーのスキャニング時に使う組立式の撮影スタジオや治具などが入っていた。

さて早速M1 iMac 24インチとCREALITY 3Dスキャナを接続してあれこれテストを始めた。使用する専用アプリ「CRStudio2」ではスキャナ本体を手に持ってスキャニングする方法(ハンドスキャン)と専用の円形テーブルにスキャンする物体を置き、自動でスキャニング(テーブルスキャン)する2種類の方法が選べる。しかしどちらにせよ文字通り何の苦労もなく最良の結果を得るのは難しく、為にはやはりある種のコツを会得する必要があるように思う。

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※ハンドスキャンでスキャニング実行中


ということで、要領が分かればどちらのスキャニングにしても難しい事はなく、データの損傷部位やポリゴンのシンプル化などを自動で行い、クオリティの高いデータに仕上げてくれる。

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※クオリティの高いスキャニングが可能


また特にテーブルスキャン時に一度のスキャンではオブジェの向きにより取りこぼしが生じるが、そうした場合はオブジェの置き方を変え追加スキャンが可能。そして優越なのは複数のオブジェの位置合わせを指定することで「CRStudio2」がそれを自動で正確に統合しひとつのオブジェとして完成してくれる。

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※複数回のスキャンで得たオブジェの位置合わせを指示すれば自動で統合作業をしてくれる

ということで、この辺でどのようなオペレーションを行うのか、その概要を動画でご覧いただこう…。




■専用アプリ「CRStudio2」の大問題
CREALITY 3Dスキャナに精通するということはソフトウェアの「CRStudio2」を使いこなすということだ。ということでYouTubeなどから情報を得ようとあれこれと検索してみたが、問題は「CRStudio2」のインターフェースが開発途中で大きく変わってしまった結果、直感的にそれらの情報は役に立たないどころか製品附属の取扱説明書さえ古いインターフェースの解説なので分かりづらい。
ただし、問い合わせたところ最新の日本語取説が用意されていたので助かった…。
しかし取説に従いオペレーションを試みるがどうしても上手く行かないことがある。これまたメーカーに問い合わせて見ると信じられないことだが、マウス操作の中にいわゆる「中ボタンクリック」を促すものがあり、これはマックのマウスではやりようがなかったのだ。

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※仕方がないので取り急ぎWindows向けのマウスを手に入れる事に…


再度この点をメーカーサポートに問い合わせたが、Windows用のマウスを買い、それでオペーレーションすればできる…といった返事があった。これも可笑しな話しだ。なんでわざわざMacユーザーがWindows用マウスを買わなくてはならないのかが問題だし、それでMac版を謳うのはどうかと思う。

■総括
ともあれ、「CRStudio2」はかなりの多機能・高機能なソフトウェアだがスキャニングの実際は対象物との距離や角度、照明といったあれこれを適切に配慮の上で行わないと良い結果は期待できない。
この辺は実際に失敗を重ねつつ、要領を感覚的に覚えていくしか無いが、手元の石膏像や仏像のレプリカなど、比較的複雑なオブジェをスキャンしてみた限りでは…満足できる結果を得ることができた。さらにそのデータを3Dプリンターで出力してみたが感動するほどの出来映えだった。

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※CREALITY 3Dスキャナでスキャンしたデータを3Dプリンターで出力してみた。オリジナルに忠実なクオリティの高い結果が期待できる


ということで、初めて実用となる3Dスキャナを手にした感覚に酔いしれているが、今度はテクスチャーを加えたカラーのスキャニングに挑戦してみたい…。



光造型3Dプリンター ELEGOO Mars 3/4K 覚書

意識的に導入を抑えていた光造型3Dプリンターを手に入れた…。選んだのはELEGOO Mars 3/4K というモノクロLCDスクリーン仕様の製品でプリントサイズは143×89×175mmである。3Dプリンターといえば2018年の春からいわゆるFDM式(熱溶解式)の製品を使い始め、すでに7機種を体験してきた。ともあれ光造型3Dプリンターは初めての体験だが、その第一印象と自分なりに重要だと思われるあれこれを記しておきたい。

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※ELEGOO Mars 3/4K 光造型3Dプリンター


3Dプリンターは大別してFDM式と光造型式の二種があるといわれているが、これまで光造型式の製品に手を出さなかったのにはそれなりの理由があった。
一番の理由は造型に使うレジンの問題だった。この紫外線で硬化する光造型式3Dプリンターの材料であるレジンは毒性があり有害な物質でその取扱には手袋とマスクは欠かせない。さらに3Dプリンターで造型後に必須の工程である洗浄にIPA(イソプロピルアルコール)という危険な溶剤を使うことになるわけで、ペットや幼児がいる場所では危険だし、狭い家庭で取り扱うには問題がありすぎると判断したからだった。

しかしここに来て水洗いレジンなる製品が台頭してきた。水洗いレジンとはその名の通り、前記した危険なIPAではなく、いわゆる水道水で洗浄できるレジンのことだ。
この種のレジンとて扱いには手袋やマスクは必要だが水で洗えるということでハードルは大きく下がった。

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※ELEGOO Mars 3/4K の同梱附属品


さて二つ目の問題はプリントしたオブジェは乾燥させた後に二次硬化という手間が必要だし、後片付けが面倒なこと…。慣れれば手順も簡略化できるのかも知れないがレジンで汚れたレジンタンクやビルドプラットフォームを綺麗に洗浄し次に備えるのがなかなかに手間だし神経を使う。
FDMがフィラメントを管理すればよいのとは手間が違う。
などなど気になる点は多々あるが、光造型式の3Dプリンターを未経験でやり過ごすということについては抵抗もあり、今般思い切って関連機器も含め一式を手に入れた…。

■光造型3Dプリンターの一大長所
ところで光造型3Dプリンターの特長とは何だろうか…。FDMの3Dプリンターを使ってきたユーザーにとって魅力な点は決して目新しさだけではない。
一番の魅力はその造型の精度がFDMと比べて歴然と高いことだ。その差は当然で、FDMの積層ピッチが通常0.1mm~0.4mmなのに対しMars 3は解像度4098×2560の4Kモノクロ液晶パネルを搭載しXY解像度が35μm…初期設定のままでもレイヤーの高さが0.050mmなのだ。したがって積層痕も目立たず仕上がりも美しい…。

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※高さ約7センチほどの像だが仕上がりが非常に美しい


特に同じデータを光造型とFDMとでプリント比較して見ればその差は歴然としている。したがって目的にも関係するが、装飾品やフィギュアなどの造型には光造型が理想といえよう。

■光造型3Dプリンターのプリント手順
光造型3Dプリンターによるプリント手順の概略を述べれば、プリント/洗浄/乾燥/二次硬化といった工程を経る。また面白い…といっては語弊があるが、FDM式3Dプリンターのプリントがプラットフォーム(ホットベッド)の上にノズルから溶解されたフィラメントがシステムコントロールされつつ一層毎に積層されていくのに対し光造型は上部に位置したビルドプラットフォームが逆さまにレジンの入ったレジンタンク内に浸しつつタンク下にあるLCD画面からコントロールされた紫外線が放射され、ビルドプラットフォームに貼り付いた一層目に重なりつつ硬化しながら垂れ下がり造型が進むといった具合だ。ビジュアル的には真反対である。

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※光造型3Dプリンターの造型はビルドプラットフォームに垂れ下がって仕上がる


なお、スライサーのソフトウェアはChituBox Basicという製品に同梱されていたUSBメモリに入っていたものを使うがこれは無料だ。ただしこれまた同梱のカードには有料のPro版を1年間無料で使えるシリアルナンバーが隠されていたので私はこちらの方を使い始めている。

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※スライサーソフトウェア、ChituBox Proの画面例


そういえば造型そのものの仕組みや考え方もFDMとは違った認識が必要なこともある。FDMの場合、プリント時間は造型物のサイズに直接関わってくるが光造型の場合はX軸とY軸のサイズとプリント時間は関係がない。何故ならLCD画面の範囲内に一層ずつ紫外線が照射されるわけで、例えば2センチ角のオブジェと7センチ角のオブジェも硬化にかかる時間は基本同じだからだ。無論Z軸である高さは直接造型時間に正比例する。

■洗浄と二次硬化専用マシンも購入
前記したように光造型3Dプリンターはプリントしただけでは実用にならない。IPAにしろ水洗いにしろまずは洗浄が必要である。
個人的には水洗いレジンのみを使うつもりだが、小さなサイズや加えて複雑な形状のオブジェの洗浄は超音波洗浄機が適切のようだ。また超音波洗浄機に入らないオブジェやレジンで汚れたレジンタンク、ビルドプラットフォームまでをも確実に洗浄可能なマシンを手に入れた。それがELEGOO MERCURY X WASHだ。これはタイマーも備わっており中に注いだ水をスクリューで攪拌してくれる優れものだ。

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※ELEGOO MERCURY X WASH


さらに二次硬化は紫外線を照射するわけだが、小型のものであればネイルライトなどが使えるものの、これまたサイズが大きめのオブジェはELEGOO MERCURY X CUREといった専用機器があると便利だ。これまたタイマーが装備されており、オブジェを置く丸いテーブルがゆっくりと回転し紫外線を満遍なく照射してくれるし専用の黄色いカバーは紫外線からユーザーを保護するプロテクトカバーである。

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※ELEGOO MERCURY X CURE

このMERCURY X WASHやMERCURY X CUREといった専用機器を揃え活用するのは実にエキサイティングだがそれぞれ光造型3Dプリンターと同等の設置スペースを必要とするのでまずは配置するスペース確保が大変かも…。

■レジンの選択
FDMの3Dプリンターで使うフィラメントと同様光造型3Dプリンターで必須のレジンにも多種多様なものがある。一見同じようでもメーカーが違えば価格も違うし、レジンのカラーもフィラメントほどではないにしろ数十色ある。特に透明色はFDMではなかなか難しいだけに魅力的だ。
私も含めて経験が浅いと自分の所有する光造型3Dプリンターと適合…相性がよいレジンを探すのは難しいが、こればかりはなるべく有益な情報を集めつつ実際に試行錯誤するしかない。

■光造型3Dプリンター活用で必要なアイテム
光造型3Dプリンターを購入するといわゆるツールキットと称したいくつかのアイテムが同梱されているが、その内容を踏まえてあらかじめ揃えておきたいアイテムがある。
手袋とマスクは必須だが、有害なレジンを扱うため細々としたアイテムたちの一時置き場としてステンレスのトレー、キムワイプ(キッチンペーパーでも可)、などが必要になる。要は一連の作業および片付けの際にどのようにしたら回りを汚さず安全に事が行えるかを考えて順次必要最低限のアイテムを揃えておくことが大切となる。

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※筆者が造型時に用意するアイテムたち


■総評
光造型3Dプリンターを手にしてまだ僅かな日数しか経っていないから偉そうなことは言えないが、造型方式はFDMとまるで違うものの、気をつける点や心構えみたいなことはどこか共通のように思えFDMで培った幾多のノウハウをもって事に当たれば理解が早くて済むように思える…。

ELEGOO Mars3_04

※オペレーションは言語を日本語に設定可能


ともかく私は水洗いレジンのみで色々とやってみようと考えているが、それでもレジンの臭気や造型手順の煩雑さなど越えなければならないことは多々あるように思え、自分なりに工夫を重ねていきたい。
ELEGOO Mars 3/4Kはそうした意味でも初心者は勿論、買い換えユーザーをも満足させてくれる製品だと考えている。



Apple M1 iMac 24" 雑感

5年間愛用してきたiMac 27インチ Retina 5Kディスプレイ 2017年モデルだったが、一部非力を感じると共に昨年リリースされたM1 iMac 24” の魅力が日増しに強く感じられたことでもあり、意を決して5月上旬に注文した。それが予定より少し早く6月20日に無事到着した。


5月に決断した理由のひとつはその翌月に予定されていたWWDCで何らかの新製品が発表されるであろうことと、その機会に現在の円安を考慮した価格改正…値上げがあるのではないかと読んだからだ。

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結果論だが読みは当たり5月に注文したスペックと同じものを6月中旬に確認してみたところ、なんと43,000円ほど値上がりしていた。
ともあれ、ここでは詳細なスペック紹介は避け、ざっくりとした第一印象的なお話しをさせていだく。

■ボディカラーはイエロー
ご承知のようにこのM1 iMac 24”は7色のカラーバリエーションが用意されている。私は今回イエローを選んだが、本体フロント…液晶モニター下部はイエローというよりどこか淡いクリーム色だが、金属部は光沢が目立ちゴールドに近い色合いに見える。
勿論ご承知の通り、ケーブルの一部はもとよりキーボードやマウスの背面も同色となっているという拘りは見事である。

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ともあれ、ふと視線をモニターから外すとスタンドはもとよりキーボード筐体も同色なのでカラーリングを認識できるが、モニターを注視している際にはカラーが何であるかは意識していないこともわかった。

■24インチというサイズ感
これまで使っていた27インチと比べれば、そのサイズ感の違いは一目瞭然だが、実際に24インチを前に作業してみると決して狭いとは感じない。それどころか一目で全体が見渡せる感じで視線の移動が少なくて済み、思った以上にベストサイズだと感じた。

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またこのM1 iMac 24インチの背面ボディサイズはこれまでの下部にいくほどカーブをもった厚さがあったのとは違い全体に…どこも11.5cmの薄型を実現しているのは見事というしかない。
さらに27インチディスプレイは5K Retina、この24インチは4.5K Retinaといった違いがあるが、目視の範囲では当然その違いはまったく分からない。

■Touch ID
これまで iPhoneの指紋認証には馴染んできたが、iMacのキーボード搭載のTouch IDは初めての体験だった。確かに便利な機能だと期待していたものの、どういう訳か認識率が悪く最初は幻滅したものの何度か繰り返して認証登録を重ねた結果、やっと実用レベルになったようだ。

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■進化したフロントカメラとスピーカー機能
眼に見えて…一目瞭然にこれまで使ってきたiMacと比べて良くなったのはフロントカメラとスピーカー回りだ。
1080pのカメラはFaceTimeやZoomを立ち上げればそれだけで違いは歴然でこれだけ綺麗な映像が録れるなら別途あれこれと考えずに内蔵カメラだけでいいかな…という気持ちになるほどだ。またFaceTime使用時にはこれまで縦位置の表示領域は一般的な横型になったのも嬉しい。
そしてドルビーアトモスで音楽またはビデオを再生する時に空間オーディオに対応できるようになったその6スピーカーサウンドは文句なく素敵であり、私はそれまで iMacの左右に配していたデスクトップ・スピーカーを外したほどだ。

■M1の恩恵は?
そもそも個人的には例えば4Kのビデオ映像編集やCPUに負荷がかかる3Dレンダリングやらを主な目的とはしていないのでM1の能力が発表されているとおりであるなら私の環境は一般的にオーバースペックだろうと考えている。
ただどのようなオペレーションにおいても文字通りサクサクとタイムラグ無しで動作するのはストレスにならずに快適でよい。とはいえ例えば3Dスキャナなども使い始める予定なのでM1パワーには期待している。またストレージが1TBのSSDなので、マシンの起動が10秒足らずなのは気持ちが良い。

■データ移行に苦慮
ただし良いこと尽くめという訳にはいかなかった。そもそもTimeMachineからアプリや環境を移行したが、ひとつひとつを検証してみると多くの問題が生じた。

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まず最初に困ったのはDockが正常に機能しないことだった。それだけでなくアプリの多くもシリアルナンバーの入力を求められるのはまだよい方でメーカーへのアクティベーションを余儀なくされたりM1に対応していると謳われているにも関わらず正常動作しないアプリが続出した…。さらにApp Storeから買ったアプリにしても「壊れているのでアンインストールし再度インストールし直して下さい」といった主旨の警告が出るものも多かった。
ということで時間はかかったがApple Careのサポートのお陰も含めて現在はまずまず安定している。

■総評
それまでの2017年度版iMac 27インチは5年あまり使ってきたが幸い大きなトラブルや故障といったことにはならなかった。
まあ、今回いつものようにApple Careにも加入したこともあり、3年…いやこれまた5年ほどは使い続けたいと思うが、だとすれば当然私自身も5歳年齢を重ねることになる。
特に昨年から今年にかけて、足のつま先から頭までCTスキャンや超音波検診、心電図、レントゲンなどなどといった検査を受けたが幸い異常はなかった。しかしどうしたことか今年の四月に急性虫垂炎で入院・手術と相成ったことであらためて自分の体力や寿命といったことを考えざるを得なかった。したがっていたずらにネガティブなことを申し上げるつもりはないが、場合によってはこのM1 iMac 24インチは1984年登場の初代Macintoshから幾多の…本当に何十もの機種を手にしてきた末の…私の最後のマシンになるかも知れないと思うと感慨というか思い入れもひとしおである。



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プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員