初めてのシーリングワックスに挑戦

シーリングワックス(封蝋)をご存じでも実際に使ったことがある方は限られているかも…。と考えていたら、なにか今結構流行っていてTikTok等でも沢山アップされているそうな…。私自身もその存在はもとより使ってみたいとは若い頃から思っていたが、機会がなかった。しかし今般購入した品物の包装にシーリングワックス(蝋ではなく簡易なシール型だった)が使われており、それがとても素敵に感じたので遅ればせながら自分でも試してみることにした。


封蝋(ふうろう、シーリングワックス)とは、ヨーロッパにおいて手紙の封筒や文書に封印を施したり、ワインなどの瓶といった容器を密封した印とするために用いる蝋である。

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※直径30mmのスタンプを使ったシーリング例


溶かした蝋に紋章など、型押しをすることで例えば誰かが開ければ蝋は容易く壊れたり剥がれたりするから悪戯な覗き見防止、開封防止にもなる。そして家紋などをシーリングスタンプとして使えば差出人を示すことにもなる。とまた現代においてはラッピングやグリーティングカードの装飾として使われることも多い。

例えばヴィクトリア朝の時代を舞台とするコナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」にもこの封蝋は多々登場する。電子メールもSNSもそして電話(後期には登場するが)もなかった時代だから、伝言は封書に託す、あるいは電報しかなかったわけで、ちょっと調べて見ただけでも封蝋という言葉は「ノーウッドの建築士」に三度を皮切りに「金縁の鼻眼鏡」、「第二の汚点」、「ウィステリア荘」など枚挙にいとまもない。

さらに封蝋と明記されていなくとも「ボヘミアの醜聞」では「余の封印が用いてある…」といった台詞や「五粒のオレンジ種」や「花嫁失踪事件」などでも「封をきる」という言葉が多々登場する。したがって封筒 封書 開封といったシーンには必ずといってよいほど封蝋が使われていた理屈でもある。

ということで最低限必要なアイテムをと揃えた。それらはシーリングスタンプ、シーリングワックスそしてワックスを溶かす道具である。

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※感触をつかむため、最初はこうしたベーシックなセットを手に入れた


シーリングスタンプもオリジナルなものをオーダーできるが今回は “MacTechnology Lab.” と私の姓をも示す "M" の頭文字を象った既製品を用意した。なおスタンプの直径は30mmだ…。また別途直径25mmの魔方陣デザインのスタンプも手に入れた。

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※まずはこの小さなスプーンにワックスを入れ蝋燭で溶かす


やり方も基本難しいことはない。理屈はワックスを蝋燭などで適量溶かして封筒の封印箇所などに丸くなるように垂らし、柔らかなうちにシーリングスタンプを数秒押しつけるだけだ。

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※溶けたワックスを適量垂らしてスタンプを軽く押しつける


またシーリングワックス自体が蝋燭になっている製品もある。ただし実際にやってみるとワックスの量が少なく失敗したり、スタンプをワックスが柔らかすぎるうちに押しすぎたために封筒の紙質が透けて見えたりと意外に思うようにいかない。
また専用のスプーンとキャンドル溶かすのにこれほど時間がかかるものとは知らなかったし、反対に溶かしすぎると気泡が入ってしまったりとなかなかに難しくで経験の積み重ねが必要…。

そしてその結果は同じシーリングスタンプで封印してもワックスのはみ出た形がそれぞれ違うわけで、その時その時で同じものは2度とできない理屈にもなる。
なおワックスには金や赤、銅色といった様々なカラーがあるので好みによって楽しむことができるし複数色を混ぜても面白い。その結果は何の変哲も無い封筒がひと味違った趣を醸し出す…。

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※葉やリボンなどを挟み込む練習中



さてそのシーリングワックスだが本来の目的で使うにはご紹介したような具合にワックスをキャンドルの炎で溶かす必要がある。作業そのものはたいしたことはないが、火を扱うことで慎重にならざるを得ないし些か面倒だ。
ということで同じシーリングスタンプを使って今度はグルーガンとグルースティックを使い、グルーガンで溶かした適量のグルースティックにシーリングスタンプを押しつけシーリングスタンプを作ろうと試みた。

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※グルーガンとグルースティックでもシーリングワックス的なスタンプを作れる


勿論グルーガンも高温を必要とするので火傷に十分注意をしなければならないが、炎は扱わないので気が楽だしこちらは日常でも結構活用しているので扱いなれている。
また調べて見たら通常はホワイトのグルースティックを使っているもののシーリングワックスとしても最適な魅力的な多色製品もあることを知った。

作り方の要領は同じだがそもそもグルースティックは一般的にエチレン・ビニール・アセテートの共重合品で接着材だ。したがって金属製とはいえ押しつけたシーリングスタンプに貼り付いて取れなくなるのでは…と心配したが、少なくとも私が使ったスタンプでは剥がすのに苦労することはなかった。

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※グルーガンとグルースティックで作ったスタンプに油性のシルバーマーカーを仕上げに使ってみた


こうしてグルーガンで作ったシーリングワックスは樹脂製であるため、リボンや封書などに貼るには両面テープや別途接着材を必要とするし、一旦剥がしても本物のシーリングワックスとは違って壊れない。それだけに活用応用の範囲は拡がるかも知れないものの開封されないように…という目的には相応しくないがこちらは「作り置き」も可能だ。
今や封筒を…それもシーリーングスタンプを用いる封書などを差し出す機会はほとんどないが、アートやデザインそしてプレゼントなどの際に効果的に活用してみるつもりだ。



高月靖著「南極1号伝説」読書雑感

いきなりだが、私は役者としての武田鉄矢という人に関して知っていることは大ヒットTVドラマ「金八先生」の先生役だった…という程度だ。また彼を「理屈っぽくてバラエティなどでも先生面するから嫌い」という人のいることも知っているが、個人的には文化放送で続いている「武田鉄矢 今日の三枚おろし」という蘊蓄トーク番組は好きでYouTubeなどに載っているものも聞くことがある。【敬称略】


少し前にその番組で高月靖著「南極1号伝説」という書籍があることを知った。2008年の刊行だそうだがこれまでその存在すら知らなかった。
「南極1号」と聞いて男性の方ならニヤリとするか、あるいは女性の方なら眉をひそめるかも知れないが、そもそもタブーな存在でもあり公に語られることもあまり無かったから文字通り伝説でもありその存在の真偽もあやふやだった。
念のため記せば、「南極1号」とは男ばかりの南極越冬隊員の性欲処理のために開発されたと言われているダッチワイフのことだがWikipediaによれば実際の所、使われるまでには至らなかったようだ。
ちなみに本書の副題は「ダッチワイフからラブドールまで~特殊用途愛玩人形の戦後史」というものだ。

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※高月靖著「南極1号伝説」2008年バジリコ(株)


「武田鉄矢 今日の三枚おろし」の番組の中で武田は本書の中身を独自の語り口で紹介したが、例えば「オリエント工業の悪戦苦闘はあのプロジェクトXに匹敵する偉業」といった意味のことを言っていたので知的好奇心に火が付き俄然興味がわいた。オリエント工業は知る人ぞ知る…現在も我が国トップのラブドールメーカーである。

まずはそのダッチワイフという言葉の語源をご存じだろうか…。かくいう私も知らなかったが、”dutch wife” を直訳すれば「オランダ人の妻」ということになる。どうにもオランダの方々には不名誉でネガティブな話しだが、これにはかつてイギリスとオランダが争った歴史が関わっているという。
両国は17世紀に海上貿易の覇権を巡り激しく対立し、三次にも及ぶ英蘭戦争にまで発展…。こうした歴史的な背景から英語にはオランダを貶めるような表現が多々残っているらしい。
「オランダの」を意味する “Dutch” は「ケチな、質が悪い」を表す接頭語にさえなっているという。

さてそのダッチワイフだが、そもそもどこかの植民地での話しだと思うが、オランダ人が夜の寝苦しさを解消するために用いた竹で編んだ中空の駕籠を意味したらしい。抱き枕のようなものだったらしい…。それを見たイギリス人が揶揄を込めて「オランダ人の女房」と呼び始め、それがいつしか性処理用の人形の意味を帯びたらしい。しかし英語圏でセックスの代用人形を指す場合、普通 “sex doll” といった名称を使うことから本書の著者は、一種の和製英語といって良いのでは…と主張している。

この種の人形は「我妻形人形(あづまがたにんぎょう)」などと言い、江戸時代にもあったそうだし、ヒトラーの命によりドイツ軍がリアルな女性型人形の開発もなされていたようだ。特にドイツ軍がこの種の人形の開発を命じたのは親衛隊たちの性病リスクをなくす目的だったという。
とにかく「人形愛」だのといえば陰湿で怪しい感じを受けるのが大方のところだろうが、ピグマリオン伝説が示すように生身の女性ではなく人形に愛情を感じる人も存在するわけだし、私も歳をとったからかラブドールといっても嫌悪感より興味の方が強くなった(笑)。

そういえば本書「南極1号伝説」にも記載されているが、松本零士、石ノ森章太郎、手塚治虫といった漫画界の巨人達もいわゆるダッチワイフを題材にした漫画を作品として発表していた。
手塚の場合は「地球を呑む」で人工皮膚をまとった精巧なダッチワイフが登場するし、「火の鳥 復活編」ではセクシーな玩具用ロボットが描かれている。さらに「やけっぱちのマリア」や「不思議なメルモ」「アポロの歌」も知られている。
これら一部は当時有害図書として激しく非難されもしたが、表現者としてダッチワイフや性の問題は避けては通れないものだったに違いない。
また当ブログを丹念にご覧いただいている方ならご承知だろうが、私自身ここの数年写真撮影用のリアルな等身大の女性マネキンを造型してきた関係もあり、より良い物作りのなにかヒントがあるのかも…といった点にも本書に興味がわいた。

私の造型してきたマネキンは紆余曲折を経てシリコン製のトルソー(両腕はある)に好みのヘッドマネキンの頭を組み合わせたもので一応完成形としたが、残念ながらラブドールではない(笑)。しかしそれでも当初は友人知人からも「いい歳こいて、なに怪しいことをやっているのか」と疑惑の目でみられたが、例えそれがラブドールであったとしてもとやかく言われる筋合いのものではないのだが…。

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※トルソーとヘッドマネキン頭部とを3Dプリンターによるジョイントで繋いで製作した私が理想とするオリジナルモデル。元々バストアップ写真のモデル代わりとして考案したもので、トルソーだからして太腿から下肢はない


そしてなによりも男の端くれとして「南極1号」という言葉は知ってはいたが、よき機会だから正確な情報を知りたいと好奇心に任せて本書を探してみたもののすでに古書しか見つからなかった。

一通り読んでみての感想だが、書籍はかなり誤植が目立ったものの読み物としては面白かった。しかしこの世界も日進月歩のようだから、現在のラブドールとかリアルドールの出来は本書出版から12年経っていることでもあり、はるかに良くなっているに違いないし、その実体は不明ながらAmazonでもある種のラブドールが売られている時代になった。
そういえば写真家の篠山紀信がオリエント工業のラブドールをモデルとして写真集を出したことを以前に知ったがさもありなんと思った。それだけ造型がよく出来ているということだ。

ともあれ特にオリエント工業という企業についての発展の章および創業者土屋日出夫の話しは面白かった。
オリエント工業は、同社HPによれば1977年に特殊ボディーメーカーとして東京・上野に創業とあるが、「南極1号伝説」によると新宿の区役所通りに友人がアダルトショップの店を開いたので手伝ったのが業界に入るきっかけだったという。そして30歳で独立したというが、その土屋の孤軍奮闘が実に興味深い。

ちゃちな浮き袋式のダッチワイフでも売りっぱなしにせず、客が壊れたと持ち込めば誠実に自分で直してあげるというのが土屋の気性だった。結局こうして顧客を大切にしたコミュニケーションの集まりから自社でダッチワイフを作ることになったという。
1977年に最初のダッチワイフ「微笑」から始まり、1982年の「面影」、1987年「影身」、1992年「影華」、1997年には好みで頭部を選べるようにした「華三姉妹」と翌年の「キャンディガール」…。
こうした進化進歩は材料の問題、強度の問題、造型や肌触りやリアリティを追求した結果であったが、その過程の努力と工夫は冒頭に武田鉄矢がいみじくも言ったように「プロジェクトX」で取り上げても良いと思わせる内容だった。

とにかくユーザーを大切にしその意見に真摯に耳を傾ける土屋の執念と企業姿勢には頭が下がる。
もっと掘り下げてみたいがネタバレになるし、そもそもラブドールの実物を見たこともない者がとやかく言えないだろうから遠慮する。したがって本書の著者高月靖があとがきの最後に述べている言葉で筆を置くが、思わず頷いてしまった。
「人形とともに、プライベートな時間を過ごすマニアたち。静かな孤独のなかで目の前の対象に愛情を注ぐという行為は、多くの人にも共有可能な普遍的な癒やしを与えてくれる。そこでその対象との『実践』が可能だっとして、拒む理由には何が思い浮かぶだろうか」



オリジナル時代小説「松平藤九郎始末(五)医療の神髄〜首巻き春貞外伝」公開

オリジナル時代小説「松平藤九郎始末(五)医療の神髄〜首巻き春貞外伝」をお届けします。
筆を折るなどと公言したこともあったものの今回で23巻目となったが、体力が落ち、視力も極端に悪いし、手指にも難が出ている72歳の爺にこれだけやる気を起こさせるモノはなんなのか?自分でも実に不思議である。


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さて、今回の主なテーマは小石川養生所の腐敗についてである。本時代小説の第一巻はその小石川養生所の開所直前から話しがはじまっているが、すでにそれから時代設定は80余年も経っている。
歴史を好む人にとっては良く知られている史実だが、そもそも小川笙船という町医者が目安箱に投げ入れた訴えに時の八代将軍吉宗が目を付け貧しい人たちのためにと江戸小石川薬園内に小石川養生所が開設の運びとなったのだった。
この養生所の医師たちの葛藤は「赤ひげ」に代表されるように様々な小説や映画、時代劇の題材として使われてきたが、史実として文化文政くらいになるとその施設の腐敗は目に余るものとなっていく…。

この問題には根深いものがあるだけでなく管轄の町奉行所が本腰で事に当たらなかったからか何度も改善策や御触が出たものの現実は一向に良くならなかった。詳しくは本編をご覧いただきたいが、それは医療機関とはいえない酷い環境と待遇になっていったのだ…。
結局紆余曲折の上、明治になって新政府は旧幕府の施設を接収していき、江戸が東京と改められた際に小石川養生所は小石川貧病院と改称されなんとか施療活動を継続したものの、その後小石川貧病院は廃止となり、ここに小石川養生所は名実と共にその幕を閉じることになる。

ただし「江戸の養生所」PHP新書の著者である安藤優一郎氏は、小石川養生所の至らぬ点を単に窮民救済に対する幕府の消極的姿勢に帰することはできないとし、コミュティの問題や、人間社会のより奥深い側面、すなわち、看護・介護という超歴史的な仮題が背後には横たわっていたことを無視することはできないとしている。
このことはある意味で現代の看護や介護にも通じる大変難しい問題を根に持っているといえよう。
さらに安藤優一郎氏は小石川養生所とは「小説や時代劇の世界だけでのものではなく、現代の教訓にすべき江戸の遺産のひとつ」と結んでいる。
志高くスタートした小石川養生所の失敗は決して他人事ではないと…己も高齢者になった一人として書き進めるうちに次々と胸に迫るものがあった。
現在、小石川植物園(正式名称は「東京大学大学院理学系研究科附属植物園」)内に、当時養生所で使われていた井戸が保存されており、関東大震災の際には被災者の飲料水として大いに役立ったという。
ともあれ、ご一読いただければ幸いである。

「松平藤九郎始末(五)医療の神髄〜首巻き春貞外伝」





バリスタの腕にかかってくる繊細な飲み物「カフェ・シェケラート」とは?

毎日数杯のエスプレッソ珈琲を愛用のデロンギ全自動コーヒーメーカーで煎れて楽しんでいるが暑い時は勿論、時には冷たいコーヒーも飲みたくなる。無論市販のアイスコーヒーを買ってくるときもあるが全自動エスプレッソマシンがあるのでイタリアで広く好まれているアイスコーヒーだというカフェ・シェケラートを時々作ってみる…g@my2 。



さて、カフェ・シェケラートとは何かといえばイタリア版アイスコーヒーだが、一般的なアイスコーヒーのように氷が入っていないので飲んでいるうちに薄まってしまうことがない。無論長時間になれば温くなってしまう…。
またカフェシェケラートは、エスプレッソの抽出具合やシェイク具合によって、同じレシピで作っても味が全然違うものになってしまい結構難しい。したがってバリスタの腕にかかってくる繊細な飲み物だというから十分に練習したい…。

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※愛用の全自動エスプレッソマシン


まず全自動コーヒーメーカーの他に用意する道具はコーヒーを抽出するカップ、シェーカー、メジャーカップ、トング、バースプーンそしてカフェ・シェケラートを飲むカップといったところだ。無論コーヒー豆や新鮮な水はコーヒーマシンにセットされているものとするが、さらにグラニュー糖10g程度(好みによる)および氷が必須だ。

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※あらかじめ用意しておく器具などなど


最初にエスプレッソを煎れる。好みもあるがカフェ・シェケラートらしさを出すには豆はエスプレッソでなければならないしドッピオ(ダブル)で抽出するとよい。
デロンギ全自動コーヒーメーカー マグニフィカ「ESAM03110S」の場合なら抽出量を60gに、濃さのダイアルをMAXにしておく。ちなみに抽出量のダイアルには正確なメモリが明記されているわけではないが反時計回りに一番回した点が約20mL、12時の位置が約90mLなので目安にする。
なお濃さのダイアルをMAXにすると一杯抽出時だと豆は約11g、二杯すなわちドッピオだと約14g消費される。これは申し上げるまでもなく標準的なエスプレッソは11gの豆を使い約30mL抽出とされているからだ。

繰り返すが今回はドッピオで煎れるのでコーヒーの濃さはMAXにして二杯抽出ボタンを押す。勿論その前にコーヒーメーカーの抽出口中央にカップを置いておく。
これでアロマも豊かなエスプレッソが60mL抽出されたはずだ。

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※まずはエスプレッソを抽出


シェーカーに氷を半分ほど入れ、そこにグラニュー糖と抽出したエスプレッソを投入しシェーカーの蓋をしっかりと閉めて氷がシェーカーの壁に打ち当たることを意識しながらシェイクする。
要は熱いエスプレッソを急速に冷やすことで芳醇な味と香りを閉じ込めることが出来るわけだ。で空気を含んだクリーミーなクレマも出来上がるというわけ。

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※シェーカーに氷を半分ほどとグラニュー糖を入れる…


グラニュー糖の量は好みと言ってしまえばそれまでだが基本は10g前後といったところか…。そもそもコーヒーが濃いこともあってこの程度の甘さは心地よいはずなのだが、私は今回扱いやすさと保存のやりやすさも考えてスティック型のグラニュー糖を買ってみたが、最近は糖分摂取に神経を使う方が多いのか、ひとつのスティックには3gしか入っていないものが主流のようだ。
ということで三本使ったので9gということになる。また好みでフレーバーシロップを入れてもよい。

金属製のシェーカーが冷え、表面が水滴で曇るようになれば中身も冷えているはずなのでシェーカーを開け、カップに氷が入らないようにコーヒーを注ぐ。このとき最後の方に細かな泡とともにアロマが出てくるはずなので最後まで注ぐことが肝心。

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※お気に入りのイタリア、ボルミオリ ロコ社製のガラス製カップでいただく


使ったカップはイタリアのボルミオリ ロコ社製のガラス製カップだが、カクテルグラスなどを使ってもお洒落だが基本はガラス製の器が似合う。
これでカフェ・シェケラートのできあがりだ。
最後にココアパウダーやチョコレート、あるいはライムなどで飾ったりすればなお素敵である!




小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註「大鳥蘭三郎・解体新書」講談社刊とは

すでに「タートル・アナトミア」「解体新書」「蘭学事始」などなどの復刻版であるレプリカのセット「国公立所蔵史料刊行会編『日本医学の夜明け』」をご紹介した。今回はそれに先立つこと5年前、1973年に出版された講談社刊「大鳥蘭三郎・解体新書」をご紹介してみよう。


近年私のウェブやブログで「解体新書」といった記事が続いたからか、友人知人たちから「今更何で?」といった質問を受けた。実のところ、私が「解体新書」に興味を持ったのはすでに30年ほど前からなのだ。その頃から幾多の書籍や資料を手にして楽しんでいたがちょうどその時期は起業したばかりのときであり、趣味で時間を大きく潰すことは許されない時だったので深く掘り下げることができなかっただけなのだ。

それに是非ともに欲しいと考えていた「解体新書」のレプリカだったが、これまた限られた予算はMacintosh関連に優先せざるを得なかった。
ということで付きつ離れずであっと言う間に30年ほどが経ってしまったというわけだ…。やっとというか、時間だけは十分にあるからと最新の書籍や資料を集め出し、昔欲しかったが高価で買えなかった「解体新書」のレプリカを当然ながら中古で2種手に入れることができた…。

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※小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註「大鳥蘭三郎・解体新書」講談社刊


ひとつには執筆した時代小説の時代設定がちょうど「解体新書」刊行の年代でもあり、事実とフィクションを織り交ぜて杉田玄白や前野良沢、あるいは平賀源内といった登場人物にリアリティを与えようと状況を調べたのも火に油を注ぐ結果となった。

今回ご紹介してみるのはこれまでいくつか「解体新書」の復刻版といった企画があったが、「国公立所蔵史料刊行会編『日本医学の夜明け』」の「解体新書」レプリカと双璧をなすものだ。それが小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註「大鳥蘭三郎・解体新書」である。1973年講談社から「解体新書」刊行二百年を記念しての企画だという。
手元に現物と共に当時のパンフレットもあるので詳しい状況も分かっている。

幾多の情報に寄れば、覆刻原本となったのは慶応義塾大学医学部北里記念医学図書館所蔵のもの。ただし所蔵の「解体新書」は一般に流布されたものではなく二巻にまとめられ判型も少し大きいという。校註の大鳥蘭三郎氏によればどうやら刊行に際して将軍家や宮家に献上するため、特別に刷られたものではないかというが、レプリカは一般に流布している五巻本の体裁をとっている。
そして版木を最初期に使ったであろうからかエッジも陰影も同類のものと比較すると格段にクリアなのが特徴だ。

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※木版もエッジがクリア


さて造本および体裁だが、当時の出版関係者の意欲と執念のようなものを感じると同時に出版不況だとはいえ現在ではなしえない企画に違いない。
造本・用紙・印刷と共に原寸大でオリジナルに忠実に再現しているので観賞用は勿論、研究資料としても最適と謳われている。

まずは桐箱に収められている。その桐箱を開けると袱紗に包まれた帙(ちつ)函があり、その中に「解体新書」五巻がしっかりと収納されているわけだ。
「解体新書」は四つ目綴じと呼ばれる和綴じで表紙は雲母入鳥の子・渋茶、用紙は越前岩野特製和紙が使われている。また補強と装飾を兼ねて背の上下に角布が施されてもいる。そして別途解説書が付属。

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※「解体新書」は五巻構成。それぞれ補強と装飾を兼ねて背の上下に角布が施されてもいる


ちなみに監修は東京大学名誉教授・順天堂大学教授の小川鼎三氏、校註が慶應義塾大学教授の大島蘭三郎氏であるが、お二人ともすでに鬼籍に入られている。そして当時の価格は定価39,000円で限定3,000部が販売された。したがって刊行からすでに46年経っているわけだが、幸いというべきか私が手に入れたものは未使用といっても良いほどに綺麗であり、カビやシミといったものも見当たらない。

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※桐箱に貼られている奥付


ただしカタログと比較して初めて分かったことは入手した際に袱紗がなかったことだった。こればかりは中古なので仕方がないが、雰囲気だけは再現しておきたいと似たようなものを手に入れ組み合わせている。
個人的にはお宝のひとつなのである。



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プロフィール

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員