フラメンコギターとクラシックギターの違い
Macとは違い、これまで5本程度しか買ったことのないギターだが今般やっとフラメンコギターを手にすることが出来た。普及品クラスのものだが私には十分なものである。しかし女房は「今持っているクラシックギターとどこが違うの?」と問いつめる(笑)。
まあ普及品といっても一応スペイン製だし、定価ベースだとiMac G5あたりが買える価格なのだから、形がほとんど違わないクラシックギターがあるのに同じようなものを何故買うのかという疑問はもっともだ(笑)。ましてやMacと違いG3からG5に買い換えたような著しい恩恵はない(爆)。


※Juan Hernandez製(スペイン/バルセロナ) フラメンコギター(上)とそのサウンドホール部のモザイク(下)。渋いけどなかなか良い仕事をしている
いま愛用のクラシックギターは何と30年以上も前に池袋の東口にあったヤマハ楽器で買ったものだがまったく狂わないしクラシックギターとしては鳴りもよい。私は物持ちが良い方ではないがこのギターだけは使い続けてきた。勿論大小の傷は多々あるが大事に扱ってきたこともあってか期待に応え続けてくれる。
一時期金回りの良いときにホセ・ラミレスという高級フラメンコギターの中古を手に入れたがスタイルから入るという性格が災いしてか(笑)、らしさを重視し糸巻きが木製ペグ式を手に入れたために調弦にいつも手間取り続け、ついに手放してしまった(^_^)。したがってその後、古いクラシックギターにゴルペ板を張ってクラシックとフラメンコギター兼用としていたわけだが正直音が違うのである。
フラメンコギターは弦がびびっても良いしノイズが入ってもあまり気にしない。どちらかといえば金属的で立ち上がりが早く乾いた音が好まれる。したがってクラシックギターの余韻を持った重厚な美しい音では気分が出ないのだ。
この違いはどこから来るのかといえば構造と材質による。外から判別できる範囲の話しとしてご紹介するならフラメンコギターの胴の厚みはクラシックのものより薄くできているのが一般的だ。事実手持ちのクラシックギターの一番厚い箇所は約105mmほどだがフラメンコギターは95mmだった。また私のギターではボディの幅も若干フラメンコの方が小さい。
また材質面からいえばギターで一番重要な表面板は今回求めたフラメンコギターでも松の単板でありクラシックのものと大差はない。しかし側面と裏面の材質は大きく異なる。

※左がクラシックギターだがフラメンコギターの方が厚みは薄く側面の材質の違いがよく分かる
側面と背面の材料はクラシックギターの場合、高級品ならハカランダやローズウッドといった堅い木材を使い、重厚でボリュームのあるノイズのない音を求めるのに対してフラメンコギターはシープレス(糸杉)と呼ばれる材質を使い乾いた立ち上がりの良い音を作り出す。これはもともとフラメンコギターはバイレ(踊り)やカンテ(歌)の伴奏を受け持つ役割として発達したものだったことから良い音というより、パルマ(手拍子)やサパテアード(足を踏み鳴らす)はもとより歌といった諸々の音の中で歯切れというか抜けが良い音でないと目立たなかったのではないかとも考えられる。 そして奏法上からもゴルペ板というプラスチックの薄い板を表面に貼る...。
最近のコンサート会場などによるフラメンコギターの独奏では良い音をも求めるためにクラシックギターの材料を使ったいわゆる両用タイプのギターなども作られるようになったが一般的には先に記したように側面や裏面の材質にはシープレスが使われる。
また細かなことになるがフレットと弦の間の距離(弦高)もフラメンコギターは低く大きな音を出すとビビるすれすれの調整をする場合が多い。そして愛用のクラシックギターの弦長が658mmほどなのだがフラメンコギターは650mmの楽器を求めたので総合的にはクラシックより軽くそして弾きやすいのだ。
すでに故人となってしまったがフラメンコギターのコンサート・スタイルを追求した名匠マヌエル・カーノは「クラシックギターとフラメンコギターがあるのではない。良いギターと悪いギターがあるだけだ」という意味の発言をしたというが明言である。しかしそれは「弘法筆を選ばず」的な意味合いの、高みに登った人のみが言えることに違いない(^_^)。
私のような凡夫はやはりスタイルから入り、自分自身を納得させて高揚させなければなかなか上達しないのである(笑)。
さて今夜はそのマヌエル・カーノの演奏でも聴きながら原稿を書こうか...(爆)。

※マヌエル・カーノ「フラメンコ・ギターの光と影」TOCE-6536
まあ普及品といっても一応スペイン製だし、定価ベースだとiMac G5あたりが買える価格なのだから、形がほとんど違わないクラシックギターがあるのに同じようなものを何故買うのかという疑問はもっともだ(笑)。ましてやMacと違いG3からG5に買い換えたような著しい恩恵はない(爆)。


※Juan Hernandez製(スペイン/バルセロナ) フラメンコギター(上)とそのサウンドホール部のモザイク(下)。渋いけどなかなか良い仕事をしている
いま愛用のクラシックギターは何と30年以上も前に池袋の東口にあったヤマハ楽器で買ったものだがまったく狂わないしクラシックギターとしては鳴りもよい。私は物持ちが良い方ではないがこのギターだけは使い続けてきた。勿論大小の傷は多々あるが大事に扱ってきたこともあってか期待に応え続けてくれる。
一時期金回りの良いときにホセ・ラミレスという高級フラメンコギターの中古を手に入れたがスタイルから入るという性格が災いしてか(笑)、らしさを重視し糸巻きが木製ペグ式を手に入れたために調弦にいつも手間取り続け、ついに手放してしまった(^_^)。したがってその後、古いクラシックギターにゴルペ板を張ってクラシックとフラメンコギター兼用としていたわけだが正直音が違うのである。
フラメンコギターは弦がびびっても良いしノイズが入ってもあまり気にしない。どちらかといえば金属的で立ち上がりが早く乾いた音が好まれる。したがってクラシックギターの余韻を持った重厚な美しい音では気分が出ないのだ。
この違いはどこから来るのかといえば構造と材質による。外から判別できる範囲の話しとしてご紹介するならフラメンコギターの胴の厚みはクラシックのものより薄くできているのが一般的だ。事実手持ちのクラシックギターの一番厚い箇所は約105mmほどだがフラメンコギターは95mmだった。また私のギターではボディの幅も若干フラメンコの方が小さい。
また材質面からいえばギターで一番重要な表面板は今回求めたフラメンコギターでも松の単板でありクラシックのものと大差はない。しかし側面と裏面の材質は大きく異なる。

※左がクラシックギターだがフラメンコギターの方が厚みは薄く側面の材質の違いがよく分かる
側面と背面の材料はクラシックギターの場合、高級品ならハカランダやローズウッドといった堅い木材を使い、重厚でボリュームのあるノイズのない音を求めるのに対してフラメンコギターはシープレス(糸杉)と呼ばれる材質を使い乾いた立ち上がりの良い音を作り出す。これはもともとフラメンコギターはバイレ(踊り)やカンテ(歌)の伴奏を受け持つ役割として発達したものだったことから良い音というより、パルマ(手拍子)やサパテアード(足を踏み鳴らす)はもとより歌といった諸々の音の中で歯切れというか抜けが良い音でないと目立たなかったのではないかとも考えられる。 そして奏法上からもゴルペ板というプラスチックの薄い板を表面に貼る...。
最近のコンサート会場などによるフラメンコギターの独奏では良い音をも求めるためにクラシックギターの材料を使ったいわゆる両用タイプのギターなども作られるようになったが一般的には先に記したように側面や裏面の材質にはシープレスが使われる。
また細かなことになるがフレットと弦の間の距離(弦高)もフラメンコギターは低く大きな音を出すとビビるすれすれの調整をする場合が多い。そして愛用のクラシックギターの弦長が658mmほどなのだがフラメンコギターは650mmの楽器を求めたので総合的にはクラシックより軽くそして弾きやすいのだ。
すでに故人となってしまったがフラメンコギターのコンサート・スタイルを追求した名匠マヌエル・カーノは「クラシックギターとフラメンコギターがあるのではない。良いギターと悪いギターがあるだけだ」という意味の発言をしたというが明言である。しかしそれは「弘法筆を選ばず」的な意味合いの、高みに登った人のみが言えることに違いない(^_^)。
私のような凡夫はやはりスタイルから入り、自分自身を納得させて高揚させなければなかなか上達しないのである(笑)。
さて今夜はそのマヌエル・カーノの演奏でも聴きながら原稿を書こうか...(爆)。

※マヌエル・カーノ「フラメンコ・ギターの光と影」TOCE-6536