ラテ飼育格闘日記(60)

ワンコはリーダーを中心に群れを作って生活する動物であり、仲間たちとは序列を形成することでトラブルを極力防いでいるようだ。しかしワンコは飼い主はもとより人間のことをどのように認識しているのだろうか? 


ワンコ同士の遊びの中でも主導権争いみたいな行動を多々見かける。一見マウントするように相手の背中に乗ろうとしたり、前足を相手の肩や首回りなどにかけるなどという行動は「僕(私)の方が上だぞ」という意思表示と考えてよいらしい。勿論それを相手のワンコが認めるかどうかはまた別の問題だが、ラテの行動をよく観察していると細かな行動ひとつを取っても仲間のワンコに対してきちんと序列を作っているように思える。 
ラテが公園デビューしたときから一緒だったワンコとはほとんどトラブルは起こさない。おやつも一緒に大人しく食べるし、ペットボトルの小さな口に3匹も仲良く口を付けて水を飲んだりする。時にラテは友達のワンコに優先順位を譲ったりもする。しかしそれが最近仲良くなったワンコに対しては態度が違うのである。 
遊ぶとき、何のトラブルもなく仲良く走り回り身体をぶつけ合っていた相手でも事が食べ物や飲み物となれば話は違ってくる(笑)。さっきまであんなに仲良く遊んでいた相手と今にも噛み合いになりそうなほど「ガルルルル...」と威嚇をし吠え合ったりする。まったく油断のならないワンコ関係なのだ...。 

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※散歩の途中、ラテが立ち止まって見上げた木はまるで歯をむいているように見えた(笑)


オトーサンが最近興味を持って観察しているのは対ワンコより人間に対するラテの接し方である。ワンコによってはワンコなのに犬嫌いであるとか飼い主以外の人間を寄せ付けないというケースもあるようだが、ラテは基本的にワンコに対して八方美人的な対応を見せるが、人間に対しての反応・態度が面白くて興味深い。 
先般「ワンコは子供が苦手」といったことを書いたが、ラテはメチャクチャ子供に良い反応をする。良いというのは、向こうから小学生が一人あるいは数人歩いてくるとまるで遊び仲間に出会ったようにシッポをブンブン振り、ふせの状態のままほふく前進で近寄ろうとする。 
ただし残念ながら子供たちの多くが「犬は怖い」と思っているようで、近寄って撫で撫でしてくれるようなケースは少ない。一般的には身を引いてラテから遠ざかっていくが、そんなときラテは「クウ~ン」と寂しそうな声を上げ、いまブルンブルンとシッポを振って大歓迎したことがさも恥ずかしいというような照れた表情をする。オトーサンには「えへっ...ふられちゃったあ」と言っているように見える。 
ただし向こうから歩いてくるのが中学生くらいになるとあまり興味を示さない。また大人に対してはワンコ連れの人はともかく初対面の人が声をかけてきてもまずは警戒して吠える。そのコントラストが面白い...。 

さて、先日珍しいことがあった。夕方の散歩の途中で小学校の前を通るが、時間帯によっては多くの下校生たちとすれ違う。その大半は前記したようなラテの過激な近寄り方に恐れをなして逃げていく(笑)。中には「可愛い!」と言ってくれる子もいるが触ったり撫でたりするまでには至らなかった。ラテは期待が大きいだけに悲しい声を上げながら遠ざかっていく子供たちを見ている。あるときには座り込んで駈けていく子供たちの後ろ姿を眺めている。そんなとき女の子3人と男の子3人のグループに取り囲まれた。 
「あっ、ラテだろうお前...」と男の子の一人が言う。どうやらいつもの公園で一二度会ったことがあるらしい。オトーサンはリードを短くし、強く引いてラテの行動を制御するが、ラテは大喜びで早速お腹を出して転がった...。女の子たちも「可愛いねぇ」と座り込んでそのお腹を撫でてくれる。ラテはもう嬉しくてタマラナイ表情をして口を開きキョロキョロしていたが、完全にお腹を出したまま突然オシッコをしてしまったのである(笑)。驚喜のあまり興奮してしまったいわゆる「うれしょん」のようだが、幸いオシッコは自分のお腹や足を濡らすだけで子供たちを汚さなかったから良かったもののオトーサンはその初めての光景を何故か感激しながら眺めていた。 
子供たちと別れたとき、ラテの表情はさも「わたし...取り乱しました」とテレているようで可愛かった。 

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※公園から戻ろうと空を見上げると月が「ご苦労さん」と言っているように輝いていた


前にも書いたが、ワンコがお腹を出すのは服従の意思表示と言われている。またオシッコを漏らす行為も本能的な服従を示す行為だとされている。確かにワンコ同士ではそうなのだろうが相手が人間の場合は到底服従だけのサインとは思えない。なぜならワンコ同士が出会った際に「私はあなたと喧嘩するつもりはないのでやさしくしてください」という意味でお腹を出すことはあるだろう。しかしラテは子供たちを見ると喜んで近づき、相手をしてくれると見るやごろりとお腹を出す...。 
ワンコも人も見も知らずの相手に進んで服従を示す行動はとらないだろう...。だから初めての子供たちに次々と近づいて「服従します」と言い寄るとは考えられないと思うのだ。したがってラテの行動形態そのものは服従と同じではあるが、ワンコが表現出来うる方法として精一杯の喜びを表し、危害を加えないから遊んでくださいという積極的なアピールと考えられるのではないだろうか。 

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※小さな出窓のたたきに陣取って道行く人やワンコに吠えるのが楽しみなラテ(笑)


これまた先日も小学校の前にある2メートルほどの土盛りされている場所に女の子が立っていた。下にいる子と遊んでいたようだが、ラテの方を見下ろす形になった。それに気がついたラテは後ろ足だけで立ち上がってその子に興味を持ったことを示し、ハアハアと口を開けて喜びを表した。勿論女の子が下りてきて遊んでくれるのではないかと期待したのだろう。しかし女の子はその位置を動かず十数秒の間、ラテとお見合い状態になった。 
最終的に女の子は無言でラテから視線を外し友達の元へと走り去ったが、ラテの残念そうな態度を見るとオトーサンは何だか自分の子供が仲間はずれにされ悲しんでいるように思えて甘酸っぱい気持ちになるのだった。 
それに正直な話し、何も行き交う小学生たちのすべてに愛嬌を振りまくこともないだろうに...と思うのだ(笑)。それではまるで愛情に飢えているようではないか...。日常可愛がってはいないみたいではないか...。ラテのアイコンタクトを受けながらオトーサンの心には愛しさと共にちょっぴり嫉妬が渦巻いて何とも言えない複雑な気持ちになる。 
しかし愛犬に嫉妬するオトーサンって...一体何者なんだろうか(爆)。

ラテ飼育格闘日記(59 )

ラテが前足を噛まれてから10日が過ぎた。オトーサンはリードを引いていた立場だから、あのときもう少し早く気づけばラテに痛い思いをさせずに済んだのにと自責の念に駆られている...。ともかく傷を負ったラテにとって辛い一週間だったに違いない。 


ラテは肉球のひとつが割れたように裂け、その位置の足の甲にも傷を負った。単純な比較はできないものの我々人間なら足を釘で打ち抜かれたような感じにさえ思える。しかし程度はともかく歩かないわけにはいかないのでオトーサンは心配でタマラナイ...。 
なにしろお座りをさせると左前足を上げたままとなる。最初からお手をしているようにも思えるし招き猫ならぬ「招き犬」のようでもあり可笑しいが...笑えない。 

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※1月17日の朝、公園の一部にはうっすらと雪の跡があった。ラテにとっては初めての雪だ


病院で抗生物質の注射をした後、処置としては3日分の薬をもらってきた。朝晩の食事の際に飲ます錠剤である。その他イソジンという消毒薬を渡され、散歩の後で傷口を消毒せよということだ。イソジンという薬液は我々にも馴染みの薬で”うがい薬”としても使っている安全性の高いものらしい。 
一般的にワンコに薬を飲ますのは大変だというが、幸いラテは食事に混ぜておくと気にせずそのまま食べてくれるので楽である。問題は散歩の後の消毒だった...。 
医者いわく肉球部分は消毒しなくてもよく(効果がないから?)甲の傷を消毒するようにとのことだったが、肉球の傷口も一応消毒を試みている。しかしそもそも散歩で付着した泥を拭くのも痛がるので大変である。普段のラテは肉球を拭いたり、肉球の間や爪の間を拭いても暴れたり怒ったりすることはない。したがってオトーサンは濡れた雑巾でゴシゴシと擦る...。しかし問題の足はそうはいかない。 
傷を負っていない肉球だけ拭こうとしてもやはり痛いのだろう。歯をむき出して「ガウ!」と威嚇するが勿論オトーサンの手ではなく雑巾に対してである。痛がらない範囲で汚れを落としてからイソジンを綿棒で塗ろうとするが、下手をすると塗る側から舐めてしまう(笑)。したがってオヤツで気をそらせながら薬を塗り、最低限乾くまでオトーサンが手を握っていることにする。しばらくはオトーサンとラテの根比べだ。 

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※散歩の後で傷を負ったラテの左前足を消毒しているところ


傷を負った翌日からラテを公園に連れて行った。今回のことが変なトラウマとなり、ワンコと遊べなくなっては困るという気持ちもあったからだがラテは足を引きずりながら黙々と歩く。片足をまともに地につけられないから肩が上下して揺れる。そんな歩き方をしながらもたまにアイコンタクトし、オトーサンが大好きなオヤジ殺しの笑顔を見せるのだから思わず涙ぐんでしまう(笑)。 
常連のお仲間からは「どお...ラテちゃん大丈夫?」とか、「やっぱり足かばってるね...」といった声をかけてくださる。さすがにラテも足が痛いのだろう、遊びたい気持ちと裏腹にブレーキがかかっているようだ。本来ならここで最低3, 40分は仲間と駈けたり取っ組み合ったりするわけだが今日は大人しい。たまに馴染みのワンコと問題の足をかばいながら形だけガウガウとやってみたりするだけだった...。 

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※左前足をかばいながら柴犬のポン吉くんと遊ぶラテ


喧嘩をしたワンコの姿も見えなかったし、早々に引き上げることにした。公園の真ん中付近でラテを抱き上げるとラテはいつものように両腕をオトーサンの肩に回し、前足に力を入れてしがみついてくる。ラテの爪が引っかかるのかダウンジャケットに当たると「プチプチ」と音を立てる。オトーサンが力を入れて抱きしめると嬉しそうにオトーサンの口元をぺろりと舐めてくれた。 

その日は薬が効いているのか通常よりも早めに眠くなったようなのでハウスに入れたが、夜半になって突如「キャンキャン!」「ウォ~オ~ン」と吠えた。この鳴き方は物の本によれば「寂しいよお!」とか「誰かいない!?」といった意味だというが、寝てからこんな鳴き方をすることはほとんどないので女房と2人急いで駆けつけハウスのドアロックを外した。足から出血したとかお腹の具体が悪くなったのかと心配したが、ラテはハウスの外に出て着替え中だったオトーサンのだらしない寝間着姿を見てキョトンとしている...(笑)。特に具合が悪い様子はなく、可哀想にどうやら悪い夢でも見てうなされたらしい。女房が軽く抱えてやると安心したのか水を一飲みしてから自分でハウスに入り、再び眠りについた。 
ワンコを飼っている方はよくご存じだがワンコも夢を見る。ラテの場合、今回のように大きく吠えることはあまりないが「ウフッ...」などと小さな声を出したり、足を動かしたりすることがある。多分オトーサンと走っている夢とか叱られている夢でも見るのだろうが(笑)その夜は痛みもあって怖い夢でも見たのではないだろうか...。 

一週間は毎回の散歩も短めにして済ませたが、幸い6日目あたりになったら足の引きが目立たなくなった。大分楽になったようだ。しかし肉球の傷が塞がったわではなくまだ割れたままなので無理をすれば痛みが生じる可能性もあるので油断はできない。 
今回のことで足の傷は治っても心の傷は大丈夫なのだろうか...。そんなことを心配しながらオトーサンは今日もラテと散歩に出るのであった。

ラテ飼育格闘日記(58)

ラテの夢を2日続けて見た...。初日の内容はまったく記憶が曖昧模糊として思い出せないもののオトーサンの気持ちを疲れさせるものだったことは確かだ。そして2日目の夢はこれまた曖昧だが何かの出来事でラテと離ればなれになった夢だった。 


夢の話などしてもあまり意味はないかも知れないが、オトーサンの深層心理に何らかの不安材料が巣くっていたのかも知れない。初日の夢はそのほとんどを思い出せないが、確実なのはハッピーな夢ではなかったことだ。ラテに関することでオトーサンが心配しているといった夢で、いわゆる寝覚めのよくない夢だった。 
これに比べると2日目の夢は少し覚えている。何かの事件がありオトーサンはラテと離ればなれになってしまうのだ(笑)。オトーサンはラテと別れた場所付近を探し回り、やっと木製の大きな門みたいなところにつながれているラテを発見する。そのラテの毛が明るいオレンジ色に輝いていたこともはっきり記憶に残っている。巡り会った2人は抱き合って喜ぶが、その温もりとオトーサンの左肩に乗ったラテの表情が夢とはいえ妙にリアルに思い出せる。ラテは喜びと安心感からかうっすらと涙を流していたと思う...。 

まあ、これは夢の話だからしてその後何にも無ければ忘却の彼方に忘れ去られるわけだが、今回はちょっと正夢っぽいことがあったので思い出した次第。 
後付の理窟になってしまうが、何か異変の前兆と思われることがあった。それはラテが我が家に来て初めて散歩を一回休んだことだ。これまで時間的な前後はあっても朝晩の散歩は台風でも休んだことはなかった。それが1月7日の午後になって雨がぱらつき、夕方の散歩に出かける時刻には本降りとなっていた。しかし雨でも散歩を休まないのがオトーサンとラテの契約である(笑)。とはいえ正直にいえば、この数週間オトーサンの足首と膝に痛みがあり、風呂でマッサージしたりしながら我慢して散歩を続けてきた。だから本音は一日、いや一回くらい休みたいな...そうすれば足の疲れも取れるかもしれないなどと頭のどこかで考えていた。 

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※散歩の途中で眺めた新春に相応しい朝焼けの赤富士


簡単なレインコートを着せて玄関のドアを開け外に出る。しかしラテの行動がどこかいつもと違うと思ったら、いま閉めたドアの隙間をクンクンし、片手をかけているのだ。「あれっ、行きたくないのかな」と思いながらオトーサンが施錠前のドアを少し開けるとどうしたことかラテは進んで玄関に入ってしまった(笑)。 
ラテはどうやら出たくない意思表示だし、雨も降っているし、オトーサンの足も痛い。ということで初めて散歩の一回ぬかしを決め込んだのだった。なんて親思いの娘だと思いながらも首を傾げたオトーサンだった...。 

翌日の朝は勿論、夕方の散歩もラテは元気よく飛び出した。しかしラテにとってこれまで経験したことのないアクシデントが待っていた! 
いつもの公園にはお馴染みのワンコたちが集まってきた。ラテも相変わらず飼い主さんたちの間をご機嫌伺いに回りつつ、オヤツをいただいていたりする。しばらくするとこれまで遊んだことのないワンコがリードもなくラテの前に現れた。遊び仲間ではなく以前にもガウガウと威嚇をしあったワンコだからラテのリードを引こうとした間一髪噛み合いになった。ラテのリードを引いたものの相手はフリーだったので制御ができなかった。逆にリードを引いたためにラテは思い通りの防御も反撃もできなかったと思われる。問題は引き離したときラテは「クーン」と声を上げた...。見ると左前足を上げておりその先端には明らかな出血があった。ラテにとって遊び中の甘噛みではなく本当に噛まれるという初体験となった。 

オトーサンはウェットティッシュを取り出してラテの足先を包み、取り急ぎの泥や血をぬぐったが軽く握ると血が垂れてくる...。見ると肉球のひとつが割れ、その上部にも傷があり出血は足先の甲からが多いことが分かった。変な言い方だがその真っ赤な血を見て、あらためてラテはオトーサンと同じ生き物なのだという思いを強くした! 
こんなことはオトーサンとしても初めての体験だったが、ここは冷静に処置しなければならない。ともかく血が止まるかどうかを確認し念のため動物病院に直行しようと決心する。心配してくださるお仲間に挨拶してからラテを抱き上げたが、彼女の傷ついた前足は新調のダウンジャケットの肩に触れ血が付着する(嗚呼...)。そのまましばらく抱いて歩くが娘の重さはとても病院まで抱き続けることなど無理である(笑)。そっとラテを下ろすと噛まれた足をかばいながらも歩き始めたのでともかく病院に向かった。 
ワンコは我慢強いと聞くが、ラテはその後ひと言も発せずもくもくと歩いている。しかしオトーサンが差し出すニボシには見向きもしない。やはり痛いのだろうか。 

病院までゆっくりと20分ほど歩いたが、おかしなものでラテは病院のドアを開けると嫌がりもせずに入っていく。予防注射のときや下痢の時、健康診断のときなどなどこれまですべて入り口で座り込み入りたくないという意思表示をしたが今回は素直に入っていく...。やはりこの娘にはどこに何するために来たのかが分かっているものと思われる。 
レントゲンを撮ったが幸い骨に異常はなかった。甲の傷回りの毛を剃って手当をしてもらう。そして抗生物質の注射をされる。その間ラテは多少もがくが、医者を威嚇したりすることがないばかりかひと言も発しない。押さえてくれた担当の女性が「いいこねぇ」と言ってくれるほどだった。 
薬の出るのを待っていたとき、ラテが診察台の上で立ち上がりオトーサンに抱きついてきた。勿論オトーサンはしっかりと抱いてあげたが、左肩に置かれたラテの顔を見るとその目が潤んでいた...と瞬間...あの夢を思い出したのである! 
まあ、夢や記憶は正確に覚えていると言うより再構築されるものだという説もあるから、文字通りの真実は自分でもわからない。しかしオトーサンは夢の中で抱き合ったラテといま現実に抱っこしているラテの感触とがまさしくオーバーラップし、ちょっとした衝撃を受けたのだった。 

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※いつものカフェでは野鳥が足元近くまで飛来する(上)。そのテラスで美味しい臭いに眼を細め鼻を鳴らすラテ(下)


ラテの怪我はワンコ同士のやることだから目くじらを立てることではないが、今後は噛まれないようオトーサンが一層注意しなければならないし、逆に他のワンコを傷つけることなどないように心がけたいと思う。 
今日もラテは前足を引きずりながら歩いている。そしてお座りのときには問題の左前足を上げたままだ...。まるでずっとお手をしているように(泣)。

ラテ飼育格闘日記(57)

2008年元旦...オトーサンたちは何と午前5時に置き、ささやかなおせち料理と雑煮を食べて近所の公園に向かった。勿論ラテを連れてだが、公園で馴染みの飼い主さんたちと共に日の出を拝もうという趣向であった。 


天気は快晴だったが時間的に散歩途中はまだ真っ暗である。そして何よりも寒い...。外灯をたよりにいつもの散歩道を通って公園に入る。広い公園一面は暗くてよく分からなかったものの、厚い霜で覆われているようで歩く度にサクサクと乾いた音を立てる。 
さぞやラテも足が冷たいのではないかと思うが、そこはワンコだ...。元気に歩き霜柱のところに座り込んだり、霜をバリバリと食べたりしている(笑)。 

さて、公園で新年のご来光を拝もうと思ったのはオトーサンの発案ではない。実はラテの友達であるマキちゃんのオカーサンから聞いたことで、今年も元旦に公園に出向くという。それならオトーサンもラテを連れて便乗しようと思った次第である。 
実際に公園につき、しばらくするとそのマキちゃんや、これまた毎日ご一緒するハリーちゃんも姿を見せる。皆さん正月...それも元旦に早起きして出かけられるのだから大変なことである。 
マキちゃんのお母さんからラテにお年玉(ワンコ用のおやつ)をいただいた。ラテは飛びつくように欲しがるが、これは帰ってからにしようとオトーサンが預かることに...。 
回りが少し明るくなってきたので気づくと他にも数組公園を囲むようにして日の出を待っている人たちがいるのに気がついた...。 

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※公園の空が白み始めた...


時刻は午前6時40分近くになり、空は白々と明けてきたもののまだ外灯は点いているし、向こうに見える自動販売機が妙に存在感を持って光っている。そうした静かで荘厳な雰囲気をラテの吠え声は無惨にも壊す(笑)。どうもいつもと様子が違うこともあるし、そもそも知らない人たちが数人後ろにいるというのが気に入らないらしい。まったくもってうるさい娘だが、大好きなマキちゃんやハリーちゃんと遊んでいるときは静かなのだ。そして、あたりが明るくなってきて分かったが、やはり公園一面が霜で真っ白だった。 

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※公園は一面霜柱に覆われている。オカーサンはラテの足が冷たいのではと心配して抱き上げる(笑)


7時近くになると太陽が木々の間をぬって顔を出し始める...。Xactiを左手で構えて写真を撮るが、手袋をしていても指が凍えて感覚がなくなってくる。小さなホカロンをオカーサンからもらって手袋の中に押し込むが、見る見るうちに太陽は遠方のシルエットの風景から離れ登ってくる。その日差しの明るいこと! 
明るさだけでなく日差しを受けてオトーサンの身体もほのかに温かく感じてくる。お天道様の威力は凄い。 
朝日に照らされたすべてのものが凍り付いた地面に長い影を落とし、次第に黄金色に変わっていく様はなかなか見応えがあった。 

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※6時過ぎにご来光を仰ぐことができた!


そうして飼い主が小さな感慨に浸っているとき、ラテやマキも一瞬朝日を見つめているような振る舞いを見せる。やはり飼い主の視線が気になるのだろうが、すぐに取っ組み合ったり甘噛みし合い落ち着かない。来迎シーンもワンコには退屈だけなのだ(笑)。 

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※登る朝日をラテはマキちゃんと仲良く眺める...


オトーサンは朝日に手を合わせ「今年もオカーサンならびにラテと共に健康で仲良く過ごせますように...」「世界が平和でありますように...」と念じた。 
ラテと一緒の正月は今年で二度目だが、昨年はラテを迎え入れたばかりで何が何だか分からないうちに過ぎてしまったから、それなりにゆっくりできた正月は初めてといってよいのかも知れない。 

散歩から戻り、郵便ポストを見ると一時期よりはずっと少なくなったものの年賀状が届いていた。オトーサンがミカンの皮をむきながら年賀状を一枚一枚眺めているとラテが寄ってきてミカンをくれという。そういえば、ミカンの皮は散歩途中で拾い食いしたことがあったが、ミカンそのものを食べたことはなかったはずだと一房つまんでラテに差し出した。 
しかしさすがのラテも鼻でミカンを転がしているだけで食べようとしない。オトーサンは笑いながら先ほどいただいたラテのお年玉を開封しボーロを取り出すがラテの反応はすこぶる良く、あっという間に掌に乗せた数粒を平らげた後でオトーサンの鼻面をチョロッと舐めた...。

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プロフィール

mactechlab

Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員