ラテ飼育格闘日記(278)
動物病院から狂犬病予防接種案内が届いた。すでにそんな季節になった…。そういえばオトーサンが子供の時代はワンコといえば野良犬と同義だと思われていたフシがあるほど野良犬が多かったし、それなりの屋敷で飼われているワンコだとしてもそのほとんどはいわゆる外飼いで、庭の隅に作られた粗末な犬小屋で寝起きしていたものだ。しかし現在では大型犬も含めて多くのワンコは室内で飼われている。
ラテを眺めていると時々ふっと子供の頃に遊んだ数匹のワンコを思い出すことがある。無論遠い昔の事だからどんな犬だったか詳しい記憶はないが、長いざらっとした舌で顔を舐められた感触は不思議なくらいにリアルに思い出せるのだ。
とはいえオトーサンの子供時代、特にワンコと仲が良かったということではない。いま思えばまるで人間の子供たちと同じような感覚でいつもそばにいる存在だった。特に意識することもないがさりとて虐めることもなくいつも自然な形で子供たちとワンコは一緒に遊んでいた。
そんなことを思い出しながらラテの寝顔を眺めていると、ワンコにとって四六時中飼い主と一緒に生活することが本当に嬉しいことなのか…と考えてしまう。無論ワンコの性格にもよるだろうが、ラテなどリードを外して「どこに行ってもいいぞ」などと解放したらきっと戻ってこないのではないかと思う(笑)。いや少なくともお腹が空くまで自由気ままに好きな場所で好きなだけ過ごすのではないかと思ってしまう。
人間と同様に生活環境が良くなり、食生活も充実し、そして医療も進んだからワンコも長生きするようになったが、いまから思えば子供時代に遊んだワンコたちのほとんどはフィラリアかなにかで4,5歳で死んでいたに違いない。
今のワンコは狂犬病はともかくフィラリア予防のよい薬もあるし混合ワクチンの接種など病気予防が可能だから大型犬でも10年以上生きるワンコも珍しくはない時代になった。しかしやはりワンコの寿命は人と比べると極端に短いのは事実で、ラテを眺めていてもこの数年で随分と顔が変わっただけでなく体毛の色も違ってきたようだ。
特に目立つのは口の周りで、もともとラテは口の周りは真っ黒だったが、最近では白い物が目立つ…というよりかなり白くなってきたし、首の周りの毛も幼犬時代は真っ黒で、伸びてくると鍾馗様みたいだからと美容室で短く切ってもらったほどだが、最近は茶色となり目立たなくなってしまった。

※当然なのだろうが、ラテの顔つきも毛並みの色も当初と随分変わってきた
オトーサンは足は痛いし右腕の肘が痛くて難儀をしているが、ラテも例え長生きするとしてもすでに人生の1/3は過ぎた勘定なのだから毎日を健康に楽しく過ごしてもらいたいと考えて無理をしているオトーサンなのである。
とはいえいくらオトーサンが頑張ったところで毎回の散歩をラテ側から見て充実することはなかなか出来得ない。天気の問題もあるしオトーサンの都合や健康の問題もある。そして夕方の散歩に限っても経験上やはりお仲間のワンコと会ったり、その飼い主さんあるいは馴染みの子供たちと行き会った日は帰宅時の歩き方が違うのだ(笑)。
そして自宅に戻り、オトーサンに身体を綺麗にしてもらうとやはりそれなりに疲れ、満足するのかすぐに横になって静かに目をつむってしまう。しかしいつもの広い公園に行っても1時間ほどの間、鼻をつき合わせる友達ワンコや子供たちに出会わない日も多くなったが、そうしたときの帰り道はラテの足取りは重い…。

※久しぶりにラテと滑り台に挑戦する。すでにラテは怯えることなく平常心だ(笑)
オトーサンもそうした時にはいつもと違った道を通ったりと少しでも楽しかったと思ってもらえるように気を遣うが、先日の月曜日は見事というか、本当に1時間ほどラテは公園に腹ばいになって待ち続けたものの子供たちもそして知り合いのワンコも絶無だった。見かねたオトーサンは河岸を変えてコーヒーショップにでも連れて行こうとリードを引くがどうしたわけかラテは頑としてその場を動かない。
ラテは腹ばいだからよいがオトーサンはその草むらに座り込むわけにもいかず、ずっと立ち往生だった…。そんなときはラテの口元に煮干しを差し出しても食べないのだから面白い。やはり気持ちが落ち込んでいるのだ(笑)。

※散歩が面白くないときは室内で不満を発散(笑)。オトーサン考案のボールとガムを組み合わせたものをラテは上手に両前足でさばきながら遊ぶ
だと思うといつもは出会わない昔なじみのワンコたちに次々と出会うという珍しい日もある。
前記したまったく知り合いと出会わなかった日の翌日、オトーサンとラテは同じ公園に入ったがやはり誰もいなかったからその公園を突っ切って先にある小さな公園へと向かった。でないとまた同じ場所でずっと待たされるのは辛いと思ったからで、まだゆっくりとでも歩いていた方が気が紛れる。
中学校の裏門を抜けたあたりまで来たら、2週間ぶりだけろうかオカーサンに連れられた黒柴のクロちゃんと出会った。ラテとクロちゃんもすでにお互い昔みたいに顔を突き合わせると駆け回ることはなくなったが、それでもラテが吠えたり唸ったりしない数少ないワンコなのだ。
クロちゃんのオカーサンと挨拶し、そのままなりゆきでラテはクロちゃんと一緒の道を歩き出す。オトーサンもお話し相手がいると足の辛いことも忘れられるのでクロちゃんのオカーサンと世間話をしながら散歩を続けた。
ふと前方にボストンテリアのボビーちゃんがオトーサンに連れられてこちらに歩いてくるのが見えた。ラテはボビーちゃんとは遊ばないがオトーサンが大好きですでにお尻ごと尻尾が揺れている(笑)。
ボビーちゃんは先週に避妊手術を受けたとかでお腹の傷はちょっと痛々しい。それでも元気そうで安心したが、ラテはボビーちゃんのオトーサンの膝に前足を乗せて口元を舐め始めている…。
ボビーちゃんと会うのも久しぶり…としばらく立ち話をして分かれた後、数メートルほど歩いたら今度はコーギー犬のアポロちゃんがこれまたオトーサンに連れられて登場。アポロちゃんもクロちゃんたちと同様、ラテが公園デビューした当時からの友達ワンコなのだ。
アポロちゃんの姿が見えなくなったころ、ラテは砂場で落ちていたボールを使って一人で駆けずり回っている。砂場の感触が好きなのだ。
しばらくするとクロちゃんも珍しくラテに向かって遊びのポーズを取り「ウウ〜」と挑発している。ラテもそれに答えるかのようにほんの少しではあったがクロちゃんと駆けずり回った。
気がつくと日も暮れかかってきたしオトーサンは帰ることにしてクロちゃんと別れ、砂場を抜けた途端にラテが振り向きリードを強く引く。
何事かと思ってオトーサンも振り向くと、毎週の土日の朝にぶつかり合いながら遊ぶボーダーコリーのボーちゃんがこちらに駆けてくるではないか。ラテは猛烈にボーちゃんに向かって走り出し2匹はまるでぶつかり稽古のように絡み合い、走り回る。
その表情は明らかに喜び、楽しんでいることがわかるほどの変貌ぶりだ。

※仲良しのボーちゃんと一緒。よく見るとラテの足はボーちゃんのリードを踏んでいるのでボーちゃんが動けないのだ(笑)
帰ろうとしたオトーサンもラテの喜びようを見ると無下にリードを引くのも可哀想だからと少しの間遊ぶに任せたがキリが無いのでぶつかり稽古の終了を宣言し途中までボーちゃんと帰り道を急いだ。
あたりは暗くなっていたので久しぶりに懐中電灯を取り出すことになったが、ボーちゃんと別れた後もラテの足取りは自宅に着くまで軽快だった。そしてオトーサンが四つ足を洗い、身体をブラッシングしているとき、今にも舟を漕ぎそうなその顔はラテにとって久しぶりに充実した散歩だったことを表していた。
時計を見ると結局その日は約2時間ほどの長い散歩になったわけで、これではオトーサンの足も治らないなあと嘆きつつも、オトーサンも気分的には充実感を味わっていた...。
ラテを眺めていると時々ふっと子供の頃に遊んだ数匹のワンコを思い出すことがある。無論遠い昔の事だからどんな犬だったか詳しい記憶はないが、長いざらっとした舌で顔を舐められた感触は不思議なくらいにリアルに思い出せるのだ。
とはいえオトーサンの子供時代、特にワンコと仲が良かったということではない。いま思えばまるで人間の子供たちと同じような感覚でいつもそばにいる存在だった。特に意識することもないがさりとて虐めることもなくいつも自然な形で子供たちとワンコは一緒に遊んでいた。
そんなことを思い出しながらラテの寝顔を眺めていると、ワンコにとって四六時中飼い主と一緒に生活することが本当に嬉しいことなのか…と考えてしまう。無論ワンコの性格にもよるだろうが、ラテなどリードを外して「どこに行ってもいいぞ」などと解放したらきっと戻ってこないのではないかと思う(笑)。いや少なくともお腹が空くまで自由気ままに好きな場所で好きなだけ過ごすのではないかと思ってしまう。
人間と同様に生活環境が良くなり、食生活も充実し、そして医療も進んだからワンコも長生きするようになったが、いまから思えば子供時代に遊んだワンコたちのほとんどはフィラリアかなにかで4,5歳で死んでいたに違いない。
今のワンコは狂犬病はともかくフィラリア予防のよい薬もあるし混合ワクチンの接種など病気予防が可能だから大型犬でも10年以上生きるワンコも珍しくはない時代になった。しかしやはりワンコの寿命は人と比べると極端に短いのは事実で、ラテを眺めていてもこの数年で随分と顔が変わっただけでなく体毛の色も違ってきたようだ。
特に目立つのは口の周りで、もともとラテは口の周りは真っ黒だったが、最近では白い物が目立つ…というよりかなり白くなってきたし、首の周りの毛も幼犬時代は真っ黒で、伸びてくると鍾馗様みたいだからと美容室で短く切ってもらったほどだが、最近は茶色となり目立たなくなってしまった。

※当然なのだろうが、ラテの顔つきも毛並みの色も当初と随分変わってきた
オトーサンは足は痛いし右腕の肘が痛くて難儀をしているが、ラテも例え長生きするとしてもすでに人生の1/3は過ぎた勘定なのだから毎日を健康に楽しく過ごしてもらいたいと考えて無理をしているオトーサンなのである。
とはいえいくらオトーサンが頑張ったところで毎回の散歩をラテ側から見て充実することはなかなか出来得ない。天気の問題もあるしオトーサンの都合や健康の問題もある。そして夕方の散歩に限っても経験上やはりお仲間のワンコと会ったり、その飼い主さんあるいは馴染みの子供たちと行き会った日は帰宅時の歩き方が違うのだ(笑)。
そして自宅に戻り、オトーサンに身体を綺麗にしてもらうとやはりそれなりに疲れ、満足するのかすぐに横になって静かに目をつむってしまう。しかしいつもの広い公園に行っても1時間ほどの間、鼻をつき合わせる友達ワンコや子供たちに出会わない日も多くなったが、そうしたときの帰り道はラテの足取りは重い…。

※久しぶりにラテと滑り台に挑戦する。すでにラテは怯えることなく平常心だ(笑)
オトーサンもそうした時にはいつもと違った道を通ったりと少しでも楽しかったと思ってもらえるように気を遣うが、先日の月曜日は見事というか、本当に1時間ほどラテは公園に腹ばいになって待ち続けたものの子供たちもそして知り合いのワンコも絶無だった。見かねたオトーサンは河岸を変えてコーヒーショップにでも連れて行こうとリードを引くがどうしたわけかラテは頑としてその場を動かない。
ラテは腹ばいだからよいがオトーサンはその草むらに座り込むわけにもいかず、ずっと立ち往生だった…。そんなときはラテの口元に煮干しを差し出しても食べないのだから面白い。やはり気持ちが落ち込んでいるのだ(笑)。

※散歩が面白くないときは室内で不満を発散(笑)。オトーサン考案のボールとガムを組み合わせたものをラテは上手に両前足でさばきながら遊ぶ
だと思うといつもは出会わない昔なじみのワンコたちに次々と出会うという珍しい日もある。
前記したまったく知り合いと出会わなかった日の翌日、オトーサンとラテは同じ公園に入ったがやはり誰もいなかったからその公園を突っ切って先にある小さな公園へと向かった。でないとまた同じ場所でずっと待たされるのは辛いと思ったからで、まだゆっくりとでも歩いていた方が気が紛れる。
中学校の裏門を抜けたあたりまで来たら、2週間ぶりだけろうかオカーサンに連れられた黒柴のクロちゃんと出会った。ラテとクロちゃんもすでにお互い昔みたいに顔を突き合わせると駆け回ることはなくなったが、それでもラテが吠えたり唸ったりしない数少ないワンコなのだ。
クロちゃんのオカーサンと挨拶し、そのままなりゆきでラテはクロちゃんと一緒の道を歩き出す。オトーサンもお話し相手がいると足の辛いことも忘れられるのでクロちゃんのオカーサンと世間話をしながら散歩を続けた。
ふと前方にボストンテリアのボビーちゃんがオトーサンに連れられてこちらに歩いてくるのが見えた。ラテはボビーちゃんとは遊ばないがオトーサンが大好きですでにお尻ごと尻尾が揺れている(笑)。
ボビーちゃんは先週に避妊手術を受けたとかでお腹の傷はちょっと痛々しい。それでも元気そうで安心したが、ラテはボビーちゃんのオトーサンの膝に前足を乗せて口元を舐め始めている…。
ボビーちゃんと会うのも久しぶり…としばらく立ち話をして分かれた後、数メートルほど歩いたら今度はコーギー犬のアポロちゃんがこれまたオトーサンに連れられて登場。アポロちゃんもクロちゃんたちと同様、ラテが公園デビューした当時からの友達ワンコなのだ。
アポロちゃんの姿が見えなくなったころ、ラテは砂場で落ちていたボールを使って一人で駆けずり回っている。砂場の感触が好きなのだ。
しばらくするとクロちゃんも珍しくラテに向かって遊びのポーズを取り「ウウ〜」と挑発している。ラテもそれに答えるかのようにほんの少しではあったがクロちゃんと駆けずり回った。
気がつくと日も暮れかかってきたしオトーサンは帰ることにしてクロちゃんと別れ、砂場を抜けた途端にラテが振り向きリードを強く引く。
何事かと思ってオトーサンも振り向くと、毎週の土日の朝にぶつかり合いながら遊ぶボーダーコリーのボーちゃんがこちらに駆けてくるではないか。ラテは猛烈にボーちゃんに向かって走り出し2匹はまるでぶつかり稽古のように絡み合い、走り回る。
その表情は明らかに喜び、楽しんでいることがわかるほどの変貌ぶりだ。

※仲良しのボーちゃんと一緒。よく見るとラテの足はボーちゃんのリードを踏んでいるのでボーちゃんが動けないのだ(笑)
帰ろうとしたオトーサンもラテの喜びようを見ると無下にリードを引くのも可哀想だからと少しの間遊ぶに任せたがキリが無いのでぶつかり稽古の終了を宣言し途中までボーちゃんと帰り道を急いだ。
あたりは暗くなっていたので久しぶりに懐中電灯を取り出すことになったが、ボーちゃんと別れた後もラテの足取りは自宅に着くまで軽快だった。そしてオトーサンが四つ足を洗い、身体をブラッシングしているとき、今にも舟を漕ぎそうなその顔はラテにとって久しぶりに充実した散歩だったことを表していた。
時計を見ると結局その日は約2時間ほどの長い散歩になったわけで、これではオトーサンの足も治らないなあと嘆きつつも、オトーサンも気分的には充実感を味わっていた...。