ラテ飼育格闘日記(278)

動物病院から狂犬病予防接種案内が届いた。すでにそんな季節になった…。そういえばオトーサンが子供の時代はワンコといえば野良犬と同義だと思われていたフシがあるほど野良犬が多かったし、それなりの屋敷で飼われているワンコだとしてもそのほとんどはいわゆる外飼いで、庭の隅に作られた粗末な犬小屋で寝起きしていたものだ。しかし現在では大型犬も含めて多くのワンコは室内で飼われている。                                                                                 

ラテを眺めていると時々ふっと子供の頃に遊んだ数匹のワンコを思い出すことがある。無論遠い昔の事だからどんな犬だったか詳しい記憶はないが、長いざらっとした舌で顔を舐められた感触は不思議なくらいにリアルに思い出せるのだ。
とはいえオトーサンの子供時代、特にワンコと仲が良かったということではない。いま思えばまるで人間の子供たちと同じような感覚でいつもそばにいる存在だった。特に意識することもないがさりとて虐めることもなくいつも自然な形で子供たちとワンコは一緒に遊んでいた。

そんなことを思い出しながらラテの寝顔を眺めていると、ワンコにとって四六時中飼い主と一緒に生活することが本当に嬉しいことなのか…と考えてしまう。無論ワンコの性格にもよるだろうが、ラテなどリードを外して「どこに行ってもいいぞ」などと解放したらきっと戻ってこないのではないかと思う(笑)。いや少なくともお腹が空くまで自由気ままに好きな場所で好きなだけ過ごすのではないかと思ってしまう。
人間と同様に生活環境が良くなり、食生活も充実し、そして医療も進んだからワンコも長生きするようになったが、いまから思えば子供時代に遊んだワンコたちのほとんどはフィラリアかなにかで4,5歳で死んでいたに違いない。

今のワンコは狂犬病はともかくフィラリア予防のよい薬もあるし混合ワクチンの接種など病気予防が可能だから大型犬でも10年以上生きるワンコも珍しくはない時代になった。しかしやはりワンコの寿命は人と比べると極端に短いのは事実で、ラテを眺めていてもこの数年で随分と顔が変わっただけでなく体毛の色も違ってきたようだ。
特に目立つのは口の周りで、もともとラテは口の周りは真っ黒だったが、最近では白い物が目立つ…というよりかなり白くなってきたし、首の周りの毛も幼犬時代は真っ黒で、伸びてくると鍾馗様みたいだからと美容室で短く切ってもらったほどだが、最近は茶色となり目立たなくなってしまった。

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※当然なのだろうが、ラテの顔つきも毛並みの色も当初と随分変わってきた


オトーサンは足は痛いし右腕の肘が痛くて難儀をしているが、ラテも例え長生きするとしてもすでに人生の1/3は過ぎた勘定なのだから毎日を健康に楽しく過ごしてもらいたいと考えて無理をしているオトーサンなのである。
とはいえいくらオトーサンが頑張ったところで毎回の散歩をラテ側から見て充実することはなかなか出来得ない。天気の問題もあるしオトーサンの都合や健康の問題もある。そして夕方の散歩に限っても経験上やはりお仲間のワンコと会ったり、その飼い主さんあるいは馴染みの子供たちと行き会った日は帰宅時の歩き方が違うのだ(笑)。
そして自宅に戻り、オトーサンに身体を綺麗にしてもらうとやはりそれなりに疲れ、満足するのかすぐに横になって静かに目をつむってしまう。しかしいつもの広い公園に行っても1時間ほどの間、鼻をつき合わせる友達ワンコや子供たちに出会わない日も多くなったが、そうしたときの帰り道はラテの足取りは重い…。

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※久しぶりにラテと滑り台に挑戦する。すでにラテは怯えることなく平常心だ(笑)


オトーサンもそうした時にはいつもと違った道を通ったりと少しでも楽しかったと思ってもらえるように気を遣うが、先日の月曜日は見事というか、本当に1時間ほどラテは公園に腹ばいになって待ち続けたものの子供たちもそして知り合いのワンコも絶無だった。見かねたオトーサンは河岸を変えてコーヒーショップにでも連れて行こうとリードを引くがどうしたわけかラテは頑としてその場を動かない。
ラテは腹ばいだからよいがオトーサンはその草むらに座り込むわけにもいかず、ずっと立ち往生だった…。そんなときはラテの口元に煮干しを差し出しても食べないのだから面白い。やはり気持ちが落ち込んでいるのだ(笑)。

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※散歩が面白くないときは室内で不満を発散(笑)。オトーサン考案のボールとガムを組み合わせたものをラテは上手に両前足でさばきながら遊ぶ


だと思うといつもは出会わない昔なじみのワンコたちに次々と出会うという珍しい日もある。
前記したまったく知り合いと出会わなかった日の翌日、オトーサンとラテは同じ公園に入ったがやはり誰もいなかったからその公園を突っ切って先にある小さな公園へと向かった。でないとまた同じ場所でずっと待たされるのは辛いと思ったからで、まだゆっくりとでも歩いていた方が気が紛れる。
中学校の裏門を抜けたあたりまで来たら、2週間ぶりだけろうかオカーサンに連れられた黒柴のクロちゃんと出会った。ラテとクロちゃんもすでにお互い昔みたいに顔を突き合わせると駆け回ることはなくなったが、それでもラテが吠えたり唸ったりしない数少ないワンコなのだ。
クロちゃんのオカーサンと挨拶し、そのままなりゆきでラテはクロちゃんと一緒の道を歩き出す。オトーサンもお話し相手がいると足の辛いことも忘れられるのでクロちゃんのオカーサンと世間話をしながら散歩を続けた。

ふと前方にボストンテリアのボビーちゃんがオトーサンに連れられてこちらに歩いてくるのが見えた。ラテはボビーちゃんとは遊ばないがオトーサンが大好きですでにお尻ごと尻尾が揺れている(笑)。
ボビーちゃんは先週に避妊手術を受けたとかでお腹の傷はちょっと痛々しい。それでも元気そうで安心したが、ラテはボビーちゃんのオトーサンの膝に前足を乗せて口元を舐め始めている…。
ボビーちゃんと会うのも久しぶり…としばらく立ち話をして分かれた後、数メートルほど歩いたら今度はコーギー犬のアポロちゃんがこれまたオトーサンに連れられて登場。アポロちゃんもクロちゃんたちと同様、ラテが公園デビューした当時からの友達ワンコなのだ。

アポロちゃんの姿が見えなくなったころ、ラテは砂場で落ちていたボールを使って一人で駆けずり回っている。砂場の感触が好きなのだ。
しばらくするとクロちゃんも珍しくラテに向かって遊びのポーズを取り「ウウ〜」と挑発している。ラテもそれに答えるかのようにほんの少しではあったがクロちゃんと駆けずり回った。
気がつくと日も暮れかかってきたしオトーサンは帰ることにしてクロちゃんと別れ、砂場を抜けた途端にラテが振り向きリードを強く引く。
何事かと思ってオトーサンも振り向くと、毎週の土日の朝にぶつかり合いながら遊ぶボーダーコリーのボーちゃんがこちらに駆けてくるではないか。ラテは猛烈にボーちゃんに向かって走り出し2匹はまるでぶつかり稽古のように絡み合い、走り回る。
その表情は明らかに喜び、楽しんでいることがわかるほどの変貌ぶりだ。

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※仲良しのボーちゃんと一緒。よく見るとラテの足はボーちゃんのリードを踏んでいるのでボーちゃんが動けないのだ(笑)


帰ろうとしたオトーサンもラテの喜びようを見ると無下にリードを引くのも可哀想だからと少しの間遊ぶに任せたがキリが無いのでぶつかり稽古の終了を宣言し途中までボーちゃんと帰り道を急いだ。
あたりは暗くなっていたので久しぶりに懐中電灯を取り出すことになったが、ボーちゃんと別れた後もラテの足取りは自宅に着くまで軽快だった。そしてオトーサンが四つ足を洗い、身体をブラッシングしているとき、今にも舟を漕ぎそうなその顔はラテにとって久しぶりに充実した散歩だったことを表していた。
時計を見ると結局その日は約2時間ほどの長い散歩になったわけで、これではオトーサンの足も治らないなあと嘆きつつも、オトーサンも気分的には充実感を味わっていた...。

iPadアプリ「熈代勝覧」を開発したハンズメモリーの方々と対談【1】

iPadアプリ「お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 ~絵巻『熈代勝覧』の世界~」を開発したハンズメモリーのメンバー3人の方に開発のきっかけやそのご苦労話、皆さんで一緒に仕事をはじめたきっかけなどなどをお伺いした。今回はその第1回目、導入部分をご紹介する。                                                                                               

時  : 2012年3月15日
場所 : 新宿野村ビル49階 土佐料理 祢保希(ねぼけ)
出席 : 山口賢造さん、佐々木圭さん、飛田優介さん
インタビューアー : 松田純一

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※ハンズメモリーの皆さん。右から山口賢造さん、飛田優介さん、佐々木圭さん


松田 今日はよろしくお願いします。さて、早速ですが皆さんでハンズメモリーを立ち上げられたということですが、法人化されたのですか?

山口 とりあえず私が事業主という形になっているんですが、現時点では個人事業の形です。今後、売り上げや進捗状況を見ながらそういったことを考えていこうかと...

松田 まあ、私らの時代は今のようにフレキシブルな考え方ができなくて、会社設立といえば即株式会社か有限会社か...といったことでしたけどね。法人化といえば聞こえはいいけど、個人事業の方が自由度が高いかも知れませんね。

山口 しかし、いつ事業を大きくする、人を増やすかといった...ことになると...

松田 そうですね、こちらにいらっしゃる初期創立メンバーの方々は十分にお話し合いされ納得された上での事業展開ですから問題ないでしょうが、今後新たに人を増やすとなれば、オフィスはどこ?といった外見とか初任給は?ということになるでしょうからねぇ(笑)

一同 はい...(笑)

松田  ですから今の時代は組織の形などよりフレキシブルに動けた方が良いかも知れませんね。

山口 そうですね。そういったところで振り回されないようにという感じの規模感でやっていきたいなという気持ちが強いですが、まあ...

松田 皆さんはハンズメモリーご専任なんですか?

山口 はい、そうです。

佐々木 フルタイムです。

山口 というわけで、まだオフィスがないので皆自宅でやってまして、週に少なくとも2回、多いときには4回ぐらい会って、結構時間を取って話をしたり...。で、会わない日はiChatで...といった感じでいまは進めています。

松田 そういえば、失礼ですが皆さん既婚者ですか...

一同 首を横に...

佐々木 あの、皆独身です(笑)

山口 そういう自由もありで(笑)

松田 皆さん独身なら、札幌あたりに拠点を持たれるといいかも知れませんよ。何しろ家賃が安いですから...。

佐々木 (松田さんは) 札幌と東京を頻繁に往復されていたんですか?

松田 そうなんですよ。まあ、今更後悔しているわけでもありませんが、とにかく旅費と電話代がかかりましたからね。支店など置かず東京にすべてのスタッフがいればかからない経費ですから...。特に今のようにiChatとかSkypeがありませんでしたから電話代がべらぼうでした。

山口 当時の電話代ってのは大きいですよね。 あの、僕は85年にNECの88というパソコンで長崎からパソコン通信をやったんですが、当時まだ中学生だったんですがその時の電話代が恐ろしい金額で 、親がぴっくりしてやってはダメだと慌てるほどとんでもない額でしたね。

松田 そうした意味では馬鹿な時代でしたが、いまはいろいろな選択肢があるしiChatやFaceTimeがありますからねぇ。そう...皆さんが一緒にお仕事するのはどんなきっかけがあったのですか?

山口 これはですね、まあ前職がMac専門の開発会社でやってまして、で...佐々木君だけは僕たちの在職前にいたんですね。

松田 ほう...

山口 で、ご存じかも知れませんけどMac用の国産ブラウザがあるんですが、これは彼がデザインを担当しまして、その後花見みたいな事があってたまたま会ったんですよ。

佐々木 たまたま...

山口 僕はそのブラウザのデザインは彼だと聞いていたので...興味本位でいろいろと話をして、生まれ故郷も近いし...あっ僕は長崎なんですが彼は福岡と...。そんなことを含めて話が盛り上がりまして。最初は勉強会といった乗りでたまに会ってソフトのことをいろいろ教えて欲しいな...と集まり始めたのがきっかけですね。

松田 なるほど。

山口 前職でソフトを作るといった感じで僕もやっていたんですが、丁度彼がいた会社が去年6月...?

佐々木  7月...

山口  7月にとある会社の方に買収されまして、その前ぐらいからそろそろ始めないかという話になって。僕としても是非一緒にやりたいと...。そしてその前から飛田君とはずっとそこら辺の話を僕が彼にそうした経緯を話してたんですよ...佐々木君もそうしたことで会社を出るからと、そしたら彼としても喜んで...という話だったので...基本的には9月から始めたと...

松田  昨年の9月からですね。

山口 はい、昨年の9月から...。で、すぐにプロダクトを出せれば表向きに「独立しました」といえたんですけど、それこそいろいろと準備に時間がかかって...先日やっと「お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 ~絵巻『熈代勝覧』の世界~」をリリースできたんで公にしたという感じです。

松田 ウェブページでざっくりとは拝見してますけど、飛田さんがプログラマ、佐々木さんがデザイン、そして山口さんが...あれこれ..と(笑)。

一同 (笑)

山口 それは他の会社とちょっと違うかも知れませんが、結構いまiPhoneの開発会社というのは...

松田 お仕事はiPhoneやiPadに特化してしまおうと...

山口 そうですね!飛田君は中学時代からMacのプログラムをやっていたんで、もう十四五年くらいやってるんですね。で、前職でもMac版のバンドルソフトは結構彼が手がけていて...そういうこともあって歳の割にはいろいろとMacのプログラミングをやっているという珍しい経歴の持ち主で。人気のあるナビアプリや定番になっている仕事効率化のアプリ等も彼の担当ですね。

松田 私もユーザーです...

山口 あのiPhone版とiPad版は両方とも彼が1人でプログラミングしまして、ちょっと重厚なソフトウェアの開発を彼にやってもらっていたわけで、ということでキャリアもあるし非常に...なんというのかな、僕たちが言ったことを実現してくれる力量の持ち主だったんで。で、もともと彼自身も京都から来たんですけど、佐々木君のデザインに憧れていたこともあって、だからそういう意味でも...なんていうのかな...

松田 繋がり...ですか。

山口 そう、繋がりがあるというか、そこから始まっているというか。

松田 いまはユーザーインターフェースといわれていたあれこれが「デザイン」という一言でくくれてしまう時代になりましたから、素敵ですね。

山口 そうですねぇ。

松田 ところで先日拝見した「お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 ~絵巻『熈代勝覧』の世界~」ですが...なんていいましたっけ。

山口 きだいしょうらん...

松田 はい。あれが最初のお仕事となったわけですね。

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※iPadアプリとしてリリースした「お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 ~絵巻『熈代勝覧』の世界~」の一シーン


山口 そうですね、最初のお仕事です。私達が出た後にやはり前職に関わりのあるクライアントさんがいらして、独立しましたという連絡を取ったら、よかったら良いコンテンツがあるからどうかというお話しをいただいて、喜んでということで。9月くらいから伺って...お話しを聞き始めたという。
で、コンテンツ自体がかなり面白いもので、スタートしては良い素材というか、お話しをいただいたなあと。それから結構、2ヶ月くらいユーザーインターフェースとかどういう方向性に持っていくかという話をしながらですね、始めたばかりでちょっと足並みが揃っていないところもあったんですけど。で、10月...11月くらいからかな...実装を初めて...

佐々木 はい。軽く走り始めて。

松田 最近はどうなんでしょうか...。私の所にも良い話より悪い話がよく入ってくるんですが。クライアントからの仕事の依頼時に当初から金銭的にも厳しい話から始まるときが多いと聞くんですよ。

山口 そうですね、正直なところ...2008年にApp Storeがオープンして、私達の会社が電車の乗り換え案内アプリを出したことで...これも実はインターフェースを彼(佐々木さん)がやったんですが、アップルのCMに選ばれました。そういうことで結構お仕事をいただいたんですが、金銭的には厳しくなってきましたね

松田 私らの時代は...昔の話で恐縮ですが、クライアントからの特注開発依頼には数百万円とか数千万の見積もりを出した。だからやっていけたんですが、最近はクライアントの中には志が低いんでしょうか、「自分たちはアプリを無償で配布するので、なるべく安くしてくれ」とか...。

山口 ああ...

松田 しかし開発側に言わせればプロダクトを無償で配るとか有償でといったことは本来関係ないことですよね。そうした時代にプロダクトを一本一本開発し、それこそ組織を運営していくという難しさはお感じになりますか。

山口 おっしゃるとおりで、一応私達の考え方として例えばよく広告代理店さんとかが、持ってこられる企画というのがいま松田さんがおっしゃるように、これ無料で配るから...お金も持ってないし...というわけですよ。本来お金を持っている人たちが(笑)。
で、どうですかという話が最初来るんですね。で、3年くらい前は1回ちょっとやってみようかと...やってみたんですが採算取れませんし、このままやっていたら恐ろしいことになると思ったので基本的にそうした話はお断りする方向でやっています。
で、いま思うこととしてはApp Storeの価値は一応全世界にプロダクトを配れるということだと。ただし日本における企画というのはほとんど国内で配布させようというアプリが非常に多いと。そうなるともう母数が、特にiPad用となれば数も少ないんで、売り上げ自体もあまり見込めないということがあってですね、出版社さんたちから当初電子書籍うんぬんの話がいろいろと来たんですが驚くほど制作費が安くて、これでは決してできませんと...。極端な話10万円でどうですかといった話がくるんですね。
そんなのもう、仕様書書いて終わりといった感じですが、そういうのを平気で持ってこられるのもあって。で、彼らの言い分はうちは無報酬なのでというよくわかんない理由を言われることもあって、当初...iPadが出てきたころは特に問題として出てきましたね。
ただiPhoneがこれだけ普及してきたんで、最近はそのところの母数はある程度広がったと言うこともあり理解をしてくれる会社さんも出てきたという感じですね。

松田 いずれにしてもクライアント側はそうして開発したプロダクトを有償無償はともかく自身のビジネスを有利に展開するために活用するわけですから、マイナス面だけを開発側に押しつけるのはいかがなものかと思いますね。
しかし問題は中には例え10万円でも仕事がないよりましだと受けてしまう開発者もいることが難しい問題でもありますね。
そうした開発者がアプリのアイコンをデザインして欲しいとデザイナーの方に依頼するとき、開発費が望めないのでデザイン代を出来高払いにして欲しい...といった要求をするケースが本当にあるらしいんですよ。
デザインの出来高払いなんてねぇ(笑)

山口 企画を持ってくるのは自由なんですが、一時は本当にそんな話も多かったですね。そうした話は僕たち、お断りしますけどね。だからどうにか生き残れたんでしょうか。しかしそれでダメになった人も多かった...

松田 無論良いものをお作りになるというのが第1でしょうが、狭い業界でありますけど会社とか組織のクオリティを下げないように努力しないと結局良い仕事が来なくなりますね。

山口 松田さんがコーシンのとき、受託はどのくらいのパーセンテージだったんですか

松田 売り上げでいえばパッケージより受託のビジネスの方がアベレージでは多かったと思いますね。

山口 そうですか。

松田 パッケージソフトは好きなことを好きなようにできますが、開発に時間がかかりますからねぇ。

山口 なるほど。

松田 やはりMac版のアプリケーション開発は1年有にかかるというのが普通でしたから...。したがって企業側からいえば、その間売り上げは発生しないけど当然のことながら給料や賞与は出ていくということですから。その上に1年間かけて作り上げたプロダクトが思った通りに売れていわゆる開発費の元を取れ、利益を出せるかといえば事はそんなに簡単ではありませんから(笑)。
しかし当時は価格は今とちがって高価でしたから何とかなりましたけど、iPhoneやiPad用として数百円では市場が広がったとはいえ売り上げを維持するのは大変でしょうね。
告知の重要性もあるでしょうし、それを持続することも大切だし。

山口 まったくですねぇ。

松田 良いものを作れば売れるという単純なものではありませんよね。

山口 本当にそうですね。で、パッケージの場合は...バグといったものの対処もあるんでしょうけどどのくらいの間隔でアップデートされてたんですか?

松田 やはり1年でしょうかね。短くて半年...。なぜって当時バージョンアップなどの連絡も往復葉書といったものに頼らざるを得なかったですからコストもかかるし頻繁にはやっちゃあいられませんよ(笑)
その上、例えばPerformaにバンドルされたアプリの中では40万本以上も売れたものがあったわけですが、それに真っ正面からサポートを心がけることは無理でしたね。

山口 僕と飛田君はコーシングラフィックスさんのバンドルソフトだった「ムービーペイント」といった、ああいうものが最初の出会いだったんですね。で、当時例えば「宛名職人」とかCD-ROMがたくさん付いてきたんですけど唯一Macらしいソフトは「ムービーペイント」といったものしかなかったんで...

松田 ありがとうございます。そうですね、我々も当時は自社開発のアプリはエンターテインメント系に力を入れていたんですが、そのエンターテインメント系製品があるときパタッと売れなくなるんですね。

山口 ああ...

松田 それに気づくのが遅かったというのが大きな反省点ですね。やはりユーティリティ系プロダクトの強さを実感しました。どうしても必要なものとなればユーティリティ系は最優先になりますからね。
反してエンターテインメント系は時代なんでしょうか、オトーサンやOLさんたちが会社でパソコンに向かい日々悪戦苦闘している。その上、家に帰ってからもアニメーションかよ...ということになるんでしょうか(笑)

山口 なるほど。

松田 話を戻しますけど、Mac用としても数千円という価格を見ると「高いな」と感じる時代になりましたよね。しかしそれで利益をあげなければならない...

山口 そうですよね。そこが僕たちもねぇ...。実は僕たちはいま、大きな問題としてはプライシングなんですよね。そこでいわゆるソーシャル的なもので少しは補ってくれると...ま比較的安ければ「ぶあっ」と恐ろしいぐらいに広がるんですけど、ちょっとこの値段どうよ...という高さだとやはり「ぴゅっ」と上がって「ぴゅっ」と止まる感じで。
で1回落ちてしまうとなかなかね、そこから上がってくるのは大変なんで...プライシングは一番キモかなあと。
ただ(販売の)本数が読めないということがあるんで、そこはいまからどのようにやっていくか...は考えているんですけど。

松田 やはりどのようなマスメディアに載って告知しようがユーザーに知られる...記憶に残るピークはほんの数日ですよね。

山口 はい...

松田 その上に自社の大切な告知を苦労してあれこれやったにしても、そんな時に限ってスティーブ・ジョブズが亡くなった...といった大きなニュースが飛び込んで埋もれてしまうとかね(笑)

一同 (笑)

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※ハンズメモリーの山口賢造さん(右)とMacテクノロジー研究所主宰、松田純一


松田 そうしたこともあり得ますから、ではどうするか。それは意図的に告知のピークを複数作る...作り続けるしかないですよね。

山口 ははあ...

松田 そのためにはネタ作りというんですかね、プロモーションというとその一言で終わってしまいますが、まああらゆる泥臭い手段を使ってでもユーザーさんの目に...

山口 届くように...

松田 はい。目に触れるようにすると...。ただし現実的にはTVコマーシャルを打つわけにもいきませんからコストを最低に抑えてどうするかと...。
で、自分たちでやっているのに何ですが例えばバナー広告の時代ではもうないですよね。私自身、バナーなどクリックしませんもの(笑)。バナーもクリックさせるのではなく新聞広告と同様、常に同じ場所に継続して表示しているという企業への安心感が大切な時代なのかも知れません。

山口  (笑)

松田  で、どうまとめるかですが今回の対談もそもそもが長くなるでしょうから1度にアップするんではなく、複数回に分けて...以前高木利弘さんとの対談は2回に分けてアップしたんですが、お陰様で好評でしたし2回に分けたことは正解だったんだと思っているんですがね。

山口 はあ、あれは僕も読んで...面白かったです。

松田 ですから今回の対談も、どんな感じでまとめるかはこれからご相談したいと思います。

山口 はい。

松田 というわけで遅ればせながら本題ですが(笑)、開発のお話しと3人の方の役割分担などをお聞かせいただけませんか。

山口 はい、わかりました。

(第2回に続く)

お江戸タイムトラベル 200年前の日本橋 ~絵巻『熈代勝覧』の世界~ - Arigillis Inc.

3DアプリのCOLLADAフォーマット互換相関図覚書

相変わらずだが iBooks Authorと3Dフォーマットの関係を確認し続けている。教育の場は勿論だが、一般的な電子ブック制作にもその魅力と読む人の理解力を高めるために3D表現を効果的に使うことは重要だと考えているからだ。しかしそのサポートフォーマットであるCOLLADA (*.dae)に関してまだ不明なこともあるし理屈通りにいかない部分もあるので自分なりのフォーマット互換相関図を作ってみた。                                                                                 
勿論COLLADA (*.dae)フォーマットの利用はiBooks Authorの占有ではなく、例えば Live Interior 3D Proといったアプリケーションに他の3Dソフトからデータをエクスポートするとき、このCOLLADA (*.dae)フォーマットが役に立つ。しかしどのようなアプリケーションを軸にコンテンツ制作を考えるかで変わってくるだろうが私の場合、例えLive Interior 3D Proといった3Dインテリアデザインのアブリを使ってもその先には必ずiBook Authorへの活用をどこかで考えているところがある…。

例えば後述する互換図に出でくるように3Dアプリケーションの Poser にしても Strata Foto 3D SEでもそれ単体で3Dオブジェクトを作ったとして目的が終了するわけではない。少なくとも私はそうだ…。
3Dで人物を作ろうが日用品をモデリングしようが、その行為および結果そのものが最終目的ではなく、そのオブジェクトを例えばプレゼンテーションの素材とか電子ブックの材料として使うといったことがほとんどなのだ。そして昨今はやはりその最終目的はiBooks Authorに向くことが多いのも現実である。

そうした場合、iBook Aothorに渡すための3Dコンテンツをどのようなツールで作ったら一番簡単で問題なく渡せるかを考えなければならない。
だからこそこれまでいくつかの3DアプリケーションとiBooks Authorとの相性をひとつひとつ調べてきたが、いざとなるとその結果を忘れがちなので取り急ぎ分かっているところまでを「COLLADAフォーマット互換相関図」としてまとめてみることにした。
まだまだ確認できていないこと、やっていないことも多いから、この相関図は無論完璧ではないし間違いも十分あり得るが、今後もこの図を逐次更新していこうと考えているので同じようなことを考えている方にとって多少でもお役に立てば幸いである。
ということで図をご覧いただく際の注意点、言い訳(笑)を少し述べておきたい。

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この「COLLADAフォーマット互換相関図」はあくまでiBooks Authorに3Dコンテンツを渡すことを主目的と考えて構成してみた。そして黒の実線はそれぞれ当該アプリからCOLLADA (*.dae)フォーマットでデータをエキスポートしiBooks Authorで問題なくインポートできることを示している。
例えば SketchUPやSTRATA Foto 3D SEしかりである。またPoser 7J からはダメだがPoser Pro 2010からは問題がないことも示している。

また関連情報として赤い色の実線についても一言触れておくが、これは3D Studio(*.3ds)フォーマットによる互換を意味している。
例えばStrata Foto 3D SEでモデリングしたデータをLive Interior3D Proに渡したいとしてもCOLLADA (*.dae)フォーマットはダメだったものの3D Studio(*.3ds)フォーマットならテクスチャデータを含めて問題なく渡せたことを意味する。
なお相関図の各アプリに明記してある数字はバージョンだが、基本的に現時点の最新になっているはずだ。

そういえば、iBook AothorはともかくなぜここでLive Interior3D Proの存在を重視しているのかに疑問を持つ方がいるかも知れない…。
それは後述するデータ互換性の妙にも関係するが、例えばデジタルカメラという製品を紹介する、あるいはその使い方を紹介するコンテンツをiBooks Authorで電子ブックとして制作するとき、そのコンセプトにもよるだろうが、ハードウェアとしてのカメラばかりを3Dで見せたところであまり面白くもないと思うからだ。
なぜならデジタルカメラという魅力的な製品は当然のことながら私達ユーザーが日常の生活の中で、あるいはビジネスの場で写真を撮るという行為のために存在する。
Appleの製品コンセプトではないが、ハードウェアのスペックのみに留意した解説やアピールでなく、それをどのように日常で活用したら私達の生活やビジネスが効果的で楽しく、そして楽に目的を達成できるかを知ってもらうのが一番なのだ。
だとすればカメラは空間に浮かんでいるのではなく、書斎の机の上に、あるいはリビングのテーブルの上に、そして机の引き出しの中に置かれているだろうし、それを使う360度空間は我々の生活感が満ちあふれているはずだ。

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※Live Interior3D Proで作った室内デザイン空間にStrata Foto 3D SEでモデリングしたQuickTake200を.3dsでインポートした例


そうしたことを多少でも感じてもらうために私は最近Live Interior3D Proを主役を引き立てる舞台の大道具として使うことにしているわけだ。
応接室のテーブルに置かれたデジタルカメラを見せたい場合、Live Interior3D Proは大変イージーで便利なツールだからである。そしてiBooks Authorとの相性も良い。
ただし申し上げるまでもなくLive Interior3D Proはあくまで私の仕事が企画段階の資料作りに特化しているからであり、それをそのまま印刷物にするとかTVコマーシャルに使おうといった意味ではないことはお断りしておきたい。無論、それも面白いが(笑)。

さて、そのLive Interior3D Proで3Dオブジェクトを含めた生活空間を演出し、その全体あるいは一部を最終的にiBooks Authorに渡すことを考えてきたが、すべてのCOLLADA (*.dae)フォーマットが理想通りにはいかないものの、ひと工夫することで可能性が広がることもある。

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※ .3dsデータをインポートしたオブジェクトを含むLive Interior3D Proのデザイン空間全体をCOLLADAでエクスポートし、iBooks Authorにインポートした例


例えば前記したようにPoser 7JからCOLLADA (*.dae)フォーマットでデータをエクスポートしてもそれはどういうわけかiBooks Authorに直接インポートできない。しかしPoser 7JからCOLLADA (*.dae)フォーマットでエクスポートしたデータを一端Live Interior3D Proの空間にインポートし、そのCOLLADA (*.dae)保存データならiBook Authorは受け付けてくれるといった現実があるからだ。またStrata Foto 3D SEから 3D StudioフォーマットでエクスポートしたデータをLive Interior3D Proにインポートすると同様にそのエクスポートデータはiBooks Authorにインポートできた。

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※前記iBooks AuthorからiPadのiBooksへプレビューした画面例。勿論タップしオブジェクトを回転可能


ただしiBooks Authorへの3Dデータのインポートはファイル容量がなるべく小さくなるよう最適化しないと読み込めなかったり問題が生じる可能性があるので十分考慮しなければならない。
なおiBooks Autourはもとよりだが、ここに紹介した各3Dアプリケーションも今後のバージョンアップでCOLLADA (*.dae)フォーマットの対応を見直すこともあると思うし状況は変化を続けるに違いない。そして私が手にしたアプリケーションはそれこそ極一部であることも事実だし、COLLADA (*.dae)フォーマットの秘密を探る旅はまだまだ続く…。

Apple Pagesより使い勝手がよい「Swift Publisher 3」

Appleの純正アプリケーション「Pages」は単ページものから数ページのカタログやチラシなどを作るには大変都合の良いツールである。基本的には目的に合うお気に入りのテンプレートを選び、テキストとグラフィックスを配置すれば完成といった理屈だが、無論現実ともなればそうそう簡単にはいかない…。                                                                                                                               
私はいわゆるビジネスフォームは勿論、ちょっとしたレポートなどをはじめ、封筒の宛名書きといった類までPagesを使うことが多い。それは適切なテンプレートを選択して必要箇所を手直しするだけで目的が達せられるからだが、やはりカタログとか洒落た企画書のようなものを作ろうとすればPagesのテンプレートをなぞれば済むといったことばかりでは済まない。ましてやオリジナリティも出したいとすればそこに配置する必要不可欠な写真や図版は勿論、アイキャッチ的なあるいは興味を持ってもらうためのグラフィックは他のツールから持ってきたりしなければならない。
特にページにテキスト以外の図形などを書き加えようとするとき、Pagesはイージーではあるが物足りなさを感じてしまうこともある。

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※「Swift Publisher 3」アプリケーション・アイコン


そんなことをおぼろげながら考えていたとき、Mac AppStoreで「Swift Publisher 3」というアプリケーションを見つけた。このアプリはその名の通り素早く印刷物を作るというコンセプトを持っているツールだが、これが意外と洒落たアプリであることが分かった。
私が早速購入に至ったのはそれが BeLight Software社が扱っている製品だからでもある。なぜなら個人的にこの会社の製品をこれまでにも多く使ってきたからであり、その多くに満足しているからだ。
例えば「Art Text 2」「Busness Card Composer 5」「Image Tricks」そして最近はまっている「Live Interior 3D」もこの会社の製品である。

さて「Swift Publisher 3」の魅力だが、ひとつにはPagesとは一風違った斬新でセンスの良いテンプレートが豊富に揃っていることだ。それらはパンフレットとかチラシ、ニュースレターといっただけでなく、メニューやカレンダーあるいはポスターそして証明書といった類にまでおよぶ。
数えてみると、それぞれブランクのテンプレートを別にしてパンフレット 26種、ちらし 45種、カタログ 10種、ニュースレター 14種、メニュー 11種、カード 16種、レターヘッドとファクスシート 28種、カレンダー 6種、証明書 12種そしてポスター 13種ものテンプレートが用意されている。

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※「Swift Publisher 3」のテンプレートはPagesとひと味違う斬新でセンスがよいものを揃えている


2つ目には日本語テキストの縦書き表示が可能なこと。3つ目にレイヤーが使えること。4つ目にはこれまた豊富なクリップアート群が使えフォントデザインツールの「Art Text」との連携機能も持っていること。そして表の挿入などをはじめPagesライクなわかりやすいインターフェースを備えていることだ。

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※「Swift Publisher 3」の一例。上は一ページ物のレイアウト。下は三つ折りのパンフレット例


実際に「Swift Publisher 3」を起動し、任意のテンプレートを選択後にページレイアウトを始めるとしてもPagesを使った事のあるユーザーなら特に迷うことも難しいこともないと思う。そして繰り返すが日本語も問題なく通るし、何といっても縦書き表示をサポートしている点は嬉しい。勿論Pagesにあって「Swift Publisher 3」に無い機能もあるわけだが、ページレイアウトという目的に限れば「Swift Publisher 3」の方が面白いと思う...。ただし「Swift Publisher 3」はPagesライクではあっても残念ながら相互にデータの互換性はない。

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※日本語の縦書き表示をサポートしている点は嬉しい


なお搭載されているクリップアートは「Busness Card Composer 5」と共通のものも多いがそれはご愛敬である。
今のところ特に不都合はないが、難があるとすれば私の環境ではテンプレートの選択時にもたつくことがあるといった程度である。ともあれページレイアウトが楽しくなること請け合いの「Swift Publisher 3」だ。

Swift Publisher 3



ラテ飼育格闘日記(277)

まだまだ寒い日が続くが、それでもふと気がつくと同じ寒さといっても大分和らぎ、春は確実に近づいていることがわかる。ネックウォーマーが暑苦しいと感じるときもあるし、真冬と同じ出で立ちで散歩に出るとうっすらと汗をかくこともある。そして公園の茶色一色だった地面のあちらこちらにも少しずつ緑が混じってきている。                                                                                                                 
とはいえオトーサンの足はこの2週間くらいの間、最悪の状態だった。左足の膝関節にはサポーターをきつく締め、2箇所には湿布を貼って出かけるが、左足自体に力が入らず、階段を登るような場合によほど注意をしながら踏みしめないと「ガクッ」と崩れ落ちるような感じがする。
ここのところ、そうした状態を騙し騙し、我慢をしながら散歩に出ていたが、先日の朝のこと、散歩の支度をしていたもののオトーサン自身が「これは危険かも知れない」と感じるほど左足のあちらこちらが痛くて力が入らなかった…。
これ以上悪くなっては困るし、転んだりすれば危険だろうからと考え、アルミ製のステッキを使ってみようと思い立った。まあそれほど調子が悪かったわけなのだ。

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※オトーサンとお話し中なのです!


それほど具合が悪いならワンコとの散歩など止めればいいのに…と思う方はワンコを飼っていない人ではないだろうか(笑)。無論本当に立ち上がれないというなら仕方がないが何とかなるなら少しでも散歩に出てやりたいと考えるのがワンコ好きの性でもある。
ともかく問題はこれまで…杖とかステッキを頼りに歩いたことがなかったから、左手に持った方が良いのか、右手の方が楽なのかは実際にやってみるまで分からなかった。それにオトーサンの右左脇について歩くラテが杖を怖がるかも知れないとも思いながら表に出てみたが、さすがにラテの歩く側にステッキを突くと嫌がるものの反対側ならあまり気にしないようなので今日一日はこのステッキを頼りにしてみようと覚悟した。

歩き始めるとラテはオトーサンの左側に付いたのでステッキを右手に持ち、足をカバーしながら歩く。ちなみにステッキを左右使ってみたが、オトーサンの場合はやはり右手側で突いた方がバランスも良く、左足のカバーになるようなので慣れないステッキを突きながらその日は短めながら朝夕の散歩を続けたのであった。
ありがたいことに事故も起こらずラテも時々不審な顔でステッキとオトーサンの顔を見比べることがあったものの総じてスムーズな散歩だったし、思い切ってステッキを使って正解だったと心から思った。
散歩に出る際に少し躊躇したことはやはり見栄えの問題である(笑)。
見栄を張るようだが、正直まだまだステッキを突いて歩きたくはないし、そんな姿をお仲間の飼い主さんたちに見せたくはないというのがオトーサンの本音であった。しかし身の安全には代えられないからと決心したが、都合が良いことにその日は知っている方と出会うことはなかったのだった…。

翌日の朝になって見ると心持ち左足の具合が良くなったように思えた。無論治ったわけではないが昨日よりは多少良いようで、これならステッキなしでも何とかなるに違いないとオトーサンは喜んだ。
昨日、万一のことを考えステッキを使ったからこそ足への負担が軽減されたに違いない...。ステッキを使ったからか、右腕は少々張った感じもするがオトーサンは自分の注意深さを自分で誉めて上げたいとも思った(笑)。そしてその日はステッキを使わず朝夕の散歩をこなしたのだった。

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※ラテ、ゆっくり歩こうね!


しかし…問題が生じたことは次の朝に気がついた。
いつものように寝床から起きようと身体を腕で支えた途端に右腕…正確にいえば右肘関節に激痛が走ったのである。
目覚めたばかりのはっきりしない頭でも何が起こったのかは明らかだった。
一昨日、体重の多くを右腕に持ったステッキにかけて歩いたため、その右腕が2日目に悲鳴をあげたのだろう…。
シャツに腕を通すのも辛いだけでなく、マグカップを口に運ぶこともできないのだ。幸い箸やスプーンなどを使うことはできるが、それを口元に近づけようと腕を上げると激痛が…。まったく歳は取りたくないものだ。それも利き腕なのでなにかと不便で、引き出しや書棚の取っ手も左手で引かなければならない。
腕を下げていればそんなに痛くはないが、肩より上に上げたり、指をはじめとして力を入れると痛いのだ。

それでも散歩に行けるか行けないか…で言うなら、腕が痛くとも足のように歩けないということはない。そう思ってオトーサンは右腕をなるべく使わないようにと努力してその日も散歩に出かけたが、おかしなもので確かに気温が低かったにしろ、肘が猛烈に弱っているからか左手の指先はなんともないのに右手の指先のみ冷たいと感じる。やはり右腕全体の血行が悪いのだろうか…。
腕の痛さに気をとられているからか、左足の問題はあまり気にならなかったのでゆっくりとではあるがラテとの散歩を楽しんだ。
いつもの公園に行ったものの、その日も友達ワンコたちの姿はなく、オトーサンとラテは仕方なくぐるっと遠回りしてみることに…。
見上げると日が落ちた強烈な太陽が真っ青な空に放射状の光を放っている。まさしく”ゴッド・レイ” …後光のように美しい。オトーサンは空を見ながら、ラテは地面を見ながらの散歩がしばらく続いたが(笑)、遠回りして元の公園に戻る途中で「あっ、ラテだ!」「ラテ、ラテ…会いたかったよ!」と二人の女子が掛けよってきた。

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※夕暮れの空に放射状の光が美しかった


その二人は中学生の女子たちで、小学生時代からラテを一番可愛がってくれた子供たちなのだ。なにしろ一人が「私達はラテのお姉さんだから、アタシは一番のお姉さんとしてワンネェだぁ」と宣言するともう一人が「じゃあ、あたしはワンネェ・ツーにしようっと」といい、しばらくは自分たちで「ワンネエはラテ大好きだよ」などと抱きついたりしていたものだ(笑)。
中学生になり、それぞれ部活などで忙しくて公園に遊びにくることもほとんどなくなったからなかなか会えなくなった。その二人が部活の運動着を着て「ラテ〜!」と駆けてきたのだからラテも大変な喜び様だった。
ピョンピョンと跳ね回り、座り込んでラテを抱えようとするその顔を交互に舐め始めた。それを喜んで許してくれる二人はさすがにラテのお姉さんたちである(笑)。

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※ラテお気に入りの女子たちと暫くぶりの再開。ということで記念撮影


そんな女子たちと「こんどまたいつ会えるか分からないからさ、記念撮影しようよ」ということになりオトーサンはiPhone 4Sを取り出し数枚撮影。すでに薄暗くなっているために鮮明な写真は撮れないが、それでも良い記念だ。
一時お姉さんたちと遊んだラテは名残惜しそうに帰途についたが、その足取りは心持ち満足そうだったし、オトーサンの足と腕の痛みもほんの少し和らいだように感じた。

スティーブ・ジョブズのフィギュアに拘った結果…納得!

先日、MINICRAFT社製 1/6 サイズのスティーブ・ジョブズフィギュアを手に入れた。私はこれまでいわゆるキャラクタフィギュアにまったく興味はなかったものの、話がスティーブ・ジョブズとなれば別だ(笑)。しかし正直そのMINICRAFT社製の出来に満足できなかったので可能な限り自分でパーツを集めてジョブズフィギュアの再構築を企画してみた…。                                                                                                

これまで知らなかったがフィギュアの世界はとてもつなく広くて深いようだ。中には名人芸というか国宝級の素晴らしい作品を自作する人もいたりするが、どうやら人気の大半はアニメキャラクタでもあるようでそれらが混在一体となっている。
私が今般興味を持ったのは1/6スケールのフィギュアである。なぜなら先に手にしたMINICRAFT社製 1/6 サイズのスティーブ・ジョブズフィギュアもその類だったからでもあるが、とにかく豊富なパーツが揃っているようだし入手も容易いからである。ただし例えば1/6フィギュアのボディにしても色々なメーカーがあるらしいし、手足やヘッド部位の取付仕様も異なるみたいだし、これまた最低限の知識を得るには時間とお金をかけなければならないようだ(笑)。

私が目指したのはシンプルである。まず複雑なポーズを取らすことが出来る男性のボディを一体、そしてスティーブ・ジョブズとして納得のいくシーンズと黒のタートルネックそしてスニーカーである。無論一番の問題はスティーブ・ジョブズと得心できるヘッド…すなわち頭部がなければならない。

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※自作ジョブズフィギュアのパーツとして用意したボディと衣装など


eBayなどで確認すればブルース・リーといった有名な人たちのリアルなヘッドは出品されているがスティーブ・ジョブズのそれは当然とは言え容易に見つけることはできないでいた。しかしジョブズの顔がなければ私の目的も達せられないからそれこそ自作でもしない限りこの企画は頓挫するはずだったものの世の中はなかなか捨てたものではなく、私にとって先のMINICRAFT社製のスティーブ・ジョブズフィギュアよりずっと納得のいく頭部が手に入ったのである。というか、このヘッドの表情は先に販売中止になったin iconsのそれより本物に似ているように思える。

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※新たにスティーブ・ジョブズのヘッドを探しに探して入手。その出来には納得!


一通り手元に揃うまで、子1ヶ月はかかったが前記したすべてのアイテムが揃った。
ボディは後年のスティーブ・ジョブズを再現するわけだから筋肉隆々といったやつではなく比較的肩幅が狭めなものを選んだ。
このボディは腹と腰、そして腕と足に関節を持っているため、かなり複雑なポーズをとらすことができるようだ。ということで早速スティーブ・ジョブズが2007年にiPhoneを発表した際、プレゼン中にマシントラブルがあったものの慌てることなく若いときスティーブ・ウォズニアックとやったいたずらについて昔話をした際のポーズを組んでみた。このときジョブズはとても機嫌がよかった…。

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※こうした複雑なポーズも可能だ


さてジーンズは本来リーバイスでなければならないが、そこまでは無理なのであくまでそれらしいものを探すしかできない。ただしスニーカーは一応ニューバランスのものと思えるものを使うことにする。
なおジーンズのベルトとスニーカーは取り急ぎMINICRAFT社製フィギュアから借用しているが後は別途買いそろえたものだ。
そして肝心のヘッドだが、私にとってこの表情はなかなかスティーブ・ジョブズの特長を捕らえているように思って気に入っているのだが、こじつければ2008年頃の姿といってもよいかも知れない。角度によっては独特の気むずかしい感じが出ているものの、総じて機嫌が良いジョブズといった感じが漂っている。
とはいえこのヘッドにもひとつ問題があった…。
それはメガネである。入手したヘッドにメガネは含まれていなかったがジョブズをジョブズたらしめるにはあの丸いメガネが不可欠だ。しかしこの1/6スケールのヘッドに合う丸いメガネはおいそれと見つからないだろうと思ったが、MINICRAFT社製フィギュアに予備のパーツとしてもうひとつメガネが同梱されていることを思い出してセットしてみたら当然とは言えこれがピッタリだった…。

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※早速いろいろなポーズをさせてみた

こうして必要なパーツが揃ったのでボディに衣装を着せ、ヘッドを取り付ければ終わりなのだが、ヘッドのジョイント♀とボディのジョイント♂の仕様が合わないようなので一方のジョイントを一部加工するなどの工夫が必要だったが手足を含めてジョイントの抜き差しはドライヤーで注意深く加熱してやるとスムーズなようだ。
ドライヤーといえば、手のパーツで思った形をしているものがなかったので開いた指を握らせるのにまずはドライヤーで熱し、加圧して必要な形に指を曲げた後、そのまま冷水で冷やすという強引なやり方で目的を遂げることが出来た。

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※オリジナルなスティーブ・ジョブズのフィギュア全身はこんな感じ


ただしヘッドはともかく黒いタートルやジーンズは安物を買ったので出来が良くない(笑)。特に今回の黒タートルは左右が均等でないなど縫製に難があるが、この種のパーツはより良いものがあれば気楽に交換できるから機会があればジョブズのフィギュア環境はよりよくしたいとは考えている。
取り急ぎこのジョブズをモニターの横に座らせてみた。これでいつでもジョブズと一緒…ということにはなるが、邪魔である(笑)。

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※私のメインマシン環境に置いてみたが...邪魔である(笑)


ともかくこれでまずまず納得がいったからこれ以上私のジョブズ・リアルフィギュア熱も収束するはずだが、次はデジタルフィギュア作りをこうした手持ちの環境を活用して実行してみたい。

ラテ飼育格闘日記(276)

「犬も歩けば棒に当たる」とはいうが、事実朝夕の散歩に出ていると様々な光景を目にする機会がある。それらは美しい空だったり自然に微笑んでしまうような母と子のやりとりだったりするが、交通事故の現場に出会ったことはこれまでなかった。しかし先週の日曜日の朝、いつもの公園でラテを遊ばせていたとき大きな音がした…。


土曜日が雨だったこともあり、オトーサンたちは日曜日の朝は早めに起きていつもの公園へと急いだ。とはいってもオトーサンは足を引きずりながらだが、いつもの時間に行けば友達ワンコのボーちゃんと遊べるだろうという心づもりからである。
無論お互いに「土曜日曜はここで何時に会いましょうね」と約束したわけではないが、長い間の習慣でその時間帯に出向けば仲間のワンコが集まるであろうことが暗黙の了解となっているわけだ。ただし雨とか雨の直後は水捌けの悪い公園の地面はびしょびしょでもあり、遊ばせるのをはばかられたり、あるいは飼い主さんたちの都合で来られない時もあるがそれはお互い様である…。

ラテとボーちゃんが遊び始めて少し経ったころ文字通り「ドッカーン!」といった大きな音がしたのでその方向に目をやると木々の陰に隠れてはいるものの道路沿いであろう電柱のケーブルが大きく揺れていた。その音と電線の揺れから見て明らかに車が電柱にぶつかったに違いない…。
とはいえオートサンはラテのリードを持っている関係上、率先して見に行くのもはばかれるし、すでにラテは異常に気がついたのか吠え始めている。

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※こうしていつもの通りボーちゃんと駆けっこを始めたのだが...


その公園の一面は歩道沿いにバス道路が通っている。日中はかなりの交通量だと思うが、日曜日のそれも早朝ということもあって行き来する車も少ないし人通りもほとんどないはずだが、事故には違いないと女房が見に行った。少し時間をおいてオトーサンも気になるのでラテと共に公園の端に行くと女房が呼んでいる。
やはり乗用車が歩道脇の電信柱に激突したらしく、救急車を呼ばなければと叫んでいるのだ。
自転車で通りかかった年配の男性が自分の携帯で110番に連絡し、同時に救急車の手配も頼んでいたのでまずは安心したが、そこには乗用車のドアが開き、倒れている人の姿があった。

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※衝突の激しさは電柱の根元が折れかかっていることでもわかる


近づいてみると70歳前後だろうか、女性がうずくまっているが意識はあり、外見は出血している様子はないものの胸が痛いと訴えている。
110番に電話をかけた男性が言うには車から僅かだが白煙が出ているし、前面は大きく破壊されているので万一車が炎上するとまずいから女性を車から離しましょうという…。
こういう場合はあまり身体を動かすのは得策ではないと聞いているが、車の前に回ってみるとエンジン部分までが酷く壊れているしコンクリートの電柱の根元がすでに破壊され傾いているほどの事故だった。したがって確かに車が炎上する可能性がないわけでもない。

早速その男性とオトーサンは女性に声をかけながら抱き上げて少しずつ車から離し、公園の周りを囲むようになっている石垣で背中を支える姿勢にして救急車の到着を待った。
しかし救急車やパトカーの姿は一向に現れない。
時計を見て計ったわけではないが非常に遅いと感じたのでオトーサンはiPhone 4Sで119番に催促の電話をかけた。そういえばiPhoneで119番を呼び出すことなど初体験である。
「○○公園の前の○○大通りで車両事故が起こり、負傷者が一人いるので救急車を頼んだがまだか…」と問い合わせると話しはきちんと伝わっているらしく「まもなく到着するので負傷者を安静にさせてお待ちください」と言われる。

最初の電話から10分ほどもかかった感じもするがやっと救急車の姿が通りの向こうに見えたときには正直ホッとした。そして続いてパトカーも到着した。

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※救急車とパトカーが到着


オトーサンはラテのリードを持っていては自由が利かないので公園歩道際にある鉄作に繋いで現場に行ったわけだが、恐がりのラテは事態が尋常でないことを知ってか吠えに吠えている(笑)。
友達ワンコのボーちゃんは大人しくしているが、ラテの吠え声だけが場違いに五月蠅い。

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※鉄柵につないだラテは尻尾が垂れ下がり怯えて吠え続けていた。実に五月蠅い(笑)


私は車の運転ができないので詳しい事はわからないが、エアバッグが装備されていない車種だったようで、運転者は衝撃で胸を強くハンドルにぶつけているらしい。
むち打ち症は免れないだろうし、車の壊れ具合を見れば肋骨の数本は折れているのかも知れない。
問題はなぜ事故を起こしたのか…だが、車が激突した電柱は対向車線側の歩道脇にあるのだ。ということは原因は不明だがハンドルを切り損ねた、あるいは居眠り運転のため対向車線を突っ切ってしまったと思われる。それにオトーサンの推理では激突音が凄かったこと、直前にブレーキ音を聞かなかったことなどから考えれば居眠り運転か、何らかの理由で一瞬意識を失っていたのかと思う。

ただし運転者には気の毒だが、不幸中の幸いだったのは日曜日の早朝だったことだ。
この道路の崖上には中学校があり、大通りはバス通りになっているから歩道にバス待ちの人や場合によっては学生たちが多々行き来するロケーションでもある。そして対向車線にも車がなかったこともラッキーだったといえよう。
運転者の女性がこの時間帯になぜ車を運転していたかだが、無論聞いたわけでもないので本当のところは分からない。ただしこれまた状況を推理すると車の進行方向は近隣の駅方面から逆に向かっていたこと。同乗者がいなかったこと。そして女性の服装が失礼ながら普段着であったことなどなどから、家族を駅まで送った帰り道だったのではないかと思う。

そんなことを考えながらオトーサンはパトカーから降りてきた警察官が繋いだラテに近づくのを見て駆け寄った。
なにしろ我が娘は警察官と見ると吠えかかるのだ。事実既に近づく警察官に向かって唸っているが、警察官は気にも留めずにラテの脇を通り過ぎようとしていた。オトーサンは万一のことを考えてラテのリードを引いて制御したが、そうでもしないとラテは警察官の臑にでも飛びかかる勢いで吠えている。
ノラ時代のトラウマでも残っているのかも知れないが、警察官だけでなく警備員などの制服を着ている人たちが嫌いなのだから困る。何しろ駅前の交番の前を通るとき、ラテはわざわざ交番に近づき、中にいる警察官に文句でも言うように吠えるのだから変なワンコである。
ともかくラテをなだめながら状況を見ていると負傷者はタンカーに固定され運ばれる体勢になっているのでオトーサンたちも一安心して公園を後にすることにした。

オトーサンたちもさすがに少々気疲れしたが、ラテも吠え続けたことでこれまた疲れたに違いない。帰りの道のりは大人しかった。

スティーブ・ジョブズの衣装がずっと変わらなかった...は伝説

先日、スティーブ・ジョブズの大ファンという方と長電話する機会があって楽しい一時を過ごしたが、その話題の中には「おやおや…」と思うこともいくつかあった。すでにジョブズの言動のあれこれは伝説化しているが、彼の衣装すなわち出で立ちが10年以上まったく変わらなかったという話しも実は伝説であり事実とは違うのだ…。


確かにスティーブ・ジョブズの姿を思い浮かべると黒いタートルネックとジーンズ、そしてスニーカーという出で立ちが目に浮かぶ。そして多くのジョブズファンならずとも強烈な印象を与えた情報として2010年に紹介されたfastcompany.comの記事が日本でも多々繰り返し紹介されたことから「ジョブズの出で立ちが公の場では10年以上ずっと同じだった」というイメージを我々に植え付けたといえるかも知れない。
ただし厳密な意味で言えばそれはまさしく一種の伝説であり、事実とは違うことを知っておいて損はない(笑)。

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※fastcompany.comの記事から転載


前記fastcompany.comによるビジュアルは1998年から2010年までの間、2001年に靴の色が違ったことが1度あっただけで後は同一ファッションだったということを強調しているわけだが、それは自説に都合の良い部分だけをピックアップしただけに過ぎない...。
何故なら1998年以降に限ったとしても、1998年5月にWWDCにおいて初のiMacを発表した際、ジョブズはスーツ姿だった。そして1999年のMacworld Expo San Franciscoではジーンズを履いていたものの上着は白のタートルに黒いジャケットだったし同年のMacworld Expo Tokyoも同じスタイルだった。

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※1998年5月のWWDCでiMacを発表するスティーブ・ジョブズ


さらに2001年のMacworld Expo Tokyoではやはりスーツ姿で登壇したのだ。無論なぜそれぞれの時に黒いタートルとジーンズでなかったのかは知る由もないが、スティーブ・ジョブズ本人としてみれば何らかの理由があってのことに違いない。
したがってfastcompany.comのビジュアルも例えば1999年は1月のExpo/SF、2月のExpo/Tokyoそして7月のExpo/NYと大きなイベントが3回もあったにも関わらず、黒いタートルネックとジーンズという出で立ちをしたニューヨークのジョブズだけをピックアップしたに過ぎないのである。

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※1999年のMacworldExpo San Franciscoでキーノートスピーを行うスティーブ・ジョブズの姿


また余談ながらジョブズのジーンズとシューズについて一言付け加えると、リーバイス 501、ニューバランスだといわれている。それは間違いないようだが2009年9月のスペシャルイベント登壇の際には激やせした姿で登壇したからだろう、ジーンズにベルトが使われていたのが痛々しかった。

ちなみにこれらを容易に確認する手段は多々あるわけでもないだろうが興味のある方は2011年10月に出版されたMacPeople誌の別冊付録「Steve Jobs Keynote History」を参照されることをお勧めしたい。

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※MacPeople誌の別冊付録「Steve Jobs Keynote History」表紙


まあスティーブ・ジョブズの出で立ちが10数年もまったく同じ…という話しはいかにも特異な人物像として興味をそそる面白い話しだが、事実はそうそう単純ではないのである。

ラテ飼育格闘日記(275)

情けないことに足や腕が痛い…。特に左足は階段を登るとき、足を上げて踏みしめることに難があり、気を付けないと腰砕けになりそうなのだ。しかし朝夕の散歩は続けなければならないし、ラテもまったくオトーサンの体調など意に介せず元気いっぱいなのだ(笑)。                                                                                           

まったく、何が因果でこれほど歩かなければならないのか…とつい愚痴をいいたくなるが、朝夕の時間になるとラテのことを思って散歩に出かけてしまう。オトーサンの前世はきっとワンコに辛い思いをさせた因果応報で…こんな羽目になっているのかも知れない(笑)。
いや、冗談はともかくラテはオトーサンが望み引っ越しまでして我が家に迎え入れたワンコであるからして責任を忘れたことはないし、その命を楽しく全うして欲しいと願っているわけだから簡単に弱音を吐くわけにはいかない。しかし、痛いものは痛いし、辛いものは辛い(笑)。
本音をいえば、この程度のことなら1週間ほど温泉地にでも旅行して癒やせば治ると思っているが、まさかラテを置いて旅行しても心配が膨らむだけで一向に癒やしにはならないので決断できない。なにか良い方法はないものだろうか…。

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※こうした環境の良い場所を散歩できるのは恵まれたことだし、ありがたいことなのだが...


とはいえこれまでにもこうした痛みを感じたり辛いことは何度もあったが、それなりに時間がたつと楽になることを経験している…。だからともかく極端な無理を別にして、少しずつ身体を動かすことが大切だと思っている。
女房はラテがいるからこそオトーサンは生活意欲が出るのであって、もしラテがいなければ閉じこもって逆に足腰も弱くなり、早く惚けると思っているらしいが…悲しいかな一理ある(笑)。

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※ラテは寒い季節だと驚くほど歩く


それにこの地は非常に起伏が激しい場所でもあり、坂道が多いだけでなく階段も多い。そしてどういうわけかラテは階段好きなのだから困る。
したがって雨が降ると雨が嫌いなラテは「チイ散歩」すなわちオシッコだけしてすぐに帰るという行動を取ることが多いので楽ができるときがあるものの、それもラテの気持ち次第なのだから散歩に出かけてみなければ分からない…。
最近はありがたいことに大分に日が長くなり、照明を点ける時間が短くて済むようになったが、雨の日の夜の散歩ともなれば当然だがオトーサンは傘をさし、小型で強力な懐中電灯をかざして歩かなければならない。無論片手は間違いなくラテのリードを持つわけだからこれまた大変なのである。

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※ラテは橋の上から下を覗くのが好きなようだ(笑)


当然ラテも雨の日はレインコートを着せられるから、雨が嫌いでレインコートも大嫌いという二重の意味で早く帰りたいという気になるらしい。とにかくラテはレインコートを着せると固まってしまい、オヤツを口元に出しても食べないほど落ち込むのだから面白い(笑)。オトーサンは冗談で、これだけ大人しくなるなら普段でもレインコートを着せようか…というほどラテの行動は制約される。
とはいえそれは見るからに気の毒で可哀想だ…。そう思う甘いオトーサンだからして小雨の場合はレインコートなしで出かけてしまうこともあるが、それは帰宅してからの処理が通常の倍以上大変で乾かすのに時間がかかる。

まずは雨で濡れた全身をタオルでから拭きしてから四つ足を洗面器に満たしたぬるま湯で洗いタオルでよく拭く。そして身体全身を汚れ落としのためにワンコ用のウエットティッシュで丁寧に拭く。濡れるのが嫌なラテはオトーサンがタオルを取り出すと、早く拭いてくれと自分から頭を突っ込んでくる。
雨の日や雪の日は見た目以上に四つ足は汚れているものだ。その汚れは泥が付いたということより細かな塵芥が肉球の間に入り込んだり、四つ足の臑や尻尾に付着するのである。したがって酷いときには洗面器のぬるま湯は見る間に黒くなっていく。

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※久しぶりにハリーちゃんと会えたので早速遊びに誘うが...


そしてともかく水分を感じなくなるまで拭き取るが、さすがに本格的な雨に濡れた後はタオルで拭いたくらいでは毛足の長いラテの体毛は乾かないのでドライヤーを使うことになる。
幸い適度な温風ならラテは大人しくしているから楽だが、とにかく首回りから脇の下、尻尾と四つ足はなかなか乾かないので丁寧にやるしかない。
しかし考えてみれば、そうした雨や雪の日はラテならずともオトーサンだってかなり濡れているはずだ。事実ジーンズの裾はビッショリだし、靴下は半分濡れている状態だ。そして雨脚が強い場合などは上着の襟などからも雨が入り込んだりして着替えなければならなくなる。しかしまずはラテが優先であり、ラテを快適な状態にしてからオトーサン自身のメンテをするわけだが、時間がかかるとあらら、オトーサンの方は自然乾燥しているときがあるほどなのだ(笑)。

オトーサンはそんなに神経質な方ではないが、ラテは100%室内飼いだし、夜ともなればオトーサンたちの横で一緒に寝ることになっている。したがって寝具を踏むこともあればオトーサンの掛け布団に頭を突っ込んで遊び回り、布団カバーをダメにしてしまったこともあるほどだからやはり最低限ではあっても許容できる綺麗さでなくてはならない。
だから汚れといったことだけでなくラテの体臭も気になるときには微香性のシャンプータオルで拭いたり、ブラッシングの通りを良くするスプレー(香料付)を使ったりしてブラッシングに時間もかける。ラテの体毛は見かけほどは抜けないのだが、それでも家中はラテの毛だらけであり掃除機をたえず必要とする。ただし掃除機をかけても、そして粘着ローラーを使ってもそこいら中にラテの毛は四散しているはずだ。

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※今日も楽しい夢を見てくれるのだろうか?


第1オトーサンはあまり気にならないが、我が家の玄関に入った途端にワンコの臭いがするに違いない。いや玄関や部屋というだけでなくオトーサン自身にもラテの体臭がしみ込んで、もし臭いに敏感な方ならそうした臭いに気がつくのかも知れない。特に冬場はフリース製のマフラーや上着などには注意をしていてもラテの毛が付いているのだから…。
しかしこんな話しをするとワンコを飼うことはかなり不潔な環境を生むのではないかと危惧される人もいるかも知れない。それは間違いないことだ…。どんなに綺麗に整えようともワンコは素足で外を歩き回り、草むらや地べたを嗅ぎ周り、時にはバッチイものを口にすることすらある。
また室内飼いの場合はトイレシートも敷いてあるだろうし場合によっては粗相もするかも知れない。そして前記したように犬種にもよるが脱毛もかなりの量になるだろう。事実中にはこうしたワンコの体毛にアレルギー症状を起こす飼い主もいるようだから清潔に保つことは大切なものの神経質過ぎては到底生き物は飼えない。

エーベルハルト・トルムラーはノーベル賞受賞者コンラート・ローレンツの元で学んだ人物だが、著書「犬の行動学」中公文庫刊で「ある程度の不潔さは、確かに、生き物(人間)に必要なのです」と書いている。そして「赤子の顔を、犬が嘗めるのを当然のこととして我慢できないような人たちは、犬も、そして子供も持つべきではないという助言を守るべき…」とまで言っている。
トルムラーは続ける…。「私には7人の子供がおり、彼らは犬の中で育ちました。そして、頭の切り傷が余りにも大きくて、犬がやさしく嘗めてやっても治らない時に医者の助けを借りたことがあるだけだ」と。
しかし面白いもので飼い犬の臭いは確かに動物臭なのだが、犬好きの人にとっては悪い臭いでもないのだ。オトーサンもラテに頬ずりしたりラテのお腹に顔を押しつけることもあるが、暖かい体温と共にワンコ独特の臭いを嗅ぐと思わず「ムフフフ…」と笑顔が溺れてしまうのである(笑)。
こうして今日もオトーサンは足を引きづりながらも散歩を続けるのであった…。

ラテ飼育格闘日記(274)

ラテはこの寒さのなか、夏場とはまるで違い、あっちこっちと歩きたいようでオトーサンが意図した散歩メニューを無視してリードを引くことが多くなった。無論その大半は「ダメ!」の一言で却下だが、たまにはオトーサンもラテの行きたい方向へと足を向けることもある。しかしオトーサンは右足の踵とか左足の太ももや膝関節が消耗して痛い…。                                                                                                           ラテにとって、楽しく満足した散歩とそうでない散歩があるに違いない。しかし夕方の散歩に限ったとしてもオトーサンたちがいつもと同じ時間に家を出ても行き会うワンコたちは違うわけだし、ましてや友達ワンコたちに出会えるケースは残念ながら昔ほど多くない。
結果、広い公園で北風の吹くなか、ぽつんと居座ったまま公演の入り口を向いたまま時間が過ぎていくという日もある。
そんな夕暮れの帰り道はラテならずともオトーサンだってつまらないわけだが、ラテの歩き方が俄然遅くなり嫌々歩いているようにも見える(笑)。

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※誰も来ないぞ...ラテ!


反対に思いも賭けない嬉しい日もある。普段その公園には近づかないボーダーコリーのボーちゃんがやってきたり、ビーグル犬のハリーちゃんがお母さんに連れられて姿を見せるとその瞬間、ラテの表情が大げさでなくパッと明るくなるのだから面白い。そして盆と正月が一度に来たような日にはマキちゃんとこれまたお母さんの姿が向こうに見えたりするとラテは乱舞のようにあっちこっちと好きな友達ワンコの間を駆け回る。

とはいえ、ラテが近づいても威嚇したり吠えたりしないワンコは残念ながら少数に限られ、そのほとんどが幼犬時代からの友達ワンコで雄なのだ。
マキちゃん、ハリーちゃん、アポロちゃん、クロちゃん、ポン吉ちゃん、そして後数匹だけというのだから毎日の散歩の中で出会う確率は大変低いのは当然といえる。
オトーサンは「新しい友達も増やさないと…」と思うが、こればかりはどうにも致し方ない…。

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※今日の散歩は満足したのでしょうか?


そんなわけでいつもの公園に出向いて一回り、二回りしても友達ワンコが通らない場合の方が多いわけだが、一昨年くらいまでならよく小学生の女子たちがこの公園で遊んでいた。そしてその何人かは「ラテ、ラテ!」と可愛がってくれたこともあり、場合によっては女子たちと一緒に駆け、抱きつき、顔を舐め回したりしていたし、そうした日はラテも満足するのかオトーサンとの帰り道もスムーズに歩いた。
とはいえ近年は近所の小学校が統合で閉鎖されたり、女子たちも中学生になりそうそうこれまでと同様に遊んでいられないわけで、女子たちと会える日もほとんどなくなってしまったのだ。

ただいつものとおりに公園に行き、馴染みの場所を回ったり座り込んだりしているだけではラテも面白くないに違いない。そんな日はなにか変化が欲しいものだと愚痴を言いながらラテと帰ってきた明くる日、何としたことか窓の外は一面真っ白でまるで北国(笑)。
夜半から降った雪が昼になっても止まずに10センチ以上も積もっている。北国の方にはこの程度の積雪で右往左往するのは笑われようが、慣れていないからもう大変...。

その上、オトーサンは最近足に痛みがあり、右足の踵と左足の付け根に力が入らないという情けないありさま。そうしたへっぴり腰で積雪の中に足を踏み入れるオトーサンに対してラテはもう大喜びである。
朝の散歩では誰もまだ踏み入れていない場所を探して入り込むというまるで子供みたいなことをやっている。しかし雪の上にラテとオトーサンの足跡が残っていくのはなかなかに楽しい…。
しかしその雪はその後も降り続き、夕方の散歩時には止んだもののこの地に来てオトーサンが体験した一番の積雪になっていた。

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※朝の散歩では積雪の上にオトーサンとラテの足跡だけが残っていく...


ともかくオトーサンはラテを喜ばしたい一心でいつもの広い公園を目指したが、遊歩道は10センチ以上の積雪で軽快に歩けない。
景色が一変したものの、よく見知っている道だから、ここは草むらでこの辺は舗装されている場所だな…というのが分かるものの思うように歩けず四苦八苦しながら少しずつ進む。
無論オトーサンは札幌滞在中に愛用していた雪靴を履いて出かけたから滑りにくいものの足場が悪いだけでなくオトーサンの足腰が不安定なので転ばないようにと気を付けるのに精一杯だった。

やっと目的の公園に着いたが、人もワンコも誰もいなかった(笑)。それでもラテはやはり嬉しいのだろう、その積雪の中に頭を入れるようにして突き進んだ。そして入り口付近では駆けずり回ったものの、公園の中央に行こうとするとラテが動かなくなった。
どうしたのかと振り返ると動かなくなったのではなく、動けないのだ(笑)。
なぜなら、ラテの身体は四つ足の根元まで、腹が隠れるほどに雪に埋まっている…。多分ラテもこれほどの積雪は初めてだったに違いないが、足を単に前に出すという動作ができず、一端上に抜いてから前方を踏みしめるという動作を繰り返さないといけない。その要領が最初はわからず立ち往生していたようなのだ。

したがって積雪は場所によっては有に20センチほどは積もっていたことになる。
勿論大変なのはラテだけでなくオトーサンだってすでに雪靴の中は濡れているしサポーターをしている膝関節にも痛みを感じるようになった。その上まずいことに足先が冷えたからだろうか、足指の一部がつってしまい痛く一端靴を脱いで揉みほぐすが、靴下もびしょ濡れ状態だった。これは限界だと早速公園を後にすることに…。
面白いのはラテはもう少し遊びたいとダダをこねると思ったが、以外と素直にオトーサンについて来るではないか。どうやらさすがにラテもこの積雪に困惑し疲れたようだ(笑)。
帰り道、滑らないように工夫しながら歩いているとお母さんに連れられた柴犬のポン吉ちゃんとすれ違ったがさすがに他のワンコや女子たちと会うことはなかった。しかし帰宅しびしょ濡れのラテの四つ足を洗い、身体を拭き、ドライヤーで乾かす頃になるとラテの目は虚ろになってきた(笑)。

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※アタシもちょっと疲れました...


「オトーサンだって疲れたんだからしっかりしろ!」と声をかけながらラテを綺麗にして解放した途端、電気マッサージチェアに飛び乗り丸くなって目をつむった…。
満足な散歩であったかは分からないが、少なくとも雪はイヤと言うほど満喫した散歩だったに違いないその寝顔は可愛かった。

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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員