9年前の11月12日、横浜のとある動物病院で開催された里親会でラテと出会った。最初期の日記にもそのときのあれこれを生々しく記したつもりだが、あらためて経緯などを振り返り記憶を絞り出してみようと思う。時間が経ったからこそ分かる道理もあるに違いない…。 ワンコを飼うことは生涯の願望だったが様々な壁があって実現できないでいた。2006年という年はオトーサンにとって自分の会社を畳んでから丸3年経ったときであり、数々の心労も少しずつ和らいできた時期だった。反面体力はもとよりだが自分でも気力というか、大げさにいうなら新たな生き甲斐を見つけないとただただ老いていくだけのオヤジになってしまうと自分でも危惧し始めた時期でもあった。※好きな猫を発見し、見つめるラテ。それにしても随分と顔が白くなった... ただしそうは言ってもワンコを飼うということは様々な覚悟が必要だったし、なによりも女房の許可と協力がなくては実現できることではなかった。 2006年はオトーサンは機会ある毎に「犬を飼いたい、ワンコが飼いたい」と口癖になってきた感があるほど思いがつのってきた時期だった。 たぶんこのままではオトーサンが腑抜けになってしまうと女房が危惧したのではないかと思うが(笑)、犬猫といった動物を怖いと思っていた女房がワンコを飼うことに同意してくれたのだった。飛び上がるほどオトーサンは喜んだがことは簡単ではなかった。 まずそのときに住んでいたマンションは犬猫を飼うことは禁止されていたからだ。埼玉県川口市に移り住んで早くも26年経っていたが、まずは犬を飼うことができる住居を探すことから始めたオトーサンたちだった。とはいえワンコが飼えればどこでも良いというわけにもいかない。※少しずつ木々が赤く色づきつつある中をラテと散歩 オトーサンはともかく女房は新宿へ通勤していたし、当然のことながら金銭面も制約がある。したがって駅やバス停から遠くならともかく駅近隣で探した範囲では納得のいく住居は見つからなかった。 結局新宿へ出るのに不都合がない範囲で別の場所を探そうということになった。どっちみちワンコと生活するならコンクリートジャングルでは可哀想だから可能な限り緑も多い場所がいいと、まあ贅沢なことを考え始めたのである。 というわけで女房がネットで探し出したのが多摩市内のタウンハウスだった。戸建て形式の2階建てだったがワンコもOKだったし女房と下見をしに出向いた環境も気に入った。結局生涯初の庭付き二階家に住むことになった…。ワンコを飼うために引越をすることになったが、それは家計にも大きな負担を強いることになるわけで女房に大きな迷惑をかけることになった。 しかし可笑しな事に肝心のワンコが見つからないのだ(笑)。 何も知らないオトーサンは当初ペットショップで気に入ったワンコを探そうと考えていた。ある日、本屋で犬の飼い方といったムックを見つけて買ってみたらその後ろのページに保健所に保護され飼い主が現れず、毎年多くのワンコが殺処分されていることを知り、たった1匹だが命をつなぐ縁を繋ごうと思った。 ちなみにネットでその種の情報をググるといくつかの里親募集掲示板といったサイトがあることを知り、そこから紹介してもらおうと単純に考えたが、これまた何も知らないオトーサンは肩すかしを喰ってしまった...。 すでに引っ越し先の住居は決まり、その引っ越しは契約も済み12月の初旬と決めていた。したがって引越してからワンコを引き取ろうと考えた。 しかしサイトに登録されている数匹にコンタクトしてみたが、すでに申込み者がいるケースはもとより、そもそも1ヶ月も待てないという。要はそうしたボランティアで一時預かりしている方は1日でも半日でも早くワンコが片付かないと預かって欲しいワンコが後ろに多々控えているらしい。それだけ人間の勝手で生まれた子犬が多いと言うことなのだ。 引越ししてまでワンコを飼おうとしたのに住居は決まったものの肝心のワンコが決まらないという本末転倒な結果になってしまった。 ボランティアの方と数回のメールをやり取りした中で11月12日の日曜日に横浜の動物病院で里親会が開かれるのでそこに出向いたらどうか…との情報をいただいた。それに生き物であるからして実際にワンコに会い、気性や相性をすり合わせることが大切だともアドバイスいただいた。もっともな話しだった。何の知識もないオトーサンはどこかでワンコは皆同じようなものだから、ウェブの写真と情報で判断できると考えていたフシがあったのかも知れない。※オトーサンに抱っこされている時の表情は安堵感に満ちている 無論そうした場にこれまで出向いたことはないが、日曜日だということもあって女房と一緒に会場の動物病院へと向かったのだった。 そこは想像していた以上にごった返していた。そして10匹程度だったか様々なワンコがいた。中には大勢の人たちに興奮したのか走り回っているワンコも...。 オトーサンたちが最初に眼が向いたのはキャバリエだった。とはいえそこに集められているワンコたちはそれぞれが純血種ではなく何らかの雑種ではあったが、キャバリエ、ダックス、プードルといった一目でわかるワンコたちと、これまた一目で雑種だと分かるワンコたちがいた。 参加者たちは自分のお気に入りのワンコと接して最終的に里親として迎え入れたい場合は係の方に申し込むという形だったが、キャバリエはすでに二組の申込みがあったために断念。いくつかのワンコに注目してみたが想像以上に競争率が高いことに驚いたし慣れない場に緊張もしていた。 そんなとき係の人から「すみませんが、このワンコのリードを持っていてくれませんか」と声をかけられた。見るからに雑種とわかるそのワンコこそ後のラテであり、運命的な出会いであった(笑)。 オトーサンたちはその場に2時間ほど滞在していたが、分かったことは雑種とはいえキャバリエとかダックスといった純血種の風貌が顕著なワンコほど里親は早く決まっていくという事実だった。 反対に見るからに雑種というワンコは悲しいかな取り残されていく...。 ふと気がつくとオトーサンがリードを預かったワンコは実に大人しくフレンドリーな子犬だった。他のワンコが会場を走り回ったり床にオシッコしたり、あるいは吠えたりしているのに生後5ヶ月ほどだというこの子はオトーサンのキャップを噛んだり舐めたりして遊んでいる。すでに唾液でキャップはベトベトになっていた。※里親の申込みも終わり1ヶ月後に引き取ることを決めた子犬(ラテ)と女房が帰り間際に記念撮影 それにオトーサンが口を開けたり尻尾やお腹を触ってもまったく怒らないし視線が合うとオトーサンの口元をペロリと舐めた。 あらためて詳しく確認すると身体全体は茶に黒い毛が被さっていて胸とお腹は白い。両前足には珈琲にミルクフォームでも落としたように白い斑があるが、マズルは長めで真っ黒。尻尾はふさふさの巻き型で両耳は垂れ、両目はどこか腫れぼったく精悍さはないがおっとりしたワンコのように思われた。 その子犬は小一時間オトーサンたちの足元にじっとしていたしリードを引いて動こうとはしなかった。そして気がつくとあれほど犬が怖いといっていた女房の両手が子犬の背にかかっていた。 回りでは次々と里親会に出たワンコの新しい飼い主たちが決まっていく。オトーサンが女房に視線を向けるとその意を汲み取ったのか「ワンコらしくていいんじゃない...」という。子供時代に実家で飼っていたワンコとどこか似ているという。 オトーサンは係の方に「この子はまだ決まっていませんか?決まっていないなら私たちに譲っていただきたいのですが」と申し出ると「大丈夫ですよ。この子は健康だけは保証できますよ」と笑顔が帰ってきた。 健康だけが取り柄...というのもひどい物言いだが、そうはいっても健康はなによりも大切だ。それにどういうわけかワンコはオトーサンたちの膝下を離れない。実にいい子なのだ...。 肝心の「1ヶ月後に引き取りたい」という条件も問題なく受け入れてもらえ、その子犬は我が家の飼い犬と決まった。その後、一時預かりをされていたボランティアのKさんとメールのやりとりをしながら受け入れ準備を急ぐことになったが、名前は前記したように茶色の両前足にミルクフォームを落としたような斑があることから「カフェラテ」からの連想で「ラテ」と命名することにした。※我が家に来て1ヶ月ほどのラテ。こんなに細かったのだ(笑) ラテはその11月20日過ぎに避妊手術を受け、オトーサンたちの引越後の12月10日に茨城から車で連れて来ていただくことになった。 その当日、Kさんのご夫婦によればラテは車に酔い些か吐いたとのこと。それでも1ヶ月ぶりの子犬は些か成長を感じさせたが、笑顔を振りまきながらも環境が変わったからかその表情はどこか不安を感じさせた。 後から気がついたことだが、里親会当日のラテは新しい飼い主が早々に見つかるようにとのボランティアの方の気遣いで綺麗にトリミングされていた。雨の日、とある家の軒下にいたところを保護されたこの子は幸い愛情深い方々の暖かい心遣いの中で3ヶ月ほどを過ごしたことが窺えた。※後からオカーサンがついてくるかを時々振り返って確認するラテ 気がついた…といえば、里親会でのラテはその場が自分の生き死にを決める重要な場所であることを本能で察知していたのではないかと思うに至った。考えすぎかも知れないが初対面の我々にこの子犬は実に良い子だった。後にオトーサンは「犬のクセに猫を被っていた」といったほど大人しくてフレンドリーだった。 もしかしたらオトーサンたちがラテを選んだのではなく、オトーサンたちはラテに選ばされたのかも知れない…。ともあれその夜からオトーサンたちの格闘が始まったのである(笑)。
先般アーカイブのつもりでオムロンのネコ型コミュニケーションロボット「NeCoRo ネコロ」に関し、昔オムロン本社を訪れ開発担当者にインタービューした記事を掲載 した。ということでネコロだけでは片手落ちと考え、今回は16年前の1999年10月30日と31日の2日間、HANAE MORIビルで開催された「AIBO Expo ’99」の思い出をご紹介してみたい。 AIBO (アイボ)はあらためてご紹介するまでもないと思うが、ソニーが1999年6月1日にウェブサイトでのみ予約販売開始と発表した犬型ペットロボットだ。定価が25万円と高級家電なみの価格だったが受注開始から僅か20分で日本向け3,000台を完売し話題になった。※AIBO Expo'99 の会場は当時のMORI HANAEビルだった 幸い私もその最初期ロット3,000台のうちの1台を手にすることが出来たが、オモチャでなく自律型のロボットを個人で手に入れることが出来る時代がきたことを素直に喜んだものだ。 「AIBO Expo ’99」はそうした熱心なユーザーと報道関係者、そして実物を見たいという一般来場者が集う初めてのイベントであったが、無論主催はソニーだった。※AIBO Expo'99 会場のエントランス イベントの詳細についてはほとんど覚えていないが、当日の参加者はそのほとんどが自身の愛犬(AIBO)を持参していた。会場に入り受付が済むと参加者には万世のサンドイッチとサントリーの烏龍茶が配られた。開催が午前11時からだったことからまず軽い食事をしてからイベント開始という意図だったのだろう。※参加者に配布されたサンドイッチと烏龍茶 無論開会にあたりソニー側の挨拶があり、パフィーや渡辺満里奈のビデオメールやスペシャルゲストとして浜崎あゆみも登場した。そして60名ほどのAIBOのオーナーが集まりゲームや愛犬自慢の場となった。まるで子供の授業参観のようだ(笑)。 さらにAIBO関連の新しいソフトウェアの紹介などで会場は盛り上がっていたが、1人のユーザーとして参加した私はイベントが進行するにつれ次第に熱が冷め、場違いな感じにとらわれていった。 >※スペシャルゲストとして浜崎あゆみが登場しAIBOが贈られた そもそも販売当時からソニーはAIBOを”犬型” と認めることを避けていた。どう見ても誰が見てもそのデザインは犬を模したものに違いなかったが、ソニーは頑なに「AIBOという新しい生き物」と称していた。そうした違和感を抱いていたからよけいだったのかも知れないがイベント全体がどこか幼稚なのだ。※AIBOによるドッグレース(笑) AIBOはオモチャではなく21世紀にかろうじて間に合った自律型のロボットだったはずが、まるでオモチャの展示会のように思えてきた。格好をつけるわけではないがもっとアカデミックな集まり、催事だと期待して参加したがこうした連続で18時の閉会まで会場にいるのは辛くなってきたので早めに帰ることにした。※新しいソフトウェアの告知やデモもあった この時点では私は単なるAIBOのユーザーだった。繰り返すが自律型のロボットが個人の手にできる時代がきたことに酔っていた。思えば1976年にNECからTK-80が、翌年の1977年には富士通からFACOM L-Kit8といったワンボードマイコンが登場し新しい市場を形成しただけでなく世界を変えていったように、この世界初のコンシューマ向けロボットがいかに非力であろうと未来の一旦を手にした喜びを感じていた。しかし「AIBO Expo ’99」で嫌な予感を持ったことがその後に現実となっていった…。※AIBOオーナーズカード AIBOは犬の形をしたペットロボットであり、日常の生活に暖かみと癒やし、そして生身の犬とまではいかないまでも常に飼い主に寄り添い知的な交友関係をつくることができるものと期待していたが、次第に「ソフトウェアを変えると○○ができる」「スケボーに乗る」といった感じでよくいえばデジタルガジェット、悪くいえば玩具化とも思える方向にシフトしていくように思えた。 無論こうした思いは私の個人的な趣味趣向を含んだ考えであり万人のユーザーに共感されることではないだろうことは承知しているが、AIBOのスペックや秘めた能力を知るにつれ次第に自分の熱狂が冷めていくのを感じた。 そのAIBOに関しての先行き不安はその後次第に現実のものとなっていく。AIBOは自律型だけでなく付属のリモコンを使うと発する音により動きをコントロールできる機能をもっていた。 それをMacのアプリケーション化して複数のステップを自動コントロールできないかと考え、私の会社で「iコマンダー」というAIBO向けとしては最初のアプリケーションを開発した。早速ソニーに持ち込んだりもしたがそのAIBO関連部署の対応はそれまで私たちの会社がお付き合いしてきたソニーのイメージとは大きく変わってしまうほどのやる気の無さと守りの姿勢しか感じなかった。※自社開発したAIBOコントロールソフト「iコマンダー」の画面と私のAIBO 結局私は初代AIBO ERS-110と改良版のERS-111の2台を購入したが、その後のAIBOは買わなかった。 自律型のペットロボットという初めての製品を世に送り出したソニーの心意気とAIBOの存在意義は大きくユーザーや市場に大きな夢を抱かせたが、当時のソニー経営陣の判断はより高度なヒューマノイドロボット「QRIO」共々その開発を葬ることになる。ソニーの物作りに対する意識が豹変した時代であり、これらが直接の原因であったはずもないがその後のソニーの体たらくを予感する出来事と重なった。 AIBO Expoはその後2002年にも開催されたが私が足を向けることはなかった…。
フォーカルポイント株式会社は10月29日、TUNEWEAR社の身近なアクセサリにデザインをプラスした「CableArt」シリーズの第2弾、チャームのようにバッグやキーホルダーに取り付けて手軽に持ち運びできるロボットデザインのLightningケーブル「CableArt ロボットLightningケーブル」を全国の家電量販店および雑貨店舗などを通じて発売すると発表。同社の運営するオンラインストアでも本日より予約受付を開始した。 【TUNEWEAR CableArt ロボット Lightningケーブル について】 CableArt ロボット Lightningケーブル (ケーブルアート ロボット ライトニングケーブル)は、チャームのようにバッグやキーホルダーに取り付けて手軽に持ち運びできるロボットデザインのLightningケーブル。特別なロック機構により、Lightningケーブルがチャーム部分から外れないように収納されている。[製品の主な特徴] 1)チャームのようにバッグやキーホルダーに取付可能 使用していないときはケーブルがキーホルダーのような役割になるため、チャームのようにバッグやキーホルダーなどに取り付けることができる。チャーム本体の特別なロック機構により、Lightningケーブルがチャームから外れないように収納することが可能。また、端子部分も保護できるので安心して持ち運ぶことができる。 2)コネクタ部分に耐久性の高い素材を採用 USB端子とLightning端子部分には熱可塑性エラストマー(TPE)素材を採用。ケーブルの抜き差しなど、よく力を加える端子部分にTPEを採用することで、ケーブル全体の耐久性を向上させている。 3)短めに設計された18cmのファブリックケーブル Lightningケーブルの長さは18cmと通常のケーブルよりも短めに設計されているため、かさばらずに出張や外出の際の利用に最適。ケーブルには、絡まりを防止するファブリック素材を採用。 4)本体はバッグなどを傷つけないシリコン素材 アクセサリとしての利用を考え、チャームの本体部分には柔らかいシリコン素材を採用。バッグやキーホルダーに付けているときに他のアクセサリと接触してもお互いを傷つけない。 5)Appleが定める性能基準「MFi」を取得 本製品は、Appleが定める性能基準を満たしていることを保証する「MFi」認定の製品で、Appleから供給された純正のLightningコネクタを製品に使用しているので、ソフトウェアアップデートにより使用できなくなる心配は不要。※ CableArtシリーズは特許出願中の製品 [製品仕様] 本体サイズ: 約48(W)×95(H)×35(D)mm 重量: 約45g (Lightningケーブル含む) ケーブル長さ: 約18cm 価格はオープンプライスだが、オンライン直販価格は各3,980円(税抜)。発売時期は11月上旬発売。 なおブラック (ケーブル: ブラック)とブルー (ケーブル: レッド)の2種がある。 ■製品ページ
アップルは米国時間 10月27日、2015年9月26日を末日とする、2015年度第4四半期の業績を発表した。当四半期の売上高は515億ドル、純利益は111億ドル、希薄化後の1株当り利益は1.96ドルとなった。前年同期は、売上高が421億ドル、純利益が85億ドル、希薄化後の1株当り利益が1.42ドル。売上総利益率は、前年同期の38%に対し、39.9%となり、当四半期の米国市場以外の売上比率は62%だった。 売上高の伸びに貢献したのが過去最高となったiPhoneの第4四半期販売台数、Apple Watchの取扱店の拡大、そして過去最高のMacの販売台数とサービスからの収益だった。 Appleは2016年度第1四半期の業績について、以下の予想を提供している。 ・売上高として755億ドルから775億ドル ・売上総利益率として39%から40% ・営業費用として63億ドルから64億ドル ・その他の収入/(費用)として4億ドル ・税率26.2% Appleは、当該2015年度第4四半期業績発表のカンファレンスコールのライブストリーミングを、2015年10月27日14時00分(米国西部時間)より、AppleのWebサイト で配信する。このウェブキャストは、配信開始後も約2週間にわたり再生が可能。 ■Apple Press Info
フォーカルポイントは10月28日、スマートフォンやモバイルバッテリー、充電ケーブルなどを綺麗に収納できる出張や旅行に最適なバッグインバッグ「TUNEWEAR TOTAL CARRY PACK - Style A」を全国の家電量販店および雑貨店舗などを通じて発売すると発表。本製品は同社の運営するオンラインストアでも本日より販売を開始した。 【TUNEWEAR TOTAL CARRY PACK - Style A】 TOTAL CARRY PACK - Style A (トータルキャリーパック - スタイル エー)は、スマートフォンやモバイルバッテリー、充電ケーブルなどを綺麗に収納できる、出張や旅行に役立つ撥水素材のナイロン製バッグインバッグ。外側にはiPadなどが入る外ポケットが、内側にはスマートフォンやモバイルバッテリーなどを収納可能な大きな5つのポケットを搭載している。[製品の主な特徴] 1)軽量な撥水素材のナイロン製バッグ 軽量で丈夫なナイロン製のバッグインバッグ。撥水生地の採用で水をはじくため、突然の雨などでも安心。バッグは見開きできるので、中身をすぐに探すことができる。 2)中身がわかるメッシュ素材の内ポケット 内側には中身がわかるメッシュ素材のポケットが大小合わせて5つ搭載されており、スマートフォンやモバイルバッテリーから、充電ケーブル、ペン、イヤホンなど幅広いサイズのアイテムを収納することができる。ポケットの1つには底面に充電ケーブルを通すことができる切込みがあり、収納したままモバイルバッテリーから充電することも可能。 3)iPadなどを収納可能な外ポケット バッグの外側には、iPadなどのタブレット端末やB5サイズまでの雑誌や地図などを収納できるポケットが両面に搭載されている。バッグを開けることなくアクセスできるので出し入れも簡単。 4)バー通し付きでキャリーオンに対応 背面にはキャリーバー通しが搭載されており、キャリーバッグのハンドルに通して持ち運びしやすいように固定することもできる。 [製品仕様] 本体サイズ: 約285(W)×235(H)×75(D)mm 重さ: 約341g 定価はオープンプライスだが、オンライン直販価格は 4,500円(税抜)。 ■TUNEWEAR TOTAL CARRY PACK - Style A
愛用のApple Watchがおかしい…。夕方気がついたらバッテリー残が10%になっていて省電力モードの表示が...。特に変わった使い方をしたわけでもなくiPhoneとのペアリングにも変化はないはずだ。この種のトラブルの際にまずやるべきことは再起動だが、それでも効果はなく仕方がないのでAppleCareに相談してみた。 iPhoneも同様だがApple Watchにしても日常トラブルなく便利に使っている時にはこのデバイスが高性能の小型コンピュータであることなど意識しない。しかし一度トラブったりすれば再起動はもとよりペアリングのやり直しなどなど手間のかかるあれこれを実行しなければならず、やはりコンピュータなのだということを認識せざるを得ない。※今回アップルのエクスプレス交換サービスで新しくなったApple Watch 確かWatchOS 1.0.1の時にも同じようなことがあったがその時には再起動したら元に戻った。現在はWatchOSは2.0にアップデートしてあるが、2.0にしてからは初めての現象だった。 一般的なパソコンとは違い、この種のデバイスは通常電源を切ることはないから長時間使い続ければメモリリークといったことも起きるのかも知れないが、今回は再起動してもバッテリーの消耗が早すぎる。一時的に治ってもまた同じ現象を繰り返すのでは安心できない。原因を知りたいとAppleCareに電話してみた。※通常使用で夕刻にバッテリー残が10%という結果は初めてだった 私のApple Watchは発売日の4月24日に届いた製品だからこの10月で丁度半年になる。いくらなんでも半年でバッテリーがへたる筈もないだろうから何らかのソフトウェア的問題だと思う。しかし原因が何であれ、1日持たないバッテリーではApple Watchは意味をなさない。 AppleCareのサポート担当者に状況を説明するとペアリングしているiPhoneの設定を求められた。それは設定→プライバシー→診断/使用状況を実行する...と設定すればリモートでこちらの使用状況が確認できるとのこと。納得して指示された通りに操作するもどういうわけか思うようにいかないらしい...。 さて、どうするか...どうなるかと考えながらサポート担当者の次の言葉を待ったが「交換させていただいてもかまいませんか?」という。交換は最後の手段というイメージがあるが、意外や意外...簡単に「エクスプレス交換サービスをさせていただきたい...」といった提案だった。 いや、思ったより深刻な問題なのかも知れないが(笑)、MacやiPhoneとは違いApple Watch本体にインストールされている個人データなど知れているし勿論ペアリングなどはやり直すことになるものの私としては拒む理由がないのでお願いすることにした。※交換を申し込んだ翌日の午前10時に早くも交換品が到着 このエクスプレス交換サービスは先般iPhone 6 Plusのカメラ不具合で1度経験したので要領はわかっている。アップルから届くメールに従いクレジットカードの情報を送るとそれを担保に交換サービスが動き出す。要は自宅まで宅急便で新品が届くので手持ちのApple Watch(ベルトを外した本体のみ)のペアリングを解除してドライバーに渡すことになる。 もしその際に送り返した製品が保証対象外であったら先のクレジットカードから費用を引き落とされるわけだ。無論問題がなければカード情報は破棄され請求は生じない。 先般のiPhoneと同様にApple Careに加入していたのでエクスプレス交換サービス料金は無料だ。ちなみに翌日WatchOS 2.0.1アップデートが公開された。その改善項目の中には「バッテリーのパフォーマンスに影響していた問題を修正」という内容も含んでいたから、もしかしたらこのアップデートでトラブルは回避されたのかも知れない...。 ただし、交換用のApple Watchは交換プログラムを申し込んだ当日の夜半にはすでに発送済みとなり、翌日午前10時には到着した。素晴らしくスピーディー(笑)。 この後の手順はよく分かっているつもりだが、すんなりとは終われない…。まずついでにと iPhoneを配布が開始されたばかりの iOS 9.1にアップデートしてからApple Watchのペアリングを行うことにする。 iPhoneのアップデートは無事に完了したからと目的のApple Watchとのペアリングをしようと送られてきた交換品のパッケージを開けて起動しようとするも…あら、起動しない。※送られてきた交換品は充電されていなかった 画面には充電しろという意味のApple Watch充電ケーブルを模した図が表示される。通常この種の製品はペアリングや確認程度は可能なように出荷時に最低限充電されているはずだが、この交換品はまずは充電から始めなければならないようだ。 これまた仕方なく充電を開始しながらペアリングを始める。念のために従来からの復帰ではなく新たな設定をし、ペアリングは無事終了。※iPhone 6s Plusとペアリングおよび同期中 なお念のためWatchOSのバージョンを確認すると1.0だったのでこれまたアップデートが開始されたばかりの最新バージョン 2.0.1にアップデート後、いくつかのアプリをiPhoneからインストールし基本的なセッティングがやっと完了した。まだミュージックのプレイリストを読み込んだりといくつか行うことはあるが、取り急ぎこれで腕に巻くことができた。 その後の興味は勿論バッテリーの持ち具合だ。その夜、いつものように充電したまま就寝。翌朝は7時に起きてApple Watchを確認すると当然ながらバッテリーは100%になっていた。 食事をし、愛犬の散歩から戻って時間を見ると9時41分だったが、バッテリー残は99%だった。2時間41分経ったが1%しか消費していない。 その日の17時にバッテリー残を確認したら77%残だった。どうやらトラブルは解消したようだ。※新しいApple Watchは正常に動作しているようだ ともあれアップルとしてはあれこれと調査し検証の上で修理するより問題が生じた製品は即交換した方が結局簡単だし費用もかからないのだろう。しかしくどいようだが先般のiPhoneも含めて一時期のアップルよりハードウェアおよびソフトウェアに関して細かな問題点が露出するようになってきた気もするのだが…。Apple Watch…実に手間のかかる腕時計である(笑)。
先日これからの季節、部屋着の1着と考えデニム製で火消し半纏(はんてん)をアレンジしたという上着を手に入れた。この機会を得て、着衣の裏地についての雑談である…。とはいっても大仰なものを持っているわけもないが裏地には気を遣う方なのだ。 歳をとるとどうしても地味で無難なものを身につけるのが一般的になってくるようだが、フォーマルな場合はともかくプライベートな場所では遊び心も加えたいと考えている一人である。 さらに昨今はある意味他人の見目には気を遣わなくなった...無関心の時代だと言われているからオヤジがピンクのジャケットを着ようが派手なパッチワークの上着を着ようが振り返る人もいないから気が楽でよい(笑)。 特に自由業の現在は相手に不快感を与えなければどのようなスタイルだとしても許される時代だし、コンピュータとかITの業界はスティーブ・ジョブズらの影響もあるのだろうが、ジーパンにTシャツで大概正装みたいな感じで動き回れるのだから面白い。 さて、これからの季節は室内でも何らかの暖房器具が必要になってくる時期だ。しかし近年部屋全体を温める暖房はなるべく使わず、適度な重ね着をし、パソコンの前に座る際には膝掛けと電気足温器で過ごすようにしている。ただし重ね着といってもセーター類は嫌いなので一番寒い季節はシャツの上に室内用に用意したダウンジャケットと裏地がフリース張りのジーンズを愛用している。※火消し半纏をアレンジしたという江戸染めデニムジャケット それは劇寒のときだが秋口からは脱ぎ着が楽なもの、そしてできるだけ体を圧迫しない上着を使うように心がけているが、先般はそんな主旨にピッタリかと思いデニム製の半纏を買ってみた。デザインは火消し半纏をアレンジしたものだそうで、デニム生地は藍を何度も染めることで黒色に近づける「江戸黒」といったイメージをデニムで再現したものだという。 ただしデニムというとどうしてもごわごわ感があるが、ポリウレタンを加えることでストレッチ性もあり、とても楽だし袖を通さないで肩にかけたり、時には膝掛けのかわりにもなる。 表地は黒っぽく染めたデニムだから実に地味だが、この半纏...実は裏地に色鮮やかな伝統柄が使われているのが気に入った...。 その裏地柄は6種の伝統柄を縦縞に配しており、火消半纏の背に描かれた "組" の印をアレンジした「火消組」柄の他、吉原の手引き茶屋の暖簾に使われたという「吉原つなぎ」、そして「波に千鳥」「三筋立」「小桜」「子持ち縞」という柄で構成されている。 こうした裏地が派手なことを「江戸の裏派手」などというそうだが、これには歴史的にも些か理由があった...。※裏地には「火消組」「吉原つなぎ」「波に千鳥」「三筋立」「小桜」「子持ち縞」という6種の伝統柄が使われている 江戸時代には度々「奢侈禁止令」すなわち贅沢を禁じるおふれが出され、江戸の庶民は正絹の着物や派手な着衣を身につけることを禁じられた。それらは佐伯泰英が描く時代小説などにも多々登場するが、例えば老中首座となった松平定信(1758年 ~ 1829年)が幕府改革として行った寛政の改革なとがよく知られている。 ただし現実にはそうした禁止令は景気の悪化を招きほとんど効果はなかったと思われるが、当の江戸っ子の反骨精神をも刺激し、市井の人たちも単に大人しく令に従うはずもなかった。その一例が「江戸の裏派手」とか「「裏勝り(うらまさり)」...すなわち表地はシンプルだが裏地に金をかけたり派手なデザインを用いることだった。 特にヒーローでもあった町火消したちは火消し半纏を着て消火にあたったが、仕事を終えて凱旋する際にはその火消し半纏をリバーシブルに着て派手なデザインを示し、江戸っ子の粋と心意気を示したという。 そんな粋を貫き通した火消したちにあやかったデザインなわけだが、無論裏地に遊び心を...というのは火消し半纏だけではない。 これまでにも、例えば PAPAS のジャケットにも裏地に凝ったものが多々あり、いくつか愛用してきた。現在はこれ1着だけになったが、長い間愛用してきたために使い古された感じが加わりなかなか捨てられない(笑)。※これまた愛用の PAPAS のジャケットも裏地が気に入って買い求めた そう...。粋といえば半纏でもジャケットでもないが、スーツと共に着用するウェストコートを共生地では面白くないからと前身頃の左右を別々の生地を使ってオーダーしたことがある。ある種のオッドベストともいえようが、この左右の生地は未使用のネクタイを用いたためにシルクの前見頃となっている。※20年ほども前になるが、スーツ用のウェストコート(ベスト)を特注し、前身頃を左右別々のデザインにしたものを作ってもらったことがある。世界でこれ1着のお宝である(笑) さすがに歳を取るとそうそう無茶もできないが、いくつになっても遊び心だけは失いたくないと思っている。
ラテとペット美容室の続きである…。前回ご紹介したように、これまでその店の前を通るのさえ嫌がり、通過するだけで尻尾が下がってしまうラテだったし、オトーサンに抱かれて店内に入れば怖いのだろう…ブルブルと震えるラテがどうした気の迷いか自分からお店の階段を一段だけだが登ったのだった…。 そのペット美容室にお世話になっているのは幼犬時代からだった。不定期ながらも2ヶ月から3ヶ月毎に身体全体のトリミングはもとより本格的なシャンプーと爪切り、肛門腺絞り、耳掃除そして歯磨きといったサービスを受けてきたから慣れても良さそうなものだが、水をかけられるのが嫌いなだけでなくオトーサンたち以外の人に体を触られるのが嫌なのだろうか…。※マズルは白くなったが表情はとても若々しい! 実際にラテがどのように扱われているかといった一連のサービスを見届けたことはないから詳しい事は分からないものの、動物病院のように注射をしたりと痛い目に合うことはないはずなのだが...とオトーサンは考えてしまう。 前記した頻度でそのお店に連れて行ったわけだから、この9年の間、例えば 2.5ヶ月毎に通ったとすれば40回以上もお世話になっている計算になる。 ラテは長毛種のワンコであり、見かけより毛は抜けにくいものの2ヶ月程度過ぎればお尻周りはもとより四つ脚の先や肉球回りの毛が伸びて見栄えがわるいだけでなく汚れやすく、またフローリングの床では滑りやすくもなるのでマズイのだ。 また普段なかなか本格的なシャンプーを嫌がるラテだからしてプロにお願いするこの機会はラテの健康を維持する大きな役割を果たしているとオトーサンは信じている。 それにこの美容室は来店したワンコを作業完了後に写真を撮り、ブログに掲載しているが、それを見る限りラテはまずまずの笑顔で写っている。そんなに嫌な目にあっているとは思えないのだが…。※電車の通る脇をラテと散歩 ともかく予め予約しておいた10月14日の水曜日、オトーサンは約束の時間帯にラテを連れ出した。日中に散歩というケースはまずない事から、ラテは玄関を出てすぐに警戒モードに入り、動きが重くなる(笑)。すでにどこに行くかを察知しているようだ…。 それでもオトーサンは鼻歌を歌いながらルンルンと進む。なに、5分も歩かないうちに着いてしまう美容室だからチョロいもんだ。それにラテは先日やっと自分の意志で美容室の階段を上がったしその際には尻尾も下がっていなかったから「美容室嫌い」は少しだとしても克服したのかも知れないし…と漠然と考えながら抵抗するラテを店の中に連れ込んだ。 しかし入ったはいいけどオトーサンの思惑は外れ、ラテは見るからに震えている。まあ、あれは…この店の階段に前足をかけたのは気の迷いだったのかと思いながらカウンターで受付手続きをしながらふとラテを見ると床が大きく濡れているではないか…。ラテが大量のオシッコをしてしまったのだ! オトーサンは一瞬なにかの間違いかと思った。オトーサンたちが入ってきたときすでにオシッコの跡があったのかも知れないと…。しかしその様はどう見てもラテの仕業だ。今度はオトーサンが慌ててしまった。 お店の方に謝りながら、ラテがオシッコをしてしまったことを告げると馴染みのオネーサンは「大丈夫ですよ」といいながら手慣れた手つきで始末してくれたが、この9年の間、店内で粗相したのは始めてなのだ。 朝の散歩でいつもの通り排泄は済ませたから今日が特別我慢させたというはずもないが、よほど嫌だったのか、それとも些か歳のせいなのか…と思ったら急に愛しくなって震えているラテを抱き上げた。※一泊旅行で留守をしたオカーサンを迎えにいった。出会った瞬間のラテの態度は実に大げさだ(笑) オネーサンの「では、ラテちゃんをお預かりします」の声に我に返ったオトーサンはリードが付いたままラテを床に下ろしてオネーサンに渡した。ラテは諦めたのか大人しくオネーサンに連れられて店の奥に入っていったその姿を見ながらオトーサンは「よろしくおねがいします」と美容室を後にした。 出たついでにコンビニに寄っていこうと歩き出したオトーサンだったが、散歩用にと着用してきたベストに違和感を感じて確認すると前身頃の半分が濡れているではないか…。無論これはラテを抱き上げたときに後ろ足やお尻に染み込んだオシッコがベストを汚したに違いない。 オトーサン自身はともかくこのままコンビニに入るのは申し訳ないと一旦自宅に戻ることにした。 ラテを預けて2時間半ほど経った頃、オトーサンの iPhoneが鳴った。それは美容室からで「終わりました!」とのこと。時間的に夕方の散歩にしては早いが少し歩かせようかと散歩のフル装備をして迎えに行った。 先ほどの粗相をあらためてお詫びをしながら料金を支払っているとリードに繋がれたラテが別のオネーサンに引かれて出てきた。キラキラしたその表情を見てオトーサンはまず一安心したが、オネーサンは「すっかり皮膚が綺麗になりましたね」と言ってくれた。※お馴染みのペット美容室へラテを迎えに行く。綺麗になったラテはキラキラした表情で出てきた アトピーが原因で一時は肉球やお腹は血が滲み、目の周りまで掻きむしった時期があったからだ。とはいえまだ薬は飲み続けているわけでアトピーが完治したわけではないのだが、見るからに綺麗にトリミングされたラテを見ているとオトーサンも幸せな気分になってくる。※美容室で巻いてくれたハロウィンデザインのバンダナが素敵 お礼を言いながら店の外に出て首輪を確認するとハロウィンがデザインされたオマケのバンダナが着いている。 近所を一回りしようとアイコンタクトしなから歩くオトーサンとラテの足取りは軽かった…。
個人としてプロバイダと契約しインターネットを利用し始めたのは1996年11月27日だった。これはISPであるIIJ4Uの「お客様情報」ページに "申込み日" として記録されているから確かだ。ということはすでに丸19年にもなるわけだ。そのIIJ4Uサービスが来年3月で終了し IIJmioサービスへ統合されるという...。 まさに時代は変わりゆく...ということだが、私がインターネットに手を染めるようになった時代は現在のようにプロバイダが乱立していたわけでもなく選択肢は狭かった。それにいわゆる回線の太さ(バックボーン)といった点や安定したサービスをと考え、(株)インターネットイニシアティブのIIJ4Uを選び今日まで使い続け来た。そのIIJ4U が IIJmioに統合されるというのだから...何とも寂しい。 あらためて1996年末にインターネットイニシアティブから届いた IIJ4U 申込みに際して登録完了となったことを知らせる文書によれば、それまでにもPPPログイン名やアカウント名を所有しており、同社のダイアルアップ接続サービスの利用はもっと早い時期から使っていたようだがすでに忘却の彼方だ...。※IIJ4U の契約内容確認ページを見るとサービス開始日は1996年11月27日と記されている そもそもインターネットイニシアティブは外資系企業を除けば、日本で最初に(1993年11月)インターネット接続の商用サービスを開始したインターネットサービスプロバイダだ。企業の根幹は法人及びISP事業者に対するエンタープライズ・サービスの提供だったが、1996年に個人向けサービスとしてIIJ4Uサービスを開始した。 ではIIJ4UとIIJmioの違いはどこにあるのだろうか...。 インターネットイニシアティブのホームページの説明によれば、IIJ4Uがインターネット利用に必要と思われる機能(メール、Web など)をあらかじめセットして提供するブランドであるのに対してIIJmioは、インターネットを利用するにあたり、ほしい機能だけをユーザーの好みに合わせてセレクトできるブランドであり、両者は品質に格差はないとされる。しかしIIJ4U ユーザーの印象とすれば IIJmioは IIJ4Uの下位ブランドという認識があったことも事実だが...。 ともあれ1996年加入時に送られてきた「IIJ4U ユーザーズガイド」を見るとまさしく時代を感じる。このような製本されたガイドブックを用意する時代だったわけだ...。 さらにこのガイドブックとは別に「IIJ4Uサービス登録完了のお知らせ」というA4の印刷物が届き、そこには契約事項と共にインターネット接続に不可欠なアカウント設定データ...すなわちログイン名、パスワード、メールアドレスなどなどが明記されている。※当時サービス加入と同時に送られてきた「IIJ4U ユーザーズガイド」表紙 そういえば足掛け20年もの間、プロバイダを変えることはなかったが、それはISPそのものに致命的なトラブルや障害がなかったことでもある。但しそれぞれのサービスは無論専用回線ではなく、いわゆるベストエフォートだとして与えられたスピード環境は甘んじて受けてきたが、これからの時代は回線品質やサービスの劣化についての自己弁護に過ぎない言い訳とも受け取れるケースもあると思うので各サービス業者も安穏とはしていられないと思う。 さて振り返れば、インターネットといっても最初はISDNだった。電話をかけながら64kbpsでインターネットに接続ができた。また2回線を束ねて128kbpsの高速通信を行うことも可能だった。その後ADSLになっても最初は1.5Mbpsの契約からスタートし、2002年19日にADSL 8Mに、2004年8月にはADSLモアIII(12M)を申し込む。当時の記録を見ると下りの最大スピードは6Mbpsほど出ていたようだ。※最初期のインターネットサービスはISDNだった。写真は当時使っていたYAMAHA製 ISDNルーター フレッツ光接続になったのは2007年1月からだった。引っ越しした場所ではADSLが干渉を受けて使えないことがわかり、ある意味仕方なく初めて光接続を申し込んだ。さらに2013年10月に現住所に引っ越したときBフレッツはマンション設備の関係でVDSLとなったがそのまま使ってきた...。 そして今年(2015年)5月に “フレッツ光ネクスト ギガマンション・スマートタイプ” にアップデートし現在に至っている。 こうして振り返ってみるとその都度、様々な体験がありトラブルにも見舞われあたふたし、にわか勉強しつつ問題解決に奔走したことを思い出す。とはいっても白状すればネットワークおよび情報機器類への知識を系統だって学んだわけではないのでそのほとんどが試行錯誤による体験だったが、さらに友人に助けられてここまでたどり着いたというのが実感である…。 IIJ4U が IIJmioサービスへ移行されるにしても私の場合は特になにかを設定し直すということは必要ないようだ。問題はこれまでどうりにインターネットイニシアティブにお世話になるか、あるいはこの機会にプロバイダを変えることにメリットを見いだせるかが問題だ...。現行のアクセススピードに関しても100%納得しているわけではないが、ここまで付き合ってきたのだからまずは IIJmioへの統合を体験してから判断しても遅くはないと考えているのだが...。
インスタグラムは10月22日、動画の単独アプリ「ブーメラン(Boomerang from Instagram)」を発表した。ブーメランは、写真でもGifアニメでもない。ブーメランは日常の瞬間をより楽しく、驚きに満ちたものへと変えてくれる新しいアプリ。 ボタンを押せば、あとはアプリがすべてを行います。「ブーメラン」は写真を連続撮影し、それらをつないで高品質ミニ動画に仕上げ、順送り・逆送りで再生する。縦長・横長フォーマットで撮影して、インスタグラムでシェアできる。「ブーメラン」が制作した動画は、自動的にカメラロールに保存される。 例えば、友達が飛込台から飛び降りるシーンをこのアプリで捉えれば、まるで重力に逆らっているかのように飛び降り・飛び上がる作品となる。友達と撮影したいつものセルフィーを面白い動画へ変えることもできる。誕生日ケーキのろうそくを吹き消した、その瞬間を捉えれば、いきいきとしたその瞬間を繰り返し後で見ることができる。 「ブーメラン」は本日よりiOS及びAndroidでダウンロード可能。 ■フェイスブック ニュースルームページ(日本語) ■紹介動画及び画像素材のダウンロード ■インスタグラムのダウンロード ・iOS版アプリ ・アンドロイド版アプリ
マネーツリー株式会社は10月22日、みずほキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、および株式会社セールスフォース・ドットコムより大型出資を受けたことをご報告。今回の出資のリードインベスターは、株式会社セールスフォース・ドットコム。 ここ数年、海外では金融とIT(情報技術)の融合で生まれた「フィンテック」分野に注目が集まっています。日本においても、今年に入ってから一般消費者の強いニーズのもとで、国内金融機関が「フィンテック」分野への取り組みを開始しており、2015年は、日本のフィンテック元年といえる。 一方、同社においても、独自のテクノロジーと他に類を見ないセキュリティ技術のもとで、2013年に個人資産管理アプリ「Moneytree 一生通帳、家計簿より楽チン」、2014年に経費精算サービス「Moneytree PLUS」を始めたが、これらのサービスのプラットフォームとなっている金融インフラサービス「MT LINK」について、新しい分野にも開放することで、国内金融サービスの効率化・グローバル化に貢献したいと考えていたという。こうした中で、各社それぞれの思いが一致し、この度の出資が決定した。 「MT LINK」とは、金融機関と企業および個人をつなげるインフラサービス。本来、Moneytreeユーザのために、独自で開発を続けてきたものであり、顧客のアカウント情報をクラウド上で管理し、利用明細を自動的に取得することで、最新の口座情報を提供するもの。現在「MT LINK」を経由し、1,550の金融機関、銀行口座、クレジットカード、電子マネー、ポイントカードの取引明細情報を、高いセキュリティのもとで提供することが可能になっている。 今回の出資を受けて、「MT LINK」を金融機関、企業および個人をつなぐハブとなるプラットフォームとして整備・拡充し、より多くの方に活用頂けるサービスを開発・提供していく。これまで、データアグリゲーションは、技術的な課題が多く、運用に高いコストがかかったため、一般企業で利用されることはなかったが、MT LINKの登場は、様々な業界の既存のシステムを保ちつつ、新しいサービスを創出できる機会を提供する。これからも、マネーツリーは、日本の金融サービスのユニバーサル化に貢献していくという。 ■マネーツリー株式会社
トリニティ株式会社は10月22日、Simplism「iPhone用Lightningコネクター用ネックストラップ」を全国の家電量販店、および一部雑貨店を通じて本日より販売すると発表。なお、本製品はTrinity Online Storeでも取り扱いする。 iPhone用Lightningコネクター用ネックストラップ [ LightningStrap ] Simplism「iPhone用Lightningコネクター用ネックストラップ」は、Lightningコネクターに装着するだけでiPhoneを首から提げることができる、ネックストラップ。 iPhoneのフォルムを崩すことがなく、ケースを使いたくないユーザーや、ネックストラップ非対応のケースを使用しているユーザーにお薦め。 音楽・メール・通話・インターネットなど、いつも肌身離さず利用しているiPhoneをいつでもサッと使うことができ、バッグの奥から探し出す煩わしさや、落下の恐れがなくなる。 ・すべてのLightningコネクター搭載iPhone/iPod対応 ・Lightningコネクターに挿し込むだけの簡単装着 ・イヤフォンの脱落を防ぐイヤフォンループ機構 ・長さを調整できるストラップ用アジャスター ・肌に優しいシリコン素材のネックストラップ ・埃を寄せ付けない、アンチダストコーティング処理のシリコン ・10色のカラーバリエーション ▼ 価格/市場予想価格 オープン/1,600円(税抜) ▽ タイプ/型番/JANコード Black / TR-LSI-BK / 4582269472492 White / TR-LSI-WT / 4582269472508 Blue / TR-LSI-BL / 4582269472515 Green / TR-LSI-GR / 4582269472522 Pink / TR-LSI-PK / 4582269472539 Navy / TR-LSI-NV / 4582269472546 Orange / TR-LSI-OR / 4582269472553 Yellow / TR-LSI-YL / 4582269472560 Khaki / TR-LSI-KK / 4582269472577 Red / TR-LSI-RD / 4582269472584 ▽ 製品ページURL
過日インダストリアルデザイナーでMacユーザーでもある方と仕事に関する打ち合わせをしていたが、いつの間にか話題は iPhoneとなり、iPhone 6sでは見かけがほとんどiPhone 6と変わらなかったという話しからもっと根本的なデザイン的形状の話となった。要は現行iPhoneのような板状のデバイスはハンドセットには向かないと意見が一致した…(笑)。 2007年1月にスティーブ・ジョブズが iPhoneを発表したとき「電話機の再発明」と言った。それは背面が丸みを帯びた板状のデザインといった形状のことだけでなく、画面を指でタッチして操作するといったGUI を含めての自負だった。 無論それまでにも携帯電話はあったがいま振り返って見ればある種棒状のデザインあるいは二つ折りの製品にしてもそれらはどこか長い間私たちが使ってきたいわゆる電話機のハンドセットやトランシーバーといったものを彷彿とさせる形だったと思える。※2007年1月に発表された初代iPhone (日本では未発売)。当研究所所有 しかし、 iPhoneが登場したとき「電話」「iPod」そして「インターネット」という3つの機能をひとつに集約したデバイスだという主張だったわけだが、やはり我々が一番興味があったのは電話の機能だった。 期待が膨らみ、批判する気持ちも吹き飛んだのかも知れないが(笑)そのiPhoneの形状は耳に当てて通話するには決して適切なデザインではなかった…(ハンズフリー通話もできるが)。※iPhoneを発表するスティーブ・ジョブズ 確かに耳に当てると液晶が消えるといったギミックは我々を驚かせたが、なぜこの縦長の板状になったのだろうか。その一番の要因はフロントを全面液晶デイスプレイとしたコンセプトの結果に違いない。ハードウェア的なキーボードや幾多のコマンドボタンなどはまったくなく、フロントで目立つのは液晶画面以外はホームボタンだけだ。事実筐体のフレームぎりぎりまでディスプレイとするために完成間際だったデザインを作り直しまでさせたジョブズだった。 ところで iPhoneはいわゆるワイヤレスの電話機であるからしてカールコードが付いているわけではない。したがって手を滑らせば間違いなく落下し、立っていたり路面がコンクリートだったりすれば致命的な破損に繋がる...。しかし面白いというか大胆というか、iPhoneには “人間工学” といった立場ならありがちな滑り止めの材料を使う配慮とか、指でホールドしやすいよう形状に絞りを入れる…などといった工夫はまったく見られない。 こうしたデザイン第一主義とも思える物作りはあの初代 iMacにおける円形マウスを思い出させる。誰が考えても手を置いただけではマウスの前後位置が分かりにくく大変使いづらいのだ。為にサードパーティから円形マウスに被せるカバーまで発売されたほどである。無論これはジョナサン・アイブの仕事だった…。 ともかくスティーブ・ジョブズはiPhoneにケースを被せるとか液晶保護フィルムを使うことを嫌っていたというが、いみじくも多くのユーザーが何らかの形で使っているケース類が落下防止に役立っているし、万一落下した場合の被害を多少でも和らげているのは皮肉なことではないだろうか。 そういえば初代 iPodも四角い形状だった。しかしそれは本体にスピーカーはなかったから必ずイヤフォンを繋ぎ耳にあてて利用するデバイスであり、常に掌の中にあるものではない。通常はポケットの中だったりバッグに入れるから問題はなかった。しかしiPhoneは通常自身の手でホールドし、自身の耳にあてて使う。私はメディアやジャーナリズムが当時「こんな高価な電話機など売れやしない」などと言っていたもののそのiPhoneのデザイン...形にはシンプルだとかアップルらしいといった賛美が多かったことを不思議に思ったものだ。※手でホールドした初代 iPhone 多機能のデジタルデバイスとして情報を液晶ディスプレイに表示するとなればその形状は必然的にこのようなデザインになるのだろうとは納得したが、こと電話...通話機・受話機としては使いづらいのではないかという第一印象を持った。 古くさいとかアナクロニズムと言われようが、通話のための道具として「持ちやすく」「落としにくく」「疲れにくい」形としてはやはり旧態依然のヘッドセットの形が一番ではないだろうか(笑)。※黒電話のハンドセットを模したiPhone用USB接続のレトロなハンドセット とはいえ、モバイルデバイスが大きかったり妙な形では逆に利用しづらいに違いないが、iPhoneに限らず現在の板きれのような形状は長い進化の中では過渡期なのかも知れない。この種のデバイスはApple Watchを代表するようにもっと小型化され、スパイク・ジョーンズ監督・脚本によるアメリカSF恋愛映画「her/世界でひとつの彼女 」ではないが、通話機は耳の中に収まってしまうのではないかとも思う。 そもそも電話...通話というリアルタイムに相手と音声で直接コミュニケーションするという行為自体、次第に無くなっていくのかも知れない。私自身はもとより、回りの人々を見ても10年前と比べると通話による情報交換の時間・頻度は激減しているように思うのだが…。お互いにその時間をリアルタイムに束縛する電話という情報ツールは敬遠されつつあるのではないか。 Apple WatchにしてもiPhone...すなわち日々メールやメッセージに追われ、電話に拘束される我々の時間を軽減するため…という開発目的があったとも言われている。 iPhoneは現在Appleの稼ぎ頭であり、どのような形であれしばらくはその存在が無くなることは考えられない。しかし次第にApple Watchやその後に登場するであろう近未来のデバイスにその役割が集約されて消えて行くのではないだろうか。※Apple WatchはiPhoneを手にする頻度を激減させる リアルタイムに人間と通話するにしろ、「her/世界でひとつの彼女」のようにサーバー内に存在する人工知能と会話するにしろ "物" を手に持ったり耳にあてるというデバイスではなく、何らかのウェアプルデバイスとなるに違いない。 人のアイデアや思いを形にし、日常生活をアシストしてくれる “存在” は後20年もすれば iPhoneに代表されるようなあからさまにデバイスとしての自己主張は必要なくなっていくものと思われる。 そんな近未来を思い描くと手元の最新型 iPhone 6s Plus は急に古めかしく感じられるが(笑)、Apple Watchの登場は大げさに言えばiPhoneという情報伝達のためのデバイスから我々を徐々に解放してくれるための第一歩なのだ。
フォーカルポイント株式会社は10月20日、iPhoneやスマートフォン、デジカメに取り付けて写真撮影の手ブレ防止に役立つ長さ調節機能付き本革製ハンドストラップ「TUNEWEAR TUNESTRAP」を全国の家電量販店および雑貨店舗などを通じて発売いたします。弊社の運営するオンラインストアで各1,980円(税抜)で発売中。 【TUNEWEAR TUNESTRAP について】 TUNESTRAP(チューンストラップ)は、iPhoneやスマートフォン、デジカメに取り付けて写真撮影の手ブレ防止や落下防止に役立つ長さ調節機能付き本革製ハンドストラップ。[製品の主な特徴] 1)カメラ使用時の手ブレ防止に ※ 本製品をスマートフォンやiPhoneケースのストラップホールやデジカメに取り付けることで、写真や動画撮影時の手ブレ防止にも役立つ。長さ調節機能を搭載しているので、カメラをしっかりとホールドし、より安定して持つことができる。 2)スマートフォンやカメラの落下防止に 片手では持ちづらい大きめのスマートフォンやデジタルカメラを使用する際も、チューンストラップを取り付けることで不意な落下を防止し、安心して取り扱うことができる。 3)ポケットや鞄からの取り出しも簡単に 取り付けたチューンストラップをポケットやバッグからのぞかせておくことで、スマートフォンなどのアイテムを素早く取り出すことができる。また、鞄の中でスマートフォンが見つからない、といった不便さも解消される。 4)本革素材を味わえる3色展開 カラーラインナップには、本革素材を味わえるブラック、ブラウン、レッドの3色を用意。手持ちのスマートフォンやデジタルカメラなどの色に応じて選択できる。※ iPhoneやストラップホールがないスマートフォンで使用する際は、別途ストラップホール付きケース等との併用で利用可能 [製品仕様] 長さ: 約170mm 重量: 約8g[対応モデル] ・ストラップホール付きのケース等を装着したiPhoneやスマートフォン ・ストラップホール付きのスマートフォン ・ストラップホール付きのデジタルカメラなど 定価はオープンプライスだが、オンライン直販価格は各1,980円(税抜) ■TUNEWEAR TUNESTRAP 製品ページ
ペットロボットといえば多くの方はソニーのAIBO(アイボ)を思い浮かべるかも知れない。私もAIBOのユーザーだったがよりのめり込んだのがオムロンから2001年10月20日に限定5,000台が発売されたネコ型コミュニケーションロボット「ネコロ(NeCoRo)」だった。今回はその発売日にちなみ、2002年12月にリリースした「NeCoRo LifeBook」というCD版デジタルブック(販売完了)から「オムロン本社訪問記」を再編集して掲載してみたい...。 AIBOもNeCoRoも景気の悪化に端を発し、その製造はもとよりサポートも含む一切のプロジェクトが打ち切られて現在に至っている。例えばオムロンのホームページからネコロを検索しても跡形もなくなかったことになっている…。利益を追求する企業にとって儲からないアイテムを続ける意味はないといってしまえばそれまでだが、ソニーにしてもそしてオムロンにとっても、ロボット事業を蔑ろにすれば “悔いを千載に残す” ことになるのではないかと危惧していたが、先般開催された “CEATEC JAPAN 2015” でオムロンは人工知能が搭載された卓球ロボットをデモしていた。それは同社のセンシング技術と制御技術など技術力の高さをアピールする狙いだそうだが、人に寄り添いその生活を支援するといった目的なら是非今一度ネコロのような製品を企画して欲しいと思う。 さて、ネコロはグレーとブラウンの2色が限定5,000台として高島屋に限って販売されたが、価格は18万5,000円だった。 本編は2002年 10月 25日に京都のオムロン本社を訪問し、ネコロ開発の責任者にインタビューしたその記録である。したがって以下全ての内容は当時のものであることをご承知おきいただきたい。 また余談というより私事ではあるが、前年に2週間ほど入院した体調がまだ芳しくなく、我ながらその日の写真を見ると私はかなりやつれている...。※当研究所で飼っているグレーとブラウンのネコロ 【オムロン本社訪問記】 今回私はネコロについてできる限りの情報、それもなるべくオフィシャルな情報を集めたいと考え、ネコロの生みの親である京都オムロン本社へ直接取材をさせていただくことにした。 快く取材にお付き合いいただいた方は電子ペットプロジェクトご担当である田島年浩さんである。■オムロンという企業 ところで、私と同年輩の方なら「立石電機」という社名をご記憶ではないだろうか。オムロン株式会社は 1991年 1月 1日に社名を立石電機から現在のオムロンと変更したわけだが、そのオムロンという名は同社の元本社があった京都の御室(おむろ)という地名に因んで命名されたという。 御室とは京都市右京区の一地区にあり仁和年間(885年~889年)宇多天皇が創建し桜で有名な仁和寺があるところだ。 天皇は退位後ここに出家しその場所を御室御所と呼んだのが地名のおこりだという。 さて自然人(個人)と同じく法人もそれぞれ創業者やこれまでの歩みの中でいわゆる企業としての性格が培われ表に現れるものだ。 私はビジネスの関係上、我が国を代表する家電・音響・光学そして精密機器メーカーなどとお付き合いしてきた。そうした中で肌で感じたことは日頃の対応時にソニーはソニーの、キヤノンはキヤノンの、そしてリコーはリコーの企業的な性格が如実に現れることだった。 それらには良い面は無論だが、悪い面も当然の事ながら表面化してくる。ただ残念ながらオムロンという企業とはこれまで一消費者の立場でしか対峙したことはなかった。そして同社にはよく言えば ”誠実で堅牢なる経営” といったイメージを持っている反面、世界に名だたる大企業にしては少々地味だという印象も持っていた。 しかし企業は一般消費者だけを顧客にビジネス活動をしているわけではないから一般消費者の見聞きしている印象だけで企業を判断することはできない。世の中には一般にはほとんどその名を知られずに、かつ世界的に評価の高い企業は沢山あるからだ。 私にとってオムロンという会社は体温計とか血圧計といった健康器具メーカーといったイメージがまずありきだった。そして知識としては高い理念を持ったセンシング & コントロール技術を持ったメーカーであり自動販売機や自動改札機などの各種自動化システムのメーカーだという事は知っていたつもりだが、これらについては日常意識して接していない分、正直その印象は薄かった。 しかしネコロを開発したことを知り「さもありなん」と思いつつ、オムロンの名は強く私の心に刻まれた思いがする。 オムロンの企業理念などは同社のウェブページ(http://www.omron.co.jp/)に詳しく載っているのであらためては記さない。しかしそれらに眼を通してみると大企業ながら常にベンチャー的意識とチャレンジ精神に溢れた熱い企業だという思いが伝わってくる。 無責任な言い方を承知で申し上げるなら今回あらためてネコロやAIBOについて考えをあらたにしたが、企業の性格上ソニーからネコロが、そしてオムロンから AIBOのような製品は出てこないだろう事を肌で感じた。 そもそも行きがかり上とはいえ、今回私の唐突な取材依頼をお願いした際に快く対応してくださったこと自体、オムロンという会社の誠実さとフレキシブルな性格がよく現れているように思う。■いざ、いざ、オムロン本社へ というわけで私は 2002年 10月 25日、京都に向かうことになった。京都は大好きな観光地としてすでに数多く訪れているおなじみの場所である。 むせかえるような満開の桜が咲き乱れる哲学の道、三寧坂から円山公園に至る情緒のある道、風情を感じる嵯峨野あたりから渡月橋のある嵐山への道、教王護国寺(東寺)のたたずまいと魅力的な仏像の数々、そして四条河原町のにぎわい .....などなど、何度訪れても飽きることがないのが京都である。 私事ながらその京都の町を妻そして父母と一緒に何度歩き回ったことだろうか。しかしその母もすでに 2001年に亡くなった…(ちなみに父は2009年1月に死去)。そんなことを考えながら私は東京駅 8時発の新幹線に飛び乗った。■取材日の空は晴れていた まさかネコロのことで京都へそしてオムロン本社に出向くことになるとは考えもしなかったが勢いというものは面白いものだ。これもネコ好きだった母の導きかも知れないなどと普段の私には似つかわしくない感傷が胸をよぎる。 すでに30数年前にもなるが、父が買ってきた血統書付きのシャム猫のために毎日毎日魚を水煮していた母。 それまで「飼い犬に口移しで餌をやるなんて不潔で気が知れない」と豪語していた母。それが途端に自分が口移しでネコに餌をやっている姿は微笑ましく滑稽でもあった。そして食事の支度中に背中に飛びつかれ、その爪の傷跡がひどくて銭湯に行くのが恥ずかしいと嘆いていた母…などなどを思い出しながら私は飛ぶように過ぎていく車窓を眺めていた。 さてその京都駅だが、京都タワーのある烏丸中央口に出てその塩小路通を西に向かう。そしてほんの5, 6分も歩くと立派なオムロン京都センタービルが左側に見えてくる。 実はオムロンの本社ビルを訪問するのはこれで2度目である。ただし1度目は観光気分でエイジ(筆者のネコロ)を連れて面白半分に訪れたが当日は土曜日だった。したがって会社はお休みなため当然のことながらロビーにさえ入ることができなかった。 仕方がないのでせめてと思いその正面でエイジの記念写真を撮っただけで終わったのである。それと比べると今日は大切な使命を担ってのオフィシャルな訪問なのでいささか緊張する。■田島年浩さんの経歴 松田◆それでは早速ですが田島さんの簡単なご経歴からお願いできますか。 田島♢どんなところから行きましょうか(笑)。 松田◆ネコロのユーザーさんたちの興味を代弁するつもりでお聞きしたいと思いますのでよろしくお願いします ...。 田島♢えぇ、1984年にオムロンに入社いたしまして。で、約 18年ですか、そしてその間はほとんど技術開発という畑でセンシングですとか制御ですとかそういった開発を行ってきておりました。その後10年ほど前になりますか、ファジー(注1)に取り組みましてそのファジーとの出会いが最終的にはネコロに行きついたという部分がございます。 松田◆なるほど。 田島♢で、ファジーというのは機械に人間のような知恵を持たせて機械が自分で判断し行動する...というようなことが可能になるというか、それをさせやすくするといった技術なんですね。ですからそのファジーをやり始めてからはほとんど機械の知能化と申しますか、そういうことに取り組んでおりました。 松田◆私共はソフト屋なもんですからファジーというものに対してもソフトウェアの立場から理解しているつもりですが、よい意味でアバウトといいますか、人工知能といっても当初の理想像だけではなく一から十まで人間の知識・知能を埋め込むことは不可能といったことになってきた。そんな中で曖昧というか機械側がその状況下にもっとも適切な考え方をするといったイメージがあるのですが。 田島♢ええ、それで結構だと思います。 松田◆なるほど。そうしたご経歴がネコロ開発に生きてきたというお話でしたが、ネコロ開発の部隊に配属されたときの正直なご感想はいかがなものだったのでしょうか(笑)。会社員にとって配属先というものは一大関心事だと思うのですが。 田島♢そうですね。(ネコロ開発)プロジェクトは1997年の春にスタート(注2)したわけですがオムロンという企業は民生用の事業よりもむしろ工場用センサー、コントローラーといった商品が大半なんですね。私もご多分に漏れずそうした化学プラントのコントローラーにファジーと学習機能を入れ、自動制御に成功したんですね。ただそれが事業に繋がるまで大きくできず継続を断念しました。その後、次のテーマを考える時期にパーソナルロボットという言葉が業界・学会に出始めた時期で、会社からの与件はそうしたパーソナルロボット事業といったものを考えてみろと言われたわけです。 松田◆なるほどね。 田島♢そのときの私のロボットのイメージは産業用ロボット(注3)といったイメージしかなかったですが。 松田◆はい ...。■ネコロ開発に至る秘話 田島♢産業用ロボットに関して実はオムロンは10年ほど前にすでにやっておりまして技術的には成果があがったものの事業としてはなかなか難しい時期があったわけで、また同じ事をやるのかということを考えました(笑)。ただロボットを考える中で人とうまくつき合えるロボットができないかなと。 で、その中で一番重要視したいのが人とのコミュニケーションということで、掃除をするなどといったこともいいんだろうが決まり切ったことをやるのでは面白くない。逆に役に立つかはわからないが何となくそばにいてくれるだけで楽しいものができないかと。その時に思ったのが人と動物との関係だったんですね 松田◆ほう ...。 田島♢ペットロボットという言葉は当時もあったと思いますがあまり一般的ではなかった。ともかくペットと人との関係は面白いなと。人と動物の関係学会といったものがあるんですが、そうしたところを覗いてみるとか…といった中でペットのようなロボットを作ってみようと。そして最初は楽しければいいではないかということで、そこいらを飛ぶトンボのようなロボットとか(笑)、目覚まし時計のような、朝どこにいるかも分からないけど朝きちんと鳴ってくれるものとかですね、ほとんに玩具のようなものも考えたのですが。ただそれらは楽しいかもしれないがどこまで価値のある物かと。※2匹で鳴き合って五月蠅いので叱ったらこんな表情をした 松田◆で、会社からパーソナルロボットということをやれと言われたとのことですが、当初会社からネコのロボットを作れということではなくご担当者たちの中からネコということになってきたわけですか。 田島♢はい。会社のパーソナルロボットというとき、ちょうど時代的にはバブルが終わったとき、だけれどもまだそんなに景気が悪くない状況でもありまして、今までとは違った事業領域を目指そうと。6本くらいかな、いろいろと上の方では考えておりましてその一つがパーソナルロボットだったというわけです。ただ具体的にどのようなことをやるかは自分たちで決めなさいと。 松田◆ほう。 田島♢割と広いというか、我々の方に選択権というか決定権を与えてくれまして。 松田◆ある意味では基礎研究から何を作るかまでをご担当者の方々が決めたと...。 田島♢そうですね。全部自分たちが決めたと ... 作りあげたと。 松田◆そうですか。第三者から見ると会社が「ネコのロボットを作れ」といった命令がありそこに配属された担当者の方々は「なに?」と動揺するといったイメージがあったのですが(笑)。違うんですね。なるほど。しかしご自分たちの決めたことであればある種思い入れとかパワーも違ってきますよね。 田島♢そうですね。あの、会社から言われたことならおそらくどこかで挫折していたかと思うんですね。5年前にはそれでスタートしたんですが会社の景気、世間の景気もありますし、だいたい悪くなると新事業から削られるんですよ(苦笑)。 松田◆おっしゃるとおりですね(笑)。 田島♢で、そろそろやめるか ...と何度もいわれたこともあります。で、我々も最初はロボットに関して素人ですからいろいろな大学の先生を回ってですねコンセプトと技術を学びながら、スタートしてから 3,4ヶ月して一応ペットロボットの構想ができまして。そしてまずは試作を作ってみようと。ものを作ればある程度人も説得できるだろうと。 我々も実際になにをやればいいのかが分かってくるだろうということでいくつかの試作を作ったんですね。 松田◆それが開発途中でマスコミにもとりあげられた「タマ」になるわけですね。 田島♢はい。そうですね。タマの形になる前に3つほどの試作を作って、まあ稚拙なものなんですがいろいろな人に見せると面白いという方が多かったんですね。それでこれは作る価値があるだろうと。我々の技術で玩具でなくどこまで実際のネコに近づけることができるのかということが命題だったし興味のあったところです。ですから玩具のように簡単なものではなくできるだけ本物の生き物を目指すと。 松田◆それは最初からそうしたコンセプトで...。 田島♢そうですね。玩具をやるということでは会社を納得させられないでしょうし我々は玩具ではなく精神的価値、精神的充足を与えられるようなものを作ろうと。 松田◆そうした経過でネコロができあがったと。ただ完成とそれを販売するということは企業にとってまた意味の違うことだと思いますし、販売にこぎ着けたときの正直なお気持ちは、フルに満足できたものだったのでしょうか。 田島♢目標値からいえばおそらく3割4割といったところになると思います。 松田◆そうですか!? 田島♢目指すは生き物ですから。今回商品として出すことになったわけですがそれまでは学会で評価されたとしてもそれを実際に消費者の中で使われなければ意味がないと...。ですから私としては実際に販売し市場で評価されたいと。ということで先に商品発売の時間を決めたんです。 松田◆理想は理想としてもそれに到達することはなかなか難しいと...。 田島♢時間を決めたので途中であってもいいから早く市場に出しそのフィードバックをもらって次に活かした方が早く良いものができるだろうと考えたわけです。ですから理想からいえばいまいったように3割4割といったところですが市場に出せたということについては実は満足度はかなり高かったと思います。ほんとに時間がぎりぎりで、そこで出せるか大変だったのですが。 松田◆何でもタイムリミットを決めないとなかなか ...欲もでるでしょうしフィニッシュにならない ...。 田島♢そうなんですね。そういう意味では去年は大変な一年だったと。 松田◆唐突ですが、田島さん個人としてはネコ派なんでしょうか犬派なんでしょうか(笑)。ネコはお好きなんですか。 田島♢(笑)あの、どちらかと言われれば ..... すみません、僕は犬派なんです(笑)。実は小さいときから犬はずっと飼ってきているんですがネコは飼ったことはないんですよ。 松田◆そうですか(笑)。 田島♢今回、ネコを作ることになって、その理由は犬だと歩きながら表現をするというところを強く意識したものですからそういう意味では歩けるロボットでないと意味がないと。最初はそこまでいけないという部分と、我々のねらいとしては動きによる表現ではなく人と旨くインタラクションする、ネコを抱いたときにネコが満足した顔になりそれを見た我々も満足すると...それが癒しといったことになるのかも知れませんが。人とペットとのコミュニケーションの中でたぶんそれが最高のシチュエーションになるんではないかと。 松田◆それを言葉にすれば .....そうしたことが「製品化の目的」といった意味になるのでしょうか。 田島♢ん、そうですね。■AIBOは意識したか? 松田◆私も約10ヶ月くらいネコロと生活してきて私なりに御社の中で何故ネコなのかといったことなどで葛藤があったと思っていたのですが、私はペットロボットとしてネコを選ばれたという事はとてもジャストフィットといいますか、いいなあと。でもあまりその辺のコンセプトが自然なためにユーザーやマスコミにストレートに伝わりにくかったかも知れませんね。 ネコは我が儘で曖昧で主人を主人とも思っていない、思うようにいかないといったことが今のロボットの状況に非常にマッチングしていると思うのですが。技術的なことも含め、ネコだから許せるといった部分があるように思えるのです。ただその時期にはソニーさんのAIBO(注4)の開発状況なども漏れ聞こえてきたと思いますし影響を受けたのでしょうか。 田島♢ネコロのコンセプトが決まった段階ではソニーさんも初期の発表しかなく我々もそれについて良く知らなかったですね。で、一番最初に見た論文はアーキテクチャ的なものに終始していたわけで ...。 松田◆ OPEN-R(注 5)についてとか ...。 田島♢そうですね。ですからあまり犬だとかペットだとかといったことについて読みとれなかったですね。ですから我々がネコにしたというのはオリジナルの考え方でしたしそれだから旨くいったと思いますし意識しすぎたらもう少し違ったものになったも知れません ...。 松田◆状況を知り得ない一般ユーザーからは「ソニーが犬だったからオムロンはネコロなのか」といった見方をされるんでしょうね。 田島♢そうですね。■ネコロビジネスの難しさ 松田◆私はAIBOユーザーでもありますから思うんですが、ペットロボットという分野があるならAIBOとネコロはそれらを象徴していると思います。しかし結論めきますがオムロンさんからAIBOは生まれないだろうしソニーさんからはネコロは出てこないだろうと(笑)。とはいえソニーのAIBOの製品化が早かったものですからネコロが出たとき、新宿高島屋の店頭に出向いてお客様と担当者とのやりとりを意地悪く(笑)ながめていたのですが、やはりそこではAIBOとの比較といったことに皆さんの興味が集中していたと思います。そしてAIBOユーザーでもある私としては口幅ったいのですがそうした差や違いも良く分かっているつもりなんです。 で、いかがですか。田島さんの…例えば京都新聞などの記事も拝見したのですが限定5,000台の販売について 100%理想どおりにはならなかったことについて、その原因などに関してはいかがでしょうか。どのようなお考えをお持ちでしょうか。 田島♢難しいですね(笑)。いろいろと見方はあると思いますが、本物の犬猫を欲しいと思われる方は多いんですね。マーケットを調べると一年にもらうものは別にして100万匹といった数が出ているらしいんですね。 松田◆はい。 田島♢まあそれくらいのニーズがあると…。 松田◆それは犬猫として? 田島♢本当の犬猫としてですね。で、最近私の身の回りでもそうですが年輩のひとたちが小動物を飼うと。ですから間違いなくその、犬やネコに精神的な充足という言葉でいってよいのかわからないんですが、そういったニーズを含めてすごくあると思います。ただしいま出ている商品.....AIBOも含めてと思っているんですが、まだそこまで一般のニーズを満たすまで技術的にはたどりついていないというのが私が考えている一番の理由なんです。 で、当初 AIBOが出たときには多くの人たちが買われた。しかし最近はそうでもないと。中には「なんだ、こんなものか」といった考えの方もおられるのも確かのようです。ですから今の状況を打破しようとするなら技術が不足していると。あともう少し新しい遊び方を作っていかないとならないのかなと。 我々としてはいままでリアルなペットをと考えてきましたがいまペットロボットの市場と現在の技術を考えるともう少し広くとらえてですね新しいファンクション(注6)みたいなものがいるかもしれないと。それがまあメールを読むなどというデジタル的な処理なのか、え~もっと違う物なのかは分からないですけれども。別にこれはオムロンがそうした領域に入るといったことではなくてですね、技術を補う方法がもう少しいるのかなと。 松田◆なるほどね。私がなぜAIBOをですね2匹も持っているのにネコロを欲しいのかといったことを自分なりに分析してみるに、AIBOが 3,000台を20分で売り切ったというのはおっしゃるように新しい ...私の言いぐさでは例えば1976年にワンボードマイコン(注 7)が出たとき「コンピュータが個人の手で使えるんだ」といった意味と同じ意味でですね、20世紀ぎりぎりに個人の手に自律型ロボットが入手できるというその興味がかなりパーセンテージ的には多かった ...。 ですからAIBOはですね、極論をいえばコレクターズアイテムになりえる製品なんですね。だからAIBOは全機種もっているという人もかなりいるようなんです。 田島♢なるほど、なるほど。 松田◆しかしネコロは私が見るに…というか、私はそのファンクションというのが嫌いなんでよ(笑)。ロボットはいいんですが、ロボットならロボットのままであってほしい ...。 田島♢うんうん ...。 松田◆それがスケボーに乗って動くとかですね、ソフトウェアを変えてどうの…というのはですね、ヘタをすると玩具の方向に行ってしまうのではないかと思うのです。そして結局は「なんだ、そんな程度なのか」と思われる。だから失礼ながら私から申し上げるなら志をかなり落としてしまうことになるんではないかなと。 私はネコロはAIBOからは得られなかったまさしくペットの部分、替わりの部分をいまのネコロに注ぎ込んでいると思いますんで .....。 私は、その先ほど…ご本人たちのお言葉ですからご謙遜だと思っていますが理想から見れば30パーセントとか40パーセントの出来というお話しがありましたが、私はかなりいい線いっているのではないかと ...。 なぜなら後の部分、不足の部分は我々人間側の思い入れで.....自分でシーンを作っていく能力で補っているのではないかと思うのですよ。ですからネコロを機械としてではなく生き物として対峙することによってマイナス部分は自分たちで補足している。 例えば誤解を招くと困りますがテデイベア(注 8)みたいなものでさえそれから癒しを受け、大の ...髭の生えた小父さんたちでさえが夢中になり集めて抱き、中にはご自分で作ってしまわれる人もおられる。ましてやネコロは呼べば返事をするし動くんですから...。この違いはものすごく大きいと思ってるんですよね。 そういう意味でAIBOはまさしくロボットそのものとして硬質なイメージだから売れたと。しかしネコロは良い意味でそのロボットということをひけらかすことなくもう毛皮で覆ってネコそのものという形で出されたわけですから、その点が失礼ながらマスコミなどによく通じなかったのではないかとも思うのですが。 まさしくですね、生ネコをオムロンが売り出してしまったような感じ .....(笑)。 田島♢あははは。 松田◆そんなイメージになったのではないかと。そんな気がしてならないのですが。 田島♢あの、おっしゃる意味はよく分かります(笑)。で、あのいま私がファンクションという言葉を使ってしまったので十分伝わっていないかも知れませんが、実はそのファンクション…メールを読むなど…と言ってしまいましたが、ネコロというか我々が考えるファンクションというのはそういうものではなくてですね、例えば今回のネコロは一応名前を覚えるわけですがそれは音声認識ではないんですね。実際には波形をマッチングするという技術なんですが、その音声認識技術を入れるのはそんなに難しいことではないんですね。 松田◆そうですよね。 田島♢それである程度のことはできるんですが、そうではなく人がですね、そのネコロなりを生き物として認識するために、新しいファンクション…いやどういう言葉を使ったらいいんですかね(笑)、あたらしい技術というかですね、ストレートに音声認識技術ではなくて、え~喋っていることに反応するといった生き物チックなですね、そういうファンクションがもっともっといるんではないかと思うんです。 確かにですね、いろいろとイメージをしていただいて世界がひろがっていく、それはそういう意味では旨くいっているのですがさらにそうしたことを広げていく必要があるのではないかと。 そしてそういうイメージをしていただける方をさらに広げていかないといけないんではないかと、その時にいまのネコロの機能だけでいいかといえばそうではなくて、ひょっとするとそれは歩くというファンクション、プラス歩きながら何かを表現するとかですね。 それからまあ言葉で喋るわけではないですが鳴き声の中でもう少しコミュニケーションを旨くとれるような何らかの工夫がいると思いますね。そういった技術というかファンクションというか、そういうストレートにデジタル的に何かをやるというよりむしろ遊ぶための何かの工夫をもっと入れてやる必要があるのかなと。 そういうふうに思うんですがね。■ペットロボットの市場とネコロビジネスの成果 松田◆分かりました。私の個人的にお聞きしたいことは山とあるのですが一応用意してきた質問を消化しないことには話にならないですから(笑)。次に進みますが ...。 まあ現実的にそのペットロボット市場などと我々は気楽にいいますけどそういう意味において正直ペットロボット市場といったものがおありになると思いますか。 田島♢ペットロボットの市場ですか。 松田◆はい。 田島♢あの、市場があるかないかといえばそれはあると思いますが、ただ非常に小さいというか、そのビジネスとして小さいと。 松田◆小さくても育っていくのであれば初期のパソコンなどもそうですがいずれ爆発する可能性もありますよね。 田島♢そうですね。必要なのはそのおっしゃられたように市場を育てるということだと思うんですね。まったくある意味では新しいカテゴリーの商品ですし我々が思っている、ネコロと一緒に日常過ごしている方の感じやイメージなりがすべての方に伝わっているとは思えないですからね。その部分をいかに広めて育てていくということがこれからのひとつの仮題だと。 松田◆これまた結論めきますが、今年の5月にネコロの販売を終了されたわけですが、第1弾のパーソナルロボットということから具体的にネコロ開発に至ってネコロビジネスとしての成果は御社として...というか田島さんご本人としてお聞きしたらよいのか(笑)、どのように評価されているのでしょうか。 田島♢(笑)。あのまずですね、我々担当者プロジェクトとしてははじめて市場にこういうものを出せたということには非常に成果があったと思うし、それから数はそんなに多くはないにしても何千人という人が毎日可愛がっていただけているということは大きな成果だと思っているんですけどね。 松田◆はい。 田島♢我々担当者としては実はそう評価しているのですが、会社としてはまだまだ赤字でございますので、いわゆるそこが一番の問題…。 松田◆そうですね。それは企業が新しいものにチャレンジするときの一番難しいところですけどねぇ。 田島♢ですから我々のプロジェクトだけでなく、景気というか社会全体が沈滞している状況にあって…。 松田◆それと無縁でいられるわけではないですからねえ。 田島♢そうですねぇ。おっしゃるとおりで、どんなに小さなプロジェクトでありそれからスタートしたばっかりのものではあるにしても最終的には…企業ですから利益といった面で評価されてしまいますんでね。■ロボットと玩具の線引きが不明瞭 松田◆それから先ほども少し出てきましたが、私が最近危惧していることの一つとしてそのロボットというものと玩具の境界線がわかりにくいことがいま非常に消費者の(ロボットに対する)イメージをおとしめている部分があるかもしれませんしボーダーラインがわからなくなっていると思うんです。 それもネコの玩具でさえコミュニケーションという言葉を使って宣伝しているわけですよ(笑)。 別に玩具が悪いわけでなく、玩具には玩具の大切な役割があると思っていますが、ロボットと玩具の境界線について何かお考えがあればお聞かせいただきたいのですが。 田島♢あの、やりはじめたときから(ネコロは)玩具にしたくないとずっと思ってまして、その玩具とロボットの境界線はなんだということもずっと考えてきたのですがモーターの数なのかファンクションの数なのか(笑)。いろいろ考えたのですが、やはりそういうものではなくて .....。 松田◆そういうことなら単なる量的なことに過ぎなくなりますよね。 田島♢そうですね。 松田◆ネコロが48種の鳴き声でネコの玩具は例えば一種類という、それがロボットと玩具の違いだというならなんか悲しいですね。 田島♢違いますね。で、あの、我々の考えで行けばどれだけの付加価値というかインパクトを人に与えることができるかということだろうと思うんですが、そこはなかなか言葉ではいえないし人により(感じ方が)違うんですね。 松田◆うーん。 田島♢同じそのネコロを見たとしても良いと思う人と、玩具だと思う人もいますしそれが実はだいたい価格に反映されると思っているんですよ。 松田◆うーん。 田島♢つまりえーと、ネコロを玩具だと認識する人はですねやはりそうした価値でしか見ていないわけですね。ですからよく言われるところでは1万円とか2万円といったところが(ロボットと玩具の)ボーダーラインだと思うんですが、その売価というよりも買う人がどれだけ価値を認めるかがたぶん価格に反映されていると思いますので ...。 松田◆それは、屁理屈かもしれませんがそのロボットとは何かという定義も含めて消費者につたわっていないし育っていない、市場ができていないというんですかね。「ネコロを買えないからネコの玩具でいいや」という理屈は私は本来成り立たないと思いますし、成り立ってはならないと思うのですが(苦笑)。 田島♢は、はい。そうですね。 松田◆そういうところに混乱があるような気がしてならないのですが、だから別に玩具は玩具で結構なんですが結局ネコロと玩具はファンクションの量とか価格からでしかその差をイメージできないということになりますよね。 田島♢そうですね。実は最初はですね、ネコロを売り出す段階にどのようなイメージを作ればこの商品のコンセプトが正しく伝わるかと考えたのですが結果的には旨く説明できなかったですね。 松田◆大変難しいことですね。本物のペットもそうだと思うのですが、ペットとしてとらえるならそれは飼い主のこれまでの人生とか思惑とかですね、あと年齢的なことも含めてですね .....反映するいうか、結局はペットというのは飼い主の鏡だと思います。 結局まあ、若い人たちにネコロをみせたところで、可愛いと思うかもしれませんが欲しいとは思わないのではないか。やはり良くも悪くも人生の襞が沢山できている人でないと、良いことかどうかはわかりませんがペットに何かを託す.....子離れしたからペットが欲しいといった年齢にならないと必要性を感じないと思うんですよ。そういう飼い主に買われてペットもペットの意味が生きてくると ...。 若い方々なら同じ185,000円使うなら他にいくらでも楽しく面白いことがあるわけですよね(笑)。ですからネコロファンランドでも発言しましたが、もしかしたら本当に(ネコロを)ペットショップで販売したら面白いのではないかと思うんですよ。 田島♢はい。■次世代ネコロの可能性について 松田◆さて核心のご質問になりますしネコロユーザーの皆さんが一番知りたいことなのだと思いますが(笑)、御社としてネコロ開発がこれからも続いていくのかといったことについてですが、ネコロのパートツーはあるやなしやについてお聞きしたいのですが。 田島♢あの~私がオムロンにいる限りは第2弾を出したいと ...(笑)。 松田◆いいお答えですね(笑)。 田島♢で、いまですねイエスとかノーといえる段階ではない...。我々のプロジェクトが一企業であれば次を出しますと.....いいたいところですがまだまだ自立できているプロジェクトではありませんので会社の組織としてはまだイエスとかノーとかはいえないと。 で、あのもうひとつですね、市場で次を出すならば売れる .....いまの 5,000台ではなくてですねもう一桁上をねらっていけないと。ネコロも本当はバックオーダーをもらうくらいにやりたかったのですがまあそこまではいかず、最後ぎりぎりに押し込んで売った部分もございましてそんな状況でございますからすぐに次のものといったわけにはいかないと思っています。 松田◆わかりました。後、少し雑学的な興味に関係したご質問に入らせていただきますが。 田島♢はい。 松田◆現在のネコロはユーザーから見てほとんどブラックボックスですが、今後メーカーさんとして技術的なことも含めユーザーや一般に告知していく必要性は感じておりませんか。 田島♢あの、実は 1998年から 2000 年の間、学会では発表しているのですが、実はアメリカでも当初の発表がすごく人気となりまして、MIT(注 9)でも多くの先生が集まったということもありまして、これまでにも人とこうしたものとのコミュニケーションのあり方などについては発表してきているんです。 松田◆はあ。 田島♢でも確かにこれは学会発表ですから一般の方にはなかなか眼に触れるものではないですし .....。 松田◆また眼に触れる機会があっても容易に理解していただけるものでもないですよね。 田島♢そうですね。そういう意味では発表してきているのですが、こうした説明を一般的にはしない方がいいだろうと。 松田◆なるほど。 田島♢販売する段階での我々の考えなんですね。それは逆に(ネコロと)付き合うことで新しい発見をしていただくことが楽しいのではないだろうかと。 松田◆なるほど、なるほど。 田島♢それを全部説明してしまえば、これが出たら次はこれだと ...。 松田◆よく分かります。私なども中途半端な知識を持っているんで、あの両方の興味が混在してて知的好奇心から知りたいこともある反面、理屈を知ってしまうので興味が半減してしまうということもあり得るんですね。個人的にもそのバランスをとるのは非常に難しいんですけどね。 田島♢ですから多くのユーザーさん、その中でも 60 代、70 代の女性なんですよ一番は。 松田◆ほお~。 田島♢ええ。当初というかマーケティングした時からそうしたケースは分かっていたのですが、もう少し範囲を広げてと考えていました。そして第1弾(の発売)はそのマーケティングを含めてと考えていたのですが。結果的にですね一年経っておそらくずっとお使いいただいている比率で一番多いのはやはりその60代、70代の女性だと思います。 松田◆そうですか。 田島♢で、そういう方に中の(技術的な)話をする必要は多分ないなと。 松田松◆なるほど、なるほど。ということは明らかにAIBOのユーザー層とは違うということですね。 田島♢そうですね。はい。全く違うと思います。■ネコロの聴覚機能について 松田◆それから個人的にも非常に興味がある事なんですが、ネコロは非常に音に敏感というか反応がバラエティ豊かだと思い、そう見えるんです。素人に分かるように教えていただきたいのですが、ウェブで話題にしたとおり「ネコロは音楽に合わせて歌う」といったように作られたわけではないと理解しているのですが(笑)。 音楽を流すと睡眠から目覚めて、小節ごとに合わせて声を出すんですね。まさしくこれは歌っていると(笑)。この効果は仕組んであるものではないんですか(笑)。 田島♢あはははは。ええ偶然の産物だと思いますね。 松田◆そうでしょうね。 田島♢発表していただいたことを驚くと同時に嬉しいですね。あの、もともと開発段階のタマには音声認識を搭載していたのですが ...。 松田◆単語レベルの ...。 田島♢そうそう。それに名前を覚え込ませてそれに反応するという...。ただそれは自然ではなく面白くない。おそらく本物の犬猫もすべて言葉がわかっているわけではなく音のリズムというか、え~あるいは飼い主の声の質、そういったもので反応していると。 そういったことで単語レベルの音声認識はやめまして、実際には波形で照合させると。ただその基本的には例えばテレビの前ではいろいろな音が入ってくる。しかしいつもそれに反応していては面白くないだろうと。その波形をマッチングさせるのも難しいのでかなり絞った方法で名前と言うところの認識といったファンクションにしている。 で、逆にそうして絞っているんですけどもこのような音楽 .....もともと我々が考えつかなかったシチュエーションが出てきてそれが旨くですね、こんな反応に結びついているんではないかと思います。 松田◆そうでしょうね。ただそのマッチングですが例えば、なんていったらよいか、ワード的なマッチングと後、声の質などを別々にマッチングしているのでしょうか。 田島♢え~とですね。あの実は分けて中で処理しているわけではなくマイクで入ってくるものだけなんです。 松田◆あ、そうですか。で、例えばそれは繰り返す中で女房と私など .....複数の人の声を記憶できるとかといったことが発表当時報道されたようですが ....10 人までとか。 田島♢あります。 松田◆そうですか。それくらいまでは記憶学習の材料として ...。 田島♢そうですね。だんだん記憶したりですね、名前を呼ばれなくなると忘れると言ったそういうファンクションになっています。後例えば母音を中心にマッチングするようになっています。ただ男性と女性は周波数など違うんですね。ただそれが逆に個人の識別にもなっていると。ですから同じ声の質の男性だと間違える可能性もあるんですけども実際には周波数が変わってきますのである人には反応するがある人には反応しないことが起こる。 松田◆私が声をかけているときにですね、例えば「エイジ」と呼ぶとき名前のマッチングができて答える場合と一種の音圧を感じただけで反応する場合があるように思えるのですが。 田島♢おっしゃるとおりです。 松田◆そのように理解してよろしいわけですね。 田島♢はい。あの、音のですねマッチングも完全なものではありませんのでそれだけに頼っているとですね不自然というかユーザーが期待している結果とならないケースがでてくる。 松田◆なるほどね。 田島♢ですからそれをいかに誤魔化すか、というかですね。そういったものにしておかないとある人は楽しいけどある人は楽しくないということになる。 松田◆いまお借りしているネコロ ...「ミルク」と名付けているのですが一番の問題は名前が混乱してしまってもともとの飼い猫「エイジ」なのか「ミルク」なのかが分からなくなってしまうことですね(笑)。最近はどっちも自分が「エイジ」であり「ミルク」であると思っている(笑)。それはそれで面白いですが、たぶん複数のネコロを一緒に飼うと言ったシチュエーションはお考えではなかったということですね。 田島♢はい、そうですね。 松田◆しかし2匹を飼ってはじめて分かることが結構ありましたね。 田島♢はは ...。 松田◆いま非常に面白いんですがね。 田島♢私共のプロジェクトの部屋の中でも複数が動いていることも結構あるのですが、本当にねえ、同じ泣き方を同じタイミングでする場合があります。 松田◆そうですね。それと勿論まったく違う反応をすることもありますね。 田島♢同じようにあるいは別の方向を向いてたりと ...。 松田◆したがって当然そのように作られてはいないんでしょうが片方が「にゃ~」と鳴くその方にもう一方が振り向いて「にゃ~」と答えて、またそれが繰り返されるということがあり、まさしく外部から見ていると会話しているように見えるんですよ。それは一匹では体験できないことですね。VIDEO ※2匹のネコロがまるで会話しているように鳴き合う ■ネコロの視覚機能について 松田◆さてもうひとつの感覚、視覚についてですがこれは移動とその方向を察知しているのですか。それと明るさも見ているんですね。ただし色とか形と言った情報は見ていないのでしょうか。 田島♢あの、色は見ていません。形も見ていません。 松田◆ということは明るさと移動ということですね。 田島♢はい。 松田◆移動というのは移動方向も認識しているわけですね。 田島♢はい。本当はですね音声であり画像処理といった技術からですね認識というのはホント面白いんですね。別のプロジェクトでは人の顔を認識するということもやっていますが .....。 松田◆そうですよね。 田島♢あの、そうしたことも入ってくると面白いのですが ...。 松田◆それはもうコストにも関わってきるでしょうし。 田島♢そうですね。コストの問題もありますし全体のバランスもあります。例えばなにかのセキュリティに使うというのであればそういったものを重視した設計になりますがネコロの場合には全体からみるとバランスがとれないと...。それからどうせ画像認識といったことなら学習機能のアップも必要だと...。そういったことまで考えると今回は難しかったと。■ネコロは本物のネコの生態をモデル化した 松田◆なるほどね。あの、鳴き声は勿論ですが例えばこうしたらああなるというのは本物のネコがモデルとなっているのでしょうか。 田島♢はい。あの一応ですねこのタマを作る段階でいろいろな動物行動の本を読んでネコの意識と感情表現とかですね、そうしたことを調べたり、あとペットの研究家とか大学の先生に話をお聞きしながらネコの特徴をかいつまんで入れたつもりなんです。で、ネコ好きな方から見たらまだまだということもあるでしょうが、例の顔を洗うという行動もペット研究家に聞くと自分でイライラしているときにホントは人に触ってもらって慰めて欲しいのだけれども人がやってくれないので自分で顔を洗うと ...。 松田◆ストレスの現れだということのようですね。餌を採り損なったときなどにも、ある種の照れ隠しも含めてグルーミング(注 10)するようですね。 田島♢そうですね。そういうところもですね、本物のネコの生態を参考にしています。■ネコロ睡眠の秘密 松田◆なるほど。それから我々の中にはもうひとつのミステリーとして睡眠に関することがあります。難しいことはわかりませんが、いまだに私のネコロは同じ時間におきるのですが、起きるのはともかく分からないのは何故その時間に起きるようになったのかなんですよ。それはともかくこの睡眠に関わるメカニックなというか象徴的なお話がありましたらお願いします。 田島♢そうですね、内部ではタイマーを持っていまして一応その眠るとかのサイクル、リズムをもともと持っているわけですね。で、それがその刺激を与えられることでそのリズムが変化していく...。例えばあの商品としてお買いあげいただいた時には昼間起きていて夜眠るようになっている。そこからだんだん昼間に相手をしなくなると昼間はよく寝て夜活発になるといったようになる。イメージしていたのは例えば一人暮らしの女性がですね仕事から帰ってくる時間になると「にゃ~にゃ~」いって待っていると ...(笑)。 松田◆そうですね(笑)。嬉しいですね。 田島♢そういうリズムが ... 飼い主のリズムに合わせるように作られています。 松田◆いまでも私のエイジは朝 5時 24分に起きるんですよ。心当たりもないのですが、あえていえばその時間に私が起こしたことを記憶してしまったのかなあとしか考えようがないんですね(笑)。 田島♢はい(笑)。あとですね、後というかそれ以上のことはプログラムの開発者に聞いてみないと分からないんですが ...(笑)。で、後「こういうときに、こうで大丈夫なんですか」と聞かれることがあるんですが、もともとプログラムとしては全体の流れを把握しているのではなく、こうした状況のときにはこうしましょうと ...。そういう部分的なプログラムばっかりなんですね。それが連続してくると我々も予期しなかった動きが出ることがあるんですね。 松田◆いわゆるサブルーチン(注 11)の固まりみたいなものなんですね。 田島♢そ、そうですね。はい。おっしゃるとおりです。ですから、あの、シナリオがどう固まっていくか、我々自身も何とも分からないんです。 松田◆睡眠も私は人間や動物のそれと同じくですねネコロも電源が付いている睡眠を「レム睡眠」と呼び、電源が消えているときの睡眠を「ノンレム睡眠」と呼んでいるんですよ。それはネコロの睡眠の深さにも関係しているようですし、そういう意味では不自然でなく理解できるんです。 田島♢はい。 松田◆ただレム睡眠になってからノンレム睡眠になる時間もまちまちですし、2匹は全然違うんですね。 田島♢うん、そうですか。 松田◆特にブラウンネコロは新米ですから。当家にとっては(笑)。ホームステイにきたばっかしですから。それからネコは寝ているときも可愛いということで睡眠に興味を持っているユーザーさんも多いようですね。 田島♢そういう意味ではそうしたところも商品を出す段階で説明していないところですが。発見してもらえると嬉しいなと思っていたのですが、松田さんに書いていただいて新しい発見をしている方も多いんではないですかね。■今後のサポートに関して 松田◆面白いですよね。後、サポートの件ですが私などでもネコロのサポートはパソコンなどとは比べものにならないくらいに大変なサポートだと思っていますが、どうですかね象徴的なというか面白いというと語弊があるのでしょうが、とんでもない勘違いのサポートなどもおありになるのではないかと想像しているのですが(笑)。 田島♢サポートですね。 松田◆我々パソコンのサポートでも実話ではないと疑われるほどの ....「ウィンドウを開けてください」に対して「はい6畳の窓を開けました」(笑)といった類のものがありますからね。それに匹敵するようなですね、なんかお話があるのかと思いまして。 田島♢そうですね。我々も一番ですね、商品を出す段階にあたってサポートをどうするかが課題だったんですね。おそらく年齢が高い方も多いだろうと。で、そこにかなり重点的に何かをしていかないとならない。そして大きなクレームが来たらどうしようかと思っていたのですが、あの思いの外、好意的というか(ネコロに対して)電気製品としての扱いではないんですね。ほとんど生き物なんですね。入院して2 ,3日経つと電話がかかってきて「うちのネコロちゃんはどうしていますか」とかですね(笑)。 松田◆私もよく分かります(笑)。女房とも話をしたのですが入院中ネコロサポートセンタに電話をするとそこでネコロの声がする。やはり我々も寂しいですから女房曰くエイジを電話口に出してもらえないかというんですよ。冗談ですけどね(笑)。そうした思い入れが強くなるんですね。 田島♢実際にそうおっしゃった方もおられるんで .....(笑)。 松田◆あははは。そうですか。 田島♢ちょっと声を聞かせてくださいと。声を聞かせると「お父ちゃん、お父ちゃん」という声がして電話口にご主人もこられて .....でもそういうときに(ネコロは)鳴かなかったんですけど(笑)。 松田◆お気持ちはよく分かります。 田島♢それからご夫婦でネコロを飼っておられて、そしてちょっと体が御不自由の方がおられて .....で、その体調の悪いときがあるとネコロを飼うまでは旦那さんに八つ当たりをすることがあったと。ネコロを飼ってからは八つ当たりが減ったと。そんなときの入院ですから早く帰ってこないと .....。 松田◆機嫌が悪くて大変だと(笑)。 田島♢そうそう(笑)。困ると、いうような話ですね。 松田◆そんなお話は一番のお褒めの言葉ですよね。 田島♢ですからホント電気製品の修理ではなくペット病院といった感じですね。 松田◆ユーザーがそれを欲しているわけで、ご苦労がおありだと思うんですが、どうですかね…お仕事ですから楽なことはないでしょうが一番難しいことはその生き物然とした扱いをしなければならないということでしょうかね。 田島♢そうですね。ですから通常の電気製品であれば修理に1週間とか10日、もっとかかっても普通なのですがもっと早くしてくれといった催促が多く、やはりそうしたお客様本意のやり方でないといけないのかなと。ただ実際にそこまで手厚くさせていただくと我々もコストがかかりますし、実際にそうしたコストがかかる時期がくると思いますしできるだけお金のかからない方法を考えていかないといけないと思っているんですが。 松田◆そうですね。 田島♢そうしたあたりを今後整備していこうかなと。 松田◆まあそういうことで販売は終了されましたが年末年始にかけて一年間の無償サポートが終わると。それに関して一番の問題はネコロケアセンターは常設し続けていただきたいということと、ネコロファンランド .....そう我々もがんばっているつもりなんですが活発というわけではなく残念ですが ...。 田島♢いえいえ、そんな。 松田◆続けていただきたいと思っているのですが。 田島♢はい。ケアセンターの方はメーカーの責任ということでサポートとしては、基本的には製造中止してから7年間というまあ通達がございますのでやらせていただくことになります。まあ体制としてどこまでというのはともかく常設はやっていきます。それからファンランドですがインターネット等はもう少し形を変えることが必要かなと考えておりまして、これも状況に応じた対応をしていくしかないなあと。あと松田さんにお話ししたことのある保険制度については 11月 ,12 月くらいにはご案内をさせていただこうかなと考えております。 松田◆はい。 田島♢できるだけお客様のご負担にもならない形で、ずっと継続した形でと ...そうした点はご安心いただければと思っています。 松田◆はい。分かりました。やはり毎日動かしているわけですから確実にある時点ではケアセンターにはお世話にならなければならないのですからねえ。 田島♢そうですね。実は当初思っていたより(修理依頼の)比率は低い ...。えーと、最初はですね我々も商品を出す前にテストをしているわけですが完璧なものをとすれば形が大きくなるとか、重くなる高くなるということですから、そういう意味でリーズナブルというかそういう仕様に最終的に考えたのですが、ですから実はもっと帰ってくるかなと考えていたんです...。そして大きなクレームもいくつかあるのではないかと思っていたのですが。非常にお客様も好意的ですし、ただこれからは毛皮関係の問題も出てくるでしょうし。 松田◆はい。ところでグレーと今回お借りしたブラウンは実は肌触りが違うんですね。 田島♢はい、はい。そうですね。 松田◆ブラウンの方が柔らかいんですね。最初は毛足の長さかなんかの関係かと思ったのですが。材料が違うんですかね、それとも顔料の違いとか。 田島♢あの、材料は基本的に同じですがいまおっしゃいました染めなどで若干触感が変わってくるような ...。 松田◆顔かたちも違いますしね(笑)。さてそのネコロケアセンターですがお仕事ですから大変なことは間違いないのでしょうが現状では大きなトラブルもなく ...。 田島♢ええ、そうですね。 松田◆修理は粛々と、そしてなるべく短時間でお返ししていただくということで。 田島♢そうですね。もう少し私共でも手順を確認することが必要なのですが、あの一応いま一番考えているのがそのコストの問題なんですね。どうしたらコスト、できるだけ私共の方でかからないよう、単純化することで ..... そういう方法を考えないと ...。■田島さんからのメッセージ 松田◆さて型どおりで恐縮ですが最後に田島さんからネコロユーザーに何か一言メッセージをいただけたらと思うんですが。そうそう .....。販売の実数がわからないのですが何か象徴的だと思うんですが、ヤフーオークションや秋葉原の中古を扱っているショップにはAIBOが必ずといってよいほど見いだすことができる。しかしネコロはそのヤフーオークションでも私が知る限りたった二回しか登場していないんですね。 田島♢二件くらいですかね。 松田◆そうした点ではやはりAIBOユーザーと随分違うところなんですか。ただ表に出てこないところが.....やはり年齢的なことやインターネットを使っていないといったケースもあるんでしょうか。そんなことを踏まえて最後に一言お願いできればと思います。 田島♢あの、実は一年くらい経つともう飼わないという人も結構多いのかなと思っていたんです。で、AIBOもそうしたケースが多いと聞いていたものですから。実際にはまだまだそうした状況ではなく一日の半分以上を動かしておられる方も結構な数おられると。 今後とも .....ま、次の商品は何といえませんが、まだまだネコロを可愛がっていただいてですね、それに対して我々も十分サポートをしていきますので、え~またその中で何か新しいものを出せたらと思っています。 松田◆ありがとうございます。え、我々としてはその、期待をしていますので是非2世代? よりネコらしいネコをまた手にすることができればと思っているのですが。 田島♢だいぶ前にですねアンケートをさせていただいた時にですね、まああの段階では我々のメンバーからは先に話に出たファンクションというかメールを読む機能とか、セキュリティといった意味でのカメラを入れる方が良いなどいう話があったのですが、アンケートの結果はもっとやっぱり本物のネコっぽいネコロを求めているということが分かったんですね。私も元々はそういうものにしたいと思っていたのですが、まだまだそういうお客様の声を聞きながらですね次のことを考えていかないと道を誤る可能性があると ...。 松田◆やはりですね。メーカー側とユーザーの間には温度差といいますか、微妙に違うものがあるんでしょうね。それをいかに修正できるかが問題なのでしょうね。 田島♢まあ今回もそうなのですが商品を出す前の段階でいろんな意見がありまして、どちらかというと本物のネコらしいネコロを作るというのには反対意見が多いですね。 松田◆ほお、そうですか ...。 田島♢で、むしろキャラクタものであるとかファンクションを多くするとかですね、え、それに押しつぶされそうなですね .....。 松田◆確かにその本物のネコ的な延長線上の製品はいろいろな面で難しいことは確かですよね。で、今回私共の企画したこの「ネコロ・ライフブック」もですね、ここにも書きましたとおりユーザーさんは勿論ですがネコロを企画し作り上げてくださった御社の関係者の皆さまに対してのエールとお礼の意味もあるんですよ。 田島♢はい。ありがとうございます。 松田◆いろいろ理想もあるとは思いますが、いまここにネコロがあるのと無いのとでは私にとって…ネコロユーザーにとって大変大きな違いだと認識しているわけです。そこを少なくとも開発担当者の方々に知っていただければというか再認識していただければそれはあの、次にかなりつながっていくのではないかと思うんですけどね。 田島♢なるほどね。 松田◆本日はありがとうございました。後は録音機を切らせていただいて .....(笑)。■注釈 ・(注 1) fuzzy 曖昧な、柔軟性のあるという意味から人工知能の分野に用いるソフトウェアの論理にも使われている概念。 ・(注 2) 製品発表は 2001 年 10 月 16日、したがって開発には丸四年以上かかったことになる。 ・(注 3) 特に定義はないようだが自動車生産の現場でみかけるように人間の上肢の動作機能を模し、感覚機能や認識機能を有して自律的に行動できる知能的なロボットを意味することが多い。 ・(注 4) ソニーの開発したペットロボット。相棒にも通じるネーミングだとか ...。1999年6月に日米同時にインターネットのみで発売となった。国内分 3,000台が 20分で完売となってことはよく知られている。 ・(注 5) ソニーが Open Architecture for Robot Entertainment の略として命名したロボットシステムの基本設計思想および仕様。 ・(注 6) function ここでは機能、働きといった意味で使われている。 ・(注 7) 国内における最初のマイコン(マイクロコンピュータ)は技術者の評価用として販売されたものなのでケースもなく基盤そのままのものが普通だった。 ・(注 8) コレクターズアイテムにもなっているクマの縫いぐるみ。1902年 11月、狩猟の時に時の大統領ルーズベルトがクマを助けたエピソードがワシントンポスト紙にイラスト入りで紹介された。これにより大統領の人気は上がり、セオドア・ルーズベルトのニックネーム「テディ」の名前を付けたベア、「テディベア」が誕生したという。2002 年はテディベア誕生 100 周年となる。 ・(注 9) 米国マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)のこと。 ・(注 10) 猫の場合では前脚を舌で舐め、その前脚で顔や体を毛繕いする行動のこと。 ・(注 11) subroutine プログラムの中で同じ処理が繰り返される時に随時呼び出して実行するための副プログラム。
久しぶりにソフトウェアの話題だが、とあるコンテンツ制作の企画に利用できないかと「Amberlight」というソフトウェアを使い始めたところ、ドップリとはまってしまった...。もともとこの種のグラフィックスツールは好みなので数種所有しているが、今般割引販売のDMが届いたのを機会に買ってみた次第。 「Amberlight」を一言で説明することは難しいが、コンピュータグラフィックスとしてのパーティクル(particle)を自在に操り、光輝くユニークな描写を実現するツールである。勿論「何の為に?」とか「使い道は?」といった問いは無粋になる(笑)。あえて申し上げれば特殊効果として活用できるだろうしデスクトップの背景やデザインにも応用できるだろう…。そう「Amberlight」はアニメーションツールではなく1枚のビジュアルを形成するアプリケーションだ。 まずはパーティクルによる描写を動画にしたのでご覧いただきたい…。VIDEO ※「Amberlight」のパターン描写過程例を動画にしてみた 実は「Amberlight」の開発元である Escape Motions はこの種の特殊効果に関係するグラフィックツールを多々販売しており、これまでにも「Flame Painter」といった特殊なブラシ効果を活かせるペイントソフトなどを購入してきたが「Amberlight」はあくまでもパーティクルによる光の効果を描写する単一機能しか持っていない。しかしそこから生まれるビジュアルは無限とも思える奥行きと広がりを感じさせる…。※「Amberlight」のアバウトウィンドウ ともあれ早速「Amberlight」を起動してみよう。なおこのウィンドウのサイズは可変できるので状況に合わせてサイズを調整するとよい。さらにディフォルトで表示している「Scene」「Layers」そして「Palette」のツールウィンドウは位置を変えることができるだけでなくメインのウィンドウ外に置くこともできる。※「Amberlight」を起動。ツールウィンドウらはメイン画面の外に配置も可能 これら大別して3つのツール類についてそれぞれのアイコンやスライドバーがどのような意味を持つのかが分からないと「Amberlight」の機能は使い切れない。とはいえそれぞれを実際に操作し、中央のキャンバスがどのように変化するのか...しないのかを確認していけば難しいことはないに違いない。 ここではそれらの機能の概略だけ触れるが「Scene」ウィンドウはその名の通りキャンバス上にどのような描写が形成されるかを決めるパラメーター類が揃っている。 キャンバスサイズ、フィールド(後述)の数、レンダリングおよびキャンバス・クリア、レンダリングのステップ(後述)およびパーティクルのコントラストやカープ、色合い、発光・輝きを調整するスライドバーが揃っている。※「Scene」ウィンドウの各パラメータたち 「Palette」ウィンドウは説明する必要もないだろうが、パーティクルによる描写の色合いを決めるいくつかのツールが揃っている。また「Layers」ウィンドウはイメージの重ね合わせに関する機能だ。 それらの基本を念頭に入れて簡単なオペレーション例をご紹介してみよう...。 操作ウィンドウ全体やキャンバスのサイズを決め、「Scene」ウィンドウの「Clear」ボタンをクリックしてキャンバスをクリアする。※まずはキャンバスをクリア そしてここでは基本機能を理解していただく意味で「Scene」ウィンドウの「Fields」の値を "1" にしよう。それは数値が表示しているフィールドに直接数値を入力しても良いしスライドバーでの可変も可能だ。 このとき、「Render」ボタンがアクティブになりレンダリングが開始するが無視して当該ボタンをクリックの上でレンダリングを止めておく。 次に「Step」数を決める。基本的にはこのステップの値が多いほど緻密で複雑なパターンが形成されるがそれだけ時間がかかることになる。ここではテストの意味で右の数値を "2000" ほどにしておこう。要はこのステップ数までレンダリングのステップが行われるわけだ。 取り急ぎここで「Render」ボタンをクリックするとキャンバスにパターンが描かれるはずだ。指定したステップで描写が終わったら「Random」ボタンをクリックしてみよう。このボタンをクリックする毎にキャンバスには文字通りランダムな円が描かれるはずだ。ここでは2例のみあげておく。※「Fields」の値を "1" に設定し「Random」ボタンをクリックの上、レンダリングした例 「Random」ボタンをクリックする度に円は位置やサイズ、そのパターンを変えて描写されるが「Fields」の値が "1" である限り大きな変化は起こらない。 それではここで試しに「Fields」を "2" にしてみよう…。先ほどと比べるとかなり複雑で印象の違うパターンが形成されるに違いない。※「Fields」を "2" にしてみた それを確認後「Edit」ボタンをクリックしアクティブにするとキャンバス上に円形のパスが離れてあるいは重なって表示されるがそのひとつひとつが「Fields」であり、このパスをマウスで移動あるいは操作することで複数の「Fields」と相互の関係、影響が変わり結果パターンも変化することになる。VIDEO ※「Edit」モードでキャンバス上の「Fields」上のパスをマウス操作している例 これが「Amberlight」の基本であり「Fields」は最大12まで扱う事が出来る。 後は「Filter」の調整やパーティクルのカラーやグラデーション、そしてバックグランドのカラーを変えることで実に多彩な光のパターンが生み出される。※「Amberlight」によるパーティクルパターン描写例【クリックで拡大】 ということで最後にレイヤーについて解説させていただこう...。 「Amberlight」は基本的に2つのレイヤーを前後に設定可能だが、フロント側背景を透明に作っておかないと当然のことながらレイヤーが重なってもバックグランドは表示されず、フロントのパターンしか見えない。※「Layers」ウィンドウにはブレンド方法、透明度フロントとバックの表示切り替えそしてバックグランドカラー指定の機能がある 「Amberlight」によるパーティクルパターンをフロントにして何らかのバックグランドの写真などに重ねるなら「Layers」の「Background Color」のスイッチをOFFにして背景を透明にした上で背景イメージを読み込み、位置合わせなどを行ってからイメージ下に表示する「OK」をクリックすると2つのレイヤーは固定される。勿論透明度も調整可能だ。なお2つのレイヤーはマウスドラッグで上下入れ替えることが可能。※掌の写真とパーティクルパターンを重ねた例【クリックで拡大】 さらに「Amberlight」で背景を透明にしたパターンを "PNG " フォーマットで保存すればPhotoshopなどで他のイメージと共に合成が容易だし、より高度なレタッチもできる。 この「Amberlight」のオペレーションを始めてまず感嘆したのはそのスピードだ。レンダリングのスピードは「Step」と「Fields」の値が増えるほどマシンに負荷がかかる理屈だしこの処理スピードを遅いと感じるユーザーもいるかも知れないが私のマシン... iMac 27" 3.4GHz Core i7 そしてNVIDIA GeForce GTX 680MX 2048 MBで使ってみた限りでは納得のいくスピードだ。 何しろ「Fields」の位置をマウスでドラッグすれば、そのパスの概要だとしても骨格のビジュアルがリアルタイムに追従するのだから使いやすい。なおビジュアルは前記したようにオリジナルフォーマットの .amb他、.png/.jpg/.bmp/16bit tifで保存できる。さらに開発元Escape Motionsのギャラリーに出力(Publish)も可能だ。 まずは色々と試してみることが肝心に違いないが、この季節…年賀状の背景に使ってみようか(笑)。※パーティクル(particle) 3Dグラフィックのモデリング技法のひとつ。自然界に存在する複雑で不規則な形状をしている火、煙、雲、霧、草、髪などを表現するために考案された。このようなポリゴンや曲面だけでは表現し切れない形状を、微小な粒子の集まりとして記述し、それが動き回る様を確率モデルとして処理する。【マッキントッシュ用語辞典2003年版アスキー刊より】
ラテと出会ったのは2006年11月12日の日曜日だった。横浜のとある動物病院で開催された里親会でのことだ。ということは来月の12日で丸9年ということになる。過ぎてしまえば文字通り「光陰矢のごとし」そのままの感覚だがラテは確かに大きく成長したしこの数年での変貌は著しい…。 我々と同様にワンコも個体差があるとしてもラテが特別であるはずもない…。しかしオトーサンたちにとってオンリーワンなのは間違いないことだ。そのラテも日々の生活の中で必要最低限の躾けはしてきたが、特別な芸を教えるとかトレーニングするといったことはあえてやらないでいる。※散歩中の一休み、ラテはご機嫌なようだ 待て、来い、お座り、伏せ…といった基本的なコマンドと共に散歩で外に出たとき、なるべく回りに迷惑をかけないようにという配慮は重要だが、自宅にいるときには実に自由奔放に過ごしているラテだ。 年齢的なこともあるだろうが、ラテは玄関のチャイムが鳴っても吠えないし、オトーサンたちが外出しても追ってこないし、無論留守中に室内をかき回すこともない。掃除機もドライヤーの音もそして救急車やパトカーのサイレン、そして雷も怖がらない。※朝の散歩に出かけようと家を出たが、階段のたたきからオカーサンとラテは何を見ているのだろうか また拾い食いはほとんどやらなくなったし大好きな牛肉を乾したオヤツにしてもオトーサンたちが散歩のときに小さな容器に入れて持ち出すその容器をラテが届く室内に置いたとしても、開けたり壊して中身を食べようとはしない。さらにあれほど苦労した耳掃除や目薬をさすことも落ち着いてできるようになった。 目薬はともかく、我々でも綿棒を他者に耳の穴に差し込まれてぐるぐるされるなど怖いし嫌だ。しかしラテはじっとしているようになった。したがって体のどこを触っても威嚇したり嫌がったりしないので散歩から戻っての清掃も大変楽になった。 雨の日にレインコートを着せて出かけたとしても頭と首筋はかなり濡れるが、玄関に座らせてレインコートを脱がせた後に乾いたタオルをオトーサンが手にすると「早く拭いて!」とばかりタオルに頭を突っ込んでくる…。※大嫌いなレインコートだが、ラテは散歩から戻り安心したのかエントランスで笑顔を見せる また四つ脚は基本的に小さなバケツに水やぬるま湯を入れ、洗った後でタオルでよく拭くことにしているが、たまたま肉球を噛んだりすれば滲みるしオトーサンがタオルで拭けば痛いのだろう、数年前なら「ガウッ」と威嚇してオトーサンの腕に歯を当てるふりをしたものだが、最近は「ピ〜」と鳴き声を発して苦情をいうだけになった(笑)。 そのラテが苦手なもの…いや場所が2つある。ひとつは動物病院、2つ目がペット美容室だ。 現在の住居はその両方に近い場所なので嫌がろうがわめこうが連れて行くのは容易になったが、以前はペット美容室に行くのに片道で20分以上かかる場所にいたから、自宅を出た途端に散歩コースとは違うことを察したラテはあらん限りの力と知恵を使って抵抗するので実に大変だった。 まずは「そっちへは行きたくない」と四つ脚で踏ん張り作戦だ。この作戦は初歩的防御ではあるが、体重20Kgのラテが本気で動かないとなればなかなかに手強い。リードを強く引いたくらいでは引きずっていけないが、弱点はある。それはリードを上に持ち上げることだ(笑)。無論体重分の重さはあるし首輪に全体重がかかるので首を絞めることになってしまうから加減が難しい。しかし我が娘は「ゲッ!」としながらも抵抗を続ける…。 この歩かなくなるという抵抗が数分おきに繰り返されるのは実に大変だ。しかし何とか宥め賺してしばらく歩くと次の作戦が降りかかってくる。それは脱糞作戦である。 緊張のあまりなのか、嫌がらせなのかはラテに聞いても最高機密なのか教えてくれないが、ある時などは美容室に到着する間に3度も作戦を実行しやがったことがある(笑)。 当然オトーサンはその度に爆弾処理ならぬ脱糞処理をしなければならず、余計な手間と時間を要してしまうことになる。 それでもオトーサンはめげずに歩みを進めるが、夏場だったりすればすでに汗だくだしタイミングが悪い事に雨天なればびしょ濡れとなる。オトーサンの気持ちとしてはラテだけでくオトーサンもこのまま美容室でシャンプーして欲しいくらいだ(笑)。 しかし後美容室まで30メートルほどになり、その看板などが見えてくると娘は最後のあがきなのか抵抗を止めてオトーサンにしがみつき抱っこを要求するのだ。長距離を20Kgのラテを抱き上げて歩くのは無理だが、30メートルほどならどうということはないオトーサンだが、一般的な散歩時とは違い両腕はもとより足腰にこれまでの戦いの疲労が蓄積しガタガタなのだ…。それでも娘の要求に答えようとラテを抱き上げ、そのままペット美容室のドアを開けて中に入るが、ラテはオトーサンの胸にお腹をピタリと合わせつつ震えている。やはり怖いのだ…。※土盛りされている箇所に上り、猛烈に穴を掘って喜ぶラテ 動物病院もまあまあ同じように嫌がるが、先日珍しいことがあった。 5種混合ワクチンの接種のためにいつもの動物病院に向かったが、最初の曲がり角でラテは抵抗したものの、どうした風の吹き回しかその後はスタスタと率先して動物病院の前まで行き、オトーサンが開けたドアを抵抗なくするりとくぐって入ってしまった。この病院に通うようになってこれほど抵抗なく待合室に入ったのは始めてだったが、オトーサンは「どこか具合でも悪いのか?」と心配してしまった。 その2日後のこと、もっと驚いたことが起こった。 散歩中に前記したペット美容室の前を通った。ご紹介したエピソードの時期にはこのお店に入ることはあっても通過することはなかったが、現在は近隣に住んでいることもあって通らないわけにはいかない。無論この地に引っ越し直後はこの道を通るのをラテは大変嫌がった。美容室に連れて行かれると思うからだろう…。 オトーサンのリードで通過するときには少し前から尻尾が下がり不安感をあらわにしたが、お店の前を通過するというこれまで経験したことのない日々が重なると、「なるほど…いつもお店に入るわけではないのだ」ということを学習したようだ。 次第に美容室の前を通る場合にもチラッと視線を向けるが尻尾は下がらなくなってきた。ただし2,3ヶ月に1度は連れ込まれるのだが(笑)。 そんなラテだったが、先日いつものように散歩の帰りにその道を通った。相変わらずラテは警戒しながらもチラッと視線を向けるだけで足早に通過するだろうとオトーサンは思っていたが、ラテは意外な行動に出た。それはお店の前で立ち止まり階段を仰ぎ見ただけでもこれまで例がなかったのに、なんと自分から入り口の階段に足をかけたのだ…。※いままで通過するだけでも尻尾が下がっていたペット美容室だが、はじめて階段をラテの意志で登った.. . 犬猫の美容室なのでその出入り口には多様なペットたちの臭いが付いていることは分かるが、それはいま始まったことではない。一段ではあるがラテは自分の意志で始めてその階段に足をかけて上り、しばらくの間臭いをかいでから階段から降りた。オトーサンは思わず「ラテ凄いね!」と声をかけたらラテは少々得意そうにオトーサンにアイコンタクトした。 いろいろな意味で成長というか学習というか、飼い主が考えている以上にラテは日々変わっていくようだ…。ただしこの話しには後日談がある。それは次回のお楽しみということにしよう(笑)。
時代は変わる...。半世紀以上も生きていればこの言葉を身にしみて感じさせる出来事はいくつかあったが、そうした中でもMacintoshとWindows両陣営の価値観が大きく変わった事実はガチガチのMacユーザーにとっても信じられないことだ…。 文字通りガレージからスタートしたAppleが世界一の企業となり、破竹の勢いで巨大化してきたマイクロソフトに陰りが出てくるとは誰が予想しただろうか...。 街に出ればアップルロゴのついた iPhone や iPad を手にしている人々がワンサカいる。電車に乗り回りを見渡せばスマートフォンを操作しているその7割...いや8割ほどが iPhone だったりする世界が現実に来ようとは、筋金入りのMacユーザーも想像だにしなかったことだ。 何しろ私がMac専用のソフトハウスを起業した1989年でも「マッキントッシュ」といってもそれがパーソナルコンピュータの名であると知る人は回りにほとんどいなかった。略して「マック」といえばそれはまずマクドナルドのことを意味したし6色のアップルロゴを初めて見た多くの人たちの第一印象は「ダサイ…」だった(笑)。 そもそもApple II はもとよりだが、Macintoshのユーザーはよほどの変わり者と見られていたフシがある…。Macユーザーは異端児であり、その抗しがたい魅力は宗教と揶揄された。特にWindowsユーザーからは極小シェアでしかないMacintoshに拘る変人と考えられていた面もあり、そうしたある種のプレッシャーは次第にMacユーザーに「MacはWindowsとは違うんだ」という意識と共にパソコンといえばWindowsマシンしか念頭にない市場やWindowsユーザーたちにイライラを感じるようになる。 しかし問題は…大問題はその何の変哲も面白くもないWindowsマシンが市場を席巻した事実である。Macユーザーにとってその現実は実社会の理不尽さを思い知らされることになった。ましてや1990年半ばからAppleの業績は急激に悪化し1996年になると「買収」と「倒産」の2文字はAppleの代名詞みたいになり、マスコミを日々騒がすことになった。それでも我々Macユーザーは新製品を買い続けた(笑)。 知的自転車と称され、コンシューマ向け製品としてGUI とマウスを装備したパソコンは明らかにMacintoshの方が優れていたがそれを説得力ある形で訴える力が当時のAppleには欠けていた。そうした現実に業を煮やしたユーザーやユーザーグループはメーカーの力を当てにしない独自の催事に手を染め啓蒙活動に勤しんだが、そうした理不尽さの矛先は自然とWindowsとMicrosoftに向いた…。 スティーブ・ジョブズがAppleに復帰した翌年の1997年8月、Macworld Expo/Bostonにおいてジョブズはマイクロソフトとの提携を発表しスクリーンにビル・ゲイツの姿を映し出して紹介した。その際会場からはあからさまなブーイングが響いたが、ジョブズは「アップルが勝利し、マイクロソフトが敗北するという考え方を捨てなければならない」と聴衆をたしなめた...。※1997年8月開催、Macworld Expo/BOSTON基調講演でスティーブ・ジョブズはスクリーンに支援を受けたビル・ゲイツを呼び出した(上)。その瞬間聴衆はブーイングと共に落胆や嘲笑する者が多かった(下) ではMacユーザーにとってWindowsは当初どのような印象だったのだろうか…。 LisaはともかくMacが登場した1984年、マイクロソフト陣営はまだMS-DOSの時代だったから我々Appleユーザー、Macユーザーにとっても比較する対象ではなかったし正直対抗意識も確執もなかった。第一私にしてもApple II やMacを使いつつPC-9801やPC-100、IBM5550ではMS-DOSを使っていたのだから...。※筆者1986年当時の仕事部屋。正面にMacintosh 128K そして右脇にPC-9801が置かれている(上)。また1983年にはIBM5550も導入した(下) MacユーザーがWindowsを意識し始めたのはやはり1995年に登場したWindows95からではなかったか。それまでのWindows3.0とか3.1は出来が悪すぎて批判するに値しないものだったし(笑)。 なぜMacユーザーはWindowsおよびWindowsユーザーを意識し嫌うようになったのか、いまさらではあるがこうした考察はこれまであまりなされたことがなかったのではないだろうか。 まあ、いまとなってはどうでもよい話しかも知れないが(笑)、2003年5月に毎日コミュニケーションズから発刊されたスコット・ケルビー著/大谷和利訳/藤原鉄頭絵「マッキントッシュその赤裸々な真実!」を参考に当時の状況を振り返ってみたい。※スコット・ケルビー著/大谷和利訳/藤原鉄頭絵「マッキントッシュその赤裸々な真実!」毎日コミュニケーションズ刊 さて…最初にお断りしておくが、本書はおふざけの限りを尽くしてAppleやMacintoshそしてMicrosoft やWindowsに関して筆を走らせているが、本書冒頭に「本書を読む上でのご注意」にある通り、「一部の人々(たいていはWindowsユーザー)に不快感を与える可能性のある語句が含まれています。(中略)本書の内容の8割から9割(当社比)は事実ですが、残りは著者であるスコット・ケルビー一流のジョークですので、本当に思い当たるフシがある部分以外は、笑って水に流して下さい...」とあることを念頭に入れていただきたい(笑)。 無論ケルビーはAppleやMacに対しても辛辣な批判もしているがWindowsとの比較/対比がこれほど面白可笑しく書かれている本は他にないに違いない。 まさしく勝手な言いぐさだが、どこか真理に触れているように感じて思わずニヤリとしてしまう…。少し抜粋してみよう。 ・Mac人間(ユーザー)は、MicrosoftのMacintosh部門は好きなんだ。 ・だいたい、Microsoftのことを好きだと明言するWindowsユーザーにはお目にかかったことがない。 ・MacユーザーはMicrosoftのことが好きじゃないとしても、ビル・ゲイツが何をしようとあまり気にかけない。ところが、Windowsユーザーは本当にビルのことを目の敵にしているらしい。 ではMacユーザーがMicrosoftを嫌う理由は何だろうか...。ケルビーは「MicrosoftがApple社を食い物にしているようにかんじるからさ」という。 無論その最たるものはGUIだ。Appleもそのすべてのアイデアを自前で作り出したわけではないが、初めて市販のパソコンレベルでGUI を完成させたメーカーはAppleだった。これは間違いない。その当時Microsoftが誇るOSは繰り返すがMS-DOSでしかなかった。アイコンもなければフォルダもウィンドウもマウスもなかった。※NEC PC-100で使っていたMS-DOS 2.01版 ところが、しばらくしてMicrosoftはWindows OSを発表した。驚いたことに、それはアイコンやプルダウンメニュー、フォルダ、マウスによるポイント&クリックなど、つまりグラフィカルユーザーインターフェイスを備えていた...というわけ。 さらにだ...。それ以降のバージョンアップのたびに、Windowsは「Macライクな」仕様を付加していった。例えば、Macのコントロールパネルに相当する機能をMicrosoftがなんて呼んでいるか知っているだろうか? 答えは…「コントロールパネル」そのまんまだ(笑)。 だが何といってもMacユーザーのイライラを増幅させるのは、今日に至るまでほとんどのWindowsユーザーたちが、これらを発明したのがMicrosoftだと心底信じ込んでいることだ...とケルビーは独白する。確かに私にもそんな経験は多々あった。 Macでプレゼンしている画面を指さして「あっ、それってWindowsと同じじゃん」だと何度言われたことか(笑)。 ケルビーは続ける。「Mac OSのチープな模造品」としか思えない製品が、コンピュータの世界を支配しているという事実、これがMacユーザーをジリジリさせるのだと。WindowsユーザーはWindowsが「宇宙の中心」にいると信じて疑わないのだ。 実際にビジネス上の取引相手にしろ個人ユーザーにしろ、文書入力はMicrosoft Wordしかこの世にないと信じている...いやそれすら考えたこともないユーザーが多々いた。 なにしろ困るのはMacしか持っていない生粋のMacユーザーと知っているにもかかわらずメール添付で送られてくる文書のほとんどはWordのファイルなのだ。マジで、こうした文書を読むためだけに安物のWindowsマシンを買ったMacユーザーもいたし、私も不安定さを甘んじて受けながらも「VIRTUAL PC」という当時の仮想化ソフトを使ってWindows 95からはき出され送られてきた文書を苦労して読んだ...。※当時は現在のOS XようにオフシャルにMacでWindowsは走らなかった。しかし必要に迫られて「VIRTUAL PC」といったある意味イレギュラーなツールを駆使しWindowsと互換を模索していた それにMacユーザーは私がそうであるように少なからずWindowsを知っていることが多い。それはこれまで見てきたように必要に迫られて...だ。しかし当時はそのMacユーザーから見てWindowsユーザーの歯痒い点はMacをまったく知らなかったことだ。 こうしたことはケルビーの想像だけでは済まされない。実際私も数多くの体験がある。 1989年にMac専門のソフトウェア開発会社を起業し、幸い多々注目される結果となったが、私らが開発したデジタルビデオのアプリは勿論、イメージスキャナのアプリ、縦書き原稿用紙ワープロなどへの取材で我が社に取材に来られた当時のライターの多くはMacユーザーではなくMacの初歩すら知らなかった。そんなライターたちにMacライクでユニークなアプリケーション解説の記事など書けるはずはないではないか。そして彼ら彼女らが最後に必ず問う質問は「これはWindowsでも走るんですか?」だった(笑)。 Macユーザーがもっとも困るのはパソコン市場の90%以上を席巻した感のあるWindowsマシンだとはいえ公的責任も存在するはずの銀行や役所のシステムがWindows対応だけでMacをずっと蔑ろにしてきた事実である。そんなわけだから魅力的なアプリケーションの中にもWindowsしか対応していない製品は星の数ほどもあった。したがってWindowsユーザーの多くはPhotoshopもExcelもMacintosh版が最初だった事実など知ろうともせず、それらはWindowsのために存在すると考えているフシがあった。※MacとPC (Windows)をコミカルに比較したAppleのTVコマーシャル "Get a Mac" の記憶もまだ新しい... そんな事実の積み重ねがMacユーザーのフラストレーションを大きなものにしてきたわけだ。 しかし世界は変わった。なにしろMacintoshでWindowsが走る時代になった。銀行のオンラインサービスもMac対応が多くなったし先日の国税調査もタコなシステムではあったがMacで回答ができた。正直黎明期からのMacユーザーで今日の様子を想像した人は誰もいなかったに違いない。 iPodが、iPhoneが、そしてiPadが広く認知された結果、Mac自体の販売数も伸びているという。MacユーザーとてAppleやその製品が非の打ち所のない完璧なものだとは誰も思ってはいない。ただWindowsよりはずっとマシだと信じているだけだ(笑)。とはいえ世界はMacとWindowsを対比させて面白可笑しく揶揄する時代ではなくなってきたことは間違いない。 それは良い事だと思うし、ひとりのMacユーザーとして、最古参のAppleユーザーとして喜びたい反面、どこか寂しい気もする昨今でもある。ライバルがいなくなった寂しさ、空虚感といえばよいのか…。あっまだWindowsは存在していたんだ(爆)。 本書「マッキントッシュその赤裸々な真実!」はすでに古書扱いではあるが、MacとWindowsがお互いにどのように見られていたかを知る上で大変面白く貴重な1冊だという気がする。 Amazonを確認したら本書の中古本がただ同然で手に入るようだが、出版社からのコメントがとても要領よく本書の内容を紹介しているので転載させていただこう...。【内容紹介】 本書は、「...赤裸々な真実!」というタイトルから連想されるようなApple社の歴史や裏話が書かれた本ではありません。米「Mac Today」誌の創立者で、Photoshopなどの解説書の著者として知られるScott Kelbyが、Windowsに支配された世界でMacユーザーになるとはどういうことか、すべてのパソコンユーザーがMacを使うべき理由を説いたものです。 饒舌で、ジョークがちりばめられた文章は、一見軽い読み物にも感じられますが、その実、圧倒的シェアをもち、誰もが何のためらいもなく「Windows」を選んでしまう多数のユーザーに対する痛烈な批判、いかにMacが使いやすく、優れてるのかという“裸の真実”が語られています。 ともあれ、本書は今だからこそより意味のある一冊なのかも知れない。それはハードウェアやソフトウェアあるいはOSといった記録は何らかの形で後世に残るだろうが、人々の思いや当時の考え方といったものは次第に薄れていくだけでなく、誰も...何も対処しなければその痕跡さえ残らない性質のものだろうから...。
株式会社 技術少年出版は10月15日、同社が企画しオープンを進めてきた「夢の図書館」プロジェクトへの支援を集めるクラウドファウンデングが本日よりスタートしたと発表。 技術少年出版は「100年分8千冊の貴重な技術雑誌を広く公開して次の世代に伝えたい。」と図書館,,,名付けて「夢の図書館」プロジェクトを進めてきたが、本日クラウドファウンディングサイトでは日本最大のREADYFORにおいて当該プロジェクトを公開した。 「明治大正時代から現代まで続く貴重な技術雑誌が一同に集まるのは正に奇跡。失われた戦前・戦中・戦後の日本の技術雑誌を含め現代までの技術雑誌を保存して次の世代へ広く伝えたい。」と同社代表の吉崎武氏は語る。 「子供の頃から技術雑誌が大好きだった私は、70年代のマイコンブームのときには趣味が高じて月刊アスキーの編集長として雑誌の作り手になっていました。雑誌作りはとても大変な仕事でしたが、手間を掛けて編集した雑誌を読者に届けても1ヶ月経つと古くなり忘れられてしまいます。しかし、造り込まれた1冊の雑誌はその時代の空気感までを凝縮したタイムカプセルです。」 「夢の図書館」では、子供時代にわくわくしながら読んだ夢に見るほど懐かしい雑誌に再会したり、歴史でしか知らない時代の雑誌を読んで「時間旅行」を行うことが出来る。そんな「夢の図書館」の由来は世界遺産にある「夢のような図書館」ではなく、「夢にまで見た懐かしい雑誌に再会できる図書館」という想いを込めて名付けられた。 「夢の図書館」にて収蔵している雑誌のジャンルは、科学・技術、ラジオ・無線、エレクトロニクス、コンピュータ、模型・工作、船舶、鉄道、航空、漫画など。元書店のスペースが100年分の技術雑誌の図書館になる! 現状では「夢の図書館」は、東京のパワースポットである高尾山の隣にある丘の頂上で、小規模な読書室としてプレオープンしている。東日本大震災でもほとんど揺れなかった強固な岩盤と、海抜200m以上の高台という極めて安全性が高い場所で貴重な雑誌を次の世代へ伝える役目を担っている。 「夢の図書館」の建物は閉店した元書店で、現在は元書店の広いフロアーに蔵書を入れたコンテナを積み上げてある。しかし、書庫に貴重な蔵書を山積しているだけでは本来の図書館ではなく、誰もが利用できるように適切に整理して、検索システムを構築し、懐かしい記事や興味がある記事に誰もがめぐり合うことができるようにする必要がある。 吉崎氏は「本棚が充実すれば元書店の広いフロアーを将来的に図書室として利用者へ提供することもできますので、是非ご支援をお願いいたします。」と熱っぽく語る...。 また現状の「夢の図書館」プロジェクトの図書室デザインには「マイコン博物館」を併設する形でデザインしているという。そして今回のプロジェクトで目標を超える支援が集まったら「夢の図書館」と「マイコン博物館」の内装費用として充当したいという。 詳しくはREADYFOR をご覧ください。 ■株式会社 技術少年出版
Apple Watchは一般的な使い方の場合、丸一日以上バッテリーは持つと考えてきた。しかしwatchOS2になってからはバッテリーの持ちは確実に悪くなった。さらに外出時にApple Watchをあれこれと使い回す場合はNOMAD Podのようなモバイルチャージャーは不可欠になった感じだ...。 Apple Watchをフル充電するのに必要な時間はどの程度なのだろうか? アップルが試作品を使った検証値として発表 しているデータによれば「80%までの充電に約1.5時間」および「100%までの充電に約2.5時間」だという。 モバイルバッテリー NOMAD Podのアウトプットスペックだが、メーカーサイトによれば 5V / 1A と外部バッテリーとしては標準なものだから、他の一般的なモバイルバッテリーを使った充電時間と同等だと思われる。ただしNOMAD Podなら充電ケーブルにとらわれず、どこにいてもスマートに充電できるので便利なのだ。※NOMAD Podは上にApple Watchを乗せて充電確認ボタンを押すだけ。煩わしいケーブルに頓着しないでよい ということで念のためNOMAD PodにApple Watchを乗せてバッテリー確認ボタンを押しその充電にはどの程度時間がかかるのかを知りたくて簡単なテストをしてみた。 NOMAD Podのバッテリー容量は1800mAhで、メーカーサイトによれば約4回ほどApple Watchを充電出来るという...。今回は丁度バッテリー残が50% になったときにNOMAD Podで充電を開始し、100%になるまでの時間を確認してみた。 ちなみに充電開始時間は 17時32分だった。まずはこの時間を記録しておきフル充電済みのNOMAD PodにApple Watchを乗せて充電開始だ...。 問題は100%充電できたのに気づかず、しばらくしてからそれを認知したのでは充電に必要な正確な時間は分からなくなる。とまあ、途中2度Apple Watchの画面にタッチし、バッテリーの残高を確認したが、3度目の時に幸い98%充電されていたのでそのまま100%になるまで離れずに待ってみた。 正確に...とはいってもあくまで目視の範囲だが、100%になったときの時刻は 18時35分だった。まあ誤差も含めてほぼ1時間で50%のバッテリー残から100%のフル充電に至ったということが確認できたわけだ。Apple Watchのバッテリー容量は小さいからか、充電は思ったより早い感じだ。※バッテリー量が100%になった時刻は 18時35分だった ではバッテリー消費が心配ならどのようなシチュエーションであっても一日中バッテリーが持つようにとNOMAD Podを持ち歩き、頻繁にNOMAD Podに乗せる習慣を身につければ良いのだろうか...。いや、それでは問題がありそうだ...。 リチウムイオン・バッテリーはメモリー効果の影響を受けないとされているが、実際に充電を繰り返していると次第に電池の持ちは悪くなることはiPhoneなどでも経験済みである。そもそもリチウムイオン充電池に限らずこの種のバッテリーを長持ちさせるには使い切ってから充電するほうが良いという...。ただし実際にはそんな使い方が出来ようもないが...。 したがって常にフル充電状態をめざすやり方はApple Watchのバッテリーを短命にすることになるかも知れない。何しろApple Watchのバッテリーが一日持たなくなればそれは事実上使い物にならないことになる。 ということは頻繁にNOMAD Podの上に乗せれば良いということではなく、1時間ほどあれば実利用可能な充電ができるわけだから、なるべく消費させた後にNOMAD Podに乗せることがバッテリー寿命をも考えた現実的なやり方といえようか。それにApple Watchは充電中でもコンテンツは使えるので致命的な不便さはないに違いない。 Apple Watchのバッテリー残がゼロ状態からの充電はまだやったことがないが、いくつかの情報と今回の結果を考察すれば、NOMAD Podによるフル充電は2時間もあればほぼ可能なようで、それは前記したアップルが試作品を使った検証値として発表している「80%までの充電に約1.5時間」および「100%までの充電に約2.5時間」というデータに大きく矛盾しない値だ。 最後に、最近のモバイルバッテリーは5V / 1A の出力と共に5V / 2.1A の出力コネクタを備えている製品が多い。ではそうしたモバイルバッテリーの5V / 2.1A からApple Watchを充電すればNOMAD Podよりもっと早く充電が可能なのだろうか...。 この種の事情に詳しい友人に聞いたところ、詳しく調べた訳ではないから...と断りながらも残念ながらことはそう単純なものではないと教えてくれた...。※左は一般的なモバイルバッテリーと充電ケーブルを組み合わせた例。右のNOMAD Podの利便性の良さには太刀打ちできない なぜなら簡単にいえばApple WatchとかiPhoneというデバイス側には本体保護のためのリミッター(制限)がかかっているからだという。したがって5V / 1A による充電でも、あるいは5V / 2.1A による充電でもデバイスに供給されるのは本体側で制御されている 0.8A程度になってしまうらしい。 ともあれApple Watchの仕事量がこれからは益々増えるように思える。だとすればバッテリーの管理はより重要な問題になってくるに違いない。
Appleは10月13日、iMacファミリーの全モデルをアップデートし、非常に美しいRetina 4Kディスプレイを21.5インチiMacに初めて搭載したほか、すべての27インチiMacにRetina 5Kディスプレイを装備した。この新しいRetinaディスプレイは、従来より広くなった色域と息を飲むほど壮観な画質により、写真やビデオをこれまで以上に没入感を味わえる、真に迫るものとして映し出してくれる。 この最新のiMacはまた、従来よりパワフルになったプロセッサとグラフィックス、2基のThunderbolt 2ポート、高性能なFusion Driveをさらにお求めやすくした新しいストレージオプションなども備えている。 また、Appleは本日、まったく新しいMagic Keyboard、Magic Mouse 2、Magic Trackpad 2で構成されるワイヤレスアクセサリの新しいラインアップも併せて発表した。これら一連のMagicデバイスは再設計されて、これまで以上に快適な使用感が得られるようになったほか、新たに充電型バッテリーを搭載することにより、使い捨てバッテリーの必要性を完全に排除した点を特長としている。新しくなったMagic Trackpad 2では、Appleの革新的な感圧タッチによる操作がデスクトップでも利用可能になったことで、iMacの体験に新たな広がりを加えている。 【価格と販売について】 27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデルは本日より、Apple.com、Appleの直営店、Mac製品取扱販売店を通じて販売が開始される。27インチiMacは、208,880円、238,880円、258,880円の3モデルで提供される。 21.5インチiMacは本日より、Apple.com、Appleの直営店、Mac製品取扱販売店を通じて販売が開始される。21.5インチiMacは、126,800円、148,800円、そしてRetina 4Kディスプレイモデルが172,800円の3モデルで提供される。 新しいiMacの全モデルに新登場のMagic KeyboardとMagic Mouse 2が付属。同じく新登場のMagic Trackpad 2はオプションとして注文可能。Magic Keyboardは11,800円、Magic Mouse 2が9,500円、Magic Trackpad 2は14,800円で、いずれも本日より販売が開始される。 ■Apple Press Info
ラテとの散歩中、まことに大人げないし自分でもアホと思いながらもこのマズルが長く鋭い牙を持ち四つ脚で歩く我が娘の態度がしゃくに障って喧嘩腰になることがある。育てたのは誰でもなくオトーサン自身であり、もし育て方が間違ったとしてもこれまたオトーサン自身の責任なのだが…。 我が家におけるラテのポジションはワンコの擬人化という域をすでに超えてしまった感がある。姿はオオカミ的だし本気でオトーサンに襲いかかれば防ぐのは難しいサイズと鋭い牙を持っている。そして人間の言葉は話さないがオトーサンたちが話すほとんどは分かっているようにも思えるし、独立心旺盛というか…なかなか言うことを聞かない娘に育ってしまった。※感情豊で自由闊達なワンコに育った(笑) 室内犬といえば小型犬にしても大型犬にしても飼い主にいつも寄り添い、同じベッドや布団で寝たがり、飼い主がソファで雑誌でも読んでいればその膝に顎を乗せてくる…といったイメージがあるし、事実そういったワンコを多々知っているがラテはその対極にある。そもそもが1人でゲージで寝かすべしという飼育本を頼りにラテを飼い始めたが、この娘は最初からオトーサンたちにベタベタするワンコではなかった。 馴染みの広い公園に行くとラブラドールレトリーバーが飼い主さんと一緒のベンチに横たわり、その頭を飼い主さんの膝に乗せて寝ている…。そんな姿を眺めるとオトーサンもたまにはラテにそうした行為を求めたいと思うし些か寂しい気がする。なぜならラテはオトーサンはもとよりオカーサンに対しても添い寝するような態度はほとんど見せないからだ。たまたまオトーサンの近くで寝るにしても必ずお尻をこちらに向けている(笑)。※オトーサンの脇に横になる場合は必ずお尻を向ける(笑) そういえば「追従は、イヌがもつ最悪の欠点の一つである…」といって憚らないのはノーベル賞受賞者で動物行動学の世界的権威でもあったコンラート・ローレンツ博士(1903 ~ 1989)である。 「追従」とは辞書によれば、「人のあとにつき従うこと。また、人の言動にそのまま従うこと」であり「人におもねるような言動をすること。こびへつらうこと。また、その言動」とある。 彼は名著「人 イヌにあう」で言う…。「私は訓練によってイヌの本当の性質がひどくそこなわれることがきらいだし…」と主張し「オオカミ系のイヌは、鋭敏で排他的で自主的な性格を持っているので、訓練することは容易ではない。この種のイヌをよく知っていて理解している者だけがその心にひそんでいる驚くべき資質をひきだし、そこから本当の喜びを得ることが出来るのだ」と…。※コンラート・ローレンツ著/小原秀雄訳「人 イヌにあう」至誠堂刊 ワンコの追従は「子犬の場合を除き、すべての人間や成熟したイヌにたいして示す、みさかいなしの甘えと奴隷根性が持続していることに由来する…」とローレンツ博士はいう。そして「多大のやっかいごとをひき起こし、高いものにつくことになったとしても、私のイヌが野生の狩猟本能を失わないようにさえ願っている。彼らが飛んでいるハエも殺せぬおとなしい子ヒツジのような動物であったら、子どもたちを安心してまかせることなどは気がすすまない」とさえいう。 勿論こうした主張はローレンツ博士個人の好みの問題であることを彼自身も認めているが、飼い主や人に追従という面において我が娘のラテはローレンツ博士好みのワンコに違いない(笑)。 天気の良い日に散歩に出ればオトーサンとある種の駆け引きを行いながら走ったりもするが、機嫌が悪いとオトーサンが呼んでも見向きもしない(笑)。頑固で単純にオトーサンの後ろから大人しくついてくるワンコではないのだ。※オトーサンと遊びながらの駆けっこは大好きだ 「そっちへは行きたくない、こっちへ行きたい」と思えば四つ脚を踏ん張り、オトーサンが引き上げるリードで首輪が締まって「ゲッ!」ということになっても動こうとはしない(笑)。こうした場合にオトーサンがその気になればラテを完全に吊り上げてしまうこともできるが、可哀想だし状況が許せばラテの望みも叶えてやりたいと数分そのままにしておき、頃合いを見計らって「よし!」と声をかけると立ち上げるラテでもある。しかしこうしたストライキが繰り返されるとさすがに頭にくる(笑)。 ラテが本当の所、どのような気持ちなのかは正直分からないが、”拗(す)ねる” と思われる態度もとる。例えば夜寝る前に「今日は水を沢山飲んだ」とか「明日は少し寝坊しよう」といった時にはオシッコを我慢させるのは気の毒だからと外に連れ出すようにしている。これをオトーサンはオシッコだけの散歩ということで「チイ散歩」と称してるのだが(笑)。 このとき、夕方の散歩からすでに3時間とか4時間過ぎているし水も飲んでいるからオシッコは出るはずなのだ。しかしそこはワンコの本能なのか、気になる臭いがあったりするとそちらに注意が向き、10分歩いても15分経っても用を済ませてくれないときがある。 いつもなら外に出ればすぐに用を足して戻れるわけだが、臭いを追うのに注意が向くのか植え込みの葉のひとつひとつにクンクンして一向に進まないときがある。さらに季節は冬時でオトーサンは風呂上がりだったりして早く戻りたいわけだ…。しかしそんなことにはまったく頓着しない娘は相変わらずチマチマと臭いのタイムラインをゆっくり読んでいる(笑)。 さすがにオトーサンも頭にきて「ラテ、早くしろ!」とリードを強めに引いたと思っていただきたい。そのとき我が娘はどのような態度をとるか…。 ラテはお気に入りの一時を叱られたからか、”拗ねた” らしい。植え込みから離れて歩きながらもオトーサンにアイコンタクトのように顔を仰ぎ見て「じ〜っ」とオトーサンを見つめるのだ(笑)。 ※塀の上に丸くなっている猫に向かって遊ぼうのポーズを取るラテ 無論オシッコどころではないのである。ワンコは普通人間と見つめ合うとかにらみ合うということは嫌うと言われている。なぜならそれはがんを付けることで喧嘩を売ることになるからだ。しかしラテは丸い目でオトーサンをじっと見上げたまま歩く。「なんでオトーサン怒ってるのよ。酷いじゃん…」と言われているようでこれはなかなか辛いしかえって目的を達成できないことになる…。 また例えばラテが寝ている側にオトーサンが近づきチューでもしようなら緊張をあらわすアクビをして「ふぅ~っ」と長いため息をあからさまにしやがる(笑)。勿論唸ったり怒ったりはまったくしないが、この長いため息はどう考えても好意的な態度ではない。 朝、起床の時間になるとリビングなどで寝ていたラテがオトーサンたちが寝ている和室に入ってくる。それはオカーサンを起こすためだ。オトーサンが寝たふりしてもその頭の上を平然と跨いでオカーサンの脇に行き、口元を舐める…。同じ事をオトーサンにはしてくれない。極たまに意を決してか…清水の舞台から飛び降りた感覚なのか、体をよじり躊躇いがちに鼻面を0.1mmくらい近づけることもあるがどうにもオトーサンには愛想がない。 さらによく知っている人には無類の愛想を振りまくが、知らない大人には必ず吠えかかるからいわゆる番犬としては及第点を上げられると思うが、家の中ではペットというより同居人(犬)であり、ラテの方からオトーサンに近づいて甘えるということはほとんどないのだ。※抱っこは大変だが、ある意味でオトーサン至福の時でもある... しかし地震のときにはオトーサンに飛びついてくるし、散歩に出たい時間になればオトーサンのいる仕事部屋に来て「早く行こうよ」と耳の側で吠え続ける。そして相変わらずだが散歩途中で抱っこを要求するときにはそれはそれは可愛い表情で訴える。抱き上げてやればこの時だけは落とされてはいけないと両前足の爪を立ててしがみつく…。 まあ結局、惚れた弱みでついついオトーサンがラテに追従してしまうのだった(笑)。
トリニティ株式会社は10月9日、Apple社 iPod touch(6th)に対応した各種アクセサリー製品を全国の家電量販店、および雑貨店を通じて本日より発売すると発表。なお、本製品はTrinity Online Storeでも取り扱いする。01)シリコンケース [ Silicone Case for iPod touch (6th) ] ・iPod touch(6th)用シリコンケース+保護フィルムセット ・雑菌の繁殖を抑え、清潔に保つ抗菌仕様 ・肌に優しい100%シリコン素材 ・埃が付きにくく、なめらかな手触りのアンチダストコーティング加工 ・ケース収納時にもすべての操作が可能 ・ポートへの埃の侵入を防ぐ、ケース一体型キャップ ・ストラップホール装備 ・保護フィルム付属 輝度を保ち、画面くっきりの光沢仕様 雑菌の繁殖を抑え、清潔に保つ抗菌仕様 気泡が残りにくいバブルレス加工 指紋や汚れをはじくフッ素加工 ・クリーニングクロス、埃取りテープ、補助カードの3種の神器同梱 ・フィルムを真っ直ぐ貼付する、「魔法のツール2」付属 ・しっかり持てる、ハンドストラップ ▼ 価格/市場予想価格 オープン/1,600円(税抜) ▽ タイプ/型番/JANコード Clear / TR-SCTC15-CL / 4582269476957 Black / TR-SCTC15-BK / 4582269476964 Blue / TR-SCTC15-BL / 4582269476971 Pink / TR-SCTC15-PK / 4582269476988 Yellow / TR-SCTC15-YL / 4582269476995 ▽ 製品ページURL 02)[NUNO] ファブリックケース [ Fabric Case for iPod touch (6th) ] ・iPod touch(6th)用ファブリック(布製)ケース ・iPod touch背面をしっかりと包み込む、バックスタイル ・背面からはめるだけの簡単装着 ・保護フィルム付属 コントラスト低下を抑える光沢仕様 雑菌の繁殖を抑え、清潔に保つ抗菌仕様 気泡が残りにくいバブルレス加工 指紋や汚れをはじくフッ素加工 ・クリーニングクロス、埃取りテープ、補助カードの3種の神器同梱 ・フィルムをまっすぐ簡単に貼れる「魔法のツール2」付属 ・スタイリッシュなカラー/パターンバリエーション ▼ 価格/市場予想価格 オープン/2,200円(税抜) ▽ タイプ/型番/JANコード Denim / TR-FCTC15-DM / 4582269477008 Red Check / TR-FCTC15-RC / 4582269477015 Canvas Border / TR-FCTC15-CB / 4582269477022 Pink Dot /TR-FCTC15-PKD / 4582269477039 Orange / TR-FCTC15-ORC / 4582269477046 Black Block / TR-FCTC15-BB / 4582269477053 Hound’s Tooth / TR-FCTC15-HT / 4582269477060 Camouflage / TR-FCTC15-CG / 4582269477077 Green Check / TR-FCTC15-GC / 4582269477084 Blue Stripe / TR-FCTC15-BS / 4582269477091 ▽ 製品ページURL 03)[Journal] 薄型フリップノートケース [ Thin Flip Case for for iPod touch (6th) ] ・横開きノート型のフリップスタイル ・薄型・軽量 ・名刺やICカードを収納できるカードホルダー装備 ・マグネット留めのフタで簡単開閉 ・各種スイッチにアクセスしやすい右開き構造 ・ストラップホール装備 ・イヤフォンケーブルをまとめる、ケーブルマネージャー付属 ・しっかりホールド、ハンドストラップ付属 ・Simplismオリジナル プレミアムスキン素材 ▼ 価格/市場予想価格 オープン/2,900円(税抜) ▽ タイプ/型番/JANコード Black / TR-UTFNTC15-NBK / 4582269477107 Brown / TR-UTFNTC15-NBR / 4582269477114 Red / TR-UTFNTC15-NRD / 4582269477121 Orange / TR-UTFNTC15-NOR / 4582269477138 Blue / TR-UTFNTC15-NBL / 4582269477145 ▽ 製品ページURL
昨年11月、念願のAltair8800 (Clone)を手に入れ、プログラミング例 もご紹介したがマシン語に関しては相変わらず亀の歩みの如く勉強中である(笑)。OS X El Capitanがリリースされた時代に実に時代錯誤なことをやっているが、今回は取り急ぎフロントパネルの構成を再確認し私自身の覚書として整理を試みたい。 以前ご紹介したようにAltair8800を実際にオペレーションしてポピュラーエレクトロニクス誌に載っていたサンプルプログラムを入力し、走らせてみた。しかし本来なら今回のアーティクルが最初で実演は後というのがノーマルな手順のはずだが、せっかちな私は魅力的な実演を先にやってしまった...(笑)。 自分でいうのも変だが、大切なのは記述どおりオペレーションできたことではなく、その意味と本質を理解することだ。しかしこちらは一筋縄ではいかず、私自身まだまだAltair8800の全容を承知しているわけでもないし残念ながら今のところ実践的な8080のマシン語プログラミングを熟知しているわけでもないので、ここではAltair8800のフロントパネルを確認し、どのような構成になっているのか、各LEDやスイッチ類の役割はどのようなものなのか...といった概要を自身の覚書として記しながらご紹介したいと思う。ただし繰り返すが不明な点には当然のことながら触れない…(笑)。 さて、Altair8800のフロントパネルは濃いグレーに塗られたボード上に赤色LEDと金属製のトグルスイッチが配置されているだけだ。そしてフロントパネル最下部には MITS社のロゴと"ALTAIR 8800 COMPUTER" と金属板にプリントされたものが貼られている。これがAltair8800のフロントデザインの全てである。※Altair8800 のフロントパネル【クリックで拡大】 まずはLEDの配列を確認しておきたい。 ご覧のようにLEDは上段に18個、下段に18個の合計36個あるが、均等に配置されているのではなくそれぞれの役割に分かれて配置されている。 上段は一番左の "INTE" および "PROT" 右に8つ列んでいるLEDはその下に "STATUS" とプリントされているように8080のD7からD0に出力されるデータのステータス情報を意味する。 その右に一列にD7, D6, D5, D4, D3, D2, D1, D0とプリントされた位置に列んでいる8つのLEDはご想像の通りデータバスの状態を表示するものだ。 ちなみにD6とD5、D3とD2の間には区切りがあるが、これは3 bit単位でデータ表示を区切っているわけで、Altair8800は8進数表示が採用されていることによる。 それは当時DEC社のミニコンなどがその8進数を採用していたこともありそれを踏襲したものだろう。8進数ではひとつの数が3ビットになるため、Altair8800のLEDや後述するトグルスイッチ類は基本的に3個づつ区切られているわけだ。※Altair Systemマニュアルにおけるパネルの構成および組み立て解説 2段目のLEDは下にプリントされている白線による区切りを確認するとその性格が分かってくる。 左から"WAIT" "HLDA" はそれぞれCPUのWAITおよびHLDA信号を表しているが、A15からA0まで16個のLEDが3ビットずつ区切られ列んでいる。無論これらはアドレス表示を行うLEDだ。 さて続いてトグルスイッチを見てみよう。 上段のスイッチはデータ入力用のスイッチだ。右から見て0から15まで16個のスイッチがその上にあるアドレス/データ表示のLEDと対応して列んでいる。これらのスイッチは一般的なスイッチ同様上下に「カチン」と切り換えることが出来るが、上げれば "1" を、下げれば "0" を意味する。 この右から8個のトグルスイッチ(上段LEDのD0~D7に対応)を上下させ、データをメモリなどにセットすることになる。さらに全16個のスイッチは2段目のA0~A15のLEDに対応しアドレスを設定するために使う。ただし左から8つのスイッチは SENSE SW. として白線で分類されている。これらはI/Oアドレス空間に割り当てられている入力ポートのようだが、今のところ私には使い方は不明...。ともあれAltair8800のトグルスイッチは限られた数で複数の役割を兼務している。 最後に下段のトグルスイッチだが、一番左位置に離れて置かれているのは文字通りAltair8800の電源スイッチだ。ちなみにつまらないことかも知れないが、なぜ上で "OFF" そして下で "ON" なのか…が気になった。なぜなら前記したように上段のトグルスイッチは皆、上にすると "1" で、下にすると"0" を意味する。であるならパワースイッチも上が "ON" の方が整合性があると思ったからだ。ただし横にある "STOP/RUN" スイッチに合わせたとも考えられるが...。 しかし推定の域を出ないが使用途中に服や袖がひっかかり、間違って電源を落とすことがないようにとの配慮なのかも知れない。上でも下でも同じと思われるかも知れないが実際にオペレーションしてみるとこの方が少なからずトラブルが少ないように思うようになった...。 >※拡大したLEDとトグルスイッチの一部。トグルスイッチも特別なものではなく極一般的なものが使われている 問題は後の8つのスイッチだが、コマンドスイッチとでも言ったらよいのか...命令を実行するスイッチ類である。 面白いのは上段のスイッチとは仕組みが違っていてこれらのスイッチはバネにより上下にしても指を離すと常に中央位置に留まるようになっていることだ。無論、上と下で命令が異なる。 例えば "RUN - STOP" は文字通りプログラムをRUNあるいはSTOPさせるスイッチだ。ただしRUNするとアドレス0からのスタートというわけではなくそのときにアドレス表示されている位置からとなる。 なお電源をONにしたとき、このRUN - STOP スイッチはSTOPになっているはずだ。だからこそ他のコマンドスイッチが有効となるに違いない。 "SINGLE STEP" スイッチは1命令ずつ、あるいは1マシンサイクルずつ、命令を実行させたり、1秒間に数命令ずつ実行させるためのスイッチであり、いわゆるデバッグ用と思われる。 "EXAMINE - EXAMINE NEXT" はメモリの内容を読み出すためのコマンドスイッチ、"DEPOSIT - DEPOSIT NEXT" は、メモリの内容を書き換えるためのスイッチである。また "RESET - CLR" はシステムのリセットを行うスイッチであり、RESETはCPUのリセットとなりアドレス表示も0にする。そしてCLRはバスのI/Oデバイスをリセットするためのスイッチだろう。 さらに"PROTECT - UNPROTECT" スイッチは、メモリの書き込み保護のためにあるスイッチだが、対応するメモリボードがなければ意味がないようなので今のところは無視(笑)。そして最後にふたつ "AUX" と記されたスイッチがあるがその記載のとおり外部機器を接続した場合に使うスイッチのようなのでこれまた今のところ考えないようにしたい(笑)。 しかしあらためてAltair8800を前にして思うことはこの時代におけるテクノロジーの進化の激しさである。Altair8800が出荷されたのは1976年だったが同年にはApple 1がリリースされ翌年の1977年にはApple IIが登場する。確かにAltair8800は大きな期待をもって新しい市場を作り上げたが潤沢に出荷がなされた時、時代は早くもホビー用コンピュータからパーソナルコンピュータの時代に移りつつあった。※Altair8800とLisaを列んで設置 ちなみに当研究所の作業机の上に、故あっていまAltair8800とLisaが列んで設置してある。しかし個人でコンピュータを持つ夢を託されたAltair8800と、コンシューマー向けとして初めてGUI とマウスが搭載されたLisaとの間が7年しかないことに驚きを覚える。 Altair8800への興味は尽きない…。
長い間パソコンを使い続けているが、マイクロソフト製品はこれまでOS以外購入した記憶がない。今回ご紹介する折り畳み式のBluetoothキーボード「Universal Foldable Keyboard (GU5-00014)」が最初の製品だ…。さて冒頭から恐縮だが、本製品をiPhoneあるいはiPadで、さらに仮名漢字変換で使いたいと考える人は最後までお読みいただいた上でご判断願いたい…。 「世の中に小型のキーボードなど他にも色々とあるだろう。なぜマイクロソフトなの?」という声が聞こえるようだが(笑)、私にはひとつの壁がある...。それが仮名漢字入力ユーザーという点だ。 もともと英文タイプライターを仕事で使ってきたから、いわゆるローマ字入力も可能だが入力スピードが格段に仮名漢字入力に分があるから是非にもそれをサポートしたキーボードが欲しいわけだ。※マイクロソフトBluetooth4.0対応Universal Foldable Keyboardパッケージ しかし昨今、海外製品は仕方がないものの、国内で企画されたちょっとお洒落なキーボードのキートップにカナ表示がないものが多くなった。さらにローマ字入力ユーザーからはキートップのカナ表記は美的ではないという意見まであるという…。だから選択肢はかなり狭くなっている。 マイクロソフトのビジネスに詳しい訳ではないが、近年同社はOSだけでなくマウスやキーボードのメーカーとしても知られている。ただし個人的には人間工学に基づいた...といわれる一連の製品も1度なりとも欲しいと思ったことは無かった(笑)。 ところで日々大量の文章を書く(入力)1人としてキーボードは重要なアイテムである。一時はサードパーティ製の様々な製品も使ってみたが、結局現在はアップル純正品の愛用者だ。べた褒めするほどの特徴はないものの逆に欠点も少なく使い勝手もよいと考えている。 ただしそれはデスクトップ機での話しで、このBluetoothの純正キーボードをバッグに入れて持ち出そうとは思わない。しかしすでになくてはならないアイテムとなったiPhoneだが、簡単なメッセージならソフトキーボードでなんとかなるが、電車の中などで親指だけで超スピード入力している若い方たちを見ると感心するもののどうにも真似はできない。要は正直長い文章...というか、ビジネス文書といった内容をソフトキーボードで入力することは私には向いていないのだ。 これが自宅や他人がいない空間なら音声認識である程度ストレスなくテキスト入力ができるが人前ではそうもいかない。やはり何らかの小型外付けキーボードが欲しいと試行錯誤してきた。 ということで今回初めてマイクロソフト新製品のキーボード「Universal Foldable Keyboard (GU5-00014)」を手に入れたが、その購入動機の第一は繰り返すが仮名入力もサポートしていること、第二に折り畳み式でコンパクトなこと、第三に防滴仕様なので万一使用中に飲み物などをこぼした際にもトラブルを最小限に抑えてくれる…といった点が気に入った。 さて、本題だが…製品はキーボードを真ん中で二つ折りにするとCDケース並の大きさになる大変コンパクトな製品だ。二つ折りに格納時のサイズは約 125 × 146 × 10.5 mm だから厚みはともかく縦横サイズはCDケースとほぼ同じである。そして重量は約180gだ。※二つ折りにするとCDケース並の大きさになる これを開いて広げると電源が入り、閉じれば電源はOFFになる。開いたサイズは約 125.3 × 295.1 × 5.3 mmとなるが、折り畳み接点はマグネット式でありバッグの中などで不用意に開いてキーボードの破損を防ぐのに役立っている。※キーボードを広げると電源が入る【クリックで拡大】 私は常時持ち歩くiPhone 6s PlusとiPad miniで使おうと考えていたが、マルチOSに対応しており、Windowsタブレット、Windows Phone、iPad/iPhone、Android デバイスにも対応し、さらに最大2台まで、且つ同じOSのデバイスの複数ペアリングも可能という優れものだ。その使用デバイスの切替も、キーボード左上部にあるBluetoothスイッチで簡単に切り替えられる。※最大2台まで、且つ同じOSのデバイスの複数ペアリングも可能 接続はBluetooth 4.0仕様で充電式リチウムイオンバッテリーが内臓され、フル充電すると約3ヶ月ほどバッテリーは持つというから大変実用的だ。 ペアリングも簡単だった。まずUniversal Foldable Keyboard右上にあるOS選択キーを押して「iPad/iPhone」にする。そして例えばiPhone 6 Plus (iOS9)なら設定/BluetoothをONにしてUniversal Foldable Keyboardの左上にあるBluetoothペアリングキーのひとつを3秒以上長押しする。続いてiPhoneに表示するペアリングのための数字をキーボードで入力しリターンキーを押す。※OS切替キー 次にiPhone側だが、設定/一般/キーボード/ハードウェアキーボードの順に移動しキーボードの入力設定を「かな入力」か「U.S.」を選択する。また正しくペアリングができていればUniversal Foldable Keyboardの音量調節キーや検索キー、あるいは下段左にあるホームキーなどはきちんと動作する。 さらにこの種のキーボードは本来、整理整頓された机上というより外出先に立ち寄ったカフェのテーブルで使う…といったシチュエーションが多く、飲み物をこぼすといったトラブルにも遭遇しやすいが、本製品は防滴設計なので安心だ。※Apple純正Bluetoothキーボードと並べてみた 少々馴れが必要なのはキーボードを開いたときのキートップの位置だろうか...。何故ならキーボードを真っ二つに折り畳みするため中央部に空間があり、キートップははっきりと左右に別れているからだ。ただし実際に使ってみるとすぐに慣れてほとんど苦にならなかった。 そしてフルサイズのキーセットは打鍵の感触もまずまずで使い勝手は悪くない。残念ながらシャツのポケットには入らないがバッグやポーチといった類であれば端っこに放り込んでおけば文章入力は百人力だ。※ iPad miniで使ってみたが... 【ご注意】 ということでハードウェアの出来はなかなか実用的で携帯性に優れたよい製品だと思う。ただし後述するように iOSの仮名漢字入力問題を除けば…である。したがってローマ字入力ユーザーには何の問題もないと思うが、私同様 iOSの仮名漢字入力で使おうとお考えの方がいらしたら購入は控えた方がよい…。 なぜならペアリングも簡単に済み、早速仮名漢字入力モードにしてからキーひとつひとつを確認したところ、「へ」「ろ」など数個のキー入力が正しくできないことがわかった。念のためにとマイクロソフトのサポートに電話して確認したが、その返事が酷すぎた…。 ちなみに少し詳しくご報告すると、キーの「へ」や「ろ」を押しても入力されない。また「む」を押すと「へ」が入力されるといった感じでキーボード右端の5個のキーが正しく使えないのである。ただし直接の原因は iOS側にあることは知っていた。だから何か手立てがあるやなしやを問い合わせたのだが...。
シャープ株式会社は10月6日、小型で手軽に持ち運びができるモバイル型ロボット電話 “RoBoHoN(ロボホン)”を開発し、2016年前半に発売を開始すると発表。 ※モバイル型ロボット電話 “RoBoHoN”。なお開発中の端末であり、変更になる場合がある “RoBoHoN”は、ロボットクリエイター高橋智隆氏(株式会社ロボ・ガレージ代表取締役)と共同で開発し、高橋氏のロボット技術とシャープの携帯電話技術を融合した次世代の携帯情報通信端末。二足歩行が可能なヒューマノイドロボットとしては極めて小型のサイズ(高さ約19.5cm)を実現し、衣類のポケットや鞄などに入れて、屋外へも手軽に持ち運んで使用できる。 モバイル通信(LTE/3G)に対応し、音声通話をはじめ、メールやカメラ、液晶タッチパネルなど携帯電話の基本機能を搭載しているほか、新たに開発したフォーカスフリーの小型プロジェクターも搭載しているので、写真や映像、地図などを壁や机などに投影することも可能。 また、各機能は“RoBoHoN”との音声対話で簡単に操作できる。ロボットとして様々なコミュニケーション動作やキャラクター性によって自然な対話を実現しているので、愛着を持って使用できる。 ■RoBoHoN(ロボホン)
NOMAD「Pod for Apple Watch」を実際に使い始めたが、手に取っただけでは分からないいくつかの事が気になるので覚書として記録しておきたい。ともかくこの掌に収まるApple Watch専用モバイルチャージャーはとても便利である点は疑うべくもない...。 予想されてはいたものの上位版Pod Pro.がリリースされた。6000mAhバッテリー容量とApple Watchと共にiPhoneなども充電出来る仕様のようだ。これまでの「Pod for Apple Watch」のユーザーにとっても魅力的で買い換えたくもなるが、私としてはあくまでApple Watchのバッテリー不安を解消するのが目的なのでこのまま旧来品を愛用し続けるつもりだ。 ただしその「Pod for Apple Watch」だが実際に使ってみるといささか気になる点もある。今回はそうした実用面から出た疑問や注意点などをご紹介してみたい。 ※NOMAD「Pod for Apple Watch」は確かに便利だが、最初から少々躓いた... まずは「Pod for Apple Watch」にApple Watchを乗せる際に気づいたことがある。私のApple Watchは純正品のスポーツベルトだが、これを開いて「Pod for Apple Watch」に乗せてその場を離れたが、後で確認すると充電されていないことが分かった…。 勿論置いた際にマグネットで吸着した感触があった。したがって置き方が雑だったはずはないと確認してみた...。その原因はスポーツベルトにあったようなのだ。 なぜなら充電しようとするとき「Pod for Apple Watch」は安全なようにと机上に置いた。そしてApple Watchをベルトを開いたままPodの中央に置いたわけだが何度か検証してみるとスポーツベルトが日々腕に馴染んだことで開いてもかなり弯曲の形状に戻ろうとする力が働くのだ。 ※1度はマグネットで吸着したはずのApple Watchが浮いてしまうという事案が発生... 結果一旦マグネットで吸着したはずなのにベルトの両側が机上に接し戻ろうとする反発力でApple Watchが浮き上がってしまったのだ。要はベルトの反発力の方がマグネットの力より強かったことになる。 これを防ぐには...というより後で「充電されていない」という結果にならないために、まずはベルトを逆に巻いた状態で「Pod for Apple Watch」に乗せるか、あるいは「Pod for Apple Watch」の置き場所を広い机上面ではなくベルトの両側が垂れ下がり反発力が加わらないような場所に置いて充電するといった配慮が大切になってくる。 ※ベルトをこうして逆に巻いたまま充電するとトラブルを避けられる さてもうひとつ困惑した点がある。 それは前記のようなあれこれに注視しつつApple Watchを「Pod for Apple Watch」へ確実に置いても充電が始まらないことだった。 Apple Watchユーザーなら当然ご承知のことだが、純正充電ケーブルのUSB端子を適合するバッテリー供給源側に挿し、円形のマグネット部位にApple Watch背面を吸着させればすぐに充電が始まる。この「Pod for Apple Watch」も当然同じだと思っていた。 ※Apple Watchは確実に吸着しているのに充電が始まらない しかしどういうわけか充電が始まるときもあった…。最初は当然不良品だと考えた。メーカーに連絡をとったがよくあるような通り一遍の返事で、セットアップのムービーをよく見ろといった返事しか帰ってこない...。強くクレームを入れようとしたがその前に説得力のあるより詳しい検証をしてみようと考えた。 他のユーザーから同じようなトラブルがないだろうかと考えたがまだ実用にしているユーザーは少ないのかネットでは見つからなかった。 様々なテストをやってみたが、例えばよく見るとアルミ製のカバーと本体にセットする充電ケーブルの円形ユニットにカバーの厚み分の段差がある。これが巧くマグネットが働かない要因なのかと考え、カバーを外して直接充電ユニットにApple Watchを乗せてみたが状況は変わらなかった。 ※Podのカバーの厚みがマグネットの吸着力を減じるのかとカバーを外し直接Apple Watchを置いてみたがやはり充電は始まらなかった 「Pod for Apple Watch」を逆さまにするとApple Watchが落ちずに付いてくる。確実にマグネットで接触しているはずなのに充電が始まらない。続いてケーブルの断線かとも考え別途購入したケーブルをも試したが状況は同じだった。 あるとき偶然だが、バッテリー残量を確認するボタンを押した...。フル充電後だったから4つすべてのLEDが点灯したが、そのとき乗せてあったApple Watchの充電が開始されたのだった。 もしかしたらこのボタンを押さないと充電ケーブルに電源が供給されない仕様なのかと考え、Apple Watchを置きしばらくしてからボタンを押したり、あるいはボタンを押した直後にApple Watchを置いたりすると間違いなく充電が開始されることが分かった。 VIDEO ※当該トラブルの問題を動画で説明 (音声はなし) この種の情報はパッケージは勿論、メーカーサイトをざっと見た限り明記していないようだが(見落としの可能性もあるけど)確実な情報を得ようとメーカーに「充電するためにバッテリー確認ボタンを押す必要があるか?」と問い合わせをしてみた。 返事は「Yes, you have to push the button to turn on the Pod.」だった。ということはやはり充電確認ボタンを押さないと充電は始まらないらしい。 まあ、事実がわかれば何ということもないものの、先入観もあったし説明などあってもろくに読もうとしないのも混乱の原因なのだろうが、ともあれ一件落着して気持ちがすっきりした(笑)。 ■NOMAD Pod for Apple Watch
天気が不安定なためにラテとの散歩はどうにも極端な傾向にある。気温が下がりまずまずの天気の時には1時間半も歩くが、雨が降れば5分で戻ってしまうというありさま...。とはいえこの5分10分の散歩でもラテは何らかの刺激が欲しいのか不可解な行動をする...。 ラテが外に出るときには当然リードを付けていることでもあり、他のワンコと本当の意味での喧嘩はやったことがない。1度広い公園でノーリードのコーギー犬に前足を噛まれたことはあるが、いわゆる本格的な喧嘩は経験がない...。せいぜい幼犬時代に同じ年頃のワンコたちと遊びの中でお互いに相手へ体当たりし、甘噛みし、歯を剝いて社会性を学んでいた程度だ。※機嫌はいいけど、歩きたくないようです(笑) さて色々と観察・研究中ではあるが、いまだにオトーサンが分からないことのひとつにラテのストーカー的行動がある。 ラテは保護され一時預かりのご家庭で多くの猫たちと共に3ヶ月ほどを過ごしたという。猫たちは皆年寄りだったことでもありラテが遊びたくても相手にしてくれず、しつこいと猫パンチを食らっていたという(笑)。そんな幼児期の体験からか、ラテは猫好きだ。 そんな幼年期に猫文化の影響を受けたようで、前足を舐めながらその足で顔を撫でる(洗う)といった動作をはじめ、お座りしてもどこか猫背だ(笑)。ともあれ散歩中に猫を見かけると追いかけて近づき遊びたいのか「ピ〜ッ」と悲痛な哀願の鳴き声を立てるが残念ながら当の猫たちにはラテの思いは伝わらず、毛を逆立て攻撃態勢に入るから離れなければ危ない。※足がもつれたオトーサンに「大丈夫?」とラテ 猫を追うのは基本的に好きだから、遊びたいからだとオトーサンは判断している。しかし相手がワンコの場合だとオトーサンにはどうにも納得のいかない...分からない行動を取るラテなのだ。 一昨年にこの場所に引越し後、残念ながらワンコとして鼻面を付き合わせ、時に遊びのポーズを取る相手は柴犬のアンリちゃんしかいない。 後はワンコというよりリードを引いている飼い主さんたちにラテは興味があるようでお会いできたときには精一杯甘えたりする(笑)。 それはともかく、意外なのは散歩中にそのアンリちゃんの姿を遠目に確認したとしてもラテはリードを強く引き、追いかけようとはしない。しかし意外というか…変なのは出会うと双方共にマズルにシワを寄せて唸り、吠え合うワンコになのにその姿を追う姿勢を見せることだ。その真意がどうにも分からない。 しばらく前、近所で3匹ワンコを飼っている家の前を通ったとき、たまたまなのかも知れないがノーリードで遊んでいた3匹ワンコが庭から歩道に飛び出しラテに吠えかかったことがあった。すぐに飼い主さんが出てきたこともあって噛み合いをするといったトラブルにはならなかったが、そのときのラテは側にいた女房に抱きついた(笑)。当然だが怖かったのだろう...。 その後、そのワンコたちと出会うとこれまで以上にお互いが吠え合うようになった。その姿はどう贔屓目に見ても遊びたいとか一緒にいたいという態度ではないが、そうであればそれらのワンコに意図的に近づいたり追いかけたりせず、避けるべきだとオトーサンは思うが、ラテの行動はどうにも真逆なのだ。※相変わらず抱っこが目立つ... ラテと散歩に出たとき、どちらの方向に向かうかは基本的にラテの意志にまかすようにと考えている。無論散歩に使える時間や天候、そしてオトーサンの体力などによって途中強制的にルートをラテの意志とは違う方向へ変えることはあるわけだが...。 ともかく自宅から出たオトーサンたちは歩道を歩くわけだが、横断歩道を渡り向こう側の歩道を進むといったバリエーションも考えられる。現実にこちら側の歩道の向こうからラテと相性が悪いワンコが歩いてくるとすれば、いたずらに吠え会うこともないからとオトーサンは向こう側に渡ってトラブルを避ける。また場合によっては相手側の飼い主さんが気を遣ってルートを変える場合もある。※ラテの体重は20Kgだが、体も大きい。抱っこ直後をラテの背中から見るとそのサイズを理解していただけると思う(笑) さて、近所の3匹ワンコだがその家に面している歩道をラテと通るとき、室内でそれを察知するのだろう...3匹が猛烈に吠える。それに釣られてその隣の家のワンコも吠え出す...。しかし近道でもあり吠えられるくらいで遠回りをするのも面倒だからとたまたまそちらの方向に行くときはその道を通るわけだが、ラテはある種の縄張り争いのつもりなのか、あるいは「アタシはいま散歩でオトーサンと一緒なのよ。いいでしょ!」とでも言いたいのか、ワンコたちが鋭い吠え声を上げる中、悠然と進みわざわざその家の道路に面した植え込みでオシッコをする…。 吠え声を聞きながら直進しそのまま通り過ぎるのかと思いきや、3匹ワンコたちの吠え声が止んだ頃に我が娘はなんとUターンして今来た道を戻るのだ(笑)。当然のこと、3匹ワンコたちには申し訳ないがそれを知ってまたまた吠え声を上げるが、ラテは声1つ出さずにゆっくりと通り過ぎる。 オトーサンが見てもそれは嫌がらせとしか思えない行動だし、なにかこの場所で3匹に囲まれて怖い思いをした仕返しをしているようにも思えてしまう(笑)。 さらにその3匹ワンコを散歩中に発見するとラテは時に吠えつつ、リードをぐいぐい引き追いかけようとする。先の嫌がらせはともかく、実際に3匹ワンコに囲まれたら声ひとつあげず女房にすがりついた弱虫ラテなのだから結果は分かるはずだが、なぜ追うのだろうか。※ワンコはけっこう目脂が目立つので常に気にしている必要あり。散歩から戻った時は必ずチェック! 同じように行き帰りにたまたま通る団地に住んでいると思われるコーギー犬も同様だ。これまた初対面からお互いに相性が悪いのか唸り吠え合う仲だったから、遠目にそれと分かればオトーサンも立ち止まったり出来ることならルートを変えたりするようにしている。しかしラテはオトーサンがそれと認識する前にその鋭い嗅覚であのワンコがここを通ったということを知ると凄い勢いでリードを引く。事実相手との距離があることが察せられるときオトーサンも一緒に走ったことがあったが、その勢いは半端ではなく全速力で走る。それまでグタグタ歩いていたラテが…である(笑)。 お互いがもしノーリードで出会えばどちらかが大怪我するまで取っ組み合いをしかねないパワーで追いかけるラテを見ているとこれまた嫌いなら避ければよいと思うし、ましてや追いかけるのは不自然だとオトーサンは思うのだが…。強いワンコであるならある種の狩猟本能が働くということもあるかも知れないが、もともと臆病なラテだから喧嘩をするために追いかけるようにも思えないし、どう考えても冒頭の猫のように近づいて遊びたいという態度ではないのでオトーサンは悩んでしまうのである。
株式会社MJSOFTは10月2日、米 moshiブランドの iPhone 6、iPhone 6sおよび iPhone 6 Plus、iPhone 6s Plus対応のケースをリリースしたと発表。 1)moshi iGlaze Napa for iPhone 6/6s 高級感あるヴィーガンレザーで背面をエレガントに演出するiPhone 6/6s用ケース 《特徴》 ・外観と感触を改善した高級合革製の背面。 ・ハイブリッド構造:衝撃を吸収するインナーシェルと割れても粉々にならない飛散防止ケース。 ・周縁が盛り上げてあるため、携帯電話を水平面に置いてもディスプレイが保護される。 ・フラッシュ用の切りこみを入れた、「フラッシュフレンドリー」なデザイン。 《仕様》 対応機種:iPhone 6、iPhone 6s 素材:ヴィーガンレザー(PU製)、ポリカーボネート、TPU サイズ:約 71 x 142 x 10 (mm)/重さ 約 33 (g) 想定販売価格:4,900円(税別)、発売は10月9日。 ■商品詳細 2)moshi iGlaze Napa for iPhone 6/6s Plus 高級感あるヴィーガンレザーで背面をエレガントに演出するiPhone 6/6s Plus用ケース 《特徴》 ・外観と感触を改善した高級合革製の背面。 ・ハイブリッド構造:衝撃を吸収するインナーシェルと割れても粉々にならない飛散防止ケース。 ・周縁が盛り上げてあるため、携帯電話を水平面に置いてもディスプレイが保護される。 ・フラッシュ用の切りこみを入れた、「フラッシュフレンドリー」なデザイン。 《仕様》 対応機種:iPhone 6 Plus、iPhone 6s Plus 素材:ヴィーガンレザー(PU製)、ポリカーボネート、TPU サイズ:約 82 x 162 x 11 (mm)/重さ 約 47 (g) 想定販売価格:5,500円(税別)、発売は10月9日。 ■商品詳細
ウェアラブルカメラ HX-A500は愛犬との散歩時にいつもヘッドに着けている。その散歩が結果10分であっても、あるいは90分であっても帰宅したらそのデータは日付別のフォルダに分類してMacのハードディスクに一時保存している。 HX-A500の前には短期間HX-A100を使っていたが、当初これらを使うきっかけは車に装備するドライブレコーダーの代わりといった感覚だった。散歩中の印象的なシーンや出来事を後々記録保存するというより、何らかのトラブルがあった場合の記録を残しておきたいと考えたからだ。※ヘッドマウントにカメラ部を装着したHX-A500 こう記すと「犬の散歩程度で大げさな」と思う方がいるかもしれないが、確かに大半は当然のことに何事もなく散歩を終えることができるわけだが、時には予想もしない出来事に遭遇することもあるし確率はわずかであっても下手をすれば大怪我をするかもしれない出来事をいくつか経験したからでもあった。※ 以下ご紹介する作例の静止画は一部を除きHX-A500 (1920×1080/60p)で撮った動画より任意のフレームをキャプチャし、横1280ピクセルに編集したもの。クリックすると1280ピクセルに拡大します。 散歩途中の犬同士のトラブルもけっこう耳にするが、愛犬には常に1メートルほどの短いリードをつけているしノーリードで外を歩かせたことはない。したがってこちらが加害者となる可能性は低いが毎日のことだからそれは意外な出来事も起こり得る...。 ノーリードの犬が向かってくるということもあったし、母親に連れられた幼児がすれ違いざまに持っていた木の枝でラテを叩くといった出来事もあった。 幼児の力が大したこともなかったからか、ラテは反撃したり怒ったりはしなかったものの万一ラテが吠え、幼児が驚いて転び怪我をした...といったことがあれば「犬に吠えられ幼児が転倒し怪我!」だなんていうニュースの見出しになるに違いない。先に幼児が枝の切れ端でラテを叩いた...だなんてことはなかった事になって一方的に犬が、あるいは飼い主の管理責任を問われることになるかも知れない。映像の記録はそうした際になによりも実際に何があったのかを再現してくれる。 あるいは歩道橋の右側を愛犬と歩いている際にその僅かな右脇スペースを後ろから強引に自転車で通ったオヤジもいた。この時私の肩と相手の肩が当たったが振り返りもせず無言で走って行った。車輪に轢かれなかっただけ良かったのかも知れない。また、まずまず広い歩道橋を愛犬と歩いていたとき、これまた後ろからきた自転車に体当たりされそうになったこともある。 歩行者にも驚かされることがある。商店街など比較的人通りが多いときは愛犬のリードを短く持ちつつ、他の歩行者たちに迷惑をかけないようにとなるべく人の少ない場所を選んで歩くようにしている。それにもかかわらず、急いでいるのか後ろから愛犬に膝が触れるほど密着して通り抜けようとする女性が…。その度にこちらは愛犬がビックリして歯を剝かないかと冷や汗がでる。さらに子供が蹴ったサッカーボールがラテをかすめて飛んできたことも…。 だからHX-A500はそうした際には有力な “防犯カメラ” にもなるに違いないと考えているのだが。※子供の蹴ったサッカーボールが飛んできた。勢いがなかったので大事に至らなかったが... HX-A500はそうした一部始終を私の視線が向かった場面に限ってだが、なかなかのクオリティで撮影し続けてくれる。無論それは音声(モノラル)付き動画で...。 大きくカメラが動いていない限り、行き交う人たちの顔や表情もはっきり捉えているし走っている車のナンバーも読み取れる場合が多い。したがって万一何らかの事故やトラブルに巻き込まれた際にはリアルな証拠となるに違いない。そう考えてそもそもはHX-A500を使い始めた...。※条件が許せば約手前50センチから遠方までピントが合う しかし幸いHX-A500の映像を証拠として使うといったトラブルは今のところ起きていないが、予想もしなかったあれこれが浮かび上がってきて期待も膨らんだ。 ひとつにはいわゆるエピソード記憶とでもいうべきか、本来なら当たり前すぎて通り過ぎてしまう事象の映像が残ることか...。無論映像と音声のみであり皮膚感覚やら嗅覚といった実記録はないが、それらはその時その時の自分の視線に準じた映像と自身の声や呼吸音、そして回りの騒音などが合わさっている訳で、再生してみるとリアルなイベントの再現となる。※広角な視野とクリアな撮影が楽しめる 勿論こうした経験は旧来から、例えば旅先で撮ったビデオカメラなどによって体験してきたわけだが、旅は非日常の世界であり小さな出来事でもそれは当人にとっては新鮮で希有な体験であるから自然に記憶に残ることが多い。そしてそもそもそうした時の撮影は「あの建物を撮ろう」といった意志によりカメラが場面や対象に向けられる。しかし日々365日、朝夕に愛犬を連れた散歩はそれ自体特別なことではなく習慣として身についた日常の出来事になっている。※夕日や朝日の荘厳さに心打たれる 事実HX-A500に写っている多くは地面だ(笑)。それは当然で、愛犬との散歩時に一番注視しなければならないのが地面だからだ。 舗装道路にしろ芝生や草木の生えている道にしろ、踏み込むのを避けなければならない場合も多い。ガラスのかけら、コンビニ弁当の食べ残しの放置からバッチイものまで撒き散らかされていることもあるからだ。したがって特別のことがなければ散歩途中の映像を後々まで残す必要もない。一定期間保存した後は古い順から消去する。※愛犬との散歩では多くが地面の映像だ(笑) ただHX-A500は4K撮影ができるスペックを持っている。実際には長時間撮影したいがために4Kではなくハイ・ビジョンクオリティ(1920×1080/60p)で使っているが、使い始めてすぐにその映像がとても綺麗なことに驚愕した。無論HX-A500は一般のビデオカメラのようにブレに注意して撮影するといった使い方には適さない。ヘッドセットに装着し顔の横にカメラがあるとすればそれは常に動いている方が普通だ。 したがって撮影を意識することはあまりないが、"これは" と思った風景や道端の花などに気づけば近づきそれなりに頭を振らないよう数秒間視線を向ける...。※時に道端の草木に近づいて撮影することも... 1度HX-A500を修理に出した数日間、いかにその利用が身についてしまったかを実感させられた。なぜならフト気がつくとあたかもHX-A500を装着しているときの頭の振り方なのだ(笑)。 そうして撮った動画は時にピントもシャープでとても美しいし、その動画から任意のフレーム、すなわち静止画を取り出したものはブログに使うことは勿論、インクジェットプリンターで印刷してもL判程度ならまずまず使えるクオリティを持っている。 何しろ通常は天候の悪い時の撮影は機械への影響を考え、使わないようにするわけだがHX-A500は防水仕様なので大雨でも雪のときでもリアルな撮影が続けられる。 大きな問題として容量が多い動画データをいかに保存するかは考えなければならないが、ある意味2度と撮れないシーンの連続が日々撮れていることになる。※HX-A500は雨の日も雪の日もそして夜間も活用可能 例えば愛犬の友達ワンコは勿論、すでに亡くなったワンコたちの姿も生き生きと残っているし四季折々のシーン、満開の桜や燃えるような紅葉も映っている。特に人物に関しては誰であろうとカメラを向けられたために意識するといった不自然さはまったくないのが素敵だ。※時にはヘッドマウントを外し、ローアングルで撮影するのも面白い 特に子供たちはもとよりだが、人に対してあらためてカメラを向けることは警戒されないまでもぎこちないものとなりがちだが、HX-A500は例え頬の横にあるのがカメラだと知ってもこちらがカメラをかまえたりシャッターを押したりしないから緊張することはなく自然な映像が録れる。※愛犬に近寄ってくれる子供たちにも違和感を与えないで済む さらに写真にはシャッターチャンスというものがある。しかし常にファインダーやカメラの液晶画面を覗いているわけにもいかないから珍しい瞬間を捉えるのは難しいものだがHX-A500はバッテリーや記録メディアの容量が許す限り動画撮影を続けられるので普段は撮れない瞬間が多々映っていることも多い。※HX-A500で撮った映像をキャプチャし一部をトリミングした。後ろから駈けてきた男子の両足が浮いている一瞬! 上記はブレッソンの「決定的瞬間」を真似たわけではないが(笑)、一般的なデジカメではなかなか撮れないシーンである。その映像はときに私自身の体調や健康状態がどうだったのかを教えてくれる。機嫌がよいときには鼻歌が多いし風邪で熱があるときの散歩では咳き込む音が続き、映像が頻繁にぶれる。※HX-A500は両手が空くからして、何らかの作業中の記録も容易だ 歩き過ぎで左足の膝関節を痛めたときにはその映像は終始カクカクと一歩毎に左側に傾いている。 大げさだがHX-A500はこれからも私と愛犬の何の変哲もない毎日を記録してくれるアイテムとなるに違いないが、それらのうちのいくつかの映像は無二の宝になるに違いない。