新しいiPod touch、さらに向上したパフォーマンスを提供

Appleは本日、性能、容量、通信それぞれの機能性を大幅に向上しお求めやすい価格を実現した新しいiPod touchを発表。Appleが設計したA10 Fusionチップはゲームに最適なだけでなく、iPodとしては初めて、思わず引き込まれるような拡張現実(AR)体験、さらには家族のメンバー、友達、同僚のような複数人との会話がいっそう簡単になるグループFaceTime機能にも優れたパフォーマンスを発揮。新しいiPod touchは、apple.com および Apple Storeアプリケーションを通じて本日より受注を開始し、今週後半より店頭販売を開始する。


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iPod touchには新たに256GB容量のモデルも用意され、Apple Music および iTunes Store で提供中の音楽をオフラインでも聴けるようにダウンロードしておける十分なスペースも確保できる。Apple Musicの定額サービスに加入すると、5000万曲を超える膨大な音楽カタログ、何千ものプレイリスト、Beats 1 Radio、世界最高クラスの音楽エキスパートたちから毎日提供されるエディトリアルセレクションが利用できる。加入された方は自分だけのプレイリストを作成したり、音楽ビデオを視聴したり、お気に入りアーティストのBeats 1限定番組をオンデマンドで聴いたり、自分の友達と音楽を共有したりできる。現在100か国以上に展開されているApple Musicは、これまでで最も包括的な音楽の体験を提供する。

また、新しいiPod touchでは、ゲームの体験、教育、ウェブサイトの閲覧を通じて、楽しく生産的なAR体験も楽しめる。仮想環境を複数人で共有できる共有AR、仮想オブジェクトを特定の場所に紐付けるパーシステントARといった物体を瞬時に検出する新しい機能により、ARはさらに魅力的で思わず引き込まれるような没入感を作り出し、新しいiPod touchでは玩具や彫刻のような3Dオブジェクトをまるで魔法のようにリアルに見ることができる。

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ラテ飼育格闘日記(652)

TwitterやYouTubeでもワンコの動画や写真をよく見ている。どもこれも心温まるというか癒やしてくれる映像ばかりだが、どうにも我がラテと随分違うことが多いのも興味深いところである。それは犬種の違いもあるだろうが、我々同様性格の違いによることも多いに違いない。


そうしたTwitterやYouTubeに紹介されているワンコの中には飼い主と心温まるスキンシップが多い。
飼い主が外出から戻ったのを喜び、玄関でピョンピョン跳ね回り、姿を現した飼い主に抱きつくとか、ソファーに寝そべっている飼い主に大型犬が甘えたいからと体を寄せる等などの映像を見ると羨ましく思う。

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※ちょっとご機嫌です


それは残念ながらラテは飼い主だとしてもベタベタしないワンコだからである。これは基本幼犬時代からだから途中でオトーサンが嫌いになってわけではない…はずだ(笑)。
飼い始めた初期にオトーサンが一泊で旅行した際には戻ってきたら顔をベロベロと舐めてくれたことがあったが、そうした積極性はほとんど見せないワンコなのだ。

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※サングラスのオトーサンとツーショット


ただしラテ自身が怖いと感じるときは話しは別だ。散歩の途中だとオトーサンの靴の甲に前足を乗せるのも、なにか不安材料があるときで1種の寄り添いなのだろうか。
あの3.11の地震の時、オトーサンは自宅の玄関先でリードに繋いだラテといつでも家が倒壊しそうになったら飛び出せるように立ち尽くしていたが、ラテはずっとその左前足をオトーサンの足に乗せて震えていた。

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※小学5年生から知っている中学2年の女子に久しぶりに出会ってラテはメロメロ


その不安が大きくなると抱っこを要求する。とはいえ何もないときにオトーサンから「抱っこしようか」と迫っても逃げ回るだけだし「チューしよう」とオトーサンが顔をラテの眼前に置けば面白いように?ぷいっと横を向く。
しかしこれが女房だと話しはまたかなり違ってくるのだ。

女房が仕事から帰ってくるといそいそと玄関へ迎えに出てチューをする。オトーサンはただ指をくわえて眺めるしかない(笑)。
この違いは結構あるが、例えば夕食の時間になったとしよう。これまでオトーサンはいつもの時間より2時間も3時間遅れて夕食を出したことなどない。だから食事は間違いなく出てくるものだと思っているに違いなく、例え30分程遅れたとしても催促することはなくじっと待っている。

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※散歩のフィニッシュは引っ張り合い(笑)


このとき女房がいると状況は違ってくる。なぜなら時間になると女房に吠え出したり前足で突っかかったりして「そろそろご飯の時間だ」と催促する。ご飯の支度はオトーサンがすることを分かっているラテなのにオトーサンには直接催促しないのだ。
なぜなのかは無論分からないが、分かりやすく言葉にするなら「オトーサンは怖いから」ということなのかも知れない。四六時中五月蠅く「肉球囓るなあ」などと言っているからか。

そんなオトーサンに対してひとつだけラテが要求し甘えることがある。それが室内でのボール遊びだ。
大体が夕食も終わり、寝る直前に多いが、オトーサンが仕事部屋でパソコンの前に座っているとしてもその脇まで来て吠える。吠えるだけでなくピーピーと泣いたり時には前足を椅子の肘掛けに置いて「こっち向いて」と要求する。しかしオトーサンにも都合というものがあり、せっかくいま閃いたところなので概略メモっておこうと「待て!」と命じてもラテは言うことをきかない。



※ボール遊びをしようとアピールするラテ


ではそのまま無視したら諦めるかといえば、これが20分経っても30分経っても諦めず吠え続ける。時刻はすでに寝ている人もいるはずで、このままでは近所迷惑このうえない…。
結局オトーサンの根負けで振り向くとラテは普段は見せたこともないキラキラした笑顔でオトーサンを見上げている。その顔を見てしまえばついこちらも笑顔になってしまうのだ。

Apple、初の8コア搭載MacBook Proを発表、これまでで最も速いMacのノートブック

Appleが、MacBook Proに従来よりも高速な第8世代および第9世代のIntel Coreプロセッサを搭載し、MacBook Proでは初となる8コア仕様としてアップデートした。これにより、最新のMacBook Proはクアッドコア(4コア)仕様のMacBook Proに対しては最大2倍、6コア仕様のMacBook Proに対しては40パーセントも高速な処理能力を発揮し、Macノートブックとしては過去最速となる。


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これらの新しいプロセッサと、パワフルなグラフィックス(描画性能)、明るく色鮮やかなRetinaディスプレイ、超高速なSSD、Apple T2セキュリティチップ、丸一日使い続けられるバッテリーを搭載し、macOSが駆動するMacBook Proは世界最高のプロ仕様ノートブックに仕上がっている。

新しいMacBook Proでは、コードのコンパイル作業、高解像度イメージの処理、3Dグラフィックの描画、複数本の4Kビデオの同時編集などを従来よりもパワフルに行うことができる。15インチMacBook Proは従来よりも高速な6コアまたは8コアのIntel Coreプロセッサを搭載し、Turbo Boost時の速度は最大5.0GHzに達する。Touch Barを装備する13インチMacBook Proではより高速なクアッドコアプロセッサを搭載し、Turbo Boost時の速度は最大4.7GHzに達する。

従来モデルで最速のクアッドコア仕様の15インチMacBook Proと比較した場合、8コアプロセッサを搭載する最新のMacBook Proのパフォーマンスは最大2倍となる。
この結果:
・音楽制作では、Logic Pro X内部で実行できるAlchemyプラグインの数が最大2倍になり、音楽プロジェクトで同時再生できるマルチトラックの本数が圧倒的に増加。
・3Dデザインでは、Maya Arnold内部の処理速度が最大2倍となり、3Dシーンの描画時間を著しく短縮。
・写真の編集では、Photoshopで適用する複雑な編集やフィルタを最大75パーセント高速に実行。
・ソフトウェア開発では、Xcodeを使用したコードのコンパイル作業を最大65パーセント高速に実行。
・サイエンスおよび研究分野では、TetrUSSで行う複雑な流体力学シミュレーションの計算を最大50パーセント高速に実行。
・映像制作では、Final Cut Pro Xで4Kビデオのマルチカムストリームを最大11本まで同時に編集。

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オートテープカッター「1Zcut」ファーストインプレッション

セロファンテープ、両面テープ、マスキングテープと日常この種のテープの使用頻度は高い。特にセロファンテープは専用のテープカッターを使っているが、マスキングテープはこれまでハサミで斬り口を綺麗に切断していたこともあり、今般安価なオートテープカッターを見つけたので騙されたと思って買ってみた。


テープ自動でカット…など、怠惰すぎると言われるかも知れないが、使用頻度が高いとそんな単純な作業でも面倒になってくるものだ。そりゃあ楽であれば越したことはない。
というわけでオートテープカッター「1Zcut」という製品を買ってみた…。

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※テープをセットする前の「1Zcut」


本体だが、単3電池2本(別売)を装着すること、そしてテープを装着するベースカセットは標準サイズのテープは勿論、小径サイズのテープもセットできるように三つのプーリーがある特殊形状だ。そしてそのためあってかデザイン的には無骨で期待はできない。
使用するテープは一般セロハンテープ、紙テープ、両面テープなど色々なテープが使用できるという謳い文句だ。

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※単3電池2本を別途用意する必要あり。まずは電源をONにする


まずは電池を装着し、テープベースカセットにテープをセットした後に電源を0Nにする。
一般のテープカッターと同様にテープの一端を引き出しカッターの溝を跨いで手前下にテープを導く。するとカッターが向かって左から右にスライドしてテープがカットされるという理屈だ。

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※テープ径の大小でプーリーを使い分ける


その際に大切な事はカッター前の小さな突起に圧を掛けるように、そしてカッター部手前のセンサープレートを押し下げるようにテープを導くことだ。この二つがカッターを動かすスイッチとして働く。したがってその加圧加減が小さいとカットされない。

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※切り口は直線的で綺麗


なおカットされた部位はテープの材質にもよるがギザギザではなく直線なので斬り口は綺麗だが、テープの材質や粘着性の強度などにより文字通りスパット切断されないときもある。

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※ときにこんな感じでカットが完全で無いときもある


さらに今のところセロファンテープでは失敗はないが、私のケースだとマスキングテープの場合にテープ幅の途中までしかカットできない、あるいはテープが縒れてしまうこともあった。
このテープオートカッターはその名の通り、テープのカットはオートのみである。一般のテープカッターのようにテープを捻るなどしてカットする刃は付いていないから、付属のオートカッターの性能に頼るしかない。

ちなみに交換用のテープカッターの刃が1本同梱されているが、Amazonで見た範囲では替え刃のみの販売告知はいまのところないようなのでそのサービスを早く開始して欲しい。
うまくカットできない場合、特に粘着性テープのカットは刃の切れ味が悪くなるのが早いに違いない。したがって切れ味が悪くなったなと感じたら刃の清掃を行うとよい。刃の取り外しと装着も簡単だが交換時には必ず電源をOFFにしてから行うこと。

というわけで私の場合はそんなにシビアな使い方を考えていたわけではなく、逆にテープベースカセットの幅が広いことを良いことにしてマスキングテープの色違いを二つセットして便利に使っている。

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※プーリー幅が広いことを利用して色違いのテープを2種セットして使っている


なおカッターは約1kgの重量があると同時に底全域に滑り止め処理されているので使用中に本体が不用意に動くことはない。
さて飽きずに使い続けることができるかは、これからの判断である(笑)。
なお ここ でメーカーが紹介した動画が確認出来るので興味のある方はご覧下さい。





ラテ飼育格闘日記(651)

五月も半ばだというのにはっきりしない天気が続く。雨の日も多いようだし、日が出れば気温が上がるのでラテが歩かない。毎年気温が高い時期は散歩に苦労するわけだが、今年も健康第一で乗り切らねばならない…。


天気の良い日、オトーサンは紫外線を避けるためにサングラスをして散歩に出る。白内障の手術は終わったがそもそも緑内障も患っており、紫外線が大敵だからである。より人相が悪くなるが、仕方がない(笑)。
キャップを被り濃い目のサングラスを掛けてラテと一緒にいつもの公園に入った。小学生のサッカー少年たちが元気にボールを蹴り合っている。

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※あまり歩きたくないよ


一人の子がオトーサンのサングラスに気がつき「目、どうしたの」と聞いてきた。オトーサンが説明しようとすると「あっ、目…手術したんだよね」と思い出してくれた。
「そうなんだ。オジサン、顔はいいんだけど目が悪くてさ」と言うと「がはははは」と大笑いする。

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※愛想のないラテだが、遊ばせ上手な飼い主さんの手にかかれば太い身体でピョンピョンと跳ね回る(笑)


ただ色の濃いサングラスは目に楽でよいが、ひとつ困ったことがある。それはラテとのアイコンタクトに支障がでることだ。
ラテはいつものように要所要所でオトーサンにアイコンタクトしてくれるし、オトーサンも顔を向けるが、色の濃いサングラスをしていてはオトーサンの眼差しがラテには見えない。

まあまあ、ラテがどう思っているかは分からないが、せっかくオトーサンにアイコンタクトしてもオトーサンの目の表情が見えないのではアイコンタクトの甲斐がないのではないかと思うのだ。
アイコンタクトは大切なコミュケーションのひとつでもあるのでこれはまずい…。ということで解決策は透明なレンズで紫外線をカットできるサングラスを使うことだが、まぶしさを軽減できないので良し悪し…。結局、色の濃いサングラスをしつつ、ラテの視線を感じたらサングラスを取って笑顔を送る…というアホなことをやっているオトーサンである。

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※ラテを可愛がって下さるAちゃんとオカーサンが立ち寄ってくださいました!


しかしオトーサンとラテの散歩が百点満点であるとは言わないが、行き交うワンコたちと飼い主さんの散歩を眺めていると「なんだかなあ」と思う散歩も多い。
本来なら余計なお世話なのだが、余計なお世話で済まないのも目立つのだ。
その第一はリードを持ちながらスマホを操作し続けている飼い主。これは自分の飼い犬も危険だし廻りも危ない。ということはワンコを見ていないわけだから、危ないことをしても、時にウンチをしても気づかないで歩き続けるというのがいる。それとも気づかないふりをしている確信犯なのか…。

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※完全なる重石状態


中には三匹も四匹も連れ、さらにリードを伸ばしたままでスマホに気を取られ、ほとんどワンコを見ていないという飼い主もいる。これはすれ違うだけで怖い…。
それから論外だが歩き煙草の飼い主もいる。
偉そうなことを言うが、散歩は単にワンコに運動をさせ、排泄させるためだけの時間ではない。散歩はある種、飼い主とワンコとの共同作業でもあり大切なコミュニケーションの時間であり、お互いの信頼関係をより築いていくための場なのである。

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※登校途中のAちゃんらに出会えてラッキー!


それなのに飼い主はワンコを注視していないからアイコンタクトしても、また何らかの意志表示をしても飼い主から反応がないのであればワンコの性格も次第に変わっていくに違いない。
「犬に気遣いなど必要ない」という声もあるかも知れないが、それでは飼い犬が不幸であるばかりか、第一楽しくないだろう。そしてワンコの素晴らしさ、賢さ、愛情深さなどを十分に知らずに過ごすことになるはずで何の為の飼い犬なのか…とオトーサンは思ってしまう。

初対面のワンコと相対したとき、そのワンコが安全かどうかは飼い主を見ればわかるというが名言だと思う。暗い家庭に育ったワンコに明るいワンコはいないし、反対に明るくフレンドリーに育ったワンコに危ないワンコはいないと思っているが、さてそれでは「お前の所のラテはどうなんだ?」と言われると…う〜ん(笑)。



「解体新書」底本のミステリー(後編)

「解体新書」レプリカ二種の表紙の色が違うという事から安永三年に作られた刊本に種類があったと考えざるを得ないことが分かった。そんなことを考えつつ多々資料に当たっていたら幸い古い書籍が見つかり、そこに知りたいことやこれまでもやもやしていた事へのヒントが多々載っていた…。


それは昭和55年というから1980年に発刊された書籍の復刻版で2006年8月1日に初版発行された「解体新書と小田野直武」という本で著者は鷲尾 厚氏という方だがすでに亡くなられている。
今回の「『解体新書』の謎(後編)」は当該書籍も参考にしながら安永三年に発刊された「解体新書」に…特に今日いくつかの大学や資料館あるいは個人が所蔵している「解体新書」の底本の謎についてお話しを続けたい。なお以下個人名の敬称は略させていただくのでご了承願いたい。

そもそもお上からの発禁や罰を受けないようにと杉田玄白は将軍家や宮家に「解体新書」を献上したことは知られていることであり、「大鳥蘭三郎・解体新書」小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註のレプリカの底本、慶応義塾大学医学部北里記念医学図書館所蔵の「解体新書」がそれに当たるオリジナルの一つであろうと監修者の大鳥蘭三郎があとがきで記している。そしてそれは一般に流布された五冊巻ではなく二巻の仕様であり、その判形も些か大きいことは前編で述べた。

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※レプリカ表紙比較。左が「大鳥蘭三郎・解体新書」版、右が「日本医学の夜明け」版の表紙【クリックで拡大


また「日本医学の夜明け」版の例えば「序文」を見ると読みやすくするためだろう句読点が多々ある。しかし「大鳥蘭三郎・解体新書」には無い。ということはこれまた版木が違うのかと考えたが、これはその底本所有者が後から書き込んだと考えれば必ずしも版木が違うとはいえない。そのままレプリカ化されたのだろう。

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※「大鳥蘭三郎・解体新書」版の「序文」頁(上)に句読点はないが、「日本医学の夜明け」版(下)には多々ある。赤丸は筆者が加筆


ちなみに、「解体新書と小田野直武」(鷲尾厚著)に紹介されている町立角館図書館所蔵「解体新書」には読みやすくするためのレ点をはじめ記号が多々加筆されている。
さらにレプリカ印刷時にどちらかが版のサイズを間違えた…という可能性はまずないと思ったが、念のため双方の縮尺をできるだけ同じにして重ねてみると摺りズレや紙の収縮といったレベルを超えた違いが出ている。これは版木が違うと結論づけてよいだろう。

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※双方の同じ頁の縮尺を同一にして重ねてみたが、明らかに版木が違うことがわかった【クリックで拡大】


ということで一般に流布されたものと献本用で間違いなく二種の版木があったことは確実だ。さらに鷲尾 厚は著書「解体新書と小田野直武」の中で「解体新書」安永三年版は少なくとも三通りのものを上梓していたことになると自説を述べている。
ちなみに今回私が参考にした「解体新書」をリストアップしておきたい。

1)「大鳥蘭三郎・解体新書」小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註
  底本:慶応義塾大学医学部北里記念医学図書館所蔵
2)国公立所蔵史料刊行会編「日本医学の夜明け」小川鼎三/緒方富雄監修
  底本:靜嘉堂文庫所蔵
3)西沢書店「解体新書 復刻版」
  底本:愛知県岡崎市の岩瀬医院所蔵
4)全現代語訳「杉田玄白 解体新書」(酒井シヅ著)
  底本:東京大学医学図書館所蔵(土肥文庫)だと思われる
5)「解体新書と小田野直武」(鷲尾厚著)
  底本:農村モデル町立角館図書館所蔵
6)「日本思想体系 洋学(下)」小川鼎三/酒井シズ校注 岩波書店
  底本:不明

なお実物大と称するそれぞれが底本と同サイズで印刷されているとすれば、(3)の底本もサイズが(1)と同じであることから、言及されてはいないものの(1)と同じく献上向けの版木で刷られたのかも知れない。

ただし厄介なのはそもそも情報が古い点が多い事だ。したがって表記の場所に現在も所蔵されているかは分からないし公立の組織の場合だと名前が変わったりしている可能性もあるが、まずは資料にあるとおりに記して話しを進める。
さて判型が違うものがあることが分かったので他に違いがあるのかどうかを調べた結果、面白いというより興味深い事実を知った。

まずは前記(1)の「解体新書」の一巻目「序図」の頁構成を見てみると「吉雄耕牛の序文」から始まり次に「自序」そして「凡例」と続く。この順序は(2)(3)(5)(6)とも同じだが(4)だけが「序文」「凡例」「自序」の順となっている。
この順序に違いがあるとすればそれは乱丁と考えるのが普通の感覚ではないだろうか。何種類もの順番を持つ本を作るというのは考えられないからである。ただし現在ネットで見られた限りの情報を加えるなら、東京医科歯科大学図書館蔵と称する「解体新書」も(4)と同じ順序で載っていたが、国立国会図書館、岐阜県歴史資料館、平賀源内記念館、高知県立牧野植物園/牧野文庫、甲南女子学園や大江医家史料館のものは(1)(2)(3)(5)と一緒のようである。
また興味深い事に底本は不明ながら(6)は(4)と同じ酒井シズが校注に加わっているにもかかわらず頁構成が違うのだ。

であるなら数の理屈から言っても(4)は刊本時の乱丁か、あるいは後に補修などのためにバラしたとき故意・間違いで順番を入れ違えたと考えるべきではないだろうか。
ここでさらにショッキングなことがわかった。
それは(5)の「解体新書」の奥付の後に二丁にわたり出版広告がつけられているという事実である(「解体新書と小田野直武」による)。この広告は総計59種の書物名が並んでおり、その考察から(5)の角館本は間違い無く安永三年の刊本だと鷲尾厚は力説している。

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※「解体新書と小田野直武」(鷲尾厚著)無明舎出版 280頁と281頁。ここには奥付の後に広告頁が続く


しかしその他に所蔵されている「解体新書」に広告は残っていない…というよりそのことに付言した情報はまずない。この事実をどう考えるべきか。
それは安永三年に出版された際に、将軍家や宮家への献上品を除いて一般に流布するものにはすべて同じ広告が載せられていたと考えるのが合理的だろう。それが現在ないとすれば “取り去った” というしかない。

どうも私たちはこうした二百数十年もの間保管されてきた貴重なものは当時のまま残されていると思いがちだ。しかし「解体新書」が当時いくらで販売されたかについてはまだ調べていないが、専門書でもあったし決して安い本ではなかったと思う。それを手に入れた者は活用するのに無関係な広告頁を取り去ったのかも知れず、近代になり図書館なりに収蔵されるようになった場合もこれまた広告は無関係と外されたに違いない。
また表紙もかなり痛んだ場合も多かったと思われるからいつの時点かはともかく後にきちんと残そうと意図すればするほど新しいものや図書館独自のものに取り替えられた可能性が大だ。

だとすれば頁構成の順番が違ったりあるいは表紙の色が違う「解体新書」底本が存在しても不思議ではないわけだ。きちんと和綴じされているから安永三年の刊本のままだという保証はどこにもないのである。ただし今のところは推論に過ぎないがどうやら刊本時の表紙に藍色のものはなかったと見てよいのかも知れない。
今回「解体新書」のレプリカを二種手に入れた事をきっかけに、刊本当時の姿を調べて見ようとしたわけだが、世の中に「解体新書」に関する書籍は結構あるものの、大半がその内容についての解説であり、歴史的な和本として刊本当時のことを知り得る情報はいたって少ないことに気がついた。

そして監修や著作の方たちは医療の専門家であっても和本やそうした情報の歴史的考察については専門外であり当然ながら突っ込みが甘い。またその解説や説明に底本の所蔵場所を示していない例も多く、一歩踏み込んで調べようにも手がかりがないのだ。
さらに図書館レベルの組織がネットに載せている画像があった場合でもサイズや解像度が非常に低くまたモノクロであったりと正確な情報を第三者が把握するには役に立たないケースも見受けられた。

ともあれ個人的な興味として「解体新書」を目標通り出版できた杉田玄白らの思いと平賀源内の紹介であろうが東都書林中でも老舗でありベストセラーを生み出してきた須原屋市兵衛という版元、そして彫り師や摺師たちの葛藤や人間模様についても知りたくなった…。

【主な参考資料】
・片桐一男著「知の開拓者 杉田玄白」勉誠出版
・片桐一男全訳注「杉田玄白 蘭学事始」講談社
・酒井シヅ全現代語訳「杉田玄白 解体新書」講談社
・緒方富雄校注「蘭学事始」岩波書店
・国公立所蔵史料刊行会編「日本医学の夜明け」日本世論調査研究所
・杉本つとむ編「図録 蘭学事始」早稲田大学出版部
・「大鳥蘭三郎・解体新書」付属「解体新書解説」講談社
・鷲尾厚著「解体新書と小田野直武」無明舎出版
・橋口侯之介著「江戸の本屋と本づくり」平凡社
・小川鼎三/酒井シズ校注「日本思想体系 洋学(下)」岩波書店



ラテ飼育格闘日記(650)

まあまあ、暑いと思ったら寒いくらいの日があったり、さらに先日は豪雨だけでなく雹まで降るという変な天気。それでもオトーサンとラテは雨雲レーダーとにらめっこしつつ、雲の合間を狙って散歩に出るというこれまたゲリラ散歩が続いた。


世間様はゴールデンウィークの真っ最中。とはいえ我が家は通常運転なのでほとんど関係なく、いつもの時間にいつものようにラテと散歩に出かける毎日。
しかしラテがいるからこその散歩だが、肝心のラテは協力的ではないのが玉に瑕。

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※歩くの面倒だけど外にはいたいという…


先日の夕方、大きな橋の上でラテがグズグズと歩いていたら年配のご婦人が「あら、どうしたのかしら。老犬なの?」と声をかけてくれた。オトーサンはどちらかといえば人嫌いの男ではないが、見ず知らずの大人が近づくとラテが吠えるから、まともな会話をすることができないのが普通なのだ。
しかしそのときはどういうわけかラテは吠えない…。

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※まだ、ここにいちゃあダメですか?といった顔


オトーサンは「今年13歳ですから確かに老犬です」と通り一遍の返事をして通り抜けようとしたが、ご婦人は犬好きだと言い「以前面倒見ていた雑種ととてもよく似ているの」と会話を続ける意志がまんまん(笑)。
オトーサンも無愛想に対応するのも失礼だからと最初は適当に返事をしていたが、結局ラテとの出会いから、飼うために多摩に引っ越ししてきたという下りまで話すことになった…。

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※水分補給は大切です


その間、我々がゆっくりと歩く道のり…といってもほぼ直進なのだが…を一緒に歩いてくるので同じ方角に向かうのだろうと思っていた。しかしオトーサンたちが橋のたもとで「私は下に降りますので」と言うと「わたしもここで戻ります。ごきげんよう」と来た道を戻り始めたのには驚いた。
途中ランニングしていた女性と言葉を交わしたことから、この近隣に住んでいる方なのだろうが、わざわざオトーサンたちと話しを続けるために付いてきてくれたのだった。

しかしラテはすれ違った見知らぬワンコには吠えたが、ご婦人には最後まで吠えなかった。よく「私は犬好きだから吠えられたことはない」という方がいるが、吠えるか吠えないかはワンコ側の意志であり、犬好きだから吠えられない等ということは信頼に足りる理屈ではないのだが、極たまにそうしたことがあるのも事実。

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※子供にはフレンドリーだが未就学児童や低学年の子供はちよっと苦手。尻尾が下がってしまった(笑)


とにかく臆病なラテだからしてどうしても初対面の大人は警戒してしまうらしい。そしてこのときもそうだったが、ラテが吠えない相手としては二つのパターンがあるように思える。
ひとつはオトーサンときちんとした会話があること。これによりラテは飼い主であるオトーサンが気を許している相手なのだ…と考えるのかも知れない。

2つ目は座り込んでラテと対峙してくれる相手は威圧感を感じないのかも知れない。そのご婦人も知ってか知らずかラテに水を飲ませているとき、1メートルほど離れた場所にしゃがみこんで話しを続けていた。
無論いつもいつも、そして誰でもがそうすれば吠えないという保証はないが、この二つがラテから吠えられないための「傾向と対策」だと思っている(笑)。

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※さあ、ラテ!そろそろ帰るぞ…


さて散歩から戻ってきてエレベーターを見ると5階で止まっている。エントランスは雨が吹き込んで濡れているし数十秒待っているのも嫌だから今日は階段で上がろうとラテのリードを引いたら強力な抵抗にあった。
そもそもが臆病な性格のラテだから、今のマンションに引っ越してきたとき、エレベーターに乗せられるかが心配だった。しかしどう言うわけかオトーサンの心配をよそに、ラテは初回から素直に躊躇もなくエレベータに乗り込んでくれた。

エレベーターの利点などワンコが分かるはずもないと思うだろうが、それは大きな間違いである。無論エレベーターがどのような理屈で動いているかなど知る訳もないがラテにとって一番大切な「楽ができる」という事はいち早く理解したと思われるのだ。
したがって乗っている人がいたりしてオトーサンが階段に向かおうとしてもラテは「エレベーターで行く」とばかりに抵抗するようになった。
確実に階段を登るよりその狭い場所に入った方が歩かず楽に目的の場所に行けることを知っているのだ。
慎重で臆病ではあっても冒険心と好奇心はまだまだ衰えていないようだ。





「解体新書」底本のミステリー(前編)

私の手元には集めたいくつかの「解体新書」がある。現代語訳の書籍や解説本、そして西村書店編集部の復刻版などだが、個人的に特別な存在としていわゆるレプリカが二種ある。レプリカとは申し上げるまでもなく本物に忠実に作られた複製品であるが、そのレプリカを比較する過程で謎が生じた…。


念のために記すが、「解体新書」とは前野良沢、杉田玄白、中川淳庵らが協力して翻訳にあたり、安永三年(1774年)に刊行された西洋医学書の翻訳書だ。原典はドイツ人ヨハン・アダム・クルムスのオランダ語版であり通称「ターヘル・アナトミア」と呼ばれていた。

この翻訳および刊行は、一時代を画する偉業として医学史上高く評価され、以後我が国の名医たちが次々と本書に学び、医学の発展に偉大なる貢献をした歴史的偉業なのだ。
まあ、興味の無い方にとってはどうでもよい話題だろうが「解体新書」フリークの私にとってはなかなかに時代は勿論、関わった人たちの人間模様等々、実に興味深いテーマなのである。
ということでまず分かっている範囲ではあるが二種の「解体新書」レプリカの詳細を記してみよう。なお人名の敬称は略させていただいた。そしてそれぞれの詳細についてはリンク先をご参照願いたい。

1)「大鳥蘭三郎・解体新書」小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註
http://www.mactechlab.jp/article61.html
  出版: 1973年(昭和48年)講談社
表紙:雲母入鳥の子/渋茶
底本:慶応義塾大学医学部北里記念医学図書館所蔵
装丁:「解体新書」全五巻が帙に保護され専用の桐箱に収められている
  発売当時の価格:39,000円
  企画:「解体新書」発行二百年記念として3,000部発行

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※「大鳥蘭三郎・解体新書」小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註の「解体新書」レプリカ


2)国公立所蔵史料刊行会編「日本医学の夜明け」小川鼎三/緒方富雄監修
http://www.mactechlab.jp/article60.html
出版:1978年(昭和53年)日本世論調査研究所
表紙:藍色の和紙
底本:靜嘉堂文庫所蔵
  装丁:出前用岡持ちのような縦置桐箱に他の和書(レプリカ)と共に帙に保護されて収納
  発売当時の価格:330,000円
  企画:日蘭修交三百八十年記念

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※国公立所蔵史料刊行会編「日本医学の夜明け」小川鼎三/緒方富雄監修の「解体新書」レプリカ


共に四十年以上も前のものだが、昨今出版業界が大きく低迷している現状ではこうした高度で熱意のある出版は今後も期待できないと考えている。それだけにこの二種類のレプリカは個人的な宝でもある…。
さて「解体新書」の製本は木版印刷した和紙を、真ん中で二つ折りにして、端を揃えて糸で綴じる和綴じだが、四つ目綴じとか明朝綴じといわれ当時のポピュラーな製本方法だ。そして現代の我々は忘れがちであるが、原本は木版であり多いときには同じ版木で数百部が摺られたという。

勿論売れ行きがよければ何度も摺り増しを行った。問題は「解体新書」の場合、増刷が何度あり全部で何冊摺られたかはすでに不明だが、浮世絵がそうであるように大量に摺れば版木が痛んできてシャープな印刷ができなくなってくる。事実「解体新書」にも版木を彫り直したと思われる版もあるようだ。そうした意味においても浮世絵は初版がもっとも価値あるものとされる。
実際に前記二種を比べても版木の違いが刷った結果として差に現れている。具体的にいえば「大鳥蘭三郎・解体新書」小川鼎三監修/大鳥蘭三郎校註の方が断然シャープである。

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※木版の精緻さ比較。左が「大鳥蘭三郎・解体新書」で右が「日本医学の夜明け」版の扉画【クリックで拡大】


さて本題に入るが、では前記した二つのレプリカが見本としたオリジナル、すなわち底本の「解体新書」は同じ時期に刷られ販売されたものなのだろうか。共に安永三年に刊本されたものだがそのクオリティはともかく、気になったのは二つのレプリカの表紙の色と判型サイズが違っていたことだった。

「大鳥蘭三郎・解体新書」版の表紙は雲母入鳥の子/渋茶だが、日本医学の夜明け」版の方は藍色である。拘るようだがレプリカ、復刻版となればオリジナルのままに再現するのが基本のはずだ。大切なのは中身であるからして表紙の色などどうでも良い…とは言えない。
馬鹿な物言いに聞こえるかも知れないが、杉田玄白や中川淳庵が刷り上がり製本された「解体新書」の表紙に藍色を見たのか、渋茶を見たのかは私にとってどうでもよい事ではないのである。

「大鳥蘭三郎・解体新書」版は慶応義塾大学医学部北里記念医学図書館所蔵のものを使用したと解説書にある。ただしこの原本は流布されたものが五巻ひと組だったのとは違い、上下二巻にまとめられその判型もやや大きいという。監修者の大鳥蘭三郎があとがきで「将軍家・宮家あたりに献上するために、特別に刷られたものではないかと推察される」と書かれているが、一方レプリカ製作に対しては一般に流布している五巻本の体裁をとっている。
しかし「日本医学の夜明け」版と比較すると確かに判型自体が縦横2,3mm大きいし刷られた版木の寸法もかなり違う。

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※判型の差比較。左が「日本医学の夜明け」版の奥付で右が「大鳥蘭三郎・解体新書」版の奥付。和本の判型も些か「大鳥蘭三郎・解体新書」版が大きい


現在のようにコピー機でプリントサイズを拡大縮小できる時代ではなく、「大鳥蘭三郎・解体新書」版の解説にあるように底本すなわち版木自体が大きかったと思わなければならない。
事情に疎い私などはどこか版木はひとつであると思い込んでいた向きもあるが、浮世絵がそうであったように最初から複数の彫り師に複数の版木を彫らせることは珍しいことではなかったようだ。さらに私自身はまた見たことはないが、版元の須原屋市兵衛の所在地が奥付に記載されているが、本によって「日本橋室町二丁目」と「日本橋室町三丁目」の二種類が存在しているという。理由についてはよく分かっていないようだが、三丁目の上が欠けて二丁目になったのでなければ版が違うということになる。

さて表紙の話しだが、ネットでググってみると初版本として残存しているいくつかの「解体新書」の表紙は藍色ではなく古書のため色あせたりしているが渋茶といった色であり、今のところ藍色の表紙を持つオリジナルには行きついていない。
この藍色の表紙で復元されている「日本医学の夜明け」版だが、セットに付属する470ページにもなる豪華な解説本によれば「靜嘉堂文庫」所蔵の「解体新書」を手本にしたとある。

靜嘉堂文庫といえば東京都世田谷区岡本にある専門図書館及び美術館である。国宝や重文を含む日本および東洋の古典籍及び古美術品を収蔵しているが、事業主体は公益財団法人静嘉堂。そして同財団は三菱財閥の第二代総帥岩崎弥之助・第四代総帥岩崎小弥太父子の所有した庭園と遺品の古典籍・古美術コレクションを基礎として発足したとのこと。
しがってそこに収蔵されている「解体新書」だとすれば、由緒由来が不明なものではあるまい…。ただ残念な事にその「解体新書」のビジュアルが確認出来ないだけでなく同文庫は専門家のための図書館ということで一般からの問い合わせ窓口もないので現在も所蔵しているかどうかはもとより、表紙の色が藍色であるかどうかについて今のところ分からない。

Wikipediaによれば「解体新書」の原本は日本大学医学部、初版は九州大学医学図書館、津山洋学資料館、中津市大江医家史料館などに所蔵とあるものの各所蔵の表紙ビジュアルは大江医家史料館を除きネット検索では確認できなかった。
ともあれ一応ネットで調べられるだけ調べた範囲で以下に所蔵されているという「解体新書」は初版本と明記されているものを含めすべて表紙は渋茶だったと思われ、藍色のものはなかった。

・適塾所蔵
・国立国会図書館
・慶應義塾大学信濃町メディアセンター所蔵
・東京大学医学図書館所蔵
・内藤記念くすり博物館所蔵
・東京医科歯科大学図書館所蔵
・大江医家史料館所蔵
・研医会図書館所蔵
・明星大学図書館所蔵
・甲南女子学園阿部記念図書館所蔵
・さぬき市志度/平賀源内記念館所蔵

では「日本医学の夜明け」の「解体新書」レプリカ表紙はなぜに藍色なのか…。それがいまのところ分からない。
オリジナルも初版と重版で違ったのか、あるいは「日本医学の夜明け」の「解体新書」復刻版制作時に何らかの意図があって意図的にオリジナルと違う色の和紙を使ったのか。あるいは底本そのものが刊本以後に何らか手を加えられたのか…。
とはいえ現存している「解体新書」で安永四年とか安永五年の刊行日付を持ったものは見つかっておらず、何部刷ったかはともかくすべてが安永三年の刊本のようである。

繰り返すが「日本医学の夜明け」のプロジェクトで復刻された「解体新書」は靜嘉堂文庫所蔵のものだと解説書に記されている。そして本企画の監修は解剖学者、医史学者で東京大学名誉教授の小川鼎三と血清学者、医学史学者、東京大学名誉教授の緒方富雄である。すでにお二人とも鬼籍に入っているが当時医学界の重鎮中の重鎮であり、僭越ながら復刻版を製作するにあたり参考にしたオリジナルを軽視するとは思えない。だとすれば靜嘉堂文庫所蔵の「解体新書」表紙は藍色なのか?

また例えば「日本医学の夜明け」に「解体新書」同様復元された「蘭学事始」や「和蘭医学問答」を確認するとそれらは底本に忠実な表紙の色を使っている。
ということで、いまのところ靜嘉堂文庫所蔵の「解体新書」がどういうものなのか、表紙が藍色なのかどうかは調べた限り分からないでいる。

とにかくそうそうパソコンの前に座っていて都合の良い資料が見つかるわけでないだろうが、これが今のところ個人的に謎を追った限界である…。
無論原書漢文の内容を読む、確認するだけならこうしたレプリカである必要はなく、例えば西村書店編集部の復刻版で十分用は足せるわけだが、当時の “知” と “文化” そして関わった人たちの情熱をよりよく知るには限りなく本物に近いものを手にしたいとレプリカを集めてきた次第。
この私的な疑問・謎を解く旅は本そのものに関してだけでなく、その扱いやこれまで保存されてきた過程・歴史にも秘密があるようだ。
というわけで、後編につづく…。

【主な参考資料】
・片桐一男著「知の開拓者 杉田玄白」勉誠出版
・片桐一男全訳注「杉田玄白 蘭学事始」講談社
・酒井シヅ全現代語訳「杉田玄白 解体新書」講談社
・緒方富雄校注「蘭学事始」岩波書店
・国公立所蔵史料刊行会編「日本医学の夜明け」日本世論調査研究所
・杉本つとむ編「図録 蘭学事始」早稲田大学出版部
・「大鳥蘭三郎・解体新書」付属「解体新書解説」講談社



ラテ飼育格闘日記(649)

良い天気が続くのかと思ったら、ここの所雨模様が続く。”春雨だ” と風流なことを言っている場合でなく、やはり雨の日は散歩に困るし濡れたラテを綺麗にするのにも時間と手間がかかって大変だ。とにかく嫌いなレインコートを着せるだけでなかなか苦労するのである。


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※ラテはお陰様で元気です


さて、この週の前半にびっくりすることがあった。それはラテを可愛がってくださるファミリーのオカーサンから夜にメールをいただいたことから始まった。
メールは「夜分に失礼します。Google Mapsにラテチャンとお父さんがいました🎵🎵🎵」というものだった。そしてスマホの画面ショットもお送りいただいたのだった。


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※まさしくオトーサンとラテがGoogleストリートビューに写っていた


それによると横断歩道をラテと共に渡っているオトーサンの姿だったが、早速オトーサン自身パソコンでGoogleマップのストリートビューを確認してみることに…。
確かに間違いなくオトーサンとラテだ。仔細に画面を見ると撮影は2018年7月とあるし服も夏服だ。

オトーサンたちが歩いているのは交差点の横断歩道で当然信号は青だ。ストリートビューをコントロールして可能な限り色々な角度でオトーサンとラテが映っている映像を探すが、その一枚にオトーサンたちの進行方向に沿ってGoogleカーの影が確認された。

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※とある角度で見るとGoogleカーの影が見えた


場所は勿論撮影された年月までは分かったが、日付は分からない。
散歩の時には相変わらず忘れずにモバイルカメラを身につけ、コンパクトカメラ持参で出かけるオトーサンだが、当然と言えば当然ながら撮影者であるオトーサン自身の姿がそこに残ることはほとんどない。したがってその日どのような恰好をして出かけたのかはほとんど記録にないから撮影日が2018年7月の何日だったのかを探るデータがないのである。

そもそもラテは当時使っていたハーネスを着けているが毎日同じハーネスだし、オトーサンにしてもシャツは変えるにしても汚れても良い散歩用の姿なのでいつもほとんど同じスタイルであり、どうにも日にちが分からない。
ただし時間帯は朝だと概略分かる。それは幸い天気だったから影がはっきりと見て取れるのでその方角と長さで見当はつく。

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※Kファミリーのオカーサンと!


それに通勤と思われる人がいるし保育園に自転車で向かう人の姿もある。またよく確認してみると知り合いのワンコとその飼い主さんの姿も映っている。そして商店のシャッターもまだ閉まっている。
少し映像をGoogleカーと共に直進してみるとランドセルを背負った子供の姿がちらほら見えるからウィークディであることは間違いない。

オトーサンは日々通学の子供たちとすれ違うことも多く、時間を含めた周りの状況は分かっているが知り合いらしき子供は見つからなかったものの、確認出来る人数から7時45分にはなっていないものと確信。
なぜならその時間になると俄然子供たちの姿が多くなるのが普通だからである。
したがって朝7時20分から30分頃であろうと思われる。

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※雨の日の散歩から戻り笑顔を見せる


ただしオトーサン自身はこうした車を見た記憶はまったくない。それは横断歩道を信号が青の内に渡ろうと注視していたことと同時に車が青信号で走り去るのは一瞬のことだからだろう。
ともあれ発見してくださったファミリーのオカーサンには感謝だが、ストリートビューはオトーサンもたまに使うときがあり、そこにたまたま映っている車や人、時には意外な動物などの姿を見て楽しんだこともあった。しかしまさか自分が撮られていたとは夢にも思わなかった。
まさしく「犬も歩けばGoogleカーに当たる」ということか…。



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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。マネキン造形研究中。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。
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