文学通信刊「土偶を読むを読む」 KIndle版を手にして…

縄文時代に興味を持ち、土偶や土器などを愛でる一人として久しぶりに大変楽しい読書時間を過ごせた1冊が文学通信刊「土偶を読むを読む」 だ。本書は竹倉史人著「土偶を読む」(晶文社)を大検証!…と銘打ったもので竹倉史人著「土偶を読む」の主論である土偶は「植物」の姿をかたどった植物像…という説に緻密な検証をしながら論破していく1冊…。


まず印象深いのは著者望月昭秀の筆がとても分かりやすく読みやすいことだった。とかく専門的な話になるこの種の著作は読みにくく途中で放り投げたくなるものだが本書は素人の読者を上手に導いてく…。

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※文学通信刊「土偶を読むを読む」表紙


始めに申し上げておくと私は竹倉史人著「土偶を読む」(晶文社)は読んでいない。第43回サントリー学芸賞を受賞し、養老孟司氏やいとうせいこう氏推薦を掲げる本書だが「土偶は植物の姿をかたどった植物像という説」には始めから大きな違和感を感じ一種のトンデモ説と受け取ったからだ。

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※左から遮光土偶、ハート型土偶、みみずく土偶のミニチュア


確かに土偶に関して残念ながらいまだに「何の為に」作られたについては幾多の説があり問題は解決していない。
女神、崇拝の対象であるとか呪術の対象、精霊、病気の身代わり、豊穣の神、あるいは宇宙人である等々さまざまな論議が続いているものの "これぞ" といった決定的なものはないとされる。
そこに「土偶は日本最古の神話を刻み込んだ植物像…」と主張し「日本考古学史上最大の謎の一つがいま、解き明かされる。」とセンセーショナルに登場した「土偶を読む」は大いに注目されマスコミもこぞって取り上げ、結果第43回サントリー学芸賞まで受賞した。しかし養老孟司の言うとおり「学問は必ずしも専門家のものではない」はそうだとしてもその検証が偏ったものであれば単なる個人の感想に過ぎない…。

私も縄文時代、特に土器やら土偶に関して深い興味を持つ一人であるからして幾多の書籍を読んできたが結果論として竹倉史人著「土偶を読む」(晶文社)は読む気にさせなかった。というか、考古学の専門家たちからはほとんど評価をされていないという。
そこに本書文学通信刊「土偶を読むを読む」 が刊行された訳でこれは読んでおこうと少しずつ読み始めていた…。

本著の内容には深くは触れないが冒頭に記したように著者望月昭秀の筆がとても分かりやすく読みやすいことだ。
そして結論めくがその誠実な導きと検証には頭が下がると同時に拍手を送りたい。と共に単なる検証の本というよりこの1冊で土偶に対する知見が深まると共に思った以上に考古学の分野は科学的・理化学的な手法で解明されつつあることも知った。
縄文文化に興味のある方には是非お勧めしたい一冊である。

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主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員