最初のApple本社訪問、私はどんな場所を訪ねたのか? ストリートビューで探す
過日は「歴代のApple本社住所をストリートビューで追う」と題してApple誕生の地となったジョブズの自宅から現在の “One Infinite Loop, Cupertino” に至るApple本社住所を追ってみた。そのApple本社にはこれまで十数度立ち寄ったが最初は1988年の1月のことだった。しかし自分で不思議なくらいその時のことは記憶がないのである。今回は手元に残っている数枚の写真から私はどこを訪ねたのかを検証してみたい。
1988年といえば、Macintoshが登場してから早くも4年後のことである。我々一行…確か3人…がMacworld Expoに来たのだから是非この機会を得て総本山のApple (当時はApple Computer)へ行ってみたいと考えたのは自然だろう(笑)。そして話には聞いていたものの本社に併設されているカンパニーストアでアップルグッズも買いたいしチャンスがあればApple社内の様子も見てみたいと思っていた…に違いない。
記憶はほとんどないものの、当時の様子は紀田順一郎さんとの共著「Macの達人」(技術評論社刊) の「ウィンドウから見えるアメリカ」というコラムで僅かながら垣間見える…。
それによれば「Apple社にも行った。アップルコレクションで念願のアップルグッズも買えた。そしてクパチーノにあるAppleの工場も見ることができた私たちは、その嬉しさに楽しさに酔いしれていた。」とある…。勿論これは私自身が書いた文章だ(笑)。
対して数枚残っている写真だがそれらを見るとかすかだが記憶が戻ってくる…。無論その記憶が正しいものなのかは私自身も不明なのだが、そのあやふやな記憶によれば、我々一行はツアーに参加したものと思われる。最初の頃の数年間はMACLIFE主催のツアーに参加してExpoに行ったのでこの時もそうだったに違いない。
そして私の残っている記憶では思い立ってApple本社に向かったという記憶があり、ビルのドアから中を覗いていたら女性が開けてくれて我々が日本から来たと言うと笑顔で招き入れてくれた…という覚えもあるが、それはどうやらその翌年のことでこの年はツアーでApple本社に向かったのかと思う。
なぜなら当時のカンパニーストアは現在のそれとは違い観光客が自由に入れる場所ではなかった。そもそもがAppleの従業員を対象とした施設であり、Apple社員らの紹介がなければ部外者は入ることが出来ない場所だったのである。
したがって我々3人がお上りさんよろしくカンパニーショップに向かったところで入れないはずだ。それが買い物をしたという記録がある以上、ツアーの中にApple関係者かあるいはその紹介を受けた誰かがいたと考えなければ合理的でない。
また写真には…後述するAppleの “10001” ビルだったと思うが…ロビーで待たされている写真と一室でプレゼンというかセミナーを受けているような写真もある。そして後ろ姿ではあるがそこにいる人たちはどうやら日本人のようなのだ。したがって我々だけでなく十数人が一緒にその場にいたということになる。ということは同じツアーの参加者だったのかも知れない。


※Appleのロビーで待つ筆者ら(上)とセミナー?風景(下)
さてこのときに私自身が写っている写真はたった3枚である。1枚は前記Appleのロビーらしき場所で、2枚目は6色アップルロゴがある "20565 Alves Drive" と書かれた住所表記の前、そして3枚目はこれまたアップルロゴがついた石造りのフェンスに "Domestic Manifacturing PCB Operations" および "PERCISION ACOUSTIC DEVICES, INC." とおぼしき文字がかかげられた場所で記念撮影したものだ。しかしこれまたまったくその時の状況は思い出せないのだ(笑)。


※前記ロビーでの写真以外、この2枚に筆者が写っている...
繰り返すが、先の「Macの達人」によればAppleの工場も見ることが出来たとある。実は工場といえばLaserWriterの基板を組み立てている工場を見学した記憶があるからこの時のことかも知れない。だとすればやはりMACLIFEのツアーだったに違いない。
この工場見学に際して秘密保持契約にサインさせられたから詳しいことは書けないが、いやはやなんともラフな生産ラインだった(笑)。
ところで我々が訪ね記念撮影した場所はどの辺だったのだろうか…。
無論当時のAppleがあった付近を回ったのだろうがそれは現在本社がある ”One Infinite Loop, Cupertino, California 95014” ではない。”20525 Mariani Avenue Cupertino” の時代である。
今般出て来た古い写真を見るとそのうちの1枚、すなわち私が記念撮影した1枚に写っているアップルロゴがデザインされた住所標識には "20565 Alves Drive" と記されていたわけで、それならとGoogleマップで調べてみることにした。
問題は現在確認できるGoogleマップの情報がどれほど新しいものなのかは不明だが、自分が25年前に記念写真を撮った場所を調べて見ようと検索を開始した。そして大体見当を付けた上で表示をストリートビューに切り替えて周りを確認して見ると…その場所がわかった!
写真に写っている向かって右にある白い四角い壁が目立つ建物が一緒だし、驚いたことにアップルロゴや住所表記はないもののその住所標識が無地のまま写っているではないか…。

※右側にある建物手前の住所標識の場所で記念撮影したことが判明【クリックで拡大】
なるほどストリートビューに写っている建物を拡大するとその軒下位置には間違いなく "20565" と描かれているからここに間違いはない。

※前記建物を拡大すると "20565" と描かれている。下部は位置を把握するために表示させた地図
また煉瓦色のタイル張りビルだが、私が撮った写真は露出のミスで建物の前にあるアップルロゴの住所標識が白飛びしてよく見えない。しかしルーペで拡大しよく見るとそこには "10001 N De Anza Blvd" と読めたのでこれまた早速検索してみた…。


※我々が招き入れられたApple社のビルとその遠景
結果…あくまで現在のGoogleストリートビュー表示上での話しだが、TrendMicro社の隣にある建物だったことも分かった。確かにN De Anza Blvd沿いに移動してみると手元にある写真と同じビルがあり、角度を調整しつつ拡大して見ると3階正面壁面と1階の少し奥まったところにあるガラスドアの上に "10001" と明示されている。どのようなデビジョンだったのかは不明だが、我々は間違いなくこの建物内に入ったのだ。

※ストリートビューで確認した当該ビルとその位置【クリックで拡大】
最後に残った工場らしき写真の場所だが、残念ながらこれだけは現時点で不明だ。これまたあやふやな記憶では我々の乗ったバスは少し離れた場所まで移動したように思える。
当時Appleがどこにどのような工場を持っていたのかは調べようもあるのだろうが、いま取り出せる資料の範囲ではたどり着けなかったので引き続き調査をしてみようと思う。

※工場のエントランス付近だと思うのだが、今のところ詳しい事は判明していない
ということで、状況を整理するためにこれまで出て来たクパチーノの歴代Apple本社住所を地図上に並べて見た。
「A」が自宅を別にして初めてのオフィスとなった “Stevens Creek Blvd“ だが「B」が “Bandiey Drive” 「C」が ”Mariani Avenue” そして「D」が現在本社のある “One Infinite Loop” である。こうして見ると右肩上がりの北東方向に本社が移動しているのが面白い。
また「E」の場所が私が記念撮影した "20565 Alves Drive" で「F」がセミナーを受けたと思われるビルのある "10001 N De Anza Blvd" である。

※これまで判明したポイントの各位置関係を確認するためマップ上に並べて見た【クリックで確認】
それにしてもこのときの旅はある意味、私にとってAppleへの思いを確認するような旅だった。何故なら翌年にMacのソフトウェア開発を専門とする会社を起業する決意を秘めていたからだ。自分探しの旅ならぬ、自分の本気度を確かめるような意味合いもあったが、結果は火に油を注ぐようなものだった(笑)。
また初めてのApple訪問の記憶がほとんどない理由だが、想像以上に様々なことが重なって起きたこともあるだろうし帰国直後から起業の準備やその後の殺人的なスケジュールに忙殺され、旅行を振り返る暇もなかったからかも知れない。実際の所、こうした写真を撮ったことさえ忘れていたのだから…。
そういえばAppleの本社はニュースでも大きく報道されたように巨大な円盤のような新社屋が着工されることになった。出来ることなら是非訪問してみたいものである。
1988年といえば、Macintoshが登場してから早くも4年後のことである。我々一行…確か3人…がMacworld Expoに来たのだから是非この機会を得て総本山のApple (当時はApple Computer)へ行ってみたいと考えたのは自然だろう(笑)。そして話には聞いていたものの本社に併設されているカンパニーストアでアップルグッズも買いたいしチャンスがあればApple社内の様子も見てみたいと思っていた…に違いない。
記憶はほとんどないものの、当時の様子は紀田順一郎さんとの共著「Macの達人」(技術評論社刊) の「ウィンドウから見えるアメリカ」というコラムで僅かながら垣間見える…。
それによれば「Apple社にも行った。アップルコレクションで念願のアップルグッズも買えた。そしてクパチーノにあるAppleの工場も見ることができた私たちは、その嬉しさに楽しさに酔いしれていた。」とある…。勿論これは私自身が書いた文章だ(笑)。
対して数枚残っている写真だがそれらを見るとかすかだが記憶が戻ってくる…。無論その記憶が正しいものなのかは私自身も不明なのだが、そのあやふやな記憶によれば、我々一行はツアーに参加したものと思われる。最初の頃の数年間はMACLIFE主催のツアーに参加してExpoに行ったのでこの時もそうだったに違いない。
そして私の残っている記憶では思い立ってApple本社に向かったという記憶があり、ビルのドアから中を覗いていたら女性が開けてくれて我々が日本から来たと言うと笑顔で招き入れてくれた…という覚えもあるが、それはどうやらその翌年のことでこの年はツアーでApple本社に向かったのかと思う。
なぜなら当時のカンパニーストアは現在のそれとは違い観光客が自由に入れる場所ではなかった。そもそもがAppleの従業員を対象とした施設であり、Apple社員らの紹介がなければ部外者は入ることが出来ない場所だったのである。
したがって我々3人がお上りさんよろしくカンパニーショップに向かったところで入れないはずだ。それが買い物をしたという記録がある以上、ツアーの中にApple関係者かあるいはその紹介を受けた誰かがいたと考えなければ合理的でない。
また写真には…後述するAppleの “10001” ビルだったと思うが…ロビーで待たされている写真と一室でプレゼンというかセミナーを受けているような写真もある。そして後ろ姿ではあるがそこにいる人たちはどうやら日本人のようなのだ。したがって我々だけでなく十数人が一緒にその場にいたということになる。ということは同じツアーの参加者だったのかも知れない。


※Appleのロビーで待つ筆者ら(上)とセミナー?風景(下)
さてこのときに私自身が写っている写真はたった3枚である。1枚は前記Appleのロビーらしき場所で、2枚目は6色アップルロゴがある "20565 Alves Drive" と書かれた住所表記の前、そして3枚目はこれまたアップルロゴがついた石造りのフェンスに "Domestic Manifacturing PCB Operations" および "PERCISION ACOUSTIC DEVICES, INC." とおぼしき文字がかかげられた場所で記念撮影したものだ。しかしこれまたまったくその時の状況は思い出せないのだ(笑)。


※前記ロビーでの写真以外、この2枚に筆者が写っている...
繰り返すが、先の「Macの達人」によればAppleの工場も見ることが出来たとある。実は工場といえばLaserWriterの基板を組み立てている工場を見学した記憶があるからこの時のことかも知れない。だとすればやはりMACLIFEのツアーだったに違いない。
この工場見学に際して秘密保持契約にサインさせられたから詳しいことは書けないが、いやはやなんともラフな生産ラインだった(笑)。
ところで我々が訪ね記念撮影した場所はどの辺だったのだろうか…。
無論当時のAppleがあった付近を回ったのだろうがそれは現在本社がある ”One Infinite Loop, Cupertino, California 95014” ではない。”20525 Mariani Avenue Cupertino” の時代である。
今般出て来た古い写真を見るとそのうちの1枚、すなわち私が記念撮影した1枚に写っているアップルロゴがデザインされた住所標識には "20565 Alves Drive" と記されていたわけで、それならとGoogleマップで調べてみることにした。
問題は現在確認できるGoogleマップの情報がどれほど新しいものなのかは不明だが、自分が25年前に記念写真を撮った場所を調べて見ようと検索を開始した。そして大体見当を付けた上で表示をストリートビューに切り替えて周りを確認して見ると…その場所がわかった!
写真に写っている向かって右にある白い四角い壁が目立つ建物が一緒だし、驚いたことにアップルロゴや住所表記はないもののその住所標識が無地のまま写っているではないか…。

※右側にある建物手前の住所標識の場所で記念撮影したことが判明【クリックで拡大】
なるほどストリートビューに写っている建物を拡大するとその軒下位置には間違いなく "20565" と描かれているからここに間違いはない。

※前記建物を拡大すると "20565" と描かれている。下部は位置を把握するために表示させた地図
また煉瓦色のタイル張りビルだが、私が撮った写真は露出のミスで建物の前にあるアップルロゴの住所標識が白飛びしてよく見えない。しかしルーペで拡大しよく見るとそこには "10001 N De Anza Blvd" と読めたのでこれまた早速検索してみた…。


※我々が招き入れられたApple社のビルとその遠景
結果…あくまで現在のGoogleストリートビュー表示上での話しだが、TrendMicro社の隣にある建物だったことも分かった。確かにN De Anza Blvd沿いに移動してみると手元にある写真と同じビルがあり、角度を調整しつつ拡大して見ると3階正面壁面と1階の少し奥まったところにあるガラスドアの上に "10001" と明示されている。どのようなデビジョンだったのかは不明だが、我々は間違いなくこの建物内に入ったのだ。

※ストリートビューで確認した当該ビルとその位置【クリックで拡大】
最後に残った工場らしき写真の場所だが、残念ながらこれだけは現時点で不明だ。これまたあやふやな記憶では我々の乗ったバスは少し離れた場所まで移動したように思える。
当時Appleがどこにどのような工場を持っていたのかは調べようもあるのだろうが、いま取り出せる資料の範囲ではたどり着けなかったので引き続き調査をしてみようと思う。

※工場のエントランス付近だと思うのだが、今のところ詳しい事は判明していない
ということで、状況を整理するためにこれまで出て来たクパチーノの歴代Apple本社住所を地図上に並べて見た。
「A」が自宅を別にして初めてのオフィスとなった “Stevens Creek Blvd“ だが「B」が “Bandiey Drive” 「C」が ”Mariani Avenue” そして「D」が現在本社のある “One Infinite Loop” である。こうして見ると右肩上がりの北東方向に本社が移動しているのが面白い。
また「E」の場所が私が記念撮影した "20565 Alves Drive" で「F」がセミナーを受けたと思われるビルのある "10001 N De Anza Blvd" である。

※これまで判明したポイントの各位置関係を確認するためマップ上に並べて見た【クリックで確認】
それにしてもこのときの旅はある意味、私にとってAppleへの思いを確認するような旅だった。何故なら翌年にMacのソフトウェア開発を専門とする会社を起業する決意を秘めていたからだ。自分探しの旅ならぬ、自分の本気度を確かめるような意味合いもあったが、結果は火に油を注ぐようなものだった(笑)。
また初めてのApple訪問の記憶がほとんどない理由だが、想像以上に様々なことが重なって起きたこともあるだろうし帰国直後から起業の準備やその後の殺人的なスケジュールに忙殺され、旅行を振り返る暇もなかったからかも知れない。実際の所、こうした写真を撮ったことさえ忘れていたのだから…。
そういえばAppleの本社はニュースでも大きく報道されたように巨大な円盤のような新社屋が着工されることになった。出来ることなら是非訪問してみたいものである。
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