Apple I Replica Kit を組み立てた!
過日はApple I のプリント回路基板 (部品実装なし)を入手したことをご紹介した。無論レプリカである…。そして創業まもないAppleは完成品販売前にこの基板のみを販売していた時期があったことを記した。今回は何とした運命の悪戯か…(笑)、これまでにも探しはしたものの入手ができなかった全パーツが揃ったApple I 組立キット一式 (Apple 1 Replica Kit) が手に入ったのだ!
Apple I はApple社設立のきっかけとなった製品であり、スティーブ・ジョブズと共に創立者の1人だったスティーブ・ウォズニアックが独力で開発したマイクロコンピュータ…ワンボードマイコンである。
紆余曲折があったもののスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックそしてロン・ウェインの3人がApple Computer創立メンバーとなり、それぞれ私財を投じてApple I の販売をはじめた…。

※4日間でハンダ付けと組立を完了したApple I Replica全容【クリックで拡大】
はじめはウォズニアック自身が自分の為のコンピュータを作りたいという願望・希望から開発を始めたのがApple I の原型で、ホームブリューコンピュータクラブに持ち込んだ反応の良さに刺激され、友人のジョブズの発案でプリント基板および完成品の販売および会社設立を考え始めたのがApple社誕生のきっかけとなった。

※開封したばかりのApple I Replica Kit の同梱内容(一部)
結局Apple I は175台~200台ほど製作し150台ほど販売したが、ウォズニアック自身「アメリカ中に販売をしたわりには売れなかった」と「マッキントッシュ伝説」アスキー出版局刊の中で話している。
なによりもApple II のリリース時にApple I を下取りにする販売戦略を取ったため、ほとんどのApple I はAppleに戻され廃棄処分となった。
Apple I はApple II とは違い、サウンドやグラフィック、カラー機能は一切ない完全なテキストマシンだったこともあり多くのユーザーはApple II を入手する際にApple I を下取りに出したのである。
こうした事情でそもそもApple I は現存している数が極端に少なく、さらに昨今Apple社が様々な意味において注目されその歴史などを語られることからもその最初の製品としてのApple I は希少価値が高まり、オークションで数千万円の価格で落札されるほどのコレクターズアイテムとなった。
したがって私などがどう逆立ちしてもオリジナルのApple I を手に入れることなどできようもないわけだ。しかし多分に夢で終わるかと思うものの、個人的にひとつ考えているというか…実現したいと思っていることがあった。
…話が少し逸れるがお付き合いいただくと…今年の夏に私は初めて大塚国際美術館へ一泊で出向き1,000点ともいわれる世界の絵画の名作を一望にすることができた。
特に心に残ったのが環境展示という手法だった。絵画や遺跡に残された一点や数点を壁面に飾るのではなく、その建物を丸ごと忠実に再現してしまうという思い切ったものだった。無論それらは子供だましのものではなく学術的にも十分に役立つほどオリジナルに忠実な出来映えであった。
あのシスティーナ礼拝堂しかり、スクロヴェーニ礼拝堂、聖テオドール聖堂しかりであった。
それらの環境展示を堪能しながら私はもし私が考えるコンピュータ博物館といったものを実現できるなら、この環境展示という手法を取り入れたいと思った。
スティーブ・ジョブズの自宅のガレージでApple I は組み立てられたわけだが、例えば単にApple I を展示するのではなく、ガレージ全体を再現する…それが無理ならばせめてその作業机の上だけでも再現できないかと思ったのである。
勿論この種のアイデアは私の独創ではない。米ディズニーワールド人気のアトラクション「Spaceship Earth」には黎明期のアップルのガレージが再現されたことがあるそうだ。そこにApple I があったかどうかは不明だが…。
ともかく機械油などで少々汚れた机上に雑然と計器類やハンダごてなとが置かれ、その中心に問題のApple I のボードが置かれている…といった感じで当時の作業中の雰囲気を製品のみではなくその生まれた環境からも汲み取れる展示ができれば素敵だと思った…。
そもそもApple I は伝説のコンピュータであり実機を前に、手にして話ができる機会はほとんどなく巷に溢れている情報は写真に頼るしかないのが現状だ。したがって何らかの形でこのレプリカを活かせるように考えてみたいと思っているだが…。

※マザーボードにソケットのみをハンダ付けした様子【クリックで拡大】

※コンデンサ、抵抗をはじめ必要なパーツをハンダ付けする【クリックで拡大】

※ソケットに対応するチップを装着し、いくつかのジャンパーを考慮して完成【クリックで拡大】
そうそう…大事な事を忘れてはいけない…。こうしたレプリカ、すなわち複製・コピー製品は著作権を侵害することになり違法ではないかと眉をひそめる方もいるかも知れない。当然のことだ…。
「レプリカ」とは本来、原製作者自身によって作られた複製品の意味だったそうだが現在ではご承知のようにコピーの意味合いで使われている。ただし私見だがレプリカは単なる真似事といった意味合いを超え、すべてにおいて原資料に忠実に作られていなければ意味がないと思う。
また複製は複製だから意味がないという人もいるが、前記した大塚国際美術館収蔵作品はもとより博物館や美術館の展示品の中にはレプリカは多い。特に貴重な文化財や考古学的な遺物などの展示物は、オリジナルが盗難の可能性はもとより照明や湿度、気温などによる損傷を受けやすいことを考慮して一般展示にはレプリカを用いることがある。
例えば私が所有しているレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿「マドリッド手稿」や「鳥の飛翔に関する手稿」も研究材料となりうるレプリカである。レオナルド・ダ・ヴィンチ直筆として残っているいくつかのオリジナル手稿は損傷や劣化を恐れてほとんどが門外不出であり、研究者でさえ通常はレプリカに頼っているのが現状だしそのレプリカでさえ今では入手が難しい。
ことほど然様にレプリカの存在意義は決して小さくないが問題は違法性があるかどうかであろう…。
ルイ・ヴィトンのバッグとかブルガリの時計だと称して精巧なコピーを製造販売するのは無論違法である。そうした観点から今回手にしたApple I のレプリカを考えると確かに問題がないとはいえない。Apple社は当然のことながらこうした件でコメントを出すはずもないし許可を出すはずもないからだ。
しかし例えば Replica 1というApple I の動作を完全に再現したレプリカ制作者は当初Apple社に正式な許諾を求めたが梨の礫だったため思案の結果スティーブ・ウォズニアックに許諾依頼のメールを出したところ「あなたのしようとしている事は素晴らしい」と快諾されたという事実がある。
そもそもApple I は1975年に回路図やROMのコードをホームブリュー・コンピューター・クラブで無料配布していた事実がある。すなわちApple社が設立される前のことであり、ウォズニアック自身Apple社に著作の所有権はないと明言している。そしてウォズニアックは「誰が何と言おうと、これは私のものであり、世に送り出したのは私だという事実を曲げることはできない」とも発言し、誰でもが自由に同じものを作れるようにと考えていたことは歴史的事実である。
自叙伝「iWOZ : Computer Geek to Cult Icon (和書名: アップルを創った怪物)」を出版した際にOnPoint というラジオ番組に出演したウォズニアックはその番組でも次のように話している。

※「アップルを創った怪物」ダイヤモンド社刊表紙
「私がApple I を作ったのは、会社を創業するためではない。回路図、プログラム・コードなど、ホームブリューコンピュータクラブのメンバーが自分でコンピュータを作るのに必要なものをすべてを配布したんだ。無料でね。誰でも自分のコンピュータを持てるということを伝えるために…」と。
またTom Owadという人物が書いた「Apple I Replica Creation: Back to the Garage」という本は文字通りApple I のレプリカを総額100ドルほどの部品を使って組立て、その過程でコンピュータのアーキテクチャーを学ぼうとするものだが、スティーブ・ウォズニアックが推薦の「前書き」を書いている。

※「Apple I Replica Creation: Back to the Garage」表紙
要するにウォズニアックの真意はホームブリューコンピュータクラブ当時の共有の精神をずっと持ち続けたいと考えていた。そして後のApple II にしても会社(Apple)としては随分と著作権の防御に力を注いだが、肝心のウォズニアックが回路図はもとよりROMの中身まで公開したためクローンも多々登場した。しかし逆にサードパーティ各社から様々な周辺機器やアプリケーションが開発されApple II ワールドが豊かに大きくなったという経緯があるのは事実である。
整理すると...Apple I はApple Computer, Inc.という法人会社ができる前にウォズニアック個人が開発したコンピュータであり、その回路図やモニターROMの中身もすべてウォズニアック自身のものだという意識から「ハードもソフトも自由に作っていいよ」というアピールとなったしその信念は現在でも変わっていないようだ。それに…私も所持しているがApple I のオペレーションマニュアルのレプリカ(コピー)にもウォズニアック自身が積極的に直筆サインし販売している(笑)。

※スティーブ・ウォズニアックの直筆サインが入ったApple 1 オペレーションマニュアル(レプリカ)
ということで当該レプリカが登場してからすでに7年ほど経っているはずだが、現時点ではApple社やウォズニアックからクレームが入ることはないと思われる。
ともかくこのApple I レプリカキットは勿論すべての部品をハンダ付けして組立て、電源とキーボードを用意し、さらにモニターにつなげばオリジナル同様に動作するはずだが、そこまでの執着はないので我ながら気が楽なのだ。本格的なハンダ付けもしばらくご無沙汰しているが、その昔はよくハンダ付けをした時代もあったから苦にはならない…。問題は集中力か(笑)。
これでApple I のプリント基板がどのようなものであったのか、そしてその完成品がどういう質感とビジュアルを持ったものなのかを写真ではなく実体験できることこそ私にとって重要なことと考えている。
さらに私の知り得ることは僅かに違いないが、このキットをゼロから組立る過程で、使われている各チップとその役割はもとより、ジャンパー線の意味といった単に外から見ているだけではわかり得ないことが理解できた点は非常に大きい。
この後、1977年製 MOS Technology社のMCS 6502マイクロプロセッサ(ホワイト・セラミックパッケージ)やApple I 用カセットインターフェースそして Apple I 推奨トランスのひとつである Stancor が揃う予定になっている。その前に組み立てた全体を再度確認し間違いや雑な点があったら修正しておきたい…。
これらのシステムは前回にも記したようにこの種のプレゼンや講演の機会には参加者の方々に身近に触れていただきたいと考えている…。
Apple I はApple社設立のきっかけとなった製品であり、スティーブ・ジョブズと共に創立者の1人だったスティーブ・ウォズニアックが独力で開発したマイクロコンピュータ…ワンボードマイコンである。
紆余曲折があったもののスティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックそしてロン・ウェインの3人がApple Computer創立メンバーとなり、それぞれ私財を投じてApple I の販売をはじめた…。

※4日間でハンダ付けと組立を完了したApple I Replica全容【クリックで拡大】
はじめはウォズニアック自身が自分の為のコンピュータを作りたいという願望・希望から開発を始めたのがApple I の原型で、ホームブリューコンピュータクラブに持ち込んだ反応の良さに刺激され、友人のジョブズの発案でプリント基板および完成品の販売および会社設立を考え始めたのがApple社誕生のきっかけとなった。

※開封したばかりのApple I Replica Kit の同梱内容(一部)
結局Apple I は175台~200台ほど製作し150台ほど販売したが、ウォズニアック自身「アメリカ中に販売をしたわりには売れなかった」と「マッキントッシュ伝説」アスキー出版局刊の中で話している。
なによりもApple II のリリース時にApple I を下取りにする販売戦略を取ったため、ほとんどのApple I はAppleに戻され廃棄処分となった。
Apple I はApple II とは違い、サウンドやグラフィック、カラー機能は一切ない完全なテキストマシンだったこともあり多くのユーザーはApple II を入手する際にApple I を下取りに出したのである。
こうした事情でそもそもApple I は現存している数が極端に少なく、さらに昨今Apple社が様々な意味において注目されその歴史などを語られることからもその最初の製品としてのApple I は希少価値が高まり、オークションで数千万円の価格で落札されるほどのコレクターズアイテムとなった。
したがって私などがどう逆立ちしてもオリジナルのApple I を手に入れることなどできようもないわけだ。しかし多分に夢で終わるかと思うものの、個人的にひとつ考えているというか…実現したいと思っていることがあった。
…話が少し逸れるがお付き合いいただくと…今年の夏に私は初めて大塚国際美術館へ一泊で出向き1,000点ともいわれる世界の絵画の名作を一望にすることができた。
特に心に残ったのが環境展示という手法だった。絵画や遺跡に残された一点や数点を壁面に飾るのではなく、その建物を丸ごと忠実に再現してしまうという思い切ったものだった。無論それらは子供だましのものではなく学術的にも十分に役立つほどオリジナルに忠実な出来映えであった。
あのシスティーナ礼拝堂しかり、スクロヴェーニ礼拝堂、聖テオドール聖堂しかりであった。
それらの環境展示を堪能しながら私はもし私が考えるコンピュータ博物館といったものを実現できるなら、この環境展示という手法を取り入れたいと思った。
スティーブ・ジョブズの自宅のガレージでApple I は組み立てられたわけだが、例えば単にApple I を展示するのではなく、ガレージ全体を再現する…それが無理ならばせめてその作業机の上だけでも再現できないかと思ったのである。
勿論この種のアイデアは私の独創ではない。米ディズニーワールド人気のアトラクション「Spaceship Earth」には黎明期のアップルのガレージが再現されたことがあるそうだ。そこにApple I があったかどうかは不明だが…。
ともかく機械油などで少々汚れた机上に雑然と計器類やハンダごてなとが置かれ、その中心に問題のApple I のボードが置かれている…といった感じで当時の作業中の雰囲気を製品のみではなくその生まれた環境からも汲み取れる展示ができれば素敵だと思った…。
そもそもApple I は伝説のコンピュータであり実機を前に、手にして話ができる機会はほとんどなく巷に溢れている情報は写真に頼るしかないのが現状だ。したがって何らかの形でこのレプリカを活かせるように考えてみたいと思っているだが…。

※マザーボードにソケットのみをハンダ付けした様子【クリックで拡大】

※コンデンサ、抵抗をはじめ必要なパーツをハンダ付けする【クリックで拡大】

※ソケットに対応するチップを装着し、いくつかのジャンパーを考慮して完成【クリックで拡大】
そうそう…大事な事を忘れてはいけない…。こうしたレプリカ、すなわち複製・コピー製品は著作権を侵害することになり違法ではないかと眉をひそめる方もいるかも知れない。当然のことだ…。
「レプリカ」とは本来、原製作者自身によって作られた複製品の意味だったそうだが現在ではご承知のようにコピーの意味合いで使われている。ただし私見だがレプリカは単なる真似事といった意味合いを超え、すべてにおいて原資料に忠実に作られていなければ意味がないと思う。
また複製は複製だから意味がないという人もいるが、前記した大塚国際美術館収蔵作品はもとより博物館や美術館の展示品の中にはレプリカは多い。特に貴重な文化財や考古学的な遺物などの展示物は、オリジナルが盗難の可能性はもとより照明や湿度、気温などによる損傷を受けやすいことを考慮して一般展示にはレプリカを用いることがある。
例えば私が所有しているレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿「マドリッド手稿」や「鳥の飛翔に関する手稿」も研究材料となりうるレプリカである。レオナルド・ダ・ヴィンチ直筆として残っているいくつかのオリジナル手稿は損傷や劣化を恐れてほとんどが門外不出であり、研究者でさえ通常はレプリカに頼っているのが現状だしそのレプリカでさえ今では入手が難しい。
ことほど然様にレプリカの存在意義は決して小さくないが問題は違法性があるかどうかであろう…。
ルイ・ヴィトンのバッグとかブルガリの時計だと称して精巧なコピーを製造販売するのは無論違法である。そうした観点から今回手にしたApple I のレプリカを考えると確かに問題がないとはいえない。Apple社は当然のことながらこうした件でコメントを出すはずもないし許可を出すはずもないからだ。
しかし例えば Replica 1というApple I の動作を完全に再現したレプリカ制作者は当初Apple社に正式な許諾を求めたが梨の礫だったため思案の結果スティーブ・ウォズニアックに許諾依頼のメールを出したところ「あなたのしようとしている事は素晴らしい」と快諾されたという事実がある。
そもそもApple I は1975年に回路図やROMのコードをホームブリュー・コンピューター・クラブで無料配布していた事実がある。すなわちApple社が設立される前のことであり、ウォズニアック自身Apple社に著作の所有権はないと明言している。そしてウォズニアックは「誰が何と言おうと、これは私のものであり、世に送り出したのは私だという事実を曲げることはできない」とも発言し、誰でもが自由に同じものを作れるようにと考えていたことは歴史的事実である。
自叙伝「iWOZ : Computer Geek to Cult Icon (和書名: アップルを創った怪物)」を出版した際にOnPoint というラジオ番組に出演したウォズニアックはその番組でも次のように話している。

※「アップルを創った怪物」ダイヤモンド社刊表紙
「私がApple I を作ったのは、会社を創業するためではない。回路図、プログラム・コードなど、ホームブリューコンピュータクラブのメンバーが自分でコンピュータを作るのに必要なものをすべてを配布したんだ。無料でね。誰でも自分のコンピュータを持てるということを伝えるために…」と。
またTom Owadという人物が書いた「Apple I Replica Creation: Back to the Garage」という本は文字通りApple I のレプリカを総額100ドルほどの部品を使って組立て、その過程でコンピュータのアーキテクチャーを学ぼうとするものだが、スティーブ・ウォズニアックが推薦の「前書き」を書いている。

※「Apple I Replica Creation: Back to the Garage」表紙
要するにウォズニアックの真意はホームブリューコンピュータクラブ当時の共有の精神をずっと持ち続けたいと考えていた。そして後のApple II にしても会社(Apple)としては随分と著作権の防御に力を注いだが、肝心のウォズニアックが回路図はもとよりROMの中身まで公開したためクローンも多々登場した。しかし逆にサードパーティ各社から様々な周辺機器やアプリケーションが開発されApple II ワールドが豊かに大きくなったという経緯があるのは事実である。
整理すると...Apple I はApple Computer, Inc.という法人会社ができる前にウォズニアック個人が開発したコンピュータであり、その回路図やモニターROMの中身もすべてウォズニアック自身のものだという意識から「ハードもソフトも自由に作っていいよ」というアピールとなったしその信念は現在でも変わっていないようだ。それに…私も所持しているがApple I のオペレーションマニュアルのレプリカ(コピー)にもウォズニアック自身が積極的に直筆サインし販売している(笑)。

※スティーブ・ウォズニアックの直筆サインが入ったApple 1 オペレーションマニュアル(レプリカ)
ということで当該レプリカが登場してからすでに7年ほど経っているはずだが、現時点ではApple社やウォズニアックからクレームが入ることはないと思われる。
ともかくこのApple I レプリカキットは勿論すべての部品をハンダ付けして組立て、電源とキーボードを用意し、さらにモニターにつなげばオリジナル同様に動作するはずだが、そこまでの執着はないので我ながら気が楽なのだ。本格的なハンダ付けもしばらくご無沙汰しているが、その昔はよくハンダ付けをした時代もあったから苦にはならない…。問題は集中力か(笑)。
これでApple I のプリント基板がどのようなものであったのか、そしてその完成品がどういう質感とビジュアルを持ったものなのかを写真ではなく実体験できることこそ私にとって重要なことと考えている。
さらに私の知り得ることは僅かに違いないが、このキットをゼロから組立る過程で、使われている各チップとその役割はもとより、ジャンパー線の意味といった単に外から見ているだけではわかり得ないことが理解できた点は非常に大きい。
この後、1977年製 MOS Technology社のMCS 6502マイクロプロセッサ(ホワイト・セラミックパッケージ)やApple I 用カセットインターフェースそして Apple I 推奨トランスのひとつである Stancor が揃う予定になっている。その前に組み立てた全体を再度確認し間違いや雑な点があったら修正しておきたい…。
これらのシステムは前回にも記したようにこの種のプレゼンや講演の機会には参加者の方々に身近に触れていただきたいと考えている…。
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