Apple 1の利用環境を復刻!
Apple 1はそれだけではなにも出来ない。シングルボード・マイコンとしてトランスを接続して電源供給はもとより別途適合するキーボードを接続し、キー入力を可能にした上でテレビをモニターとして使うという準備は最低限必要だ。したがってApple 1のレプリカを前にして形だけでもそれらを含めたハード・ソフトの形はどのようなものであったのかを一通り再現してみたいと考えた。
何度かご報告しているようにApple 1の組み立てキットを手に入れ、本体すなわち回路基板としてはハンダ付けと格闘の末に何とか完成できた。ただしこれを本当に動作させるにはハンダ付け面の洗浄はもとより目視だけでなく計測器を使って問題がないかをチェックしなければならない。これらを怠るとボード上のチップやパーツが一瞬にしてダメになるだけでなく火を噴くこともあり得るので甘く考えてはならない…。
したがって燃えてしまっては何にもならないので今のところ通電し動作を確認するつもりはない…。しかしこの魅力的な個人用コンピュータが当時どのような形でユーザーに活用されていたのかを再現したいと考えたものの、冒頭に記したように本体だけでは何にもならないわけで、最低限なにが必要でどのような準備が大切なのかを自分の手で確認したいと思ったわけである。
また今のところは予定に過ぎないが、今年早々にこのApple 1のレプリカを某教育機関に持ち込んでお披露目する機会があるかもしれないので、それまでには何とかビジュアルだけでも当時の利用環境全体を再現したいと心に決めた次第…。まあ、ご覧いただくフルセットはいわゆる環境展示である(笑)。

※【クリックで拡大】これがApple 1のフルスペック。ただし実際には通電していないのでご覧のようにモニター表示などは合成
さて、電源供給のためのトランスはApple 1のオペレーションマニュアルに推奨品のSTANCOR P-8380およびP-8667の2つ(新品)が入手できたので当時をそのまま忠実に再現できる。またテレビ…モニターはApple II で使ってきたものが数種あるから問題ないとしてキーボードはどのようなものが適切なのかを確認してみた。

※オペレーションマニュアルに推奨品とされているSTANCOR P-8380およびP-8667のトランス
結果Apple II plusのキーボードが使えるというのでこれまた用意する。無論よく見るように裸のままだ。
ともかくこれだけ揃えばApple 1を起動し、キーボードからマシン語を叩いてテレビに何らかの表示を行うことができることになる。ただしそれでは何らかのプログラム入力をしたところで電源を切ってしまえば保存されず、次に使うときにはまた始めから入力をしなければならない。

※キーボードは取り急ぎApple II plusのものを代用
さらに当時Appleから供給された整数BASICを走らすにはカセットテープで販売されたソフトウェアとそれを再生するカセットテープデッキ、さらにカセットデッキからのデータをApple 1のメモリにロードするためのカセットテープインターフェースを必要とする。
ちなみにケースに入っていないオリジナルなApple 1の写真や映像をいくつか確認するとこうした周辺機器やソフトウェアがどのようなものだったのかを垣間見ることが出来る。
早速「カセットテープインターフェース」「カセットテープデッキ」そして「ソフトウェア」を手にしたいと思ったが、これまた今となってはApple 1本体と同様においそれとは入手は難しい…。
今更、予算と時間をかけてレプリカとはいえApple 1のあれこれを追いかける物好きなどそうそういないのでは…と思っていたが、世界は広い。これまたeBayを検索していたらApple 1のカセットテープインターフェースもレプリカが出品されていることが分かり、早速ゲットすることに。無論ビジュアルも本物同様だしきちんと接続すれば正確に動作するという…。

※Apple 1唯一のスロットに挿したカセットテープインターフェース
またカセットテープレコーダーだが、これはピンキリではあるもののまだまだ様々な製品が中古新品を問わず手に入るようだ。ただしApple 1の時代を再現するのに新しすぎるデザインでは面白くない。またApple 1はともかく最初期のカセットテープによる実際の利用を体験してきた一人としてステレオ仕様ではなくモノラルレコーダーの方がよいことも知っているのでなるべく古いデザインをと考えた。
いろいろと調べているうちに実際にApple 1の動作を紹介している動画の中でも使われているカセットテープレコーダーと同等品(パナソニック RQ-2112新品)が見つかったので入手することに…。これなら将来本当に使う場合にも役に立つに違いない。

※最適なカセットレコーダーが見つかった。パナソニックRQ-2112である。乗っているのは復刻したApple 1のソフトウェアたち
今回一番入手が難しかったのはカセットテープに記録されたソフトウェアだった。eBayにそれらしいものを見つけて1度は色めき立ったが残念なことにApple II 用だった。しかしカセットテープレコーダーとそのインターフェースがあるのにソフトウェアがないというのはまさしく画竜点睛を欠くことになる。
結果ソフトウェア自体はスティーブ・ウォズニアックが作ったという整数BASIC (APPLE I INTEGER BASIC LANGUAGE)をはじめ、APPLE I MONITOR/DISASSEMBLER といったものやいくつかのゲームソフトをネットから入手できたので後は当時のカセットテープを手に入れ、資料に基づき実物になるべく忠実にラベルを作成して復刻版を作ってみた。
勿論中身が空っぽではいかにも嘘になるので前記したカセットテープレコーダー(パナソニック RQ-2112)を使ってソフトウェアは記録済みである。
なお、カセットテープのソフトウェアに関しては別途「データ記録媒体としてのコンパクト・カセットテープ雑感」を参照いただきたい。

※モニターはApple IIc用のグリーンモニターを配してみた。手前はApple 1 オペレーションマニュアル
これで何とか当時の使用環境の全容が復刻できたことになる。
ご覧いただくこれらの環境があればこそ、Apple 1でプログラミングはもとよりだがいくつかのゲームも楽しむことが出来たし、キャラクタをドットの代わりとして人の顔なども表現することが可能だったのである。無論カセットテープにそれらの成果を保存し、いつでもそのデータを読み込んで再現できるわけだ。とはいってもカセットテープからのロードはランダムアクセスができないことはもとよりスピードが遅く信頼性においても現在のハードディスクとかフロッピーディスクと比較すれば劣っていたからエラーの頻度も高かった。しかし不思議に当時はそういうものだと考えていたフシもあり苦にならなかったしこれも我々にとっては最新鋭の周辺機器であったのだ…。
何度かご報告しているようにApple 1の組み立てキットを手に入れ、本体すなわち回路基板としてはハンダ付けと格闘の末に何とか完成できた。ただしこれを本当に動作させるにはハンダ付け面の洗浄はもとより目視だけでなく計測器を使って問題がないかをチェックしなければならない。これらを怠るとボード上のチップやパーツが一瞬にしてダメになるだけでなく火を噴くこともあり得るので甘く考えてはならない…。
したがって燃えてしまっては何にもならないので今のところ通電し動作を確認するつもりはない…。しかしこの魅力的な個人用コンピュータが当時どのような形でユーザーに活用されていたのかを再現したいと考えたものの、冒頭に記したように本体だけでは何にもならないわけで、最低限なにが必要でどのような準備が大切なのかを自分の手で確認したいと思ったわけである。
また今のところは予定に過ぎないが、今年早々にこのApple 1のレプリカを某教育機関に持ち込んでお披露目する機会があるかもしれないので、それまでには何とかビジュアルだけでも当時の利用環境全体を再現したいと心に決めた次第…。まあ、ご覧いただくフルセットはいわゆる環境展示である(笑)。

※【クリックで拡大】これがApple 1のフルスペック。ただし実際には通電していないのでご覧のようにモニター表示などは合成
さて、電源供給のためのトランスはApple 1のオペレーションマニュアルに推奨品のSTANCOR P-8380およびP-8667の2つ(新品)が入手できたので当時をそのまま忠実に再現できる。またテレビ…モニターはApple II で使ってきたものが数種あるから問題ないとしてキーボードはどのようなものが適切なのかを確認してみた。

※オペレーションマニュアルに推奨品とされているSTANCOR P-8380およびP-8667のトランス
結果Apple II plusのキーボードが使えるというのでこれまた用意する。無論よく見るように裸のままだ。
ともかくこれだけ揃えばApple 1を起動し、キーボードからマシン語を叩いてテレビに何らかの表示を行うことができることになる。ただしそれでは何らかのプログラム入力をしたところで電源を切ってしまえば保存されず、次に使うときにはまた始めから入力をしなければならない。

※キーボードは取り急ぎApple II plusのものを代用
さらに当時Appleから供給された整数BASICを走らすにはカセットテープで販売されたソフトウェアとそれを再生するカセットテープデッキ、さらにカセットデッキからのデータをApple 1のメモリにロードするためのカセットテープインターフェースを必要とする。
ちなみにケースに入っていないオリジナルなApple 1の写真や映像をいくつか確認するとこうした周辺機器やソフトウェアがどのようなものだったのかを垣間見ることが出来る。
早速「カセットテープインターフェース」「カセットテープデッキ」そして「ソフトウェア」を手にしたいと思ったが、これまた今となってはApple 1本体と同様においそれとは入手は難しい…。
今更、予算と時間をかけてレプリカとはいえApple 1のあれこれを追いかける物好きなどそうそういないのでは…と思っていたが、世界は広い。これまたeBayを検索していたらApple 1のカセットテープインターフェースもレプリカが出品されていることが分かり、早速ゲットすることに。無論ビジュアルも本物同様だしきちんと接続すれば正確に動作するという…。

※Apple 1唯一のスロットに挿したカセットテープインターフェース
またカセットテープレコーダーだが、これはピンキリではあるもののまだまだ様々な製品が中古新品を問わず手に入るようだ。ただしApple 1の時代を再現するのに新しすぎるデザインでは面白くない。またApple 1はともかく最初期のカセットテープによる実際の利用を体験してきた一人としてステレオ仕様ではなくモノラルレコーダーの方がよいことも知っているのでなるべく古いデザインをと考えた。
いろいろと調べているうちに実際にApple 1の動作を紹介している動画の中でも使われているカセットテープレコーダーと同等品(パナソニック RQ-2112新品)が見つかったので入手することに…。これなら将来本当に使う場合にも役に立つに違いない。

※最適なカセットレコーダーが見つかった。パナソニックRQ-2112である。乗っているのは復刻したApple 1のソフトウェアたち
今回一番入手が難しかったのはカセットテープに記録されたソフトウェアだった。eBayにそれらしいものを見つけて1度は色めき立ったが残念なことにApple II 用だった。しかしカセットテープレコーダーとそのインターフェースがあるのにソフトウェアがないというのはまさしく画竜点睛を欠くことになる。
結果ソフトウェア自体はスティーブ・ウォズニアックが作ったという整数BASIC (APPLE I INTEGER BASIC LANGUAGE)をはじめ、APPLE I MONITOR/DISASSEMBLER といったものやいくつかのゲームソフトをネットから入手できたので後は当時のカセットテープを手に入れ、資料に基づき実物になるべく忠実にラベルを作成して復刻版を作ってみた。
勿論中身が空っぽではいかにも嘘になるので前記したカセットテープレコーダー(パナソニック RQ-2112)を使ってソフトウェアは記録済みである。
なお、カセットテープのソフトウェアに関しては別途「データ記録媒体としてのコンパクト・カセットテープ雑感」を参照いただきたい。

※モニターはApple IIc用のグリーンモニターを配してみた。手前はApple 1 オペレーションマニュアル
これで何とか当時の使用環境の全容が復刻できたことになる。
ご覧いただくこれらの環境があればこそ、Apple 1でプログラミングはもとよりだがいくつかのゲームも楽しむことが出来たし、キャラクタをドットの代わりとして人の顔なども表現することが可能だったのである。無論カセットテープにそれらの成果を保存し、いつでもそのデータを読み込んで再現できるわけだ。とはいってもカセットテープからのロードはランダムアクセスができないことはもとよりスピードが遅く信頼性においても現在のハードディスクとかフロッピーディスクと比較すれば劣っていたからエラーの頻度も高かった。しかし不思議に当時はそういうものだと考えていたフシもあり苦にならなかったしこれも我々にとっては最新鋭の周辺機器であったのだ…。
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