暮れのBSアンテナ設置奮戦記

今年中に済ませておきたいミッションとして残ったのはBSアンテナの設置である…。引越後にどうも面倒というかやる気がおきないので放っておいたがTV派の女房から声がかかった(笑)。重い腰を上げて三連休の最後の日に挑戦してみたがどうにも上手くいかない。業者に依頼しようかと思ったが、この程度の事ができない自分が許せないので道具を揃えて再挑戦した。


BSアンテナはベランダの手すりに取り付けることにしていたが、ケーブルを室内に引く場合、エアコンの室外機へ通じる穴は使えないと判断してサッシを閉めた状態でも通電可能な30cmほどのフラットケーブルを買って用意した。

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※アンテナからのケーブルを室内に引き入れるために一部にサッシを閉めた状態で使えるフラットケーブルを使った。


ご存じの方にとっては難しいことなどないのかも知れないが、BSアンテナ設置は "迎角" と "方位角" がかなりシビアに要求される。取り急ぎ室内のテレビをベランダから眺めつつ電波強度を確認しアンテナの位置をあれこれと探ってみたが電波の入る兆候はまったくない(笑)。
無論闇雲にやったわけではなく東京では "迎角(ぎょうかく)" が38度、そして "方位角" が南西51度(224度)にセットする必要があることを念頭に入れてやってみたが正確性を欠くトライだった…。

ということで始めからきちんとやり直すことにした。そして特に1人で設定するには磁石ひとつでは上手くいかないと考え 2つの武器を用意した。
ひとつは日本アンテナ製「BS/UHFチェッカー(NL30S)」、そして2つ目は同じく日本アンテナ提供の無料 iPhoneアプリ「BSコンパス」である。

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※日本アンテナ製「BS/UHFチェッカー(NL30S)」(上)と無料iPhoneアプリの「BSコンパス」(下)


まずやり直しは手始めにアンテナを設置する支柱を垂直にベランダ手すりへ止めることから挑戦。後で振り返ってみるとこれに意外と時間がかかってしまった。
なぜならベランダの手すりがそれこそ正確な正方形とか長方形ならまだしも、緩いカーブを持ったデザインなので基本の止め具だけではしっかりと一点に固定できなかったのだ。仕方がないので手近にあった薄目のゴム板を適宜挟んでみたが問題は垂直であるかどうかを判断する方法である。

早速 iPhoneアプリ「BSコンパス」の登場だ。
このアプリは前記した "迎角" と "方位角" の確認に役立つだけでなく、支柱(アンテナマスト)をセットする際に水平器の役割も果たしてくれる。

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※「BSコンパス」の指示にしたがい、まずは支柱を垂直に設置する


自分の地域を選択した後にそのモードに入り、iPhone本体を縦位置にして支柱へ沿いながら押しつけ、iPhone画面の水平器(垂直器というべきか)が垂直を示す位置にしっかりと取り付ける。特にネジを強く締める際に位置が微妙に動かないように注意が必要だ。そう、重要なことはこのときiPhoneにストラップを付けるなど、落下させない工夫をしておかなければならない。さらに申し上げればマンション上階のベランダなどでの設置はアンテナは無論のこと、道具類を階下に落とさないよう十分に前準備をしてから始めることをお勧めする。

さて支柱が正しくセットできたら次にBSアンテナ本体をその支柱に取り付けるわけだが、その前にアンテナ裏の左右にある仰角調整ネジを緩めて38度位置にしっかりと固定する。これで垂直であるはずの支柱にアンテナを置いた際にその仰角は当然のように38度となる理屈だ。

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※アンテナ本体左右の仰角調整ネジでなるべく正確な角度設定を行う


このとき、アンテナ自体はまだ支柱に固定せず左右に動かせるようにしておく。そして「BSコンパス」を次の方位角を合わせるモードにし、画面上の赤いサーチ範囲に衛星アイコンを正確に合わせた角度にBSアンテナを向け固定する。ここでも固定中に角度が変わらないように細心の注意をする。

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※アンテナの方位角を「BSコンパス」の指示にしたがって合わせる


これで目視的には "迎角" と "方位角" 共にセットできたはずだが、次に電波が受信に必要なレベルで入力されるかの確認をしなければならない。
それには通常アンテナからのケーブルをテレビのBS入力端子に接続し、テレビのアンテナレベル確認モードを使い確認することになるが、アンテナ取付位置から容易にテレビの画面が確認できる場合はよいとして、テレビの設置位置の問題や離れている場合はテレビのボリュームを上げて放送が受信されることを分かりやすくする必要もある…。しかしテレビが容易に確認できない場合はそう簡単にはいかない。

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※テレビのアンテナレベル確認モードや「BS/UHFチェッカー(NL30S)」を使い、アンテナの入力レベルを最大となるように最終調整


ここで強力な武器となるのが前記した「BS/UHFチェッカー(NL30S)」だ。
簡単に説明すれば、そのBS/UHF入力端子にアンテナからのケーブルをつなぎ、BS給電端子にテレビやデジタルチューナーに接続したケーブルをつなぐ。BS給電端子にはテレビなどをONにすることで電源供給され「BS/UHFチェッカー(NL30S)」のBS電源ランプ(緑色)が点灯するはずだ。

取り急ぎ感度調節を最大にしておき電波の強さを示すチェッカーランプの5つのLEDが点灯する位置にBSアンテナの方位角を微調整するわけだ。
少しずつ左右に振りながら手元のチェッカーランプを確認するとすべてのLEDが点灯する位置が見つかる…。ケーブルをつないだまま、LEDが消えないかをを注視しつつアンテナ位置をしっかりと固定して作業は終了である。
これで「BS/UHFチェッカー(NL30S)」では電波強度が確認できているわけで、アンテナからのケーブルをテレビのBS入力端子に接続すればBS放送は間違いなく映るはずだが、これまた実際にやってみないと安心できない(笑)。

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※無事に設置が終わったBSアンテナ


勿論実際のテレビによる確認はノイズもなくきちんと受信できたことをご報告しておきたい。やはり正確な作業をするには前準備と道具を揃えることが早道だとあらためて肝に命じた次第…。お粗末!





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Author:mactechlab
主宰は松田純一。1989年Macのソフトウェア開発専門のコーシングラフィックシステムズ社設立、代表取締役就任 (2003年解散)。1999年Apple WWDC(世界開発者会議)で日本のデベロッパー初のApple Design Award/Best Apple Technology Adoption (最優秀技術賞) 受賞。

2000年2月第10回MACWORLD EXPO/TOKYOにおいて長年業界に対する貢献度を高く評価され、主催者からMac Fan MVP’99特別賞を授与される。著書多数。音楽、美術、写真、読書を好み、Macと愛犬三昧の毎日。2017年6月3日、時代小説「首巻き春貞 - 小石川養生所始末」を上梓(電子出版)。続けて2017年7月1日「小説・未来を垣間見た男 スティーブ・ジョブズ」を電子書籍で公開。また直近では「木挽町お鶴捕物控え」を発表している。
2018年春から3Dプリンターを複数台活用中であり2021年からはレーザー加工機にも目を向けている。ゆうMUG会員