ラテ飼育格闘日記(378)
雪に振り回される日々が続いた…。オトーサンたちは滑って転ばないようにとへっぴり腰なのに対して四輪駆動ならぬ四つ脚の我が娘は、さすがに滑りながらも安定感は抜群で積雪の多いところへとリードを引くので危なくて困る。とはいえ帰宅するとさすがに疲れるのだろうか、食事をするとすぐに寝支度を始めるのには笑ってしまう。
人間が雪と格闘しているとはいえ、それはワンコにはあずかり知らぬことだ。ただただ雪の感触を楽しみ、それを喜んでいる。
ラテには雪がオトーサンたちの生活にどれほど困難さをもたらすかなど知る由もなく楽しんでいる姿は些かしゃくに障るが、こればかりは文句を言っても仕方がない。

※まだ積雪が多々残る朝、深い青空を見上げながら散歩開始
オトーサンとしては雪が降り、その雪をラテが芯から楽しんでいる事実を大切にして出来るだけ楽しませようと散歩に連れ出している。とはいえそこは人間側の理屈で物事を考えざるを得ないオトーサンとしてはラテが雪道をいつも以上にクンクンし、一向に進まないと短気を起こしてしまう…。まことに人間ができていないオトーサンだが、ラテはそんなオトーサンたちをどう見ているのだろうか…。


※なにもわざわざ雪の残っている場所を歩くことはないと思うのだが...(上)。しかし本当にラテは雪が好きなようだ。雪の上に腹ばいとなり帰りたくないとダダをこねる(下)
まあオトーサンがいかに短気を起こそうと、ラテはマイペースだ(笑)。積雪に半分埋まりながら、あるいは滑りながらも丹念に嗅ぎ回り、すれ違う人の顔を品定めでもするように仰ぎ見ながらゆっくりと歩く。
最近はその雪のこともあり、いつもの広い公園に行ってもお仲間のワンコたちや子供たちに会える機会は大変少なくなっている。
ラテも多分に人恋しいのかも知れない…。
先日の夕方、散歩から戻る途中で初対面の男女合わせて7人ほどの高校生らに声をかけられた。といっても最初は自転車を引いた男の子が「こんにちは」と近づいて来た。どうやら仲間の1人2人が「あの犬可愛いね」と言ったことからきっかけを作ろうとしたらしい。オトーサンも「こんにちは…」と返事をしながらも些か警戒して対応したが、面白いのはラテの行動だった…。
通常ラテは小学生といった子供たちなら初対面でもフレンドリーだが高校生、それも男となれば吠えるのは必定だ(笑)。と思ったが、自転車を引きつつ近づいた男子高校生にラテは唸りもせず吠えもせずにその足に鼻面を近づけた。そして…そう、5秒ほど臭いを嗅いだ瞬間「ウワン、ワンワンワン」と吠えだした。
なんの躊躇もせずにラテに近づいた男子に、もしかしたらラテは知っている人かと思って近づいたのだろうか…。しかし臭いを嗅いでみたが彼女のデータベースにその臭いがないので慌てた…といった感じだった(笑)。

※広場の積雪の上で誰か来ないかと座り込む
男子高校生は苦笑するが、いたずらに怖がらず歩きもそのままにしている。無論ラテも警戒の吠え声を上げてはいるものの、足を噛むとか攻撃するといったつもりはないのだ。
後ろの仲間の1人は「嫌われたなお前」と笑う。ラテは仲間の女子たちには好意的ながらも7人もの見知らぬ人たちに囲まれたので些か怖かったのかも知れない。
7人の高校生達は「でもさ、あの犬可愛いぜ…」と笑いながらもオトーサンたちを追い抜いていった。
こうしたたわいのない出来事もラテにとっては良い刺激になるのだろうか、その後は心なしかラテの表情も生き生きしたように思えるオトーサンであった。
とはいえ嬉しい出会いもある。別の日の事、雪がまだまだ深く残り、あちらこちらにその重みに耐えかねて折れた木々が散乱している夕刻のことだった。今日もこのまま知り合いのワンコとも会えずに帰ろうと思ったそのとき、ボストンテリアのボビーちゃんの飼い主さんであるオトーサンと上のオネーサンの姿が…。
勿論ラテは大喜びだ。かがみ込んでくださったオネーサンの顔を舐めるラテの幸せそうな顔。そうした時のラテの目付きは独特なものだ。単に機嫌の良いときとも違うし嬉しい表情というより親バカを承知でいうなら慈愛に充ち満ちた目付きになるのだ。

※帰ればさすがに疲れるのだろう、大好きな縫いぐるみに顔を乗せてうとうとし始める...
ボビーちゃんちのオネーサンは「ラテちゃんはベッピンさんだね」と両手でラテの顔を挟みながら言ってくださる…。ベッピンのオネーサンからのお褒めの言葉はラテよりオトーサンを喜ばせる(笑)。
そんな嬉しいことがあった帰り道はどこか歩みも軽やかでスムーズだ。
そしてそれから3日目のことだったか、夕方の散歩の途中で立ち話をしている女子2人の横を通ろうとしたとき、ラテがリードを引いた。何事かとオトーサンは注視するとマスクをしている女子の1人が会釈をしてくれた…。
オトーサンもマスク顔であったことですれ違うときには分からなかったが、その女の子は小学3年生のときからたまたま公園で会うとラテに近づき可愛がってくれた子で今年から中学生になったはずの人だった。ここのところ数ヶ月会っていなかったものの、その切れ長の眼をしたひな人形のような愛らしい顔をラテはお尻ごと尻尾を振りつつ、マスクの上から舐めている(笑)。
よほど嬉しかったのか、「ラテちゃんまたね!」と言ってくれた女子の方を振り返りながら滅多に見られない笑顔を見せているのが印象的だった。
そしてまたその数日後の夕方、オトーサンたちはかなり雪が溶けて歩きやすくなった路面を横断歩道まで軽く走った…。とそのとき1台の乗用車が止まり、「こんにちは!」と声をかけてくださった方がいた。その方はコーギーのシンノスケ…しんちゃんの飼い主さんご夫婦だった。
我々の姿をたまたま見つけて声をかけてくださったのである。そういえばこの地に引っ越ししてからお会いしたことがなかったのだが、いち早く喜びを表したのはやはりラテだった。
しんちゃんのオカーサンはわざわざ車から降りてくださったがラテはもう抱きつかんばかりで立ち上がっている…。これまで可愛がってくださったお一人であることをラテは忘れていないのだ。
ラテにとって文字通り至福のひとときであろうその喜び方を眺めながらリードを引いているオトーサンは目頭が熱くなるのだった…。
人間が雪と格闘しているとはいえ、それはワンコにはあずかり知らぬことだ。ただただ雪の感触を楽しみ、それを喜んでいる。
ラテには雪がオトーサンたちの生活にどれほど困難さをもたらすかなど知る由もなく楽しんでいる姿は些かしゃくに障るが、こればかりは文句を言っても仕方がない。

※まだ積雪が多々残る朝、深い青空を見上げながら散歩開始
オトーサンとしては雪が降り、その雪をラテが芯から楽しんでいる事実を大切にして出来るだけ楽しませようと散歩に連れ出している。とはいえそこは人間側の理屈で物事を考えざるを得ないオトーサンとしてはラテが雪道をいつも以上にクンクンし、一向に進まないと短気を起こしてしまう…。まことに人間ができていないオトーサンだが、ラテはそんなオトーサンたちをどう見ているのだろうか…。


※なにもわざわざ雪の残っている場所を歩くことはないと思うのだが...(上)。しかし本当にラテは雪が好きなようだ。雪の上に腹ばいとなり帰りたくないとダダをこねる(下)
まあオトーサンがいかに短気を起こそうと、ラテはマイペースだ(笑)。積雪に半分埋まりながら、あるいは滑りながらも丹念に嗅ぎ回り、すれ違う人の顔を品定めでもするように仰ぎ見ながらゆっくりと歩く。
最近はその雪のこともあり、いつもの広い公園に行ってもお仲間のワンコたちや子供たちに会える機会は大変少なくなっている。
ラテも多分に人恋しいのかも知れない…。
先日の夕方、散歩から戻る途中で初対面の男女合わせて7人ほどの高校生らに声をかけられた。といっても最初は自転車を引いた男の子が「こんにちは」と近づいて来た。どうやら仲間の1人2人が「あの犬可愛いね」と言ったことからきっかけを作ろうとしたらしい。オトーサンも「こんにちは…」と返事をしながらも些か警戒して対応したが、面白いのはラテの行動だった…。
通常ラテは小学生といった子供たちなら初対面でもフレンドリーだが高校生、それも男となれば吠えるのは必定だ(笑)。と思ったが、自転車を引きつつ近づいた男子高校生にラテは唸りもせず吠えもせずにその足に鼻面を近づけた。そして…そう、5秒ほど臭いを嗅いだ瞬間「ウワン、ワンワンワン」と吠えだした。
なんの躊躇もせずにラテに近づいた男子に、もしかしたらラテは知っている人かと思って近づいたのだろうか…。しかし臭いを嗅いでみたが彼女のデータベースにその臭いがないので慌てた…といった感じだった(笑)。

※広場の積雪の上で誰か来ないかと座り込む
男子高校生は苦笑するが、いたずらに怖がらず歩きもそのままにしている。無論ラテも警戒の吠え声を上げてはいるものの、足を噛むとか攻撃するといったつもりはないのだ。
後ろの仲間の1人は「嫌われたなお前」と笑う。ラテは仲間の女子たちには好意的ながらも7人もの見知らぬ人たちに囲まれたので些か怖かったのかも知れない。
7人の高校生達は「でもさ、あの犬可愛いぜ…」と笑いながらもオトーサンたちを追い抜いていった。
こうしたたわいのない出来事もラテにとっては良い刺激になるのだろうか、その後は心なしかラテの表情も生き生きしたように思えるオトーサンであった。
とはいえ嬉しい出会いもある。別の日の事、雪がまだまだ深く残り、あちらこちらにその重みに耐えかねて折れた木々が散乱している夕刻のことだった。今日もこのまま知り合いのワンコとも会えずに帰ろうと思ったそのとき、ボストンテリアのボビーちゃんの飼い主さんであるオトーサンと上のオネーサンの姿が…。
勿論ラテは大喜びだ。かがみ込んでくださったオネーサンの顔を舐めるラテの幸せそうな顔。そうした時のラテの目付きは独特なものだ。単に機嫌の良いときとも違うし嬉しい表情というより親バカを承知でいうなら慈愛に充ち満ちた目付きになるのだ。

※帰ればさすがに疲れるのだろう、大好きな縫いぐるみに顔を乗せてうとうとし始める...
ボビーちゃんちのオネーサンは「ラテちゃんはベッピンさんだね」と両手でラテの顔を挟みながら言ってくださる…。ベッピンのオネーサンからのお褒めの言葉はラテよりオトーサンを喜ばせる(笑)。
そんな嬉しいことがあった帰り道はどこか歩みも軽やかでスムーズだ。
そしてそれから3日目のことだったか、夕方の散歩の途中で立ち話をしている女子2人の横を通ろうとしたとき、ラテがリードを引いた。何事かとオトーサンは注視するとマスクをしている女子の1人が会釈をしてくれた…。
オトーサンもマスク顔であったことですれ違うときには分からなかったが、その女の子は小学3年生のときからたまたま公園で会うとラテに近づき可愛がってくれた子で今年から中学生になったはずの人だった。ここのところ数ヶ月会っていなかったものの、その切れ長の眼をしたひな人形のような愛らしい顔をラテはお尻ごと尻尾を振りつつ、マスクの上から舐めている(笑)。
よほど嬉しかったのか、「ラテちゃんまたね!」と言ってくれた女子の方を振り返りながら滅多に見られない笑顔を見せているのが印象的だった。
そしてまたその数日後の夕方、オトーサンたちはかなり雪が溶けて歩きやすくなった路面を横断歩道まで軽く走った…。とそのとき1台の乗用車が止まり、「こんにちは!」と声をかけてくださった方がいた。その方はコーギーのシンノスケ…しんちゃんの飼い主さんご夫婦だった。
我々の姿をたまたま見つけて声をかけてくださったのである。そういえばこの地に引っ越ししてからお会いしたことがなかったのだが、いち早く喜びを表したのはやはりラテだった。
しんちゃんのオカーサンはわざわざ車から降りてくださったがラテはもう抱きつかんばかりで立ち上がっている…。これまで可愛がってくださったお一人であることをラテは忘れていないのだ。
ラテにとって文字通り至福のひとときであろうその喜び方を眺めながらリードを引いているオトーサンは目頭が熱くなるのだった…。
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