本棚に並べて使う一輪挿し「はなぶんこ」に花を添えて...
AssistOn(アシストオン)で販売している文庫本サイズの一輪挿し「はなぶんこ」を購入した。殺風景な当研究所の書棚の一郭に季節の花を飾りたいと考えたからだ。今の季節なら梅、そしてこれからは水仙や桜の小枝を飾るのもよい…。しかし機械類が多い場所であるからして一工夫は必要である。
花に限らず、いまの私たちの生活は季節感が薄れている。初物を好んで食べるわけでもなく食べたいものはほぼ一年中売られている。とはいえ都心から離れているこの地では木々も多く、春には桜、秋には紅葉があちらこちらで見られ、わざわざ旅行に行かなくとも良いと思うほどの季節感に充ち満ちている。
ただし室内はまったく色気がない(笑)。所狭しと機材やガジェット類が占領し、いくつかの書棚は文字通り書籍やら資料で埋まっている。ためにこれまで花でも飾ろうかという余裕すらなかった。

※一輪挿しの花瓶「はなぶんこ」にチューリップ(造花)を活けた例
そんな矢先に「はなぶんこ」という文庫本サイズの一輪挿しがあることを知り、持ち前の好奇心が頭をもたげてきた。この殺風景なスペースに一輪で良いから季節の花でも飾ってみたいと思ったのだ。これまでそんなことは考え事もなかったから我ながら「ヤキが回ったかな」と思うがアイデア自体は決して悪くない…。
とはいえ機器類が多々鎮座しているスペースに余裕を持って花を飾るという場所もないし、それこそ生花をと考えても水でもこぼせば大変だ。それに無精なオヤジとしては水を替えたりあれこれと手間が掛かるのは避けたいとも思い、まずは試みとしてリアルな造花でも揃えてみようと思い立った。
言い訳めくが本来は生花が好きなのだ。命あるものの愛しさを感じる花々といつでも同じ形で朽ちない造花では思い入れも違ってくるが、ここは生花を飾る練習として造花でいろいろと試して見るのも面白いかと考えた次第。それに以前、女房が花屋から買ってきた桜の枝でえらい騒ぎになったことを思い出した。それは数日飾ってから気がついたことだが、茎や萼にまで小さな蟻巻がびっしりと付き、周りの花々にも影響し後片付けが大変だったことがあった…。以来我が家では生花はともかく虫が付きそうな枝ものの花は使わないことにしていたが、無論造花ならその心配も無い。

※「はなぶんこ」とそのパッケージ
さて「はなぶんこ」のサイズは、幅10.5×高さ14.8×厚さ2.7cm と少々厚めの文庫本サイズの一輪挿しだ。したがって申し上げる必要もないだろうが、丸みを帯びている一般的な花瓶の形状ではなく四角い形をしている。だからこそ書棚に並べられた幾多の本の間に無駄なスペースを取らずに置くことができる。
また「はなぶんこ」は肥前吉田焼による磁器であり、本格的な花瓶である。したがってその磁器の肌は実に美しい…。

※「はなぶんこ」の大きさは少々厚めの文庫本サイズ
「はなぶんこ」は当然、文庫本を立てるように置くわけだが、上部一郭に花を挿し口がある。その形状やサイズから多くの花木などを挿すことは考えられておらず、あくまで一輪挿がコンセプトだ。
また「はなぶんこ」中央に左右に貫通した穴がデザインの特長でもあるが、この穴の存在が首の長い花を入れても、前に倒れることを防いでくれるストッパーになっている。勿論水を入れて持ち運ぶ際には指を引っかければ安定して持ち運ぶことができるし、焼き物を歪めず美しく焼き上げるための技術的なノウハウにも一役買っているようだ。

※「はなぶんこ」に活ける目的で手に入れた造花 (梅、桜、水仙、椿、チューリップそして薔薇)
なお「はなぶんこ」には白色と瑠璃(るり)色がある。ただし今回は書棚に設置した際に花瓶の存在を極力目立たせず、花を目立たせたいと考えたために白を選んだ。同時にこの「はなぶんこ」に挿す花をいくつか選別して手に入れた…。前記したように造花である。
それらを列記すると、梅、八重桜、水仙、椿、チューリップそして薔薇である…。特に高価なものではないが見るからに偽物と分かるようでは面白くないのでそれなりに気を遣ったが、まずまずの出来である。まあ「はなぶんこ」は前記したように本物の花瓶であり、いつでも生花を活けることが可能なので造花はあくまで通過点である。

※常陸の梅の小枝を活けた例
もそも花を生ける…飾るという文化・行為は供花すなわち仏前に草花を供えることから始まったらしい。それが東山文化といった書院造りの床の間に定められた形で飾られそれが華道として完成されることになる。無論「はなぶんこ」に挿す一輪あるいは一枝に小難しい理屈は不要であり、思ったように生ければよいが、その一番のコンセプトといえば "美しい" と感じさせる心遣いではないか。だとすれば梅の小枝にしろ、水仙にしろ、デザインというか造形の妙をもって扱えばよいと思う…。勿論生け花の心得がない1人としてはそんな考えしか浮かばないのだが…(笑)。

※椿の一輪を活けた例
薔薇や椿は一輪なので茎の長さに気を使えば良いが、梅や桜の小枝はかなりのボリュームがあるので飾り映えのする一枝を切り取り使うことにする。ということで水仙は立花のごとく投げ入れ同然に、一輪の椿は茎を短くして花の存在を強調、そして梅は枝振りを多少いじって「はなぶんこ」への挿し位置を考えてみた。

※書棚の一郭に「はなぶんこ」に活けたラッパ水仙を置いてみた
その出来がどうのこうのは別にしても、気がついたら小一時間が過ぎていた。ある種の無心の境地というか集中した一時が過ごせたことに気がつき、これこそ時には必要な時間の使い方なのではないかと思いながら「はなぶんこ」を書棚の一郭に置いてみた…。
■AssistOn/「はなぶんこ」
花に限らず、いまの私たちの生活は季節感が薄れている。初物を好んで食べるわけでもなく食べたいものはほぼ一年中売られている。とはいえ都心から離れているこの地では木々も多く、春には桜、秋には紅葉があちらこちらで見られ、わざわざ旅行に行かなくとも良いと思うほどの季節感に充ち満ちている。
ただし室内はまったく色気がない(笑)。所狭しと機材やガジェット類が占領し、いくつかの書棚は文字通り書籍やら資料で埋まっている。ためにこれまで花でも飾ろうかという余裕すらなかった。

※一輪挿しの花瓶「はなぶんこ」にチューリップ(造花)を活けた例
そんな矢先に「はなぶんこ」という文庫本サイズの一輪挿しがあることを知り、持ち前の好奇心が頭をもたげてきた。この殺風景なスペースに一輪で良いから季節の花でも飾ってみたいと思ったのだ。これまでそんなことは考え事もなかったから我ながら「ヤキが回ったかな」と思うがアイデア自体は決して悪くない…。
とはいえ機器類が多々鎮座しているスペースに余裕を持って花を飾るという場所もないし、それこそ生花をと考えても水でもこぼせば大変だ。それに無精なオヤジとしては水を替えたりあれこれと手間が掛かるのは避けたいとも思い、まずは試みとしてリアルな造花でも揃えてみようと思い立った。
言い訳めくが本来は生花が好きなのだ。命あるものの愛しさを感じる花々といつでも同じ形で朽ちない造花では思い入れも違ってくるが、ここは生花を飾る練習として造花でいろいろと試して見るのも面白いかと考えた次第。それに以前、女房が花屋から買ってきた桜の枝でえらい騒ぎになったことを思い出した。それは数日飾ってから気がついたことだが、茎や萼にまで小さな蟻巻がびっしりと付き、周りの花々にも影響し後片付けが大変だったことがあった…。以来我が家では生花はともかく虫が付きそうな枝ものの花は使わないことにしていたが、無論造花ならその心配も無い。

※「はなぶんこ」とそのパッケージ
さて「はなぶんこ」のサイズは、幅10.5×高さ14.8×厚さ2.7cm と少々厚めの文庫本サイズの一輪挿しだ。したがって申し上げる必要もないだろうが、丸みを帯びている一般的な花瓶の形状ではなく四角い形をしている。だからこそ書棚に並べられた幾多の本の間に無駄なスペースを取らずに置くことができる。
また「はなぶんこ」は肥前吉田焼による磁器であり、本格的な花瓶である。したがってその磁器の肌は実に美しい…。

※「はなぶんこ」の大きさは少々厚めの文庫本サイズ
「はなぶんこ」は当然、文庫本を立てるように置くわけだが、上部一郭に花を挿し口がある。その形状やサイズから多くの花木などを挿すことは考えられておらず、あくまで一輪挿がコンセプトだ。
また「はなぶんこ」中央に左右に貫通した穴がデザインの特長でもあるが、この穴の存在が首の長い花を入れても、前に倒れることを防いでくれるストッパーになっている。勿論水を入れて持ち運ぶ際には指を引っかければ安定して持ち運ぶことができるし、焼き物を歪めず美しく焼き上げるための技術的なノウハウにも一役買っているようだ。

※「はなぶんこ」に活ける目的で手に入れた造花 (梅、桜、水仙、椿、チューリップそして薔薇)
なお「はなぶんこ」には白色と瑠璃(るり)色がある。ただし今回は書棚に設置した際に花瓶の存在を極力目立たせず、花を目立たせたいと考えたために白を選んだ。同時にこの「はなぶんこ」に挿す花をいくつか選別して手に入れた…。前記したように造花である。
それらを列記すると、梅、八重桜、水仙、椿、チューリップそして薔薇である…。特に高価なものではないが見るからに偽物と分かるようでは面白くないのでそれなりに気を遣ったが、まずまずの出来である。まあ「はなぶんこ」は前記したように本物の花瓶であり、いつでも生花を活けることが可能なので造花はあくまで通過点である。

※常陸の梅の小枝を活けた例
もそも花を生ける…飾るという文化・行為は供花すなわち仏前に草花を供えることから始まったらしい。それが東山文化といった書院造りの床の間に定められた形で飾られそれが華道として完成されることになる。無論「はなぶんこ」に挿す一輪あるいは一枝に小難しい理屈は不要であり、思ったように生ければよいが、その一番のコンセプトといえば "美しい" と感じさせる心遣いではないか。だとすれば梅の小枝にしろ、水仙にしろ、デザインというか造形の妙をもって扱えばよいと思う…。勿論生け花の心得がない1人としてはそんな考えしか浮かばないのだが…(笑)。

※椿の一輪を活けた例
薔薇や椿は一輪なので茎の長さに気を使えば良いが、梅や桜の小枝はかなりのボリュームがあるので飾り映えのする一枝を切り取り使うことにする。ということで水仙は立花のごとく投げ入れ同然に、一輪の椿は茎を短くして花の存在を強調、そして梅は枝振りを多少いじって「はなぶんこ」への挿し位置を考えてみた。

※書棚の一郭に「はなぶんこ」に活けたラッパ水仙を置いてみた
その出来がどうのこうのは別にしても、気がついたら小一時間が過ぎていた。ある種の無心の境地というか集中した一時が過ごせたことに気がつき、これこそ時には必要な時間の使い方なのではないかと思いながら「はなぶんこ」を書棚の一郭に置いてみた…。
■AssistOn/「はなぶんこ」
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